JPH04365503A - Ｕ軸ボーリングヘッド - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、マシニングセンタやボ
ーリング機能をもつ切削加工機や研削加工機等に用いる
着脱式のボーリングヘッド、特に、加工機の主軸回転中
にも加工径を変化させることのできるいわゆるＵ軸機能
を有したボーリングヘッドに関する。

【０００２】

【従来の技術】ボーリング加工中の加工径変更（径方向
切込み量の制御）は、加工工具を定位置で回転させ、被
削材を円運動させるいわゆるコンタリング切削でも行い
得るが、この方法は被削材を固定する加工機には利用で
きず、また、被削材の仕上面に波状のフライス目が残っ
て滑らかな加工面が得られないことから、加工工具を加
工径方向に動かす装置が種々提案されている。例えば、
特公昭４７−２７３０９号、特開昭５７−１３２９０５
号、特公昭６２−４２７２７号、実開昭５１−１４１８
７２号、特開平２−１４５２０２号、同平３−１９７０
６号の各公報に示されるものなどがそれである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記の公報に示される
装置の中には、工具を加工径方向に動かすための制御駆
動源からの駆動力をボーリングヘッドに内蔵した差動歯
車機構を介してヘッド内の径方向スライド機構に伝える
ものがあるが、このタイプの装置は、取替えを前提とす
るために大きさ（体積、重量）に限界があるボーリング
ヘッドの中に複雑な差動歯車機構や工具の径方向スライ
ド機構を組込むので高剛性を得難く、従って、高切削力
、高加工精度が望めず、加工速度も上げ難い。

【０００４】また、高剛性確保のために加工機本体の主
軸を偏心２重軸としてこの軸の偏心量調整で加工径を変
えるものは、偏心調整機構を設けない汎用マシニングセ
ンタ等には利用できず、装置の規模も大きくなる。加工
機の主軸を２重軸として内軸にＵ軸機能付きのボーリン
グヘッドをカップリングでつなぐもの（特公昭６２−４
２７２７号）も同様に加工機が専用機になるのでマシニ
ングセンタ等には利用できない。

【０００５】さらに、制御駆動源からの動力をカップリ
ング経由でボーリングヘッドに伝えるものは、加工機の
本体側にある加工径制御の原点とボーリングヘッドの原
点（初期状態）との間にヘッド側原点のバラツキに起因
したずれが生じるため（本体側の原点は一定であり、バ
ラツキの吸収は不可能）、同一制御プログラムを用いて
もボーリングヘッド毎に加工結果が変わると云う不具合
もある。なお、実開昭５１−１４１８７２号に開示のも
のは、制御駆動用のモータをボーリングヘッドの中に設
けているので制御の原点をボーリングヘッド内にとるこ
とができるが、モータを内蔵し、さらに、差動歯車減速
機構を用いているので大型化が避けられず、高剛性も得
難い。

【０００６】この発明は、これ等の課題を解決したＵ軸
ボーリングヘッドを提供しようとするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、この発明においては、加工機のスピンドルに着脱す
る主軸の前部に主軸中心（軸Ｃ）から一定量偏心した軸
Ｃ１　を中心にして回転可能な偏心スリーブを取付け、
この偏心スリーブの前部に設けた軸Ｃ１　からの偏心穴
に加工工具を保持するホールドスリーブを、主軸先端の
外周に軸Ｃと同心の内歯スリーブを各々回転可能に取付
ける。また、主軸の先端に回転不能に設けた軸Ｃ１　と
同心の刃数ｎの外歯歯車を上記ホールドスリーブの後部
に設けた上記偏心穴と同心の刃数２ｎの内歯歯車に、上
記偏心スリーブに設けた軸Ｃ１　と同心の外歯歯車を上
記内歯スリーブに設けた軸Ｃと同心の内歯歯車に各々内
接させ、さらに、上記主軸と内歯スリーブを相対回転さ
せる調和駆動機構と、同機構内のウェーブジェネレータ
を回転させるモータと、主軸外周に回転可能に取付けて
固定金具で回り止めするヘッドケースを設ける。

【０００８】なお、モータは、数値制御の可能なものが
望ましい。また、ヘッドケースの固定金具は、上記モー
タの動力電源回路、制御信号回路の接続コネクタを兼用
した主軸軸心方向の差込み式金具が望ましい。

【０００９】

【作用】モータを駆動して内歯スリーブを回転させると
偏心スリーブが軸Ｃ１　を中心にして回転し、そのため
に内歯歯車を有するホールドスリーブが回転しながら主
軸先端の外歯歯車の周りを移動して加工工具の径方向位
置が変わる。従って、複雑で剛性の低い径方向スライド
機構や加工機を専用化するような機構が不要となる。ま
た、内歯スリーブからホールドスリーブへの動力伝達が
単純な内接歯車によって行われるため、部品数が多く、
複雑で作り難い差動歯車機構等も不要となり、従って、
動力伝達部の簡素化、コンパクト化、高剛性化、高精度
化にもつながる。

【００１０】内歯スリーブを主軸に対して相対回転させ
る手段として差動歯車機構ではなく、調和駆動機構（い
わゆるハーモニックドライブ）を用いたこともコンパク
ト化、高剛性化に有効に寄与し、ボーリングヘッド全体
がコンパクトで剛性の高いものになる。

【００１１】さらに、制御駆動源としてのモータをボー
リングヘッドの系内に取込んだので、制御の原点が各ボ
ーリングヘッド内に定まり、ヘッドの原点とのずれが生
じない。

【００１２】

【実施例】添付図面に基いて、この発明の一具体例を説
明する。図１に示すように、先端に刃具２を備えるボー
リングバー１は、ホールドスリーブ３によってスリーブ
中心部に保持される。５は、加工機のスピンドルに着脱
自在に取付ける主軸である。この主軸５の先端には主軸
中心（軸Ｃ）からＬ偏心した軸Ｃ１　を軸心とする外歯
歯車６が一体的に設けられ、この歯車６がホールドスリ
ーブ３の後部に設けた軸Ｃ２　と同心で外歯歯車６の２
倍の歯数をもつ内歯歯車４に内接している。

【００１３】さらに、主軸５の前部には、軸Ｃ１　を中
心にして回転可能な偏心スリーブ７を取付け、このスリ
ーブに設けた偏心穴８（この穴は軸Ｃ２　と同心）内に
上記ホールドスリーブ３を同心にして回転可能に組付け
てある。９は偏心スリーブ７の外周に設けた軸Ｃ１　と
同心の外歯歯車である。１０は、主軸５の先端外周に回
転可能に取付けた内歯スリーブであり、このスリーブに
設けた軸Ｃと同心の内歯歯車１１に上記の外歯歯車９が
内接している。

【００１４】１２は、主軸５と内歯スリーブ１０の外周
にまたがって配置した周知の調和駆動機構（ハーモニッ
クドライブ）である。この機構１２のウェーブジェネレ
ータ１２ａを回転させると、主軸５と内歯スリーブ１０
に固定したサーキュラスプライン１２ｂ、１２ｃ間にそ
れ等のスプラインの歯数差に応じた相対回転が起こり、
これによって、主軸５と内歯スリーブ１０間にボーリン
グバー１を加工径方向に進退させるための相対回転が生
じる。

【００１５】１５は主軸５で回転可能に支持して調和駆
動機構１２の外周に被せたヘッドケースである。このヘ
ッドケースには、加工機側の固定部に差込んでケースを
回り止めする固定金具１６が設けられている。また、ボ
ーリングバー進退用の駆動源となるステッピングモータ
１３が取付けられている。１４はステッピングモータ１
３の出力軸に取付けたピニオンであり、この歯車がウェ
ーブジェネレータ１２ａの外周の歯車と噛み合ってウェ
ーブジェネレータに駆動力が伝わるようになっている。

【００１６】なお、軸Ｃに対するＣ１　の偏心量と、軸
Ｃ１　に対するＣ２　の偏心量は一致させておくのが望
ましい。図はその偏心量を共にＬとして軸ＣとＣ２　が
図示の位置で重なるようにしてある。

【００１７】また、固定金具１６は、ステッピングモー
タの動力電源回路、制御信号回路の接続コネクタを兼用
する構造にしておくと、主軸の装着と同時に電気系統の
接続が行われるので、マシニングセンタ等によるボーリ
ングバーの自動交換が容易になる。

【００１８】以上の如く構成した例示のボーリングヘッ
ドは、主軸５を加工機のスピンドルに装着し、固定金具
１６でヘッドケース１５を回り止めする。この状態で加
工機のスピンドルを回転させると主軸５が回転し、主軸
の外歯歯車６と噛み合ったホールドスリーブ３、このス
リーブに保持されたボーリングバー１が一体となって軸
Ｃを中心に回転する。このとき、調和駆動機構１２の一
部の要素を介した動力伝達によって内歯スリーブ１０も
一体となって回転し、従って、主軸５と内歯スリーブ１
０間には相対回転が起こらず、刃具の径方向位置は一定
している。

【００１９】次に、ステッピングモータ１３を駆動する
と調和駆動機構１２が作動して主軸５と内歯スリーブ１
０間にサーキュラスプラインの歯数差に応じた相対回転
が起こる。この相対回転により、内歯スリーブの内歯歯
車１１に内接している偏心スリーブ７が軸Ｃ１　を中心
にして回転し、そのために、偏心スリーブの偏心穴８内
に組込んだホールドスリーブ３が外歯歯車６との噛み合
い位置を移しながら外歯歯車６の外周に沿って移動しつ
つ偏心穴８内で回転する。従ってホールドスリーブ中心
（＝ボーリングバー中心）は、偏心スリーブ７が半回転
した位置で軸Ｃ上から径方向に２Ｌ動く。この後、偏心
スリーブ７が更に半回転するか又は半回転逆転するとホ
ールドスリーブ中心は元の位置に戻り、従って、加工径
を２Ｌの範囲で調整することができる。

【００２０】なお、例示のボーリングヘッドは、ホール
ドスリーブ３が図３の実線位置（３の中心が軸Ｃ上にあ
る）又は鎖線位置（３の中心が軸Ｃから２Ｌ離れている
）にある位置を数値制御の原点にすると制御がし易い。

【００２１】

【発明の効果】以上述べたように、この発明のボーリン
グヘッドは、調和駆動機構、偏心スリーブ、ホールドス
リーブ、動力伝達用の２組の内接歯車を主要素としてホ
ールドスリーブで保持した加工工具を回転中に加工径方
向に動かせるようにしたので、構造の簡素化、コンパク
ト化、高剛性化、高精度化が図れる。

【００２２】従って、より強力な切削が可能となり、加
工速度を上げることができる。また、剛性の向上によっ
て切削時の振動（いわゆるビビリ）が減少すること、制
御に忠実に刃具が進退することにより高精度加工が期待
できる。

【００２３】さらに、駆動用のモータを取り込んで制御
の原点をボーリングヘッド内にとれるようにしてボーリ
ングヘッド毎の原点のずれを無くしたので、ボーリング
ヘッドを交換しても期待値により近く、かつバラツキの
少ない加工結果を得ることができる。また、原点の設定
もきわめて容易である。

【００２４】また、部品数が少なく、部品の構造も単純
であるので、製造コストが下がり、部品精度の確保、メ
ンテナンス面でも有利になる。

【００２５】このほか、工具位置を径方向に変化させる
Ｕ軸機能をヘッドの中に全て取込んだので、マシニング
センタ等の汎用機によって従来は不可とされたＵ軸加工
（円筒中間の溝や突起輪加工、テーパ加工、裏座ぐり加
工、数値制御による円筒内面の段付加工）を施すことが
可能となり、専用機で行っていた加工を汎用機による加
工に移行することができる。

【００２６】なお、以上の説明は、加工工具としてボー
リングバーを例に挙げたが、この発明のボーリングヘッ
ドに利用する加工工具は切削用の工具に限定されない。 例えば、研削砥石やマンドレル等であってもよい。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明のボーリングヘッドの一例を示す断面
図

【図２】図１のボーリングヘッドの正面図

【図３】図１
のＡ−Ａ線部の断面図

【符号の説明】

１　　ボーリングバー ２　　刃具 ３　　ホールドスリーブ ４、１１　　内歯歯車 ５　　主軸 ６、９　　外歯歯車 ７　　偏心スリーブ ８　　偏心穴 １０　　内歯スリーブ １２　　調和駆動機構 １２ａ　　ウェーブジェネレータ １２ｂ、１２ｃ　　サーキュラスプライン１３　　ステ
ッピングモータ １４　　ピニオン １５　　ヘッドケース １６　　固定金具

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　加工機のスピンドルに着脱する主軸５
   の前部に主軸中心（軸Ｃ）から一定量偏心した軸Ｃ１　
   を中心にして回転可能な偏心スリーブ７を取付け、この
   偏心スリーブの前部に設けた軸Ｃ１　からの偏心穴に加
   工工具を保持するホールドスリーブ３を、主軸先端の外
   周に軸Ｃと同心の内歯スリーブ１０を各々回転可能に取
   付け、上記主軸５の先端に回転不能に設けた軸Ｃ１　と
   同心の刃数ｎの外歯歯車６を上記ホールドスリーブの後
   部に設けた上記偏心穴と同心の刃数２ｎの内歯歯車４に
   、上記偏心スリーブに設けた軸Ｃ１　と同心の外歯歯車
   ９を上記内歯スリーブに設けた軸Ｃと同心の内歯歯車１
   １に各々内接させ、さらに、上記主軸５と内歯スリーブ
   １０を相対回転させる調和駆動機構１２と、同機構内の
   ウェーブジェネレータ１２ａを回転させるモータ１３と
   、主軸外周に回転可能に取付けて固定金具１６で回り止
   めするヘッドケース１５を設けて成るＵ軸ボーリングヘ
   ッド。
2. 【請求項２】　　上記モータ１３が回転制御式のモータ
   であり、また、ヘッドケースの固定金具１６は、上記モ
   ータの動力電源回路、制御信号回路の接続コネクタを兼
   用した主軸軸心方向の差込み式金具である請求項１記載
   のＵ軸ボーリングヘッド。