JP2015010267A - 吹錬制御方法及び吹錬制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】溶銑予備処理開始前に、溶銑予備処理終了後から吹錬開始前までの間の溶銑鍋の待機及び移動による溶銑の温度降下量ΔT1を予測すると共に、吹錬前処理(脱硫処理)による溶銑の温度降下量ΔT2を予測する。また、温度降下量ΔT1と温度降下量ΔT2とを加算し、溶銑予備処理終了後から吹錬開始前までの間の溶銑の総温度降下量ΔTを予測する。そして、溶銑予備処理開始前に、総温度降下量ΔTを考慮して、吹錬中に必要とされる昇熱材と脱燐材とを含む副原料のコストを最小とするための、吹錬開始時の目標溶銑温度及び目標溶銑燐濃度を決定する。
【選択図】図3
Description
転炉操業では、従来、温度・成分調整を行うための副原料投入量・酸素吹き込み量を算出する方法として、吹錬開始時に行う操業ガイダンスモデル(以下、スタティックモデルと称す)を採用している。スタティックモデルとしては、種々のものが提案されている。
そこで、本発明は、最適(安価)に吹錬するための吹錬制御方法及び吹錬制御装置を提供することを課題としている。
このように、転炉の操業条件(転炉の操業方法や鋼種など)に応じて脱硫処理による溶銑の温度低下量を予測するので、操業に則した適切な温度低下予測が可能となる。そのため、吹錬開始時に副原料コストが最小となる最適な溶銑状態を実現する精度を向上させることができる。
さらに、上記において、前記目標候補特性線を1次式で近似するようにしてもよい。
これにより、比較的簡易に目標候補特性線を算出することができる。
これにより、溶銑予備処理過程で変化する溶銑状態を適切に予測することができる。
さらにまた、上記において、前記副原料のコストの指標として、前記必要昇熱材量、前記必要酸素量及び前記必要石灰量に基づいて塩基度を算出し、吹錬開始時の溶銑燐濃度を定めたときの、吹錬処理にて塩基度制約による昇熱材と塩基度調整用の石灰との同時投入が不要な吹錬開始時の溶銑温度のうち、最も低い最低溶銑温度を算出し、前記定めた溶銑燐濃度と前記最低溶銑温度との組み合わせを、前記目標溶銑燐濃度及び前記目標溶銑温度の組み合わせの候補として算出するようにしてもよい。
これにより、吹錬開始時の溶銑温度及び溶銑燐濃度について、最適(安価)に吹錬するための設定が可能となる。
高炉で製造した溶銑は、溶銑予備処理設備に移送され、溶銑予備処理設備にて溶銑の脱燐(脱リン、脱P)が行われる。この処理は溶銑予備処理と呼ばれ、通常、石灰や酸化鉄等を混合した脱リン材をガスと共に溶銑中に吹き込み、溶銑中のリンをスラグ相に移行させたのち、スラグを排出することにより行う。
図1は、転炉昇熱温度と昇熱材コストとの関係を示す図である。ここで、横軸は転炉昇熱温度[℃]、縦軸は転炉で用いる昇熱材のコスト[円/t]である。
この図2に示すように、転炉昇熱温度が高いほど(吹錬開始時の溶銑温度が低いほど)、脱リン材コストは低くなることがわかる。これは、脱リン処理は、溶銑予備処理にて低温で実施する方が低コストであるためである。すなわち、脱リン材コストだけに着目すれば、転炉到着温度を低くしてでも溶銑予備処理で脱リン処理を行う方が有利である。
なお、脱リン材コストの減少の傾きの絶対値は、図1のB領域における昇熱材コストの増加の傾きの絶対値よりも大きく、図1のA領域における昇熱材コストの増加の傾きの絶対値よりも小さい。
この図3に示すように、トータルコストは、図1における転炉の昇熱材コストが急増し始めるポイント(転炉昇熱温度が最大転炉昇熱温度T1となるポイント)で最小となることがわかる。つまり、トータルコストが最小となるポイントは、塩基度の制約によって決まる。
なお、このトータルコストが最小となるポイント(最大転炉昇熱温度T1)は、吹錬開始時の溶銑P濃度の値によって異なる。
目標候補特性線算出部10は、目標溶銑温度の候補と目標溶銑P濃度の候補との関係式を示す目標候補特性線を算出する。ここでは、目標溶銑温度と目標溶銑P濃度との組み合わせの候補を複数点算出し、算出した複数の目標候補点をもとに、目標溶銑温度の候補と目標溶銑P濃度の候補との関係を近似関数で求める。これを目標候補特性線という。具体的には、この目標候補特性線算出部10では、図5に示す目標候補算出処理を実行する。
次にステップS2では、目標候補特性線算出部10は、計算パラメータを読み込みステップS3に移行する。計算パラメータとしては、吹錬開始時の溶銑の成分(C、Si、Mn、S、P、Ti)及び装入トン数、スクラップ銘柄別の装入トン数、焼石灰以外の転炉への副原料装入トン数、出鋼目標温度及び成分(C、Si、Mn、S、P、Ti)、上吹き酸素量がある。これらの計算パラメータは、鋼種毎のデータベース値や操業命令値から取得する。
ステップS4では、目標候補特性線算出部10は、吹錬中の副原料投入量を決めるモデルである石灰投入量モデルを用いて、焼石灰投入量(必要石灰量)を計算する。ここでは、例えば、特開2000−178630号公報に示される計算方法を用い、吹錬開始時の溶銑温度及び成分、並びに出鋼目標温度及び成分を計算パラメータとして取り込み、出鋼時のスラグ量及びスラグ中(CaO)濃度を計算することで、出鋼目標を満たすため必要な転炉への焼石灰投入量(脱リン材投入量)を計算する。
次にステップS6では、目標候補特性線算出部10は、顕熱計算を行う。ここでは、吹錬開始時の溶銑温度(xt)及び装入トン数に基づいて、溶銑の持つ熱量を計算すると共に、転炉出鋼時の出鋼目標温度及び出鋼トン数に基づいて、出鋼時の溶鋼の持つ熱量を計算する。なお、上記出鋼トン数は、溶銑装入トン数、副原料装入トン数及びスクラップ装入トン数より計算する。
その際、副原料、合金鉄、焼石灰の含有成分量を計算する。副原料、合金鉄、焼石灰毎にそれぞれ装入トン数に対する各成分(C、Si、Mn、S、P、Ti)の含有率が決められているため、それぞれの装入トン数から各成分の含有量を計算する。
次に、吹錬反応における熱収支式及び酸素収支式を組み立てる。ここで、吹錬反応における酸素収支式は「入酸素=出酸素」として組み立てる。入酸素項は、吹錬酸素量(上吹き酸素、底吹き酸素)、副原料含有酸素量等から構成される。また、出酸素項は、C→CO時の消費酸素量、スラグ含有酸素量、不明酸素量、オペレータによる入力酸素量等から構成される。
そして、副原料(昇熱材FeSi)を、例えば0kgから2250kgまで25kgずつ加算しながらループ計算を行い、熱収支式、酸素収支式の連立方程式を解くことで、出鋼条件を満たすために必要な必要熱量(昇熱材FeSi)及び必要酸素量(底吹き酸素量)を求める。
ステップS9では、目標候補特性線算出部10は、前記ステップS8で求めた塩基度の値が予め設定した閾値(例えば、3.2)以下であるか否かを判定する。ここで、上記閾値は、塩基度(CaO/SiO2)の下限制約に相当する値である。
ステップS12では、目標候補特性線算出部10は、変数ytが最大値ytmaxを越えたか否かを判定する。ここで、最大値ytmaxは、例えば1350[℃]とする。そして、yt≦ytmaxであるときには前記ステップS7に移行し、yt>ytmaxであるときにはステップS13に移行する。
ステップS14では、目標候補特性線算出部10は、変数xtが最大値xtmaxを越えたか否かを判定する。ここで、最大値xtmaxは、例えば100[0.001%]とする。そして、xt≦xtmaxであるときには前記ステップS2に移行し、xt>xtmaxであるときには目標候補算出処理を終了する。
つまり、溶銑P濃度を固定として、吹錬開始時の目標溶銑温度を1100[℃]から1350[℃]まで低い温度から順に設定変更しながら、その溶銑P濃度と溶銑温度との組み合わせがA領域に属する溶銑状態であるか否かを判定し、A領域からB領域に切り替わる境界の溶銑温度を求める。これにより、上記範囲内の各溶銑P濃度について、トータルコストが最小となる溶銑温度が求まり、複数の目標候補が算出される。
図6において、直線αを境として、斜線領域内の溶銑状態は図3のA領域に属する。一方、斜線領域以外の領域内の溶銑状態は図3のB領域に属する。つまり、斜線領域内では、溶銑P濃度を一定とした場合、溶銑温度が下がるほどトータルコストは上がるが、それ以外の領域では、溶銑P濃度を一定とした場合、溶銑温度が下がるほどトータルコストは下がる。また、直線α上では、溶銑P濃度が低いほど(溶銑温度が高いほど)トータルコストは下がる。
ここでは、この溶銑温度と溶銑P濃度との推移を示す線を、回帰などによって定める。一般に、脱リン量に対する温度降下量は予備処理時間がほぼ一定と見做せるので、ここでは溶銑温度と溶銑P濃度との推移を示す予備処理動作線を直線で表すものとする。
図4の予備処理動作線補正部30は、予備処理動作線算出部20で算出した予備処理動作線を、後述する温度降下量予測部35で予測した溶銑予備処理終了から吹錬開始までの間の溶銑の総温度降下量ΔTを考慮して補正する。
温度降下量予測部35は、溶銑予備処理終了から吹錬開始までの間の溶銑の総温度降下量ΔTを予測する。溶銑予備処理後から吹錬開始までの間には、溶銑払い出し、脱硫処理などの工程をはさむ場合があり、操業毎のフィッティングが重要である。そこで、温度降下量予測部35は、これらを考慮して総温度降下量ΔTを予測する。
先ずステップS31で、温度降下量予測部35は、各パラメータを以下のように設定する。
溶銑予備処理後〜吹錬開始の間の時間:t1[sec]
脱硫処理時間:t2[sec]
溶銑鍋の待機・移動時間の単位時間当たりの熱降下量:U[℃/sec]
脱硫処理の単位時間当たりの熱降下量:V[℃/sec]
脱硫処理時間t2は、転炉の処理時間と相関がある。これは、転炉操業が途切れないように溶銑を脱硫処理設備から転炉へ送るようにしているためである。転炉の処理時間は操業方法(1/2基操業か2/2基操業か等)と鋼種によって異なるため、脱硫処理時間t2も転炉の操業方法と鋼種によって決まる。
そして、ステップS34で、温度降下量予測部35は、溶銑予備処理終了後から吹錬開始前までの間の溶銑の総温度降下量ΔTを算出し、温度降下量予測処理を終了する。ここでは、前記ステップS32で算出した溶銑予備処理後〜吹錬開始の間の溶銑鍋の待機・移動中における温度降下量ΔT1と、前記ステップS33で算出した脱硫処理中の温度降下量ΔT2とを加算し、その結果を総温度降下量ΔTとして算出する。
なお、図9のステップS32が第1温度降下量予測手段に対応し、ステップS33が第2温度降下量予測手段に対応し、ステップS34が総温度降下量予測手段に対応している。また、図4の目標候補特性線算出部10、予備処理動作線算出部20、予備処理動作線補正部30及び目標値決定部40が目標値決定手段に対応している。
吹錬制御装置1は、溶銑予備処理開始前に、吹錬開始時の目標溶銑P濃度と目標溶銑温度とを設定する。具体的には、吹錬開始時の溶銑P濃度及び溶銑温度を変数とし、熱収支モデル、酸素収支モデル及び石灰投入量モデルを用いて、必要石灰量、必要酸素量及び必要昇熱材量を算出する吹錬計算を実行する。そして、予め設定した範囲内の各溶銑P濃度について、昇熱材(FeSi)と脱リン材(石灰量)とをあわせたコストが最小となる溶銑温度を算出し、吹錬開始時の目標溶銑P濃度の候補と目標溶銑温度の候補との関係を示す目標候補特性線を、近似関数(ここでは一次式)を用いて算出する(図8の直線α)。
溶銑予備処理が終了すると、吹錬前処理として脱硫処理を行ってから、溶銑が転炉へ搬送される。このとき、溶銑温度は、溶銑鍋の待機・移動中の温度低下(温度低下量ΔT1)と、脱硫処理中の温度低下(温度低下量ΔT2)とにより、所定の温度降下量(ΔT=ΔT1+ΔT2)だけ低下する。
そして、この状態で転炉における吹錬処理を開始する。このとき、吹錬開始時の溶銑P濃度及び溶銑温度は、副原料コストが最小となる目標溶銑P濃度及び目標溶銑温度に一致しているため、吹錬処理にて塩基度調整のための石灰投入を必要としない。したがって、安価に吹錬処理を行うことができる。
ここで、吹錬終了時の温度Tcから目標溶銑温度Trefを差し引いた温度は、昇熱材と脱リン材とをあわせたトータルコストが最小となる最大転炉昇熱温度T1に一致する。このように、トータルコストが最小となる条件で操業を行うことができる。
このように、上記実施形態では、昇熱材と脱リン材とをあわせたトータルコストを考慮して吹錬開始時の溶銑P濃度及び溶銑温度を決定するので、吹錬開始時の溶銑温度及び溶銑P濃度について、安価に吹錬するための設定が可能となる。
ここで、脱硫処理による温度降下量ΔT2は、脱硫処理の処理時間が転炉での処理時間と相関があることを利用して、転炉の操業方法や鋼種によって決定した脱硫処理時間t2を操業パターンによって決まる脱硫処理の単位時間当たりの熱降下量Vに乗じた結果とする。したがって、脱硫処理による溶銑の温度降下量ΔT2を精度良く予測することができる。
上記実施形態においては、目標候補算出処理として、図11に示す処理を実行することもできる。この図11の目標候補算出処理は、目標候補特性線が図6の直線αに示すように次式で表される一次方程式で近似できることを利用し、目標溶銑P濃度と目標溶銑温度との組み合わせの候補を2点のみ導出し、この2点から目標候補特性線を算出するようにしたものである。
(溶銑温度)=A×(溶銑P濃度)+B ………(1)
ここで、A,Bは定数である。
ステップS21では、xt=0とする。ここでは、xt=0のとき、溶銑P濃度=40[0.001%]とする。
ステップS23では、xtが“1”を越えたか否かを判定する。そして、xt≦1であるときには前記ステップS2に移行し、xt>1であるときには目標候補算出処理を終了する。ここで、xt=1のとき、溶銑P濃度=70[0.001%]とする。
すなわち、xt=0のとき(溶銑P濃度=40[0.001%])と、xt=1のとき(溶銑P濃度=70[0.001%])とで、それぞれA領域とB領域との境界となる溶銑温度を算出する。これら2点の溶銑P濃度及び溶銑温度の値に基づいて上記(1)式の定数A,Bを求めることで、目標候補特性線を算出する。
上記実施形態においては、溶銑P濃度が目標溶銑P濃度に達したときに溶銑予備処理を終了する場合について説明したが、鋼種によっては、P濃度を下げすぎてはいけない場合があるため、このように溶銑P濃度に制約がある場合には、目標溶銑P濃度に達する前に溶銑予備処理を終了することもできる。例えば、P濃度をP濃度閾値Pth(例えば30[0.001%])よりも下げてはいけない鋼種の場合、目標溶銑P濃度がP濃度閾値Pthよりも小さい値に設定された場合には、図12に示すようにP濃度がP濃度閾値Pthに達したときに溶銑予備処理を終了するようにする。
但し、図14に示すように、P濃度に制約がある場合でも、もともと目標溶銑P濃度がP濃度閾値Pth以上に設定されている場合には、点線矢印のように途中で処理を中断して目標候補特性線上の溶銑状態を狙う方法を選択されないものとする。これは、上述したように、目標候補特性線上では、溶銑P濃度が高いほど(溶銑温度が低いほど)コスト高となるためである。
Claims (8)
- 溶銑予備処理開始前に、溶銑予備処理終了後から吹錬開始前までの間に行われる溶銑の温度降下を伴う吹錬前処理による溶銑の温度降下量と、溶銑予備処理終了後から吹錬開始前までの間の溶銑鍋の処理待機及び溶銑予備処理設備から転炉までの溶銑鍋の移動による溶銑の温度降下量とを加算した、溶銑予備処理終了後から吹錬開始前までの間の溶銑の総温度降下量を予測し、
溶銑予備処理開始前に、当該総温度降下量を用いて、吹錬中に必要とされる昇熱材と脱燐材とを含む副原料のコストを最小とするための、吹錬開始時の目標溶銑温度及び目標溶銑燐濃度を決定することを特徴とする吹錬制御方法。 - 前記吹錬前処理は脱硫処理であり、
前記脱硫処理による単位時間当たりの溶銑の温度降下量に、転炉の操業条件によって決まる前記脱硫処理の処理時間を乗じることで、前記吹錬前処理による溶銑の温度降下量を予測することを特徴とする請求項1に記載の吹錬制御方法。 - 直近に吹錬処理した溶銑が溶銑予備処理終了後から吹錬開始前までにかかった時間から前記吹錬前処理の処理時間を減じた時間を溶銑鍋の待機・移動時間とし、
前記溶銑鍋の処理待機及び移動による単位時間当たりの溶銑の温度降下量に、前記待機・移動時間を乗じることで、前記溶銑鍋の処理待機及び移動による溶銑の温度降下量を予測することを特徴とする請求項1又は2に記載の吹錬制御方法。 - 溶銑予備処理開始前に、吹錬開始時の溶銑温度及び溶銑燐濃度を変数として、吹錬反応における熱収支モデル、酸素収支モデル、及び石灰投入量モデルを用いて、必要昇熱材量、必要酸素量、及び必要石灰量を算出する吹錬計算を実行することで、前記副原料のコストを算出するステップと、
算出した前記副原料のコストを最小化する吹錬開始時の溶銑温度及び溶銑燐濃度の組み合わせを、前記目標溶銑温度及び前記目標溶銑燐濃度の組み合わせの候補として複数点算出し、前記目標溶銑温度の候補と前記目標溶銑燐濃度の候補との関係を示す目標候補特性線を算出するステップと、
溶銑予備処理開始前の溶銑温度と溶銑成分とに基づいて、溶銑予備処理過程で変化する溶銑温度と溶銑燐濃度との関係を示す予備処理動作線を予測するステップと、
前記目標候補特性線と前記予備処理動作線とに基づいて、前記目標溶銑温度及び前記目標溶銑燐濃度を決定するステップと、を備え、
前記予備処理動作線を前記総温度降下量の分だけ補正し、前記目標候補特性線と補正後の前記予備処理動作線とに基づいて、前記目標溶銑温度及び前記目標溶銑燐濃度を決定することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の吹錬制御方法。 - 前記目標候補特性線を1次式で近似することを特徴とする請求項4に記載の吹錬制御方法。
- 前記予備処理動作線を回帰式によって予測することを特徴とする請求項4又は5に記載の吹錬制御方法。
- 前記副原料のコストの指標として、前記必要昇熱材量、前記必要酸素量及び前記必要石灰量に基づいて塩基度を算出し、
吹錬開始時の溶銑燐濃度を定めたときの、吹錬処理にて塩基度制約による昇熱材と塩基度調整用の石灰との同時投入が不要な吹錬開始時の溶銑温度のうち、最も低い最低溶銑温度を算出し、前記定めた溶銑燐濃度と前記最低溶銑温度との組み合わせを、前記目標溶銑燐濃度及び前記目標溶銑温度の組み合わせの候補として算出することを特徴とする請求項4〜6の何れか1項に記載の吹錬制御方法。 - 溶銑予備処理開始前に、溶銑予備処理終了後から吹錬開始前までの間に行われる溶銑の温度降下を伴う吹錬前処理による溶銑の温度降下量を予測する第1温度降下量予測手段と、
溶銑予備処理開始前に、溶銑予備処理終了後から吹錬開始前までの間の溶銑鍋の処理待機及び溶銑予備処理設備から転炉までの溶銑鍋の移動による溶銑の温度降下量を予測する第2温度降下量予測手段と、
前記第1温度降下量予測手段で予測した前記吹錬前処理による溶銑の温度降下量と、前記第2温度降下量予測手段で予測した前記溶銑鍋の待機及び移動による溶銑の温度降下量とを加算した結果を、溶銑予備処理終了後から吹錬開始前までの間の溶銑の総温度降下量として予測する総温度降下量予測手段と、
溶銑予備処理開始前に、前記総温度降下量予測手段で予測した総温度降下量を用いて、吹錬中に必要とされる昇熱材と脱燐材とを含む副原料のコストを最小とするための、吹錬開始時の目標溶銑温度及び目標溶銑燐濃度を決定する目標値決定手段と、を備えることを特徴とする吹錬制御装置。
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