JP3129924B2 - 作業車の変速装置 - Google Patents

作業車の変速装置

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JP3129924B2 JP06297736A JP29773694A JP3129924B2 JP 3129924 B2 JP3129924 B2 JP 3129924B2 JP 06297736 A JP06297736 A JP 06297736A JP 29773694 A JP29773694 A JP 29773694A JP 3129924 B2 JP3129924 B2 JP 3129924B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばコンバイン等の
作業車に供せられる変速装置に関し、詳しくは、ベルト
式無段変速装置からの動力を受けて変速する前後進変速
装置と、この前後進変速装置への動力を入り切りする前
後進切換用油圧クラッチ及びそのクラッチに対する制御
バルブとを設けて伝動系を構成するとともに、前記ベル
ト式無段変速装置に対する変速操作具と、この変速操作
具への操作に基づいてその操作方向に変速操作具を駆動
して前記ベルト式無段変速装置の変速状態を切り換える
駆動装置と、前記変速操作具の前後進いずれか一方への
操作によって前記前後進切換用油圧クラッチを前記変速
操作具の操作方向に対応した状態に切り換えるべく前記
変速操作具と前記制御バルブとを連係する連係機構とを
設けて操作系を構成し、前記変速操作具の操作移動を感
知する前記操作方向感知センサの検出状態を維持してい
る間、前記変速操作具の操作移動方向に前記変速操作具
を駆動すべく駆動装置を制御する制御手段を設けてある
作業車の変速装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の作業車の変速装置においては、
無段変速装置の中立状態から増速状態へのいずれか一方
へ切り換わる時点(つまり、変速操作具が中立位置より
前後進いづれか一方へ操作される時点)と、前後進切換
バルブの中立状態より前後進いずれかに切り換わる時点
とを、略同一時点に定めていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような従来構成で
あれば、変速操作具の中立操作域Lと前後進切換バルブ
Vの前後進切換域Sとが等しくなっているので、変速操
作具を中立操作域Lより前後進いずれかへ切換操作する
場合に、変速操作具を中立操作域Lと前後進操作域との
境界近傍で停止させた場合には、前後進切換バルブVが
切り換わり途中の段階にあって、中立操作域か或いは前
後進域かいずれかに決まらないために、それによって走
行状態も不安定な状態になることがあった。本発明の目
的は、上記実情に鑑みてなされたものであって、前後進
切換バルブの前後進状態への切換えを確実に行うことの
できる作業車の変速装置を提供する点にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本第1発明にかかる特徴
構成は、前記前後進切換バルブの前後進切換操作域よ
前記変速操作具における中立操作域を大きくするととも
に、前記変速操作具が前記中立操作域に操作されている
ことを検出する中立検出手段を設け、前記制御手段によ
って、前記中立検出手段が中立出力を出力している状態
で、一方の操作方向感知センサが変速操作具の前後進域
一方への操作移動を感知した場合には、前記中立検出手
段が中立出力を出力しなくなるまで前記駆動装置を駆動
し、前記制御バルブを切り換えるべく構成する点にあ
り、その作用・効果は次の通りである。
【0005】
【作用】つまり、前記変速操作具が中立操作域より前後
進域への操作がなされた場合には、その後の変速操作具
への操作にかかわりなく、駆動装置で変速操作具を駆動
し、前記中立検出手段が中立出力を出力しなくなるまで
前記駆動装置の駆動状態を維持する。これによって、変
速操作具の中立操作域を脱出して前後進域に切換えが行
えると同時に、変速操作具の中立操作域を脱出する前に
制御バルブを前後進域に切り換えることができるので、
制御バルブを切り換わり途中の状態に設定することはな
い。
【0006】
【発明の効果】これによって、制御バルブを切り換わり
途中の状態に設定した場合に見られる前後進油圧クラッ
チへの供給油圧を十分なものにできず、油圧クラッチが
入り切りを頻繁繰り返すようなハンチング状態を回避で
き、走行状態を安定したものにできる。
【0007】〔その他の目的・構成・作用・効果〕 (1) 請求項2における発明の目的は、請求項1におけ
る発明の目的と同様に前後進切換バルブの前後進切り換
わり域境界での十分な切り換わり状態にならない点を回
避できる点にあり、この為に採られた構成は、前記前後
進切換バルブの前後進切換操作域より前記変速操作具に
おける中立操作域を大きくするとともに、前記変速操作
具が前記中 立操作域に操作されていることを検出する中
立検出手段を設け、前記制御手段によって、前記中立検
出手段が中立出力を出力していない状態で、前記操作方
向感知センサが変速操作具の前記中立への操作移動を感
知した場合には、前記中立検出手段が中立出力を出力し
た状態より所定時間経過するまで前記駆動装置を駆動
し、前記制御バルブを切り換えるべく構成する点にあ
り、その作用効果は次の通りである。つまり、前後進状
より中立状態に戻す場合には、変速操作具を操作し
て、前記中立検出手段が中立出力を出力する状態になる
と、その切り換わり時点より、所定時間経過するまでは
前記駆動装置を駆動して変速操作具を中立位置に戻し
て、制御バルブを前後進切換域に確実に切り換える。こ
れによって、制御バルブを切り換わり途中の状態に設定
した場合に見られる前後進油圧クラッチへの供給油圧を
十分なものにできず、油圧クラッチが入り切りを頻繁に
繰り返すようなハンチング状態を回避できる。
【0008】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1に、作業車の一例としてのコンバインの変速
装置を示している。すなわち、エンジンEからの動力が
テンションクラッチ(図示せず)を備えたベルト伝動機
構Bを介して、ベルト式無段変速装置1の入力プーリ2
に伝達され、このベルト式無段変速装置1からの出力動
力がミッションケース3内に入力されるようにしてい
る。
【0009】図1及び図2に示すように、ミッションケ
ース3内において、前進用伝動軸4及び後進用伝動軸5
が、平行に並べて配設されており、ミッションケース3
の左右中央から図1の紙面左方の横一側方に偏らせて配
置されている。前進用の動力をミッションケース3内の
伝動下手側に伝達する前進用油圧クラッチ6及び前進用
入力ギア7が、前進用伝動軸4に取り付けられており、
後進用の動力をミッションケース3内の伝動下手側に伝
達する後進用油圧クラッチ8及び後進用入力ギア9が、
前進用入力ギア7に歯合した状態で後進用伝動軸5に取
り付けられて、前後進変速装置49を構成する。
【0010】ミッションケース3の上部において、図1
に示すように、前進用及び後進用伝動軸4,5にわたる
油圧プレート10を連結しており、前後進切換用バルブ
(V)からの作動油を、前進用及び後進用伝動軸4,5
の内部油路を介して、前進用油圧クラッチ6及び後進用
油圧クラッチ8に供給するように構成している。さら
に、図1に示すように、コンバインの機体前部の刈取前
処理部(図示せず)用のギア対11、このギア対11を
支持する支軸としての第1伝動軸12、出力軸13及び
刈取前処理部用油圧クラッチ14、並びに、ベルト式無
段変速装置1からの動力を入力する入力軸15を、ミッ
ションケース3内において前進用及び後進用伝動軸4,
5の上側で、前進用及び後進用伝動軸4,5と同じ側の
ミッションケース3の横一側方に偏らせて配置してい
る。ここで、ギア対11のうち第1ギア11aと、前記
入力軸15に設けた駆動ギア16及び前進用入力ギア7
とが歯合しているとともに、ギア対11のうち第2ギア
11bと、前記刈取前処理部用油圧クラッチ14の入力
ギア17とが咬合している。そして、これらギア対1
1、駆動ギア16及び入力ギア17は刈取前処理部と前
後進伝動軸への伝動機構18を構成している。尚、前記
前進用入力ギア7、後進用入力ギア9、入力ギア17
は、各油圧クラッチ6,8,14がオフ状態のとき遊転
状態となるように、前記各軸4,5,12に支持されて
いる。
【0011】さらに、図1に示すように、前進用油圧ク
ラッチ6及び後進用油圧クラッチ8の出力は、副変速装
置19及びサイドクラッチ20,20を介してクローラ
走行装置21,21の車軸22,22に伝動するように
構成している。
【0012】次に、ベルト式無段変速装置1について説
明する。図2に示すように、ベルト式無段変速装置1
は、駆動プーリPKと、受動プーリPJと、これら両プ
ーリに亘る伝動ベルト23とを半割り構造の伝動ケース
Caに内装して構成されている。駆動及び受動の両プー
リPK,PJ共にベルト巻回半径を可変調節可能な割り
プーリ構造に構成され、各プーリのベルト巻回半径は背
反的に大小調節されるように連係してある。
【0013】伝動上手側の駆動軸24に対して半割ケー
ス25Aの外側部分に、動力が伝達されてくる入力プー
リ2が固定され、駆動軸24における半割ケース25A
の内側部分に駆動プーリPKが装着されている。駆動プ
ーリPKは駆動軸24に固定取付けされる固定プーリ片
27Aと可動プーリ片27Bとで構成され、固定プーリ
片27Aに対向して可動プーリ片27Bが駆動軸24
に、ボール及び溝の構造により一体回転且つ軸芯方向に
移動自在に外嵌されている。
【0014】可動プーリ片27Bのボス部にリング部材
28がベアリング29を介して回転自在に外嵌され、リ
ング部材28に固定された一対のピン28aに受け部材
28bが取付けられており、他方の半割ケース25Bの
凹部25aに入り込んでリング部材28が回り止めされ
ている。円筒状のカム部材30が一対のベアリング31
を介して駆動軸24に外嵌されており、左右対象な一対
の傾斜面30aで構成された凹部がカム部材30に一対
形成されて、リング部材28のピン28aのローラー2
8cがカム部材30の一対の凹部に入り込んでいる。
【0015】伝動下手側の受動軸32においては、他方
の半割ケース25Bの内側部分に固定プーリ片33が配
置され、この固定プーリ片33に対向して可動プーリ片
34が受動軸32に一体回転かつ軸芯方向移動自在に外
嵌されている。この受動軸32の可動プーリ片34はバ
ネ35で固定プーリ片33側に付勢され、受動軸32側
の負荷が大きくなるのに比例して可動プーリ片34を固
定プーリ片33側に押すカム機構36が設けられてい
る。
【0016】図2に示す状態は、駆動軸24の可動プー
リ片27Bが固定プーリ片27Aから紙面左方に最も離
れ、受動軸32の可動プーリ片34が固定プーリ片33
に最も接近した最低速位置の状態である。そして、この
状態からカム部材30を右及び左に回転させると傾斜面
30aを介して、リング部材28及び駆動軸24の可動
プーリ片27Bが、固定プーリ片27A側に押し操作さ
れて接近して、駆動プーリPKでの伝動ベルト23の巻
回半径が大きくなっていき、これに伴って受動軸32の
可動プーリ片34が、固定プーリ片33から紙面右方に
離れていくことで無段変速装置1が高速側に変速操作さ
れる。
【0017】次に、このベルト式無段変速装置1の変速
操作構造について説明する。図2、図3に示すように、
半割ケース25Bの外側においてカム部材30のボス部
にボス部材37が固定され、ボス部材37に変速操作具
としての変速レバー38が支持されており、ボス部材3
7に扇型ギヤ39が固定されて、この扇型ギヤ39を回
転駆動する駆動装置としてのギヤードモータ40が備え
られている。そして、ボス部材37のアーム37aのピ
ン37bが、扇型ギヤ39の開孔39aに入り込んでお
り、変速レバー38の操作方向感知センサとしてのゴム
状の一対の感圧センサー41がアーム37aのピン37
bを挟み込むように扇型ギヤ39に固定されている。
【0018】図3に示す状態は変速レバー38を中立停
止位置に操作している状態であり、この状態から変速レ
バー38を紙面前後方向に操作してカム部材30を回転
させようとすると、この操作によりアーム37aのピン
37bが感圧センサー41に押圧され感圧センサー41
から制御手段46に入った信号により、変速レバー38
の操作方向にボス部材37及び扇型ギヤ39が回転する
ようにモータ40が作動して、ベルト式無段変速装置1
が高速側に変速操作される。そして、変速レバー38の
操作を所望の操作位置で止めるとモータ40も停止し
て、変速レバー38及びベルト式無段変速装置1がモー
タ40によりこの操作位置に保持される。
【0019】図3及び図4に示すように、扇型ギヤ39
に円弧状の抜孔39Aを設けるとともに、この抜孔39
Aの内向きに突出する突起39Bを設け、さらにこの突
起39Bに接触して検出するリミットスイッチ42を設
け、変速操作レバー38の中立操作域Lを検出する中立
検出手段を構成する。次に、ベルト式の無段変速装置
1、前進用及び後進用油圧クラッチ6,8の操作構造に
ついて説明する。図4及び図5において、ポンプ47の
作動油を制御バルブとしての前後進切換バルブVを介し
て前進用及び後進用油圧クラッチ6,8に供給するとと
もに、変速レバー38に対してレバーガイド43を設
け、レバーガイド43に変速レバー38の中立停止位置
Nに対応する中立経路43N、前進側経路43F及び後
進側経路43Rを備えて構成されている。変速レバー3
8側の扇型ギヤ39と前後進切換バルブVとを、連係機
構としてのプッシュプルワイヤ44及び融通機構45を
介して連係している。
【0020】以上の構造により図5に示すように、変速
レバー38をレバーガイド43の中立経路43N(中立
停止位置N)の中央に操作していると、無段変速装置1
は図6に示すように最低速位置に操作されている。そし
て、この状態において前後進切換バルブVを中立停止位
置Nに操作して、前進用及び後進用油圧クラッチ6,8
を切り操作すると機体は停止する。この状態から、変速
レバー38を中立経路43Nにおいて前進側経路43F
側に操作し前進側経路43Fに沿って操作し始めると、
ピン37bが感圧センサー41に押圧されて、感圧セン
サー41の検出に基づきモータ40が扇型ギヤ39を図
2の紙面反時計方向に移動操作していくのであり、プッ
シュプルワイヤ44により前後進切換バルブVが中立停
止位置から前進位置に切換操作される。
【0021】これにより、前進用油圧クラッチ6が入り
操作され、無段変速装置1が最低速位置から高速側に操
作されて機体は前進していく。そして、変速レバー41
の操作を所望の操作位置で止めるとモータ40も停止し
て、変速レバー38及び無段変速装置1がモータ40に
よりこの操作位置に保持されるのであり、前後進切換バ
ルブVの切換操作量以上の変速レバー38の操作が、融
通機構45により吸収される。以上の状態とは逆に、図
4に示す状態から変速レバー38を後進側経路43R側
に操作すると、機体は後進する。
【0022】そして、前記した前後進操作において次の
ような制御形態が付け加えられている。つまり、図6に
示すように、前後進切換バルブVの前後進切換操作域S
より、変速レバー38における中立操作域Lを大きくし
ている。この構造に対する具体構成としては、扇形ギヤ
39の回転によってリミットスイッチ42が中立出力を
出す出力域Lよりも、そのLに相当する分だけ扇型ギヤ
39が回転した際に前後進切換バルブVのスプールが押
し引き一方の操作をされてそのスプールが移動した長さ
より大きく採ることによって対処している。そこで、変
速レバー38が中立操作域Lより完全に脱出しない状態
でも前後進切換バルブVは前後進いづれかの状態に切り
換わる。このような制御構造において、変速レバー38
を中立位置より前後進いずれか一方に操作をすると、前
記リミットスイッチ42が中立状態を検出している場合
においては、扇型ギヤ39を駆動し前記リミットスイッ
チ42が中立操作域を検出しなくなるまで、扇型ギヤ3
9の駆動状態を維持する。これによって、前後進切換バ
ルブVを前後進いずれかの操作域に確実に切り換えるこ
とができる。
【0023】〔別実施例〕 (1) 前記した制御に替えて次のような制御を行っても
よい。つまり、図6に示すように、中立検出手段42が
中立であることを出力するに相当する変速操作レバーの
中立操作域Lを前記前後進切換バルブVの前後進切換域
Sより大きくする構成を維持しながら、一旦操作レバー
38への操作を行った状態では、その操作レバー38へ
の操作によって圧縮操作された一方の感圧センサ41と
対向状態に設置されている他方の感圧センサ41が操作
レバー38の移動圧を受けて検出作動しない限り、モー
タ40を停止しないようにする。そして、この制御構成
を採る場合の前提構成として、一対の感圧センサ41,
41の間隔を、扇型ギヤ39の回転によって、引き操作
される前後進切換バルブVのスプールにおける、中立か
ら前後進何れか一方への切り換わりストロークより大き
く設定する。これによって、操作レバー38を中立停止
位置Nまで操作してレバーガイド43の中立経路43N
の行き止まり部分へ接当して操作レバー38の移動を停
止させても、モータ40は他方の感圧センサ41が操作
レバー38の移動圧を受けて検出作動するまでは、駆動
装置40を停止しない。これによって、制御バルブを切
り換わり途中の状態に設定した場合に見られる前後進油
圧クラッチ6,8への供給油圧を十分なものにできず、
油圧クラッチが入り切りを頻繁に繰り返すようなハンチ
ング状態を回避できる。
【0024】(2) 前記制御形態に替えて、次のような
制御形態を採ってもよい。つまり、前後進一方の操作域
より中立位置へ復帰させる場合には、操作レバー38が
中立操作域Lに入ったことをリミットスイッチ42が検
出した場合には、その検出した時点よりタイマー48を
作動させて、所定時間経過後にモータ40を停止させる
ようにする。これによって、制御バルブを切り換わり途
中の状態に設定した場合に見られる前後進油圧クラッチ
6,8への供給油圧を十分なものにできず、油圧クラッ
チが入り切りを頻繁に繰り返すようなハンチング状態を
回避できる。
【0025】(3) 前記した制御に替えて次のような制
御を行ってもよい。つまり、中立検出手段42が中立で
あることを出力する状態に相当する操作レバー38の中
立操作域Lを前記前後進切換バルブVの前後進切換域S
より大きくする構成を維持しながら、中立操作域Lにお
いて一旦操作レバー38への操作を行った状態では、前
後進域において操作レバー38への操作によって一方の
感圧センサ41が圧縮操作された場合に扇型ギヤ39が
回転する速度より、中立操作域Lで感圧センサ41が圧
縮操作された場合における回転速度を大きく設定してあ
る。これによって、制御バルブを切り換わり途中の状態
に設定した場合に見られる前後進油圧クラッチ6,8へ
の供給油圧を十分なものにできず、油圧クラッチが入り
切りを頻繁に繰り返すようなハンチング状態を回避でき
る。
【0026】(4) 中立検出手段としては、リミットス
イッチ42以外に、光等の非接触式センサを利用しても
よい。 (5) 操作方向感知センサ41として、感圧式のセンサ
を利用しているが、光等の非接触式センサを利用するこ
とも可能である。 (6) 駆動装置40としては、モータ以外にシリンダ等
を利用することも可能である。 (7) 変速操作具38としては、レバー式ではなくスイ
ッチ式又はフット式等であってもよい。 (8) 変速操作具38と制御バルブVとを連係する機構
44としては、プッシュプルワイヤだけでなく、ロッド
とギヤ等を組み合わせても構成してもよい。
【0027】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンバインの走行伝動系を示す概略図
【図2】ベルト式無段変速装置を示す断面図
【図3】ベルト式無段変速装置に対する操作構造を示す
側面図
【図4】変速操作具と前後進切換バルブの連係を示す構
成図
【図5】ベルト式無段変速装置用操作具に対するレバー
ガイドを示す平面図
【図6】前後進切換バルブの中立操作域と操作具の中立
操作域とを示す図
【図7】制御構成図
【符号の説明】
1 ベルト式無段変速装置 6,8 前後進切換用油圧クラッチ 38 変速操作具 40 駆動装置 41 操作方向感知センサ 42 中立検出手段 44 連係機構 46 制御手段 49 前後進変速装置 L 中立操作域 S 前後進切換域 V 制御バルブ

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベルト式無段変速装置(1)からの動力
    を受けて変速する前後進変速装置(49)と、この前後
    進変速装置(49)への動力を入り切りする前後進切換
    用油圧クラッチ(6),(8)及びそのクラッチ
    (6),(8)に対する制御バルブ(V)とを設けて伝
    動系を構成するとともに、 前記ベルト式無段変速装置(1)に対する変速操作具
    (38)と、この変速操作具(38)への操作に基づい
    てその操作方向に変速操作具(38)を駆動して前記ベ
    ルト式無段変速装置(1)の変速状態を切り換える駆動
    装置(40)と、前記変速操作具(38)の前後進いず
    れか一方への操作によって前記前後進切換用油圧クラッ
    チ(6),(8)を前記変速操作具(38)の操作方向
    に対応した状態に切り換えるべく前記変速操作具(3
    8)と前記制御バルブ(V)とを連係する連係機構(4
    4)とを設けて操作系を構成し、 前記変速操作具(38)の操作移動を感知する前記操作
    方向感知センサ(41)の検出状態を維持している間、
    前記変速操作具(38)の操作移動方向に前記変速操作
    具(38)を駆動すべく駆動装置(40)を制御する制
    御手段(46)を設けてある作業車の変速装置であっ
    て、前記前後進切換バルブ(V)の前後進切換操作域(S)
    より前記変速操作具(38)における中立操作域(L)
    を大きくするとともに、前記変速操作具(38)が前記
    中立操作域(L)に操作されていることを検出する中立
    検出手段(42)を設け、 前記制御手段(46)によって、前記中立検出手段(4
    2)が中立出力を出力している状態で、一方の操作方向
    感知センサ(41)が変速操作具(38)の前後進域一
    方への操作移動を感知した場合には、前記中立検出手段
    (42)が中立出力を出力しなくなるまで前記駆動装置
    (40)を駆動し、前記制御バルブ(46)を切り換え
    るべく構成する作業車の変速装置。
  2. 【請求項2】 ベルト式無段変速装置(1)からの動力
    を受けて変速する前後進変速装置(49)と、この前後
    進変速装置(49)への動力を入り切りする前後進切換
    用油圧クラッチ(6),(8)及びそのクラッチ
    (6),(8)に対する制御バルブ(V)とを設けて伝
    動系を構成するとともに、 前記ベルト式無段変速装置(1)に対する変速操作具
    (38)と、この変速操作具(38)への操作に基づい
    てその操作方向に変速操作具(38)を駆動して前記ベ
    ルト式無段変速装置(1)の変速状態を切り換える駆動
    装置(40)と、前記変速操作具(38)の前後進いず
    れか一方への操作によって前記前後進切換用油圧クラッ
    チ(6),(8)を前記変速操作具(38)の操作方向
    に対応した状態に切り換えるべく前記変速操作具(3
    8)と前記制御バルブ(V)とを連係する連係機構(4
    4)とを設けて操作系を構成し、 前記変速操作具(38)の操作移動を感知する前記操作
    方向感知センサ(41)の検出状態を維持している間、
    前記変速操作具(38)の操作移動方向に前記変速操作
    具(38)を駆動すべく駆動装置(40)を制御する制
    御手段(46)を設けてある作業車の変速装置であっ
    て、前記前後進切換バルブ(V)の前後進切換操作域(S)
    より前記変速操作具(38)における中立操作域(L)
    を大きくするとともに、前記変速操作具(38)が前記
    中立操作域(L)に操作されていることを検出する中立
    検出手段(42)を設け、 前記制御手段(46)によって、前記中立検出手段(4
    2)が中立出力を出力していない状態で、前記操作方向
    感知センサ(41)が変速操作具(38)の前記中立へ
    の操作移動を感知した場合には、前記中立検出手段(4
    2)が中立出力を出力した状態より所定時間経過するま
    で前記駆動装置(40)を駆動し、前記制御バルブ
    (V)を切り換えるべく構成する作業車の変速装置。
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