JP3735905B2 - テトラフェノール系化合物、その中間体および製法 - Google Patents

テトラフェノール系化合物、その中間体および製法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、感光剤またはその前駆体として有用な、新規なテトラフェノール系化合物、その中間体およびそれらの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、フェノール性水酸基を有する化合物をキノンジアジドスルホン酸エステル化して、半導体微細加工用の感光性樹脂組成物における感光剤として用いることは公知である。すなわち、キノンジアジド基を有する化合物とノボラック樹脂を含む組成物を金属基板上に塗布し、これに300〜500nmの光を照射すると、キノンジアジド基が分解してカルボキシル基を生じ、アルカリ不溶の状態からアルカリ可溶の状態になることを利用して、かかる組成物はポジ型レジストとして用いられる。こうしたポジ型レジストは、ネガ型レジストに比べて解像力に優れるという特徴を有することから、半導体用の各種集積回路の製作に利用されている。
【0003】
そして、半導体産業における集積回路は近年、高集積化に伴い、微細化の一途をたどっており、今やサブミクロンのパターン形成が要求されるに至っている。そのなかでも、リソグラフィープロセスは、集積回路製造時の重要な地位を占めており、ポジ型レジストについても、一層優れた解像度(高いγ値)が求められるようになっている。
【0004】
キノンジアジド化合物およびノボラック樹脂を含有するレジスト材料については、各成分の組合せについて従来から数多くの提案がなされてきている。例えば特開平 1-189644 号公報(=USP 5,153,096)には、フェノール性水酸基を少なくとも2個有するトリフェニルメタン系の化合物をキノンジアジドスルホン酸エステル化したものを、感光剤として用いることが記載されている。しかしながらこうした公知の感光剤を用いても、現在の超高集積回路作製のための超微細加工用、いわゆるサブミクロンリソグラフィー用のレジストとしては限界があった。そこで、感度、解像度、耐熱性等のレジスト性能を向上させるための種々の研究が行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、感光性樹脂組成物の感光剤成分となりうる、あるいはその前駆体となりうる新規なフェノール系化合物を製造し、提供することにある。
【0006】
本発明の別の目的は、かかる化合物を用いて、高い感度、高い解像力、高い耐熱性、良好なプロファイル、良好なフォーカス許容性、少ない現像残渣など、レジスト諸性能のバランスがとれた感光性樹脂組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
研究の結果、フェノール性水酸基を4個有する特定構造のフェノール系化合物を見いだし、そしてこの化合物をキノンジアジドスルホン酸エステル化したものを感光剤として用いることにより、上記の目的が達成されることを見いだし、本発明を完成した。
【0008】
したがって本発明は、次式(I)で示されるテトラフェノール系化合物を提供するものである。
【0009】
Figure 0003735905
【0010】
式中、Xは水素またはメチルを表し、R1 、R2 、R3 およびR4 は互いに独立に、水素または1,2−ナフトキノンジアジド−4−もしくは−5−スルホニルを表す。
【0011】
式(I)中の−OR1 および−OR4 は通常、隣のベンゼン環と結合するメチレンの位置に対して2−位または4−位に位置するのが一般的である。式(I)のなかでも、次式(II)または(III) で示される化合物は重要である。
【0012】
Figure 0003735905
【0013】
式中、R1 、R2 、R3 およびR4 は前記の意味を表す。
【0014】
また本発明は、式(I)においてR1 、R2 、R3 およびR4 がすべて水素である化合物(以下、「テトラフェノール(I)」と呼ぶことがある)の前駆体となりうる2−ヒドロキシメチル−4−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−5−メチルベンジル)−3,6−ジメチルフェノールを提供し、さらにはその前駆体となりうる4−(4−ヒドロキシ−3−メチルベンジル)−2,5−ジメチルフェノールをも提供する。これらはそれぞれ、次式(IV)および(V)の構造を有し、以下、簡単のためそれぞれ、「ジメチロール(IV)」および「ビスフェノール(V)」と呼ぶことがある。
【0015】
Figure 0003735905
【0016】
本発明はまた、4−ヒドロキシメチル−2,5−ジメチルフェノールを、オルソクレゾールと反応させることにより、ビスフェノール(V)を製造する方法を提供し、ビスフェノール(V)をホルムアルデヒドと反応させることにより、ジメチロール(IV)を製造する方法を提供し、ジメチロール(IV)をフェノールまたはクレゾールと反応させることにより、テトラフェノール(I)を製造する方法を提供する。 さらには、このテトラフェノール(I)を1,2−ナフトキノンジアジド−4−または−5−スルホニルハライドと反応させることにより、式(I)で示され、R1 、R2 、R3 およびR4 のうちの少なくとも一つが1,2−ナフトキノンジアジド−4−または−5−スルホニルとなった化合物(以下、「エステル(I)」と呼ぶことがある)を製造する方法も提供される。
【0017】
さらに本発明は、式(I)において、R1 、R2 、R3 およびR4 の一つが、1,2−ナフトキノンジアジド−4−または−5−スルホニルであり、残りが互いに独立に、水素または1,2−ナフトキノンジアジド−4−もしくは−5−スルホニルである化合物、すなわちエステル(I)を有効成分とする感光剤をも提供する。
【0018】
【発明の実施の形態】
式(I)において、R1 、R2 、R3 およびR4 のうち少なくとも一つが1,2−ナフトキノンジアジド−4−または−5−スルホニルである化合物、すなわちエステル(I)は、近ないし中程度の紫外線や遠紫外線(エキシマーレーザーなどを含む)のような放射線に感応する感光剤として有用であり、アルカリ可溶性ノボラック樹脂とともに、かかる感光剤を含有する感光性樹脂組成物とすることができる。また、R1 、R2 、R3 およびR4 がすべて水素である化合物、すなわちテトラフェノール(I)は、かかる感光剤の前駆体として有用である。
【0019】
テトラフェノール(I)は、例えば、ジメチロール(IV)をフェノールまたはクレゾールと反応させることにより、製造することができ、ジメチロール(IV)は、ビスフェノール(V)をホルムアルデヒドと反応させることにより、製造することができ、そしてビスフェノール(V)は、4−ヒドロキシメチル−2,5−ジメチルフェノールをオルソクレゾールと反応させることにより、製造することができる。 また、4−ヒドロキシメチル−2,5−ジメチルフェノールは、例えば、2,5−キシレノールをホルムアルデヒドでメチロール化することにより、製造できる。以下、2,5−キシレノールから出発して、テトラフェノール(I)、さらにはエステル(I)へと導く反応を、順次説明していく。
【0020】
2,5−キシレノールとホルムアルデヒドとの反応により、4−ヒドロキシメチル−2,5−ジメチルフェノールが得られる。この反応は、2,5−キシレノールとホルムアルデヒドとのモル比1:0.9〜1.8の範囲で、2,5−キシレノールに対して0.8〜1.2モル倍のアルカリ触媒の存在下に、5〜15℃の温度で行うのが好ましい。アルカリ触媒としては、アルカリ金属水酸化物が好ましく、例えば水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどが挙げられる。この反応は水を溶媒として行うのが好ましく、水は、アルカリ触媒に対して9〜20重量倍の範囲で使用される。この反応は、2,5−キシレノール、アルカリ触媒および水の存在する系に、ホルムアルデヒドを添加しながら進行させるのが好ましく、この際ホルムアルデヒドは、通常水溶液の形で用いられる。そこで上記水の量は、少なくとも反応の初期に達成されているのが好ましい。
【0021】
4−ヒドロキシメチル−2,5−ジメチルフェノールとオルソクレゾールの反応により、ビスフェノール(V)が得られる。この反応において、オルソクレゾールは、4−ヒドロキシメチル−2,5−ジメチルフェノールに対し、一般的には1〜10のモル比、好ましくは1.5〜6、さらに好ましくは2〜4のモル比で用いられる。この際、酸触媒を存在させるのが好ましい。酸触媒は、塩酸や硫酸のような無機酸およびパラトルエンスルホン酸のような有機酸のいずれでもよいが、なかでも、硫酸またはパラトルエンスルホン酸、とりわけパラトルエンスルホン酸が好ましく用いられる。酸触媒は、4−ヒドロキシメチル−2,5−ジメチルフェノールに対し、通常1当量以下、好ましくは0.01〜0.5当量の範囲で用いられる。
【0022】
この反応は溶媒中で行うのが好ましく、この場合の反応溶媒は、芳香族溶媒、それも芳香族炭化水素溶媒、あるいはアルコール類であるのが好ましい。芳香族炭化水素溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレンなどが挙げられ、なかでもトルエンが好ましく、またアルコール類としては、低級アルコール、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノールなどが挙げられ、なかでもメタノールが好ましく用いられる。反応溶媒は、オルソクレゾールの量を基準に、一般的には0.5〜5重量倍の範囲で、好ましくは1〜3重量倍、さらに好ましくは1〜2重量倍の範囲で使用される。反応は、通常10℃から沸点までの範囲、好ましくは15〜60℃の範囲の温度で行われる。この反応は、通常大気圧下で進行し、2〜5時間程度行われる。
【0023】
反応終了後は、反応マスに水への溶解度が9g/100g以下である溶媒を加えたあと、水洗分液することにより、金属分を低減させておくのが好ましい。ここで、水への溶解度が9g/100g以下とは、20℃の水100gに溶ける最大量が9g以下であることを意味する。またここで用いる溶媒は、20℃において、ビスフェノール(V)の溶解度が1g/100g以上であるのが好ましい。かかる溶媒としては、酢酸エチルや酢酸n−ブチル、酢酸イソアミルのような酢酸エステル類、メチルイソブチルケトンや2−ヘプタノンのようなケトン類などが挙げられ、なかでも酢酸エチルが好ましく用いられる。
【0024】
このようにして金属の低減化を図ったビスフェノール(V)を含む溶液は、さらに芳香族溶媒を加えて、目的物を晶析させることができる。ここで用いる芳香族溶媒は、反応に用いたものと同じであっても異なっていてもよいが、好ましくはトルエンが用いられる。
【0025】
こうして得られるビスフェノール(V)をホルムアルデヒドと反応させることにより、ジメチロール(IV)が得られる。この反応においては、ビスフェノール(V)に対し、ホルムアルデヒドを2〜10のモル比で用いるのが好ましく、さらには4〜8の範囲のモル比で用いるのが一層好ましい。このモル比が高すぎても低すぎても、反応の選択性が低下する傾向にある。この反応は、アルカリ触媒の存在下で行われる。アルカリ触媒は、無機塩基および有機塩基のいずれでもよいが、特に水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどの無機塩基、なかでも水酸化ナトリウムが好ましく用いられる。アルカリ触媒は、ビスフェノール(V)に対して、一般的には0.5〜5モル倍、好ましくは1〜4モル倍、さらに好ましくは2〜3モル倍の範囲で使用される。触媒量が少なすぎると、反応時間が長くなり、またそれが多すぎると、反応の選択性が悪くなる傾向にある。
【0026】
この反応は一般に溶媒中で行われ、反応溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、水、メタノールなどの極性溶媒が好ましく、なかでも水が好ましく使用される。溶媒の量は、ビスフェノール(V)に対し、一般的には1〜10重量倍、好ましくは3〜6重量倍、さらに好ましくは3〜5重量倍の範囲である。反応温度は一般的には10〜60℃、好ましくは30〜50℃、さらに好ましくは35〜45℃の範囲である。反応温度が高すぎると反応の選択性が低下する傾向にあり、また温度が低すぎると反応が遅くなる。反応の仕込みは、ビスフェノール(V)、アルカリ触媒および反応溶媒の混合物中に、ホルムアルデヒドを添加していく方法が好ましい。この際ホルムアルデヒドは、0.1〜4時間かけて添加するのが好ましく、さらには0.5〜2時間、とりわけ0.5〜1時間で、ホルムアルデヒドの添加を終了するのが好ましい。ホルムアルデヒドを急激に添加すると、発熱が激しく、また反応の選択性が低下する傾向にあり、一方ホルムアルデヒドの添加時間が長すぎると、副生成物が多くなる傾向にある。ホルムアルデヒドの添加は、好ましくはその水溶液を滴下していく方法により行われる。
【0027】
こうして得られるジメチロール(IV)をフェノールまたはクレゾールと反応させることにより、テトラフェノール(I)が得られる。この際、パラクレゾールを用いれば、前記式(II)で示され、R1 、R2 、R3 およびR4 がすべて水素である化合物が得られ、 またフェノールを用いれば、前記式(III) で示され、R1 、R2 、R3 およびR4 がすべて水素である化合物が得られる。この反応において、フェノールまたはクレゾールは、ジメチロール(IV)に対し、一般的には2〜50のモル比、好ましくは3〜20、さらに好ましくは4〜12のモル比で用いられる。この反応は一般に酸触媒の存在下で行われ、酸触媒は、塩酸や硫酸のような無機酸およびパラトルエンスルホン酸のような有機酸のいずれでもよいが、なかでも、硫酸またはパラトルエンスルホン酸、とりわけパラトルエンスルホン酸が好ましく用いられる。酸触媒は、ジメチロール(IV)に対し、通常1当量以下、好ましくは0.01〜0.5当量の範囲で用いられる。
【0028】
この反応は溶媒中で行うのが好ましく、この場合の反応溶媒は、芳香族溶媒、それも芳香族炭化水素溶媒、あるいはアルコール類であるのが好ましい。アルコール類としては、低級アルコール、それもメタノールが挙げられ、また芳香族炭化水素溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレンなどが挙げられ、なかでもトルエンが好ましく用いられる。反応溶媒、例えば芳香族溶媒は、フェノールまたはクレゾールの量を基準に、一般的には0.5〜5重量倍の範囲で、好ましくは1〜3重量倍、さらに好ましくは1〜2重量倍の範囲で使用される。 反応は、通常10℃から沸点までの範囲、好ましくは15〜60℃の範囲の温度で行われる。この反応は、通常大気圧下で進行し、2〜5時間程度行われる。
【0029】
芳香族溶媒中、室温付近で反応を行った場合は、反応の進行とともに、またそれより高い温度で反応を行った場合は、反応終了後室温付近まで冷却することにより、目的物であるテトラフェノール(I)の結晶が析出してくる。この結晶を取り出すことにより、粗生成物が得られ、その後任意の精製手段を施すことができる。例えば、この化合物は常温で芳香族溶媒への溶解度が小さいので、芳香族溶媒からの晶析を行うことにより、あるいは必要によりそれを繰り返すことにより、精製することができる。この際に用いる晶析溶媒は、反応に用いたものと同じであっても異なっていてもよい。
【0030】
また、この化合物を、後述するようにキノンジアジドスルホン酸エステル化して、半導体製造用の感光性樹脂組成物における感光剤とする場合は、水への溶解度が9g/100g以下である溶媒に上記粗生成物を溶解したあと、水洗分液することにより、金属分を低減させておくのが好ましい。ここで、水への溶解度が9g/100g以下とは、20℃の水100gに溶ける最大量が9g以下であることを意味する。またここで用いる溶媒は、20℃において、テトラフェノール(I)の溶解度が1g/100g以上であるのが好ましい。 かかる溶媒としては、酢酸エチルや酢酸n−ブチル、酢酸イソアミルのような酢酸エステル類、メチルイソブチルケトンや2−ヘプタノンのようなケトン類などが挙げられ、なかでも酢酸エチルが好ましく用いられる。
【0031】
こうして金属の低減化を図ったテトラフェノール(I)を含む溶液は、さらに芳香族溶媒を加えて、目的物を晶析させることができる。ここで用いる芳香族溶媒は、反応に用いたものと同じであっても異なっていてもよいが、好ましくはトルエンが用いられる。
【0032】
かくして得られるテトラフェノール(I)は、例えばキノンジアジドスルホン酸エステル化して、感光剤とすることができる。エステル化にあたっては、1,2−キノンジアジド骨格を有する各種のスルホン酸誘導体を用いることができるが、好ましくは1,2−ナフトキノンジアジド−4−または−5−スルホニルハライドが用いられる。スルホニルハライドを構成するハロゲンは、例えば塩素や臭素などであることができるが、通常は塩素であるのが好ましく、したがって、1,2−ナフトキノンジアジド−4−または−5−スルホニルクロライドが、エステル化剤として好ましく用いられる。また、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホニルハライドと1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルハライドの混合物を用いることもできる。エステル化反応において、1,2−ナフトキノンジアジド−4−および/または−5−スルホニルハライドは、テトラフェノール(I)に対し、通常1.2〜4のモル比、好ましくは1.4〜2.5のモル比で用いられる。
【0033】
この反応は、通常、脱ハロゲン化水素剤の存在下で行われる。脱ハロゲン化水素剤としては、一般的に塩基性の化合物、例えば炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムのような無機塩基、エチルアミン、エタノールアミン、ジエチルアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリンのようなアミン類が挙げられる。脱ハロゲン化水素剤は、1,2−ナフトキノンジアジド−4−または−5−スルホニルハライドに対し、通常1.05〜1.5のモル比、好ましくは1.05〜1.2、さらに好ましくは1.1〜1.2のモル比で用いられる。
【0034】
エステル化反応は通常、溶媒中で行われる。反応溶媒としては、エーテル類、ラクトン類、脂肪族ケトン類などが挙げられ、なかでも、ジオキソラン、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、γ−ブチロラクトン、アセトンおよび2−ヘプタノンから選ぶのが好ましい。これらをそれぞれ単独で、または2種以上組み合わせて用いることができるが、とりわけ1,4−ジオキサンが好ましい。反応溶媒は、テトラフェノール(I)とキノンジアジドスルホニルハライドの合計量を基準に、通常は2〜6重量倍の範囲で、好ましくは3〜5重量倍、さらに好ましくは4〜5重量倍の範囲で使用される。
【0035】
このエステル化反応は、常圧下、常温付近でも十分進行し、一般的には20〜30℃の範囲の温度が採用され、2〜10時間程度行われる。
【0036】
反応終了後は、酢酸のような酸で中和し、固形物を濾過したあと、濾液を薄い酸水溶液、例えば0.1〜2重量%程度の濃度の酢酸水溶液と混合すれば、目的物であるエステルが析出してくる。これを濾過、洗浄および乾燥することにより、エステルを取り出すことができる。
【0037】
このエステル化反応においては、用いる1,2−ナフトキノンジアジドスルホニルハライドのモル比にもよるが、通常は、式(I)におけるR1 、R2 、R3 およびR4 のいずれか一つがキノンジアジドスルホニルとなったもの(モノエステル)、それらのいずれか二つがキノンジアジドスルホニルとなったもの(ジエステル)、それらのいずれか三つがキノンジアジドスルホニルとなったもの(トリエステル)、およびそれら四つのすべてがキノンジアジドスルホニルとなったもの(テトラエステル)のうち、2種以上の混合物として得られる。この混合物は、通常そのまま感光剤として用いることができる。
【0038】
こうしてエステル化された化合物は、近紫外線ないし遠紫外線(エキシマーレーザー等を含む)などの放射線に感応する感光剤として有利に使用することができる。この感光剤は、アルカリ可溶性ノボラック樹脂と組み合わせてポジ型レジスト用の感光性樹脂組成物とした場合に、特に高い効果を発揮する。
【0039】
また、必要に応じて、他のフェノール系化合物の1,2−キノンジアジドスルホン酸エステルを併用することもできる。併用されるキノンジアジドスルホン酸エステルの具体例としては、特開平 5-204148 号公報に記載の化合物、特開平 5-323597 号公報(=EP-A-570,884) に記載の化合物、特開平 6-167805 号公報(=EP-A-573,056) に記載の化合物、次式(VI)
【0040】
Figure 0003735905
【0041】
(式中、R11およびR12の一方は−OQ4 を表し;
11およびR12の他方、R13、R14ならびにR15は互いに独立に、水素、炭素数6以下のアルキル、炭素数6以下のシクロアルキル、炭素数6以下のアルケニル、炭素数6以下のアルコキシまたはハロゲンを表し;
16およびR17は互いに独立に、水素、炭素数6以下のアルキル若しくは炭素数6以下のアルケニルを表すか、または両者が末端で一緒になって、両者が結合する炭素原子とともに炭素数6以下のシクロアルカン環を形成し;
1 、Q2 、Q3 およびQ4 の一つはo−キノンジアジドスルホニルを表し、残りは互いに独立に、水素またはo−キノンジアジドスルホニルを表す)
【0042】
で示される化合物(本出願人が先に出願した特願平 7-58826号に記載のもの)などが挙げられる。
【0043】
本発明においては、こうした他のキノンジアジドスルホン酸エステルを用いる場合はそれも含めて、感光剤は、感光性樹脂組成物中の全固形分の量を基準に、10〜50重量%の範囲で含有するのが好ましい。
【0044】
感光性樹脂組成物を構成するアルカリ可溶性ノボラック樹脂は、フェノール性水酸基を少なくとも1個有する化合物とアルデヒドとを、酸触媒の存在下に縮合させて得られるものであって、その種類は特に限定されるものでなく、レジスト分野で用いられる各種のものであることができる。ノボラック樹脂の原料となるフェノール系化合物としては、例えば、メタクレゾール、パラクレゾール、オルトクレゾール、2,5−キシレノール、3,5−キシレノール、3,4−キシレノール、2,3,5−トリメチルフェノール、3−メチル−6−t−ブチルフェノール、t−ブチルハイドロキノンなどが挙げられる。 また、ノボラック樹脂のもう一方の原料であるアルデヒドとしては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、グリオキサール、サリチルアルデヒドなどが挙げられる。特にホルムアルデヒドは、約37重量%の水溶液として工業的に量産されており、好適に用いられる。
【0045】
こうしたフェノール系化合物の1種または2種以上と、アルデヒドの1種または2種以上とを、酸触媒の存在下に縮合させることにより、ノボラック樹脂が得られる。酸触媒としては、有機酸、無機酸、二価金属塩などが用いられ、具体例としては、シュウ酸、酢酸、パラトルエンスルホン酸、塩酸、硫酸、リン酸、酢酸亜鉛などが挙げられる。縮合反応は常法に従って行うことができ、例えば60〜120℃の範囲の温度で2〜30時間程度行われる。また、反応はバルクで行っても、適当な溶媒中で行ってもよい。
【0046】
得られるノボラック樹脂は、レジストの現像残渣を少なくするなどの目的で、例えば分別などの操作を施して、 そのゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)(UV254nmの検出器を使用)によるパターンにおいて、ポリスチレン換算分子量で900以下の成分の面積比が、未反応のフェノール系化合物のパターン面積を除く全パターン面積に対して25%以下、さらには20%以下となるようにしておくのが好ましい。分別を行う場合は、ノボラック樹脂を、良溶媒、例えばメタノールやエタノールのようなアルコール、アセトンやメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンのようなケトン、エチルセロソルブのようなエチレングリコールエーテル、エチルセロソルブアセテートのようなエチレングリコールエーテルエステル、テトラヒドロフランのような環状エーテルなどに溶解し、この溶液を水中に注いで高分子量成分を沈澱させる方法、あるいはこの溶液を、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンのような貧溶媒と混合して分液する方法などが採用できる。
【0047】
こうした分別操作を施して高分子量成分を多くしたノボラック樹脂に、分子量900以下のアルカリ可溶性フェノール系化合物を加えることも有効である。分子量900以下のアルカリ可溶性フェノール系化合物としては、分子構造中にフェノール性水酸基を2個以上有するものが好ましく、例えば特開平 2-275955 号公報(=EP-A-358,871) や特開平 2-2560 号公報に記載のものなどが挙げられる。分子量900以下のアルカリ可溶性フェノール系化合物を用いる場合は、感光性樹脂組成物中の全固形分の量を基準として、3〜40重量%の範囲で含有させるのが好ましい。
【0048】
感光性樹脂組成物を含むレジスト液の調製は、感光剤およびノボラック樹脂、あるいは必要に応じてさらに分子量900以下のアルカリ可溶性フェノール系化合物を、溶剤に混合溶解することにより行われる。ここで用いる溶剤は、適当な乾燥速度を有し、溶剤が蒸発したあとに均一で平滑な塗膜を与えるものが好ましい。このような溶剤としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートやエチルセロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテートのようなグリコールエーテルエステル類、ピルビン酸エチルや酢酸n−アミル、乳酸エチルのようなエステル類、2−ヘプタノンのようなケトン類、γ−ブチロラクトンのような環状エステル類、その他、特開平 2-220056 号公報に記載のもの、特開平 4-362645 号公報に記載のもの、特開平 4-367863 号公報に記載のものなどが挙げられる。溶剤としては、それぞれの化合物を単独で、または2種以上混合して用いることができる。
【0049】
こうして得られるレジスト液ないしは感光性樹脂組成物は、必要に応じてさらに、添加物として少量の樹脂や染料を含有することもできる。
【0050】
【実施例】
次に実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。例中、含有量ないし使用量を表す%および部は、特にことわらないかぎり重量基準である。
【0051】
参考例1: 4−ヒドロキシメチル−2,5−ジメチルフェノールの製造
【0052】
5リットルの四つ口フラスコに、2,5−キシレノール610.9g、水酸化ナトリウム200gおよび水2500gを仕込み、12℃で攪拌しながら、37%ホルマリン565gを1時間30分かけて滴下し、その後さらに4時間反応させた。反応終了後、28%アンモニア水89gを仕込み、30分攪拌してから酢酸400gを仕込み、濾過した。得られた濾過物を水洗したあと乾燥することにより、4−ヒドロキシメチル−2,5−ジメチルフェノール609g(液体クロマトグラフィーによる純度99%)を得た。
【0053】
質量分析: FD−MS 152
1H−NMR(アセトン) δ(ppm) :
2.12 (s, 3H); 2.21 (s, 3H); 3.76 (brs, 1H);
4.50 (s, 2H); 6.61 (s, 1H); 7.01 (s, 1H);
7.99 (brs, 1H).
【0054】
実施例1: ビスフェノール(V)の製造
【0055】
1リットルの四つ口フラスコに、パラトルエンスルホン酸4.76g、オルソクレゾール54.07gおよびメタノール108.14gを仕込んで30℃に調温し、そこへ4−ヒドロキシメチル−2,5−ジメチルフェノール38.05gを10分割して1時間かけて投入し、その後さらに2時間反応させた。反応終了後、トルエン200gおよび酢酸エチル200gを仕込み、さらにイオン交換水200gを仕込んで攪拌したあと分液した。その後、1%シュウ酸水溶液200gを仕込んで攪拌し、分液することにより脱金属を行った。次にイオン交換水200gでの洗浄を4回行ったあと、オイル層を濃縮した。濃縮マスにトルエン200gを仕込んで20℃まで冷却し、濾過したあと、トルエン200gでリンスした。この濾過物を酢酸エチル200gに溶解し、さらにトルエン200gを仕込んで濃縮した。濃縮マスにトルエン200gを仕込んで20℃まで冷却し、濾過したあと、トルエン200gでリンスした。
【0056】
得られた濾過物を45℃で一昼夜減圧乾燥して、4−(4−ヒドロキシ−3−メチルベンジル)−2,5−ジメチルフェノール20.12g(定量純度90.05%)を得た。4−ヒドロキシメチル−2,5−ジメチルフェノール基準の収率は29.9%であった。
【0057】
質量分析: MS 242
1H−NMR(ジメチルスルホキシド) δ(ppm) :
2.03 (s, 9H); 3.63 (s, 2H); 6.53 (s, 1H);
6.64 (d, J = 7.9 Hz, 1H);
6.67 (d, J = 7.9 Hz, 1H); 6.78 (s, 1H);
6.78 (s, 1H); 8.90 (s, 1H); 9.00 (s, 1H).
【0058】
実施例2: ジメチロール(IV)の製造
【0059】
100mlの四つ口フラスコに、実施例1で得られた純度90.05%の4−(4−ヒドロキシ−3−メチルベンジル)−2,5−ジメチルフェノール12.12g、水酸化ナトリウム4.8gおよび水48.0gを仕込んで40℃に調温した。そこへ37%ホルマリン24.35gを1時間かけて滴下し、その後さらに2時間攪拌した。反応終了後90%酢酸水溶液10gで中和し、25℃に冷却した。次に濾過し、イオン交換水100gでリンスした。この濾過物を酢酸エチル200gに溶解し、さらにトルエン50gを加えて濃縮した。濃縮マスにトルエン200gを仕込んで20℃まで冷却し、濾過したあと、トルエン200gでリンスした。
【0060】
得られた濾過物を45℃で一昼夜減圧乾燥して、2−ヒドロキシメチル−4−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−5−メチルベンジル)−3,6−ジメチルフェノール9.20g(純度86%)を得た。 4−(4−ヒドロキシ−3−メチルベンジル)−2,5−ジメチルフェノール基準の収率は58.1%であった。
【0061】
質量分析: MS 302
1H−NMR(ジメチルスルホキシド) δ(ppm) :
2.05 (s, 3H); 2.07 (s, 3H); 2.08 (s, 3H);
3.70 (s, 2H); 4.47 (s, 2H); 4.62 (s, 2H);
5.70 (brs, 2H); 6.70 (s, 1H); 6.80 (s, 2H);
8.30 (brs, 2H).
【0062】
実施例3: 2−(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−〔4−ヒドロキシ−3−(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−5−メチルベンジル〕−3,6−ジメチルフェノールの製造
【0063】
100mlの四つ口フラスコに、パラトルエンスルホン酸0.76g、パラクレゾール17.3gおよびトルエン17.3gを仕込んで30℃に調温し、そこへ実施例2で得られた純度86%の2−ヒドロキシメチル−4−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−5−メチルベンジル)−3,6−ジメチルフェノール6.05gを10分割して1時間かけて投入し、さらに2時間反応させた。反応終了後、濾過し、トルエン200gでリンスした。この濾過物をトルエン200gおよび酢酸エチル200gに仕込み、さらにイオン交換水200gを仕込んで攪拌したあと、分液した。その後、1%シュウ酸水溶液200gを仕込んで攪拌し、分液することにより脱金属を行った。次にイオン交換水200gでの洗浄を4回行ったあと、オイル層を濃縮した。濃縮マスにトルエン200gを仕込んで20℃まで冷却し、濾過したあとトルエン200gでリンスした。
【0064】
得られた濾過物を45℃で一昼夜減圧乾燥して、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−〔4−ヒドロキシ−3−(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−5−メチルベンジル〕−3,6−ジメチルフェノール3.52g(定量純度95.8%)を得た。2−ヒドロキシメチル−4−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−5−メチルベンジル)−3,6−ジメチルフェノール基準の収率は40.6%であった。
【0065】
質量分析: MS 482
1H−NMR(ジメチルスルホキシド) δ(ppm) :
1.88 (s, 3H); 1.98 (s, 3H); 2.07 (s, 6H);
2.12 (s, 3H); 3.62 (s, 2H); 3.70 (s, 2H);
3.84 (s, 2H); 6.30 (s, 1H); 6.57 (s, 1H);
6.65 (d, J = 7.9 Hz, 1H); 6.66 (s, 1H);
6.67 (s, 1H); 6.68 (s, 1H);
6.70 (d, J = 7.9 Hz, 1H);
6.75 (d, J = 7.9 Hz, 1H);
6.80 (d, J = 7.9 Hz, 1H); 8.00 (brs, 2H);
9.31 (brs, 2H).
【0066】
実施例4: 2−(4−ヒドロキシベンジル)−4−〔4−ヒドロキシ−3−(4−ヒドロキシベンジル)−5−メチルベンジル〕−3,6−ジメチルフェノールの製造
【0067】
実施例3におけるパラクレゾールに代えてフェノール15.1gを用い、同時に仕込むトルエンの量を15.1gとした以外は、実施例3と同様の操作を行って、2−(4−ヒドロキシベンジル)−4−〔4−ヒドロキシ−3−(4−ヒドロキシベンジル)−5−メチルベンジル〕−3,6−ジメチルフェノール3.21g(定量純度95.2%)を得た。2−ヒドロキシメチル−4−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−5−メチルベンジル)−3,6−ジメチルフェノール基準の収率は39.1%であった。
【0068】
質量分析: MS 454
【0069】
実施例5: 2−(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−〔4−ヒドロキシ−3−(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−5−メチルベンジル〕−3,6−ジメチルフェノールのキノンジアジドスルホン酸エステル化
【0070】
100mlの四つ口フラスコに実施例3で得られた化合物を0.96g、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロライドを1.07g、および1,4−ジオキサンを10.2g仕込んで25℃に調温し、そこへトリエチルアミン0.49gを1時間かけて滴下し、その後さらに3時間反応させた。 反応終了後、酢酸0.13gで中和し、濾過した。その濾液を酢酸0.5gおよびイオン交換水50gの混合液中に投入し、1時間攪拌したあと濾過し、洗浄した。得られた濾過物を45℃で一昼夜減圧乾燥して、1.88gの感光剤Aを得た。
【0071】
メイン成分の分析値
質量分析: MS 946
1H−NMR(ジメチルスルホキシド) δ(ppm) :
1.68 (s, 3H); 1.97 (s, 3H); 2.03 (s, 6H);
2.08 (s, 3H); 3.72 (s, 2H); 3.82 (s, 2H);
3.83 (s, 2H); 6.27 (s, 1H); 6.35 (s, 1H);
6.58 (s, 1H); 6.61 (d, J = 7.9 Hz, 1H);
6.66 (d, J = 7.9 Hz, 1H); 6.71 (s, 1H);
6.75 (s, 1H); 6.85 (d, J = 7.9 Hz, 1H);
6.91 (d, J = 7.9 Hz, 1H);
7.31 (d, J = 8.3 Hz, 1H);
7.41 (d, J = 8.3 Hz, 1H);
7.61 (dd, J = 8.2, 8.3 Hz, 1H);
7.62 (dd, J = 8.2, 8.3 Hz, 1H);
7.73 (d, J = 8.3 Hz, 1H);
7.74 (d, J = 8.3 Hz, 1H);
8.05 (s, 1H); 8.08 (s, 1H);
8.16 (d, J = 8.2 Hz, 1H);
8.24 (d, J = 8.2 Hz, 1H);
8.54 (d, J = 8.3 Hz, 1H);
8.62 (d, J = 8.3 Hz, 1H).
【0072】
実施例6: 2−(4−ヒドロキシベンジル)−4−〔4−ヒドロキシ−3−(4−ヒドロキシベンジル)−5−メチルベンジル〕−3,6−ジメチルフェノールのキノンジアジドスルホン酸エステル化
【0073】
実施例5における実施例3で得られた化合物に代えて、実施例4で得られた化合物0.91gを用い、同時に仕込む1,4−ジオキサンの量を9.9gとした以外は、実施例5と同様の操作を行って、1.83gの感光剤Bを得た。
【0074】
メイン成分の質量分析値: MS 918
【0075】
参考例2: ノボラック樹脂の製造
四つ口フラスコに、メタクレゾール148.5部、パラクレゾール121.5部、メチルイソブチルケトン252部、10%シュウ酸水溶液37.0部および90%酢酸水溶液84.8部を仕込み、100℃の油浴で加熱攪拌しながら、37%ホルマリン129.5部を40分かけて滴下し、その後さらに15時間反応させた。次に水洗、脱水して、ノボラック樹脂を42.3%含有するメチルイソブチルケトン溶液466部を得た。ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量は4300であった。この溶液450部を底抜きセパラブルフラスコに仕込み、さらにメチルイソブチルケトン909.6部およびn−ヘプタン996.1部を加えて、60℃で30分間攪拌したあと、静置し、分液した。分液で得られた下層のマスに、2−ヘプタノンを380部加え、メチルイソブチルケトンおよびn−ヘプタンをエバポレーターにより除去して、ノボラック樹脂の2−ヘプタノン溶液を得た。GPCによるポリスチレン換算重量平均分子量は9000であり、ポリスチレン換算分子量で900以下の範囲の面積比は、全パターン面積に対して14%であった。
【0076】
適用例1および2
参考例2で得たノボラック樹脂の2−ヘプタノン溶液を固形分換算で15部、添加剤として1,3−ビス〔1−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル〕ベンゼンを3.9部、表1に示した1,2−ナフトキノンジアジド系感光剤および2−ヘプタノンを、2−ヘプタノンが合計で50部になるように混合し、溶解した。この液を孔径0.2μm のフッ素樹脂製フィルターで濾過して、レジスト液を調製した。
【0077】
常法により洗浄したシリコンウェハーに、回転塗布器を用いて上記レジスト液を、乾燥後の膜厚が1.1μm となるように塗布し、ホットプレートにて90℃で1分間ベークした。次いで、365nm(i線)の露光波長を有する縮小投影露光器〔(株)ニコン製品、NSR 1755i 7A、NA=0.5)を用いて、露光量を段階的に変化させて露光した。次にこのウェハーを、ホットプレートにて110℃で1分間ベークした。 これを現像液“SOPD"〔住友化学工業(株)製品〕で1分間現像して、ポジ型パターンを得た。それぞれのポジ型パターンについて、以下のようにして評価し、結果を表1に示した。
【0078】
実効感度: 0.50μm のラインアンドスペースパターンが1:1になる露光量で表示した。
【0079】
解像度: ラインアンドスペースパターンが1:1になる露光量(実効感度)で、膜減りなく分離するラインアンドスペースパターンの寸法を、走査型電子顕微鏡で測定した。
【0080】
プロファイル: 実効感度における0.45μm ラインアンドスペースパターンの断面形状を走査型電子顕微鏡で観察した。
【0081】
フォーカス(焦点深度): 実効感度において0.40μm ラインアンドスペースパターンが膜減りなく分離する焦点の幅を、走査型電子顕微鏡で測定した。
【0082】
スカム: 走査型電子顕微鏡でスカム(現像残渣)の有無を観察した。
【0083】
γ値: 露光量の対数に対する規格化膜厚(=残膜厚/初期膜厚)をプロットし、その傾きθを求め、tan θをγ値とした。
【0084】
【表1】
Figure 0003735905
【0085】
(表1の脚注)
感光剤A: 実施例5で得られたエステル
感光剤B: 実施例6で得られたエステル
感光剤Z: 1,2,3−トリヒドロキシ−4−(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルベンジル)ベンゼンと1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロライドとのモル比1:4の縮合物
【0086】
【発明の効果】
本発明による式(I)で示されるテトラフェノール系化合物のなかで、R1 、R2 、R3 およびR4 のうちの少なくとも一つが1,2−ナフトキノンジアジドスルホニルであるものは、感光性樹脂組成物用の感光剤として有用であり、またR1 、R2 、R3 およびR4 がすべて水素であるものは、その感光剤の前駆体として有用である。そして、1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル化された上記感光剤を含む感光性樹脂組成物は、半導体微細加工用として、高い感度、高い解像力(γ値)、良好なプロファイル、良好なフォーカス許容性、少ない現像残渣など、レジスト諸性能のバランスがとれたものとなる。

Claims (11)

  1. 式(I)
    Figure 0003735905
    (式中、Xは水素またはメチルを表し、R1 、R2 、R3 およびR4 は互いに独立に、水素または1,2−ナフトキノンジアジド−4−もしくは−5−スルホニルを表す)
    で示されるテトラフェノール系化合物。
  2. 式(II)または(III)
    Figure 0003735905
    (式中、R1 、R2 、R3 およびR4 は請求項1記載の意味を表す)
    で示される請求項1記載の化合物。
  3. 1 、R2 、R3 およびR4 がすべて水素である請求項1または2記載の化合物。
  4. 1 、R2 、R3 およびR4 の少なくとも一つが1,2−ナフトキノンジアジド−4−または−5−スルホニルである請求項1または2記載の化合物。
  5. 2−ヒドロキシメチル−4−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−5−メチルベンジル)−3,6−ジメチルフェノール。
  6. 4−(4−ヒドロキシ−3−メチルベンジル)−2,5−ジメチルフェノール。
  7. 2−ヒドロキシメチル−4−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−5−メチルベンジル)−3,6−ジメチルフェノールを、フェノールまたはクレゾールと反応させることを特徴とする、請求項3記載の化合物の製造方法。
  8. 請求項3記載の化合物を、1,2−ナフトキノンジアジド−4−または−5−スルホニルハライドと反応させることを特徴とする、請求項4記載の化合物の製造方法。
  9. 4−(4−ヒドロキシ−3−メチルベンジル)−2,5−ジメチルフェノールを、ホルムアルデヒドと反応させることを特徴とする、2−ヒドロキシメチル−4−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−5−メチルベンジル)−3,6−ジメチルフェノールの製造方法。
  10. 4−ヒドロキシメチル−2,5−ジメチルフェノールを、オルソクレゾールと反応させることを特徴とする、4−(4−ヒドロキシ−3−メチルベンジル)−2,5−ジメチルフェノールの製造方法。
  11. 式(I)
    Figure 0003735905
    (式中、Xは水素またはメチルを表し、R1 、R2 、R3 およびR4 の一つは1,2−ナフトキノンジアジド−4−または−5−スルホニルを表し、残りは互いに独立に、水素または1,2−ナフトキノンジアジド−4−もしくは−5−スルホニルを表す)
    で示されるテトラフェノール系化合物を有効成分とする感光剤。
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