JP3139319B2 - テトラフェノール系化合物、その製法および用途 - Google Patents
テトラフェノール系化合物、その製法および用途Info
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Description
ル系化合物、それの製造方法、およびそれの感光剤分野
への適用に関するものである。
合物をキノンジアジドスルホン酸エステル化して、半導
体微細加工用の感光性樹脂組成物における感光剤として
用いることは公知である。すなわち、キノンジアジド基
を有する化合物とノボラック樹脂からなる組成物を金属
基体上に塗布し、これに300〜500nmの光を照射す
ると、キノンジアジド基が分解してカルボキシル基を生
じ、アルカリ不溶の状態からアルカリ可溶の状態になる
ことを利用して、かかる組成物はポジ型レジストとして
用いられる。こうしたポジ型レジストは、ネガ型レジス
トに比べて解像力に優れるという特徴を有することか
ら、半導体用の各種集積回路の製作に利用されている。
年、高集積化に伴い、微細化の一途をたどっており、今
やサブミクロンのパターン形成が要求されるに至ってい
る。そのなかでも、リソグラフィープロセスは、集積回
路製造時の重要な地位を占めており、ポジ型レジストに
ついても、一層優れた解像度(高いγ値)が求められる
ようになっている。
脂を含有するレジスト材料については、各成分の組合せ
について従来から数多くの提案がなされてきている。例
えば特開平 1-189644 号公報(=USP 5,153,096)には、フ
ェノール性水酸基を少なくとも2個有するトリフェニル
メタン系の化合物をキノンジアジドスルホン酸エステル
化したものを、感光剤として用いることが記載されてい
る。 しかしながら、こうした公知の感光剤を用いて
も、現在の超高集積回路作製のための超微細加工用、い
わゆるサブミクロンリソグラフィー用のレジストとして
は、γ値の向上に限界があった。そこで、感度、解像
度、耐熱性等のレジスト性能を向上させるための種々の
研究が行われている。
性樹脂組成物の感光剤成分となりうる、あるいはその原
料となりうる新規なフェノール系化合物を製造し、提供
することにある。
て、高い感度、高い解像力、高い耐熱性、良好なプロフ
ァイル、良好なフォーカス許容性、少ない現像残渣な
ど、レジスト諸性能のバランスがとれた感光性樹脂組成
物を提供することにある。
性水酸基を4個有する特定構造のフェノール系化合物を
見いだし、そしてこの化合物をキノンジアジドスルホン
酸エステル化したものを感光剤として用いることによ
り、上記の目的が達成されることを見いだし、本発明を
完成した。
式(I)で示されるテトラフェノール系化合物を提供す
るものである。
に独立に、水素または1,2−ナフトキノンジアジド−
4−もしくは−5−スルホニルを表す。ここでいう1,
2−ナフトキノンジアジド−4−または−5−スルホニ
ルとは、次のいずれかの式で示される基を意味する。
チレンビス(2−ヒドロキシメチル−3,6−ジメチル
フェノール)とパラクレゾールを反応させることによ
り、式(I)で示される化合物のうち、R1 、R2 、R
3 およびR4 がすべて水素であるもの、すなわち、4,
4′−メチレンビス〔2−(2−ヒドロキシ−5−メチ
ルベンジル)−3,6−ジメチルフェノール〕を製造す
る方法を提供する。さらに、この4,4′−メチレンビ
ス〔2−(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−3,
6−ジメチルフェノール〕を1,2−ナフトキノンジア
ジド−4−または−5−スルホニルハライドと反応させ
ることにより、式(I)で示され、R1 、R2 、R3 お
よびR4 のうちの少なくとも一つが1,2−ナフトキノ
ンジアジド−4−または−5−スルホニルとなった化合
物を製造する方法も提供される。
(I)において、R1 、R2 、R3およびR4 の一つ
が、1,2−ナフトキノンジアジド−4−または−5−
スルホニルであり、残りが互いに独立に、水素または
1,2−ナフトキノンジアジド−4−もしくは−5−ス
ルホニルである化合物を有効成分とする感光剤を提供
し、さらには、アルカリ可溶性ノボラック樹脂ととも
に、かかる感光剤を含有する感光性樹脂組成物をも提供
する。
びR4 のうち少なくとも一つが1,2−ナフトキノンジ
アジド−4−または−5−スルホニルである化合物は、
紫外線や遠紫外線(エキシマーレーザーなどを含む)の
ような放射線に感応する感光剤として有用である。ま
た、R1 、R2 、R3 およびR4 がすべて水素である化
合物は、かかる感光剤の前駆体として有用である。
である化合物、すなわち、4,4′−メチレンビス〔2
−(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−3,6−
ジメチルフェノール〕は、例えば、4,4′−メチレン
ビス(2−ヒドロキシメチル−3,6−ジメチルフェノ
ール)とパラクレゾールを反応させることにより、製造
することができる。この反応において原料となる4,
4′−メチレンビス(2−ヒドロキシメチル−3,6−
ジメチルフェノール)は、例えば、2,5−キシレノー
ルとホルムアルデヒドをアルカリ触媒の存在下で縮合さ
せることにより、製造することができる。
メチル−3,6−ジメチルフェノール)とパラクレゾー
ルの反応において、パラクレゾールは、4,4′−メチ
レンビス(2−ヒドロキシメチル−3,6−ジメチルフ
ェノール)に対し、一般的には5〜50のモル比、好ま
しくは8〜30、さらに好ましくは10〜25のモル比
で用いられる。この際、酸触媒を存在させるのが好まし
い。酸触媒は、塩酸、硫酸のような無機酸、蟻酸、酢
酸、プロピオン酸、パラトルエンスルホン酸のような有
機酸のいずれでもよいが、なかでも、塩酸や硫酸のよう
な鉱酸、とりわけ塩酸が好ましく用いられる。酸触媒
は、4,4′−メチレンビス(2−ヒドロキシメチル−
3,6−ジメチルフェノール)に対し、通常1当量以
下、好ましくは0.1〜0.5当量の範囲で用いられる。
の場合の反応溶媒は、芳香族溶媒、それも芳香族炭化水
素溶媒であるのが好ましい。芳香族炭化水素溶媒として
は、ベンゼン、トルエン、キシレンなどが挙げられ、な
かでもトルエンが好ましく用いられる。反応溶媒、例え
ば芳香族溶媒は、4,4′−メチレンビス(2−ヒドロ
キシメチル−3,6−ジメチルフェノール)とパラクレ
ゾールの合計量を基準に、一般的には0.25〜5重量倍
の範囲で、好ましくは0.25〜2重量倍、さらに好まし
くは0.25〜0.5重量倍の範囲で使用される。
くは40〜60℃の範囲の温度で、2〜3時間程度行わ
れる。この反応は、通常大気圧下で進行する。
合は、反応の進行とともに、またそれより高い温度で反
応を行った場合は、反応終了後室温付近まで冷却するこ
とにより、目的物である4,4′−メチレンビス〔2−
(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−3,6−ジ
メチルフェノール〕の結晶が析出してくる。この結晶を
取り出すことにより、粗生成物が得られ、その後任意の
精製手段を施すことができる。例えば、この化合物は常
温で芳香族溶媒への溶解度が低いので、芳香族溶媒から
の晶析を行うことにより、あるいは必要によりそれを繰
り返すことにより、精製することができる。この際に用
いる晶析溶媒は、反応に用いたものと同じであっても異
なっていてもよい。
ンジアジドスルホン酸エステル化して、半導体製造用の
感光性樹脂組成物における感光剤とする場合は、水への
溶解度が9g/100g以下である溶媒に上記粗生成物
を溶解したあと、水洗分液することにより、金属分を低
減させておくのが好ましい。ここで、水への溶解度が9
g/100g以下とは、20℃の水100gに溶ける最
大量が9g以下であることを意味する。またここで用い
る溶媒は、20℃において、4,4′−メチレンビス
〔2−(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−3,
6−ジメチルフェノール〕の溶解度が1g/100g以
上であるのが好ましい。かかる溶媒としては、酢酸エチ
ル、酢酸n−ブチル、酢酸イソアミルのような酢酸エス
テル類、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノンのよ
うなケトン類などが挙げられ、なかでも酢酸エチルが好
ましく用いられる。
メチレンビス〔2−(2−ヒドロキシ−5−メチルベン
ジル)−3,6−ジメチルフェノール〕を含む溶液は、
さらに芳香族溶媒を加えて、目的物を晶析させることが
できる。ここで用いる芳香族溶媒は、反応に用いたもの
と同じであっても異なっていてもよいが、好ましくはト
ルエンが用いられる。
〔2−(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−3,
6−ジメチルフェノール〕は、例えば、キノンジアジド
スルホン酸エステル化して、感光剤とすることができ
る。エステル化にあたっては、1,2−キノンジアジド
骨格を有する各種のスルホン酸誘導体を用いることがで
きるが、好ましくは、1,2−ナフトキノンジアジド−
4−または−5−スルホニルハライドが用いられる。
スルホニルハライドを構成するハロゲンは、例えば塩素
や臭素などであることができるが、通常は塩素であるの
が好ましく、したがって1,2−ナフトキノンジアジド
−4−または−5−スルホニルクロライドが、エステル
化剤として好ましく用いられる。また、1,2−ナフト
キノンジアジド−4−スルホニルハライドと1,2−ナ
フトキノンジアジド−5−スルホニルハライドの混合物
を用いることもできる。
キノンジアジド−4−および/または−5−スルホニル
ハライドは、4,4′−メチレンビス〔2−(2−ヒド
ロキシ−5−メチルベンジル)−3,6−ジメチルフェ
ノール〕に対し、通常1.2〜4のモル比、好ましくは
1.4〜2.5のモル比で用いられる。
存在下で行われる。脱ハロゲン化水素剤としては、一般
的に塩基性の化合物、例えば炭酸ナトリウム、炭酸水素
ナトリウムのような無機塩基、エチルアミン、エタノー
ルアミン、ジエチルアミン、ジエタノールアミン、トリ
エチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジ
エチルアニリンのようなアミン類が挙げられる。脱ハロ
ゲン化水素剤は、1,2−ナフトキノンジアジド−4−
または−5−スルホニルハライドに対し、通常1.05〜
1.5のモル比、好ましくは1.05〜1.2、さらに好まし
くは1.1〜1.2のモル比で用いられる。
る。反応溶媒としては、エーテル類、ラクトン類、脂肪
族ケトン類などが挙げられ、なかでも、ジオキソラン、
1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、γ−ブチロ
ラクトン、アセトンおよび2−ヘプタノンから選ぶのが
好ましい。これらをそれぞれ単独で、または2種以上組
み合わせて用いることができるが、とりわけ1,4−ジ
オキサンが好ましい。反応溶媒は、4,4′−メチレン
ビス〔2−(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−
3,6−ジメチルフェノール〕とキノンジアジドスルホ
ニルハライドの合計量を基準に、通常は2〜6重量倍の
範囲で、好ましくは3〜5重量倍、さらに好ましくは4
〜5重量倍の範囲で使用される。
でも十分進行し、一般的には20〜30℃の範囲の温度
が採用され、2〜10時間程度行われる。
固形物を濾過したあと、濾液を薄い酸水溶液、例えば1
重量%程度の濃度の酢酸水溶液と混合すれば、目的物で
あるエステルが析出してくる。これを濾過、洗浄および
乾燥することにより、エステルを取り出すことができ
る。
1,2−ナフトキノンジアジドスルホニルハライドのモ
ル比にもよるが、通常は、式(I)におけるR1 、
R2 、R3およびR4 のいずれか一つがキノンジアジド
スルホニルとなったもの(モノエステル)、それらのい
ずれか二つがキノンジアジドスルホニルとなったもの
(ジエステル)、それらのいずれか三つがキノンジアジ
ドスルホニルとなったもの(トリエステル)、およびそ
れら四つのすべてがキノンジアジドスルホニルとなった
もの(テトラエステル)のうち、2種以上の混合物とし
て得られる。この混合物は、通常そのまま感光剤として
用いることができる。
線や遠紫外線(エキシマーレーザー等を含む)などの放
射線に感応する感光剤として有利に使用することができ
る。この感光剤は、アルカリ可溶性ノボラック樹脂と組
み合わせて、ポジ型レジスト用の感光性樹脂組成物とし
た場合に、特に高い効果を発揮する。
性ノボラック樹脂は、フェノール性水酸基を少なくとも
1個有する化合物とアルデヒドとを、酸触媒の存在下に
縮合させて得られるものであって、その種類は特に限定
されるものでなく、レジスト分野で用いられる各種のも
のであることができる。ノボラック樹脂の原料となるフ
ェノール系化合物としては、例えば、メタクレゾール、
パラクレゾール、オルトクレゾール、2,5−キシレノ
ール、3,5−キシレノール、3,4−キシレノール、
2,3,5−トリメチルフェノール、3−メチル−6−
t−ブチルフェノールなどが挙げられる。また、ノボラ
ック樹脂のもう一方の原料であるアルデヒドとしては、
ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒ
ド、グリオキサール、サリチルアルデヒドなどが挙げら
れる。特にホルムアルデヒドは、37重量%水溶液とし
て工業的に量産されており、好適に用いられる。
2種以上と、アルデヒドの1種または2種以上とを、酸
触媒の存在下に縮合させることにより、ノボラック樹脂
が得られる。酸触媒としては、有機酸、無機酸、二価金
属塩などが用いられ、具体例としては、シュウ酸、酢
酸、パラトルエンスルホン酸、塩酸、硫酸、リン酸、酢
酸亜鉛などが挙げられる。縮合反応は常法に従って行う
ことができ、例えば60〜120℃の範囲の温度で2〜
30時間程度行われる。また、反応はバルクで行って
も、適当な溶媒中で行ってもよい。
像残渣を少なくするなどの目的で、例えば分別等の操作
を施して、 そのゲルパーミエーションクロマトグラフ
ィー(GPC)によるパターンにおいて、ポリスチレン
換算分子量で900以下の成分の面積比が、未反応のフ
ェノール系化合物のパターン面積を除く全パターン面積
に対して25%以下となるようにしておくのが好まし
い。さらには、かかるポリスチレン換算分子量で900
以下の成分の面積比が、20%以下となるようにしてお
くのがより好ましい。
媒、例えばメタノールやエタノールのようなアルコー
ル、アセトンやメチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトンのようなケトン、エチルセロソルブのようなエチ
レングリコールエーテル、エチルセロソルブアセテート
のようなエチレングリコールエーテルエステル、テトラ
ヒドロフランのような環状エーテルなどに溶解し、この
溶液を水中に注いで高分子量成分を沈澱させる方法、あ
るいはこの溶液を、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンのよ
うな貧溶媒と混合して分液する方法などが採用できる。
多くしたノボラック樹脂に、分子量900以下のアルカ
リ可溶性フェノール系化合物を加えることも有効であ
る。分子量900以下のアルカリ可溶性フェノール系化
合物としては、分子構造中にフェノール性水酸基を2個
以上有するものが好ましく、例えば特開平 2-275955 号
公報(=EP-A-358,871) に記載のものが挙げられる。分子
量900以下のアルカリ可溶性フェノール系化合物を用
いる場合は、感光性樹脂組成物中の全固形分の量を基準
として、3〜40重量%の範囲で含有させるのが好まし
い。
で示され、R1 、R2 、R3 およびR4 の少なくとも一
つが1,2−ナフトキノンジアジド−4−または−5−
スルホニルとなった化合物を感光剤として含有するので
あるが、必要に応じて、他のフェノール系化合物の1,
2−キノンジアジドスルホン酸エステルを併用すること
もできる。併用するのに適したキノンジアジドスルホン
酸エステルとしては、例えば、特開平 5-204148 号公報
に記載のもの、特開平 5-323597 号公報(=EP-A-570,88
4) に記載のもの、特開平 6-167805 号公報(=EP-A-573,
056) に記載のものなどが挙げられる。
アジドスルホン酸エステルを用いる場合はそれも含め
て、感光剤は、感光性樹脂組成物中の全固形分の量を基
準に、10〜50重量%の範囲で含有するのが好まし
い。
は、感光剤およびノボラック樹脂、あるいは必要に応じ
てさらに分子量900以下のアルカリ可溶性フェノール
系化合物を、溶剤に混合溶解することにより行われる。
ここで用いる溶剤は、適当な乾燥速度を有し、溶剤が蒸
発したあとに均一で平滑な塗膜を与えるものが好まし
い。このような溶剤としては、プロピレングリコールモ
ノメチルエーテルアセテートやエチルセロソルブアセテ
ート、メチルセロソルブアセテートのようなグリコール
エステル類、ピルビン酸エチルや酢酸n−アミル、酢酸
エチルのようなエステル類、2−ヘプタノンのようなケ
トン類、γ−ブチロラクトンのような環状エステル類、
その他特開平 2-220056 号公報に記載のもの、特開平 4
-362645 号公報に記載のもの、特開平 4-367863 号公報
に記載のものなどが挙げられる。溶剤としては、それぞ
れの化合物を単独で、または2種以上混合して用いるこ
とができる。
性樹脂組成物は、必要に応じてさらに、添加剤として少
量の樹脂や染料を含有することもできる。
に説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら
限定されるものではない。例中、含有量ないし添加量を
表す%および部は、特にことわらないかぎり重量基準で
ある。
−(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−3,6−
ジメチルフェノール〕の製造 500mlの三つ口フラスコにパラクレゾール144.16
g、トルエン81.57gおよび36%塩酸0.43gを仕
込み、50℃に保ちながら4,4′−メチレンビス(2
−ヒドロキシメチル−3,6−ジメチルフェノール)1
8.98gを1時間で分割投入し、その後さらに同温度で
3時間攪拌した。冷却後濾過し、得られた濾過物を酢酸
エチル269gに溶解し、蒸留水47gを加えて水洗
し、この水洗操作をさらに4回繰り返した。次に酢酸エ
チル層を濃縮し、トルエン107.5gを仕込んで、析出
した結晶を濾過し、さらにこの結晶をトルエン44.54
gで洗浄し、このトルエン洗浄をもう1度繰り返した。
こうして得られたウェットケーキを60℃にて一昼夜減
圧乾燥し、13.45gの4,4′−メチレンビス〔2−
(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−3,6−ジ
メチルフェノール〕を得た。
ステル化 5リットルの四つ口フラスコに、4,4′−メチレンビ
ス〔2−(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−
3,6−ジメチルフェノール〕を372.53g、1,2
−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロライドを
403.02g(2モル比)、およびジオキサンを387
7.73g仕込んで完溶させ、そこへ、トリエチルアミン
182.142gを20〜30℃で1時間かけて滴下し
た。滴下終了後、30℃で3時間攪拌した。次に酢酸4
5.04gを添加し、同温度で1時間攪拌したあと、反応
混合物を濾過し、得られた濾過残をジオキサン403.0
2gで洗浄した。濾液および洗液を、酢酸171gおよ
びイオン交換水17123gの混合液に注入して1時間
攪拌し、析出した結晶を濾過したあと、得られたケーキ
をイオン交換水3891gに投入して攪拌、洗浄し、こ
の水洗操作をさらに3回繰り返した。次いで濾過し、得
られたケーキを40℃で乾燥して、747gのエステル
体(感光剤Aとする)を得た。
δ(ppm) : 1.75 (s, 6H); 2.06 (s, 6H); 2.06 (s, 6H);3.65 (s,
2H); 3.86 (s, 4H); 6.39 (s, 2H);6.48 (s, 2H); 6.63
(d, 8.2 Hz, 2H);6.89 (d, 8.2 Hz, 2H); 7.42 (d, 10
Hz, 2H);7.66 (dd, 8.8 Hz, 2H); 7.75 (d, 10 Hz, 2
H);8.02 (s, 2H); 8.24 (d, 8Hz, 2H);8.60 (d, 8 Hz,
2H).
148.5g、パラクレゾール121.5g、メチルイソブ
チルケトン252g、 10%シュウ酸水溶液37.0g
および90%酢酸水溶液84.8gを仕込み、100℃の
油浴で加熱攪拌しながら、37%ホルマリン129.5g
を40分かけて滴下し、さらに15時間反応させた。そ
の後水洗、脱水して、ノボラック樹脂を42.3%含有す
るメチルイソブチルケトン溶液466gを得た。GPC
によるポリスチレン換算重量平均分子量は4300であ
った。
セパラブルフラスコに仕込み、さらにメチルイソブチル
ケトン909.6gおよびn−ヘプタン996.1gを加え
て、60℃で30分間攪拌したあと、静置し、分液し
た。分液で得られた下層のマスに、2−ヘプタノンを3
80g加え、メチルイソブチルケトンおよびn−ヘプタ
ンをエバポレーターにより除去して、ノボラック樹脂の
2−ヘプタノン溶液を得た。GPCによるポリスチレン
換算重量平均分子量は9000であり、ポリスチレン換
算分子量で900以下の範囲の面積比は、全パターン面
積に対して14%であった。
形分換算で15部、添加剤として4,4′−(2−ヒド
ロキシベンジリデン)ジ−2,6−キシレノールを3.9
部、表1に示した1,2−ナフトキノンジアジド系感光
剤、および2−ヘプタノンを、2−ヘプタノンが合計で
50部になるように混合し、溶解した。この液を孔径
0.2μm のフッ素樹脂製フィルターで濾過して、レジス
ト液を調製した。
回転塗布器を用いて上記レジスト液を1.1μm 厚で塗布
し、ホットプレートにて90℃で1分間ベークした。
次いで、365nm(i線)の露光波長を有する縮小投影
露光器〔(株)ニコン製品、NSR 1755i 7A、NA=0.5)を
用いて、露光量を段階的に変化させて露光した。次にこ
のウェハーを、ホットプレートにて110℃で1分間ベ
ークした。 これを現像液"SOPD"〔住友化学工業(株)
製品〕で1分間現像して、ポジ型パターンを得た。それ
ぞれのポジ型パターンについて、以下のようにして評価
し、結果を表1に示した。
ペースパターンが1:1になる露光量で表示した。
が1:1になる露光量(実効感度)で、膜減りなく分離
するラインアンドスペースパターンの寸法を、走査型電
子顕微鏡で測定した。
μm ラインアンドスペースパターンの断面形状を走査型
電子顕微鏡で観察した。
いて、0.40μm ラインアンドスペースパターンが膜減
りなく分離する焦点の幅を、走査型電子顕微鏡で測定し
た。
像残渣)の有無を観察した。
(=残膜厚/初期膜厚)をプロットし、その傾きθを求
め、tan θをγ値とした。
ベンジル)ピロガロールと1,2−ナフトキノンジアジ
ド−5−スルホニルクロライドとのモル比1:4の縮合
物
フェノール系化合物のうち、 R1 、R2 、R3 および
R4 のうちの少なくとも一つが1,2−ナフトキノンジ
アジドスルホニルであるものは、感光性樹脂組成物用の
感光剤として有用であり、またR1 、R2 、R3 および
R4 がすべて水素であるものは、その感光剤の前駆体と
して有用である。そして、1,2−ナフトキノンジアジ
ドスルホン酸エステル化された上記感光剤を含む感光性
樹脂組成物は、半導体微細加工用として、高い感度、高
い解像力(γ値)、高い耐熱性、良好なプロファイル、
良好なフォーカス許容性、少ない現像残渣など、レジス
ト諸性能のバランスがとれたものである。
Claims (10)
- 【請求項1】式(I) (式中、R1 、R2 、R3 およびR4 は互いに独立に、
水素または1,2−ナフトキノンジアジド−4−もしく
は−5−スルホニルを表す)で示されるテトラフェノー
ル系化合物。 - 【請求項2】R1 、R2 、R3 およびR4 がすべて水素
である請求項1記載の化合物。 - 【請求項3】R1 、R2 、R3 およびR4 の少なくとも
一つが1,2−ナフトキノンジアジド−4−または−5
−スルホニルである請求項1記載の化合物。 - 【請求項4】4,4′−メチレンビス(2−ヒドロキシ
メチル−3,6−ジメチルフェノール)とパラクレゾー
ルを反応させることを特徴とする、請求項2記載の化合
物の製造方法。 - 【請求項5】4,4′−メチレンビス〔2−(2−ヒド
ロキシ−5−メチルベンジル)−3,6−ジメチルフェ
ノール〕を、1,2−ナフトキノンジアジド−4−また
は−5−スルホニルハライドと反応させることを特徴と
する、請求項3記載の化合物の製造方法。 - 【請求項6】式(I) (式中、R1 、R2 、R3 およびR4 の一つは、1,2
−ナフトキノンジアジド−4−または−5−スルホニル
を表し、残りは互いに独立に、水素または1,2−ナフ
トキノンジアジド−4−もしくは−5−スルホニルを表
す)で示されるテトラフェノール系化合物を有効成分と
する感光剤。 - 【請求項7】アルカリ可溶性ノボラック樹脂と混合して
用いられる請求項6記載の感光剤。 - 【請求項8】ポジ型レジスト用である請求項7記載の感
光剤。 - 【請求項9】アルカリ可溶性ノボラック樹脂および請求
項6記載の感光剤を含有することを特徴とする感光性樹
脂組成物。 - 【請求項10】アルカリ可溶性ノボラック樹脂が、フェ
ノール系化合物とアルデヒドの縮合物であって、そのゲ
ルパーミエーションクロマトグラフィーパターンにおけ
るポリスチレン換算分子量で900以下の範囲の面積比
が、未反応のフェノール系化合物のパターン面積を除く
全パターン面積に対して25%以下のものである請求項
9記載の組成物。
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