JP3129628B2 - 燃料タンク用防錆鋼板 - Google Patents

燃料タンク用防錆鋼板

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JP3129628B2
JP3129628B2 JP07070260A JP7026095A JP3129628B2 JP 3129628 B2 JP3129628 B2 JP 3129628B2 JP 07070260 A JP07070260 A JP 07070260A JP 7026095 A JP7026095 A JP 7026095A JP 3129628 B2 JP3129628 B2 JP 3129628B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は燃料タンク用防錆鋼板に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、錫−亜鉛合金めっき鋼板は例え
ば、特開昭52−130438号公報のように亜鉛およ
び錫イオンを含む溶液中で電解する電気めっき法で主と
して製造されてきた。また錫−亜鉛合金めっき鋼板は亜
鉛以外に錫を含むため耐蝕性やハンダ性に優れており電
子部品などに多く使用されてきた。溶融めっき法ではめ
っき付着量を比較的容易に厚くすることができるため、
溶融めっき法で製造された製品は屋外用途等厳しい環境
で使用されている。例えば特開平4−214848号公
報では鉄系被めっき物に錫70〜98重量%の亜鉛−錫
合金めっきした被覆物やその製造法が開示されている。
特開平5−263208号公報では、鉄系基材に溶融亜
鉛または溶融亜鉛合金めっき層として錫を含む合金層、
または亜鉛とアルミニウムを含む合金層の上にクロムめ
っき層で順次被覆された亜鉛系めっき被覆物および製造
法が開示されている。一方、燃料ガソリンタンク材料と
してこれまで耐蝕性、加工性、ハンダ性等の優れたPb
−Snめっき鋼板が国内、海外共に主として用いられ実
燃料タンクとしての使用実績を積み重ねてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような電気めっき
法による錫−亜鉛めっき鋼板の使用によってハンダ性や
耐蝕性は改善されたものの、燃料タンクの様な長期耐蝕
性の要求される環境には付着量を厚くしためっき鋼板が
必要であるが、電気めっき法における付着量の制御は時
間と電流の大きさに依存するため、付着量は厚くできる
が処理時間を長くしたり、電流をたくさん流す必要があ
り、生産性や経済的に大きな問題を生ずる。また溶融め
っき法による錫−亜鉛めっき鋼板の使用によって塩水噴
霧においてもかなりの耐蝕性を示しているが、そのめっ
き層の構造は棚状層と柱状層といった特徴のある鉄−亜
鉛合金層が通常5〜35μm(その外側のめっき被覆層
が5〜40μm、好ましくは10〜30μm)とめっき
被覆層と同等以上も厚みがあって、素地腐食抑制に関し
合金層の寄与が非常に大きいと共に、燃料タンクのよう
な厳しい加工に関しては合金層はめっき被覆層よりも硬
度が高いためにこのような合金層のめっき被覆層に対す
る比率が高く厚みが厚い場合にはクラック等が入りやす
く燃料タンク内外面の腐食進展が遥に起こりやすくな
り、燃料タンク材料としては不向きである。
【0004】更に鉄系基材が亜鉛または亜鉛合金層と、
クロムめっき層で順次被覆された場合についてはクロム
被覆層も加わり耐蝕性等がさらに向上するが、亜鉛また
は亜鉛合金層の厚みが5〜75μm、好ましくは10〜
50μm、さらに好ましくは10〜30μmと非常に厚
く、上記と同様、合金層による耐蝕性の確保と共に、溶
融めっき法では素地鉄が合金層中に含有されるため硬度
が上昇し加工性が大幅に低下し燃料タンク材料としては
不向きである。Pb−Snめっき鋼板の使用において
は、車の寿命を満足する耐蝕性、車底部の複雑な構造に
合った加工ができること、燃料タンク部品を接合できる
ハンダ性、溶接性が確保されたものの、シュレッダーダ
スト等の産業廃棄物からのPb溶出規制等の環境規制に
対してはPb−Snめっき鋼板にはPbが含まれること
から好ましくない。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らはPb
がふくまれていない(不可避的不純物は除く)燃料タン
ク用防錆鋼板を提供することを目的に、鋼成分、被覆層
組織、構成等を種々検討したところ本構成の材料が燃料
タンク材料として必要な性能を満たすことを知見したも
のである。その要旨は、 (1) 重量%でC≦0.08%,Si≦0.1%,
0.05%≦Mn≦1.5%,P≦0.035%,Al
≦0.1%,0.2≦Cr≦6%を含む鋼に、Ni,F
e,Cr,Zn,Snの1種以上を含む合金層が片面当
たり厚み1.5μm以下あり、その上に錫:80〜99
%、残部亜鉛および不可避的不純物からなり、その中に
含まれる亜鉛晶の長径が250μm以上のものが表面か
ら見て20個以下/0.25mm2であり、片面当たりの
厚みが4〜50μmの錫−亜鉛合金めっき層があること
を特徴とする燃料タンク用防錆鋼板。
【0006】(2) 重量%でC≦0.08%,Si≦
0.1%,0.05%≦Mn≦1.5%,P≦0.03
5%,Al≦0.1%,0.2≦Cr≦6%、更にBを
0.0002〜0.0030%含有する鋼に、Ni,F
e,Cr,Zn,Snの1種以上を含む合金層が片面当
たり厚み1.5μm以下あり、その上に錫:80〜99
%、残部亜鉛および不可避的不純物からなり、その中に
含まれる亜鉛晶の長径が250μm以上のものが表面か
ら見て20個以下/0.25mm2であり、片面当たりの
厚みが4〜50μmの錫−亜鉛合金めっき層があること
を特徴とする燃料タンク用防錆鋼板。
【0007】(3) 重量%でC≦0.08%,Si≦
0.1%,0.05%≦Mn≦1.5%,P≦0.03
5%,Al≦0.1%,0.2≦Cr≦6%でTi,N
bの1種以上を(C+N)含有量の原子当量以上を含有
し上限を1.0%とする鋼に、Ni,Fe,Cr,Z
n,Snの1種以上を含む合金層が片面当たり厚み1.
5μm以下あり、その上に錫:80〜99%、残部亜鉛
および不可避的不純物からなり、その中に含まれる亜鉛
晶の長径が250μm以上のものが表面から見て20個
以下/0.25mm2であり、片面当たりの厚みが4〜5
0μmの錫−亜鉛合金めっき層があることを特徴とする
燃料タンク用防錆鋼板。
【0008】(4) 重量%でC≦0.08%,Si≦
0.1%,0.05%≦Mn≦1.5%,P≦0.03
5%,Al≦0.1%,0.2≦Cr≦6%でTi,N
bの1種以上を(C+N)含有量の原子当量以上を含有
し上限を1.0%とし、さらにBを0.0002〜0.
0030%含有する鋼に、Ni,Fe,Cr,Zn,S
nの1種以上を含む合金層が片面当たり厚み1.5μm
以下あり、その上に錫:80〜99%、残部亜鉛および
不可避的不純物からなり、その中に含まれる亜鉛晶の長
径が250μm以上のものが表面から見て20個以下/
0.25mm2であり、片面当たりの厚みが4〜50μm
の錫−亜鉛合金めっき層があることを特徴とする燃料タ
ンク用防錆鋼板。 (5) (1)〜(4)記載の外側にさらにCr換算量
で片面当たり0.2〜25mg/mm2のクロメート処理を有
することを特徴とする燃料タンク用防錆鋼板にある。
【0009】以下に本発明について詳細に説明する。鋳
片から熱間圧延、酸洗、冷間圧延等の熱処理、圧延等を
行った焼鈍済の鋼板、または圧延材を非めっき材として
使用し、圧延油の除去等の前処理を行った後、めっきを
行う。このようにして製造しためっき鋼板を使用する。
鋼成分については燃料タンクの複雑な形状に加工できる
成分系であることと、鋼〜めっき層界面の合金成分層の
厚みを極力薄くできめっき剥離を防止できること、燃料
タンク内部環境および外部環境における腐食の進展を抑
制する成分系である必要がある。Cは強度確保の点から
ある程度の含有量は必要である。しかし本めっき浴成分
では加工性および耐蝕性を低下させる元素であるが、鋼
〜めっき層界面反応を抑制する元素として働くため加工
時のめっき密着性を確保する点では有利である。以上を
考慮してC含有量は重量%でC≦0.08%とした。
【0010】Siは鋼表面酸化皮膜を安定化させるた
め、本めっき浴成分ではめっき浴へ浸漬時に残存しやす
くめっき反応を阻害し、耐蝕性に影響する不めっき部分
を多量に生成しやすい。また強度確保の点からある程度
の含有は必要であるが、強度強化元素であるため含有量
を調整する必要がある。また本めっき浴成分では鋼〜め
っき層界面反応を抑制する元素として働くため加工時の
めっき密着性を確保する点で有利となる。以上を考慮し
てSi含有量は重量%でSi≦0.1%とした。Mnは
強度確保の点からある程度の含有量は必要であるが、強
度強化元素なため加工性を低下させる傾向にあり含有量
を制限する必要がある。しかし本めっき浴では反応性を
向上させる方向にあり、めっき性をやや低下させるCr
添加量範囲を考慮すると共に、加工性を確保するための
C、P含有量上限値低下も考慮してMn含有量を調整す
る必要がある。従ってMn含有量は重量%で0.05≦
Mn≦1.5%とした。
【0011】Pは強度確保の点からある程度の含有量は
必要であるが、強度強化元素なため加工性を低下させる
傾向にあり含有量を制限する必要がある。しかし本めっ
き浴で反応性を抑制させる効果があり鋼〜めっき層界面
反応を抑制させるのに必要な成分である。含有量が多す
ぎると不めっき部分が多量に生成するため、以上を考慮
して重量%でP≦0.035%とした。Alは本めっき
浴で反応を抑制させる効果があり鋼〜めっき層界面反応
を抑制させるのに必要な成分である。ただし多すぎると
めっき性を大幅に低下させるために不めっき部分を発生
しやすく含有量の上限を制限することが必要である。従
って上限を重量%で0.1%とした。
【0012】Crは強度を高め加工性を低下させめっき
性を低下させる傾向にあるが、鋼の耐蝕性を大幅に向上
させる効果がある。また本めっき層組成に対しては比較
的微量のCr添加範囲に対しても犠牲防食効果が得ら
れ、従来の普通鋼に対してよりも耐蝕性向上効果が大き
い。従って加工性、めっき性、耐蝕性を考慮して含有量
を調整することが必要で、Cr含有量は重量%で0.2
≦Cr≦6%とした。
【0013】Nb,TiはC,Nを固定して鋼板に加工
性を付与するために必要な元素で(C+N)の原子当量
以上含有することによってC,Nは固定可能である。ま
た1.0%を越えると効果は飽和すると共に本めっき浴
では鋼〜めっき層界面反応も促進させる方向にあり界面
反応を調整する上で含有量を調整する必要がある。以上
を考慮してTi,NbについてはTi,Nbの1種以上
を(C+N)含有量の原子当量以上含有し上限を重量%
で1.0%とした。Bは結晶粒界に析出して粒界の強度
を高め、2次加工割れを防止して加工性を向上させるの
に必要である。多すぎるとその効果が飽和し、かつ熱間
強度が高くなりすぎて熱間圧延性が低下し好ましくな
い。従って含有量は重量%で0.0002≦B≦0.0
030%とした。
【0014】鋼近傍の合金層組成については溶融めっ
き、あるいは電気めっき後、加熱して封孔処理等を行う
と界面に鋼成分、めっき層成分を含む組織を生ずる。本
組織を以降、合金層と称する。本合金層にはNi,F
e,Cr,Zn,Snの1種以上を含んでいるがこれら
の組織はガソリン燃料に対しては腐食進行は遅く、合金
層厚みが厚い方が長期耐蝕性を確保する点で有利であ
る。しかしながら自動車下部の複雑な形状に適した厳し
い加工ができるためには本組織はめっき密着性を確保す
る程度の少量が好ましいが、合金層に生成したクラック
のめっき層への伝播によるめっき層剥離やめっき層のダ
メージを防止するにはめっき層の組成、めっき層厚み、
鋼種とも非常に関連が大きくこれらを考慮して合全層厚
みを決定する必要がある。従って合金層厚みは1.5μ
m以下とした。
【0015】めっき層については、錫、亜鉛を含む組成
からなりガソリン等の燃料に対するタンク内面耐蝕性や
融雪塩散布地域走行時に生ずる塩害環境に対する外面耐
蝕性の確保、さらには自動車下部の構造に合わせて加工
できる加工性の確保、燃料パイプ等の部品の接合に必要
なハンダ性の確保等が必要である。めっき層中の錫含有
量が80%より少ない場合、タンク内面環境において、
特に疵が素地に到達したり、腐食過程で一部素地が露出
した場合、鋼にCrが含有している影響で犠牲防食効果
が大きくなりすぎめっき層の溶解速度が早まって内面耐
蝕性を損なう。また亜鉛含有量が多くなるに従って外面
環境におけるめっき層自体の耐蝕性やハンダ性が低下す
る。めっき層錫含有量が99%より多くなると特に外面
環境における犠牲防食効果が小さくなり、素地に到達す
る疵やめっき層が部分的に溶解して素地が露出した場
合、素地からの錆が発生しやすい。従って上記のことを
考慮しめっき層組織として重量%で錫80〜99%、残
部亜鉛および不可避的不純物からなるとした。
【0016】めっき層中の亜鉛の形態については冷却過
程で初晶として亜鉛が析出する場合、亜鉛晶の大きさが
大きいと亜鉛晶が優先的に腐食しやすくなりめっき層が
局部的に腐食しめっき層が不均一に溶解してめっき層貫
通までの寿命が短くなる。また加工した場合、大きな亜
鉛晶はクラック伝播経路となりクラックがめっき層を伝
播しめっき剥離を生じたりめっき層をクラックが貫通し
外部から素地までの経路ができて腐食の鋼までの進行を
早める。従ってめっき層中の亜鉛晶の大きさは大きすぎ
ると問題があるため、めっき層表面から見て長径が25
0μm以上のものが20個/0.25mm2とした。
【0017】めっき層の厚みは耐蝕性に影響するが、あ
まり薄すぎると燃料タンク材として長期使用に対し、比
較的短期間で素地まで腐食が進行しやすいと共にめっき
時に生じた微小不めっきが被覆されずに露出するために
めっき厚みより推定した寿命よりもはやく素地腐食が発
生する。まためっき厚みが少なすぎると素地の影響をう
けやすくハンダ性も低下する。めっき厚みが厚すぎると
耐蝕性は充分に確保されるが性能過剰になる。以上のこ
とを考慮してめっき厚みは片面あたり4〜50μmとし
た。
【0018】さらにめっき層の上にクロメート処理を有
する。この処理皮膜は本組織のめっき層とは非常に馴染
みが良く、微小ピンホール等のめっき欠陥部を被覆した
り、めっき層を溶解させピンホールを修復する効果があ
り大幅に向上させる。従って耐蝕性を向上させる下限値
としてCr換算量で0.2mg/m2とした。また本処理の
付着量が多くなると耐蝕性向上効果は大きくなるが、ハ
ンダ性を大幅に低下させるために上限値をCr換算量で
25mg/m2とした。従って本処理量はCr換算量で0.
2〜25mg/m2とした。
【0019】
【実施例】本発明の燃料タンク用防錆鋼板の品質特性を
実施例で示す。 実施例1 焼鈍済の表1に示す鋼を脱脂、酸洗した後、Niプレめ
っき、Fe−Niプレめっきを行うかまたはプレめっき
を行わずに、フラックス法による連続溶融めっきを行い
付着量を調整しさらに冷却し本材料を作成した。得られ
た本材料の内面耐蝕性、外面耐蝕性、ハンダ性、加工性
を表2,3,45に示す。
【0020】
【表1】
【0021】(1)内面耐蝕性(表2) 下記に示す形状の試料と試験条件を使用し内面耐蝕性を
把握した。その結果本発明材は素地からの腐食もなく良
好であった。一方、比較材では素地からの赤錆、赤変お
よびめっき層が大幅に溶解した影響による大きな変色が
あり耐蝕性は良好でないものが多かった。
【0022】
【表2】
【0023】(内面評価法) ・カップ絞り加工を行い中に燃料を封入して45℃で1
カ月試験を行い、試料内面の外観および素地腐食状況を
評価した。 ・カップ絞り条件:ポンチ径28.5mmφ、ブランク径
60mmφ、絞り深さ18mm ・腐食試験溶液:劣化ガソリン100倍希釈溶液4.5
cc+蒸留水0.5cc ・判定法:◎外観に大きな変化なし、△大きな外観変化
あり、×素地からの錆あり (表2の中の意味) *1:NiまたはFe−NiめっきのNi含有量(g/
m2) *2:めっき層中に含まれる長径250μm以上の亜鉛
晶の0.25mm2表面積当たりの個数
【0024】(2)外面耐蝕性(表3) 下記に示す形状の試料と試験条件を使用し外面耐蝕性を
把握した。その結果本発明材は素地からの腐食もなく良
好であった。一方、比較材では素地からの赤錆、赤変お
よびめっき層が大幅に溶解した影響による大きな変色が
あり耐蝕性は良好でなかった。
【0025】
【表3】
【0026】(外面評価法) ・カップ絞り加工を行い外面に塩水噴霧が当たるように
水平に試料を設置し1カ月後の外観および素地腐食状況
を評価した。 ・カップ絞り条件:ポンチ径28.5mmφ、ブランク径
60mmφ、絞り深さ18mm ・塩水噴霧条件:5%塩化ナトリウム溶液、50℃ ・判定法:◎外観に大きな変化なし、△大きな外観変化
あり、×素地からの錆あり (表3の中の意味) *1:NiまたはFe−NiめっきのNi含有量(g/
m2) *2:めっき層中に含まれる長径250μm以上の亜鉛
晶の0.25mm2表面積当たりの個数
【0027】(3)ハンダ性(表4) 下記に示す試験条件の基にハンダ広がり性を把握した。
その結果本発明材は現行Pb−Snめっき鋼板と同等も
しくは良好な結果が得られた。一方、比較材はZn含有
量の多い材料等でハンダ性は良好でないものが多かっ
た。
【0028】
【表4】
【0029】(ハンダ性) ・平板の試料をトルエンで脱脂しフラックスを少量塗っ
た後、ハンダを一定量付け、その後鉛浴に一定時間浮か
べ引きあげた後の広がり面積を測定した。 ・試験条件:ハンダ/Pb−40%Sn(250mg)、
フラックス/13%ロジン−イソプロピルアルコール、
鉛浴/280℃に30sec浮かべ、その後引き上げる ・判定法:Pb−8%Snめっき鋼板と比較して、◎同
等またはそれ以上の広がり面積、△50〜80%の広が
り面積、×50%未満の広がり面積 (表4の中の意味) *1:NiまたはFe−NiめっきのNi含有量(g/
m2) *2:めっき層中に含まれる長径250μm以上の亜鉛
晶の0.25mm2表面積当たりの個数
【0030】(3)プレス成形性(表5) 下記に示す試験条件の基にプレス成形を行い、加工性お
よび加工後のめっき密着性を把握した。その結果本発明
は現行Pb−Snめっき鋼板と同等もしくは良好な結果
を示した。一方比較材は鋼成分系、合金層、めっき層厚
み、めっき組成によって加工時に割れたり、めっき剥離
を生じた。
【0031】
【表5】
【0032】(プレス成形性) ・平板の試料に潤滑油を塗布した後、ブランク径を種々
変えて絞り込みを行い、その時の絞り込み可能でめっき
剥離のない最大直径を求めた。 ・試験条件:・プレス条件:ポンチ径25mm、皺押さえ
力500kg ・めっき剥離:加工後の側面外壁をテーピングしてめっ
き剥離有無を肉眼観察する ・判定法:絞り込み可能でめっき剥離のない限界絞り比 ◎ 2.3以上、△ 2.3未満〜2.15以上、×
2.15未満 (表5の中の意味) *1:NiまたはFe−NiめっきのNi含有量(g/
m2) *2:めっき層中に含まれる長径250μm以上の亜鉛
晶の0.25mm2表面積当たりの個数
【0033】実施例2 焼鈍済の表6に示す鋼を脱脂、酸洗した後、Niプレめ
っき、Fe−Niプレめっきを行うかまたはプレめっき
を行わずに、フラックス法による連続溶融めっきを行い
付着量を調整しさらに冷却した後クロメート処理を行い
本材料を製造した。得られた本材料の内面耐蝕性、外面
耐蝕性、ハンダ性、加工性を表7,8,9,10に示
す。
【0034】
【表6】
【0035】(1)内面耐蝕性(表7) 下記に示す形状の試料と試験条件を使用し内面耐蝕性を
把握した。その結果本発明材は素地からの腐食もなく良
好であった。一方、比較材では素地からの赤錆、赤変お
よびめっき層が大幅に溶解した影響による大きな変色が
あり耐蝕性は良好でなかった。
【0036】
【表7】
【0037】(内面評価法) ・カップ絞り加工を行い中に燃料を封入して45℃で1
カ月試験を行い、試料内面の外観および素地腐食状況を
評価した。 ・カップ絞り条件:ポンチ径28.5mmφ、ブランク径
60mmφ、絞り深さ18mm ・腐食試験溶液:劣化ガソリン100倍希釈溶液4.5
cc+蒸留水0.5cc ・判定法:◎外観に大きな変化なし、△大きな外観変化
あり、×素地からの錆あり (表7の中の意味) *1:NiまたはFe−NiめっきのNi含有量(g/
m2) *2:めっき層中に含まれる長径250μm以上の亜鉛
晶の0.25mm2表面積当たりの個数
【0038】(2)外面耐蝕性(表8) 下記に示す形状の試料と試験条件を使用し内面耐蝕性を
把握した。その結果本発明材は素地からの腐食もなく良
好であった。一方、比較材では素地からの赤錆、赤変お
よびめっき層が大幅に溶解した影響による大きな変色が
あり耐蝕性は良好でなかった。
【0039】
【表8】
【0040】(外面評価法) ・カップ絞り加工を行い外面に塩水噴霧が当たるように
水平に試料を設置し1カ月後の外観および素地腐食状況
を評価した。 ・カップ絞り条件:ポンチ径28.5mmφ、ブランク径
60mmφ、絞り深さ18mm ・塩水噴霧条件:5%塩化ナトリウム溶液、50℃ ・判定法:◎外観に大きな変化なし、△大きな外観変化
あり、×素地からの錆あり (表8の中の意味) *1:NiまたはFe−NiめっきのNi含有量(g/
m2) *2:めっき層中に含まれる長径250μm以上の亜鉛
晶の0.25mm2表面積当たりの個数
【0041】(3)ハンダ性(表9) 下記に示す試験条件の基にハンダ広がり性を把握した。
その結果本発明材は現行Pb−Snめっき鋼板と同等も
しくは良好な結果が得られた。一方、比較材はZn含有
量の多い材料等でハンダ性は良好でないものが多かっ
た。
【0042】
【表9】
【0043】(ハンダ性) ・平板の試料をトルエンで脱脂しフラックスを少量塗っ
た後、ハンダを一定量付け、その後鉛浴に一定時間浮か
べ引きあげた後の広がり面積を測定した。 ・試験条件:ハンダ/Pb−40%Sn(250mg)、
フラックス/13%ロジン−イソプロピルアルコール、
鉛浴/280℃に30sec浮かべ、その後引き上げる ・判定法:Pb−8%Snめっき鋼板と比較して、◎同
等またはそれ以上の広がり面積、△50〜80%の広が
り面積、×50%未満の広がり面積 (表9の中の意味) *1:NiまたはFe−NiめっきのNi含有量(g/
m2) *2:めっき層中に含まれる長径250μm以上の亜鉛
晶の0.25mm2表面積当たりの個数
【0044】(3)プレス成形性(表10) 下記に示す試験条件の基にプレス成形を行い、加工性お
よび加工後のめっき密着性を把握した。その結果本発明
は現行Pb−Snめっき鋼板と同等もしくは良好な結果
を示した。一方、比較材は鋼成分系、合金層、めっき層
厚み、めっき組成によって加工時に割れたり、めっき剥
離を生じた。
【0045】
【表10】
【0046】(プレス成形性) ・平板の試料に潤滑油を塗布した後、ブランク径を種々
変えて絞り込みを行い、その時の絞り込み可能でめっき
剥離のない最大直径を求めた。 ・試験条件:・プレス条件:ポンチ径25mm、皺押さえ
力500kg ・めっき剥離:加工後の側面外壁をテーピングしてめっ
き剥離有無を肉眼観察する ・判定法:絞り込み可能でめっき剥離のない限界絞り比 ◎ 2.3以上、△ 2.3未満〜2.15以上、×
2.15未満 (表10の中の意味) *1:NiまたはFe−NiめっきのNi含有量(g/
m2) *2:めっき層中に含まれる長径250μm以上の亜鉛
晶の0.25mm2表面積当たりの個数
【0047】実施例3 酸洗済の表11に示す鋼板に、Niプレめっき、Fe−
Niプレめっきを行うかまたは酸洗済の熱延板や冷延板
をそのまま、酸化炉または無酸化炉、還元炉等を有する
炉で加熱処理を行った後溶融めっきを行い付着量を調整
して冷却して本材料を作成した。得られた本材料の内面
耐蝕性、外面耐蝕性、ハンダ性、加工性を表12,1
3,14,15に示す。
【0048】
【表11】
【0049】(1)内面耐蝕性(表12) 下記に示す形状の試料と試験条件を使用し内面耐蝕性を
把握した。その結果本発明材は素地からの腐食もなく良
好であった。一方、比較材では素地からの赤錆、赤変お
よびめっき層が大幅に溶解した影響による大きな変色が
あり耐蝕性は良好でなかった。
【0050】
【表12】
【0051】(内面評価法) ・カップ絞り加工を行い中に燃料を封入して45℃で1
カ月試験を行い、試験内面の外観および素地腐食状況を
評価した。 ・カップ絞り条件:ポンチ径28.5mmφ、ブランク径
60mmφ、絞り深さ18mm ・腐食試験溶液:劣化ガソリン100倍希釈溶液4.5
cc+蒸留水0.5cc ・判定法:◎外観に大きな変化なし、△大きな外観変化
あり、×素地からの錆あり (表12の中の意味) *1:NiまたはFe−NiめっきのNi含有量(g/
m2) *2:めっき層中に含まれる長径250μm以上の亜鉛
晶の0.25mm2表面積当たりの個数
【0052】(2)外面耐蝕性(表13) 下記に示す形状の試料と試験条件を使用し外面耐蝕性を
把握した。その結果本発明材は素地からの腐食もなく良
好であった。一方、比較材では素地からの赤錆、赤変お
よびめっき層が大幅に溶解した影響による大きな変色が
あり耐蝕性は良好でなかった。
【0053】
【表13】
【0054】(外面評価法) ・カップ絞り加工を行い外面に塩水噴霧が当たるように
水平に試料を設置し1カ月後の外観および素地腐食状況
を評価した。 ・カップ絞り条件:ポンチ径28.5mmφ、ブランク径
60mmφ、絞り深さ18mm ・塩水噴霧条件:5%塩化ナトリウム溶液、50℃ ・判定法:◎外観に大きな変化なし、△大きな外観変化
あり、×素地からの錆あり (表13の中の意味) *1:NiまたはFe−NiめっきのNi含有量(g/
m2) *2:めっき層中に含まれる長径250μm以上の亜鉛
晶の0.25mm2表面積当たりの個数
【0055】(3)ハンダ性(表14) 下記に示す試験条件の基にハンダ広がり性を把握した。
その結果本発明材は現行Pb−Snめっき鋼板と同等も
しくは良好な結果が得られた。一方、比較材はZn含有
量の多い材料等でハンダ性は良好でないものが多かっ
た。
【0056】
【表14】
【0057】(ハンダ性) ・平板の試料をトルエンで脱脂しフラックスを少量塗っ
た後、ハンダを一定量付け、その後鉛浴に一定時間浮か
べ引きあげた後の広がり面積を測定した。 ・試験条件:ハンダ/Pb−40%Sn(250mg)、
フラックス/13%ロジン−イソプロピルアルコール、
鉛浴/280℃に30sec浮かべ、その後引き上げる ・判定法:Pb−8%Snめっき鋼板と比較して、◎同
等またはそれ以上の広がり面積、△50〜80%の広が
り面積、×50%未満の広がり面積 (表14の中の意味) *1:NiまたはFe−NiめっきのNi含有量(g/
m2) *2:めっき層中に含まれる長径250μm以上の亜鉛
晶の0.25mm2表面積当たりの個数
【0058】(3)プレス成形性(表15) 下記に示す試験条件の基にプレス成形を行い、加工性お
よび加工後のめっき密着性を把握した。その結果本発明
は現行Pb−Snめっき鋼板と同等もしくは良好な結果
を示した。一方、比較材は鋼成分系、合金層、めっき層
厚み、めっき組成によって加工時に割れたり、めっき剥
離を生じた。
【0059】
【表15】
【0060】(プレス成形性) ・平板の試料に潤滑油を塗布した後、ブランク径を種々
変えて絞り込みを行い、その時の絞り込み可能でめっき
剥離のない最大直径を求めた。 ・試験条件:・プレス条件:ポンチ径25mm、皺押さえ
力500kg ・めっき剥離:加工後の側面外壁をテーピングしてめっ
き剥離有無を肉眼観察する。 ・判定法:絞り込み可能でめっき剥離のない限界絞り比 ◎ 2.3以上、△ 2.3未満〜2.15以上、×
2.15未満 (表15の中の意味) *1:NiまたはFe−NiめっきのNi含有量(g/
m2) *2:めっき層中に含まれる長径250μm以上の亜鉛
晶の0.25mm2表面積当たりの個数
【0061】実施例4 酸洗済の表11に示す鋼板に、Niプレめっき、Fe−
Niプレめっきを行うかまたは酸洗済の熱延板、冷延板
をそのまま、酸化炉または無酸化炉、還元炉等を有する
炉で加熱処理を行った後、溶融めっきを行い付着量を調
整し、さらに冷却した後クロメート処理を行い本材料を
製造した。得られた本材料の内面耐蝕性、外面耐蝕性、
ハンダ性、加工性を表16,17,18,19に示す。 (1)内面耐蝕性(表16) 下記に示す形状の試料と試験条件を使用し内面耐蝕性を
把握した。その結果本発明材は素地からの腐食もなく良
好であった。一方、比較材では素地からの赤錆、赤変お
よびめっき層が大幅に溶解した影響による大きな変色が
あり耐蝕性は良好でなかった。
【0062】
【表16】
【0063】(内面評価法) ・カップ絞り加工を行い中に燃料を封入して45℃で1
カ月試験を行い、試験内面の外観および素地腐食状況を
評価した。 ・カップ絞り条件:ポンチ径28.5mmφ、ブランク径
60mmφ、絞り深さ18mm ・腐食試験溶液:劣化ガソリン100倍希釈溶液4.5
cc+蒸留水0.5cc ・判定法:◎外観に大きな変化なし、△大きな外観変化
あり、×素地からの錆あり (表16の中の意味) *1:NiまたはFe−NiめっきのNi含有量(g/
m2) *2:めっき層中に含まれる長径250μm以上の亜鉛
晶の0.25mm2表面積当たりの個数
【0064】(2)外面耐蝕性(表17) 下記に示す形状の試料と試験条件を使用し外面耐蝕性を
把握した。その結果本発明材は素地からの腐食もなく良
好であった。一方、比較材では素地からの赤錆、赤変お
よびめっき層が大幅に溶解した影響による大きな変色が
あり耐蝕性は良好でないものが多かった。
【0065】
【表17】
【0066】(外面評価法) ・カップ絞り加工を行い外面に塩水噴霧が当たるように
水平に試料を設置し1カ月後の外観および素地腐食状況
を評価した。 ・カップ絞り条件:ポンチ径28.5mmφ、ブランク径
60mmφ、絞り深さ18mm ・塩水噴霧条件:5%塩化ナトリウム溶液、50℃ ・判定法:◎外観に大きな変化なし、△大きな外観変化
あり、×素地からの錆あり (表17の中の意味) *1:NiまたはFe−NiめっきのNi含有量(g/
m2) *2:めっき層中に含まれる長径250μm以上の亜鉛
晶の0.25mm2表面積当たりの個数
【0067】(3)ハンダ性(表18) 下記に示す試験条件の基にハンダ広がり性を把握した。
その結果本発明材は現行Pb−Snめっき鋼板と同等も
しくは良好な結果が得られた。一方、比較材はZn含有
量の多い材料等でハンダ性は良好でないものが多かっ
た。
【0068】
【表18】
【0069】(ハンダ性) ・平板の試料をトルエンで脱脂しフラックスを少量塗っ
た後、ハンダを一定量付け、その後鉛浴に一定時間浮か
べ引きあげた後の広がり面積を測定した。 ・試験条件:ハンダ/Pb−40%Sn(250mg)、
フラックス/13%ロジン−イソプロピルアルコール、
鉛浴/280℃に30sec浮かべ、その後引き上げる。 ・判定法:Pb−8%Snめっき鋼板と比較して、◎同
等またはそれ以上の広がり面積、△50〜80%の広が
り面積、×50%未満の広がり面積 (表18の中の意味) *1:NiまたはFe−NiめっきのNi含有量(g/
m2) *2:めっき層中に含まれる長径250μm以上の亜鉛
晶の0.25mm2表面積当たりの個数
【0070】(3)プレス成形性(表19) 下記に示す試験条件の基にプレス成形を行い、加工性お
よび加工後のめっき密着性を把握した。その結果本発明
は現行Pb−Snめっき鋼板と同等もしくは良好な結果
を示した。一方、比較材は鋼成分系、合金層、めっき層
厚み、めっき組成によって加工時に割れたり、めっき剥
離を生じた。
【0071】
【表19】
【0072】(プレス成形性) ・平板の試料に潤滑油を塗布した後、ブランク径を種々
変えて絞り込みを行い、その時の絞り込み可能でめっき
剥離のない最大直径を求めた。 ・試験条件:・プレス条件:ポンチ径25mm、皺押さえ
力500kg ・めっき剥離:加工後の側面外壁をテーピングしてめっ
き剥離有無を肉眼観察する ・判定法:絞り込み可能でめっき剥離のない限界絞り比 ◎ 2.3以上、△ 2.3未満〜2.15以上、×
2.15未満 (表19の中の意味) *1:NiまたはFe−NiめっきのNi含有量(g/
m2) *2:めっき層中に含まれる長径250μm以上の亜鉛
晶の0.25mm2表面積当たりの個数
【0073】
【発明の効果】以上述べたように、本発明は燃料タンク
材としての諸特性に優れた燃料タンク用防錆鋼板を得る
ことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡田 伸義 福岡県北九州市戸畑区飛幡町1番1号 新日本製鐵株式会社 八幡製鐵所内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 2/06,2/08 C23C 28/00,28/02

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%でC≦0.08%,Si≦0.1
    %,0.05%≦Mn≦1.5%,P≦0.035%,
    Al≦0.1%,0.2≦Cr≦6%を含む鋼に、N
    i,Fe,Cr,Zn,Snの1種以上を含む合金層が
    片面当たり厚み1.5μm以下あり、その上に錫:80
    〜99%、残部亜鉛および不可避的不純物からなり、そ
    の中に含まれる亜鉛晶の長径が250μm以上のものが
    表面から見て20個以下/0.25mm2であり、片面当
    たりの厚みが4〜50μmの錫−亜鉛合金めっき層があ
    ることを特徴とする燃料タンク用防錆鋼板。
  2. 【請求項2】 重量%でC≦0.08%,Si≦0.1
    %,0.05%≦Mn≦1.5%,P≦0.035%,
    Al≦0.1%,0.2≦Cr≦6%、更にBを0.0
    002〜0.0030%含有する鋼に、Ni,Fe,C
    r,Zn,Snの1種以上を含む合金層が片面当たり厚
    み1.5μm以下あり、その上に錫:80〜99%、残
    部亜鉛および不可避的不純物からなり、その中に含まれ
    る亜鉛晶の長径が250μm以上のものが表面から見て
    20個以下/0.25mm2であり、片面当たりの厚みが
    4〜50μmの錫−亜鉛合金めっき層があることを特徴
    とする燃料タンク用防錆鋼板。
  3. 【請求項3】 重量%でC≦0.08%,Si≦0.1
    %,0.05%≦Mn≦1.5%,P≦0.035%,
    Al≦0.1%,0.2≦Cr≦6%でTi,Nbの1
    種以上を(C+N)含有量の原子当量以上を含有し上限
    を1.0%とする鋼に、Ni,Fe,Cr,Zn,Sn
    の1種以上を含む合金層が片面当たり厚み1.5μm以
    下あり、その上に錫:80〜99%、残部亜鉛および不
    可避的不純物からなり、その中に含まれる亜鉛晶の長径
    が250μm以上のものが表面から見て20個以下/
    0.25mm2であり、片面当たりの厚みが4〜50μm
    の錫−亜鉛合金めっき層があることを特徴とする燃料タ
    ンク用防錆鋼板。
  4. 【請求項4】 重量%でC≦0.08%,Si≦0.1
    %,0.05%≦Mn≦1.5%,P≦0.035%,
    Al≦0.1%,0.2≦Cr≦6%でTi,Nbの1
    種以上を(C+N)含有量の原子当量以上を含有し上限
    を1.0%とし、さらにBを0.0002〜0.003
    0%含有する鋼に、Ni,Fe,Cr,Zn,Snの1
    種以上を含む合金層が片面当たり厚み1.5μm以下あ
    り、その上に錫:80〜99%、残部亜鉛および不可避
    的不純物からなり、その中に含まれる亜鉛晶の長径が2
    50μm以上のものが表面から見て20個以下/0.2
    5mm2であり、片面当たりの厚みが4〜50μmの錫−
    亜鉛合金めっき層があることを特徴とする燃料タンク用
    防錆鋼板。
  5. 【請求項5】 請求項1,2,3,4記載の外側にさら
    にCr換算量で片面当たり0.2〜25mg/mm2のクロメ
    ート処理を有することを特徴とする燃料タンク用防錆鋼
    板。
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