JP3129500B2 - N相パルスモータの駆動方法 - Google Patents

N相パルスモータの駆動方法

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JP3129500B2
JP3129500B2 JP2200692A JP2200692A JP3129500B2 JP 3129500 B2 JP3129500 B2 JP 3129500B2 JP 2200692 A JP2200692 A JP 2200692A JP 2200692 A JP2200692 A JP 2200692A JP 3129500 B2 JP3129500 B2 JP 3129500B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明方法は、N相パルスモータ
の環状結線における微小角駆動並びにその1態様である
ハーフステップ駆動の新規な制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】パルスモータはステッピングモータある
いは階動電動機とも称され、基本的にパルスの入力毎に
ステップ駆動されるものである。パルスモータには3相
機〜8相機というように多種類の機種が目的に応じて使
用されているが、例えばその内の5相パルスモータにあ
っては、4相又は5相駆動によるフルステップ駆動方式
並びにこれを改良した4−5相駆動によるハーフステッ
プ駆動方式が従来から知られていた。
【0003】前記4相乃至5相フルステップ駆動では、
ステップ角度が粗く、ロータの回転が滑らかでないとい
う欠点があり、パルスモータを搭載した機器の性能がさ
ほど高くなかった時点では余り問題とされていなかった
が、機器の性能向上と共にこの問題はパルスモータ特有
の欠点となっていた。
【0004】そこで、発明者らは、特開昭61-185
056号に記載の駆動方法を呈示して、5相パルスモー
タによる、より回転の滑らかなハーフステップ駆動方式
を提案した。即ちこれによれば、2個1組の出力段トラ
ンジスタ(Tr1)(Tr2)…(Tr9)(Tr10)を直列接続すると共
に5組の出力段トランジスタを並列接続して駆動回路を
形成し、ペンタゴン結線せる5相パルスモータの巻き線
(A)〜(E)の結線部と各組の出力段トランジスタ(Tr1)(Tr
2)…(Tr9)(Tr10)の接続部とを接続し、巻き線を順次A
乃至E相とし、4相励磁の次にペンタゴン結線の結線部
にそれぞれ接続せる1組の出力段トランジスタを順次オ
フにすることにより、ペンタゴン結線のいずれか1つの
結線部を順次ハイインピーダンスにして5相励磁を行う
という4相励磁と5相励磁とを交互に繰り返す駆動方式
で、これによれば、ペンタゴン結線方式であるにも拘わ
らず、従来不可能とされていた4−5相励磁駆動による
ハーフステップ駆動を行う事ができて、パルスモータの
ロータの回転をより滑らかにする事ができたが、この方
式では1ステップをより細かく分割して駆動するマイク
ロステップ駆動を行う事ができず、回転特性に限界があ
った。
【0005】上記最初の2例は、いずれも4相乃至5相
励磁によるフルステップ駆動であってステップ角が大き
く、1ステップのステッピング動作が粗いというパルス
モータ特有の問題があり、それを改善したのが第3従来
例の4−5相励磁によるハーフステップ駆動であるが、
これとても現在の機器性能からすれば不満であって、最
近に至っては、機器性能の一層の向上と共にほとんど同
一の回路構成でありながら、従来のフルステップ駆動は
もとより、ハーフステップ駆動よりももっと滑らかな駆
動方式が提供される事が望まれていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の解決課題は、
かかる従来例の欠点に鑑みてなされたもので、従来、パ
ルスモータに適用されていた簡単な回路構成をそのまま
使用し、しかも任意の分割数で1ステップを分割して駆
動する事ができ、しかもハーフステップ駆動もその1つ
の態様を選択するだけで可能となる適用範囲の非常に広
いN相パルスモータの駆動方法を提供する事をその解決
課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に示す本発明駆
動方法は、微小角駆動の1態様であるハーフステップ駆
動であり、 3相以上の奇数相パルスモータの各相巻
線を、その始端及び終端を順次に接続して環状に結線
し、これらの相の接続点に各別にスイッチング手段を接
続し、前記スイッチング手段により、環状結線を構成す
る励磁相の接続点を正極または負極に接続して(N-1)−
N相励磁を行うN相パルスモータの駆動方法において、
(N-1)相励磁時には、1つの励磁相の両端の接続点
を同極に接続し且つ1つの接続点を異極に接続すると共
に残りの(N-3)個の接続点をデューティ50%にて前記1
つの接続点と同極に接続し、 N相励磁時には、1つ
の接続点を正極に、他の1つの接続点を負極に、残る(N
-2)個の接続点をデューティ50%にていずれかの極に接
続するもので、 (N-1)相励磁からN相励磁に移る場
合には、前記1対の同極接続点の内の1つのデューティ
を100%から50%に落とす事によってN相励磁に切り替
え、 N相励磁から(N-1)相励磁に移る場合には、前
記50%デューティに落とされた接続点に隣接せる50%デ
ューティの接続点を100%デューティに上げる事によっ
て(N-1)相励磁に切り替える事を特徴とする。これによ
り、オンデューティを100%から50%に、又、逆に50%
から100%に切り替えるだけで前記微小角駆動の1態様
としてハーフステップ駆動を行う事ができる。
【0008】又、前記微小角駆動という課題を達成する
ために本発明方法は、請求項2に示すように、 3相
以上の奇数相パルスモータの各相巻線を、その始端及び
終端を順次に接続して環状に結線し、これらの相の接続
点に各別にスイッチング手段を接続し、前記スイッチン
グ手段により、環状結線を構成する励磁相の接続点を正
極または負極に接続して(N-1)−N相励磁を行うN相パ
ルスモータの駆動方法において、 (N-1)相励磁時に
は、1つの励磁相の両端の接続点を同極に接続し且つ1
つの接続点を異極に接続すると共に残りの(N-3)個の接
続点をデューティ50%にて前記1つの接続点と同極に接
続し、 N相励磁時には、1つの接続点を正極に、他
の1つの接続点を負極に、残る(N-2)個の接続点をデュ
ーティ50%にていずれかの極に接続するもので、 (N
-1)相励磁からN相励磁に移る場合には、前記1対の同
極接続点の内の1つのデューティを100%から50%に徐
々に下げてN相励磁に切り替え、 N相励磁から(N-
1)相励磁に移る場合には、前記50%デューティに切替わ
った接続点に隣接せる50%デューティの接続点を100%
デューティに徐々に変化させる事によって(N-1)相励磁
に切り替えていく事を特徴とする。これにより、本発明
は従来から知られている簡単な回路構成であるにも拘わ
らず、従来の簡単な回路構成を変更する事なく任意の分
割数で微小角駆動が出来る適用範囲の非常に広い汎用性
に富むパルスモータの駆動方法を提供する事ができた。
【0009】
【実施例】以下、本発明の微小角駆動方法の1態様であ
るハーフステップに付いて説明し、続いて微小角駆動を
図示実施例に従って説明する。実施例では5相パルスモ
ータを代表例として説明するが、勿論これに限られるも
のではない。図1はパルスモータの巻き線(A)〜(E)をペ
ンタゴン結線した例である。出力段トランジスタ(Tr1)
乃至(Tr10)は、(Tr1)(Tr2)、(Tr3)(Tr4)、(Tr5)(Tr6)、
(Tr7)(Tr8)、(Tr9)(Tr10)の5組に分けられ、2個1組
にて直列接続され、この5組が並列接続されて駆動回路
を構成している。巻き線(A)〜(E)の結線部はこの直列接
続された1組の出力段トランジスタ(Tr1)(Tr2)、(Tr3)
(Tr4)、(Tr5)(Tr6)、(Tr7)(Tr8)、(Tr9)(Tr10)の接続部
に接続されている。(R1)はセンス抵抗で、センス抵抗(R
1)を通過する励磁相(A)〜(E)を通る電流の総和とその抵
抗値とを掛けてセンス電圧を出力し、このセンス電圧と
図示しない基準電圧とを比較して励磁相(A)〜(E)を通る
電流の総和が常に2i0となるようにするためのものであ
る。(D1)〜(D10)は出力段トランジスタ(Tr1)〜(Tr10)に
並列接続されたダイオードである。
【0010】以下、本発明を5相パルスモータのペンタ
ゴン結線による4−5相微小角励磁駆動の1態様である
ハーフステップ駆動方式を一例に取って説明する。勿
論、本発明が5相パルスモータのペンタゴン結線による
4−5相微小角励磁駆動方式(ハーフステップ駆動も含
む)だけに適用されるものでないことは言うまでもな
い。
【0011】図2のシーケンスは本発明方法において、
次々と励磁パターンが変化している状態を表している。
図2(a)は、A,C相及びD,B相が励磁されている4相
励磁状態で、A,D相の接続点が正極に、E相の両端の
接続点が負極に、残るA,D相とD,B相の接続点をオン
デューティ50%にて正極に接続してある。ここでD,B
相を見るとB相はデューティ50%の正極とデューティ10
0%の負極にて励磁されていて、デューティ50%の正極
オン時に矢印方向に電流が流れるように励磁され、デュ
ーティ50%の正極オフ時には励磁されないとう状態が繰
り返されている。
【0012】ここでB相はモータコイルであるからコイ
ルの特性としてデューティ50%の正極オフ時には起電力
が発生し、オフとなったD,B相の接続点を負極の電位
にする。この時、D相は正極と負極にて励磁される事に
なり、矢印方向に電流が流れる事になる。このようにし
てD,B相の接続点をデューティ50%の正極とする事に
より、B相はデューティ50%の正極オン時に励磁され、
D相はデューティ50%正極オフ時(これはデューティ50
%負極オフと同等の状態)に励磁される。よって、D,B
相は各デューティ50%で励磁されるため、B相とD相の
電流は同じ大きさで矢印方向に流れる。デューティ50%
正極による効果は、これをデューティ50%負極としても
同様の効果を得る事ができる。ここでは、次パターンの
移動に都合が良いようにデューティ50%としている。
尚、デューティ50%時は、正極、負極共オン/オフは同
期している。
【0013】D,B相と同様にA,C相にも同じ大きさの
駆動電流が矢印方向に流れる。よって、ステップ0(=
図2(a)の状態)ではA相(io)=B相(io)=C相(io)=D
相(io)となり、センス抵抗(R1)に流れる総駆動電流は
(2io)となる。
【0014】次に、パルスが入力すると図2(b)の状態
に励磁パターンが切替わって行くのであるが、パルスの
入力の度毎にE相の一方の接続点の負極オンデューティ
が100%から50%に切り替えて行く。
【0015】E相の一方の接続点の負極オンデューティ
が50%に切り替えると、ステップ2(=図2(b)の状態)
の5相励磁状態になる。D,B相に流れる電流は前記4
相励磁の場合と同一で、D相(io)=B相(io)で矢印方向
に駆動電流が流れる。
【0016】A,C,E相についてみれば、C相はデュー
ティ50%の正極とデューティ50%の負極にて励磁されて
いて、この正極と負極は同時にオン・オフするためオン
時には矢印方向に電流が流れるように励磁され、オフ時
には励磁されないという状態が繰り返し行なわれてい
る。
【0017】ここで、C相はモータコイルであるからそ
のコイル特性により、デューティ50%のオフ時には起電
力を発生してA,C相の接続点を負極の電位に、C,E相
の接続点を正極の電位にする。この結果、A相とE相は
矢印方向に電流が流れるように励磁される。
【0018】このようにA,C相の接続点をデューティ5
0%の正極、C,E相の接続点をデューティ50%の負極と
する事により、デューティ50%オン時にはC相が励磁さ
れ、デューティ50%オフ時には、A,E相が励磁され
る。そしてこのデューティがそれぞれ50%であることに
よってA,C,E相の駆動電流は同じ大きさで矢印方向に
流れる。このようにしてステップ2の5相励磁が行なわ
れるのである。
【0019】以下、同様でシーケンス図に従って4−5
相ハーフステップ駆動がなされる事になる。ここでは、
5相パルスモータによる4−5相ハーフステップ駆動に
付いて説明したが、勿論これに限られず、3相以上の奇
数相数のN相パルスモータに付いて適用する事ができ
る。
【0020】次に、5相パルスモータによる4−5相微
小角駆動の場合を簡単に説明する。前記本発明のハーフ
ステップ駆動は微小角駆動の1態様であり、励磁相の変
化は接続点に接続したスイッチング手段(Tr)のスイッチ
ング動作によって行なわれる。ここで、このスイッチン
グ手段(Tr)のデューティを100%→90%→80%→70%→6
0%→50%というように漸減させて行く(又は、50%→60
%→70%→80%→90%→100%というように漸増させて
行く)事によって励磁相の切り替えが5段階に行なわれ
る事になり、ハーフステップよりも更に細かい微小角駆
動が行なわれる。勿論、分割数は5段階に限られない。
【0021】まず、ステップ0の4相励磁状態からから
ステップ1の5相励磁状態に切り替える場合は、C,E
相の接続点をデューティ100%の負極からデューティ50
%の負極に前述のように漸減していく。50%になった処
でステップ1の5相励磁状態となる。
【0022】次ぎに、ステップ1の5相励磁状態からス
テップ2の4相励磁時に切替わる場合に付いて言えば、
A,C相の接続点をデューティ50%の正極からデューテ
ィ100%の正極に漸増させる事によって行なわれる。こ
こで、ステップ1からステップ2に移動する際に、D,
B相の接続点もデューティ50%の正極からデューティ50
%の負極へと変化させているが、これはハーフステップ
駆動で説明したように、デューティ50%であれば正極で
も負極でもどちらに接続してもよいものである。この場
合、次パターンへの変化に都合が良いように変化させた
だけに過ぎないものである。
【0023】つまり、分割数が同じである微小角駆動で
あれば、A,C相の接続点がデューティ50%の正極から
デューティ90%の正極に変化する間は、D,B相の接続
点はデューティ50%の正極のままでよく、A,C相の接
続点がデューティ90%の正極からデューティ100%の正
極に変わる時に同時にD,B相の接続点をデューティ50
%の正極からデューティ50%の負極に変化させればよい
のである。
【0024】同様に、ステップ2からステップ3への変
化は、A,D相の接続点をデューティ100%の正極からデ
ューティ50%の正極への変化を分割して行えばよく、ス
テップ3からステップ4への変化はD,B相の接続点を
デューティ50%の負極からデューティ100%の負極への
変化を分割して行い、最後にC,E相の接続点をデュー
ティ50%の負極からデューティ50%の正極へと同時に変
化させればよい。このように、順次デューティを漸増・
漸減させる事によって微小角駆動が行なわれるものであ
る。
【0025】
【効果】本発明は叙上のような構成であるから、従来の
簡単な回路構成を変更する事なく、3相以上の奇数相数
のN相パルスモータを微小角駆動並びにその1態様であ
るハーフステップ駆動させる事ができ、適用範囲の非常
に広いN相パルスモータの駆動方法を提供する事が出来
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用した駆動回路の回路図
【図2】本発明の第1法の5相パルスモータによる5相
相補励磁の励磁パターン図
【図3】本発明の第1法の5相パルスモータにおけるス
イッチング手段とこれに対応する5相相補励磁シーケン
ス表を記載した図面
【符号の説明】
A,B,C,D,E…励磁相 (Tr1)〜(Tr10)…スイッチング手段 (+)…正極 (−)…負極

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 3相以上の奇数相パルスモータの
    各相巻線を、その始端及び終端を順次に接続して環状に
    結線し、これらの相の接続点に各別にスイッチング手段
    を接続し、前記スイッチング手段により、環状結線を構
    成する励磁相の接続点を正極または負極に接続して(N-
    1)−N相励磁を行うN相パルスモータの駆動方法におい
    て、 (N-1)相励磁時には、1つの励磁相の両端の接続点を同
    極に接続し且つ1つの接続点を異極に接続すると共に残
    りの(N-3)個の接続点をデューティ50%にて前記1つの
    接続点と同極に接続し、 N相励磁時には、1つの接続点を正極に、他の1つの接
    続点を負極に、残る(N-2)個の接続点をデューティ50%
    にていずれかの極に接続するもので、 (N-1)相励磁からN相励磁に移る場合には、前記1対の
    同極接続点の内の1つのデューティを100%から50%に
    落とす事によってN相励磁に切り替え、 N相励磁から(N-1)相励磁に移る場合には、前記50%デ
    ューティに落とされた接続点に隣接せる50%デューティ
    の接続点を100%デューティに上げる事によって(N-1)相
    励磁に切り替えてハーフステップ駆動を行わせる事を特
    徴とするN相パルスモータの駆動方法。
  2. 【請求項2】 3相以上の奇数相パルスモータの
    各相巻線を、その始端及び終端を順次に接続して環状に
    結線し、これらの相の接続点に各別にスイッチング手段
    を接続し、前記スイッチング手段により、環状結線を構
    成する励磁相の接続点を正極または負極に接続して(N-
    1)−N相励磁を行うN相パルスモータの駆動方法におい
    て、 (N-1)相励磁時には、1つの励磁相の両端の接続点を同
    極に接続し且つ1つの接続点を異極に接続すると共に残
    りの(N-3)個の接続点をデューティ50%にて前記1つの
    接続点と同極に接続し、 N相励磁時には、1つの接続点を正極に、他の1つの接
    続点を負極に、残る(N-2)個の接続点をデューティ50%
    にていずれかの極に接続するもので、 (N-1)相励磁からN相励磁に移る場合には、前記1対の
    同極接続点の内の1つのデューティを100%から50%に
    徐々に下げてN相励磁に切り替え、 N相励磁から(N-1)相励磁に移る場合には、前記50%デ
    ューティに切替わった接続点に隣接せる50%デューティ
    の接続点を100%デューティに徐々に変化させる事によ
    って(N-1)相励磁に切り替えて微小角駆動を行わせる事
    を特徴とするN相パルスモータの駆動方法。
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