JP3136480B2 - スピンドルの公転装置 - Google Patents

スピンドルの公転装置

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JP3136480B2 JP09291304A JP29130497A JP3136480B2 JP 3136480 B2 JP3136480 B2 JP 3136480B2 JP 09291304 A JP09291304 A JP 09291304A JP 29130497 A JP29130497 A JP 29130497A JP 3136480 B2 JP3136480 B2 JP 3136480B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スピンドルの先端
に装着した工具をスピンドルの元の軸線回りに公転させ
る装置に関する。
【0002】
【従来の技術】軟削材の金属材料の切削加工時には、切
粉が連続して排出するため、これを除去するために工具
の送りを瞬時に止めて後退させたり、切削液で除去した
りしている。しかし、多段孔の加工の場合は、組み合わ
せドリルを用いるため、切粉が刃に詰まったり、塊状に
なったりして加工の障害となりやすい。そこで、マシニ
ングセンタを利用して、スピンドルをX・Y軸の組み合
わせで自転させながら公転させ、これにZ軸への送りを
加えて螺旋状の動作を与えるコンタリング加工が多く用
いられている。これによれば、排出される切粉は断続の
三日月形状となるため、切削液での除去が簡単になり、
又公転径の変更も可能であるから、多段孔の加工も容易
に行うことができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記マシニン
グセンタによるものでも、工具を公転させる径が小さく
なると、公転の回転数が高くなって、スピンドルのX・
Y軸方向へ小さいストロークで多量の往復動が必要とな
ると共に、重量の大きい加工ヘッドを移動させることに
もなるため、振動が発生して加工精度の低下や耐久性の
低下を招いてしまう。又、工具を自転軸と平行にしたま
ま公転させるものであると、円筒加工等の場合、工具の
種類によってはその側面が円筒内の加工面に接触して、
加工面を傷付ける虞れもある。
【0004】そこで、請求項1に記載の発明は、公転径
が小さくても、良好な加工精度や耐久性を維持でき、
又、加工面を傷付ける虞れもないスピンドルの公転装置
を提供することを目的としたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の発明は、内蔵したモータにより回
転する回転軸を備え、その回転軸にビットを着脱可能と
したスピンドルを、そのスピンドルの軸線が通る中間部
位を支点として、装置本体内で前後両端が元の軸線回り
に円運動可能となるように軸支する一方、前記スピンド
ルの後方に、前記元の軸線から前記スピンドルの後端を
所定量偏心した位置へ傾動させる傾動手段と、その傾動
手段で傾動した前記スピンドルの後端を前記元の軸線回
りに円運動させる公転手段とを備えて、前記回転軸に装
着したビットを、前記回転軸と一体に回転させつつ前記
傾動手段により決定された偏心量を半径として前記公転
手段によって前記元の軸線回りに円運動可能としてなる
ものである。又、請求項2に記載の発明は、請求項1の
目的に加えて、前記傾動手段と公転手段とを簡単且つ合
理的に構成する具体例として、前記傾動手段を、前記元
の軸線からの偏心位置で回動制御され、更に自身の偏心
位置で前記スピンドルの後端を保持する偏心スリーブと
する一方、前記公転手段を、前記元の軸線と同心位置で
回動制御され、前記偏心スリーブを回動自在に軸支する
公転スリーブとして、前記偏心スリーブの回転により、
前記スピンドルの後端を前記偏心スリーブの軸線回りに
円運動させて、前記スピンドルの後端を傾動させ、前記
元の軸線からの距離を変更可能とする一方、前記公転ス
リーブの回転により、前記偏心スリーブを前記元の軸線
回りに円運動させて、前記スピンドル後端の円運動を可
能としたものである。又、請求項3に記載の発明は、請
求項1の目的に加えて、前記傾動手段と公転手段とを簡
単且つ合理的に構成する別の具体例として、前記傾動手
段及び公転手段を、前記スピンドルの後方にあって、回
動及び前記元の軸線方向への前後移動を制御される回動
スライド部材と、その回動スライド部材と前記スピンド
ルの後端とのどちらか一方側に設けられ、前記元の軸線
から傾斜した傾斜案内部と、他方側に設けられ、前記傾
斜案内部と係合する連結軸として、前記回動スライド部
材の前後移動により、前記連結軸を前記傾斜案内部に沿
って相対的に摺動させて、前記スピンドルの後端を傾動
させ、前記元の軸線からの距離を変更可能とする一方、
当該位置での前記回動スライド部材の回転により、傾動
させた前記スピンドルの後端の円運動を可能としたもの
である。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。形態1 図1は公転装置1の説明図で、筒状の装置本体2内の前
方(同図の左側)には、ジャイロリング3が、中心Oへ
向けて上下に点対称に挿着されたジャイロピン4,4
に、夫々テーパローラベアリング5,5を介して回動自
在に支持されており、このジャイロリング3にスピンド
ル6が遊挿されている。スピンドル6は、スピンドル本
体7内に図示しないモータと、ビットを着脱可能な回転
軸8とを備えた所謂ビルドインタイプである。又スピン
ドル本体7の左右両側には、図2にも示す如くジャイロ
ピン4a,4aの基端が固着され、各ピンの先端は、ジ
ャイロリング3の左右両側に形成された透孔3a,3a
に挿入して、テーパローラベアリング5,5に夫々軸支
される。更にジャイロピン4a,4aの先端は、夫々ジ
ャイロリング3の外側から透孔3a,3aに挿着された
キャップ9,9に支持されている。よってスピンドル6
は、ジャイロピン4,4を結ぶ線を中心にジャイロリン
グ3ごと左右へ揺動可能で、又ジャイロピン4a,4a
を結ぶ線を中心にジャイロリング3内で上下に揺動可能
となるため、中心Oを支点として前後両端が、中心Oを
通る元の軸線L(以下単に「軸線L」という)回りに円
運動自在となる。更にスピンドル6の後方には、同軸で
カップ状のヨーク10が嵌着され、そのヨーク10の後
端は、装置本体2内を後方へ伸長する中空のロッド部1
1が延設されている。ここでは、スピンドル6内のモー
タのリード線は、このロッド部11内を通して外部へ引
き出される。
【0007】次に、図3及び図4において、装置本体2
におけるスピンドル6の後方上部には、軸線Lと平行に
ジャイロモータ12が配置されており、そのモータ軸1
2aには、ジャイロギヤ13が固着されている。このジ
ャイロギヤ13は、装置本体2と一体の後方筒14へ軸
線Lと同軸で遊挿されるジャイロスリーブ15のギヤ部
15aと噛合しているが、ジャイロスリーブ15は、ギ
ヤ部15aより後方をスリットによって差込片16,1
6・・に4分割されて、ジャイロナット17に同軸で外
装される。一方ジャイロナット17の大径部には、各差
込片16の円周方向の長さに対応させた円弧状の長孔1
8,18・・が形成されており、ここでは各差込片1
6,16・・を各長孔18,18・・に差し込んで、ジ
ャイロスリーブ15とジャイロナット17との回転を一
体化している。尚ジャイロナット17の大径部の外周に
は、後方筒14の内周に形成された雌ネジ部14aと螺
合する雄ネジ部17aが形成されている。又、ジャイロ
ナット17の内周には、リードリング19が遊挿され
て、一方ではジャイロナット17内周の段部に、他方で
はスラストリング20によって軸方向の移動を規制され
ると共に、夫々の対向面には、ボール21,21・・が
配置されている。よって、リードリング19は、ジャイ
ロナット17とは、回転は別体で、軸方向の移動は一体
となる。
【0008】更に、リードリング19の内周には、ドラ
イブスリーブ22が遊挿されている。ドライブスリーブ
22は、前方側のフランジに、後述するドライブモータ
36のドライブギヤ37と噛合するギヤ部23を、後方
側に、ヨーク10のロッド部11が貫通する大径の公転
スリーブ24を夫々一体に備え、中間部に上下一対で形
成された軸方向と平行なガイド溝25,25に、リード
リング19の内周に突設されたガイド突起19a,19
aが嵌入して、リードリング19と一体回転すると共
に、その軸方向への移動をガイド可能としている。そし
て、ドライブスリーブ22の内周には、更にリードカム
スリーブ26が遊挿されている。リードカムスリーブ2
6は、ドライブスリーブ22とは別体に回動可能な筒体
で、その外周には、前方から後方へ螺旋状の一対のリー
ド溝27,27が軸線Lを中心に対称に形成されて、各
リード溝27,27にリードリング19のガイド突起1
9a部分に挿着されたリードピン28,28が夫々挿通
している。尚、リード溝27,27は、夫々前端から後
端まで達すると、リードカムスリーブ26の周方向に1
80°移動することになる。
【0009】又、リードカムスリーブ26の後方には、
図5にも示す如く、ドライブスリーブ22の公転スリー
ブ24によって軸線Lから偏心した位置に、偏心スリー
ブ29が回動可能に軸支されており、この偏心スリーブ
29とリードカムスリーブ26とは、前後面に互いに直
交する突条31,31を夫々突設したオルダムジョイン
ト30と、夫々対向する突条31が嵌合する溝32,3
2とによって一体回転可能に連結されている。この偏心
スリーブ29には、更にその軸心O1 から偏心した偏心
孔33が形成されており、偏心孔33内で、リードカム
スリーブ26及びオルダムジョイント30を貫通するロ
ッド部11の後端が突出して、偏心孔33に収容される
ボール34を遊挿している。そしてボール34を、偏心
孔33の後方から、キャップ35をボルトで固着するこ
とで、ロッド部11は、軸方向の移動を許容されたま
ま、ボール34を介して偏心スリーブ29に自在継手の
格好で連結されることになる。一方、後方筒14の下方
には、ジャイロモータ12と対称にドライブモータ36
が配置され、そのモータ軸36aに固着されたドライブ
ギヤ37が、ドライブスリーブ22のギヤ部23と噛合
しており、ドライブモータ36の駆動により、ギヤ部2
3を介してドライブスリーブ22が回転すると、ドライ
ブスリーブ22と一体の公転スリーブ24も回転し、そ
の偏心位置に把持される偏心スリーブ29を軸線L回り
に円運動させる。尚、38,38・・は、ドライブスリ
ーブ22とリードカムスリーブ26との間に介在され、
両者の軸方向での一体化を図るボール、39,39・・
は、夫々ジャイロスリーブ15やドライブスリーブ2
2、公転スリーブ24、偏心スリーブ29等を軸支する
クロスローラベアリングである。
【0010】以上の如く構成された公転装置1において
は、まずジャイロモータ12を駆動させると、ジャイロ
ギヤ13を介してジャイロスリーブ15が回転する。す
ると、ジャイロスリーブ15と一体のジャイロナット1
7も後方筒14内で回転し、その雌ネジ部14aと雄ネ
ジ部17aとの螺合により、ジャイロナット17はネジ
送りされて、軸方向に移動する。よって、ジャイロナッ
ト17と共にリードリング19も軸方向に移動して、リ
ードピン28,28を同様に移動させる。すると螺旋状
のリード溝27,27に挿通した状態で軸方向に移動す
るリードピン28,28によって、リードカムスリーブ
26は回転し、オルダムジョイント30を介して連結さ
れる偏心スリーブ29を回転させる。この偏心スリーブ
29の回転により、偏心孔33が、偏心スリーブ29の
軸回りに円運動し、偏心孔33にボール34を介して保
持されるロッド部11の後端(図5に示すボール34の
中心O2 )も、偏心スリーブ29の軸心O1 回りに円運
動する。このため中心Oを支点として把持されるスピン
ドル6の先端に装着されたビット40の中心O3 も、ロ
ッド部11の後端に対応して円運動し、軸線Lとの半径
方向の距離を変化させることになる。尚、図1は、ジャ
イロスリーブ15、リードリング19が最前方位置にあ
って、ロッド部11の後端、即ちビット40を軸線Lか
ら最も遠ざけた状態を示す。ここからリードリング19
を後退させると、偏心スリーブ29の回転によってボー
ル34の中心O2 が徐々に軸線Lに近づき、これに対応
してビット40の中心O3 も軸線Lに近づくこととな
る。
【0011】一方、ドライブモータ36を駆動させる
と、前述の如くドライブギヤ37を介してドライブスリ
ーブ22が回転するため、ドライブスリーブ22と一体
の公転スリーブ24も回転し、偏心スリーブ29を軸線
Lを中心に円運動させる。よって、偏心スリーブ29の
自転によって軸線Lとの距離を設定されたロッド部11
の後端は、今度は軸線Lを中心に円運動をするため、中
心Oを支点としてビット40も軸線Lを中心に円運動を
行い、所謂公転運動が与えられることになる。又このと
き、ドライブスリーブ22の回転と共にリードリング1
9、リードカムスリーブ26も一体に回転するが、ボー
ル21,21・・によってジャイロナット17には回転
運動は伝達されないため、リードピン28,28の軸方
向の位置は変わらず、公転半径は変動しない。尚、スピ
ンドル6自体は、スピンドル本体7から図示しないリー
ド線をヨーク10のロッド部11を通して外部に引き出
しており、外部からの電気的制御でモータを駆動させ、
回転軸8を自転させることになる。又ここでは、偏心ス
リーブ29の自転によるボール34の中心O2 の円運動
軌跡が、図5の如く軸線Lと交わるようになっているた
め、図2のようにビット40の中心O3 の円運動軌跡S
も軸線Lと交わり、中心O3 を軸線Lと一致させること
ができる。
【0012】このように上記形態1においては、スピン
ドル6に公転半径を簡単に設定することが可能となる
上、合理的な偏心で正確な公転軌跡が得られる。よっ
て、小さい公転半径でも良好な加工精度と高い耐久性と
が維持できる。又、スピンドル6を軸線Lから傾動させ
て公転運動を得る形態であるから、円筒加工の場合でも
ビット40の側面が円筒内に接触する虞れはなく、加工
面の損傷は生じない。更に本形態では、スピンドル6の
中間部位を回動自在に支持すると共に、そのロッド部1
1の後端を軸線Lから傾動させて先端側に必要な公転半
径を点対称に設定する構成としたことで、公転時のスピ
ンドル6のバランスも好適に維持できる。尚、上記形態
1では、スピンドル6をジャイロリング3とジャイロピ
ン4等を用いてスピンドル6の傾動支点を構成している
が、スピンドル6を球体に貫通させ、その球体を装置本
体内の球面座に把持させて、スピンドル6を球面同士の
すり合わせで傾動及び円運動自在に支持する形態として
も良い。更に、公転運動をさせるリードカムスリーブ2
6と公転スリーブ24との回転は、ドライブモータ36
のドライブギヤ37をギヤ部23に噛合させて行ってい
るが、公転スリーブ24をドライブモータ36のドライ
ブギヤ37と直接噛合させても差し支えない。
【0013】形態2 次に、傾動手段と公転手段とを他の構成で実現した実施
の形態を説明する。尚、上記形態1と同じ符号は同じ部
品を示すため、説明は省略する。図6に示す公転装置1
aは、外形を正六角形とした筒状のクイル41内に形成
される。ここでのスピンドル本体7の中間部外面には、
図7にも示すように、連結部42,42が点対称に突設
され、各連結部42,42は、クイル41の先端部に連
設された支持リング43ごしに、支持リング43の外周
に遊嵌されるジャイロリング44へ、ジャイロピン4
5,45とその先端を軸支するテーパローラベアリング
46,46とによって連結されている。又、ジャイロリ
ング44には、ジャイロピン45,45と直交状に配置
されるジャイロピン47,47が点対称に貫通し、その
先端は、テーパローラベアリング48,48を介して支
持リング43に挿着されている。よって、形態1と同様
にスピンドル6は、ジャイロピン45,45間の軸を中
心に支持リング43内で揺動可能で、又ジャイロピン4
7,47間の軸を中心にジャイロリング44ごと支持リ
ング43内で揺動可能となるため、各ジャイロピン4
5,47の両軸の交点となる中心Oを支点として、スピ
ンドル6は、前後両端が中心Oを通る軸線L回りに円運
動自在となる。
【0014】一方、スピンドル本体7の後方には、連結
ロッド49が同軸で突設され、連結ロッド49の後端
に、図8にも示す如く、ボールベアリング50を介し
て、両側に連結軸としての支点ピン52,52を対称に
突設した公転部51が取り付けられている。この支点ピ
ン52,52は、夫々角リング53,53を外装すると
共に、前方を開放、後方を閉塞した回動スライド部材と
しての筒状のスライダ54に連結されている。即ち、支
点ピン52,52が、スライダ54の両側に対称に形成
され、軸線Lから傾斜した傾斜案内部としての傾斜スリ
ット55,55内に夫々挿通すると共に、各傾斜スリッ
ト55内で、その上下に配置されたガイドプレート5
6,56に挟まれ、夫々対向して形成されたV溝57,
57と角リング53とが嵌合することで、支点ピン5
2,52は、夫々ガイドプレート56,56に沿って摺
動可能に連結されている。又、スライダ54は、キー5
8,58を介して、クイル41内でボールベアリング5
9,59に軸支される公転ドライブスリーブ60に、回
転のみ一体で前後移動自在に連結されており、後方の閉
塞部54aにウエッジジョイント61を介して連結され
たドライブロッド62の進退動により、軸方向の前後移
動が制御される。更に、公転ドライブスリーブ60は、
クイル41内でボールベアリング63に軸支されるドラ
イブスピンドル64と一体に連結されている。このドラ
イブロッド62は、ドライブスピンドル64を同軸で遊
貫し、回転及び、軸方向の移動は別体となっており、夫
々図示しないサーボモータの駆動により、ドライブロッ
ド62は軸方向の移動を、ドライブスピンドル64は回
転を夫々単独で制御される。そして、スピンドル6は、
図示しないリード線を連結ロッド49及びドライブロッ
ド62を通して外部に引き出しており、外部からの電気
的制御で内部のモータを駆動させ、ビット40を自転さ
せるものである。
【0015】以上の如く構成された公転装置1aにおい
ては、図6の状態では、スピンドル6は軸線Lと同軸の
位置にあり、連結ロッド49、ビット40も夫々軸線L
と同軸で、支点ピン52,52を結ぶ軸線L1 は軸線L
と直交している。ここから、ドライブロッド62を後退
させると、スライダ54も同時に後退し、傾斜スリット
55,55と各ガイドプレート56とを軸方向へ平行移
動させる。すると、傾斜スリット55,55内の支点ピ
ン52,52は、ガイドプレート56,56に沿って前
方側へ相対移動すると共に、軸線L1 は、軸線Lから外
れて図9の如くその下側へ導かれる。よって、公転部5
1と連結ロッド49とが、中心Oと軸線L1 との直交距
離を半径とした円周に沿って軸線Lの下側に移動して、
スピンドル6を傾動させ、ビット40先端の中心O1
軸線Lの上側へ移動させて、軸線Lから半径方向への距
離を生じさせる。この状態でドライブスピンドル64を
回転させると、公転ドライブスリーブ60も回転して、
これと一体のスライダ54を回転させる。スライダ54
の回転により、傾斜スリット55,55内に支点ピン5
2,52を連結させている公転部51も回転し、連結ロ
ッド49を軸線L回りに円運動させる。よって、スピン
ドル6先端のビット40も、軸線Lから半径方向に設定
された距離を半径として、軸線Lを中心に公転すること
になる。尚、図9の状態からドライブロッド62を前進
させると、上記と逆の動作で、支点ピン52,52がガ
イドプレート56,56に沿って後方側へ相対移動し、
軸線L1 が上側へ導かれる。よって、再び軸線Lと交わ
るまで移動させると、図6のようにビット40のO1
軸線Lと同位置に復帰させることができる。
【0016】このように上記形態2においても、公転半
径を簡単且つ正確に設定できる上、それに伴い良好な加
工精度と高い耐久性とが維持でき、加工面の損傷を防止
し、バランスも好適に維持可能となる、といった形態1
と同じ効果が得られる。特にここでは、スライダ54の
スライドと回転とにより、スピンドル6の傾動と公転と
が可能であるため、形態1に比較して部品点数の少ない
非常に簡単な構成となり、製造コストがより軽減される
ことになる。尚、本形態2においても、形態1の変更と
同様にジャイロ機構に球形を利用したり、キー結合に代
えてスプライン結合を用いたり、傾斜スリットに代えて
傾斜溝を形成したり等、具体的構成は上記形態に限定す
るものでない。又、傾動手段や公転手段の具体的構造
も、上記と逆に、連結ロッド側に傾斜案内部を形成し
て、ドライブロッドの先端に設けたピンと係合させた
り、或は、一方側に設けたピンを、他方側に設けられ、
ピンの両端面と係合する傾斜案内面を形成した一対のプ
レートで挟持させたり等の設計変更が可能である。更に
上記形態では、スライダ54の回動と軸方向の移動と
を、ドライブスピンドル64とドライブロッド62とに
よって夫々別部材を介してサーボモータで制御している
が、スライダ54にドライブロッド62のようなロッド
部材を固着し、そのロッド部材自体を回動及び軸方向に
移動制御して、ロッド部材のみでスライダ54を制御す
ることもできる。
【0017】そして、上記公転装置1及び1aを用いて
マシニングセンタを構成する場合は、ベッドに備えたレ
ール上でZ軸方向に移動自在に設けたコラムの前面に、
ボールネジとサーボモータとによってコラム前面に備え
たレールに沿ってX軸方向へスライド移動するX軸テー
ブルを設けると共に、そのX軸テーブルの前面に、同じ
くボールネジとサーボモータとによってX軸テーブル前
面に備えたレールに沿ってY軸方向へスライド移動する
Y軸テーブルを設けて、そのY軸テーブルと一体に上記
公転装置1或は1aを組み付けて横形マシニングセンタ
を構成するのが好ましい。特に、形態2では、クイル4
1をY軸テーブルへ直交状に設けて構成することで、高
い剛性が確保できる。
【0018】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、スピン
ドルに公転半径を簡単に設定することが可能となる上、
合理的な偏心で正確な公転軌跡が得られる。よって小さ
い公転半径でも良好な加工精度と高い耐久性とが維持で
きる。又、スピンドルを自転軸から傾動させて公転運動
を得る形態であるから、円筒加工の場合でも工具の側面
が円筒内に接触する虞れはなく、加工面の損傷は生じな
い。更に、スピンドルの後端を傾動させて先端側に必要
な公転半径を点対称に設定する構成であるから、公転時
のスピンドルのバランスも好適に維持できる。又、請求
項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加えて、
前記偏心スリーブと公転スリーブとの構成により、公転
半径の設定とその公転運動とが簡単に行える合理的な構
成となる。又、請求項3に記載の発明によれば、請求項
1の効果に加えて、前記回動スライド部材とスピンドル
後端とを前記傾斜案内部と連結軸とで連結することによ
り、公転半径の設定とその公転運動とが簡単に行える合
理的な構成となる。特に、前記回動スライド部材の回転
とスライド制御でスピンドルの傾動と公転とが可能とな
るため、少ない部品点数で実現でき、製造コストがより
軽減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】形態1のスピンドルの公転装置の説明図であ
る。
【図2】形態1のジャイロ機構の断面説明図である。
【図3】形態1の傾動及び公転手段の分解説明図である
(主要部品のみで示す)。
【図4】形態1のガイドリング部分の断面説明図であ
る。
【図5】形態1の偏心スリーブ部分の断面説明図であ
る。
【図6】形態2のスピンドルの公転装置の説明図であ
る。
【図7】形態2のジャイロ機構の断面説明図である。
【図8】形態2の公転部部分の断面説明図である。
【図9】形態2における公転半径の設定状態を示す説明
図である。
【符号の説明】
1,1a・・公転装置、2・・装置本体、3・・ジャイ
ロリング、6・・スピンドル、11・・ロッド部、12
・・ジャイロモータ、15・・ジャイロスリーブ、17
・・ジャイロナット、19・・リードリング、22・・
ドライブスリーブ、24・・公転スリーブ、26・・リ
ードカムスリーブ、27・・リード溝、28・・リード
ピン、29・・偏心スリーブ、30・・オルダムジョイ
ント、34・・ボール、36・・ドライブモータ、41
・・クイル、51・・公転部、52・・支点ピン、54
・・スライダ、55・・傾斜スリット、60・・公転ド
ライブスリーブ、62・・ドライブロッド、64・・ド
ライブスピンドル。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内蔵したモータにより回転する回転軸を
    備え、その回転軸にビットを着脱可能としたスピンドル
    を、そのスピンドルの軸線が通る中間部位を支点とし
    て、装置本体内で前後両端が元の軸線回りに円運動可能
    となるように軸支する一方、前記スピンドルの後方に、
    前記元の軸線から前記スピンドルの後端を所定量偏心し
    た位置へ傾動させる傾動手段と、その傾動手段で傾動し
    た前記スピンドルの後端を前記元の軸線回りに円運動さ
    せる公転手段とを備えて、前記回転軸に装着したビット
    を、前記回転軸と一体に回転させつつ前記傾動手段によ
    り決定された偏心量を半径として前記公転手段によって
    前記元の軸線回りに円運動可能としてなるスピンドルの
    公転装置。
  2. 【請求項2】 前記傾動手段を、前記元の軸線からの偏
    心位置で回動制御され、更に自身の偏心位置で前記スピ
    ンドルの後端を保持する偏心スリーブとする一方、前記
    公転手段を、前記元の軸線と同心位置で回動制御され、
    前記偏心スリーブを回動自在に軸支する公転スリーブと
    して、前記偏心スリーブの回転により、前記スピンドル
    の後端を前記偏心スリーブの軸線回りに円運動させて、
    前記スピンドルの後端を傾動させ、前記元の軸線からの
    距離を変更可能とする一方、前記公転スリーブの回転に
    より、前記偏心スリーブを前記元の軸線回りに円運動さ
    せて、前記スピンドル後端の円運動を可能とした請求項
    1に記載のスピンドルの公転装置。
  3. 【請求項3】 前記傾動手段及び公転手段を、前記スピ
    ンドルの後方にあって、回動及び前記元の軸線方向への
    前後移動を制御される回動スライド部材と、その回動ス
    ライド部材と前記スピンドルの後端とのどちらか一方側
    に設けられ、前記元の軸線から傾斜した傾斜案内部と、
    他方側に設けられ、前記傾斜案内部と係合する連結軸と
    して、前記回動スライド部材の前後移動により、前記連
    結軸を前記傾斜案内部に沿って相対的に摺動させて、前
    記スピンドルの後端を傾動させ、前記元の軸線からの距
    離を変更可能とする一方、当該位置での前記回動スライ
    ド部材の回転により、傾動させた前記スピンドルの後端
    の円運動を可能とした請求項1に記載のスピンドルの公
    転装置。
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