JP3137672B2 - 自動二輪車用減衰装置 - Google Patents

自動二輪車用減衰装置

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JP3137672B2
JP3137672B2 JP03113775A JP11377591A JP3137672B2 JP 3137672 B2 JP3137672 B2 JP 3137672B2 JP 03113775 A JP03113775 A JP 03113775A JP 11377591 A JP11377591 A JP 11377591A JP 3137672 B2 JP3137672 B2 JP 3137672B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動二輪車の後輪懸架
装置に用いる減衰器の伸縮量や伸縮速度を検出して減衰
力を制御するようにした自動二輪車用減衰装置に関する
ものである。
【0002】
【発明の背景】自動二輪車などの車両では、走行条件に
よって減衰力を変更できるのが望ましい。そこで出願人
は、減衰器とコイルばねとを一体化したクッションユニ
ットの伸縮量あるいは伸縮速度を検出し、減衰器の減衰
力をリニヤソレノイドによって変化させるものを提案し
た(例えば特願平1−1233号参照)。ここに用いた
減衰器は、シリンダ内に2つの主油室を画成するピスト
ンと、このピストン内に設けられピストン内に第1、第
2副油室を画成する切換弁と、これら第1、第2副油室
間に介在するオリフィスとを備え、第1副油室に高圧側
主油室の油圧を導く一方、第2副油室内圧がリニヤソレ
ノイドにより設定される圧力を越えることにより前記切
換弁を移動させて両主油室間の油路を開き減衰力を制御
するようにしたものである。この減衰器によれば、リニ
ヤソレノイドの励磁電流を変えることにより減衰器の伸
長あるいは収縮途中における減衰特性を自由に設定でき
るものである。
【0003】この減衰器を用いる場合には、減衰器の伸
縮量あるいは伸縮速度を検出する必要があるが、このセ
ンサをクッションユニットの中に内蔵させる場合には構
造が複雑で調整もしにくいという問題が生じる。そこで
例えば自動二輪車の後輪懸架装置においては、リヤア−
ムの上下揺動量を車体フレ−ムに取付けたセンサにより
検出することが考えられる。しかし自動二輪車ではセン
サなどの取付空間を大きく確保することが非常に困難で
ある。また限られた空間にセンサを配置した場合には、
センサが後輪やこの後輪を駆動するチェ−ンに接近する
ことになるため、このセンサにチェ−ンが干渉したり、
後輪が跳ね上げる小石や泥水が当たり易く、センサを痛
めるおそれがあった。またこのセンサは減衰器の伸縮量
に正しく対応した出力変化をするように構成するのが望
ましい。
【0004】
【発明の目的】本発明はこのような事情に鑑みなされた
ものであり、後輪懸架装置に用いる減衰器の伸縮量を検
出するためのセンサを、限られた狭い空間に収容する場
合に、このセンサにチェ−ンが干渉しにくく、後輪が跳
ね上げる小石や泥水が当たりにくくしてセンサを保護す
ると共に、減衰器の伸縮量に正しく対応した出力変化を
出力できるようにし、また整備性もよい自動二輪車用減
衰装置を提供することを目的とする。
【0005】
【発明の構成】本発明によればこの目的は、操向軸筒か
ら斜め下後方へのびた左右一対の車体フレームと、この
車体フレームの後下部にピボット軸で軸支された側面視
略三角形のリヤアームと、このリヤアームの後端に保持
されエンジンによってチェーン駆動される後輪と、前記
リヤアームと車体フレームとの間に介装された筒型のク
ッションユニットと、このクッションユニットの伸縮量
を検出する伸縮量検出手段とを備え、前記伸縮量に対応
して前記クッションユニットの減衰力を制御するように
した自動二輪車用減衰装置において、前記リヤアーム
クッションユニットの両側に位置しその一方は前記
チェーンとクッションユニットとの間にあって前記チェ
ーンよりも上方まで起立する側面視略三角形の左右一対
の側板を備え、前記伸縮量検出手段は、前記チェーン側
の側板より上方に位置し前記車体フレームの後部より後
方へのびるブラケットと、前記チェーンの張り側の上方
かつ前記チェーン側の側板の外側方に位置するように前
ブラケットに取付けられた回転角度センサと、この角
度センサの入力軸に固定され後方へほぼ水平にのびる回
動アームと、前記チェーンの張り側より上方に位置し
チェーン側の側板からクッションユニットと略平行に
起立してこの回動アームの後端に連結されたリンクとを
備えることを特徴とする自動二輪車用減衰装置、により
達成される。
【0006】
【実施例】図1は本発明の一実施例を示す側面図、図2
はそのII−II線断面図、図3は一部拡大側面図、図4は
そのIV矢視図である。
【0007】これらの図において、符号10は左右一対
の車体フレームであり、図示しない操向軸筒(ステアリ
ングヘッドパイプ)から斜め下後方へのび、その後部は
下方へ鉤状に折曲している。12はリヤアームであり、
その前端は車体フレーム10の後下部にピボット軸14
によって軸支され、その後端には後輪16が取付けられ
ている。このリヤア−ム12はピボット軸14と後輪1
6の車軸とをほぼ直線的につなぐ下辺12a,12a
と、これら下辺12aの車体幅方向の内側から起立する
左右一対の側板12b,12bとを備え、両側板12
b,12bの上前辺をつなぐ連結板には後記するクッシ
ョンユニット30が通る窓が形成されこの結果リヤア−
ムには側面視三角形を形成している。
【0008】18はエンジンであり、このエンジン18
の出力スプロケット20の回転はチェーン22によって
後輪16に伝えられる。このエンジン18は2サイクル
4気筒エンジンであり、前下方へ傾斜する前シリンダ1
8Aと前上方へ傾斜する上シリンダ18Bとを備える。
前シリンダ18Aの排気膨張管18a、18aはクラン
クケース下方からリヤアーム12の外側を通り後方へ導
かれている。上シリンダ18Bの排気膨張管18b、1
8bは、上シリンダ18Bの後面からシートレール24
の下方を通り後輪16の上方に導かれている。
【0009】車体フレーム10の後部には後輪16の上
方に延出する左右一対のシートレール24が固定され、
このシートレール24はバックステー26により補強さ
れている。左右一対のシートレール24にはクロスメン
バー28が掛け渡されている。
【0010】30はクッションユニットであり、筒型減
衰器とコイルばねとを組合わせて一体化したものであ
り、その減衰器は特願平1−1233号に開示された構
造を有するものである。このクッションユニット30の
上端は前記クロスメンバー28にピン32によって軸支
され、その下端はリヤアーム12の下辺12a、12a
に固着したブラケット34、34にピン36で軸支され
ている。
【0011】38は角度センサとしてのポテンショメー
タ(分圧器)である。このポテンショメータ38は、車
体フレーム10の左側の半体10a(第2図)の内側面
に固定され、チェーン22の張り側の上方に位置する。
すなわち図3に示すように、左側の車体フレーム半体1
0aの後下部の内面には、後方へのびるブラケット40
が固定され、このブラケット40形成された下に向っ
て開く円弧状の切欠き部にポテンショメータ38が取付
けられ、その入力軸42は水平に車体幅方向を指向す
る。なおこのポテンショメータ38は、入力軸42を中
心として回転方向に固定位置が調整可能となるように長
孔44、44からなる取付孔を持ち、ここを通る取付ボ
ルトをブラケット40に締付けることにより固定されて
いる。ここに長孔44、44はポテンショメータ38の
上部すなわちチェーン22から遠い部分に位置し、長孔
44や取付ボルトなどがチェーン22に干渉しにくくな
っている。
【0012】このポテンショメータ38の入力軸42に
は停車状態あるいは空車状態でほぼ水平に後方へ延びる
ア−ム46が固定されている。このア−ム46の回動端
はリヤア−ム12の左側の側板12bの外側面から起立
するリンク48に連結されている。ここにリンク48は
停車あるいは空車状態でクッションユニット30と略平
行である。またこのリンク48の両端はボール継手(い
わゆるピロ−ボ−ルジョイント)48a、48b(図
4)によってア−ム46および側板12bに連結されて
いる。ポテンショメータ38はクッションユニット30
が最も伸びた状態で所定の出力レベル(初期設定レベ
ル)となるように前記長孔44、44の範囲内でその取
付角度が調節される。
【0013】なお図2において50は左右一対の足置
台、52は車体の右側に位置するブレーキペダル、54
はこのペダル52に連動して油圧ブレーキの油圧を発生
するマスターシリンダである。また図1で56は運転シ
ート、58は燃料タンクである。
【0014】この実施例によれば後輪16の上下動によ
りリヤアーム12が揺動し、これと同時にクッションユ
ニット30が伸縮する。またリヤアーム12の揺動はリ
ンク48、ア−ム46を介してポテンショメータ38に
伝えられ、この揺動量がポテンショメータ38の入力軸
42の回転角度として検出される。ここにリンク48、
ア−ム46を用いているから、リンク48、ア−ム46
の長さを適切に設定することによりクッションユニット
30の伸縮量にほぼ1:1の関係をもってポテンショメ
ータ38の検出角度を変化させることができる。このた
めポテンショメータ38の出力とクッションユニット3
0の伸縮量との間で非線型の変換を介することが不要と
なり、簡単な構造で正確な検出が可能になる。
【0015】このクッションユニット30はリニヤソレ
ノイドの励磁電流によって減衰力をほぼ瞬時に制御可能
である。図示しない制御装置にはポテンショメータ38
の出力が入力される。制御装置は、このポテンショメー
タ38の出力を用いてクッションユニット30の伸縮量
および伸縮速度を検出し、その走行時における最適な減
衰力を予め記憶したマップ(あるいは演算式)を用いて
求め、この最適な減衰力を発生させるためのリニヤソレ
ノイドの励磁電流を求める。図示しない駆動回路は制御
装置から出力されたこの励磁電流を示す信号に基づいて
リニヤソレノイドにこの励磁電流を供給し、所定の減衰
力を発生させるものである。なお制御装置はポテンショ
メータ30の出力だけでなく、車両の走行速度、減衰器
のオイル温度等のデータを用いて最適減衰力を決めるも
のであってもよい。
【0016】この実施例によれば、ポテンショメ−タ3
8を作動させるア−ム46およびリンク48がチェ−ン
22の上方に位置するが、リヤア−ム12が上方へ揺動
してチェ−ン22も上昇する時にはア−ム46、リンク
48も折れ曲がりながら上方へ突出してチェ−ン22か
ら離れ上昇してゆく。なおこれらの最上昇位置は図3に
仮想線で、図4に実線で示されている。このためチェ−
ン22とア−ム46、リンク48との干渉が起こりにく
くなる。
【0017】またポテンショメ−タ38、ア−ム46、
リンク48はリヤア−ム12の左側の側板12bの外側
に位置するから、後輪16の跳ね上げる小石や泥水など
がポテンショメ−タ38、ア−ム46、リンク48に当
たりにくくなり、これらが保護される。なお側板12b
はこの実施例のように板で作られているのが望ましい
が、この側板12bに相当する部分がパイプで作られて
いる場合にもこの保護の効果が得られることは明らかで
あり、本発明はこのようなものを含む。
【0018】なお実施例ではクッションユニットの伸縮
量とポテンショメータの出力との対応をア−ム46、リ
ンク48でほぼ1:1に補正するように説明している
が、制御装置内の演算装置による電気的な補正と組合わ
せて1:1の補正を行うようにしてもよい。
【0019】
【発明の効果】本発明は以上のように、チェーンより上
方まで起立する左右一対の側板を持つ側面視略三角形の
リヤアームを有する場合に、チェーン側の側板よりも上
方に位置し車体フレーム後部から後方へのびるブラケッ
トを設け、このブラケットにチェーン側の外側に位置す
るように角度センサを取付け、この角度センサの入力軸
からほぼ水平に後方へのびる回動アームの後端と、チェ
ーンより上方にあってチェーン側の側板からクッション
ユニットとほぼ平行に起立するリンクとを連結したもの
であるから、リヤアームの上昇時にはリンクおよび回動
アームも上昇してゆき、チェーンとリンクおよび回動
ームとの干渉を防ぐことができる。このため狭い空間に
角度センサ、回動アーム、リンクなどからなる伸縮量検
出手段を収容する際に都合が良い。また回動アームやリ
ンクの長さを適切に選定することにより減衰器の伸縮量
と角度センサの出力とを適正に対応させることが可能に
なる。一方角度センサ、回動アーム、リンクは、リヤア
ームのチェーン側の側板より外側に位置するから後輪が
跳ね上げる小石や泥水などがこれら角度センサや回動
ームやリンクに当たりにくくなり、これらが保護され
る。さらに角度センサや回動アーム、リンクはチェーン
の上方で車体の側面に現れているから、これらの調整・
整備がし易くなる。
【0020】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す側面図
【図2】図1におけるII−II線断面図
【図3】同じく一部を拡大した側面図
【図4】図3におけるIV矢視図
【符号の説明】
10 車体フレーム 12 リヤアーム14 ピボット軸 16 後輪 22 チェーン 30 クッションユニット 12 側板 38 角度センサとしてのポテンショメータ40 ブラケット 42 入力軸 46 回動アーム 48 リンク

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 操向軸筒から斜め下後方へのびた左右一
    対の車体フレームと、この車体フレームの後下部にピボ
    ット軸で軸支された側面視略三角形のリヤアームと、こ
    のリヤアームの後端に保持されエンジンによってチェー
    ン駆動される後輪と、前記リヤアームと車体フレームと
    の間に介装された筒型のクッションユニットと、この
    ッションユニットの伸縮量を検出する伸縮量検出手段と
    を備え、前記伸縮量に対応して前記クッションユニット
    の減衰力を制御するようにした自動二輪車用減衰装置に
    おいて、前記リヤアームは、クッションユニットの両側に位置し
    その一方は前記チェーンとクッションユニットとの間に
    あって前記チェーンよりも上方まで起立する側面視略三
    角形の左右一対の側板を備え、 前記伸縮量検出手段は、
    前記チェーン側の側板より上方に位置し前記車体フレー
    ムの後部より後方へのびるブラケットと、前記チェーン
    の張り側の上方かつ前記チェーン側の側板の外側方に位
    置するように前記ブラケットに取付けられた回転角度セ
    ンサと、この角度センサの入力軸に固定され後方へほぼ
    水平にのびる回動アームと、前記チェーンの張り側より
    上方に位置し前記チェーン側の側板からクッションユニ
    ットと略平行に起立してこの回動アームの後端に連結さ
    れたリンクとを備えることを特徴とする自動二輪車用減
    衰装置。
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JP5270331B2 (ja) * 2008-12-26 2013-08-21 本田技研工業株式会社 ストローク量検知装置
ITPD20130040A1 (it) * 2013-02-22 2014-08-23 Piaggio & C Spa Sospensione motociclistica con regolazione automatica del precarico e dello smorzamento e relativo metodo di regolazione automatica di una sospensione motociclistica

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