JP3799636B2 - キノンジアジドスルホン酸エステル及びその用途 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多価フェノール化合物のキノンジアジドスルホン酸エステル、及びそれのレジスト分野への適用に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、フェノール性水酸基を有する化合物をキノンジアジドスルホン酸エステル化し、そのエステルを感光剤として含有する感光性樹脂組成物からポジ型レジスト膜を形成して、半導体の微細加工に用いることは公知であり、フェノール性水酸基を有する種々の化合物が提案されている。現在、半導体産業における集積回路は、高集積化に伴って微細化の一途をたどっており、かかる微細化に対しては、リソグラフィープロセスが重要な地位を担っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような、より微細化していく半導体製造に対応すべく、さらに高性能なレジスト組成物が求められている。また、ポジ型レジスト組成物における感光剤としては通常、分子内にフェノール性水酸基を複数個有する多価フェノール化合物をキノンジアジドスルホン酸エステル化したものが用いられ、特にその部分エステル体、又は全エステル体と部分エステル体の混合物が用いられるが、部分エステル化にあたって、従来公知の多価フェノール化合物を用いた場合には、特定部位のフェノール性水酸基だけを選択的にエステル化することは、一般に困難であった。ところが、特定部位のフェノール性水酸基だけが選択的にエステル化された化合物を用いるほうが、γ値が大きくなる、すなわち解像度が高くなる点で、有利なことが多い。
【0004】
本発明の目的の一つは、半導体微細加工用レジスト組成物における感光剤として用いることができ、それによって高性能なレジスト組成物を与えるキノンジアジドスルホン酸エステルを提供することにある。本発明の別の目的は、特定構造の多価フェノール化合物を用い、特定部位のフェノール性水酸基だけが選択的にエステル化され、又はすべてのフェノール性水酸基がエステル化されたキノンジアジドスルホン酸エステルを提供することにある。さらに本発明の別の目的は、かかるキノンジアジドスルホン酸エステルを用いて、諸性能に優れたポジ型レジスト組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、かかる目的を達成すべく鋭意研究を行った結果、特定構造を有する多価フェノール化合物をo−キノンジアジドスルホン酸エステル化したものが、ポジ型レジスト組成物の感光剤として用いた場合に優れた結果を与えることを見出し、本発明を完成した。また、この多価フェノール化合物を、あるモル比でo−キノンジアジドスルホニルハライドと反応させた場合には、特定部位のフェノール性水酸基のみが選択的にエステル化され、別のモル比で反応させた場合には、すべてのフェノール性水酸基がエステル化され、いずれも、ポジ型レジスト組成物の感光剤として優れた性能を有することが併せて見出された。
【0006】
すなわち本発明は、下式(I)で示される化合物を提供するものである。
【0007】
【0008】
式中、Q1 、Q2 及びQ3 の一つはo−キノンジアジドスルホニルを表し、残りは互いに独立に、水素又はo−キノンジアジドスルホニルを表す。
【0009】
また本発明は、式(I)で示される化合物を有効成分とする感光剤を提供し、さらには、この感光剤及びアルカリ可溶性ノボラック樹脂を含有するポジ型レジスト組成物をも提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】
式(I)において、Q1 、Q2 及びQ3 で表されるo−キノンジアジドスルホニルは、例えば、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホニル、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニル、1,2−ベンゾキノンジアジド−4−スルホニルなどであることができ、それぞれ次式で示されるものである。
【0011】
【0012】
これらのなかでも、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルが一般的である。また式(I)のなかでは、Q1 及びQ2 がo−キノンジアジドスルホニルであり、Q3 が水素である化合物、並びに、Q1 、Q2 及びQ3 のすべてがo−キノンジアジドスルホニルである化合物は重要である。
【0013】
式(I)で示される化合物は、下式(II)で示される1,3−ジヒドロキシ−4−(4−ヒドロキシ−2,3,6−トリメチルベンジル)−2−メチルベンゼン(以下、「ヒドロキシ体(II)」ということがある)を、塩基の存在下でo−キノンジアジドスルホン酸ハライドと反応させることにより、製造できる。
【0014】
【0015】
この反応の原料となるヒドロキシ体(II)は、例えば、2,3,5−トリメチルフェノールをホルムアルデヒドでモノメチロール化して得られる4−ヒドロキシメチル−2,3,5−トリメチルフェノールを、2−メチルレゾルシンと反応させることにより、容易に高純度で製造することができる。2,3,5−トリメチルフェノールとホルムアルデヒドの反応においては、2,3,5−トリメチルフェノールに対し、ホルムアルデヒドを1〜8程度のモル比で用い、水溶媒中、2,3,5−トリメチルフェノールに対して1〜2モル倍の塩基触媒の存在下、比較的低温、例えば0〜5℃の温度で反応させることにより、モノメチロール体を選択的に製造することができる。
【0016】
4−ヒドロキシメチル−2,3,5−トリメチルフェノールと2−メチルレゾルシンとの反応においては、4−ヒドロキシメチル−2,3,5−トリメチルフェノールに対し、2−メチルレゾルシンを2〜10のモル比で用いるのが好ましく、さらには3〜6のモル比で用いるのがより好ましい。この反応は、一般に酸触媒の存在下で行われる。 酸触媒は、無機酸、有機酸のいずれでもよく、例えば、塩酸、硫酸、ギ酸、酢酸、シュウ酸、p−トルエンスルホン酸などが挙げられる。好ましくは、塩酸、硫酸又はp−トルエンスルホン酸が、さらに好ましくは塩酸が用いられる。酸触媒は、4−ヒドロキシメチル−2,3,5−トリメチルフェノールに対して、通常0.1〜1モル倍、好ましくは0.2〜0.5モル倍の範囲で使用される。またこの反応は、通常溶媒中、好ましくは水溶媒中で行われ、反応溶媒、特に水は、2−メチルレゾルシンの量を基準として、一般的には1〜10重量倍の範囲で、好ましくは3〜5重量倍の範囲で使用される。この反応は一般に、大気圧下、例えば5〜60℃程度の温度で行われる。 反応を実施するにあたっては、2−メチルレゾルシン及び酸触媒を含む水溶液に、4−ヒドロキシメチル−2,3,5−トリメチルフェノールを徐々に、又は分割して、例えば0.2〜2時間かけて加えていくのが好ましい。こうした反応により、ヒドロキシ体(II)が生成する。例えば、反応溶媒として水を用いた場合は、反応の進行とともにヒドロキシ体(II)が沈澱してくるので、これを固液分離すればよい。
【0017】
こうして得られるヒドロキシ体(II)を、o−キノンジアジドスルホン酸ハライド、例えば、1,2−ナフトキノンジアジド−4−又は−5−スルホン酸クロライド、1,2−ベンゾキノンジアジド−4−スルホン酸クロライドなどと反応させることにより、式(I)で示されるo−キノンジアジドスルホン酸エステルが製造できる。 この際、ヒドロキシ体(II)とo−キノンジアジドスルホン酸ハライドを1:2程度のモル比で反応させることにより、式(I)中のQ1 及びQ2 がo−キノンジアジドスルホニルとなり、Q3 が水素のまま残ったエステルが優先的に生成する。また、ヒドロキシ体(II)とo−キノンジアジドスルホン酸ハライドを1:3程度のモル比で反応させれば、式(I)中のQ1 、Q2 及びQ3 がすべてo−キノンジアジドスルホニルとなったエステルが得られる。
【0018】
ヒドロキシ体(II)とo−キノンジアジドスルホン酸ハライドとの反応は、塩基の存在下で行われる。ここで用いる塩基としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、ピリジンのようなアミン類、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムのようの無機炭酸塩類などが挙げられ、好ましくはトリエチルアミンが用いられる。塩基は、o−キノンジアジドスルホン酸ハライドに対し、通常1.05〜5のモル比、好ましくは1.05〜1.2、さらに好ましくは1.1〜1.2のモル比で用いられる。
【0019】
このエステル化反応は通常、溶媒中で行われる。反応溶媒としては、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキサン、テトラヒドロフランのようなエーテル類、γ−ブチロラクトンのようなエステル類、アセトン、2−ヘプタノンのような脂肪族ケトン類などが挙げられる。これらの溶媒は、それぞれ単独で、又は2種以上組み合わせて用いることができるが、とりわけ1,4−ジオキサン又は1,3−ジオキサンが好ましい。反応溶媒は、ヒドロキシ体(II)とo−キノンジアジドスルホン酸ハライドの合計量を基準に、通常は2〜6重量倍の範囲で、好ましくは3〜5重量倍、さらに好ましくは4〜5重量倍の範囲で使用される。
【0020】
反応終了後は、酢酸のような酸で中和し、固形物を濾過したあと、濾液を薄い酸水溶液、例えば0.1〜2重量%程度の濃度の酢酸水溶液と混合すれば、目的物であるエステルが沈澱してくる。これを濾過、水洗及び乾燥して、式(I)の化合物を得ることができる。
【0021】
こうして得られる式(I)の化合物は、近ないし遠紫外線(エキシマーレーザー等を含む)などの放射線に感応する感光剤として、有利に使用することができる。この感光剤は、アルカリ可溶性ノボラック樹脂と組み合わせてポジ型レジスト組成物とした場合に、優れた効果を発揮する。この場合、式(I)中のQ1 、Q2 及びQ3 のいずれか一つがo−キノンジアジドスルホニルであるもの(モノエステル)、それらのいずれか二つがo−キノンジアジドスルホニルであるもの(ジエステル)、並びにそれらのすべてがo−キノンジアジドスルホニルであるもの(トリエステル)のうち、2種又はそれ以上の混合物であってもよい。
【0022】
なかでも感光剤として重要なのは、式(I)中のQ1 及びQ2 が1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニル、そしてQ3 が水素となった4,4′−ビス(6−ジアゾ−5,6−ジヒドロ−5−オキソ−1−ナフタレンスルホニルオキシ)−2′−ヒドロキシ−2,3,3′,6−テトラメチルジフェニルメタン、並びに、式(I)中のQ1 、Q2 及びQ3 がすべて1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルとなった2′,4,4′−トリス(6−ジアゾ−5,6−ジヒドロ−5−オキソ−1−ナフタレンスルホニルオキシ)−2,3,3′,6−テトラメチルジフェニルメタンである。
【0023】
式(I)で示される化合物を感光剤として含有するポジ型レジスト組成物は、さらに別の感光剤として、芳香族ヒドロキシ化合物のo−キノンジアジドスルホン酸エステルを含んでもよい。特に、式(I)中のQ1 、Q2 及びQ3 がすべてo−キノンジアジドスルホニルとなった化合物を用いる場合は、別の芳香族ポリヒドロキシ化合物の部分o−キノンジアジドスルホン酸エステルを併用するのが有利である。このような任意に用いられるo−キノンジアジドスルホン酸エステルとしては、フェノール性水酸基を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する芳香族ヒドロキシ化合物をo−キノンジアジドスルホン酸ハライドと反応させて得られるエステルが挙げられる。エステル化される芳香族ヒドロキシ化合物は、例えば、トリヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、ペンタヒドロキシベンゾフェノンのようなポリヒドロキシベンゾフェノン類、2,4,4−トリメチル−2′,4′,7−トリヒドロキシフラバン、 2,4,4−トリメチル−2′,3′,4′,7,8−ペンタヒドロキシフラバン、 4−(1′,2′,3′,4′,4′a,9′a−ヘキサヒドロ−6′−ヒドロキシ−5′−メチルスピロ[シクロヘキサン−1,9′−キサンテン]−4′a−イル)−2−メチルレゾルシノール、 4−(1′,2′,3′,4′,4′a,9′a−ヘキサヒドロ−6′−ヒドロキシスピロ[シクロヘキサン−1,9′−キサンテン]−4′a−イル)レゾルシノールのようなポリヒドロキシフラバン類、その他、2〜6個のベンゼン環を脂肪族炭化水素系の連結基で結合し、芳香族水酸基を2個以上有する化合物などであることができる。
【0024】
さらに具体的な感光剤としては、例えば、特開平 2-32352号公報(=USP 5,124,228)、特開平 2-103543号公報 (=EP-A-363,978)、特開平 2-269351号公報(=USP 5,290,656)、特開平 3-185447 号公報(=USP 5,283,155)、特開平 4-50851号公報(=USP 5,188,920)、特開平 4-295472号公報(=EP-A-505,987) 、特開平 5-323597号公報(=EP-A-570,884) 、特開平 6-167805 号公報(=EP-A-573,056) などに記載されるものが挙げられる。
【0025】
式(I)で示される化合物とともに他の感光剤を用いる場合、両者の割合は、本発明の目的を阻害しない範囲で適宜設定される。本発明においては、こうした他のキノンジアジドスルホン酸エステルを用いる場合はその量も含めて、感光剤は、レジスト組成物中の全固形分の量を基準に10〜50重量%の範囲で含有するのが好ましい。
【0026】
ポジ型レジスト組成物を構成するアルカリ可溶性ノボラック樹脂は、フェノール性水酸基を少なくとも1個有する化合物とアルデヒドとを、酸触媒の存在下に縮合させて得られるものであって、その種類は特に限定されるものでなく、レジスト分野で用いられる各種のものであることができる。ノボラック樹脂の原料となるフェノール系化合物としては、例えば、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,5−キシレノール、3,5−キシレノール、3,4−キシレノール、2,3,5−トリメチルフェノール、2−t−ブチル−5−メチルフェノールなどが挙げられる。また、ノボラック樹脂のもう一方の原料であるアルデヒドとしては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、グリオキサールのような脂肪族アルデヒド類及び、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒドのような芳香族アルデヒド類が挙げられる。特にホルムアルデヒドは、約37重量%の水溶液として工業的に量産されており、好適に用いられる。
【0027】
こうしたフェノール系化合物の1種又は2種以上と、アルデヒド類の1種又は2種以上とを、酸触媒の存在下で縮合させることにより、ノボラック樹脂が得られる。酸触媒としては、塩酸、硫酸、リン酸のような無機酸、シュウ酸、酢酸、p−トルエンスルホン酸のような有機酸、酢酸亜鉛のような二価金属塩などが挙げられる。縮合反応は常法に従って行うことができ、例えば60〜120℃の範囲の温度で2〜30時間程度行われる。また、反応はバルクで行っても、適当な溶媒中で行ってもよい。
【0028】
得られるノボラック樹脂は、レジストの現像残渣を少なくするなどの目的で、例えば分別などの操作を施して、 そのゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)(UV254nmの検出器を使用)によるパターンにおいて、ポリスチレン換算分子量で900以下の成分の面積比が、未反応のフェノール系化合物のパターン面積を除く全パターン面積に対して25%以下、さらには20%以下となるようにしておくのが好ましい。分別を行う場合は、縮合により得られたノボラック樹脂を、良溶媒、例えばメタノールやエタノールのようなアルコール類、アセトンやメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンのようなケトン類、エチルセロソルブのようなエチレングリコールエーテル類、エチルセロソルブアセテートのようなエチレングリコールエーテルエステル類、テトラヒドロフランのようなエーテル類などに溶解し、この溶液を水中に注いで高分子量成分を沈澱させる方法、あるいはこの溶液を、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンのような貧溶媒と混合して分液する方法などが採用できる。
【0029】
こうした分別操作を施して高分子量成分を多くしたノボラック樹脂に、分子量900以下のアルカリ可溶性フェノール系化合物を加えることも有効である。分子量900以下のアルカリ可溶性フェノール系化合物としては、分子内にフェノール性水酸基を少なくとも2個有する多価フェノール化合物が好ましく、例えば特開平 2-275955 号公報(=EP-A-358,871) や特開平 2-2560 号公報に記載のものなどが挙げられる。分子量900以下のアルカリ可溶性フェノール系化合物を添加剤として用いる場合は、レジスト組成物中の全固形分の量を基準に、3〜40重量%の範囲で含有させるのが好ましい。
【0030】
レジスト液の調製は、式(I)で示される化合物及び任意に使用される他のo−キノンジアジドスルホン酸エステルからなる感光剤、アルカリ可溶性ノボラック樹脂、任意に添加剤として使用される分子量900以下のアルカリ可溶性フェノール系化合物などの固形分を、溶剤に混合溶解することにより行われる。ここで用いる溶剤は、適当な乾燥速度を有し、溶剤が蒸発したあとに均一で平滑な塗膜を与えるものが好ましい。このような溶剤としては、例えば、エチルセロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートのようなグリコールエーテルエステル類、2−ヘプタノンのようなケトン類、酢酸n−アミル、乳酸エチル、ピルビン酸エチルのようなエステル類、γ−ブチロラクトンのような環状エステル類、その他特開平 2-220056 号公報に記載のもの、特開平 4-362645 号公報に記載のもの、特開平 4-367863 号公報に記載のものなどが挙げられる。溶剤としては、それぞれの化合物を単独で、又は2種以上混合して用いることができる。
【0031】
こうして得られるレジスト組成物は、必要に応じてさらに、ノボラック樹脂以外の樹脂や染料などを、添加物として少量含有することもできる。
【0032】
【実施例】
次に実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。例中、含有量ないし使用量を表す%及び部は、特にことわらないかぎり重量基準である。
【0033】
参考例1: 2,3,5−トリメチルフェノールのモノメチロール化
2,3,5−トリメチルフェノール54.4g、水酸化ナトリウム19.2g及び水400gを1リットルの四つ口フラスコに仕込み、2℃で攪拌しながら、37%ホルマリン194.6gを2時間かけて滴下し、引き続き同温度で2時間反応させた。反応終了後、28%アンモニア水97.1gを仕込み、30分攪拌してから酢酸150.3gを仕込み、次にメチルイソブチルケトン800gで抽出し、水洗後濃縮し、次にトルエン40gを仕込んで室温で2時間攪拌したあと濾過した。濾過物をトルエンでリンスしたあと乾燥することにより、4−ヒドロキシメチル−2,3,5−トリメチルフェノール45.4g(液体クロマトグラフィーによる純度98%)を得た。
【0034】
参考例2: ヒドロキシ体(II)の合成
100mlの三つ口フラスコに、2−メチルレゾルシン4.8g、36%塩酸0.4g、及び水22gを仕込み、そこへ室温で、4−ヒドロキシメチル−2,3,5−トリメチルフェノール1.7gを0.5時間で分割投入した。室温でさらに2時間反応させたあと、析出した結晶を濾過し、濾過物をイオン交換水でリンスした。その後一昼夜減圧乾燥して、 1,3−ジヒドロキシ−4−(4−ヒドロキシ−2,3,6−トリメチルベンジル)−2−メチルベンゼン(液体クロマトグラフィーによる純度98%)を2.0g得た。
【0035】
質量分析値: MS 272
1H−NMR(ジメチルスルホキシド) δ(ppm) :
1.95 (s, 3H); 2.01 (s, 6H); 2.03 (s, 3H);
3.67 (s, 2H); 5.91 (d, J = 8.3 Hz, 1H);
6.12 (d, J = 8.3 Hz, 1H); 6.52 (s, 1H);
8.14 (s, 1H); 8.80 (s, 1H); 8.84 (s, 1H).
【0036】
合成例1
50mlの四つ口フラスコに、1,3−ジヒドロキシ−4−(4−ヒドロキシ−2,3,6−トリメチルベンジル)−2−メチルベンゼン0.5g、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロライド0.99g(モル比1:2)、及び1,4−ジオキサン7.45gを仕込んで完溶させ、そこへ20〜30℃でトリエチルアミン0.45gを1時間かけて滴下した。滴下終了後、30℃で1時間攪拌した。次いで酢酸0.11gを添加し、同温度で1時間攪拌した。反応混合物を濾過し、濾過残渣を1,4−ジオキサン0.99gで洗浄した。濾液及び洗液を、酢酸0.25g及びイオン交換水25gの混合液に注いで1時間攪拌した。析出した結晶を濾過し、得られたウェットケーキをイオン交換水50gで攪拌洗浄した。次いで濾過し、得られたケーキを40℃で乾燥して、感光剤Aを1.3g得た。
【0037】
質量分析値: MS 736
1H−NMR(ジメチルスルホキシド) δ(ppm) :
1.89 (s, 3H); 1.95 (s, 6H); 1.98 (s, 3H);
3.80 (s, 2H); 5.80 (d, J = 7.8 Hz, 1H);
6.12 (d, J = 7.8 Hz, 1H); 6.52 (s, 1H);
7.35 (m, 2H); 7.69 (m, 4H); 8.19 (m, 3H);
8.59 (m, 2H).
【0038】
上で得られた感光剤Aは、前記式(I)中のQ3 が水素であり、Q1 及びQ2 が1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルとなった化合物であることが確認された。
【0039】
合成例2
50mlの四つ口フラスコに、1,3−ジヒドロキシ−4−(4−ヒドロキシ−2,3,6−トリメチルベンジル)−2−メチルベンゼン0.5g、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロライド1.48g(モル比1:3)、及び1,4−ジオキサン9.90gを仕込んで完溶させ、そこへ20〜30℃でトリエチルアミン0.67gを1時間かけて滴下した。滴下終了後、30℃で1時間攪拌した。次いで酢酸0.17gを添加し、同温度で1時間攪拌した。反応混合物を濾過し、濾過残渣を1,4−ジオキサン1.48gで洗浄した。濾液及び洗液を、酢酸0.34g及びイオン交換水34gの混合液に注いで1時間攪拌した。析出した結晶を濾過し、得られたウェットケーキをイオン交換水70gで攪拌洗浄した。次いで濾過し、得られたケーキを40℃で乾燥して、感光剤Bを1.6g得た。
【0040】
質量分析値: MS 969
1H−NMR(ジメチルスルホキシド) δ(ppm) :
1.88 (s, 3H); 1.96 (s, 6H); 1.99 (s, 3H);
3.83 (s, 2H); 5.82 (d, J = 7.6 Hz, 1H);
6.14 (d, J = 7.6 Hz, 1H); 6.54 (s, 1H);
7.40 (m, 3H); 7.70 (m, 6H); 8.20 (m, 3H);
8.62 (m, 3H).
【0041】
上で得られた感光剤Bは、前記式(I)中のQ1 、Q2 及びQ3 が1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルとなった化合物であることが確認された。
【0042】
参考例3: ノボラック樹脂の製造
四つ口フラスコに、m−クレゾール148.5部、p−クレゾール121.5部、メチルイソブチルケトン252部、10%シュウ酸水溶液37.0部、及び90%酢酸水溶液84.8部を仕込み、100℃の油浴で加熱攪拌しながら、37%ホルマリン129.5部を40分かけて滴下し、さらに15時間反応させた。その後水洗、脱水して、ノボラック樹脂を42.3%含有するメチルイソブチルケトン溶液466部を得た。GPCによるポリスチレン換算重量平均分子量は 4,300であった。
【0043】
この溶液450部を底抜きセパラブルフラスコに仕込み、さらにメチルイソブチルケトン909.6部及びn−ヘプタン996.1部を加えて、60℃で30分間攪拌したあと、静置し、分液した。分液で得られた下層のマスに2−ヘプタノンを380部加え、メチルイソブチルケトン及びn−ヘプタンをエバポレーターにより除去して、ノボラック樹脂の2−ヘプタノン溶液を得た。GPCによるポリスチレン換算重量平均分子量は 9,000であり、ポリスチレン換算分子量で900以下の範囲の面積比は、全パターン面積に対して14%であった。
【0044】
適用例1及び2並びに比較例
参考例3で得たノボラック樹脂の2−ヘプタノン溶液を固形分換算で15部、添加剤としての4,4′−(2−ヒドロキシベンジリデン)ジ−2,6−キシレノールを3.9部、及び表1に示した感光剤を、2−ヘプタノンが合計で50部となるよう、2−ヘプタノンに加えて、混合、溶解した。この液を孔径0.2μm のフッ素樹脂製フィルターで濾過して、レジスト液を調製した。
【0045】
常法により洗浄したシリコンウェハーに、回転塗布器を用いて上記レジスト液を乾燥後の膜厚が1.1μm となるように塗布し、ホットプレートにて90℃で1分間ベークした。次いで、365nm(i線)の露光波長を有する縮小投影露光器〔(株)ニコン製品、NSR 1755i 7A、NA=0.5)を用いて、露光量を段階的に変化させて露光した。次にこのウェハーを、ホットプレートにて110℃で1分間ベークした。これを現像液“SOPD"〔住友化学工業(株)製品〕で1分間現像して、ポジ型パターンを得た。このポジ型パターンにつき、以下のようにして評価し、結果を表1に示した。
【0046】
実効感度: 0.50μm のラインアンドスペースパターンが1:1になる露光量で表示した。
【0047】
解像度: ラインアンドスペースパターンが1:1になる露光量(実効感度)で、膜減りなく分離するラインアンドスペースパターンの寸法を、走査型電子顕微鏡で測定した。
【0048】
プロファイル: 実効感度における0.45μm ラインアンドスペースパターンの断面形状を、走査型電子顕微鏡で観察した。
【0049】
フォーカス(焦点深度): 実効感度において0.40μm ラインアンドスペースパターンが膜減りなく分離する焦点の幅を、走査型電子顕微鏡で測定した。
【0050】
スカム: 走査型電子顕微鏡でスカム(現像残渣)の有無を観察した。
【0051】
γ値: 露光量の対数に対する規格化膜厚(=残膜厚/初期膜厚)をプロットし、その傾きθを求め、tan θをγ値とした。
【0052】
【表1】
【0053】
* 感光剤A:合成例1で得られた感光剤。
感光剤B:合成例2で得られた感光剤。
感光剤X:4,4′−メチレンビス〔2−(4−ヒドロキシベンジル)−3,6−ジメチルフェノール〕と1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロライドとのモル比1:2の縮合物。
感光剤Y:4−(1′,2′,3′,4′,4′a ,9′a−ヘキサヒドロ−6′−ヒドロキシスピロ[シクロヘキサン−1,9′−キサンテン]−4′a−イル)レゾルシノール(下式の構造を有する)
【0054】
【0055】
と1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロライドとのモル比1:3の縮合物。
【0056】
【発明の効果】
本発明の式(I)で示される化合物は、ポジ型レジストなどの感光剤として有用である。そして、この化合物を含有するポジ型レジスト組成物は、感度、解像度、γ値、プロファイルなどの諸性能のバランスに優れ、また現像時のスカムがないなど、半導体の微細加工に適したものである。
【発明の属する技術分野】
本発明は、多価フェノール化合物のキノンジアジドスルホン酸エステル、及びそれのレジスト分野への適用に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、フェノール性水酸基を有する化合物をキノンジアジドスルホン酸エステル化し、そのエステルを感光剤として含有する感光性樹脂組成物からポジ型レジスト膜を形成して、半導体の微細加工に用いることは公知であり、フェノール性水酸基を有する種々の化合物が提案されている。現在、半導体産業における集積回路は、高集積化に伴って微細化の一途をたどっており、かかる微細化に対しては、リソグラフィープロセスが重要な地位を担っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような、より微細化していく半導体製造に対応すべく、さらに高性能なレジスト組成物が求められている。また、ポジ型レジスト組成物における感光剤としては通常、分子内にフェノール性水酸基を複数個有する多価フェノール化合物をキノンジアジドスルホン酸エステル化したものが用いられ、特にその部分エステル体、又は全エステル体と部分エステル体の混合物が用いられるが、部分エステル化にあたって、従来公知の多価フェノール化合物を用いた場合には、特定部位のフェノール性水酸基だけを選択的にエステル化することは、一般に困難であった。ところが、特定部位のフェノール性水酸基だけが選択的にエステル化された化合物を用いるほうが、γ値が大きくなる、すなわち解像度が高くなる点で、有利なことが多い。
【0004】
本発明の目的の一つは、半導体微細加工用レジスト組成物における感光剤として用いることができ、それによって高性能なレジスト組成物を与えるキノンジアジドスルホン酸エステルを提供することにある。本発明の別の目的は、特定構造の多価フェノール化合物を用い、特定部位のフェノール性水酸基だけが選択的にエステル化され、又はすべてのフェノール性水酸基がエステル化されたキノンジアジドスルホン酸エステルを提供することにある。さらに本発明の別の目的は、かかるキノンジアジドスルホン酸エステルを用いて、諸性能に優れたポジ型レジスト組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、かかる目的を達成すべく鋭意研究を行った結果、特定構造を有する多価フェノール化合物をo−キノンジアジドスルホン酸エステル化したものが、ポジ型レジスト組成物の感光剤として用いた場合に優れた結果を与えることを見出し、本発明を完成した。また、この多価フェノール化合物を、あるモル比でo−キノンジアジドスルホニルハライドと反応させた場合には、特定部位のフェノール性水酸基のみが選択的にエステル化され、別のモル比で反応させた場合には、すべてのフェノール性水酸基がエステル化され、いずれも、ポジ型レジスト組成物の感光剤として優れた性能を有することが併せて見出された。
【0006】
すなわち本発明は、下式(I)で示される化合物を提供するものである。
【0007】
【0008】
式中、Q1 、Q2 及びQ3 の一つはo−キノンジアジドスルホニルを表し、残りは互いに独立に、水素又はo−キノンジアジドスルホニルを表す。
【0009】
また本発明は、式(I)で示される化合物を有効成分とする感光剤を提供し、さらには、この感光剤及びアルカリ可溶性ノボラック樹脂を含有するポジ型レジスト組成物をも提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】
式(I)において、Q1 、Q2 及びQ3 で表されるo−キノンジアジドスルホニルは、例えば、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホニル、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニル、1,2−ベンゾキノンジアジド−4−スルホニルなどであることができ、それぞれ次式で示されるものである。
【0011】
【0012】
これらのなかでも、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルが一般的である。また式(I)のなかでは、Q1 及びQ2 がo−キノンジアジドスルホニルであり、Q3 が水素である化合物、並びに、Q1 、Q2 及びQ3 のすべてがo−キノンジアジドスルホニルである化合物は重要である。
【0013】
式(I)で示される化合物は、下式(II)で示される1,3−ジヒドロキシ−4−(4−ヒドロキシ−2,3,6−トリメチルベンジル)−2−メチルベンゼン(以下、「ヒドロキシ体(II)」ということがある)を、塩基の存在下でo−キノンジアジドスルホン酸ハライドと反応させることにより、製造できる。
【0014】
【0015】
この反応の原料となるヒドロキシ体(II)は、例えば、2,3,5−トリメチルフェノールをホルムアルデヒドでモノメチロール化して得られる4−ヒドロキシメチル−2,3,5−トリメチルフェノールを、2−メチルレゾルシンと反応させることにより、容易に高純度で製造することができる。2,3,5−トリメチルフェノールとホルムアルデヒドの反応においては、2,3,5−トリメチルフェノールに対し、ホルムアルデヒドを1〜8程度のモル比で用い、水溶媒中、2,3,5−トリメチルフェノールに対して1〜2モル倍の塩基触媒の存在下、比較的低温、例えば0〜5℃の温度で反応させることにより、モノメチロール体を選択的に製造することができる。
【0016】
4−ヒドロキシメチル−2,3,5−トリメチルフェノールと2−メチルレゾルシンとの反応においては、4−ヒドロキシメチル−2,3,5−トリメチルフェノールに対し、2−メチルレゾルシンを2〜10のモル比で用いるのが好ましく、さらには3〜6のモル比で用いるのがより好ましい。この反応は、一般に酸触媒の存在下で行われる。 酸触媒は、無機酸、有機酸のいずれでもよく、例えば、塩酸、硫酸、ギ酸、酢酸、シュウ酸、p−トルエンスルホン酸などが挙げられる。好ましくは、塩酸、硫酸又はp−トルエンスルホン酸が、さらに好ましくは塩酸が用いられる。酸触媒は、4−ヒドロキシメチル−2,3,5−トリメチルフェノールに対して、通常0.1〜1モル倍、好ましくは0.2〜0.5モル倍の範囲で使用される。またこの反応は、通常溶媒中、好ましくは水溶媒中で行われ、反応溶媒、特に水は、2−メチルレゾルシンの量を基準として、一般的には1〜10重量倍の範囲で、好ましくは3〜5重量倍の範囲で使用される。この反応は一般に、大気圧下、例えば5〜60℃程度の温度で行われる。 反応を実施するにあたっては、2−メチルレゾルシン及び酸触媒を含む水溶液に、4−ヒドロキシメチル−2,3,5−トリメチルフェノールを徐々に、又は分割して、例えば0.2〜2時間かけて加えていくのが好ましい。こうした反応により、ヒドロキシ体(II)が生成する。例えば、反応溶媒として水を用いた場合は、反応の進行とともにヒドロキシ体(II)が沈澱してくるので、これを固液分離すればよい。
【0017】
こうして得られるヒドロキシ体(II)を、o−キノンジアジドスルホン酸ハライド、例えば、1,2−ナフトキノンジアジド−4−又は−5−スルホン酸クロライド、1,2−ベンゾキノンジアジド−4−スルホン酸クロライドなどと反応させることにより、式(I)で示されるo−キノンジアジドスルホン酸エステルが製造できる。 この際、ヒドロキシ体(II)とo−キノンジアジドスルホン酸ハライドを1:2程度のモル比で反応させることにより、式(I)中のQ1 及びQ2 がo−キノンジアジドスルホニルとなり、Q3 が水素のまま残ったエステルが優先的に生成する。また、ヒドロキシ体(II)とo−キノンジアジドスルホン酸ハライドを1:3程度のモル比で反応させれば、式(I)中のQ1 、Q2 及びQ3 がすべてo−キノンジアジドスルホニルとなったエステルが得られる。
【0018】
ヒドロキシ体(II)とo−キノンジアジドスルホン酸ハライドとの反応は、塩基の存在下で行われる。ここで用いる塩基としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、ピリジンのようなアミン類、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムのようの無機炭酸塩類などが挙げられ、好ましくはトリエチルアミンが用いられる。塩基は、o−キノンジアジドスルホン酸ハライドに対し、通常1.05〜5のモル比、好ましくは1.05〜1.2、さらに好ましくは1.1〜1.2のモル比で用いられる。
【0019】
このエステル化反応は通常、溶媒中で行われる。反応溶媒としては、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキサン、テトラヒドロフランのようなエーテル類、γ−ブチロラクトンのようなエステル類、アセトン、2−ヘプタノンのような脂肪族ケトン類などが挙げられる。これらの溶媒は、それぞれ単独で、又は2種以上組み合わせて用いることができるが、とりわけ1,4−ジオキサン又は1,3−ジオキサンが好ましい。反応溶媒は、ヒドロキシ体(II)とo−キノンジアジドスルホン酸ハライドの合計量を基準に、通常は2〜6重量倍の範囲で、好ましくは3〜5重量倍、さらに好ましくは4〜5重量倍の範囲で使用される。
【0020】
反応終了後は、酢酸のような酸で中和し、固形物を濾過したあと、濾液を薄い酸水溶液、例えば0.1〜2重量%程度の濃度の酢酸水溶液と混合すれば、目的物であるエステルが沈澱してくる。これを濾過、水洗及び乾燥して、式(I)の化合物を得ることができる。
【0021】
こうして得られる式(I)の化合物は、近ないし遠紫外線(エキシマーレーザー等を含む)などの放射線に感応する感光剤として、有利に使用することができる。この感光剤は、アルカリ可溶性ノボラック樹脂と組み合わせてポジ型レジスト組成物とした場合に、優れた効果を発揮する。この場合、式(I)中のQ1 、Q2 及びQ3 のいずれか一つがo−キノンジアジドスルホニルであるもの(モノエステル)、それらのいずれか二つがo−キノンジアジドスルホニルであるもの(ジエステル)、並びにそれらのすべてがo−キノンジアジドスルホニルであるもの(トリエステル)のうち、2種又はそれ以上の混合物であってもよい。
【0022】
なかでも感光剤として重要なのは、式(I)中のQ1 及びQ2 が1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニル、そしてQ3 が水素となった4,4′−ビス(6−ジアゾ−5,6−ジヒドロ−5−オキソ−1−ナフタレンスルホニルオキシ)−2′−ヒドロキシ−2,3,3′,6−テトラメチルジフェニルメタン、並びに、式(I)中のQ1 、Q2 及びQ3 がすべて1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルとなった2′,4,4′−トリス(6−ジアゾ−5,6−ジヒドロ−5−オキソ−1−ナフタレンスルホニルオキシ)−2,3,3′,6−テトラメチルジフェニルメタンである。
【0023】
式(I)で示される化合物を感光剤として含有するポジ型レジスト組成物は、さらに別の感光剤として、芳香族ヒドロキシ化合物のo−キノンジアジドスルホン酸エステルを含んでもよい。特に、式(I)中のQ1 、Q2 及びQ3 がすべてo−キノンジアジドスルホニルとなった化合物を用いる場合は、別の芳香族ポリヒドロキシ化合物の部分o−キノンジアジドスルホン酸エステルを併用するのが有利である。このような任意に用いられるo−キノンジアジドスルホン酸エステルとしては、フェノール性水酸基を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する芳香族ヒドロキシ化合物をo−キノンジアジドスルホン酸ハライドと反応させて得られるエステルが挙げられる。エステル化される芳香族ヒドロキシ化合物は、例えば、トリヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、ペンタヒドロキシベンゾフェノンのようなポリヒドロキシベンゾフェノン類、2,4,4−トリメチル−2′,4′,7−トリヒドロキシフラバン、 2,4,4−トリメチル−2′,3′,4′,7,8−ペンタヒドロキシフラバン、 4−(1′,2′,3′,4′,4′a,9′a−ヘキサヒドロ−6′−ヒドロキシ−5′−メチルスピロ[シクロヘキサン−1,9′−キサンテン]−4′a−イル)−2−メチルレゾルシノール、 4−(1′,2′,3′,4′,4′a,9′a−ヘキサヒドロ−6′−ヒドロキシスピロ[シクロヘキサン−1,9′−キサンテン]−4′a−イル)レゾルシノールのようなポリヒドロキシフラバン類、その他、2〜6個のベンゼン環を脂肪族炭化水素系の連結基で結合し、芳香族水酸基を2個以上有する化合物などであることができる。
【0024】
さらに具体的な感光剤としては、例えば、特開平 2-32352号公報(=USP 5,124,228)、特開平 2-103543号公報 (=EP-A-363,978)、特開平 2-269351号公報(=USP 5,290,656)、特開平 3-185447 号公報(=USP 5,283,155)、特開平 4-50851号公報(=USP 5,188,920)、特開平 4-295472号公報(=EP-A-505,987) 、特開平 5-323597号公報(=EP-A-570,884) 、特開平 6-167805 号公報(=EP-A-573,056) などに記載されるものが挙げられる。
【0025】
式(I)で示される化合物とともに他の感光剤を用いる場合、両者の割合は、本発明の目的を阻害しない範囲で適宜設定される。本発明においては、こうした他のキノンジアジドスルホン酸エステルを用いる場合はその量も含めて、感光剤は、レジスト組成物中の全固形分の量を基準に10〜50重量%の範囲で含有するのが好ましい。
【0026】
ポジ型レジスト組成物を構成するアルカリ可溶性ノボラック樹脂は、フェノール性水酸基を少なくとも1個有する化合物とアルデヒドとを、酸触媒の存在下に縮合させて得られるものであって、その種類は特に限定されるものでなく、レジスト分野で用いられる各種のものであることができる。ノボラック樹脂の原料となるフェノール系化合物としては、例えば、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,5−キシレノール、3,5−キシレノール、3,4−キシレノール、2,3,5−トリメチルフェノール、2−t−ブチル−5−メチルフェノールなどが挙げられる。また、ノボラック樹脂のもう一方の原料であるアルデヒドとしては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、グリオキサールのような脂肪族アルデヒド類及び、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒドのような芳香族アルデヒド類が挙げられる。特にホルムアルデヒドは、約37重量%の水溶液として工業的に量産されており、好適に用いられる。
【0027】
こうしたフェノール系化合物の1種又は2種以上と、アルデヒド類の1種又は2種以上とを、酸触媒の存在下で縮合させることにより、ノボラック樹脂が得られる。酸触媒としては、塩酸、硫酸、リン酸のような無機酸、シュウ酸、酢酸、p−トルエンスルホン酸のような有機酸、酢酸亜鉛のような二価金属塩などが挙げられる。縮合反応は常法に従って行うことができ、例えば60〜120℃の範囲の温度で2〜30時間程度行われる。また、反応はバルクで行っても、適当な溶媒中で行ってもよい。
【0028】
得られるノボラック樹脂は、レジストの現像残渣を少なくするなどの目的で、例えば分別などの操作を施して、 そのゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)(UV254nmの検出器を使用)によるパターンにおいて、ポリスチレン換算分子量で900以下の成分の面積比が、未反応のフェノール系化合物のパターン面積を除く全パターン面積に対して25%以下、さらには20%以下となるようにしておくのが好ましい。分別を行う場合は、縮合により得られたノボラック樹脂を、良溶媒、例えばメタノールやエタノールのようなアルコール類、アセトンやメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンのようなケトン類、エチルセロソルブのようなエチレングリコールエーテル類、エチルセロソルブアセテートのようなエチレングリコールエーテルエステル類、テトラヒドロフランのようなエーテル類などに溶解し、この溶液を水中に注いで高分子量成分を沈澱させる方法、あるいはこの溶液を、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンのような貧溶媒と混合して分液する方法などが採用できる。
【0029】
こうした分別操作を施して高分子量成分を多くしたノボラック樹脂に、分子量900以下のアルカリ可溶性フェノール系化合物を加えることも有効である。分子量900以下のアルカリ可溶性フェノール系化合物としては、分子内にフェノール性水酸基を少なくとも2個有する多価フェノール化合物が好ましく、例えば特開平 2-275955 号公報(=EP-A-358,871) や特開平 2-2560 号公報に記載のものなどが挙げられる。分子量900以下のアルカリ可溶性フェノール系化合物を添加剤として用いる場合は、レジスト組成物中の全固形分の量を基準に、3〜40重量%の範囲で含有させるのが好ましい。
【0030】
レジスト液の調製は、式(I)で示される化合物及び任意に使用される他のo−キノンジアジドスルホン酸エステルからなる感光剤、アルカリ可溶性ノボラック樹脂、任意に添加剤として使用される分子量900以下のアルカリ可溶性フェノール系化合物などの固形分を、溶剤に混合溶解することにより行われる。ここで用いる溶剤は、適当な乾燥速度を有し、溶剤が蒸発したあとに均一で平滑な塗膜を与えるものが好ましい。このような溶剤としては、例えば、エチルセロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートのようなグリコールエーテルエステル類、2−ヘプタノンのようなケトン類、酢酸n−アミル、乳酸エチル、ピルビン酸エチルのようなエステル類、γ−ブチロラクトンのような環状エステル類、その他特開平 2-220056 号公報に記載のもの、特開平 4-362645 号公報に記載のもの、特開平 4-367863 号公報に記載のものなどが挙げられる。溶剤としては、それぞれの化合物を単独で、又は2種以上混合して用いることができる。
【0031】
こうして得られるレジスト組成物は、必要に応じてさらに、ノボラック樹脂以外の樹脂や染料などを、添加物として少量含有することもできる。
【0032】
【実施例】
次に実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。例中、含有量ないし使用量を表す%及び部は、特にことわらないかぎり重量基準である。
【0033】
参考例1: 2,3,5−トリメチルフェノールのモノメチロール化
2,3,5−トリメチルフェノール54.4g、水酸化ナトリウム19.2g及び水400gを1リットルの四つ口フラスコに仕込み、2℃で攪拌しながら、37%ホルマリン194.6gを2時間かけて滴下し、引き続き同温度で2時間反応させた。反応終了後、28%アンモニア水97.1gを仕込み、30分攪拌してから酢酸150.3gを仕込み、次にメチルイソブチルケトン800gで抽出し、水洗後濃縮し、次にトルエン40gを仕込んで室温で2時間攪拌したあと濾過した。濾過物をトルエンでリンスしたあと乾燥することにより、4−ヒドロキシメチル−2,3,5−トリメチルフェノール45.4g(液体クロマトグラフィーによる純度98%)を得た。
【0034】
参考例2: ヒドロキシ体(II)の合成
100mlの三つ口フラスコに、2−メチルレゾルシン4.8g、36%塩酸0.4g、及び水22gを仕込み、そこへ室温で、4−ヒドロキシメチル−2,3,5−トリメチルフェノール1.7gを0.5時間で分割投入した。室温でさらに2時間反応させたあと、析出した結晶を濾過し、濾過物をイオン交換水でリンスした。その後一昼夜減圧乾燥して、 1,3−ジヒドロキシ−4−(4−ヒドロキシ−2,3,6−トリメチルベンジル)−2−メチルベンゼン(液体クロマトグラフィーによる純度98%)を2.0g得た。
【0035】
質量分析値: MS 272
1H−NMR(ジメチルスルホキシド) δ(ppm) :
1.95 (s, 3H); 2.01 (s, 6H); 2.03 (s, 3H);
3.67 (s, 2H); 5.91 (d, J = 8.3 Hz, 1H);
6.12 (d, J = 8.3 Hz, 1H); 6.52 (s, 1H);
8.14 (s, 1H); 8.80 (s, 1H); 8.84 (s, 1H).
【0036】
合成例1
50mlの四つ口フラスコに、1,3−ジヒドロキシ−4−(4−ヒドロキシ−2,3,6−トリメチルベンジル)−2−メチルベンゼン0.5g、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロライド0.99g(モル比1:2)、及び1,4−ジオキサン7.45gを仕込んで完溶させ、そこへ20〜30℃でトリエチルアミン0.45gを1時間かけて滴下した。滴下終了後、30℃で1時間攪拌した。次いで酢酸0.11gを添加し、同温度で1時間攪拌した。反応混合物を濾過し、濾過残渣を1,4−ジオキサン0.99gで洗浄した。濾液及び洗液を、酢酸0.25g及びイオン交換水25gの混合液に注いで1時間攪拌した。析出した結晶を濾過し、得られたウェットケーキをイオン交換水50gで攪拌洗浄した。次いで濾過し、得られたケーキを40℃で乾燥して、感光剤Aを1.3g得た。
【0037】
質量分析値: MS 736
1H−NMR(ジメチルスルホキシド) δ(ppm) :
1.89 (s, 3H); 1.95 (s, 6H); 1.98 (s, 3H);
3.80 (s, 2H); 5.80 (d, J = 7.8 Hz, 1H);
6.12 (d, J = 7.8 Hz, 1H); 6.52 (s, 1H);
7.35 (m, 2H); 7.69 (m, 4H); 8.19 (m, 3H);
8.59 (m, 2H).
【0038】
上で得られた感光剤Aは、前記式(I)中のQ3 が水素であり、Q1 及びQ2 が1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルとなった化合物であることが確認された。
【0039】
合成例2
50mlの四つ口フラスコに、1,3−ジヒドロキシ−4−(4−ヒドロキシ−2,3,6−トリメチルベンジル)−2−メチルベンゼン0.5g、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロライド1.48g(モル比1:3)、及び1,4−ジオキサン9.90gを仕込んで完溶させ、そこへ20〜30℃でトリエチルアミン0.67gを1時間かけて滴下した。滴下終了後、30℃で1時間攪拌した。次いで酢酸0.17gを添加し、同温度で1時間攪拌した。反応混合物を濾過し、濾過残渣を1,4−ジオキサン1.48gで洗浄した。濾液及び洗液を、酢酸0.34g及びイオン交換水34gの混合液に注いで1時間攪拌した。析出した結晶を濾過し、得られたウェットケーキをイオン交換水70gで攪拌洗浄した。次いで濾過し、得られたケーキを40℃で乾燥して、感光剤Bを1.6g得た。
【0040】
質量分析値: MS 969
1H−NMR(ジメチルスルホキシド) δ(ppm) :
1.88 (s, 3H); 1.96 (s, 6H); 1.99 (s, 3H);
3.83 (s, 2H); 5.82 (d, J = 7.6 Hz, 1H);
6.14 (d, J = 7.6 Hz, 1H); 6.54 (s, 1H);
7.40 (m, 3H); 7.70 (m, 6H); 8.20 (m, 3H);
8.62 (m, 3H).
【0041】
上で得られた感光剤Bは、前記式(I)中のQ1 、Q2 及びQ3 が1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルとなった化合物であることが確認された。
【0042】
参考例3: ノボラック樹脂の製造
四つ口フラスコに、m−クレゾール148.5部、p−クレゾール121.5部、メチルイソブチルケトン252部、10%シュウ酸水溶液37.0部、及び90%酢酸水溶液84.8部を仕込み、100℃の油浴で加熱攪拌しながら、37%ホルマリン129.5部を40分かけて滴下し、さらに15時間反応させた。その後水洗、脱水して、ノボラック樹脂を42.3%含有するメチルイソブチルケトン溶液466部を得た。GPCによるポリスチレン換算重量平均分子量は 4,300であった。
【0043】
この溶液450部を底抜きセパラブルフラスコに仕込み、さらにメチルイソブチルケトン909.6部及びn−ヘプタン996.1部を加えて、60℃で30分間攪拌したあと、静置し、分液した。分液で得られた下層のマスに2−ヘプタノンを380部加え、メチルイソブチルケトン及びn−ヘプタンをエバポレーターにより除去して、ノボラック樹脂の2−ヘプタノン溶液を得た。GPCによるポリスチレン換算重量平均分子量は 9,000であり、ポリスチレン換算分子量で900以下の範囲の面積比は、全パターン面積に対して14%であった。
【0044】
適用例1及び2並びに比較例
参考例3で得たノボラック樹脂の2−ヘプタノン溶液を固形分換算で15部、添加剤としての4,4′−(2−ヒドロキシベンジリデン)ジ−2,6−キシレノールを3.9部、及び表1に示した感光剤を、2−ヘプタノンが合計で50部となるよう、2−ヘプタノンに加えて、混合、溶解した。この液を孔径0.2μm のフッ素樹脂製フィルターで濾過して、レジスト液を調製した。
【0045】
常法により洗浄したシリコンウェハーに、回転塗布器を用いて上記レジスト液を乾燥後の膜厚が1.1μm となるように塗布し、ホットプレートにて90℃で1分間ベークした。次いで、365nm(i線)の露光波長を有する縮小投影露光器〔(株)ニコン製品、NSR 1755i 7A、NA=0.5)を用いて、露光量を段階的に変化させて露光した。次にこのウェハーを、ホットプレートにて110℃で1分間ベークした。これを現像液“SOPD"〔住友化学工業(株)製品〕で1分間現像して、ポジ型パターンを得た。このポジ型パターンにつき、以下のようにして評価し、結果を表1に示した。
【0046】
実効感度: 0.50μm のラインアンドスペースパターンが1:1になる露光量で表示した。
【0047】
解像度: ラインアンドスペースパターンが1:1になる露光量(実効感度)で、膜減りなく分離するラインアンドスペースパターンの寸法を、走査型電子顕微鏡で測定した。
【0048】
プロファイル: 実効感度における0.45μm ラインアンドスペースパターンの断面形状を、走査型電子顕微鏡で観察した。
【0049】
フォーカス(焦点深度): 実効感度において0.40μm ラインアンドスペースパターンが膜減りなく分離する焦点の幅を、走査型電子顕微鏡で測定した。
【0050】
スカム: 走査型電子顕微鏡でスカム(現像残渣)の有無を観察した。
【0051】
γ値: 露光量の対数に対する規格化膜厚(=残膜厚/初期膜厚)をプロットし、その傾きθを求め、tan θをγ値とした。
【0052】
【表1】
【0053】
* 感光剤A:合成例1で得られた感光剤。
感光剤B:合成例2で得られた感光剤。
感光剤X:4,4′−メチレンビス〔2−(4−ヒドロキシベンジル)−3,6−ジメチルフェノール〕と1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロライドとのモル比1:2の縮合物。
感光剤Y:4−(1′,2′,3′,4′,4′a ,9′a−ヘキサヒドロ−6′−ヒドロキシスピロ[シクロヘキサン−1,9′−キサンテン]−4′a−イル)レゾルシノール(下式の構造を有する)
【0054】
【0055】
と1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロライドとのモル比1:3の縮合物。
【0056】
【発明の効果】
本発明の式(I)で示される化合物は、ポジ型レジストなどの感光剤として有用である。そして、この化合物を含有するポジ型レジスト組成物は、感度、解像度、γ値、プロファイルなどの諸性能のバランスに優れ、また現像時のスカムがないなど、半導体の微細加工に適したものである。
Claims (8)
- Q1 及びQ2 がo−キノンジアジドスルホニルであり、Q3 が水素である請求項1記載の化合物。
- Q1 、Q2 及びQ3 がすべてo−キノンジアジドスルホニルである請求項1記載の化合物。
- o−キノンジアジドスルホニルが1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルである請求項1〜3のいずれかに記載の化合物。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の化合物を有効成分とする感光剤。
- 請求項5記載の感光剤及びアルカリ可溶性ノボラック樹脂を含有することを特徴とするポジ型レジスト組成物。
- アルカリ可溶性ノボラック樹脂が、フェノール系化合物とアルデヒドの縮合物であって、そのゲル浸透クロマトグラフィーパターンにおけるポリスチレン換算分子量で900以下の範囲の面積比が、未反応のフェノール系化合物のパターン面積を除く全パターン面積に対して25%以下のものである請求項6記載の組成物。
- さらに、分子量900以下のアルカリ可溶性フェノール系化合物を含有する請求項6又は7記載の組成物。
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