JP3131853B2 - 薄膜トランジスタの製造方法 - Google Patents

薄膜トランジスタの製造方法

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JP3131853B2
JP3131853B2 JP18280692A JP18280692A JP3131853B2 JP 3131853 B2 JP3131853 B2 JP 3131853B2 JP 18280692 A JP18280692 A JP 18280692A JP 18280692 A JP18280692 A JP 18280692A JP 3131853 B2 JP3131853 B2 JP 3131853B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、薄膜トランジスタの製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】薄膜トランジスタは、例えばアクティブ
マトリックス液晶表示装置における画素電極選択用の能
動素子等に用いられている。
【0003】図2はアクティブマトリックス液晶表示装
置に用いられている従来の薄膜トランジスタの断面図で
あり、この薄膜トランジスタは、前記液晶表示装置の一
方の透明基板(一般にはガラス板)の上に、行方向およ
び列方向に配列して形成されている。
【0004】この薄膜トランジスタは、逆スタガー型と
呼ばれる構造のもので、図2に示すように、基板1上に
形成されたゲート電極2と、このゲート電極2を覆うS
i N(窒化シリコン)からなるゲート絶縁膜3と、この
ゲート絶縁膜3の上に前記ゲート電極2に対向させて形
成されたa−Si (アモルファスシリコン)からなるi
型半導体膜4と、このi型半導体膜4のチャンネルとな
る領域を覆うブロッキング膜5と、前記i型半導体膜4
の上にn型不純物をドープしたa−Si からなるn型半
導体膜6を介して形成されたソース電極7およびドレイ
ン電極8とで構成されており、上記n型半導体膜6は、
前記ブロッキング膜5の上においてソース電極7側とド
レイン電極8側とに分離されて、i型半導体膜4にチャ
ンネルを形成している。
【0005】上記ブロッキング膜5は、薄膜トランジス
タの製造においてi型半導体膜4の上に成膜したn型半
導体膜6をソース電極7側とドレイン電極8側とに分離
する際に、i型半導体膜4のチャンネルとなる領域がダ
メージを受けるのを防ぐために設けられており、このブ
ロッキング膜5は、一般に、ゲート絶縁膜3と同じSi
Nで形成されている。
【0006】この薄膜トランジスタのゲート電極2は、
基板1上に形成したゲート配線(図示せず)に一体に形
成されており、またソース電極6には、上記ゲート絶縁
膜(透明膜)3の上に形成したITO等の透明導電膜か
らなる画素電極9が接続されている。
【0007】また、上記ソース電極7とドレイン電極8
は、Si Nからなる保護絶縁膜10で覆われており、ド
レイン電極8が接続されるデータ配線11は、前記保護
絶縁膜10の上に形成されている。このデータ配線11
は、保護絶縁膜10に形成したコンタクト孔10aにお
いてドレイン電極8につながっている。このデータ配線
11は、Si Nからなるオーバコート絶縁膜12で覆わ
れている。
【0008】上記薄膜トランジスタは、次のような製造
方法で製造されている。
【0009】[工程1]まず、基板1上に、ゲート電極
2およびゲート配線を形成し、その上に、ゲート絶縁膜
3とi型半導体膜4とブロッキング膜5とを形成する。
【0010】この工程において、ゲート電極2およびゲ
ート配線は、基板1上に金属膜をスパッタ装置により成
膜し、この金属膜をパターニングして形成されている。
また、ゲート絶縁膜3とi型半導体膜4とブロッキング
膜5は、プラズマCVD装置により連続して成膜されて
おり、この後、ブロッキング膜5はi型半導体膜4のチ
ャンネルとなる領域を覆う形状にパターニングされ、ま
たi型半導体膜4はトランジスタ素子形状にパターニン
グされている。
【0011】[工程2]次に、上記i型半導体膜4の上
に、n型半導体膜6を介してソース電極7およびドレイ
ン電極8を形成するとともに、前記n型半導体膜6をブ
ロッキング膜5の上においてソース電極7側とドレイン
電極8側とに分離して、i型半導体膜4にチャンネルを
形成する。
【0012】上記ソース,ドレイン電極7,8は、n型
半導体膜6をプラズマCVD装置によって成膜した後、
このn型半導体膜6の上に金属膜をスパッタ装置により
成膜し、この金属膜をパターニングして形成されてお
り、n型半導体膜6は、ソース,ドレイン電極7,8を
形成した後、このソース,ドレイン電極7,8と同じ形
状にパターニングされている。この場合、n型半導体膜
6のソース,ドレイン電極7,8間の部分はブロッキン
グ膜5の上においてエッチングされるため、n型半導体
膜6のパターニング時にi型半導体膜4のチャンネルと
なる領域がエッチングされてダメージを受けることはな
い。
【0013】[工程3]次に、ゲート絶縁膜3の上に上
記ソース電極7に接続して画素電極9を形成した後、ソ
ース,ドレイン電極7,8を保護絶縁膜10で覆い、こ
の保護絶縁膜10に、ドレイン電極8の一部を露出させ
るコンタクト孔10aを形成する。この保護絶縁膜10
は、プラズマCVD装置により成膜され、この後トラン
ジスタ素子部を覆う形状にパターニングして形成されて
おり、上記コンタクト孔10aは、保護絶縁膜10のパ
ターニング時に同時に形成されている。
【0014】[工程4]次に、上記保護絶縁膜10の上
に、そのコンタクト孔10aにおいてドレイン電極8に
つながるデータ配線11を形成する。このデータ配線1
1は、金属膜をスパッタ装置により成膜し、この金属膜
をパターニングして形成されている。
【0015】[工程5]この後は、上記データ配線11
を覆うオーバコート絶縁膜12をプラズマCVD装置に
より成膜し、このオーバコート絶縁膜12をトランジス
タ素子部を覆う形状にパターニングして薄膜トランジス
タの製造を終了する。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の薄膜トランジスタの製造方法では、i型半導体膜4
のチャンネルとなる領域を保護するブロッキング膜5を
ゲート絶縁膜3と同質の絶縁物(Si N)で形成してい
るため、このブロッキング膜5をパターニングする際
に、i型半導体膜4の下のゲート絶縁膜3にダメージを
与えてしまうことがあった。
【0017】これは、i型半導体膜4にピンホールがあ
るため、ブロッキング膜(Si N膜)5のパターニング
時に、そのエッチング液がi型半導体膜4のピンホール
を通ってゲート絶縁膜3に達し、このゲート絶縁膜3も
エッチングされてしまうからであり、そのため、ゲート
絶縁膜3にピンホール等の欠陥が発生してしまう。
【0018】なお、ブロッキング膜5のパターニング
を、エッチング液を用いるウエットエッチングによって
行なっているのは、ドライエッチングでは、ブロッキン
グ膜5のエッチングに続いてその下のi型半導体膜4も
エッチングされてしまうためである。
【0019】そして、上記のようにゲート絶縁膜3にピ
ンホール等の欠陥が発生すると、ゲート電極2とソー
ス,ドレイン電極7,8との間に短絡が発生して、薄膜
トランジスタが欠陥品となってしまう。このため、従来
の製造方法は、薄膜トランジスタの製造歩留が悪いとい
う問題をもっていた。
【0020】しかも、従来の製造方法では、上記ブロッ
キング膜5とオーバコート絶縁膜12とをいずれもSi
Nで形成しているため、ゲート絶縁膜3とi型半導体膜
4とn型半導体膜6と保護絶縁膜10の他に、前記ブロ
ッキング膜5とオーバコート絶縁膜12もプラズマCV
D装置によって成膜しなければならず、したがって、プ
ラズマCVD装置による成膜回数が多くて、薄膜トラン
ジスタを能率よくかつ低コストに製造することができな
かった。
【0021】なお、薄膜トランジスタには、アクティブ
マトリックス液晶表示装置に用いられるものの他に、各
種電子回路の構成素子として用いられる、ソ−ス電極と
ドレイン電極との両方に配線を接続した構造のものもあ
るが、従来は、この種の薄膜トランジスタの製造におい
ても上述した問題を生じていた。
【0022】本発明は、i型半導体膜のチャンネルとな
る領域を保護するブロッキング膜をゲート絶縁膜にダメ
ージを与えることなく形成して、ゲート電極とソース,
ドレイン電極との間の短絡の発生を防ぎ、薄膜トランジ
スタの製造歩留を向上させるとともに、プラズマCVD
装置による成膜回数を少なくして、薄膜トランジスタを
能率よくかつ低コストに製造することができる、薄膜ト
ランジスタの製造方法を提供することを目的としたもの
である。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明は、基板上に、ゲ
ート電極と、このゲート電極を覆うゲート絶縁膜と、こ
のゲート絶縁膜をはさんで前記ゲート電極と対向するi
型半導体膜と、このi型半導体膜のチャンネルとなる領
域を覆う金属からなるブロッキング膜とを形成する工程
と、前記i型半導体膜の上にn型半導体膜を介してソー
ス電極およびドレイン電極を形成するとともに、前記n
型半導体膜を前記ブロッキング膜の上においてソース電
極側とドレイン電極側とに分離する工程と、前記ソース
電極およびドレイン電極を保護絶縁膜で覆い、この保護
絶縁膜を前記ソース電極とドレイン電極との間の部分に
おいて分離して前記ブロッキング膜を露出させるととも
に、この保護絶縁膜に前記ソース電極とドレイン電極と
のうち少なくとも一方の電極の一部を露出させるコンタ
クト孔を形成する工程と、前記保護絶縁膜の上に、前記
コンタクト孔において前記ソース電極とドレイン電極と
のうち少なくとも一方の電極につながるデータ配線を形
成する工程と、前記ブロッキング膜と前記データ配線と
を同時に酸化処理して、前記ブロッキング膜をその全厚
にわたって酸化絶縁膜とするとともに、前記データ配線
の表面に酸化絶縁膜を生成させる工程と、によって薄膜
トランジスタを製造するものである。
【0024】
【作用】このように、i型半導体膜のチャンネルとなる
領域を保護するブロッキング膜を金属で形成すれば、こ
のブロッキング膜のパターニングを、ゲート絶縁膜はエ
ッチングしないエッチング液を用いて行なうことができ
るため、ブロッキング膜のパターニング時にそのエッチ
ング液がi型半導体膜のピンホールを通ってゲート絶縁
膜に達しても、このゲート絶縁膜がダメージを受けるこ
とはない。
【0025】また、上記ブロッキング膜を金属で形成す
ると、n型半導体膜をソース電極側とドレイン電極側と
に分離した後も、ソース電極とドレイン電極との間がブ
ロッキング膜を介して短絡した状態となるが、n型半導
体膜をソース電極側とドレイン電極側とに分離した後、
前記ブロッキング膜をその全厚にわたって酸化させて酸
化絶縁膜とすれば、ソース電極とドレイン電極との間を
電気的に分離して、i型半導体膜にチャンネルを形成す
ることができる。
【0026】この場合、本発明では、ブロッキング膜の
酸化処理を、ソース電極およびドレイン電極を保護絶縁
膜で覆い、この保護絶縁膜をソース電極とドレイン電極
との間の部分において分離してブロッキング膜を露出さ
せた状態で行なっているため、ブロッキング膜の酸化処
理に際して、ソース電極およびドレイン電極が酸化され
ることはない。
【0027】また、本発明では、前記保護絶縁膜の上に
形成したデータ配線も酸化処理して、このデータ配線の
表面に酸化絶縁膜を生成させているため、この酸化絶縁
膜がデータ配線の保護膜となるから、従来の製造方法の
ようにデータ配線を覆うオーバコート絶縁膜を形成する
必要はない。
【0028】したがって、本発明によれば、i型半導体
膜のチャンネルとなる領域を保護するブロッキング膜を
ゲート絶縁膜にダメージを与えることなく形成して、ゲ
ート電極とソース,ドレイン電極との間の短絡の発生を
防ぎ、薄膜トランジスタの製造歩留を向上させることが
できる。
【0029】また、本発明によれば、上記ブロッキング
膜(金属膜)をスパッタ装置により短い時間で成膜でき
るとともに、従来のようにデータ配線を覆うオーバコー
ト絶縁膜を形成する必要もないため、プラズマCVD装
置による成膜回数を少なくすることができるし、しか
も、ブロッキング膜とデータ配線との酸化処理を同時に
行なっているために、これらの酸化処理も能率よく行な
うことができるから、薄膜トランジスタを能率よくかつ
低コストに製造することができる。
【0030】
【実施例】以下、本発明をアクティブマトリックス液晶
表示装置の基板上に配列形成する薄膜トランジスタの製
造に適用した一実施例を図1を参照して説明する。
【0031】[工程1]まず、図1(a)に示すよう
に、ガラス等からなる透明基板21の上に、ゲート電極
22およびゲート配線(図示せず)を形成し、その上
に、Si Nからなるゲート絶縁膜23と、a−Si から
なるi型半導体膜24と、金属からなるブロッキング膜
25とを形成する。このブロッキング膜25は、後述す
るゲート配線31に用いる金属と同じ金属、例えばAl
(アルミニウム)またはAl 系合金で形成する。
【0032】この工程において、ゲート電極22および
ゲート配線は、基板21上にCr (クロム)、Ta (タ
ンタル)、Al またはAl 系合金等からなる金属膜をス
パッタ装置により成膜し、この金属膜をフォトリソグラ
フィ法によりパターニングして形成する。
【0033】また、ゲート絶縁膜23とi型半導体膜2
4はプラズマCVD装置により連続して成膜し、金属か
らなるブロッキング膜25はスパッタ装置により成膜す
る。そして、i型半導体膜24は、フォトリソグラフィ
法によってトランジスタ素子形状にパターニングし、ブ
ロッキング膜25は、フォトリソグラフィ法により、i
型半導体膜24のチャンネルとなる領域を覆う形状にパ
ターニングする。
【0034】この場合、上記ブロッキング膜25のパタ
ーニングはウエットエッチングによって行なうが、この
ブロッキング膜25は金属膜であるため、このブロッキ
ング膜25のパターニングを、Si Nからなるゲート絶
縁膜23はエッチングしないエッチング液を用いて行な
うことができるから、ブロッキング膜25のパターニン
グ時にそのエッチング液がi型半導体膜24のピンホー
ルを通ってゲート絶縁膜23に達しても、このゲート絶
縁膜23がダメージを受けることはない。
【0035】なお、上記i型半導体膜24のパターニン
グは、このi型半導体膜24の上にブロッキング膜25
を成膜し、このブロッキング膜25をパターニングした
後に行なってもよいし、またブロッキング膜25の成膜
前に行なってもよい。
【0036】[工程2]次に、図1(b)に示すよう
に、上記i型半導体膜24の上に、n型不純物をドープ
したa−Si からなるn型半導体膜26を介してソース
電極27およびドレイン電極28を形成するとともに、
前記n型半導体膜26をブロッキング膜25の上におい
てソース電極27側とドレイン電極28側とに分離す
る。
【0037】上記ソース,ドレイン電極27,28は、
n型半導体膜26をプラズマCVD装置によって成膜し
た後、このn型半導体膜26の上にCr 等からなる金属
膜をスパッタ装置により成膜し、この金属膜をフォトリ
ソグラフィ法によりパターニングして形成する。また、
n型半導体膜26は、ソース,ドレイン電極27,28
を形成した後に、このソース,ドレイン電極27,28
と同じ形状にパターニングする。この場合、n型半導体
膜26のソース,ドレイン電極27,28間の部分はブ
ロッキング膜25の上においてエッチングされるため、
n型半導体膜26のパターニング時にi型半導体膜24
のチャンネルとなる領域がエッチングされてダメージを
受けることはない。
【0038】[工程3]次に、図1(c)に示すよう
に、ゲート絶縁膜23の上に上記ソース電極27に接続
して画素電極29を形成した後、ソース電極27および
ドレイン電極28をSi Nからなる保護絶縁膜30で覆
い、この保護絶縁膜30をソース電極27とドレイン電
極28との間の部分において分離して上記ブロッキング
膜25を露出させるとともに、この保護絶縁膜25に上
記ドレイン電極の一部を露出させるコンタクト孔30a
を形成する。
【0039】なお、上記画素電極29は、ITO等から
なる透明導電膜をスッパタ装置により成膜し、この透明
導電膜をフォトリソグラフィ法によりパターニングして
形成する。
【0040】上記保護絶縁膜10は、プラズマCVD装
置によりSi N膜を成膜し、このSi N膜をフォトリソ
グラフィ法によりトランジスタ素子部を覆う形状にパタ
ーニングして形成する。また、上記コンタクト孔30a
は、保護絶縁膜30のパターニング時に同時に形成す
る。
【0041】[工程4]次に、図1(d)に示すよう
に、上記保護絶縁膜30の上に、この保護絶縁膜30に
設けたコンタクト孔30aにおいて上記ドレイン電極2
8につながるデータ配線31を形成する。このデータ配
線31は、上記ブロッキング膜25の膜厚よりも十分厚
い膜さに形成する。
【0042】このデータ配線31は、上記ブロッキング
膜25に用いた金属と同じ金属(Al またはAl 系合金
等)からなる金属膜をスパッタ装置によりブロッキング
膜25の膜厚よりも十分厚い膜厚に成膜し、この金属膜
をフォトリソグラフィ法によりパターニングして形成す
る。
【0043】[工程5]この後は、金属からなるブロッ
キング膜25とデータ配線31とを同時に陽極酸化処理
し、図1(e)に示すように、ブロッキング膜25の露
出部分をその全厚にわたって酸化絶縁膜25aとすると
ともに、データ配線31の表面に酸化絶縁膜31aを生
成させて、薄膜トランジスタの製造を終了する。
【0044】上記ブロッキング膜25とデータ配線31
の陽極酸化処理は、基板21を電解液中に浸漬してブロ
ッキング膜25の露出部分とデータ配線31を電解液中
において対向電極(白金電極)と対向させ、ブロッキン
グ膜25およびデータ配線31を陽極とし、対向電極を
陰極として、その間に電圧を印加して行なう。
【0045】この場合、ブロッキング膜25およびデー
タ配線31への+電圧の供給は、データ配線31の端子
部を酸化電源(直流電源)の+極に接続して行なう。こ
のようにすると、データ配線31に+電圧が供給される
とともに、この+電圧がデータ配線31からドレイン電
極28およびその下のn型半導体膜26を介してブロッ
キング膜25にも供給される。
【0046】このように、電解液中においてブロッキン
グ膜25およびデータ配線31と対向電極の間に電圧を
印加すると、陽極であるブロッキング膜25とデータ配
線31とが化成反応を起してその表面から酸化されて行
く。
【0047】なお、金属膜を陽極酸化処理によって酸化
させる場合、酸化の進行速さは金属膜の材質に応じて決
まるが、この実施例では、ブロッキング膜25とデータ
配線31とを同じ金属で形成しているため、ブロッキン
グ膜25とデータ配線31はほぼ同じ速さで表面側から
酸化されて行く。
【0048】また、上記陽極酸化処理における金属膜中
への酸化の進行深さは、金属膜と対向電極との間に印加
する電圧の値によって決まるが、上述したようにデータ
配線31をブロッキング膜25の膜厚よりも十分厚い膜
さに形成しておき、前記印加電圧をブロッキング膜25
の膜厚に応じて設定しておけば、ブロッキング膜25を
その全厚にわたって酸化させ、データ配線31はその表
面だけを酸化させることができる。
【0049】なお、金属膜を酸化させるとその体積が増
加するため、ブロッキング膜25を酸化させた酸化絶縁
膜25aの厚さは酸化前のブロッキング膜25の膜厚よ
り若干厚くなり、また表面に酸化絶縁膜31aを生成さ
せたデータ配線31の厚さ(酸化絶縁膜31aを含む厚
さ)も、酸化前のデータ配線31の厚さより若干厚くな
る。
【0050】上述したように、この薄膜トランジスタの
製造方法では、i型半導体膜24のチャンネルとなる領
域を保護するブロッキング膜25を金属で形成している
ため、このブロッキング膜25のパターニングを、ゲー
ト絶縁膜23はエッチングしないエッチング液を用いて
行なうことができ、したがって上記ブロッキング膜25
を、ゲート絶縁膜23にダメージを与えることなく形成
することができる。
【0051】また、上記ブロッキング膜25を金属で形
成すると、n型半導体膜24をソース電極27側とドレ
イン電極28側とに分離した後も、ソース電極27とド
レイン電極28との間がブロッキング膜25を介して短
絡した状態となるが、n型半導体膜26をソース電極2
7側とドレイン電極28側とに分離した後、前記ブロッ
キング膜25をその全厚にわたって酸化させて酸化絶縁
膜25aとすれば、ソース電極27とドレイン電極28
との間を電気的に分離して、i型半導体膜24にチャン
ネルを形成することができる。
【0052】この場合、上記製造方法では、ブロッキン
グ膜25の酸化処理を、ソース電極27およびドレイン
電極28を保護絶縁膜30で覆い、この保護絶縁膜30
をソース電極27とドレイン電極28との間の部分にお
いて分離してブロッキング膜25を露出させた状態で行
なっているため、ブロッキング膜25の酸化処理に際し
て、ソース電極27およびドレイン電極28が酸化され
ることはない。
【0053】また、上記製造方法では、上記保護絶縁膜
30の上に形成したデータ配線31も酸化処理して、こ
のデータ配線31の表面に酸化絶縁膜31aを生成させ
ているため、この酸化絶縁膜31aがデータ配線31の
保護膜となるから、従来の製造方法のようにデータ配線
を覆うオーバコート絶縁膜を形成する必要はない。
【0054】したがって、上記製造方法によれば、i型
半導体膜25のチャンネルとなる領域を保護するブロッ
キング膜25をゲート絶縁膜23にダメージを与えるこ
となく形成して、ゲート電極22とソース,ドレイン電
極27,28との間の短絡の発生を防ぎ、薄膜トランジ
スタの製造歩留を向上させることができる。
【0055】また、上記製造方法によれば、上記ブロッ
キング膜(金属膜)25をスパッタ装置により短い時間
で成膜できるとともに、従来のようにデータ配線を覆う
オーバコート絶縁膜を形成する必要もないため、プラズ
マCVD装置による成膜回数を少なくすることができる
し、しかも、ブロッキング膜25とデータ配線31との
酸化処理を同時に行なっているために、これらの酸化処
理も能率よく行なうことができるから、薄膜トランジス
タを能率よくかつ低コストに製造することができる。
【0056】なお、上記実施例では、ブロッキング膜2
5をデータ配線31に用いる金属と同じ金属で形成して
いるが、このブロッキング膜25とデータ配線31とは
別の金属で形成してもよく、例えばデータ配線31をブ
ロッキング膜25よりも酸化進行速度の遅い金属で形成
すれば、このデータ配線31の膜厚をある程度薄くして
も、データ配線31の表面を酸化させる間にブロッキン
グ膜25をその全厚にわたって酸化させることができ
る。
【0057】また、上記実施例は、アクティブマトリッ
クス液晶表示装置の基板上に形成する薄膜トランジスタ
を製造する例であるが、本発明は、ソ−ス電極とドレイ
ン電極との両方に配線を接続して各種電子回路を構成す
る薄膜トランジスタの製造にも適用できるもので、その
場合は、ソース電極およびドレイン電極を覆って形成し
た保護絶縁膜にソース電極とドレイン電極の一部をそれ
ぞれ露出させる2つのコンタクト孔を形成し、この保護
絶縁膜の上に前記各コンタクト孔においてソース電極お
よびドレイン電極にそれぞれつながるデータ配線を形成
するとともに、ブロッキング膜の酸化処理時に両方のデ
ータ配線の表面を酸化させればよい。
【0058】
【発明の効果】本発明によれば、i型半導体膜のチャン
ネルとなる領域を保護するブロッキング膜を金属で形成
し、n型半導体膜をソース電極側とドレイン電極側とに
分離した後に、前記ブロッキング膜を酸化絶縁膜とする
ことによってソース電極とドレイン電極との間を電気的
に分離しているため、前記ブロッキング膜をゲート絶縁
膜にダメージを与えることなく形成して、ゲート電極と
ソース,ドレイン電極との間の短絡の発生を防ぎ、薄膜
トランジスタの製造歩留を向上させることができる。
【0059】しかも、本発明によれば、上記ブロッキン
グ膜を金属で形成しているため、このブロッキング膜を
スパッタ装置によって成膜できるとともに、ソース,ド
レイン電極を覆う保護絶縁膜の上に形成したデータ配線
も酸化処理して、このデータ配線の表面に酸化絶縁膜を
生成させているため、従来の製造方法のようにデータ配
線を覆うオーバコート絶縁膜を形成する必要はないか
ら、プラズマCVD装置による成膜回数を少なくするこ
とができるし、また、前記ブロッキング膜とデータ配線
との酸化処理を同時に行なっているために、これらの酸
化処理も能率よく行なうことができるから、薄膜トラン
ジスタを能率よくかつ低コストに製造することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による薄膜トランジスタの製
造方法を示す各工程における断面図。
【図2】従来の薄膜トランジスタの断面図。
【符号の説明】
21…基板、22…ゲート電極、23…ゲート絶縁膜、
24…i型半導体膜、25…ブロッキング膜(金属
膜)、25a…酸化絶縁膜、26…n型半導体膜、27
…ソース電極、28…ドレイン電極、29…画素電極、
30…保護絶縁膜、31…データ配線、31a…酸化絶
縁膜。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に、ゲート電極と、このゲート電極
    を覆うゲート絶縁膜と、このゲート絶縁膜をはさんで前
    記ゲート電極と対向するi型半導体膜と、このi型半導
    体膜のチャンネルとなる領域を覆う金属からなるブロッ
    キング膜とを形成する工程と、 前記i型半導体膜の上にn型半導体膜を介してソース電
    極およびドレイン電極を形成するとともに、前記n型半
    導体膜を前記ブロッキング膜の上においてソース電極側
    とドレイン電極側とに分離する工程と、 前記ソース電極およびドレイン電極を保護絶縁膜で覆
    い、この保護絶縁膜を前記ソース電極とドレイン電極と
    の間の部分において分離して前記ブロッキング膜を露出
    させるとともに、この保護絶縁膜に前記ソース電極とド
    レイン電極とのうち少なくとも一方の電極の一部を露出
    させるコンタクト孔を形成する工程と、 前記保護絶縁膜の上に、前記コンタクト孔において前記
    ソース電極とドレイン電極とのうち少なくとも一方の電
    極につながるデータ配線を形成する工程と、 前記ブロッキング膜と前記データ配線とを同時に酸化処
    理して、前記ブロッキング膜をその全厚にわたって酸化
    絶縁膜とするとともに、前記データ配線の表面に酸化絶
    縁膜を生成させる工程と、 からなることを特徴とする薄膜トランジスタの製造方
    法。
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