JP3129824B2 - 自動二輪車の操向軸支承部におけるテーパベアリングのシール構造 - Google Patents

自動二輪車の操向軸支承部におけるテーパベアリングのシール構造

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JP3129824B2
JP3129824B2 JP04079097A JP7909792A JP3129824B2 JP 3129824 B2 JP3129824 B2 JP 3129824B2 JP 04079097 A JP04079097 A JP 04079097A JP 7909792 A JP7909792 A JP 7909792A JP 3129824 B2 JP3129824 B2 JP 3129824B2
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head pipe
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静雄 千崎
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、インナレースとアウ
タレースの間をシールする環状のシールを備えた自動二
輪車の操向軸支承部におけるテーパベアリングのシール
構造に関する。
【0002】
【従来の技術】自動二輪車における操向軸は、通常、上
下一対のテーパベアリングを介して車体フレームのヘッ
ドパイプに回動自在に支承されている。そして、上記
上、下テーパベアリングのうち、例えば、下側のもの
は、次のように構成されている。
【0003】即ち、上記した下側のテーパベアリングは
軸心がほぼ縦向きとされ、このテーパベアリングを構成
するインナレースの下端に環状のシールが嵌着されてい
る。そして、同上テーパベアリングを構成するアウタレ
ースの下端に向って突出する環状のシールリップが上記
シールに形成され、このシールリップの突出端周縁が上
記アウタレースの下端部端面に圧接させられている。そ
して、このシールによって、インナレースとアウタレー
スの各下端間がシールされている。
【0004】ところで、上記の場合、テーパベアリング
は、インナレースとアウタレースとを軸方向で互いに嵌
合させて、この軸方向で、これら両レースの相対位置を
適正に定めるようになっているが、上記各レースや、こ
れら両者間に介設される回転体には成形誤差があり、こ
の誤差により、シールリップの突出寸法が不足してその
シール性が低下するおそれがある。そこで、従来、この
誤差を吸収する分だけ、シールリップの突出寸法が大き
くされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようにシールリップの突出寸法を大きくすると、その分
だけ、レースの端面に対する上記シールリップの圧接力
が大きくなり、このため、両レースの相対的な回動が重
くなって、操向軸を円滑に回動させることがし難くな
という不都合がある。
【0006】
【発明の目的】この発明は、上記のような事情に注目し
てなされたもので、テーパベアリングを構成するインナ
レースとアウタレースの間のシール性が良好に保たれ、
しかも、このようにシール性を良好に保った状態で、同
上両レースの相対的な回動が円滑にできるようにして、
操向軸を円滑に回動させることができるようにすること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
のこの発明の特徴とするところは、ヘッドパイプ3の内
周面と、このヘッドパイプ3と同じ軸心上でこのヘッド
パイプ3に嵌入された操向軸38の外周面との間に下テ
ーパベアリング(テーパベアリング)40を介設し、こ
の下テーパベアリング(テーパベアリング)40が上記
操向軸38に外嵌するインナレース48と、上記ヘッド
パイプ3に内嵌するアウタレース49と、上記インナレ
ース48とアウタレース49の間に介設されるテーパロ
ーラ50と、上記ヘッドパイプ3の軸方向の一方向Aに
おける上記インナレース48とアウタレース49の各端
部の間をシールするシール51とを備え、このシール5
1が上記インナレース48の端部に嵌着されるシールフ
レーム54と、このシールフレーム54に接着されるシ
ール本体55と、このシール本体55から一体的に突出
してその突出端が上記アウタレース49の端部端面57
に圧接するシールリップ56とを備えた自動二輪車の操
向軸支承部におけるテーパベアリングのシール構造にお
いて、
【0008】1)上記シールフレーム54が、上記イン
ナレース48の端部外周面に嵌着される内筒部54a
と、この内筒部54aの上記軸方向の一方向Aにおける
端部から径方向外方に向って一体的に延びる円環状のフ
ランジ部54bと、このフランジ部54bの外周縁から
上記軸方向の他方向Bに向って上記アウタレース49の
端部に接近するよう一体的に延びる外筒部54cとを備
え、
【0009】2)上記外筒部54cに上記シール本体5
5を接着させ、上記シールリップ5 6を、上記シール本
体55から一旦上記軸方向の他方向Bに向って突出させ
た後、上記他方向Bに向うに従い径寸法が漸次大きくな
るよう形成すると共にその断面を突出端に向っての先細
形状にし、
【0010】3)上記外筒部54cの突出端よりも上記
軸方向の他方向Bに離れた位置の上記外筒部54cの突
出端近傍で、上記シールリップ56の外周面に周方向に
延びる溝58を形成した点にある。
【0011】
【作 用】上記構成による作用は次の如くである。
【0012】1)シールフレーム54が、インナレース
48の端部外周面に嵌着される内筒部54aと、この内
筒部54aの軸方向の一方向Aにおける端部から径方向
外方に向って一体的に延びる円環状のフランジ部54b
と、このフランジ部54bの外周縁から上記軸方向の他
方向Bに向ってアウタレース49の端部に接近するよう
一体的に延びる外筒部54cとを備えている。
【0013】このため、上記シールフレーム54の断面
形状がほぼコの字形状となって、その剛性が増大するこ
とから、このシールフレーム54のインナレース48に
対する嵌着が強固になされると共に、上記シールフレー
ム54がシール本体55を強固に支持することとなる。
【0014】よって、上記アウタレース49の端部端面
57に圧接するシールリップ56が、上記アウタレース
49から反力を受けてこの反力が上記シール本体55を
介し上記シールフレーム54に伝えられるとき、このシ
ールフレーム54は上記反力に強固に対抗し、このた
め、上記アウタレース49の端部端面57に対するシー
ルリップ56の圧接力が所定の大きさに保持される。
【0015】2)上記外筒部54cに上記シール本体5
5を接着させ、上記シールリップ5 6を、上記シール本
体55から一旦上記軸方向の他方向Bに向って突出させ
た後、上記他方向Bに向うに従い径寸法が漸次大きくな
るよう形成してある。
【0016】このため、上記シールリップ56の突出端
側はほぼラッパ形状となることから、上記アウタレース
49からの反力により、上記シールリップ56の突出端
側はその径方向外方に向う大きい分力を与えられること
となる。
【0017】よって、上記アウタレース49の端部端面
57に対する上記シールリップ56の突出端の圧接力が
小さい場合でも、上記シールリップ56の突出端は、上
記アウタレース49からの反力の上記分力によって、そ
の径方向外方に撓み易くなる。
【0018】しかも、上記シールリップ56の断面をそ
の突出端に向っての先細形状としてある。
【0019】このため、上記シールリップ56の突出端
は上記分力により、更に、その径方向外方に撓み易くな
る。
【0020】よって、上記アウタレース49に対するシ
ールリップ56の突出端の圧接力が小さい場合でも、上
記シールリップ56の突出端は上記アウタレース49の
端部端面57に対し、より広い面積で圧接するよう撓む
こととなる。
【0021】また、上記シールフレーム54は、前記
1)項で示したように、断面がほぼコの字形状であり、
また、上記したように、外筒部54cに上記シール本体
55を接着させ、上記シールリップ56を、上記シール
本体55から一旦上記軸方向の他方向Bに向って突出さ
せてあるため、上記シール51は断面が全体的にほぼコ
の字形状となることから、シールフレーム側から上記シ
ールリップが単に径方向外方に突出しているものに比べ
て、上記シール51は、その径方向の厚さ寸法を小さく
できる。
【0022】3)上記外筒部54cの突出端よりも上記
軸方向の他方向Bに離れた位置の上記外筒部54cの突
出端近傍で、上記シールリップ56の外周面に周方向に
延びる溝58を形成してあり、次の効果が生じる。
【0023】即ち、上記インナレース48とアウタレー
ス49の軸方向における互いの成形誤差を吸収させよう
として、シールリップ56の突出寸法を大きくさせる
と、上記アウタレース49の端部端面57に対する上記
シールリップ56の突出端の圧接力は大きくなりがちで
ある。
【0024】しかし、この場合、上記アウタレース49
から受ける大きい反力により、上記シールリップ56は
上記溝58を形成した部分で曲げ変形して、上記圧接力
が小さく抑制されることとなる。
【0025】よって、上記したように圧接力が抑制され
る分、上記アウタレース49とシールリップ56との
の摩擦力が小さく抑えられて、上記両レース48,49
の相対的な回動が円滑にできる。
【0026】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面により説明す
る。
【0027】図2において、符号1は鞍乗型車両である
自動二輪車で、図中矢印Frはその前方を示している。
また、下記する左右とは上記前方に向っての方向をいう
ものとする。
【0028】上記自動二輪車1の車体フレーム2は、そ
の前端にヘッドパイプ3を有し、このヘッドパイプ3か
ら後下方に向って1本の主フレーム4が延び、この主フ
レーム4の後端から下方に向って左右一対のシートピラ
ーチューブ5が延びている。一方、上記主フレーム4の
下方で、同上ヘッドパイプ3から後下方に向ってダウン
チューブ6が延び、このダウンチューブ6の後端と上記
シートピラーチューブ5の下端とが互いに連結されてい
る。
【0029】また、上記主フレーム4の後端から後上方
に向って左右一対のシートレール8が延び、このシート
レール8を上記シートピラーチューブ5に支持するバッ
クステー9が設けられている。
【0030】上記ヘッドパイプ3にはフロントフォーク
11が操向自在に支承されている。このフロントフォー
ク11の下端には前輪12が支承され、同上フロントフ
ォーク11の上端にはバー式のハンドル13が取り付け
られている。また、上記前輪12の外周面を上方から覆
う樹脂製のフロントフェンダ14が設けられている。
【0031】一方、上記シートピラーチューブ5には枢
支軸15によりリヤアーム16が上下揺動自在に枢支さ
れ、このリヤアーム16の揺動端に後輪17が支承され
ている。上記リヤアーム16は上記主フレーム4の後端
に緩衝器18とリンク機構19により支持され、これら
緩衝器18とリンク機構19は上記後輪17が走行面か
ら受ける衝撃を吸収する。また、上記後輪17の外周面
を上方から覆うリヤフェンダ20から設けられている。
【0032】上記主フレーム4の下方において、車体フ
レーム2にエンジン21が取り付けられ、このエンジン
21はクランクケース22と、シリンダ23を有してい
る。上記エンジン21の吸気ポートには気化器24、吸
気管25、およびエアクリーナ26が連設されている。
一方、同上エンジン21の排気ポートから前下方に向っ
て排気管28が延び、この後、上記排気管28は後上方
に向って折り返され、この折り返し部が膨張管29とな
っている。また、この膨張管29の折り返し端は後方に
延び、その後端にサイレンサ30が取り付けられてい
る。
【0033】上記エンジン21の上方に燃料タンク32
が設けられている。この燃料タンク32は主フレーム4
を跨ぐように設けられて、車体フレーム2に支持され、
この燃料タンク32から上記気化器24を介しエンジン
21に燃料が供給される。33はラジエータで、このラ
ジエータ33はエンジン21の冷却用水を走行風によっ
て冷却する。
【0034】上記クランクケース22には動力伝達装置
34が連設されており、上記エンジン21の動力は上記
動力伝達装置34とチェーン巻掛機構35を介して前記
後輪17に伝えられ、自動二輪車1の走行が可能とな
る。
【0035】また、前記シートレール8と燃料タンク3
2にはシート36が支持され、このシート36上にライ
ダーが着座可能となっている。
【0036】図2と図3において、前記フロントフォー
ク11はその上部に操向軸38を有し、この操向軸38
は上テーパベアリング39と下テーパベアリング40と
によって、前記ヘッドパイプ3に対しその軸心回りに回
動自在に支承されている。この場合、ヘッドパイプ3の
内周面と、このヘッドパイプ3と同じ軸心上でこのヘッ
ドパイプ3に嵌入された上記操向軸38の外周面との間
に、上記上テーパベアリング39と下テーパベアリング
40とが介設されている。
【0037】上記操向軸38の上端には上ナット42と
下ナット43とがねじ付けられており、これら上ナット
42と下ナット43とにアッパブラケット44が挟み付
けられている。このようにして、上記操向軸38の上端
にアッパブラケット44が取り付けられ、このアッパブ
ラケット44に前記ハンドル13が取り付けられてい
る。また、上記操向軸38の下端にはロアブラケット4
5が取り付けられている。そして、上記アッパブラケッ
ト44とロアブラケット45に左右一対のフォークパイ
プ46が支持され、これらフォークパイプ46の下端間
に前記前輪12が支承されている。
【0038】そして、上記ハンドル13を操向操作すれ
ば、上記操向軸38がその軸心回りに回動し、これによ
り回動するフロントフォーク11によって、前輪12が
操向される。
【0039】図1と図3において、上記上テーパベアリ
ング39と下テーパベアリング40は、それぞれ上記操
向軸38に外嵌して固着されるインナレース48と、前
記ヘッドパイプ3に内嵌して固着されるアウタレース4
9と、これら両レース48,49間に介設される回転体
たる複数のテーパローラ50と、上記ヘッドパイプ3の
軸方向の一方向(下方向)Aにおける上記両レース4
8,49の各端部の間をシールする環状のシール51と
を備えている。
【0040】上記の場合、インナレース48とアウタレ
ース49は軸方向で互いに嵌合しているが、これら両者
の相対位置は上記下ナット43の締め付け力で微調整さ
れる。
【0041】図3において、前記下ナット43と、上テ
ーパベアリング39のインナレース48との間には板金
製で傘状のシール板53が挟み付けられており、このシ
ール板53は、車外から上記上テーパベアリング39を
通って、雨水等がヘッドパイプ3内に入り込もうとする
ことを防止する。
【0042】図1と図3において、上記下テーパベアリ
ング40につき詳しく説明する。
【0043】上記シール51は、上記インナレース48
の軸方向の一方向Aにおける下端部に外嵌して固着され
板金製で環状のシールフレーム54、このシールフ
レーム54に加硫接着されるゴム製で弾性のシール本体
55と、このシール本体55から一体的に突出してその
突出端が上記アウタレース49の下端部端面57に圧接
する環状のシールリップ56とを備えている。
【0044】また、上記シールフレーム54は、上記イ
ンナレース48の端部外周面に嵌着される内筒部54a
と、この内筒部54aの上記軸方向の一方向Aにおける
端部から径方向外方に向って一体的に延びる円環状のフ
ランジ部54bと、このフラ ンジ部54bの外周縁から
上記軸方向の他方向(上方向)Bに向って上記アウタレ
ース49の端部に接近するよう一体的に延びる外筒部5
4cとを備えている。
【0045】上記外筒部54cに上記シール本体55が
接着させられ、上記シールリップ56は、上記シール本
体55から一旦上記軸方向の他方向Bに向って一体的に
突出させられた後、上記他方向Bに向うに従い径寸法が
漸次大きくなるよう形成されると共にその断面は突出端
に向っての先細形状とされている。
【0046】上記シールリップ56の突出端周縁が上記
アウタレース49の下端端面57に摺動自在に圧接し
ている。そして、ハンドル13の操向操作で操向軸38
が回動するときには、シールリップ56が上記端面57
を摺動しながら、上記両レース48,49間をシールす
る。
【0047】上記外筒部54cの突出端よりも上記軸方
向の他方向Bに離れた位置の上記外筒部54cの突出端
近傍で、上記シールリップ56の突出方向の中途部表面
たる外周面に周方向に延びる溝58が形成されている
【0048】図1中、仮想線はシールリップ56が自由
状態にあるときの形状を示している。
【0049】なお、前記上テーパベアリング39は、上
記の下テーパベアリング40を倒立させたものと同じ構
成であるため、その説明は省略する。
【0050】しかして、上記構成によれば、ヘッドパイ
プ3の軸方向における上記両レース48,49の成形誤
差を吸収させようとして、シールリップ56の突出寸法
を大きくしても、レースの端面57に圧接するシールリ
ップ56の突出端側は、上記溝58によって容易に曲げ
変形し、つまり、軽い力で弾性変形することとなる。
【0051】よって、上記シールリップ56は小さい圧
接力でレースの端面57に確実に圧接して、これら両者
56,57間のシールが確実になされ、かつ、これら両
者56,57間の摩擦力が小さく抑えられることとな
る。
【0052】この結果、上記インナレース48とアウタ
レース49の間のシール性を良好に保った状態で、同上
両レース58,59の相対的な回動が円滑にできること
となる。つまり、ヘッドパイプ3に対する操向軸38の
回動が円滑となって、ハンドル13の操向操作が軽快に
できるようになっている。
【0053】また、上記したようにシールが確実になさ
れるため、上記端面57に対するシールリップ56の圧
接力を大きくしようとして、前記下ナット43を大きな
力で締結させる必要はなく、よって、その分、操向軸3
8の回動が円滑となって、この点でも、ハンドル13の
操向操作が軽快となる
【0054】
【発明の効果】この発明によれば、ヘッドパイプの内周
面と、このヘッドパイプと同じ軸心上でこのヘッドパイ
プに嵌入された操向軸の外周面との間にテーパベアリン
グを介設し、このテーパベアリングが上記操向軸に外嵌
するインナレースと、上記ヘッドパイプに内嵌するアウ
タレースと、上記インナレースとアウタレースの間に介
設されるテーパローラと、上記ヘッドパイプの軸方向の
一方向における上記インナレースとアウタレースの各端
部の間をシールするシールとを備え、このシールが上記
インナレースの端部に嵌着されるシールフレームと、こ
のシールフレームに接着されるシール本体と、このシー
ル本体から一体的に突出してその突出端が上記アウタレ
ースの端部端面に圧接するシールリップとを備えた自動
二輪車の操向軸支承部におけるテーパベアリングのシー
ル構造において、
【0055】1)上記シールフレームが、上記インナレ
ースの端部外周面に嵌着される内筒部と、この内筒部の
上記軸方向の一方向における端部から径方向外方に向っ
て一体的に延びる円環状のフランジ部と、このフランジ
部の外周縁から上記軸方向の他方向に向って上記アウタ
レースの端部に接近するよう一体的に延びる外筒部と
備えている。
【0056】このため、上記シールフレームの断面形状
がほぼコの字形状となって、その剛性が増大することか
ら、このシールフレームの上記インナレースに対する嵌
着が強固になされると共に、上記シールフレームが上記
シール本体を強固に支持することとなる。
【0057】よって、上記アウタレースの端部端面に圧
接する上記シールリップが、上記アウタレース側から反
力を受けてこの反力が上記シール本体を介し上記シール
フレームに伝えられるとき、このシールフレームは上記
反力に強固に対抗し、このため、上記アウタレースの端
部端面に対するシールリップの圧接力が所定の大きさに
保持されて、良好なシール性が確保される。
【0058】2)上記外筒部に上記シール本体を接着さ
せ、上記シールリップを、上記シール本体から一旦上記
軸方向の他方向に向って突出させた後、上記他方向に向
うに従い径寸法が漸次大きくなるよう形成してある。
【0059】このため、上記シールリップの突出端側は
ほぼラッパ形状となることから、上記アウタレースから
の反力により、上記シールリップの突出端側はその径方
向外方に向う大きい分力を与えられることとなる。
【0060】よって、上記アウタレースの端部端面に対
する上記シールリップの突出端の圧接力が小さい場合で
も、上記シールリップの突出端は、上記アウタレースか
らの反力の上記分力によって、その径方向外方に撓み易
くなる。
【0061】しかも、上記シールリップの断面をその突
出端に向っての先細形状としてある。
【0062】このため、上記シールリップの突出端は上
記分力により、更に、その径方向外 方に撓み易くなる。
【0063】よって、上記アウタレースに対するシール
リップの突出端の圧接力が小さい場合でも、上記シール
リップの突出端は上記アウタレースの端部端面に対し、
より広い面積で圧接するよう撓むこととなり、このた
め、より良好なシール性が確保される。
【0064】また、上記シールフレームは、前記1)項
で示したように、断面がほぼコの字形状であり、また、
上記したように、外筒部に上記シール本体を接着させ、
上記シールリップを、上記シール本体から一旦上記軸方
向の他方向に向って突出させてあるため、上記シールは
断面が全体的にほぼコの字形状となることから、シール
フレーム側から上記シールリップが単に径方向外方に突
出しているものに比べて、上記シールは、その径方向の
厚さ寸法を小さくできる。
【0065】よって、自動二輪車では、一般に、ヘッド
パイプの内周面と、操向軸の外周面との間は狭いもので
あるが、上記したシールによれば、このシールを上記し
た狭い空間に設置させることが容易にできる。
【0066】3)上記外筒部の突出端よりも上記軸方向
の他方向に離れた位置の上記外筒部の突出端近傍で、上
記シールリップの外周面に周方向に延びる溝を形成して
あり、次の効果が生じる。
【0067】即ち、上記インナレースとアウタレースの
軸方向における互いの成形誤差を吸収させようとして、
シールリップの突出寸法を大きくさせると、上記アウタ
レースの端部端面に対する上記シールリップの突出端の
圧接力は大きくなりがちである。
【0068】しかし、この場合、上記アウタレースから
受ける大きい反力により、上記シールリップは上記溝を
形成した部分で曲げ変形して、上記圧接力が小さく抑制
され ることとなる。
【0069】よって、上記したように圧接力が抑制され
る分、上記アウタレースとシールリップとの間の摩擦力
が小さく抑えられて、上記両レースの相対的な回動が円
滑にでき、勿論、この場合も、前記2)項で説明の通
り、良好なシール性が確保される。
【0070】即ち、本発明によれば、上記両レースの間
に、その軸方向で大小いずれかの成形誤差があるとして
も、上記レースの間のシール性が良好に保たれ、しか
も、このようにシール性を良好に保った状態で、同上両
レースの相対的な回動が円滑にでき、つまり、操向軸の
回動が円滑にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図3の部分拡大断面図である。
【図2】自動二輪車の全体側面図である。
【図3】ヘッドパイプにフロントフォークを支承させた
部分の正面断面図である。
【符号の説明】 2 車体フレーム 3 ヘッドパイプ 11 フロントフォーク 38 操向軸 39 上テーパベアリング(テーパベアリング) 40 下テーパベアリング(テーパベアリング) 48 インナレース 49 アウタレース 50 テーパローラ 51 シール54 シールフレーム 54a 内筒部 54b フランジ部 54c 外筒部 55 シール本体 56 シールリップ 57 端面 58 溝 一方向 他方向
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16C 33/78 F16J 15/32 311

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヘッドパイプの内周面と、このヘッドパ
    イプと同じ軸心上でこのヘッドパイプに嵌入された操向
    軸の外周面との間にテーパベアリングを介設し、このテ
    ーパベアリングが上記操向軸に外嵌するインナレース
    と、上記ヘッドパイプに内嵌するアウタレースと、上記
    インナレースとアウタレースの間に介設されるテーパロ
    ーラと、上記ヘッドパイプの軸方向の一方向における上
    記インナレースとアウタレースの各端部の間をシールす
    るシールとを備え、このシールが上記インナレースの端
    部に嵌着されるシールフレームと、このシールフレーム
    に接着されるシール本体と、このシール本体から一体的
    に突出してその突出端が上記アウタレースの端部端面に
    圧接するシールリップとを備えた自動二輪車の操向軸支
    承部におけるテーパベアリングのシール構造において、1)上記シールフレームが、上記インナレースの端部外
    周面に嵌着される内筒部と、この内筒部の上記軸方向の
    一方向における端部から径方向外方に向って一体的に延
    びる円環状のフランジ部と、このフランジ部の外周縁か
    ら上記軸方向の他方向に向って上記アウタレースの端部
    に接近するよう一体的に延びる外筒部とを備え、 2)上記外筒部に上記シール本体を接着させ、上記シー
    ルリップを、上記シール本体から一旦上記軸方向の他方
    向に向って突出させた後、上記他方向に向うに従い径寸
    法が漸次大きくなるよう形成すると共にその断面を突出
    端に向っての先細形状にし、 3)上記外筒部の突出端よりも上記軸方向の他方向に離
    れた位置の上記外筒部の突出端近傍で、上記シールリッ
    プの外周 面に周方向に延びる溝を形成した自動二輪車の
    操向軸支承部におけるテーパベアリングのシール構造。
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