JPH09110760A - テトラフェノール系化合物、その中間体および製法 - Google Patents

テトラフェノール系化合物、その中間体および製法

Info

Publication number
JPH09110760A
JPH09110760A JP27029895A JP27029895A JPH09110760A JP H09110760 A JPH09110760 A JP H09110760A JP 27029895 A JP27029895 A JP 27029895A JP 27029895 A JP27029895 A JP 27029895A JP H09110760 A JPH09110760 A JP H09110760A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reaction
hydroxymethyl
dimethylphenol
hydroxy
methylbenzyl
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP27029895A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3735905B2 (ja
Inventor
Koji Ichikawa
幸司 市川
Haruki Ozaki
晴喜 尾崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Chemical Co Ltd filed Critical Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority to JP27029895A priority Critical patent/JP3735905B2/ja
Publication of JPH09110760A publication Critical patent/JPH09110760A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3735905B2 publication Critical patent/JP3735905B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Phenolic Resins Or Amino Resins (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 レジストなどの感光剤またはその前駆体とし
て有用なフェノール系化合物を提供する。 【構成】 式(I)の化合物。 Xは水素またはメチルを表し、R1 〜R4 は水素または
1,2−ナフトキノンジアジド−4−もしくは−5−ス
ルホニルを表す。 4−(4−ヒドロキシ−3−メチル
ベンジル)−2,5−ジメチルフェノールとホルムアル
デヒドの反応により、2−ヒドロキシメチル−4−(4
−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−5−メチルベン
ジル)−3,6−ジメチルフェノールとし、これとフェ
ノールまたはクレゾールの反応により、式(I)のR1
〜R4 が水素の化合物とし、これと1,2−ナフトキノ
ンジアジド−4−または−5−スルホニルハライドの反
応により、式(I)のR1 〜R4 の一つ以上が1,2−
ナフトキノンジアジドスルホニルの化合物とすることが
できる。これらの中間体も提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感光剤またはその
前駆体として有用な、新規なテトラフェノール系化合
物、その中間体およびそれらの製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】一般に、フェノール性水酸基を有する化
合物をキノンジアジドスルホン酸エステル化して、半導
体微細加工用の感光性樹脂組成物における感光剤として
用いることは公知である。すなわち、キノンジアジド基
を有する化合物とノボラック樹脂を含む組成物を金属基
板上に塗布し、これに300〜500nmの光を照射する
と、キノンジアジド基が分解してカルボキシル基を生
じ、アルカリ不溶の状態からアルカリ可溶の状態になる
ことを利用して、かかる組成物はポジ型レジストとして
用いられる。こうしたポジ型レジストは、ネガ型レジス
トに比べて解像力に優れるという特徴を有することか
ら、半導体用の各種集積回路の製作に利用されている。
【0003】そして、半導体産業における集積回路は近
年、高集積化に伴い、微細化の一途をたどっており、今
やサブミクロンのパターン形成が要求されるに至ってい
る。そのなかでも、リソグラフィープロセスは、集積回
路製造時の重要な地位を占めており、ポジ型レジストに
ついても、一層優れた解像度(高いγ値)が求められる
ようになっている。
【0004】キノンジアジド化合物およびノボラック樹
脂を含有するレジスト材料については、各成分の組合せ
について従来から数多くの提案がなされてきている。例
えば特開平 1-189644 号公報(=USP 5,153,096)には、フ
ェノール性水酸基を少なくとも2個有するトリフェニル
メタン系の化合物をキノンジアジドスルホン酸エステル
化したものを、感光剤として用いることが記載されてい
る。しかしながらこうした公知の感光剤を用いても、現
在の超高集積回路作製のための超微細加工用、いわゆる
サブミクロンリソグラフィー用のレジストとしては限界
があった。そこで、感度、解像度、耐熱性等のレジスト
性能を向上させるための種々の研究が行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、感光
性樹脂組成物の感光剤成分となりうる、あるいはその前
駆体となりうる新規なフェノール系化合物を製造し、提
供することにある。
【0006】本発明の別の目的は、かかる化合物を用い
て、高い感度、高い解像力、高い耐熱性、良好なプロフ
ァイル、良好なフォーカス許容性、少ない現像残渣な
ど、レジスト諸性能のバランスがとれた感光性樹脂組成
物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】研究の結果、フェノール
性水酸基を4個有する特定構造のフェノール系化合物を
見いだし、そしてこの化合物をキノンジアジドスルホン
酸エステル化したものを感光剤として用いることによ
り、上記の目的が達成されることを見いだし、本発明を
完成した。
【0008】したがって本発明は、次式(I)で示され
るテトラフェノール系化合物を提供するものである。
【0009】
【0010】式中、Xは水素またはメチルを表し、
1 、R2 、R3 およびR4 は互いに独立に、水素また
は1,2−ナフトキノンジアジド−4−もしくは−5−
スルホニルを表す。
【0011】式(I)中の−OR1 および−OR4 は通
常、隣のベンゼン環と結合するメチレンの位置に対して
2−位または4−位に位置するのが一般的である。式
(I)のなかでも、次式(II)または(III) で示される
化合物は重要である。
【0012】
【0013】式中、R1 、R2 、R3 およびR4 は前記
の意味を表す。
【0014】また本発明は、式(I)においてR1 、R
2 、R3 およびR4 がすべて水素である化合物(以下、
「テトラフェノール(I)」と呼ぶことがある)の前駆
体となりうる2−ヒドロキシメチル−4−(4−ヒドロ
キシ−3−ヒドロキシメチル−5−メチルベンジル)−
3,6−ジメチルフェノールを提供し、さらにはその前
駆体となりうる4−(4−ヒドロキシ−3−メチルベン
ジル)−2,5−ジメチルフェノールをも提供する。こ
れらはそれぞれ、次式(IV)および(V)の構造を有
し、以下、簡単のためそれぞれ、「ジメチロール(I
V)」および「ビスフェノール(V)」と呼ぶことがあ
る。
【0015】
【0016】本発明はまた、4−ヒドロキシメチル−
2,5−ジメチルフェノールを、オルソクレゾールと反
応させることにより、ビスフェノール(V)を製造する
方法を提供し、ビスフェノール(V)をホルムアルデヒ
ドと反応させることにより、ジメチロール(IV)を製造
する方法を提供し、ジメチロール(IV)をフェノールま
たはクレゾールと反応させることにより、テトラフェノ
ール(I)を製造する方法を提供する。 さらには、こ
のテトラフェノール(I)を1,2−ナフトキノンジア
ジド−4−または−5−スルホニルハライドと反応させ
ることにより、式(I)で示され、R1 、R2 、R3
よびR4 のうちの少なくとも一つが1,2−ナフトキノ
ンジアジド−4−または−5−スルホニルとなった化合
物(以下、「エステル(I)」と呼ぶことがある)を製
造する方法も提供される。
【0017】さらに本発明は、式(I)において、
1 、R2 、R3 およびR4 の一つが、1,2−ナフト
キノンジアジド−4−または−5−スルホニルであり、
残りが互いに独立に、水素または1,2−ナフトキノン
ジアジド−4−もしくは−5−スルホニルである化合
物、すなわちエステル(I)を有効成分とする感光剤を
も提供する。
【0018】
【発明の実施の形態】式(I)において、R1 、R2
3 およびR4 のうち少なくとも一つが1,2−ナフト
キノンジアジド−4−または−5−スルホニルである化
合物、すなわちエステル(I)は、近ないし中程度の紫
外線や遠紫外線(エキシマーレーザーなどを含む)のよ
うな放射線に感応する感光剤として有用であり、アルカ
リ可溶性ノボラック樹脂とともに、かかる感光剤を含有
する感光性樹脂組成物とすることができる。また、
1 、R2 、R3 およびR4 がすべて水素である化合
物、すなわちテトラフェノール(I)は、かかる感光剤
の前駆体として有用である。
【0019】テトラフェノール(I)は、例えば、ジメ
チロール(IV)をフェノールまたはクレゾールと反応さ
せることにより、製造することができ、ジメチロール
(IV)は、ビスフェノール(V)をホルムアルデヒドと
反応させることにより、製造することができ、そしてビ
スフェノール(V)は、4−ヒドロキシメチル−2,5
−ジメチルフェノールをオルソクレゾールと反応させる
ことにより、製造することができる。 また、4−ヒド
ロキシメチル−2,5−ジメチルフェノールは、例え
ば、2,5−キシレノールをホルムアルデヒドでメチロ
ール化することにより、製造できる。以下、2,5−キ
シレノールから出発して、テトラフェノール(I)、さ
らにはエステル(I)へと導く反応を、順次説明してい
く。
【0020】2,5−キシレノールとホルムアルデヒド
との反応により、4−ヒドロキシメチル−2,5−ジメ
チルフェノールが得られる。この反応は、2,5−キシ
レノールとホルムアルデヒドとのモル比1:0.9〜1.8
の範囲で、2,5−キシレノールに対して0.8〜1.2モ
ル倍のアルカリ触媒の存在下に、5〜15℃の温度で行
うのが好ましい。アルカリ触媒としては、アルカリ金属
水酸化物が好ましく、例えば水酸化ナトリウムや水酸化
カリウムなどが挙げられる。この反応は水を溶媒として
行うのが好ましく、水は、アルカリ触媒に対して9〜2
0重量倍の範囲で使用される。この反応は、2,5−キ
シレノール、アルカリ触媒および水の存在する系に、ホ
ルムアルデヒドを添加しながら進行させるのが好まし
く、この際ホルムアルデヒドは、通常水溶液の形で用い
られる。そこで上記水の量は、少なくとも反応の初期に
達成されているのが好ましい。
【0021】4−ヒドロキシメチル−2,5−ジメチル
フェノールとオルソクレゾールの反応により、ビスフェ
ノール(V)が得られる。この反応において、オルソク
レゾールは、4−ヒドロキシメチル−2,5−ジメチル
フェノールに対し、一般的には1〜10のモル比、好ま
しくは1.5〜6、さらに好ましくは2〜4のモル比で用
いられる。この際、酸触媒を存在させるのが好ましい。
酸触媒は、塩酸や硫酸のような無機酸およびパラトルエ
ンスルホン酸のような有機酸のいずれでもよいが、なか
でも、硫酸またはパラトルエンスルホン酸、とりわけパ
ラトルエンスルホン酸が好ましく用いられる。酸触媒
は、4−ヒドロキシメチル−2,5−ジメチルフェノー
ルに対し、通常1当量以下、好ましくは0.01〜0.5当
量の範囲で用いられる。
【0022】この反応は溶媒中で行うのが好ましく、こ
の場合の反応溶媒は、芳香族溶媒、それも芳香族炭化水
素溶媒、あるいはアルコール類であるのが好ましい。芳
香族炭化水素溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシ
レンなどが挙げられ、なかでもトルエンが好ましく、ま
たアルコール類としては、低級アルコール、例えばメタ
ノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノールな
どが挙げられ、なかでもメタノールが好ましく用いられ
る。反応溶媒は、オルソクレゾールの量を基準に、一般
的には0.5〜5重量倍の範囲で、好ましくは1〜3重量
倍、さらに好ましくは1〜2重量倍の範囲で使用され
る。反応は、通常10℃から沸点までの範囲、好ましく
は15〜60℃の範囲の温度で行われる。この反応は、
通常大気圧下で進行し、2〜5時間程度行われる。
【0023】反応終了後は、反応マスに水への溶解度が
9g/100g以下である溶媒を加えたあと、水洗分液
することにより、金属分を低減させておくのが好まし
い。ここで、水への溶解度が9g/100g以下とは、
20℃の水100gに溶ける最大量が9g以下であるこ
とを意味する。またここで用いる溶媒は、20℃におい
て、ビスフェノール(V)の溶解度が1g/100g以
上であるのが好ましい。かかる溶媒としては、酢酸エチ
ルや酢酸n−ブチル、酢酸イソアミルのような酢酸エス
テル類、メチルイソブチルケトンや2−ヘプタノンのよ
うなケトン類などが挙げられ、なかでも酢酸エチルが好
ましく用いられる。
【0024】このようにして金属の低減化を図ったビス
フェノール(V)を含む溶液は、さらに芳香族溶媒を加
えて、目的物を晶析させることができる。ここで用いる
芳香族溶媒は、反応に用いたものと同じであっても異な
っていてもよいが、好ましくはトルエンが用いられる。
【0025】こうして得られるビスフェノール(V)を
ホルムアルデヒドと反応させることにより、ジメチロー
ル(IV)が得られる。この反応においては、ビスフェノ
ール(V)に対し、ホルムアルデヒドを2〜10のモル
比で用いるのが好ましく、さらには4〜8の範囲のモル
比で用いるのが一層好ましい。このモル比が高すぎても
低すぎても、反応の選択性が低下する傾向にある。この
反応は、アルカリ触媒の存在下で行われる。アルカリ触
媒は、無機塩基および有機塩基のいずれでもよいが、特
に水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウムなどの無機塩基、なかでも水酸化ナト
リウムが好ましく用いられる。アルカリ触媒は、ビスフ
ェノール(V)に対して、一般的には0.5〜5モル倍、
好ましくは1〜4モル倍、さらに好ましくは2〜3モル
倍の範囲で使用される。触媒量が少なすぎると、反応時
間が長くなり、またそれが多すぎると、反応の選択性が
悪くなる傾向にある。
【0026】この反応は一般に溶媒中で行われ、反応溶
媒としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、水、メ
タノールなどの極性溶媒が好ましく、なかでも水が好ま
しく使用される。溶媒の量は、ビスフェノール(V)に
対し、一般的には1〜10重量倍、好ましくは3〜6重
量倍、さらに好ましくは3〜5重量倍の範囲である。反
応温度は一般的には10〜60℃、好ましくは30〜5
0℃、さらに好ましくは35〜45℃の範囲である。反
応温度が高すぎると反応の選択性が低下する傾向にあ
り、また温度が低すぎると反応が遅くなる。反応の仕込
みは、ビスフェノール(V)、アルカリ触媒および反応
溶媒の混合物中に、ホルムアルデヒドを添加していく方
法が好ましい。この際ホルムアルデヒドは、0.1〜4時
間かけて添加するのが好ましく、さらには0.5〜2時
間、とりわけ0.5〜1時間で、ホルムアルデヒドの添加
を終了するのが好ましい。ホルムアルデヒドを急激に添
加すると、発熱が激しく、また反応の選択性が低下する
傾向にあり、一方ホルムアルデヒドの添加時間が長すぎ
ると、副生成物が多くなる傾向にある。ホルムアルデヒ
ドの添加は、好ましくはその水溶液を滴下していく方法
により行われる。
【0027】こうして得られるジメチロール(IV)をフ
ェノールまたはクレゾールと反応させることにより、テ
トラフェノール(I)が得られる。この際、パラクレゾ
ールを用いれば、前記式(II)で示され、R1 、R2
3 およびR4 がすべて水素である化合物が得られ、
またフェノールを用いれば、前記式(III) で示され、R
1 、R2 、R3 およびR4 がすべて水素である化合物が
得られる。この反応において、フェノールまたはクレゾ
ールは、ジメチロール(IV)に対し、一般的には2〜5
0のモル比、好ましくは3〜20、さらに好ましくは4
〜12のモル比で用いられる。この反応は一般に酸触媒
の存在下で行われ、酸触媒は、塩酸や硫酸のような無機
酸およびパラトルエンスルホン酸のような有機酸のいず
れでもよいが、なかでも、硫酸またはパラトルエンスル
ホン酸、とりわけパラトルエンスルホン酸が好ましく用
いられる。酸触媒は、ジメチロール(IV)に対し、通常
1当量以下、好ましくは0.01〜0.5当量の範囲で用い
られる。
【0028】この反応は溶媒中で行うのが好ましく、こ
の場合の反応溶媒は、芳香族溶媒、それも芳香族炭化水
素溶媒、あるいはアルコール類であるのが好ましい。ア
ルコール類としては、低級アルコール、それもメタノー
ルが挙げられ、また芳香族炭化水素溶媒としては、ベン
ゼン、トルエン、キシレンなどが挙げられ、なかでもト
ルエンが好ましく用いられる。反応溶媒、例えば芳香族
溶媒は、フェノールまたはクレゾールの量を基準に、一
般的には0.5〜5重量倍の範囲で、好ましくは1〜3重
量倍、さらに好ましくは1〜2重量倍の範囲で使用され
る。 反応は、通常10℃から沸点までの範囲、好まし
くは15〜60℃の範囲の温度で行われる。この反応
は、通常大気圧下で進行し、2〜5時間程度行われる。
【0029】芳香族溶媒中、室温付近で反応を行った場
合は、反応の進行とともに、またそれより高い温度で反
応を行った場合は、反応終了後室温付近まで冷却するこ
とにより、目的物であるテトラフェノール(I)の結晶
が析出してくる。この結晶を取り出すことにより、粗生
成物が得られ、その後任意の精製手段を施すことができ
る。例えば、この化合物は常温で芳香族溶媒への溶解度
が小さいので、芳香族溶媒からの晶析を行うことによ
り、あるいは必要によりそれを繰り返すことにより、精
製することができる。この際に用いる晶析溶媒は、反応
に用いたものと同じであっても異なっていてもよい。
【0030】また、この化合物を、後述するようにキノ
ンジアジドスルホン酸エステル化して、半導体製造用の
感光性樹脂組成物における感光剤とする場合は、水への
溶解度が9g/100g以下である溶媒に上記粗生成物
を溶解したあと、水洗分液することにより、金属分を低
減させておくのが好ましい。ここで、水への溶解度が9
g/100g以下とは、20℃の水100gに溶ける最
大量が9g以下であることを意味する。またここで用い
る溶媒は、20℃において、テトラフェノール(I)の
溶解度が1g/100g以上であるのが好ましい。 か
かる溶媒としては、酢酸エチルや酢酸n−ブチル、酢酸
イソアミルのような酢酸エステル類、メチルイソブチル
ケトンや2−ヘプタノンのようなケトン類などが挙げら
れ、なかでも酢酸エチルが好ましく用いられる。
【0031】こうして金属の低減化を図ったテトラフェ
ノール(I)を含む溶液は、さらに芳香族溶媒を加え
て、目的物を晶析させることができる。ここで用いる芳
香族溶媒は、反応に用いたものと同じであっても異なっ
ていてもよいが、好ましくはトルエンが用いられる。
【0032】かくして得られるテトラフェノール(I)
は、例えばキノンジアジドスルホン酸エステル化して、
感光剤とすることができる。エステル化にあたっては、
1,2−キノンジアジド骨格を有する各種のスルホン酸
誘導体を用いることができるが、好ましくは1,2−ナ
フトキノンジアジド−4−または−5−スルホニルハラ
イドが用いられる。スルホニルハライドを構成するハロ
ゲンは、例えば塩素や臭素などであることができるが、
通常は塩素であるのが好ましく、したがって、1,2−
ナフトキノンジアジド−4−または−5−スルホニルク
ロライドが、エステル化剤として好ましく用いられる。
また、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホニル
ハライドと1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホ
ニルハライドの混合物を用いることもできる。エステル
化反応において、1,2−ナフトキノンジアジド−4−
および/または−5−スルホニルハライドは、テトラフ
ェノール(I)に対し、通常1.2〜4のモル比、好まし
くは1.4〜2.5のモル比で用いられる。
【0033】この反応は、通常、脱ハロゲン化水素剤の
存在下で行われる。脱ハロゲン化水素剤としては、一般
的に塩基性の化合物、例えば炭酸ナトリウム、炭酸水素
ナトリウムのような無機塩基、エチルアミン、エタノー
ルアミン、ジエチルアミン、ジエタノールアミン、トリ
エチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジ
エチルアニリンのようなアミン類が挙げられる。脱ハロ
ゲン化水素剤は、1,2−ナフトキノンジアジド−4−
または−5−スルホニルハライドに対し、通常1.05〜
1.5のモル比、好ましくは1.05〜1.2、さらに好まし
くは1.1〜1.2のモル比で用いられる。
【0034】エステル化反応は通常、溶媒中で行われ
る。反応溶媒としては、エーテル類、ラクトン類、脂肪
族ケトン類などが挙げられ、なかでも、ジオキソラン、
1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、γ−ブチロ
ラクトン、アセトンおよび2−ヘプタノンから選ぶのが
好ましい。これらをそれぞれ単独で、または2種以上組
み合わせて用いることができるが、とりわけ1,4−ジ
オキサンが好ましい。反応溶媒は、テトラフェノール
(I)とキノンジアジドスルホニルハライドの合計量を
基準に、通常は2〜6重量倍の範囲で、好ましくは3〜
5重量倍、さらに好ましくは4〜5重量倍の範囲で使用
される。
【0035】このエステル化反応は、常圧下、常温付近
でも十分進行し、一般的には20〜30℃の範囲の温度
が採用され、2〜10時間程度行われる。
【0036】反応終了後は、酢酸のような酸で中和し、
固形物を濾過したあと、濾液を薄い酸水溶液、例えば
0.1〜2重量%程度の濃度の酢酸水溶液と混合すれば、
目的物であるエステルが析出してくる。これを濾過、洗
浄および乾燥することにより、エステルを取り出すこと
ができる。
【0037】このエステル化反応においては、用いる
1,2−ナフトキノンジアジドスルホニルハライドのモ
ル比にもよるが、通常は、式(I)におけるR1
2 、R3およびR4 のいずれか一つがキノンジアジド
スルホニルとなったもの(モノエステル)、それらのい
ずれか二つがキノンジアジドスルホニルとなったもの
(ジエステル)、それらのいずれか三つがキノンジアジ
ドスルホニルとなったもの(トリエステル)、およびそ
れら四つのすべてがキノンジアジドスルホニルとなった
もの(テトラエステル)のうち、2種以上の混合物とし
て得られる。この混合物は、通常そのまま感光剤として
用いることができる。
【0038】こうしてエステル化された化合物は、近紫
外線ないし遠紫外線(エキシマーレーザー等を含む)な
どの放射線に感応する感光剤として有利に使用すること
ができる。この感光剤は、アルカリ可溶性ノボラック樹
脂と組み合わせてポジ型レジスト用の感光性樹脂組成物
とした場合に、特に高い効果を発揮する。
【0039】また、必要に応じて、他のフェノール系化
合物の1,2−キノンジアジドスルホン酸エステルを併
用することもできる。併用されるキノンジアジドスルホ
ン酸エステルの具体例としては、特開平 5-204148 号公
報に記載の化合物、特開平 5-323597 号公報(=EP-A-57
0,884) に記載の化合物、特開平 6-167805 号公報(=EP-
A-573,056) に記載の化合物、次式(VI)
【0040】
【0041】(式中、R11およびR12の一方は−OQ4
を表し;R11およびR12の他方、R13、R14ならびにR
15は互いに独立に、水素、炭素数6以下のアルキル、炭
素数6以下のシクロアルキル、炭素数6以下のアルケニ
ル、炭素数6以下のアルコキシまたはハロゲンを表し;
16およびR17は互いに独立に、水素、炭素数6以下の
アルキル若しくは炭素数6以下のアルケニルを表すか、
または両者が末端で一緒になって、両者が結合する炭素
原子とともに炭素数6以下のシクロアルカン環を形成
し;Q1 、Q2 、Q3 およびQ4 の一つはo−キノンジ
アジドスルホニルを表し、残りは互いに独立に、水素ま
たはo−キノンジアジドスルホニルを表す)
【0042】で示される化合物(本出願人が先に出願し
た特願平 7-58826号に記載のもの)などが挙げられる。
【0043】本発明においては、こうした他のキノンジ
アジドスルホン酸エステルを用いる場合はそれも含め
て、感光剤は、感光性樹脂組成物中の全固形分の量を基
準に、10〜50重量%の範囲で含有するのが好まし
い。
【0044】感光性樹脂組成物を構成するアルカリ可溶
性ノボラック樹脂は、フェノール性水酸基を少なくとも
1個有する化合物とアルデヒドとを、酸触媒の存在下に
縮合させて得られるものであって、その種類は特に限定
されるものでなく、レジスト分野で用いられる各種のも
のであることができる。ノボラック樹脂の原料となるフ
ェノール系化合物としては、例えば、メタクレゾール、
パラクレゾール、オルトクレゾール、2,5−キシレノ
ール、3,5−キシレノール、3,4−キシレノール、
2,3,5−トリメチルフェノール、3−メチル−6−
t−ブチルフェノール、t−ブチルハイドロキノンなど
が挙げられる。 また、ノボラック樹脂のもう一方の原
料であるアルデヒドとしては、ホルムアルデヒド、アセ
トアルデヒド、ベンズアルデヒド、グリオキサール、サ
リチルアルデヒドなどが挙げられる。特にホルムアルデ
ヒドは、約37重量%の水溶液として工業的に量産され
ており、好適に用いられる。
【0045】こうしたフェノール系化合物の1種または
2種以上と、アルデヒドの1種または2種以上とを、酸
触媒の存在下に縮合させることにより、ノボラック樹脂
が得られる。酸触媒としては、有機酸、無機酸、二価金
属塩などが用いられ、具体例としては、シュウ酸、酢
酸、パラトルエンスルホン酸、塩酸、硫酸、リン酸、酢
酸亜鉛などが挙げられる。縮合反応は常法に従って行う
ことができ、例えば60〜120℃の範囲の温度で2〜
30時間程度行われる。また、反応はバルクで行って
も、適当な溶媒中で行ってもよい。
【0046】得られるノボラック樹脂は、レジストの現
像残渣を少なくするなどの目的で、例えば分別などの操
作を施して、 そのゲル浸透クロマトグラフィー(GP
C)(UV254nmの検出器を使用)によるパターンに
おいて、ポリスチレン換算分子量で900以下の成分の
面積比が、未反応のフェノール系化合物のパターン面積
を除く全パターン面積に対して25%以下、さらには2
0%以下となるようにしておくのが好ましい。分別を行
う場合は、ノボラック樹脂を、良溶媒、例えばメタノー
ルやエタノールのようなアルコール、アセトンやメチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトンのようなケト
ン、エチルセロソルブのようなエチレングリコールエー
テル、エチルセロソルブアセテートのようなエチレング
リコールエーテルエステル、テトラヒドロフランのよう
な環状エーテルなどに溶解し、この溶液を水中に注いで
高分子量成分を沈澱させる方法、あるいはこの溶液を、
ペンタン、ヘキサン、ヘプタンのような貧溶媒と混合し
て分液する方法などが採用できる。
【0047】こうした分別操作を施して高分子量成分を
多くしたノボラック樹脂に、分子量900以下のアルカ
リ可溶性フェノール系化合物を加えることも有効であ
る。分子量900以下のアルカリ可溶性フェノール系化
合物としては、分子構造中にフェノール性水酸基を2個
以上有するものが好ましく、例えば特開平 2-275955 号
公報(=EP-A-358,871) や特開平 2-2560 号公報に記載の
ものなどが挙げられる。分子量900以下のアルカリ可
溶性フェノール系化合物を用いる場合は、感光性樹脂組
成物中の全固形分の量を基準として、3〜40重量%の
範囲で含有させるのが好ましい。
【0048】感光性樹脂組成物を含むレジスト液の調製
は、感光剤およびノボラック樹脂、あるいは必要に応じ
てさらに分子量900以下のアルカリ可溶性フェノール
系化合物を、溶剤に混合溶解することにより行われる。
ここで用いる溶剤は、適当な乾燥速度を有し、溶剤が蒸
発したあとに均一で平滑な塗膜を与えるものが好まし
い。このような溶剤としては、プロピレングリコールモ
ノメチルエーテルアセテートやエチルセロソルブアセテ
ート、メチルセロソルブアセテートのようなグリコール
エーテルエステル類、ピルビン酸エチルや酢酸n−アミ
ル、乳酸エチルのようなエステル類、2−ヘプタノンの
ようなケトン類、γ−ブチロラクトンのような環状エス
テル類、その他、特開平 2-220056 号公報に記載のも
の、特開平 4-362645 号公報に記載のもの、特開平 4-3
67863 号公報に記載のものなどが挙げられる。溶剤とし
ては、それぞれの化合物を単独で、または2種以上混合
して用いることができる。
【0049】こうして得られるレジスト液ないしは感光
性樹脂組成物は、必要に応じてさらに、添加物として少
量の樹脂や染料を含有することもできる。
【0050】
【実施例】次に実施例を挙げて、本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら
限定されるものではない。例中、含有量ないし使用量を
表す%および部は、特にことわらないかぎり重量基準で
ある。
【0051】参考例1: 4−ヒドロキシメチル−2,
5−ジメチルフェノールの製造
【0052】5リットルの四つ口フラスコに、2,5−
キシレノール610.9g、水酸化ナトリウム200gお
よび水2500gを仕込み、12℃で攪拌しながら、3
7%ホルマリン565gを1時間30分かけて滴下し、
その後さらに4時間反応させた。反応終了後、28%ア
ンモニア水89gを仕込み、30分攪拌してから酢酸4
00gを仕込み、濾過した。得られた濾過物を水洗した
あと乾燥することにより、4−ヒドロキシメチル−2,
5−ジメチルフェノール609g(液体クロマトグラフ
ィーによる純度99%)を得た。
【0053】 質量分析: FD−MS 1521 H−NMR(アセトン) δ(ppm) :2.12 (s, 3H);
2.21 (s, 3H); 3.76 (brs, 1H);4.50 (s, 2H); 6.61
(s, 1H); 7.01 (s, 1H);7.99 (brs, 1H).
【0054】実施例1: ビスフェノール(V)の製造
【0055】1リットルの四つ口フラスコに、パラトル
エンスルホン酸4.76g、オルソクレゾール54.07g
およびメタノール108.14gを仕込んで30℃に調温
し、そこへ4−ヒドロキシメチル−2,5−ジメチルフ
ェノール38.05gを10分割して1時間かけて投入
し、その後さらに2時間反応させた。反応終了後、トル
エン200gおよび酢酸エチル200gを仕込み、さら
にイオン交換水200gを仕込んで攪拌したあと分液し
た。その後、1%シュウ酸水溶液200gを仕込んで攪
拌し、分液することにより脱金属を行った。次にイオン
交換水200gでの洗浄を4回行ったあと、オイル層を
濃縮した。濃縮マスにトルエン200gを仕込んで20
℃まで冷却し、濾過したあと、トルエン200gでリン
スした。この濾過物を酢酸エチル200gに溶解し、さ
らにトルエン200gを仕込んで濃縮した。濃縮マスに
トルエン200gを仕込んで20℃まで冷却し、濾過し
たあと、トルエン200gでリンスした。
【0056】得られた濾過物を45℃で一昼夜減圧乾燥
して、4−(4−ヒドロキシ−3−メチルベンジル)−
2,5−ジメチルフェノール20.12g(定量純度9
0.05%)を得た。4−ヒドロキシメチル−2,5−ジ
メチルフェノール基準の収率は29.9%であった。
【0057】 質量分析: MS 2421 H−NMR(ジメチルスルホキシド) δ(ppm) :2.0
3 (s, 9H); 3.63 (s, 2H); 6.53 (s, 1H);6.64 (d, J =
7.9 Hz, 1H);6.67 (d, J = 7.9 Hz, 1H); 6.78 (s, 1
H);6.78 (s, 1H); 8.90 (s, 1H); 9.00 (s, 1H).
【0058】実施例2: ジメチロール(IV)の製造
【0059】100mlの四つ口フラスコに、実施例1で
得られた純度90.05%の4−(4−ヒドロキシ−3−
メチルベンジル)−2,5−ジメチルフェノール12.12
g、水酸化ナトリウム4.8gおよび水48.0gを仕込ん
で40℃に調温した。そこへ37%ホルマリン24.35
gを1時間かけて滴下し、その後さらに2時間攪拌し
た。反応終了後90%酢酸水溶液10gで中和し、25
℃に冷却した。次に濾過し、イオン交換水100gでリ
ンスした。この濾過物を酢酸エチル200gに溶解し、
さらにトルエン50gを加えて濃縮した。濃縮マスにト
ルエン200gを仕込んで20℃まで冷却し、濾過した
あと、トルエン200gでリンスした。
【0060】得られた濾過物を45℃で一昼夜減圧乾燥
して、2−ヒドロキシメチル−4−(4−ヒドロキシ−
3−ヒドロキシメチル−5−メチルベンジル)−3,6
−ジメチルフェノール9.20g(純度86%)を得た。
4−(4−ヒドロキシ−3−メチルベンジル)−2,
5−ジメチルフェノール基準の収率は58.1%であっ
た。
【0061】 質量分析: MS 3021 H−NMR(ジメチルスルホキシド) δ(ppm) :2.0
5 (s, 3H); 2.07 (s, 3H); 2.08 (s, 3H);3.70 (s, 2
H); 4.47 (s, 2H); 4.62 (s, 2H);5.70 (brs, 2H); 6.7
0 (s, 1H); 6.80 (s, 2H);8.30 (brs, 2H).
【0062】実施例3: 2−(2−ヒドロキシ−5−
メチルベンジル)−4−〔4−ヒドロキシ−3−(2−
ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−5−メチルベンジ
ル〕−3,6−ジメチルフェノールの製造
【0063】100mlの四つ口フラスコに、パラトルエ
ンスルホン酸0.76g、パラクレゾール17.3gおよび
トルエン17.3gを仕込んで30℃に調温し、そこへ実
施例2で得られた純度86%の2−ヒドロキシメチル−
4−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−5−メ
チルベンジル)−3,6−ジメチルフェノール6.05g
を10分割して1時間かけて投入し、さらに2時間反応
させた。反応終了後、濾過し、トルエン200gでリン
スした。この濾過物をトルエン200gおよび酢酸エチ
ル200gに仕込み、さらにイオン交換水200gを仕
込んで攪拌したあと、分液した。その後、1%シュウ酸
水溶液200gを仕込んで攪拌し、分液することにより
脱金属を行った。次にイオン交換水200gでの洗浄を
4回行ったあと、オイル層を濃縮した。濃縮マスにトル
エン200gを仕込んで20℃まで冷却し、濾過したあ
とトルエン200gでリンスした。
【0064】得られた濾過物を45℃で一昼夜減圧乾燥
して、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−
4−〔4−ヒドロキシ−3−(2−ヒドロキシ−5−メ
チルベンジル)−5−メチルベンジル〕−3,6−ジメ
チルフェノール3.52g(定量純度95.8%)を得た。
2−ヒドロキシメチル−4−(4−ヒドロキシ−3−ヒ
ドロキシメチル−5−メチルベンジル)−3,6−ジメ
チルフェノール基準の収率は40.6%であった。
【0065】 質量分析: MS 4821 H−NMR(ジメチルスルホキシド) δ(ppm) :1.8
8 (s, 3H); 1.98 (s, 3H); 2.07 (s, 6H);2.12 (s, 3
H); 3.62 (s, 2H); 3.70 (s, 2H);3.84 (s, 2H); 6.30
(s, 1H); 6.57 (s, 1H);6.65 (d, J = 7.9 Hz, 1H); 6.
66 (s, 1H);6.67 (s, 1H); 6.68 (s, 1H);6.70 (d, J =
7.9 Hz, 1H);6.75 (d, J = 7.9 Hz, 1H);6.80 (d, J =
7.9 Hz, 1H); 8.00 (brs, 2H);9.31 (brs, 2H).
【0066】実施例4: 2−(4−ヒドロキシベンジ
ル)−4−〔4−ヒドロキシ−3−(4−ヒドロキシベ
ンジル)−5−メチルベンジル〕−3,6−ジメチルフ
ェノールの製造
【0067】実施例3におけるパラクレゾールに代えて
フェノール15.1gを用い、同時に仕込むトルエンの量
を15.1gとした以外は、実施例3と同様の操作を行っ
て、2−(4−ヒドロキシベンジル)−4−〔4−ヒドロ
キシ−3−(4−ヒドロキシベンジル)−5−メチルベ
ンジル〕−3,6−ジメチルフェノール3.21g(定量
純度95.2%)を得た。2−ヒドロキシメチル−4−
(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−5−メチル
ベンジル)−3,6−ジメチルフェノール基準の収率は
39.1%であった。
【0068】質量分析: MS 454
【0069】実施例5: 2−(2−ヒドロキシ−5−
メチルベンジル)−4−〔4−ヒドロキシ−3−(2−
ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−5−メチルベンジ
ル〕−3,6−ジメチルフェノールのキノンジアジドス
ルホン酸エステル化
【0070】100mlの四つ口フラスコに実施例3で得
られた化合物を0.96g、1,2−ナフトキノンジアジ
ド−5−スルホニルクロライドを1.07g、および1,
4−ジオキサンを10.2g仕込んで25℃に調温し、そ
こへトリエチルアミン0.49gを1時間かけて滴下し、
その後さらに3時間反応させた。 反応終了後、酢酸
0.13gで中和し、濾過した。その濾液を酢酸0.5gお
よびイオン交換水50gの混合液中に投入し、1時間攪
拌したあと濾過し、洗浄した。得られた濾過物を45℃
で一昼夜減圧乾燥して、1.88gの感光剤Aを得た。
【0071】メイン成分の分析値 質量分析: MS 9461 H−NMR(ジメチルスルホキシド) δ(ppm) :1.6
8 (s, 3H); 1.97 (s, 3H); 2.03 (s, 6H);2.08 (s, 3
H); 3.72 (s, 2H); 3.82 (s, 2H);3.83 (s, 2H); 6.27
(s, 1H); 6.35 (s, 1H);6.58 (s, 1H); 6.61 (d, J =
7.9 Hz, 1H);6.66 (d, J = 7.9 Hz, 1H); 6.71 (s, 1
H);6.75 (s, 1H); 6.85 (d, J = 7.9 Hz, 1H);6.91 (d,
J = 7.9 Hz, 1H);7.31 (d, J = 8.3 Hz, 1H);7.41 (d,
J = 8.3 Hz, 1H);7.61 (dd, J = 8.2, 8.3 Hz, 1H);7.
62 (dd, J = 8.2, 8.3 Hz, 1H);7.73 (d, J = 8.3 Hz,
1H);7.74 (d, J = 8.3 Hz, 1H);8.05 (s, 1H); 8.08
(s, 1H);8.16 (d, J = 8.2 Hz, 1H);8.24 (d, J = 8.2
Hz, 1H);8.54 (d, J = 8.3 Hz, 1H);8.62 (d, J = 8.3
Hz, 1H).
【0072】実施例6: 2−(4−ヒドロキシベンジ
ル)−4−〔4−ヒドロキシ−3−(4−ヒドロキシベ
ンジル)−5−メチルベンジル〕−3,6−ジメチルフ
ェノールのキノンジアジドスルホン酸エステル化
【0073】実施例5における実施例3で得られた化合
物に代えて、実施例4で得られた化合物0.91gを用
い、同時に仕込む1,4−ジオキサンの量を9.9gとし
た以外は、実施例5と同様の操作を行って、1.83gの
感光剤Bを得た。
【0074】メイン成分の質量分析値: MS 918
【0075】参考例2: ノボラック樹脂の製造 四つ口フラスコに、メタクレゾール148.5部、パラク
レゾール121.5部、メチルイソブチルケトン252
部、10%シュウ酸水溶液37.0部および90%酢酸水
溶液84.8部を仕込み、100℃の油浴で加熱攪拌しな
がら、37%ホルマリン129.5部を40分かけて滴下
し、その後さらに15時間反応させた。次に水洗、脱水
して、ノボラック樹脂を42.3%含有するメチルイソブ
チルケトン溶液466部を得た。ゲル浸透クロマトグラ
フィー(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子
量は4300であった。この溶液450部を底抜きセパ
ラブルフラスコに仕込み、さらにメチルイソブチルケト
ン909.6部およびn−ヘプタン996.1部を加えて、
60℃で30分間攪拌したあと、静置し、分液した。分
液で得られた下層のマスに、2−ヘプタノンを380部
加え、メチルイソブチルケトンおよびn−ヘプタンをエ
バポレーターにより除去して、ノボラック樹脂の2−ヘ
プタノン溶液を得た。GPCによるポリスチレン換算重
量平均分子量は9000であり、ポリスチレン換算分子
量で900以下の範囲の面積比は、全パターン面積に対
して14%であった。
【0076】適用例1および2 参考例2で得たノボラック樹脂の2−ヘプタノン溶液を
固形分換算で15部、添加剤として1,3−ビス〔1−
(2,4−ジヒドロキシフェニル)−1−メチルエチ
ル〕ベンゼンを3.9部、表1に示した1,2−ナフトキ
ノンジアジド系感光剤および2−ヘプタノンを、2−ヘ
プタノンが合計で50部になるように混合し、溶解し
た。この液を孔径0.2μm のフッ素樹脂製フィルターで
濾過して、レジスト液を調製した。
【0077】常法により洗浄したシリコンウェハーに、
回転塗布器を用いて上記レジスト液を、乾燥後の膜厚が
1.1μm となるように塗布し、ホットプレートにて90
℃で1分間ベークした。次いで、365nm(i線)の露
光波長を有する縮小投影露光器〔(株)ニコン製品、NS
R 1755i 7A、NA=0.5)を用いて、露光量を段階的に変化
させて露光した。次にこのウェハーを、ホットプレート
にて110℃で1分間ベークした。 これを現像液"SOP
D"〔住友化学工業(株)製品〕で1分間現像して、ポジ
型パターンを得た。それぞれのポジ型パターンについ
て、以下のようにして評価し、結果を表1に示した。
【0078】実効感度: 0.50μm のラインアンドス
ペースパターンが1:1になる露光量で表示した。
【0079】解像度: ラインアンドスペースパターン
が1:1になる露光量(実効感度)で、膜減りなく分離
するラインアンドスペースパターンの寸法を、走査型電
子顕微鏡で測定した。
【0080】プロファイル: 実効感度における0.45
μm ラインアンドスペースパターンの断面形状を走査型
電子顕微鏡で観察した。
【0081】フォーカス(焦点深度): 実効感度にお
いて0.40μm ラインアンドスペースパターンが膜減り
なく分離する焦点の幅を、走査型電子顕微鏡で測定し
た。
【0082】スカム: 走査型電子顕微鏡でスカム(現
像残渣)の有無を観察した。
【0083】γ値: 露光量の対数に対する規格化膜厚
(=残膜厚/初期膜厚)をプロットし、その傾きθを求
め、tan θをγ値とした。
【0084】
【表1】
【0085】(表1の脚注) 感光剤A: 実施例5で得られたエステル 感光剤B: 実施例6で得られたエステル 感光剤Z: 1,2,3−トリヒドロキシ−4−(4−
ヒドロキシ−2,5−ジメチルベンジル)ベンゼンと
1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロラ
イドとのモル比1:4の縮合物
【0086】
【発明の効果】本発明による式(I)で示されるテトラ
フェノール系化合物のなかで、R1 、R2 、R3 および
4 のうちの少なくとも一つが1,2−ナフトキノンジ
アジドスルホニルであるものは、感光性樹脂組成物用の
感光剤として有用であり、またR1 、R2 、R3 および
4 がすべて水素であるものは、その感光剤の前駆体と
して有用である。そして、1,2−ナフトキノンジアジ
ドスルホン酸エステル化された上記感光剤を含む感光性
樹脂組成物は、半導体微細加工用として、高い感度、高
い解像力(γ値)、良好なプロファイル、良好なフォー
カス許容性、少ない現像残渣など、レジスト諸性能のバ
ランスがとれたものとなる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 309/76 7419−4H C07C 309/76 G03F 7/022 G03F 7/022 // C08G 8/20 NBV C08G 8/20 NBV

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(I) (式中、Xは水素またはメチルを表し、R1 、R2 、R
    3 およびR4 は互いに独立に、水素または1,2−ナフ
    トキノンジアジド−4−もしくは−5−スルホニルを表
    す)で示されるテトラフェノール系化合物。
  2. 【請求項2】式(II)または(III) (式中、R1 、R2 、R3 およびR4 は請求項1記載の
    意味を表す)で示される請求項1記載の化合物。
  3. 【請求項3】R1 、R2 、R3 およびR4 がすべて水素
    である請求項1または2記載の化合物。
  4. 【請求項4】R1 、R2 、R3 およびR4 の少なくとも
    一つが1,2−ナフトキノンジアジド−4−または−5
    −スルホニルである請求項1または2記載の化合物。
  5. 【請求項5】2−ヒドロキシメチル−4−(4−ヒドロ
    キシ−3−ヒドロキシメチル−5−メチルベンジル)−
    3,6−ジメチルフェノール。
  6. 【請求項6】4−(4−ヒドロキシ−3−メチルベンジ
    ル)−2,5−ジメチルフェノール。
  7. 【請求項7】2−ヒドロキシメチル−4−(4−ヒドロ
    キシ−3−ヒドロキシメチル−5−メチルベンジル)−
    3,6−ジメチルフェノールを、フェノールまたはクレ
    ゾールと反応させることを特徴とする、請求項3記載の
    化合物の製造方法。
  8. 【請求項8】請求項3記載の化合物を、1,2−ナフト
    キノンジアジド−4−または−5−スルホニルハライド
    と反応させることを特徴とする、請求項4記載の化合物
    の製造方法。
  9. 【請求項9】4−(4−ヒドロキシ−3−メチルベンジ
    ル)−2,5−ジメチルフェノールを、ホルムアルデヒ
    ドと反応させることを特徴とする、2−ヒドロキシメチ
    ル−4−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−5
    −メチルベンジル)−3,6−ジメチルフェノールの製
    造方法。
  10. 【請求項10】4−ヒドロキシメチル−2,5−ジメチ
    ルフェノールを、オルソクレゾールと反応させることを
    特徴とする、4−(4−ヒドロキシ−3−メチルベンジ
    ル)−2,5−ジメチルフェノールの製造方法。
  11. 【請求項11】式(I) (式中、Xは水素またはメチルを表し、R1 、R2 、R
    3 およびR4 の一つは1,2−ナフトキノンジアジド−
    4−または−5−スルホニルを表し、残りは互いに独立
    に、水素または1,2−ナフトキノンジアジド−4−も
    しくは−5−スルホニルを表す)で示されるテトラフェ
    ノール系化合物を有効成分とする感光剤。
JP27029895A 1995-10-18 1995-10-18 テトラフェノール系化合物、その中間体および製法 Expired - Fee Related JP3735905B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27029895A JP3735905B2 (ja) 1995-10-18 1995-10-18 テトラフェノール系化合物、その中間体および製法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27029895A JP3735905B2 (ja) 1995-10-18 1995-10-18 テトラフェノール系化合物、その中間体および製法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09110760A true JPH09110760A (ja) 1997-04-28
JP3735905B2 JP3735905B2 (ja) 2006-01-18

Family

ID=17484324

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP27029895A Expired - Fee Related JP3735905B2 (ja) 1995-10-18 1995-10-18 テトラフェノール系化合物、その中間体および製法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3735905B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP3735905B2 (ja) 2006-01-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100499744B1 (ko) 포지티브레지스트조성물및감광제화합물
JP3139319B2 (ja) テトラフェノール系化合物、その製法および用途
EP0695740B1 (en) Quinonediazide sulfonic acid esters and positive photoresist compositions comprising the same
JP3613640B2 (ja) キノンジアジドスルホン酸エステル、その製法及び用途
JP3921710B2 (ja) 6核体ノボラック化合物およびその用途
JP3921709B2 (ja) ペンタフェノール系化合物およびその用途
JP3735905B2 (ja) テトラフェノール系化合物、その中間体および製法
JP3209058B2 (ja) ポジ型レジスト組成物
JP3834852B2 (ja) ペンタフェノール系化合物およびその用途
JP3959755B2 (ja) 5核体ノボラック化合物およびその用途
JP3799645B2 (ja) 多価フェノール系化合物のキノンジアジドスルホン酸エステルおよびその用途
JP3799643B2 (ja) ペンタフェノール系化合物、その製法及び用途
JP3921698B2 (ja) ペンタフェノール系化合物およびその用途
JP3921701B2 (ja) ペンタフェノール系化合物およびそれの感光剤への使用
JP3921700B2 (ja) 5核体ノボラック化合物およびそれの感光剤への使用
JP3921699B2 (ja) 5核体ノボラック化合物およびその用途
JP3921702B2 (ja) ペンタフェノール系化合物とその用途
JPH09188642A (ja) フェノール系非対称多核体化合物、その製法および用途
JPH09110757A (ja) ペンタフェノール系化合物、その中間体および製造法
JP3799636B2 (ja) キノンジアジドスルホン酸エステル及びその用途
JPH09194415A (ja) フェノール系2核体化合物、その製法および用途
JPH09110758A (ja) 6核体ノボラック化合物およびその製造方法
JPH09286751A (ja) 6核体ノボラック化合物およびその用途
JPH09316016A (ja) 多価フェノール系化合物およびその用途
JPH0920750A (ja) キノンジアジドスルホン酸エステル及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050621

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20051004

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Effective date: 20051017

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081104

Year of fee payment: 3

RD05 Notification of revocation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R3D05

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 3

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081104

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091104

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091104

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 5

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101104

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 5

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101104

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 6

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111104

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121104

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 8

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131104

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees