JP3139380B2 - 光コードのシース剥ぎ工具 - Google Patents

光コードのシース剥ぎ工具

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JP3139380B2
JP3139380B2 JP08200588A JP20058896A JP3139380B2 JP 3139380 B2 JP3139380 B2 JP 3139380B2 JP 08200588 A JP08200588 A JP 08200588A JP 20058896 A JP20058896 A JP 20058896A JP 3139380 B2 JP3139380 B2 JP 3139380B2
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optical
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、中心に光ファイバ
が配設され、その周りが保護ファイバで包囲され、さら
に保護ファイバが表皮であるシースで覆われた光コード
を対象とし、その接続操作時にシースを剥ぐ用に供する
光コードのシース剥ぎ工具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光コードは、中心部分に配設された光フ
ァイバと、この光ファイバを取り囲むように配設された
複数の保護ファイバと、これら保護ファイバを被覆した
筒状のシースとから形成されている。このような光コー
ドは、複数本が直列に接続されて配線されて情報伝達用
に使用される。光コードを接続するに際しては、各光フ
ァイバの端面同士が高精度で対向させられ、この状態を
維持しつつ両者がコネクタを介して固定される。高精度
で光ファイバの端面同士を対向させるには、光ファイバ
の外周に存在するシースや保護ファイバが邪魔になるた
め、通常、光コードの接続操作に先立ってシースおよび
保護ファイバを取り除いて光ファイバを外部に露出させ
る、いわゆるシース剥ぎ操作が施される。
【0003】従来、上記シース剥ぎは、市販のカッター
ナイフを操作してシースの外周面に切り込みを入れ、つ
いで切り込み部分よりも先端側を手で引き抜いて保護フ
ァイバを露出させ、その後、保護ファイバを1本ずつカ
ッターナイフで切断するという操作によって行われてい
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な従来のシース剥ぎ操作においては、一々両手で1本ず
つあたかも鉛筆をナイフで削るような非常に面倒な操作
が必要であり、作業性が劣るという問題点を有してい
た。また、カッターナイフの操作時に手元が狂って光フ
ァイバーを損傷させることがあるという問題点も存在し
た。
【0005】さらに、上記の鉛筆を削るような操作によ
り行う両手作業では、シースの剥ぎ取り寸法がばらつく
ため、光ファイバの露出長が一定せず、その結果光ファ
イバのコネクタへの装着精度が悪くなり、これが原因と
なって光コードが接続された状態で情報の伝達に支障を
きたすことがあるという問題点を有している。
【0006】本発明は、上記のような問題点を解決する
ためになされたものであり、シースの剥ぎ取り操作が容
易であり、しかも剥ぎ取り寸法の精度が高い光コードの
シース剥ぎ工具を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
光コードのシース剥ぎ工具は、中心部分に配設された光
ファイバと、この光ファイバを取り囲むように配設され
た複数の保護ファイバと、これら保護ファイバを被覆し
た筒状のシースとから形成された光コードの接続操作時
に使用する光コードのシース剥ぎ工具であって、縁部に
光コードが嵌まり込む操作溝が凹設された板状の工具本
体と、上記操作溝の底部に操作溝を横断し、かつ、刃先
が底部から所定長突出したカッターナイフとを備えて形
成され、上記工具本体は、剥ぎ取るべきシースの長さを
表示するシース用スケールと、互いに溝深さが異なる複
数の操作溝とを有し、上記カッターナイフは、各操作溝
を横断し、かつ、各操作溝での刃先突出量がそれぞれ異
なるように寸法設定された状態で工具本体に取り付けら
ていることを特徴とするものである。
【0008】この光コードのシース剥ぎ工具によれば、
光コードを操作溝に嵌め込み、カッターナイフの刃先に
向けて押圧した状態で中心回りに回すことによって、表
面に食い込んだ刃先によってシースに環状の切り込みが
形成され、この切り込みを境にシースを容易に剥ぎ取る
ことができ、従来のような両手を使ってナイフでシース
を削り取るシース剥ぎ操作に比べて非常に操作が容易に
なるとともに、安全である。
【0009】そして、工具本体に設けられたシース用ス
ケールによりシースの剥ぎ取り寸法を設定した状態で光
コードを操作溝に嵌め込むことが可能であるため、従来
のように物差し等でシースの剥ぎ取り長さを一々測定す
る必要はない。
【0010】しかも、シースを剥ぎ取った後、同一のシ
ーツ剥ぎ工具により保護ファイバ用スケールを用いて保
護ファイバの不要な部分を正確な寸法設定で切断するこ
とができるため、光コードの接続時のシースの剥ぎ取り
操作を効率化する上で極めて好都合である。
【0011】さらに、工具本体に互いに溝深さが異なる
複数の操作溝を設ける一方、各操作 溝を横断し、かつ、
各操作溝での刃先突出量がそれぞれ異なるように寸法設
定された状態でカッターナイフを工具本体に取り付けた
ため、シースの厚み寸法に応じて最適の操作溝を選択す
ることができ、迅速、かつ、確実にシースを剥ぎ取るこ
とが可能になる。
【0012】本発明の請求項2記載の光コードのシース
剥ぎ工具は、請求項1記載の光コードのシース剥ぎ工具
において、上記シース用スケールは、上記操作溝の下部
の工具本体壁面に直交するように突設されていることを
特徴とするものである。
【0013】この光コードのシース剥ぎ工具によれば、
光コードを操作溝に嵌め込むことにより、光コードは操
作溝の下部の壁面に突設されたシース用スケールに上下
で対向した状態になるため、このシース用スケールとの
比較でシースの剥ぎ取り長の確認が容易になる。
【0014】本発明の請求項3記載の光コードのシース
剥ぎ工具は、請求項1または2記載の光コードのシース
剥ぎ工具において、上記工具本体は、切断すべき保護フ
ァイバの長さを表示する保護ファイバ用スケールを有し
ていることを特徴とするものである。
【0015】この光コードのシース剥ぎ工具によれば、
シースを剥ぎ取った後、同一のシーツ剥ぎ工具により保
護ファイバ用スケールを用いて保護ファイバの不要な部
分を正確な寸法設定で切断することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係るシース剥ぎ
工具が適用される光コードの一実施形態を示す図であ
り、(イ)は横断面図、(ロ)は縦断面図である。図1
に示すように、光コード1は、中心部分に配設された光
ファイバ11と、この光ファイバ11を取り囲むよう
に、いわゆる縦添えで配設された保護ファイバ12と、
この保護ファイバ12に被せられた円筒状のシース13
とを備えて形成されている。
【0017】上記光ファイバ11は、中心部分を構成す
るコアとこのコアを囲繞したクラッドとからなる心線1
1aと、この心線11aを被覆したポリアミド製の被膜
11bとから構成されている。この被膜11bによって
心線11aが保護されている。上記コアおよびクラッド
は、いずれも石英を主成分にして形成されている。コア
およびクラッドに対する酸化ゲルマニウム等の不純物の
混入割合を調節することによってコアの屈折率をクラッ
ドの屈折率よりも大きくし、これによってコア内を進む
光がクラッドの内周面で全反射され、光は減衰すること
なくコア内を進行し得るようになっている。
【0018】上記保護ファイバ12は、光ファイバ11
を囲繞して光ファイバ11の損傷を防ぐとともに、光コ
ード1の引張り強度を大きくし、これによって光ファイ
バ11の断線を抑制するためのものである。本実施形態
においては、保護ファイバ12は非常に大きな引張り強
度を有する芳香族系のポリアミドからなる、いわゆるア
ラミド繊維が使用されている。かかるアラミド繊維とし
ては、米国デュポン社の開発になるケブラーが好適であ
る。
【0019】上記シース13は、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリビニルクロライド、ポリアミド、ポリエ
ステル等を原料にした軟質の合成樹脂製のチューブが適
用されている。かかるシース13に複数本で光ファイバ
11を包囲した状態の保護ファイバ12が挿通されて光
コード1が形成されている。
【0020】本発明のシーツ剥ぎ工具は、上記のような
光コード1の端部のシース13を剥ぎ取り、さらに外部
に露出した保護ファイバ12を所定長に切断するもので
ある。この工具によってシース13が剥ぎ取られた光コ
ード1は、複数本が順次直列に接続される。
【0021】図2は、本発明に係るシーツ剥ぎ工具2の
一実施形態を示す斜視図である。また図3は図2のA−
A線断面図であり、図4は図2の正面図である。これら
の図に示すように、シーツ剥ぎ工具2は、側面視でL字
形状を呈した工具本体21と、この工具本体21に装着
されるカッターナイフ3と、スケール4とを備えて形成
されている。
【0022】上記工具本体21は、中実のアルミニウム
合金製であり、長尺の側面視でL字形状の基部22と、
この基部22の図3における右側部にねじ止めで取り付
けられた長手方向の全長に亘る剥離操作部23とを備え
て形成されている。上記剥離操作部23にはその上縁部
から下方に向かって凹入した複数の操作溝24が凹設さ
れており、これらの剥離操作部23のいずれかに光コー
ド1を嵌め込んだ状態でシース剥ぎ操作を行うようにし
ている。上記操作溝24は、図4に示す最左方のものが
最も浅い深さ寸法に設定され、右方に隣接したものが略
1mmずつ順次溝深くなるように寸法設定されている。
【0023】また、基部22の上方に突出した部分で工
具本体21の長手方向の全長に亘るカッター保持板25
が形成されている。このカッター保持板25は上端面が
図4に示す最右方の操作溝24の底面と同一高さレベル
になるように上下長が設定されている。
【0024】このようなカッター保持板25と、上記剥
離操作部23との間にカッターナイフ3を嵌め込むため
のカッター装着溝26が形成されている。そして、カッ
ターナイフ3は、このカッター装着溝26に嵌め込まれ
た状態で剥離操作部23がカッター保持板25にねじ止
めされて締結されることにより工具本体21に固定され
るようになっている。
【0025】そして、カッターナイフ3は、工具本体2
1に固定された状態で刃先31が操作溝24の底面より
も若干上位に位置するように装着位置が設定されてい
る。これによって刃先31の操作溝24底面からの突出
量は、図4に示す最左方の操作溝24において略1mm
であり、右方に移るに従って操作溝24の底面からの突
出量が略1mmずつ増加した状態になっている。
【0026】そして、工具本体21の正面(図3の右
方)の各操作溝24の下部には、シース用スケール41
が工具本体21の壁面に直交した水平方向に延びるよう
に取り付られている。これらのシース用スケール41
は、金属製の細板がL字形状に折り曲げられて形成さ
れ、これらのシース用スケール41は、剥離操作部23
の厚み寸法を加えた寸法が光コード1の剥離シース長d
1に等しい長さ寸法を有している。
【0027】従って、図2および図3に二点鎖線で示す
ように、光コード1をその先端がシース用スケール41
の先端に一致するように操作溝24に嵌め込むことによ
って、光コード1は、シース13の剥ぎ取り寸法を一々
測定することなく、剥離シース長d1だけ正確に剥ぎ取
られ得るようにシーツ剥ぎ工具2に装着されることにな
る。そして、光コード1を操作溝24に装着した状態で
手によって下方に押圧しながら軸心周りに1回転させる
ことによって、シース13にカッターナイフ3の刃先3
1による環状の切り込みが形成される。この環状切り込
み形成後にシース13の先端部を引くことによってシー
ス13の環状切り込みより先端側の部分が外れて保護フ
ァイバ12が外部に露出した状態になる。
【0028】上記カッター保持板25は、シース13を
剥ぎ取った後の保護ファイバ12の切断長を表示し得る
ように厚み寸法が設定されている。このカッター保持板
25の上縁部によって保護ファイバ用スケール42が形
成されている。具体的には、保護ファイバ用スケール4
2の寸法(すなわちカッター保持板25の厚み寸法)
は、保護ファイバ12を切断した後の、シース13から
露出した保護ファイバ残留長d2(図3)に設定されて
いる。
【0029】従って、シース13の先端側を剥ぎ取った
後の外部に露出した保護ファイバ12の根本部分を保護
ファイバ用スケール42に押し当てることによって保護
ファイバ12に保護ファイバ残留長d2が設定された状
態になる。この状態で保護ファイバ12の先端側を指で
摘み、カッターナイフ3の刃先31の方向に引張ること
により保護ファイバ12の不要部分が切断されて取り除
かれることになる。
【0030】図5および図6は、本発明の作用を説明す
るための説明図である。そして、図5はシース剥ぎ取り
工程を示し、(イ)は光コード1がシーツ剥ぎ工具2の
操作溝24に嵌め込まれた状態、(ロ)はシース13が
剥ぎ取られた状態をそれぞれ示している。また、図6は
保護ファイバ切断工程を示し、(イ)は保護ファイバ1
2が切断されつつある状態、(ロ)はすべての保護ファ
イバ12が切断された状態をそれぞれ示している。
【0031】光コード1のシース13を剥いで接続し得
る状態にするには、最初に図5に示すシース剥ぎ工程が
実行される。この場合、まず図5の(イ)に示すよう
に、光コード1を工具本体21の操作溝24に嵌め込
む。複数ある操作溝24のいずれに嵌め込むかについて
は、シース13の厚み寸法が勘案され、カッターナイフ
3の刃先31が充分シース13を切断し得る突出量に設
定されている操作溝24が選択される。そして、光コー
ド1が操作溝24に嵌め込まれた状態で、光コード1の
先端面がシース用スケール41の先端面に水平方向で一
致するよう光コード1の位置設定を行う。こうすること
によって、工具本体21に装着された光コード1は、カ
ッターナイフ3の刃先31より先端部分が剥離シース長
d1になっている。
【0032】ついで光コード1を下方に押圧することに
より、図5の(イ)に示すように、シース13の下面部
がカッターナイフ3の刃先31に食い込んだ状態にな
る。この状態で光コード1を押さえながら中心周りに1
回転させることによって、シース13の全周に環状の切
り込みが形成され、シース13はカッターナイフ3より
も先端側が分離された状態になる。
【0033】その後、シース13の先端側の分離された
部分を指で摘んで右方に引張ることにより、図5の
(ロ)に示すように、シース13の先端部分が引き抜か
れ、保護ファイバ12が外部に露出した状態になる。
【0034】ついで、図6に示す保護ファイバ切断工程
が実行される。この工程においては、先端部分のシース
13が剥ぎ取られた光コード1を、図5の(ロ)に示す
位置から左方に移動させ、シース13の切断面をカッタ
ー保持板25の左方の上縁部に当接させる。こうするこ
とによって下方に位置した保護ファイバ12はカッター
ナイフ3の刃先31に当接し、しかも刃先31とシース
13の切断面との間の寸法は保護ファイバ残留長d2に
なっている。
【0035】この状態でカッターナイフ3の刃先31に
当接している保護ファイバ12を斜め下方に引張ること
により、保護ファイバ12はカッターナイフ3の刃先3
1によって切断される。1本の保護ファイバ12が切断
されると光コード1を若干回転させて他の1本に同様の
操作を施し、この操作を全ての保護ファイバ12に施す
ことによって、図6の(ロ)に示すように、光ファイバ
11のシース13からの露出長が剥離シース長d1に寸
法設定され、かつ、保護ファイバ12の露出長が保護フ
ァイバ残留長d2に寸法設定されたシース剥ぎ済みの光
コード1が得られる。
【0036】図7は、シース剥ぎが完了した光コード1
のコネクタへの接続を例示する説明図であり、(イ)は
シース13が剥ぎ取られた状態の光ファイバ11にフェ
ルールが接着された状態、(ロ)は保護ファイバ12コ
ネクタが装着された状態をそれぞれ示している。
【0037】シーツ剥ぎ工具2によってシース13が取
り除かれ、さらに余分な保護ファイバ12が切断された
図6の(ロ)に示す状態の光コード1は、外部に露出し
た光ファイバ11の先端部が、図7の(イ)に示すよう
に、光コード1の接続部品であるジルコニア製のフェル
ール5に接着剤を介して接着される。
【0038】ついで、フェルール5の取り付けられた光
コード1は、シース13の剥離部分が筒状のコネクタ本
体61およびコネクタ本体61の基端側(図7の左方)
から延設されたブーツ62からなるコネクタ6に、その
端面からフェルール5の先端部が突出した状態で嵌め込
まれ、これによって、図7の(ロ)に示すように、光コ
ード1がコネクタ6に装着された状態になる。
【0039】そして、このような光コード1の装着され
たコネクタ6同士を、それぞれのフェルール5の端面が
互いに当接する状態で接続することによって、光コード
1が相互に接続される。
【0040】以上詳述したように、本発明のシーツ剥ぎ
工具2は、縁部に光コード1が嵌まり込む操作溝24が
凹設された板状の工具本体21と、操作溝24の底部に
操作溝24を横断し、かつ、刃先31が底部から所定長
突出したカッターナイフ3とを備えて形成され、工具本
体21は、剥ぎ取るべきシース13の長さを表示するシ
ース用スケール41と、切断すべき保護ファイバ12の
長さを表示する保護ファイバ用スケール42とを備えて
形成されているため、光コード1を操作溝24に嵌め込
み、カッターナイフ3の刃先31に向けて押圧した状態
で中心回りに回すことによって、表面に食い込んだ刃先
31によってシース13に環状の切り込みが形成され、
この切り込みを境にシース13を容易に剥ぎ取ることが
でき、従来のような両手を使ってナイフでシース13を
削り取るシース剥ぎ操作に比べて非常に操作が容易にな
るとともに、安全である。
【0041】そして、工具本体21に設けられたシース
用スケール41によりシース13の剥ぎ取り寸法を設定
した状態で光コード1を操作溝24に嵌め込むことが可
能であるため、従来のように物差し等でシース13の剥
ぎ取り長さを一々測定する必要はない。
【0042】しかも、シース13を剥ぎ取った後、同一
のシーツ剥ぎ工具2により保護ファイバ用スケール42
を用いて保護ファイバ12の不要な部分を正確な寸法設
定で切断することができるため、光コード1の接続時の
シース13の剥ぎ取り操作を効率化する上で極めて好都
合である。
【0043】また、工具本体21には、互いに溝深さが
異なる複数の操作溝24が設けられ、カッターナイフ3
は、各操作溝24を横断し、かつ、各操作溝24での刃
先31突出量がそれぞれ異なるように寸法設定されてい
るため、シース13の厚み寸法に応じて最適の操作溝2
4を選択することができ、迅速かつ確実にシース13を
剥ぎ取る上で有効である。
【0044】本発明は、上記の実施形態に限定されるも
のではなく、以下の内容をも包含するものである。 (1)上記の実施形態においては、工具本体21の剥離
操作部23の上縁部に5条の操作溝24が凹設されてい
るが、本発明は操作溝24が5条であることに限定され
るものではなく、6条以上であってもよいし、5条未満
であってもよい。 (2)上記の実施形態においては、工具本体21のカッ
ター装着溝26に市販のカッターナイフ3が装着されて
いるが、かかる市販のカッターナイフ3に代えて刃先を
光コード1の外周面に沿うように円弧状に形成した専用
のカッターナイフを採用してもよい。 (3)上記の実施形態においては、カッター保持板25
の厚み寸法によって保護ファイバ残留長d2を表す保護
ファイバ用スケール42の役割を果たすようにしている
が、こうする代りにシース用スケール41の表面に寸法
目盛を表示し、シース13を剥ぎ取った後、光コード1
を操作溝24に嵌め込んだ状態で後退させ(図3の左方
に移動させ)、上記目盛によって保護ファイバ12の切
断寸法を読み取るようにしてもよい。こうすることによ
って保護ファイバ12の切断寸法設定の自由度が向上す
る。 (4)上記の実施形態においては、各操作溝24に対応
して複数のシース用スケール41が剥離操作部23に取
り付けられているが、こうする代わりに各操作溝24を
対象とした平板状の1枚物のスケールを剥離操作部23
に取り付けてもよい。 (5)上記の実施形態においては、各操作溝24に対応
した各シース用スケール41は、それぞれ同一長さ寸法
に設定されているが、こうする代わりに操作溝24の溝
深さに対応してそれぞれの長さ寸法を異ならせるように
してもよい。また、長さ寸法を異ならせる代わりにそれ
ぞれのシース用スケール41の表面にメモリを付しても
よい。
【0045】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の光コードのシー
ス剥ぎ工具によれば、同工具は、縁部に光コードが嵌ま
り込む操作溝が凹設された板状の工具本体と、上記操作
溝の底部に操作溝を横断し、かつ、刃先が底部から所定
長突出したカッターナイフとを備えて形成され、工具本
体には、剥ぎ取るべきシースの長さを表示するシース用
スケールが設けられているため、光コードを操作溝に嵌
め込み、カッターナイフの刃先に向けて押圧した状態で
中心回りに回すことによって、表面に食い込んだ刃先に
よってシースに環状の切り込みが形成され、この切り込
みを境にシースを容易に剥ぎ取ることができ、従来のよ
うなナイフでシースを削り取るシース剥ぎ操作に比べて
非常に操作が容易になるとともに、安全性を向上させる
ことができる。
【0046】そして、工具本体に設けられたシース用ス
ケールによりシースの剥ぎ取り寸法を設定した状態で光
コードを操作溝に嵌め込むことが可能であるため、従来
のように物差し等でシースの剥ぎ取り長さを一々測定す
る必要はない。
【0047】また、工具本体は、互いに溝深さが異なる
複数の操作溝を有している一方、カッターナイフは、各
操作溝を横断し、かつ、各操作溝での刃先突出量がそれ
ぞれ異なるように寸法設定された状態で工具本体に取り
付けられているため、シースの厚み寸法に応じて最適の
操作溝を選択することができ、迅速、かつ、確実にシー
スを剥ぎ取ることが可能になり、作業効率を向上させる
ことができる。
【0048】本発明の請求項2記載の光コードのシース
剥ぎ工具によれば、シース用スケールは、操作溝の下部
の工具本体壁面に直交するように突設されているため、
光コードを操作溝に嵌め込むことにより、光コードは操
作溝の下部の壁面に突設されたシース用スケールに上下
で対向しった状態になり、このシース用スケールとの比
較でシースの剥ぎ取り長を容易に確認することができ
る。
【0049】本発明の請求項3記載の光コードのシース
剥ぎ工具によれば、工具本体は、切断すべき保護ファイ
バの長さを表示する保護ファイバ用スケールを有してい
るため、シースを剥ぎ取った後、同一のシーツ剥ぎ工具
により保護ファイバ用スケールを用いて保護ファイバの
不要な部分を正確な寸法設定で切断することができ、光
コードの接続操作時のシースの剥ぎ取り操作を効率化す
る上で極めて好都合である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るシース剥ぎ工具が適用される光コ
ードの一実施形態を示す図であり、(イ)は横断面図、
(ロ)は縦断面図である。
【図2】本発明に係るシーツ剥ぎ工具の一実施形態を示
す斜視図である。
【図3】図2のA−A線断面図である。
【図4】図2の正面図である。
【図5】シース剥ぎ取り工程を示す説明図であり、
(イ)は光コードがシーツ剥ぎ工具の操作溝に嵌め込ま
れた状態、(ロ)はシースが剥ぎ取られた状態をそれぞ
れ示している。
【図6】保護ファイバ切断工程を示す説明図であり、
(イ)は保護ファイバが切断されつつある状態、(ロ)
はすべての保護ファイバが切断された状態をそれぞれ示
している。
【図7】シース剥ぎが完了した光コードのコネクタへの
接続を例示する説明図であり、(イ)はシースが剥ぎ取
られた状態の光ファイバにフェルールが接着された状
態、(ロ)は保護ファイバコネクタが装着された状態を
それぞれ示している。
【符号の説明】
1 光コード 11 光ファイバ 12 保護ファイバ 13 シース 2 シーツ剥ぎ工具 21 工具本体 22 基部 23 剥離操作部 24 操作溝 25 カッター保持板 26 カッター装着溝 3 カッターナイフ 31 刃先 4 スケール 41 シース用スケール 42 保護ファイバ用スケール 5 フェルール 6 コネクタ

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中心部分に配設された光ファイバと、こ
    の光ファイバを取り囲むように配設された複数の保護フ
    ァイバと、これら保護ファイバを被覆した筒状のシース
    とから形成された光コードの接続操作時に使用する光コ
    ードのシース剥ぎ工具であって、縁部に光コードが嵌ま
    り込む操作溝が凹設された板状の工具本体と、上記操作
    溝の底部に操作溝を横断し、かつ、刃先が底部から所定
    長突出したカッターナイフとを備えて形成され、上記工
    具本体は、剥ぎ取るべきシースの長さを表示するシース
    用スケールと、互いに溝深さが異なる複数の操作溝と
    有し、上記カッターナイフは、各操作溝を横断し、か
    つ、各操作溝での刃先突出量がそれぞれ異なるように寸
    法設定された状態で工具本体に取り付けられていること
    を特徴とする光コードのシース剥ぎ工具。
  2. 【請求項2】 上記シース用スケールは、上記操作溝の
    下部の工具本体壁面に直交するように突設されているこ
    とを特徴とする請求項1記載の光コードのシース剥ぎ工
    具。
  3. 【請求項3】 上記工具本体は、切断すべき保護ファイ
    バの長さを表示する保護ファイバ用スケールを有してい
    ることを特徴とする請求項1または2記載の光コードの
    シース剥ぎ工具。
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