JP3129205B2 - スフィンゴミエリン類縁体およびその光学活性体ならびにそれらの製法 - Google Patents

スフィンゴミエリン類縁体およびその光学活性体ならびにそれらの製法

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JP3129205B2 JP08241694A JP24169496A JP3129205B2 JP 3129205 B2 JP3129205 B2 JP 3129205B2 JP 08241694 A JP08241694 A JP 08241694A JP 24169496 A JP24169496 A JP 24169496A JP 3129205 B2 JP3129205 B2 JP 3129205B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はスフィンゴリン脂質のリ
ン酸エステル部を加水分解する酵素であるスフィンゴミ
エリナーゼの生化学的な研究を活発に行うためのスフィ
ンゴミエリン類縁体およびその光学活性体ならびにそれ
らの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】スフ
ィンゴミエリナーゼは、スフィンゴリン脂質のリン酸エ
ステル部を加水分解する酵素として知られている。この
加水分解酵素の生化学的な研究を活発に行うためには、
種々の立体化学をもつスフィンゴミエリン、及びその類
縁体の大量合成が望まれる。特に光学活性な化合物を合
成する際、操作が簡便で収率がよくしかも光学純度が高
く保持されることが肝要である。このような要望に合致
する製造法として、化学変換しやすいキラル中間体を合
成し、この化合物を経て目的物を製造するという手法が
ある。この方法で重要な点は、このキラル中間体が操作の
点で取り扱い易いうえに、安価でかつ大量に入手可能な
物質のことである。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の問題
点を解決するために種々検討した結果、特開平5−78
336で開示した3−ベンジル−4―ヒドロキシメチル
−2−オキサゾリジノンを原料に用いて、スフィンゴミ
エリン類縁体が合成できることを見出し、本発明を完成
させた。すなわち、本発明は下記一般式(1)で示され
るスフィンゴミエリン類縁体およびその光学活性体なら
びにそれらの製法を提供するものである。
【化10】 (式中、RおよびR'は同一または異なってそれぞれ炭
素数1〜10を有する直鎖アルキル基、XはCH=CH
またはCH2−CH2を意味する)
【0004】
【発明の実施の形態】本発明のスフィンゴミエリン類縁
体(1)は下記の方法で製造される。式(2)
【化11】 (式中、Phはフェニルを意味する)で示される2−オ
キサゾリジノンを酸化して4−カルボン酸化合物とし、
それをエステル化後、アルキルリチウムまたはアルケニ
ルリチウムを反応させてケトンに変え、還元後、脱ベン
ジルして式(5)
【化12】 (式中、R'は炭素数1〜10を有する直鎖アルキル
基、XはCH=CHまたはCH2−CH2を意味する)で
表される化合物を得、その水酸基を保護したのち加水分
解に式(6)
【化13】 (式中、R'およびXは前記に同じ。Yは水酸基保護基
を意味する)で示されるアミンを得、これに式(7)
【化14】 (式中、Rは炭素数1〜10を有する直鎖アルキル基を
意味する)で示されるカルボン酸無水物を反応させて、
式(8)
【化15】 (式中、R、R'、XおよびYは前記に同じ)で示され
るアミド体を得、ついでこれに2−クロロ−2−オキソ
−1,3,2−ジオキサホスホラン、続いてトリメチルア
ミンを反応させ、最後に保護基を除去することにより目
的とする一般式(1)で示されるスフィンゴミエリン類
縁体を得る。
【0005】本発明のスフィンゴミエリン類縁体の製法
について以下にさらに詳しく説明する。前記製法を反応
工程式で示せば次のとおりである。
【化16】 (式中、Ph、R、R'、XおよびYは前記に同じ。
R''はエステル残基を意味する)
【0006】式(2)で表される3−ベンジル−4―ヒ
ドロキシメチル−2−オキサゾリジノンを酸化すると4
−カルボン酸化合物が得られる。その酸化剤としては酸
化クロム―硫酸のジョーンズ試薬等が挙げられる。続い
て該カルボン酸化合物をエステル化すると、式(3)で
表されるエステル体(R''が、例えばアルキル基)が得
られる。エステル化の方法としては、ジアゾメタンやア
ルコールー硫酸系等が挙げられる。このエステル体
(3)にアルキルリチウムまたはアルケニルリチウムを
反応させるとケトン体が得られる。アルキルリチウムと
しては、炭素数3〜12を有する飽和直鎖アルキルリチ
ウム、アルケニルリチウムとしては炭素数1〜10の直
鎖アルキル置換ビニルリチウム等が挙げられる。このケ
トンを還元するとアルコール体(5)(XはCH=CH
もしくはCH2−CH2)が得られるが、還元剤として、
ジイソブチルアルミニウム2,6−ジ−tert−ブチル−
4−メチルフェノキシドを用いるとエリトロ体のアルコ
ール(5'')が、L−セレクトライドを用いるとトレオ
体のアルコール(5')が得られる。また、式(3)で
表される化合物は、液体アンモニア−金属ナトリウムで
還元することにより脱ベンジル化されて式(5)の化合
物に導くことができる。
【0007】次に、式(5)で表される化合物の水酸基
を保護した後、塩基で加水分解を行うと式(6)で表さ
れるアミン類縁体が得られる。水酸基の保護基として
は、テトラヒドロピラン、メトキシメチル等のエーテル
系保護基、トリメチルシリル、t-ブチルジメチルシリル
等のケイ素系保護基等が挙げられる。加水分解の塩基と
しては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カ
ルシウム、水酸化バリウム等のアルカリ金属、もしくは
アルカリ土類金属の水酸化物等が挙げられる。続いてカ
ルボン酸無水物(7)と反応させると式(8)で示され
るアミド体が得られ、ついでこれに2―クロロ−2―オ
キソ−1,3,2―ジオキサホスホラン、そしてトリメチ
ルアミンと反応させ、水酸基の保護基を外すことにより
一般式(1)で表されるスフィンゴミエリン類縁体が生
成してくる。原料として用いる3−ベンジル−4―ヒド
ロキシメチル−2−オキサゾリジノンは、3−クロロ−
1,2−プロパンジオールからグリシドールを経て得ら
れるが、3−クロロ−1,2−プロパンジオールとし
て、光学活性な3−クロロ−1,2−プロパンジオール
を用いる場合は光学活性なスフィンゴミエリン類縁体を
合成することができる。高光学純度(98%ee以上)
の3−クロロ−1,2−プロパンジオールとしては例え
ば本出願人による特公平4−73998号公報及び特公
平4−73999号公報に記載の方法により得ることが
できる。
【0008】本発明の方法によれば、光学活性な3−ク
ロロ−1,2−プロパンジオールと、ケトンをアルコー
ルに還元する際の還元剤の組み合わせによって下記一般
式(1a)、(1b)、(1c)および(1d)で表さ
れる4種類のジアステレオマーが合成できる。光学純度
の高い3−クロロ−1,2−プロパンジオールを用いる
と反応中顕著なラセミ化反応は起こらず、高光学純度の
スフィンゴミエリン類縁体を合成することができる。
【化17】
【0009】
【実施例】以下に実施例を示すが、これに限定されるも
のではない。 実施例1 (1)(4R)−3−ベンジル−4−ヒドロキシメチル
−2−オキサゾリジノン(式(2)の化合物)の製造 (R)−グリシドール(0.556g,7.51mmo
l)の無水塩化メチレン(3ml)溶液に、アルゴン雰
囲気下、0℃でベンジルイソシアネート(0.93m
l,7.51mmol)を滴下し、続いてトリエチルア
ミン(1.90ml,13.61mmol)を滴下した。
この反応混合物を0℃で10分撹拌した後、35〜40
℃で18時間撹拌した。これを減圧濃縮して粗生成物を
シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して標記化
合物(1.264g,81%)を得た。 m.p. 74.0-75.0 ℃1 H NMR (400 MHz, CDCl3)δ: 1.75 (1H, dd, J=7.2, 4.
3 Hz), 3.53 (1H, m),3.71 (2H, m), 4.24 (1H, dd, J=
8.7, 6.3 Hz), 4.33 (1H, t, J=8.7 Hz), 4.37(1H, d,
J=15.3 Hz), 4.64 (1H, d, J=15.3 Hz), 7.35 (5H, m)13 CNMR (100 MHz, CDCl3)δ: 46.37, 55.84, 60.49, 6
4.53, 128.01, 128.90,136.03, 159.13 IR (nujol) 3376, 1712, 1500, 1260 cm-1 施光度: [α]20 D+32.26 (c=1, CHCl3)
【0010】(2)(4S)−3−ベンジル−2−オキ
サゾリジノン−4−カルボン酸(以下、(4S)−カル
ボン酸という)の製造 上記(1)で得られた化合物(15.09g,72.38
mmol)のアセトン(293ml)溶液に、0℃でジ
ョーンズ試薬(67.8ml,181mmol)をゆっ
くり滴下した。室温に上昇し、5時間撹拌した後、0℃
で飽和食塩水を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を1
0%亜硫酸水素ナトリウム水溶液で5回、飽和食塩水で
1回洗浄した。これを乾燥、減圧濃縮することにより、
標記(4S)−カルボン酸の粗生成物を得た。この粗生
成物は精製することなく次の反応に用いた。 m.p. 129.3-129.8℃1 H NMR (400 MHz, CDCl3)δ: 4.13 (1H, dd, J=9.0, 5.
1 Hz), 4.23 (1H, d,J=14.9 Hz), 4.45 (2H, m), 4.98
(1H, d, J=14.9 Hz), 5.90 (1H, brs), 7.30(5H, m)13 CNMR (100 MHz, CDCl3)δ: 47.19, 55.47, 64.64, 12
8.37, 128.57, 129.01, 134.75, 158.23, 172.48 IR (nujol) 2950, 1750, 1705, 1265 cm-1 施光度: [α]20 D-27.65゜ (c=1, CHCl3)
【0011】(3)(4s)−3−ベンジル−2−オキ
サゾリジノン−4−カルボン酸メチルエステル(式
(3)のR''がCH3の化合物、以下(4S)−メチル
エステルという)の製造 40%水酸化カリウム水溶液(140.6ml)とジエ
チルエーテル(296.5ml)の二層溶液に、0℃で
ニトロソメチルウレア(22.36g,217mmo
l)を加えた。そのまま0℃で15分間撹拌し、5分間
静置して黄色いジアゾメタンのエーテル溶液を調製し
た。この溶液を上記(2)で得られた粗(4S)−カル
ボン酸の酢酸エチル(300ml)溶液に0℃で黄色を
帯びるまで加えた。これを同温で20分間撹拌した後、
飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出
し、有機層を飽和食塩水で洗浄、乾燥後、減圧濃縮し
た。この粗生成物を結晶化により精製して標記(4S)
−メチルエステル[15.39g,90.4%((2)と
(3)の合計収率)]を得た。 m.p. 63.9-64.4℃1 H NMR (400 MHz, CDCl3)δ: 3.74 (3H, s), 4.11 (1H,
dd, J=9.5, 5.1 Hz),4.25 (1H, d, J=14.9 Hz), 4.35
(1H, dd, J=9.0, 5.1 Hz), 4.41 (1H, t, J=9.1 Hz),
4.89 (1H, d, J=14.9 Hz), 7.53 (5H, m)13 CNMR (100 MHz, CDCl3)δ: 47.28, 52.78, 55.86, 6
4.27, 128.19, 128.48,128.87, 134.99, 157.58, 169.8
7 IR (nujol) 1740, 1500, 1174, 1090 cm-1 施光度: [α]20 D-41.27゜ (c=1, CHCl3)
【0012】(4)(E)−1−ブロモ−1−ヘプテン
の製造 アルゴン雰囲気下、1−ヘプチン(23.6ml,0.1
8mol)に1.0Mジイソブチルアルミニウムヒドリ
ド−ヘキサン溶液(0.198mol)を加え、室温で
30分間撹拌した後、50℃に加熱して4時間撹拌し
た。その後−30℃に冷却し、無水ジエチルエーテル
(180ml)を加え、−15℃以下でN−ブロモスク
シンイミド(38.25g,0.216mol)を加えた
後に25℃に昇温した。25℃で1時間撹拌した後、6
N塩酸とペンタンと氷の溶液へ加え、ペンタンで抽出し
た。有機層を1N水酸化ナトリウム溶液、10%亜硫酸
ナトリウム水溶液、さらに飽和食塩水で洗浄後、無水硫
酸マグネシウムで乾燥、減圧濃縮した。粗生成物を蒸留
することにより(E)−1−ブロモ−1−ヘプテン(2
2.28g,69.9%)を得た。1 H NMR (400 MHz, CDCl3)δ: 0.89 (3H, t, J=7.1 Hz),
1.26-1.43 (6H, m),2.03 (2H, dtd, J=7.3, 7.3, 1.5
Hz), 6.01 (1H, dt, J=13.4, 1.5 Hz), 6.17(1H, dt, J
=13.4, 7.3 Hz)13 CNMR (100 MHz, CDCl3)δ: 14.0, 22.4, 28.3, 31.1,
32.9, 104.0, 138.3
【0013】(5)(E)−1−リチオ−1−ヘプテン
(アルケニルリチウム)の製造 アルゴン雰囲気下、無水ジエチルエーテル(27ml)
にリチウムパウダー(948mg,137mmol)を
加え、室温で撹拌しながら(E)−1−ブロモ−1−ヘ
プテン(12.091g,68.3mmol)の無水ジエ
チルエーテル(14ml)溶液を30滴ほど滴下した。
溶液がかすかに曇ってリチウム金属上に光沢が現れると
直ちに−40℃に冷却し、内温が−10℃に保たれるよ
うな速度で約30分かけて滴下した。滴下終了後、0〜
10℃で2時間撹拌したのち静置させ、トランスチュー
ブとガラスフィルターを用いて無水ろ過し、得られた標
記化合物(アルケニル化合物)を含有する溶液をそのま
ま次の工程に使用した。なお、該溶液中のアルケニルリ
チウムの濃度は1.22mol/lであった。
【0014】(6)(4S)−3−ベンジル−2−オキ
サゾリジノン−4−イル 1−ヘプテニル ケトン(以
下、(4S)−アルケニルケトンという)の製造 アルゴン雰囲気下、上記(3)で得られた(4S)−メ
チルエステル(500mg,2.13mmol)のTH
F(10.6ml)溶液を−100℃ 以下に冷却し、溶
液が固化する直前に、あらかじめ−78℃ に冷却して
おいた上記(5)で調製したアルケニルリチウム(1.
83ml,2.23mmol)のエーテル(10.6m
l)溶液をゆっくりと滴下した。−100℃で30分間
撹拌した後、同温で飽和塩化アンモニウム水溶液を加
え、室温に昇温した。酢酸エチルで抽出し、その抽出液
を飽和食塩水で洗浄、硫酸マグネシウムで乾燥した後、
減圧濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー
で精製して標記(4S)−アルケニルケトン(419m
g,65.5%)の結晶を得た。1 H NMR (400 MHz, CDCl3)δ: 0.90 (3H, t, J=7.3 Hz),
1.25-1.34 (4H, m),1.44 (2H, tt, J=7.3, 7.3 Hz),
2.21 (2H, dtd, J=7.3, 7.1, 1.5 Hz), 4.07 (1H, d, J
=14.9 Hz), 4.12 (1H, dd, J=8.8, 5.9 Hz), 4.28 (1H,
dd, J=10.0, 5.9 Hz), 4.44 (1H, dd, J=9.8, 8.8 H
z), 4.92 (1H, d, J=14.9 Hz), 6.13 (1H,dt, J=15.9,
1.5 Hz), 6.92 (1H, dt, J=15.9, 7.1 Hz), 7.02-7.36
(5H, m)13 CNMR (100 MHz, CDCl3)δ: 13.9, 22.3, 27.5, 31.3,
32.8, 47.3, 60.2, 64.0, 125.0, 128.2, 128.7, 128.
9, 135.0, 152.4, 158.0, 194.6
【0015】(7)(4S)−3−ベンジル−4−
(1'α−ヒドロキシ−2−オクテン−1−イル)オキ
サゾリン−2−オン(式(4)においてR'がn−C5
11−、XがCH=CHの化合物)の製造 まず、ジイソブチルアルミニウム2,6−ジ−tert−ブ
チル−メチルフェノキシドの溶液を調製した。すなわ
ち、アルゴン雰囲気下、2,6−ジ−tert−ブチル−メ
チルフェノール(1.388g,6.30mmol)の無
水トルエン(6.0ml)溶液を0℃で撹拌しながら1.
0Mジイソブチルアルミニウムヒドリドトルエン溶液
(6.0ml,6.0mmol)を加えた。0℃で1時間
撹拌した後、別の容器に移して保存した(0.5M溶
液)。アルゴン雰囲気下、上記(6)で得た(4S)−
アルケニルケトン(100mg,0.322mmol)
の無水トルエン(1.7ml)溶液に、0℃で上記ジイ
ソブチルアルミニウム2,6−ジ−tert−ブチル−メチ
ルフェノキシドの溶液(1.39ml,0.697mmo
l)を加えた。0℃で10分間撹拌し、1N塩酸を加え
た後、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和炭酸水素ナト
リウム、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥
後減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィーで精製することにより標記化合物(92mg,9
1.1%)を得た。1 H NMR (400 MHz, CDCl3)δ: 0.87 (3H, t, J=7.1 Hz),
1.225-1.38 (6H, m),2.01 (2H, dt, J=7.3, 7.1 Hz),
2.64 (1H, d, J=2.9 Hz), 3.65 (1H, ddd, J=9.0, 6.1,
2.9 Hz), 4.16 (1H, dd, J=9.0, 9.0 Hz), 4.27, (1H,
dd, J=8.8, 6.1 Hz), 4.30 (1H, d, J=15.4 Hz), 4.32
(1H, brs), 4.77 (1H, d, J=15.1 Hz), 5.26 (1H, dd
t, J=15.4, 5.9, 1.5 Hz), 5.79 (1H, dtd, J=15.4, 6.
8, 1.2 Hz), 7.30-7.38 (5H, m)13 CNMR (100 MHz, CDCl3)δ: 13.9, 22.4, 28.5, 31.2,
32.2, 46.4, 58.4, 62.7, 69.3, 126.2, 127.9, 128.
0, 128.9, 135.2, 136.1, 159.2
【0016】(8)(4S)−4−1'−ヒドロキシ−
2'−オクテン−1'−イル)オキサゾリン−2−オン
(式(5'')においてR'がn−C511、XがCH=C
Hの化合物)の製造 アルゴン雰囲気下、反応容器を−78℃に保ち、液体ア
ンモニアを約12ml凝縮させた。この中に上記(7)
の化合物(460mg,1.516mmol)の無水T
HF(3.0ml)溶液を滴下した後、溶液が濃青色に
なるまで金属ナトリウムを加えた。−78℃で30分間
撹拌した後、固体の塩化アンモニウムを加え、液体アン
モニアを自然蒸発させた。蒸留水を加えて塩化アンモニ
ウムを溶かした後、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和
食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮し
た。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製
することにより標記化合物(315mg,97.5%)
の結晶を得た。1 H NMR (400 MHz, CDCl3)δ: 0.89 (3H, t, J=6.6 Hz),
1.26-1.42 (6H, m),2.05 (2H, dt, J=7.1, 6.8 Hz),
2.67 (1H, brs), 3.86 (1H, ddd, J=8.8, 5.1,4.9 Hz),
4.11 (1H, dd, J=6.1, 5.6 Hz), 4.33 (1H, dd, J=9.
0, 5.1 Hz), 4.41 (1H, dt, J=8.8, 8.8 Hz), 5.38 (1
H, dd, J=15.4, 7.1 Hz), 5.84 (1H, dt,J=15.4, 7.1 H
z), 5.90 (1H, brs)13 CNMR (100 MHz, CDCl3)δ: 13.99, 22.
43, 28.63, 31.32, 32.29,
56.35, 66.15, 72.82, 126.
36, 136.15, 160.55
【0017】(9)4−(1’−テトラヒドロピラニル
オキシ−2'−オクテン−1'−イル)オキサゾリン−2
−オン(以下、テトラヒドロピラニルエーテルという)
の製造 アルゴン雰囲気下、上記(8)の化合物(480mg,
2.25mmol)の無水塩化メチレン(6.7ml)溶
液に、ピリジニウム−パラトルエンスルホネート(56
6mg,2.25mmol)を加え、0℃でジヒドロピ
ラン(0.35ml,3.83mmol)を加えた。25
℃で2時間撹拌した後飽和炭酸水素ナトリウムを加え、
塩化メチレンで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄、無
水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮した。残渣をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより標
記テトラヒドロピラニルエーテル(645mg,96.
4%)を得た。1 H NMR (400 MHz, CDCl3)δ: 0.89 (3H, t, J=6.8 Hz),
1.26-1.41 (6H, m),1.54-1.81 (6H, brm), 2.06および
2.08 (一対のdt, 2H, J=7.1, 6.8 Hz), 3.44-3.52 (1H,
m), 3.79-3.91 (2H, brm), 3.97および4.03 (一対のd
d, 1H, J=8.4,7.3 Hz), 4.27および4.33 (一対のdd, 1
H, J=8.8, 4.9 Hz), 4.42および4.46 (一対のdd, 1H, J
=8.5, 8.5 Hz), 4.64および4.72 (一対のbrs, 1H), 5.2
2および5.43 (一対のdd, 1H, J=15.4, 8.5 Hz), 5.37お
よび5.52 (一対のbrs), 5.79および5.83 (一対のdt, 1
H, J=15.4, 7.1 Hz)13 CNMR (100 MHz, CDCl3)δ: 14.0, 19.5, 22.38, 22.4
1, 25.21, 25.32, 28.58, 28.60, 30.47, 30.62, 31.2
9, 31.32, 32.29, 32.32, 55.12, 55.19, 62.69, 62.8
5, 66.77, 97.22, 77.4, 79.7, 94.8, 98.9, 124.2, 12
5.7, 137.0, 139.9, 159.40, 159.46
【0018】(10)N−アシル−3−O−テトラヒド
ロピラニル−D−エリトロ−スフィンゴシン類縁体(式
(8)においてRがn−C511−、R'がn−C511
−、XがCH=CH、Yがテトラヒドロピラニルである
化合物)の製造 上記(9)で得られるテトラヒドロピラニルエーテル
(790mg,2.66mmol)の1,4−ジオキサン
(5.3ml)溶液に、テトラブチルアンモニウムブロ
ミド(172mg,0.53mmol)を加え、室温で
6N水酸化ナトリウム水溶液(2.7ml)を加え、1
00℃で18時間還流させることでオキサゾリジノン環
の開環を行った。続いて開環体を単離することなく室温
で蒸留水(5.4ml)を加え、0℃でカプロン酸無水
物(0.652ml,2.79mmol)を加え、室温で
撹拌した。30分後、1N塩酸で中和し、酢酸エチルで
抽出して、有機層を飽和食塩水で洗浄、無水硫酸マグネ
シウムで乾燥後、減圧濃縮した。この粗生成物をシルカ
ゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、標記N−アシ
ル−3−O−テトラヒドロピラニル−D−エリトロ−ス
フィンゴシン類縁体(850mg,86.6%)を得
た。1 H NMR (400 MHz, CDCl3)δ: 0.86 (6H, m), 1.25-1.39
(10H, brm), 1.53-1.81 (8H, brm), 2.05 (2H, m), 2.
19および2.21 (一対のtd, 2H, J=7.3, 1.5 Hz), 3.31
(1H, brd, J=7.3 Hz), 3.49 (1H, m), 3.62 (1H, m),
3.85-3.99 (3H, brm), 4.20および4.32 (一対のm, 1H),
4.46および4.67 (一対のm, 1H), 5.37および5.49 (一
対のddt, J=15.5, 7.2, 1.5 Hz), 5.71および5.78, (一
対のdtd, 1H, J=14.6, 6.8, 1.0 Hz), 6.20および6.39
(一対のbrd, 1H, J=7.2 Hz)13 CNMR (100 MHz, CDCl3)δ: 13.9, 14.0, 19.9, 20.8,
22.36, 22.41, 25.2,25.3, 25.4, 28.7, 30.6, 31.0,
31.29, 31.31, 31.36, 31.38, 32.17, 32.24,36.77, 3
6.79, 53.8, 54.2, 62.5, 62.7, 63.4, 64.4, 78.7, 7
8.9, 97.9, 99.0, 126.4, 127.0, 134.8, 135.8, 173.
3, 173.7 IR (neat) 3304, 2932, 2864, 1644 cm-1
【0019】(11)3−O−テトラヒドロピラニル−
1−O−(2−オキソー1,3,2−ジオキサホスホラ
ン)セラミド類縁体の製造 アルゴン雰囲気下、上記(10)で得られたN−アシル
−3−O−テトラヒドロピラニル−D−エリトロ−スフ
ィンゴシン類縁体(763mg,2.065mmol)
の無水ベンゼン(20ml)溶液に、トリエチルアミン
(0.374ml,2.684mmol)と4−ジメチル
アミノピリジン(25mg,0.206mol)を加
え、さらに0℃で2−クロロ−2−オキソ−1,3,2−
ジオキサホスホラン(0.247ml,2.684mmo
l)を加え、室温で2時間撹拌した。反応混合物をろ過
した後、溶媒を減圧下に留去して標記の3−O−テトラ
ヒドロピラニル−1−O−(2−オキソ−1,3,2−ジ
オキサホスホラン)セラミド類縁体を得た。この環状リ
ン酸エステルをベンゼン共沸した後、精製することなく
次の反応に用いた。
【0020】(12)3−O−テトラヒドロピラニル−
D−エリトロ−スフィンゴミエリン類縁体の製造 アルゴン雰囲気下、上記(11)で得た粗環状リン酸エ
ステルを無水ジメチルホルムアミド(10ml)に溶か
し、耐圧管に移した。ここへ、−78℃でトリメチルア
ミン(10ml)を加え封管後70℃に加熱し2日間撹
拌した。後処理することなく溶媒を留去し、粗生成物を
シリカゲルカラムクロマトグラフィーにかけることによ
り(クロロホルム:メタノール:水=65:25:4)
3−O−テトラヒドロピラニル−D−エリトロ−スフィ
ンゴミエリン類縁体[591mg,53.5%((1
1)および(12)の合計収率)]を得た。1 H NMR (400 MHz, CD3OD) δ: 0.90 (6H, m), 1.31-1.4
2 (10H, m), 1.53-1.87 (8H, brm), 2.05 (2H, m), 2.1
8 (2H, t, J=7.7 Hz), 3.22 (9H, s), 3.40-3.51 (1H,
brm), 3.64 (2H, brt), 3.82-3.92 (1H, brm), 3.97 (1
H, dd, J=5.4,5.4 Hz), 4.01-4.06 (1H, brm), 4.12 (2
H, m), 4.26-4.28 (2H, m), 4.65および4.78 (一対のm,
1H), 5.26および5.46 (一対のdd, 1H, J=15.1, 7.1 H
z), 5.70および5.73 (一対のdt, 1H, J=15.1, 6.5 Hz)13 CNMR (100 MHz, CD3OD) δ: 14.31, 14.41, 20.31, 2
0.51, 23.49, 23.58,26.61, 26.66, 26.79, 26.85, 29.
92, 29.98, 31.71, 31.76, 32.54, 32.61, 33.31, 33.3
8, 37.27, 37.34, 54.68, 60.51, 63.28, 63.46, 65.5
9, 65.64, 65.70, 65.76, 66.54, 67.40, 76.72, 78.9
1, 95.87, 99.84, 127.82, 129.09, 135.88, 138.84, 1
75.91, 175.99
【0021】(13)D−エリトロ−スフィンゴミエリ
ン類縁体(式(1a)においてRおよびR'が共にn−
511−、XがCH=CHの化合物)の製造 上記(12)で得た3−O−テトラヒドロピラニル−D
−エリトロ−スフィンゴミエリン類縁体(25mg,
0.047mmol)のメタノール(0.5ml)溶液に
パラトルエンスルホン酸(9mg)を加え、室温で7時
間撹拌した。反応混合物の溶媒を減圧留去し、粗生成物
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホル
ム:メタノール:水=65:25:4)で精製すること
により標記D−エリトロ−スフィンゴミエリン類縁体
(19mg,90.5%)を得た。1 H NMR (400 MHz, CD3OD) δ: 0.91 (6H, m), 1.31-1.4
0 (10H, m), 1.59 (2H, tt, J=7.1, 7.1 Hz), 2.02 (2
H, dt, J=7.1, 7.1 Hz), 3.22 (9H, s), 3.64 (2H, br
t, J=4.5 Hz), 3.95-3.98 (2H, m), 4.03-4.27 (2H,
m), 4.85 (2H, brs), 5.45 (1H, dd, J=15.2, 7.6 Hz),
5.70 (1H, dt, J=15.1, 7.3 Hz)13 CNMR (100 MHz, CD3OD) δ: 14.32, 14.39, 23.48, 2
3.59, 27.02, 30.02,32.56, 32.63, 33.37, 37.26, 54.
69, 55.27, 55.35, 55.43, 60.39, 60.44, 65.76, 65.8
1, 67.46, 72.59, 131.22, 134.95, 175.86 旋光度:[α]28 D+9.60 (c=1.125, CHCl3:CH3OH=1:1) 高分解能マススペクトル(FAB測定法)によるm/z
は451.2945であった。理論値(C214362
P)M+H 451.2926
【0022】実施例2 (1)(4S)−3−ベンジル−4−(1'β−ヒドロ
キシ−2−オクテン−1−イル)オキサゾリン−2−オ
ン(式(4)においてR'がn−C511−、XがCH=
CHの化合物)の製造 アルゴン雰囲気下、実施例1の(6)で得られた(4
S)−アルケニルケトン(300mg,0.995mm
ol)の無水THF(5.0ml)溶液に、−78℃で
L−セレクトライド(1.0M THF)溶液(1.49
ml,1.49mmol)を加え、−78℃で15分間
撹拌し、飽和塩化アンモニウム溶液を加えた後、酢酸エ
チルで抽出し有機層を飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナト
リウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィーで精製することにより標記化合物
(280mg,92.7%)を得た。1 H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 0.89 (3H, t, J=6.9 H
z), 1.20-1.39 (6H, m),2.14 (1H, brs), 3.68 (1H, d
t, J=8.8, 5.9 Hz), 4.11 (1H, dd, J=9.0, 5.6Hz), 4.
16 (1H, dt, J=9.0, 8.8 Hz), 4.23 (1H, dd, J=6.6,
6.6 Hz), 4.35 (1H, d, J=14.9 Hz), 4.79 (1H, d, J=1
4.9 Hz), 5.37 (1H, ddd, J=15.4, 7.3, 1.2 Hz), 5.76
(1H, dtd, J=15.4, 6.8, 0.7 Hz), 7.28-7.35 (5H, m)13 CNMR (100 MHz, CD3Cl3) δ: 13.9, 22.4, 28.5, 31.
3, 32.2, 47.3, 57.5,63.8, 73.7, 126.4, 127.8, 128.
3, 128.7, 136.3, 136.9, 158.9
【0023】(2)D−トレオ−スフィンゴミエリン類
縁体(syn)(式(1c)においてRおよびR'が共
にn−C511−、XがCH=CHの化合物)の製造 上記(1)で得た化合物を用い、実施例1の(7)〜
(13)と同様の方法でD−トレオ−スフィンゴミエリ
ン類縁体(syn)を得た。1 H NMR (400 MHz, CD3OD) δ: 0.91 (6H, q, J=6.8 H
z), 1.27-1.42 (10H, brm), 1.56-1.64 (2H, brm), 2.0
1 (2H, dt, J=7.1, 6.8 Hz), 2.15-2.27 (2H, m), 3.22
(9H, s), 3.64 (2H, m), 3.83 (1H, dt, J=6.3, 6.3 H
z), 3.96-4.01 (1H, m), 4.02-4.06 (1H, m), 4.24-4.2
9 (2H, brm), 4.30-4.32 (1H, brm), 5.44(1H, ddt, J=
15.4, 6.1, 1.2 Hz), 5.73 (1H, dtd, J=15.4, 6.8, 1.
2 Hz)13 CNMR (100 MHz, CD3OD) δ: 14.32, 14.39, 23.49, 2
3.59, 26.87, 30.04,32.57, 33.37, 37.17, 54.65, 54.
68, 54.72, 55.27, 55.36, 60.41, 60.46, 65.14, 65.1
9, 67.47, 71.03, 130.74, 133.71, 176.37 旋光度: [α]28 D-9.53 (c=1.280, CHCl3:CH3OH=1:1) 高分解能マススペクトル(FAB測定法)によるm/z
は451.2937であった。理論値(C214362
P)M+H451.2926
【0024】実施例3 (1)ヘプチルリチウムの製造 アルゴン雰囲気下、無水ジエチルエーテル(64ml)
にリチウムパウダー(2.43g,350mmol)を
加え、室温で撹拌しながら1−ブロモ−1−ヘプタンの
無水ジエチルエーテル(32ml)溶液を30滴ほど滴
下した。溶液がかすかに曇ってリチウム金属上に光沢が
現れると直ちに−40℃に冷却し、内温が−10℃に保
たれるような速度で約30分かけて滴下した。滴下終了
後0〜10℃で2時間撹拌した後静置させ、トランスチ
ューブとガラスフィルターを用いて無水ろ過し、別の容
器に移した。ヘプチルリチウムの濃度は、1.45mo
l/lであった。
【0025】(2)(4S)−3−ベンジル−2−オキ
サゾリジノン−4−イル n−ペプチルケトン(以下、
(4S)−アルキルケトンという)の製造 アルゴン雰囲気下、実施例1の(3)で得られた(4
S)−メチルエステル(6.0g,25.5mmol)の
THF(77ml)溶液を−100℃以下に冷却し、溶
液が固化する直前に、あらかじめ−78℃に冷却してお
いた上記(1)で得たヘプチルリチウム溶液(19.3
ml,28.1mmol)をゆっくりと滴下した。徐々
に昇温して−78℃で1時間撹拌した後、同温で飽和塩
化アンモニウム水溶液を加え、室温に昇温した。酢酸エ
チルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄、無水硫酸マ
グネシウムで乾燥した後、減圧濃縮した。残留物をシリ
カゲルクロマトグラフィーで精製し、標記(4S)−ア
ルキルケトン(5.724g,74.0%)の結晶を得
た。1 H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 0.88 (3H, t, J=7.0 H
z), 1.18-1.31 (8H, brm), 1.46-1.54 (2H, brm), 2.26
-2.31 (2H, m), 4.07-4.12 (3H, m), 4.43 (1H,dd, J=1
0.5 Hz), 4.90 (1H, d, J=14.9 Hz), 7.21-7.37 (5H, b
rm)13 CNMR (100 MHz, CDCl3) δ: 14.0, 22.5, 23.0, 28.
9, 29.0, 31.5, 39.1,47.5, 61.7, 63.6, 128.3, 128.
6, 129.0, 134.9, 157.9, 206.2
【0026】(3)D−エリトロ−スフィンゴミエリン
類縁体(式(1a)においてRおよびR'が共にn−C5
11−、XがCH2−CH2の化合物)の製造 上記(2)で得た(4S)−アルキルケトンを用い、実
施例1の(6)〜(13)と同様の方法で標記のD−エ
リトロ−スフィンゴミエリン類縁体を得た。1 H NMR (400 MHz, CD3OD) δ: 0.88-0.94 (6H, m), 1.3
2-1.35 (14H, brm), 1.54-1.66 (4H, brm), 2.18-2.26
(2H, m), 3.22 (9H, s), 3.59-3.64 (3H, brm), 3.86-
3.92 (1H, brm), 3.93-3.98 (1H, m), 4.09-4.14 (1H,
m), 4.24-4.30 (2H, brm)13 CNMR (100 MHz, CD3OD) δ: 14.35, 14.46, 23.50, 2
3.74, 26.73, 26.86,30.43, 30.77, 32.62, 33.05, 34.
79, 37.27, 54.66, 55.63, 55.70, 60.40, 60.45, 65.9
3, 65.98, 67.46, 70.94, 176.11 旋光度: [α]28 D+29.57 (c=1.275, CHCl3:CH3OH=1:1) 高分解能マススペクトル(FAB測定法)によるm/z
は453.3083であった。理論値(C214562
P)M+H453.3082
【0027】(4)D−トレオ−スフィンゴミエリン類
縁体(式(1c)においてRおよびR'が共にn−C5
11−、XがCH2−CH2の化合物)の製造 上記(2)で得た(4S)−アルキルケトンを用い、実
施例2の(1)〜(2)と同様の方法で標記D−トレオ
−スフィンゴミエリン類縁体を得た。1 H NMR (400 MHz, CD3OD) δ: 0.88-0.93 (6H, m), 1.3
0-1.43 (16H, brm), 1.58-1.66 (2H, brm), 2.17-2.30
(2H, m), 3.22 (9H, s), 3.63-3.65 (2H, brm), 3.79-
3.85 (2H, brm), 3.92-3.98 (1H, m), 4.02-4.06 (1H,
td, J=6.8, 2.3Hz), 4.23-4.89 (2H, brm)13 CNMR (100 MHz, CD3OD) δ: 14.36, 14.45, 23.49, 2
3.73, 26.89, 26.98,30.40, 30.77, 32.55, 33.02, 34.
79, 37.13, 54.30, 54.37, 54.66, 60.43, 60.47, 65.3
7, 65.42, 67.44, 70.09, 176.45 旋光度: [α]28 D-7.72 (c=1.335, CHCl3:CH3OH=1:1) 高分解能マススペクトル(FAB測定法)によるm/z
は453.3083であった。理論値(C214562
P)M+H453.3082
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−200691(JP,A) 米国特許5220043(US,A) Tetrahedron:Asymm etry,1994,Vol.5,No. 2,p161−164 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07F 9/09 C07B 53/00 C07F 9/113 C07M 7:00 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 (式中、RおよびR'は同一または異なってそれぞれ炭
    素数1〜10を有する直鎖アルキル基、XはCH=CH
    またはCH2−CH2を意味する)で表されるスフィンゴ
    ミエリン類縁体。
  2. 【請求項2】 該スフィンゴミエリン類縁体(1)が光
    学活性体である請求項1に記載のスフィンゴミエリン類
    縁体。
  3. 【請求項3】 式(2) 【化2】 (式中、Phはフェニルを意味する)で示される2−オ
    キサゾリジノンを酸化して4−カルボン酸化合物とし、
    それをエステル化後、アルキルリチウムまたはアルケニ
    ルリチウムを反応させてケトンに変え、還元後、脱ベン
    ジルして式(5) 【化3】 (式中、R'は炭素数1〜10を有する直鎖アルキル
    基、XはCH=CHまたはCH2−CH2を意味する)で
    表される化合物を得、その水酸基を保護したのち加水分
    解して式(6) 【化4】 (式中、R'およびXは前記に同じ。Yは水酸基保護基
    を意味する)で示されるアミンを得、これに式(7) 【化5】 (式中、Rは炭素数1〜10を有する直鎖アルキル基を
    意味する)で示されるカルボン酸無水物を反応させて、
    式(8) 【化6】 (式中、R、R'、XおよびYは前記に同じ)で示され
    るアミド体を得、ついでこれに2−クロロ−2−オキソ
    −1,3,2−ジオキサホスホラン、続いてトリメチルア
    ミンを反応させ、最後に保護基を除去することを特徴と
    する一般式(1) 【化7】 (式中、R、R'、XおよびYは前記に同じ)で示され
    るスフィンゴミエリン類縁体の製法。
  4. 【請求項4】 光学活性2−オキサゾリジノン(5)を
    用い、光学活性スフィンゴミエリン類縁体(1)を製造
    する請求項3に記載の製法。
  5. 【請求項5】 ケトンを還元後、脱ベンジルして式
    (5)で表される化合物を得る工程において、還元剤と
    してL−セレクトライドを用いることによって、式
    (5') 【化8】 (式中、R'およびXは前記に同じ)で示されるトレオ
    体のアルコールを得る請求項3または4に記載の製法。
  6. 【請求項6】 ケトンを還元後、脱ベンジルして式
    (5)で表される化合物を得る工程において、還元剤と
    してジイソブチルアルミニウム2,6−ジ−tert−ブチ
    ル−4−メチルフェノキシドを用いることによって、式
    (5'') 【化9】 (式中、R'およびXは前記に同じ)で示されるエリト
    ロ体のアルコールを得る請求項3または4に記載の製
    法。
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