JP3317233B2 - デオキシマンノジリマイシンの製造法 - Google Patents
デオキシマンノジリマイシンの製造法Info
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- JP3317233B2 JP3317233B2 JP04338198A JP4338198A JP3317233B2 JP 3317233 B2 JP3317233 B2 JP 3317233B2 JP 04338198 A JP04338198 A JP 04338198A JP 4338198 A JP4338198 A JP 4338198A JP 3317233 B2 JP3317233 B2 JP 3317233B2
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/55—Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups
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- Hydrogenated Pyridines (AREA)
- Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はガン細胞の増殖抑制
や抗ウィルス作用を示す医薬品としての重要なデオキシ
マンノジリマイシンの製造方法に関する。
や抗ウィルス作用を示す医薬品としての重要なデオキシ
マンノジリマイシンの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】デオキシマンノジリマイシンは、グルコ
蛋白質を有するマンノシダーゼやボビンα−L−フコシ
ダーゼのような酵素の働きを強力に阻害することで、ガ
ン細胞の増殖抑制や抗ウィルス作用を示す生理活性物質
である。このデオキシマンノジリマイシンの合成法とし
ては(1)δ−グルコノラクトンを出発原料に用いて合
成する方法(J.Chem.Soc.Perkin T
rans I,2621(1994))、(2)2−フ
ルアルデヒドを出発原料に用いて合成する方法(Tet
rahedron Lett.,37,1461(19
96))等が挙げられる。
蛋白質を有するマンノシダーゼやボビンα−L−フコシ
ダーゼのような酵素の働きを強力に阻害することで、ガ
ン細胞の増殖抑制や抗ウィルス作用を示す生理活性物質
である。このデオキシマンノジリマイシンの合成法とし
ては(1)δ−グルコノラクトンを出発原料に用いて合
成する方法(J.Chem.Soc.Perkin T
rans I,2621(1994))、(2)2−フ
ルアルデヒドを出発原料に用いて合成する方法(Tet
rahedron Lett.,37,1461(19
96))等が挙げられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらこれらの
合成法は次のような問題点がある。すなわち(1)のよ
うなδ−グルコノラクトンを出発原料に用いる方法は、
工程数が長い上、エステルの還元の際、水素化アルミニ
ウムリチウム等の大量合成し難い試薬を使用しなければ
ならない。また(2)の2−フルアルデヒドを出発原料
に用いて合成する方法は、ジエチルアゾジカルボキシレ
ートや不斉配位子等高価な試薬を使用しなければならな
い。
合成法は次のような問題点がある。すなわち(1)のよ
うなδ−グルコノラクトンを出発原料に用いる方法は、
工程数が長い上、エステルの還元の際、水素化アルミニ
ウムリチウム等の大量合成し難い試薬を使用しなければ
ならない。また(2)の2−フルアルデヒドを出発原料
に用いて合成する方法は、ジエチルアゾジカルボキシレ
ートや不斉配位子等高価な試薬を使用しなければならな
い。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の問題
点を解決するために種々検討した結果、3−ベンジル−
4−アルコキシカルボニル−2−オキサゾリジノンを原
料に用いてデオキシマンノジリマイシンが合成できるこ
とを見出し、本発明を完成させた。本発明によれば下記
式(1)
点を解決するために種々検討した結果、3−ベンジル−
4−アルコキシカルボニル−2−オキサゾリジノンを原
料に用いてデオキシマンノジリマイシンが合成できるこ
とを見出し、本発明を完成させた。本発明によれば下記
式(1)
【0005】
【化7】 (Phはフェニル基、Rは炭素数1から4の低級アルキ
ル基を表す)
ル基を表す)
【0006】で表されるオキサゾリジノンエステルにア
セチリドイオンを反応させて下記式(2)で表されるケ
トンを得
セチリドイオンを反応させて下記式(2)で表されるケ
トンを得
【0007】
【化8】 (R1 はシリル保護基を表す)
【0008】還元剤で該ケトンを還元した後、接触水素
添加により式(2)の三重結合をZ体の二重結合へと変
換し、ベンジル基を除去することにより下記式(3)で
表されるアルコールを得
添加により式(2)の三重結合をZ体の二重結合へと変
換し、ベンジル基を除去することにより下記式(3)で
表されるアルコールを得
【0009】
【化9】
【0010】該アルコールの2級水酸基をシリル基で保
護した後、1級水酸基のシリル保護基を選択的に外し、
1級水酸基を脱離基に変換後、塩基処理することにより
環化させて下記式(4)で表される二環性化合物を得
護した後、1級水酸基のシリル保護基を選択的に外し、
1級水酸基を脱離基に変換後、塩基処理することにより
環化させて下記式(4)で表される二環性化合物を得
【0011】
【化10】 (R2 はシリル保護基を表す)
【0012】該二環性化合物の二重結合を酸化して下記
式(5)で表されるcis−ジオールを得
式(5)で表されるcis−ジオールを得
【0013】
【化11】
【0014】該cis−ジオールのジオール基を保護
し、塩基で処理してオキサゾリジノン環を開環した後、
ジオール基の脱保護処理を行うことを特徴とする下記式
(6)で表されるデオキシマンノジリマイシンの製造法
が提供される。
し、塩基で処理してオキサゾリジノン環を開環した後、
ジオール基の脱保護処理を行うことを特徴とする下記式
(6)で表されるデオキシマンノジリマイシンの製造法
が提供される。
【0015】
【化12】
【0016】また本発明によれば式(1)で表される化
合物が光学活性であり、製造される式(6)で表される
デオキシマンノジリマイシンが光学活性であることを特
徴とする上記デオキシマンノジリマイシンの製造法が提
供される。
合物が光学活性であり、製造される式(6)で表される
デオキシマンノジリマイシンが光学活性であることを特
徴とする上記デオキシマンノジリマイシンの製造法が提
供される。
【0017】また本発明によれば式(2)で表されるケ
トンの還元剤が、ジイソブチルアルミニウム2,6−ジ
−tert−ブチル−4−メチルフェノキシドであるこ
とを特徴とする上記デオキシマンノジリマイシンの製造
法が提供される。
トンの還元剤が、ジイソブチルアルミニウム2,6−ジ
−tert−ブチル−4−メチルフェノキシドであるこ
とを特徴とする上記デオキシマンノジリマイシンの製造
法が提供される。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を以下図示す
ると
ると
【0019】
【化13】
【0020】上記のグリシドール(7)から導かれる式
(1)で表されるオキサゾリジノンエステル、すなわち
3−ベンジル−4−アルコキシカルボニル−2−オキサ
ゾリジノンに式(8)で表される、水酸基をシリル基で
保護したプロパギルアルコールのアセチリドアニオンを
反応させると、式(2)で表されるケトン体が得られ
る。シリル保護基としてはトリメチルシリル、t−ブチ
ルジメチルシリル、トリエチルシリル、t−ブチルジフ
ェニルシリル等が挙げられるが好ましくはt−ブチルジ
メチルシリルである。このケトンを還元剤で還元すると
式(9)で表されるエリトロ体のアルコールが得られ
る。還元剤としては水素化アルミニウムリチウム、水素
化ジイソブチルアルミニウム、ジイソブチルアルミニウ
ム−2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノ
キシド、L−セレクトライド、K−セレクトライド、水
素化ホウ素ナトリウム等が挙げられるが、好ましくはジ
イソブチルアルミニウム−2,6−ジ−tert−ブチ
ル−4−メチルフェノキシドである。式(9)で表され
るアルコールにリンドラー触媒下で水素を接触させて還
元することにより、化合物中の三重結合をZ体の二重結
合に変換する。次いで液体アンモニア−金属ナトリウム
もしくは液体アンモニア−金属リチウムで窒素原子に結
合するベンジル基を除去することにより式(3)で表さ
れる化合物に導くことができる。この式(3)化合物の
2級水酸基をシリル基で保護した後、1級水酸基のシリ
ル保護基のみを選択的に除去することにより式(10)
で表される化合物が得られる。脱保護の条件としてはア
セトニトリル中フッ化水素溶液で処理する方法が好まし
い。導入されるシリル保護基としては、トリメチルシリ
ル、t−ブチルジメチルシリル、トリエチルシリル、t
−ブチルジフェニルシリル等が挙げられるが好ましくは
t−ブチルジメチルシリルである。
(1)で表されるオキサゾリジノンエステル、すなわち
3−ベンジル−4−アルコキシカルボニル−2−オキサ
ゾリジノンに式(8)で表される、水酸基をシリル基で
保護したプロパギルアルコールのアセチリドアニオンを
反応させると、式(2)で表されるケトン体が得られ
る。シリル保護基としてはトリメチルシリル、t−ブチ
ルジメチルシリル、トリエチルシリル、t−ブチルジフ
ェニルシリル等が挙げられるが好ましくはt−ブチルジ
メチルシリルである。このケトンを還元剤で還元すると
式(9)で表されるエリトロ体のアルコールが得られ
る。還元剤としては水素化アルミニウムリチウム、水素
化ジイソブチルアルミニウム、ジイソブチルアルミニウ
ム−2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノ
キシド、L−セレクトライド、K−セレクトライド、水
素化ホウ素ナトリウム等が挙げられるが、好ましくはジ
イソブチルアルミニウム−2,6−ジ−tert−ブチ
ル−4−メチルフェノキシドである。式(9)で表され
るアルコールにリンドラー触媒下で水素を接触させて還
元することにより、化合物中の三重結合をZ体の二重結
合に変換する。次いで液体アンモニア−金属ナトリウム
もしくは液体アンモニア−金属リチウムで窒素原子に結
合するベンジル基を除去することにより式(3)で表さ
れる化合物に導くことができる。この式(3)化合物の
2級水酸基をシリル基で保護した後、1級水酸基のシリ
ル保護基のみを選択的に除去することにより式(10)
で表される化合物が得られる。脱保護の条件としてはア
セトニトリル中フッ化水素溶液で処理する方法が好まし
い。導入されるシリル保護基としては、トリメチルシリ
ル、t−ブチルジメチルシリル、トリエチルシリル、t
−ブチルジフェニルシリル等が挙げられるが好ましくは
t−ブチルジメチルシリルである。
【0021】式(10)で表される化合物の水酸基を脱
離基に変換し、塩基で処理することにより式(4)で表
される二環性化合物が得られる。脱離基としては、メタ
ンスルホネート、パラトルエンスルホネート等のスルホ
ン酸エステル系脱離基、クロロ、ブロモ等のハロゲン系
脱離基が挙げられる。使用する塩基としては水素化ナト
リウム、水素化カリウム等の金属水素化物、水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バ
リウム等のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の水
酸化物が挙げられるが、好ましくは水素化ナトリウム、
水素化カリウム等の金属水素化物である。
離基に変換し、塩基で処理することにより式(4)で表
される二環性化合物が得られる。脱離基としては、メタ
ンスルホネート、パラトルエンスルホネート等のスルホ
ン酸エステル系脱離基、クロロ、ブロモ等のハロゲン系
脱離基が挙げられる。使用する塩基としては水素化ナト
リウム、水素化カリウム等の金属水素化物、水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バ
リウム等のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の水
酸化物が挙げられるが、好ましくは水素化ナトリウム、
水素化カリウム等の金属水素化物である。
【0022】式(4)で表される化合物の二重結合を四
酸化オスミウムで酸化すると、立体的にかさ高いシリル
オキシ基の逆側から反応し、式(5)で表されるcis
−ジオールが単一生成物として得られる。このcis−
ジオールを保護し、塩基で処理してオキサゾリジノン環
を開環した後、酸で処理して脱保護することにより、式
(6)で表されるデオキシマンノジリマイシンが得られ
る。ジオールの保護基としてはテトラヒドロピラン、メ
トキシメチル等のエーテル系保護基、トリメチルシリ
ル、t−ブチルメチルシリル等のケイ素系保護基、アセ
トン、2,2−ジメトキシプロパン、2−メトキシプロ
ペン等を用いたアセトナイド保護基等が挙げられるが、
好ましくはアセトン、2,2−ジメトキシプロパン、2
−メトキシプロペン等を用いたアセトナイド保護基であ
る。オキサゾリジノンの開環に使用する塩基としては、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウ
ム、水酸化バリウム等のアルカリ金属もしくはアルカリ
土類金属の水酸化物が挙げられるが、好ましくは水酸化
ナトリウム、水素化カリウムである。
酸化オスミウムで酸化すると、立体的にかさ高いシリル
オキシ基の逆側から反応し、式(5)で表されるcis
−ジオールが単一生成物として得られる。このcis−
ジオールを保護し、塩基で処理してオキサゾリジノン環
を開環した後、酸で処理して脱保護することにより、式
(6)で表されるデオキシマンノジリマイシンが得られ
る。ジオールの保護基としてはテトラヒドロピラン、メ
トキシメチル等のエーテル系保護基、トリメチルシリ
ル、t−ブチルメチルシリル等のケイ素系保護基、アセ
トン、2,2−ジメトキシプロパン、2−メトキシプロ
ペン等を用いたアセトナイド保護基等が挙げられるが、
好ましくはアセトン、2,2−ジメトキシプロパン、2
−メトキシプロペン等を用いたアセトナイド保護基であ
る。オキサゾリジノンの開環に使用する塩基としては、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウ
ム、水酸化バリウム等のアルカリ金属もしくはアルカリ
土類金属の水酸化物が挙げられるが、好ましくは水酸化
ナトリウム、水素化カリウムである。
【0023】原料として用いる3−ベンジル−4−アル
コキシカルボニル−2−オキサゾリジン、例えばメチル
エステルの場合は本出願人の特開平5−78336号公
報に記載の方法により3−クロロ−1,2−プロパンジ
オールからグリシドールを経て得られるが、3−クロロ
−1,2−プロパンジオールとして、光学活性な3−ク
ロロ−1,2−プロパンジオールを用いる場合は光学活
性なデオキシマンノジリマイシンを合成することができ
る。高光学純度(98%ee以上)の3−クロロ−1,
2−プロパンジオールとしては例えば本出願人の特公平
4−73998号公報及び特公平4−73999号公報
に記載の方法により得ることができる。光学純度の高い
3−クロロ−1,2−プロパンジオールを用いると反応
中顕著なラセミ化反応は起こらず、高光学純度のデオキ
シマンノジリマイシンを合成することができる。
コキシカルボニル−2−オキサゾリジン、例えばメチル
エステルの場合は本出願人の特開平5−78336号公
報に記載の方法により3−クロロ−1,2−プロパンジ
オールからグリシドールを経て得られるが、3−クロロ
−1,2−プロパンジオールとして、光学活性な3−ク
ロロ−1,2−プロパンジオールを用いる場合は光学活
性なデオキシマンノジリマイシンを合成することができ
る。高光学純度(98%ee以上)の3−クロロ−1,
2−プロパンジオールとしては例えば本出願人の特公平
4−73998号公報及び特公平4−73999号公報
に記載の方法により得ることができる。光学純度の高い
3−クロロ−1,2−プロパンジオールを用いると反応
中顕著なラセミ化反応は起こらず、高光学純度のデオキ
シマンノジリマイシンを合成することができる。
【0024】
【実施例】以下、実施例により本発明方法を具体的に説
明するが本発明はこれに限定されるものではない。 実施例1 《1》(4R)−アルキニルケトン(11)の合成 アルゴン雰囲気下、O−(t−ブチルジメチルシリル)
プロパルギルアルコール(0.795ml,4.68m
mol)のテトラヒドロフラン(以下THFという)
(12.8ml)溶液に−78℃でヘキサメチルホスホ
ロアミド(0.41ml,2.34mmol)及び1.
6Mノルマルブチルリチウムヘキサン溶液(2.80m
l,4.46mmol)を滴下後、同温で1時間攪拌
し、リチウムアセチリドを調整した。同じくアルゴン雰
囲気下、(4R)−3−ベンジル−4−メトキシカルボ
ニル−2−オキサゾリジノン(1)(500mg,2.
13mmol)のTHF(10.6ml)溶液を−10
0℃以下に冷却し、溶液が固化する直前に、あらかじめ
−78℃に冷却しておいたリチウムアセチリドのTHF
溶液をゆっくりと滴下した。−100℃で15分間撹拌
した後、同温で飽和塩化アンモニウム水溶液とジエチル
エーテルを加え、室温に昇温した。ジエチルエーテルで
抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄、硫酸マグネシウム
で乾燥した後、減圧濃縮した。粗生成物をシリカゲルク
ロマトグラフィーで精製することにより、(4R)−ア
ルキニルケトン(11)(419mg,65.5%)を
得た。
明するが本発明はこれに限定されるものではない。 実施例1 《1》(4R)−アルキニルケトン(11)の合成 アルゴン雰囲気下、O−(t−ブチルジメチルシリル)
プロパルギルアルコール(0.795ml,4.68m
mol)のテトラヒドロフラン(以下THFという)
(12.8ml)溶液に−78℃でヘキサメチルホスホ
ロアミド(0.41ml,2.34mmol)及び1.
6Mノルマルブチルリチウムヘキサン溶液(2.80m
l,4.46mmol)を滴下後、同温で1時間攪拌
し、リチウムアセチリドを調整した。同じくアルゴン雰
囲気下、(4R)−3−ベンジル−4−メトキシカルボ
ニル−2−オキサゾリジノン(1)(500mg,2.
13mmol)のTHF(10.6ml)溶液を−10
0℃以下に冷却し、溶液が固化する直前に、あらかじめ
−78℃に冷却しておいたリチウムアセチリドのTHF
溶液をゆっくりと滴下した。−100℃で15分間撹拌
した後、同温で飽和塩化アンモニウム水溶液とジエチル
エーテルを加え、室温に昇温した。ジエチルエーテルで
抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄、硫酸マグネシウム
で乾燥した後、減圧濃縮した。粗生成物をシリカゲルク
ロマトグラフィーで精製することにより、(4R)−ア
ルキニルケトン(11)(419mg,65.5%)を
得た。
【0025】
【化14】 (TBSはtert−ブチルジメチルシリル基を表す)1 HNMR (400MHz,CDCl3)δ:0.12
(6H,s),0.91(9H,s),4.13(1
H,dd,J=4.9,9.5Hz),4.17(1
H,d,J=14.6Hz),4.36(1H,dd,
J=4.9,9.2Hz),4.43(1H,t,J=
9.5Hz),4.48(2H,s),4.96(1
H,d,J=14.9Hz),7.24−7.36(5
H,m)13 CNMR(100MHz,CDCl3)δ:−5.3
4,18.2,25.6,47.4,51.6,62.
9,63.5,80.9,96.3,128.4,12
8.7,129.0,134.7,157.5,18
2.9
(6H,s),0.91(9H,s),4.13(1
H,dd,J=4.9,9.5Hz),4.17(1
H,d,J=14.6Hz),4.36(1H,dd,
J=4.9,9.2Hz),4.43(1H,t,J=
9.5Hz),4.48(2H,s),4.96(1
H,d,J=14.9Hz),7.24−7.36(5
H,m)13 CNMR(100MHz,CDCl3)δ:−5.3
4,18.2,25.6,47.4,51.6,62.
9,63.5,80.9,96.3,128.4,12
8.7,129.0,134.7,157.5,18
2.9
【0026】《2》(4R)−N−ベンジル−アルキニ
ルアルコール(12) アルゴン雰囲気下、(4R)−アルキニルケトン(1
1)(1.52g,4.07mmol)の無水トルエン
(20.3ml)溶液に0℃でジイソブチルアルミニウ
ム−2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノ
キシドの溶液(17.9ml,8.95mmol)を加
えた。0℃で10分間撹拌し、1N塩酸を加えた後酢酸
エチルで抽出し、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶
液、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減
圧濃縮した。残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーで精製することにより(4R)−N−ベンジル−アル
キニルアルコール(12)(1.41g,92.2%)
の結晶を得た。
ルアルコール(12) アルゴン雰囲気下、(4R)−アルキニルケトン(1
1)(1.52g,4.07mmol)の無水トルエン
(20.3ml)溶液に0℃でジイソブチルアルミニウ
ム−2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノ
キシドの溶液(17.9ml,8.95mmol)を加
えた。0℃で10分間撹拌し、1N塩酸を加えた後酢酸
エチルで抽出し、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶
液、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減
圧濃縮した。残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーで精製することにより(4R)−N−ベンジル−アル
キニルアルコール(12)(1.41g,92.2%)
の結晶を得た。
【0027】
【化15】 1HNMR(400MHz,CDCl3)δ:0.087
(6H,s),0.89(9H,s),2.66(1
H,br d,J=3.7Hz),3.76(1H,d
dd,J=3.1,5.1 10.0Hz),4.30
(4H,m),4.43(1H,dd,J=5.1,
9.0Hz),4.55(1H,br s),4.77
(1H,d,J=15.1Hz),7.27−7.36
(5H,m)13 CNMR(100MHz,CDCl3)δ−5.27,
18.2,25.7,46.5,51.5,58.4,
60.5,63.3,80.9,86.128.1,1
29.0,135.8,158.9
(6H,s),0.89(9H,s),2.66(1
H,br d,J=3.7Hz),3.76(1H,d
dd,J=3.1,5.1 10.0Hz),4.30
(4H,m),4.43(1H,dd,J=5.1,
9.0Hz),4.55(1H,br s),4.77
(1H,d,J=15.1Hz),7.27−7.36
(5H,m)13 CNMR(100MHz,CDCl3)δ−5.27,
18.2,25.7,46.5,51.5,58.4,
60.5,63.3,80.9,86.128.1,1
29.0,135.8,158.9
【0028】《3》(4R)−N−ベンジル−(Z)−
アルケニルアルコール(13) アルゴン雰囲気下、(4R)−N−ベンジル−アルキニ
ルアルコール(12)(3.60g,9.59mmo
l)の無水メタノール溶液に、室温でリンドラー触媒
(720mg,20mol%)を加え、アルゴンを水素
に置換した後3時間攪拌した。反応混合物をセライトで
ろ過した後、減圧濃縮した。残さをシリカゲルカラムク
ロマトグラフィーで精製することにより(4R)−N−
ベンジル−(Z)−アルケニルアルコール(13)
(3.62g,100%)を得た。
アルケニルアルコール(13) アルゴン雰囲気下、(4R)−N−ベンジル−アルキニ
ルアルコール(12)(3.60g,9.59mmo
l)の無水メタノール溶液に、室温でリンドラー触媒
(720mg,20mol%)を加え、アルゴンを水素
に置換した後3時間攪拌した。反応混合物をセライトで
ろ過した後、減圧濃縮した。残さをシリカゲルカラムク
ロマトグラフィーで精製することにより(4R)−N−
ベンジル−(Z)−アルケニルアルコール(13)
(3.62g,100%)を得た。
【0029】
【化16】 1HNMR(400MHz,CDCl3)δ:0.067
(3H,s),0.073(3H,s),0.90(9
H,s),3.10(1H,br S),3.63(1
H,ddd,J=2.9,6.1,9.0Hz),4.
26(5H,m),4.58(1H,br d,J=
6.1Hz),4.82(1H,d,J=15.1H
z),5.37(1H,ddt,J=1.7,7.3,
11.5Hz),5.72(1H,m)7.34(5
H,m)13 CNMR(100MHz,CDCl3)δ:−5.4
0,18.2,25.8,26.0,35.4,47.
4,61.4,61.7,63.6,128.3,12
8.6,129.0,134.9,206.1
(3H,s),0.073(3H,s),0.90(9
H,s),3.10(1H,br S),3.63(1
H,ddd,J=2.9,6.1,9.0Hz),4.
26(5H,m),4.58(1H,br d,J=
6.1Hz),4.82(1H,d,J=15.1H
z),5.37(1H,ddt,J=1.7,7.3,
11.5Hz),5.72(1H,m)7.34(5
H,m)13 CNMR(100MHz,CDCl3)δ:−5.4
0,18.2,25.8,26.0,35.4,47.
4,61.4,61.7,63.6,128.3,12
8.6,129.0,134.9,206.1
【0030】《4》(4S)−アリルアルコール(1
4) アルゴン雰囲気下、反応容器を−78℃に保ち、液体ア
ンモニアを約60ml凝縮させた。この中に金属ナトリ
ウム(200mg,8.74mmol)を加えて溶液を
ブルーにした後、(4R)−N−ベンジル−(Z)−ア
ルケニルアルコール(13)(1.50g,3.97m
mol)の無水THF(11.9ml)溶液を滴下し
た。滴下終了後すぐに、固体の塩化アンモニウムを加
え、液体アンモニアを自然蒸発させた。酢酸エチルで希
釈した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮し
た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで
精製することにより、(4R)−アリルアルコール(1
4)(912mg,79.9%)の結晶を得た。
4) アルゴン雰囲気下、反応容器を−78℃に保ち、液体ア
ンモニアを約60ml凝縮させた。この中に金属ナトリ
ウム(200mg,8.74mmol)を加えて溶液を
ブルーにした後、(4R)−N−ベンジル−(Z)−ア
ルケニルアルコール(13)(1.50g,3.97m
mol)の無水THF(11.9ml)溶液を滴下し
た。滴下終了後すぐに、固体の塩化アンモニウムを加
え、液体アンモニアを自然蒸発させた。酢酸エチルで希
釈した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮し
た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで
精製することにより、(4R)−アリルアルコール(1
4)(912mg,79.9%)の結晶を得た。
【0031】
【化17】 1HNMR(400MHz,CDCl3)δ:0.098
(6H,s),0.91(9H,s),3.88(1
H,m),4.20−4.50(5H,m),4.59
(1H,ddt,J=1.7,7.9,11.5H
z),5.80(1H,ddt,J=1.2,5.9,
11.5Hz),6.28(1H,br s)13 CNMR(100MHz,CDCl3)δ:−5.3
4,18.2,25.8,56.5,59.8,66.
7,68.8,128.4,133.9,160.2
(6H,s),0.91(9H,s),3.88(1
H,m),4.20−4.50(5H,m),4.59
(1H,ddt,J=1.7,7.9,11.5H
z),5.80(1H,ddt,J=1.2,5.9,
11.5Hz),6.28(1H,br s)13 CNMR(100MHz,CDCl3)δ:−5.3
4,18.2,25.8,56.5,59.8,66.
7,68.8,128.4,133.9,160.2
【0032】《5》ジシリルエーテル(15)の合成 アルゴン雰囲気下、(4R)−アリルアルコール(1
4)(480mg,2.25mmol)の無水N,N−
ジメチルホルムアミド(以下DMFという)(6.7m
l)溶液に、イミダゾール(566mg,2.25mm
ol)を加え、0℃でtert−ブチルジメチルクロロ
シラン(0.35ml,3.83mmol)を加えた。
室温で2時間攪拌した後、反応混合物を氷水の中に注
ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄
し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧濃縮し
た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで
精製することにより、ジシリルエーテル(15)(64
5mg,96.4%)の結晶を得た。
4)(480mg,2.25mmol)の無水N,N−
ジメチルホルムアミド(以下DMFという)(6.7m
l)溶液に、イミダゾール(566mg,2.25mm
ol)を加え、0℃でtert−ブチルジメチルクロロ
シラン(0.35ml,3.83mmol)を加えた。
室温で2時間攪拌した後、反応混合物を氷水の中に注
ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄
し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧濃縮し
た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで
精製することにより、ジシリルエーテル(15)(64
5mg,96.4%)の結晶を得た。
【0033】
【化18】 1HNMR(400MHz,CDCl3)δ:0.083
(12H,m),0.87(9H,s),0.91(9
H,s),3.73(1H,m),4.15−4.33
(3H,m),4.39−4.49(2H,m),5.
39(2H,m),5.73(1H,m)13 CNMR(100MHz,CDCl3)δ:−5.3
2,−4.98,−4.21,17.9,18.2,2
5.6,25.9,56.8,59.4,67.0,7
0.2,130.3,132.4,159.2
(12H,m),0.87(9H,s),0.91(9
H,s),3.73(1H,m),4.15−4.33
(3H,m),4.39−4.49(2H,m),5.
39(2H,m),5.73(1H,m)13 CNMR(100MHz,CDCl3)δ:−5.3
2,−4.98,−4.21,17.9,18.2,2
5.6,25.9,56.8,59.4,67.0,7
0.2,130.3,132.4,159.2
【0034】《6》モノデシリルアルコール(16)の
合成 ジシリルエーテル(15)(119mg,0.296m
mol)のアセトニトリル(3ml)溶液に、−20℃
で33%フッ化水素酸水溶液(0.30ml)を加え
た。同温で30分攪拌させた後、飽和炭酸水素ナトリウ
ム水溶液を加え、室温に昇温した。塩化メチレンで抽出
し、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥した後、減圧濃縮した。粗生成物をシリカゲル
カラムクロマトグラフィーで精製することにより、モノ
デシリルアルコール(16)(83mg,97.6%)
を得た。
合成 ジシリルエーテル(15)(119mg,0.296m
mol)のアセトニトリル(3ml)溶液に、−20℃
で33%フッ化水素酸水溶液(0.30ml)を加え
た。同温で30分攪拌させた後、飽和炭酸水素ナトリウ
ム水溶液を加え、室温に昇温した。塩化メチレンで抽出
し、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥した後、減圧濃縮した。粗生成物をシリカゲル
カラムクロマトグラフィーで精製することにより、モノ
デシリルアルコール(16)(83mg,97.6%)
を得た。
【0035】
【化19】 1HNMR(400MHz,CDCl3)δ:0.034
(3H,s),0.072(3H,s),0.87(9
H,s)3.15(1H,m),3.68(1H,dd
d,J=5.1,8.1,8.1Hz),4.12−
4.46(5H,m),5.40(1H,m),5.8
5(1H,m),6.62(1H,br s)13 CNMR(100MHz,CDCl3)δ:−4.9
9,−4.15,17.9,25.6,57.0,5
8.4,67.8,70.5,131.6,132.
4,160.5
(3H,s),0.072(3H,s),0.87(9
H,s)3.15(1H,m),3.68(1H,dd
d,J=5.1,8.1,8.1Hz),4.12−
4.46(5H,m),5.40(1H,m),5.8
5(1H,m),6.62(1H,br s)13 CNMR(100MHz,CDCl3)δ:−4.9
9,−4.15,17.9,25.6,57.0,5
8.4,67.8,70.5,131.6,132.
4,160.5
【0036】《7》二環化合物(17)の合成 アルゴン雰囲気下、モノデシリルアルコール(16)
(500mg,1.74mmol)のDMF(8.7m
l)溶液に、4−ジメチルアミノピリジン(64mg,
0.522mmol)とトリエチルアミン(0.27m
l,2.09mmol)を加え、さらに0℃でメタンス
ルホニルクロリド(0.16ml,2.09mmol)
を加え、室温で2.5時間攪拌した。反応混合液に飽和
塩化アンモニウム水溶液を加え、ジエチルエーテルで抽
出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽
和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した
後、減圧濃縮した。この粗生成物を直ちにDMFに溶か
し、0℃で60%水素化ナトリウム(104mg,2.
61mmol)を加えた。同温で1時間攪拌した後、飽
和塩化アンモニウム水溶液を加え、ジエチルエーテルで
抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥した後、減圧濃縮した。この粗生成物を
シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することに
より、二環化合物(17)(374mg,79.7%
(two steps))を得た。
(500mg,1.74mmol)のDMF(8.7m
l)溶液に、4−ジメチルアミノピリジン(64mg,
0.522mmol)とトリエチルアミン(0.27m
l,2.09mmol)を加え、さらに0℃でメタンス
ルホニルクロリド(0.16ml,2.09mmol)
を加え、室温で2.5時間攪拌した。反応混合液に飽和
塩化アンモニウム水溶液を加え、ジエチルエーテルで抽
出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽
和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した
後、減圧濃縮した。この粗生成物を直ちにDMFに溶か
し、0℃で60%水素化ナトリウム(104mg,2.
61mmol)を加えた。同温で1時間攪拌した後、飽
和塩化アンモニウム水溶液を加え、ジエチルエーテルで
抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥した後、減圧濃縮した。この粗生成物を
シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することに
より、二環化合物(17)(374mg,79.7%
(two steps))を得た。
【0037】
【化20】 1HNMR(400MHz,CDCl3)δ:0.11
(3H,s),0.13(9H,s),3.51(1
H,dt,J=4.2,8.1Hz),3.65(1
H,m),4.09(1H,m),4.15(1H,
m),4.22(1H,dd,J=4.2,8.9H
z),4.51(1H,ddJ=8.1,8.9H
z),5.72(2H,s)13 CNMR(100MHz,CDCl3)δ:−4.6
8,−4.20,17.9,25.6,40.8,5
6.4,67.2,68.4,123.8,130.
5,157.2
(3H,s),0.13(9H,s),3.51(1
H,dt,J=4.2,8.1Hz),3.65(1
H,m),4.09(1H,m),4.15(1H,
m),4.22(1H,dd,J=4.2,8.9H
z),4.51(1H,ddJ=8.1,8.9H
z),5.72(2H,s)13 CNMR(100MHz,CDCl3)δ:−4.6
8,−4.20,17.9,25.6,40.8,5
6.4,67.2,68.4,123.8,130.
5,157.2
【0038】《8》ジオール(18)の合成 二環化合物(17)(80mg,0.297mmol)
のtert−ブタノール(1.2ml)、水(2.4m
l)混合溶液に、N−メチルモルホリン−N−オキシド
(104mg,0.891mmol)を加え、0℃で四
酸化オスミウムのtert−ブタノール溶液(5.2m
l,0.104mmol)を滴下した。室温で4時間攪
拌した後、飽和亜硫酸水素ナトリウム水溶液を加え、同
温でさらに30分攪拌した。反応混合物を酢酸エチルで
抽出し、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽
和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した
後、減圧濃縮した。この粗生成物をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィーで精製することにより、ジオール(1
8)(77mg,85.6%)を得た。
のtert−ブタノール(1.2ml)、水(2.4m
l)混合溶液に、N−メチルモルホリン−N−オキシド
(104mg,0.891mmol)を加え、0℃で四
酸化オスミウムのtert−ブタノール溶液(5.2m
l,0.104mmol)を滴下した。室温で4時間攪
拌した後、飽和亜硫酸水素ナトリウム水溶液を加え、同
温でさらに30分攪拌した。反応混合物を酢酸エチルで
抽出し、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽
和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した
後、減圧濃縮した。この粗生成物をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィーで精製することにより、ジオール(1
8)(77mg,85.6%)を得た。
【0039】
【化21】 1HNMR(400MHz,CD3 OD)δ:0.12
(3H,s),0.17(3H,s), 0.88(9
H,s),2.65(1H,d,J=7.8Hz),
3.05(1H,dd,J=1.7,14.4Hz),
3.44(2H,m),3.50(1H,ddd,J=
4.4,8.5,8.6Hz),3.77(1H,t,
J=9.0Hz),3.98(1H,dd,J=2.
3,15.6Hz)4.10(1H,m),4.19
(1H,dd,J=4.4,9.0Hz),4.42
(1H,t,J=8.5Hz)13 CNMR(100MHz,CD3 OD)δ:−4.7
6,−3.91,18.1,25.8,45.5,5
8.6,66.1,68.2,72.4,74.7,1
58.3
(3H,s),0.17(3H,s), 0.88(9
H,s),2.65(1H,d,J=7.8Hz),
3.05(1H,dd,J=1.7,14.4Hz),
3.44(2H,m),3.50(1H,ddd,J=
4.4,8.5,8.6Hz),3.77(1H,t,
J=9.0Hz),3.98(1H,dd,J=2.
3,15.6Hz)4.10(1H,m),4.19
(1H,dd,J=4.4,9.0Hz),4.42
(1H,t,J=8.5Hz)13 CNMR(100MHz,CD3 OD)δ:−4.7
6,−3.91,18.1,25.8,45.5,5
8.6,66.1,68.2,72.4,74.7,1
58.3
【0040】《9》アセトナイド(19)の合成 アルゴン雰囲気下、ジオール(18)(145mg,
0.478mmol)のアセトン溶液中に、2,2−ジ
メトキシプロパン(0.59ml,4.78mmol)
と、ピリジニウムパラトルエンスルホネート(24m
g,0.0956mmol)を加えた。室温で20時間
攪拌した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢
酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無
水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧濃縮した。この
粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製
することにより、アセトナイド(19)(151mg,
92.1%)を得た。
0.478mmol)のアセトン溶液中に、2,2−ジ
メトキシプロパン(0.59ml,4.78mmol)
と、ピリジニウムパラトルエンスルホネート(24m
g,0.0956mmol)を加えた。室温で20時間
攪拌した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢
酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無
水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧濃縮した。この
粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製
することにより、アセトナイド(19)(151mg,
92.1%)を得た。
【0041】
【化22】 1HNMR(400MHz,CDCl3)δ:0.11
(3H,s),0.16(3H,s),0.88(9
H,s),1.36(3H,s),1.50(3H,
s),3.27(1H,dd,J=3.4,15.1H
z),3.48(1H,dt,J=5.4,8.3H
z),3.61(1H,dd,J=6.6,8.5H
z),3.96(1H,dd,J=5.6,6.1H
z),4.13(1H,dd,J=5.4,8.8H
z),4.16(1H,d,J=15.1Hz),4.
27(1H,m),4.40(1H,t,J=8.5H
z)13 CNMR(100MHz,CDCl3)δ:−5.1
6,−4.15,17.9,25.6,25.9,2
7.9,40.9,56.7,65.8,72.7,7
3.2,79.1,109.3,157.3
(3H,s),0.16(3H,s),0.88(9
H,s),1.36(3H,s),1.50(3H,
s),3.27(1H,dd,J=3.4,15.1H
z),3.48(1H,dt,J=5.4,8.3H
z),3.61(1H,dd,J=6.6,8.5H
z),3.96(1H,dd,J=5.6,6.1H
z),4.13(1H,dd,J=5.4,8.8H
z),4.16(1H,d,J=15.1Hz),4.
27(1H,m),4.40(1H,t,J=8.5H
z)13 CNMR(100MHz,CDCl3)δ:−5.1
6,−4.15,17.9,25.6,25.9,2
7.9,40.9,56.7,65.8,72.7,7
3.2,79.1,109.3,157.3
【0042】《10》(20)の合成 アセトナイド(19)(130mg,0.382mmo
l)のジオキサン(1.1ml)溶液に6N水酸化ナト
リウム水溶液(0.76ml)を加えた。2日間還流さ
せた後、減圧濃縮し、粗生成物をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィーで精製することにより、(20)(86
mg,70.7%)を得た。
l)のジオキサン(1.1ml)溶液に6N水酸化ナト
リウム水溶液(0.76ml)を加えた。2日間還流さ
せた後、減圧濃縮し、粗生成物をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィーで精製することにより、(20)(86
mg,70.7%)を得た。
【0043】
【化23】 1HNMR(400MHz,CD3 OD)δ:1.35
(3H,s),1.50(3H,s),2.34(1
H,ddd,J=3.2,5.4,10.3Hz),
2.96(1H,dd,J=2.8,14.8Hz),
3.32(1H,d,J=11.0Hz),3.48
(1H,dd,J=7.3,10.3Hz),3.65
(1H,dd,J=5.6,11.0Hz),3.77
(1H,dd,J=3.2,11.0Hz),3.89
(1H,dd,J=5.6,7.1Hz),4.21
(1H,m)13 CNMR(100MHz,CD3 OD)δ:26.
7,28.5,46.3,61.1,62.5,72.
4,75.3,81.9,110.2
(3H,s),1.50(3H,s),2.34(1
H,ddd,J=3.2,5.4,10.3Hz),
2.96(1H,dd,J=2.8,14.8Hz),
3.32(1H,d,J=11.0Hz),3.48
(1H,dd,J=7.3,10.3Hz),3.65
(1H,dd,J=5.6,11.0Hz),3.77
(1H,dd,J=3.2,11.0Hz),3.89
(1H,dd,J=5.6,7.1Hz),4.21
(1H,m)13 CNMR(100MHz,CD3 OD)δ:26.
7,28.5,46.3,61.1,62.5,72.
4,75.3,81.9,110.2
【0044】《11》デオキシマンノジリマイシン
(6)の合成 (20)(42mg,0.207mmol)のメタノー
ル(2.1ml)溶液に室温で濃塩酸(1ml)を加
え、4時間還流した。反応混合物を減圧濃縮し、粗生成
物をイオン交換樹脂(1−X4,100−200Mes
h,OH- Form)で精製することにより、デオキシ
マンノジリマイシン(6)(26mg,76.5%)を
得た。
(6)の合成 (20)(42mg,0.207mmol)のメタノー
ル(2.1ml)溶液に室温で濃塩酸(1ml)を加
え、4時間還流した。反応混合物を減圧濃縮し、粗生成
物をイオン交換樹脂(1−X4,100−200Mes
h,OH- Form)で精製することにより、デオキシ
マンノジリマイシン(6)(26mg,76.5%)を
得た。
【0045】
【化24】 1HNMR(400MHz,D2 O)δ:2.45(1
H,m),2.74(1H,d,J=14.4Hz),
2.98(1H,dd,J=2.3,14.3Hz),
3.58(2H,m),3.76(2H,d,J=3.
7Hz),3.98(1H,m)13 CNMR(100MHz,D2 O)δ:50.9,6
3.2,63.4,71.0,71.9,77.3 旋光度:[α] D 27−309°(c=0.22,CH3
OH)
H,m),2.74(1H,d,J=14.4Hz),
2.98(1H,dd,J=2.3,14.3Hz),
3.58(2H,m),3.76(2H,d,J=3.
7Hz),3.98(1H,m)13 CNMR(100MHz,D2 O)δ:50.9,6
3.2,63.4,71.0,71.9,77.3 旋光度:[α] D 27−309°(c=0.22,CH3
OH)
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、ガン細胞の増殖抑制作
用や抗ウイルス作用を示すデオキシマンノジリマイシン
をオキサゾリジノンエステルを原料とし、高価なあるい
は取り扱い難い試薬を用いることなく高立体選択的な手
法により効率よく製造することができる。
用や抗ウイルス作用を示すデオキシマンノジリマイシン
をオキサゾリジノンエステルを原料とし、高価なあるい
は取り扱い難い試薬を用いることなく高立体選択的な手
法により効率よく製造することができる。
フロントページの続き (56)参考文献 Bioorgnic & Medic inal Chemistry,Vo l.5,No.3,p.519−533,1997 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 211/46 REGISTRY(STN) CA(STN) CAOLD(STN)
Claims (3)
- 【請求項1】 下記式(1) 【化1】 (Phはフェニル基、Rは炭素数1から4の低級アルキ
ル基を表す)で表されるオキサゾリジノンエステルにア
セチリドイオンを反応させて下記式(2)で表されるケ
トンを得 【化2】 (R1 はシリル保護基を表す) 還元剤で該ケトンを還元した後、接触水素添加により式
(2)の三重結合をZ体の二重結合へと変換し、ベンジ
ル基を除去することにより下記式(3)で表されるアル
コールを得 【化3】 該アルコールの2級水酸基をシリル基で保護した後、1
級水酸基のシリル保護基を選択的に外し、1級水酸基を
脱離基に変換後、塩基処理することにより環化させて下
記式(4)で表される二環性化合物を得 【化4】 (R2 はシリル保護基を表す) 該二環性化合物の二重結合を酸化して下記式(5)で表
されるcis−ジオールを得 【化5】 該cis−ジオールのジオール基を保護し、塩基で処理
してオキサゾリジノン環を開環した後、ジオール基の脱
保護処理することを特徴とする下記式(6)で表される
デオキシマンノジリマイシンの製造法。 【化6】 - 【請求項2】 式(1)で表される化合物が光学活性で
あり、製造される式(6)で表されるデオキシマンノジ
リマイシンが光学活性であることを特徴とする請求項1
に記載のデオキシマンノジリマイシンの製造法。 - 【請求項3】 式(2)で表されるケトンの還元剤が、
ジイソブチルアルミニウム2,6−ジ−tert−ブチ
ル−4−メチルフェノキシドであることを特徴とする請
求項1又は2に記載のデオキシマンノジリマイシンの製
造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04338198A JP3317233B2 (ja) | 1998-02-25 | 1998-02-25 | デオキシマンノジリマイシンの製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04338198A JP3317233B2 (ja) | 1998-02-25 | 1998-02-25 | デオキシマンノジリマイシンの製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11246524A JPH11246524A (ja) | 1999-09-14 |
JP3317233B2 true JP3317233B2 (ja) | 2002-08-26 |
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ID=12662249
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP04338198A Expired - Fee Related JP3317233B2 (ja) | 1998-02-25 | 1998-02-25 | デオキシマンノジリマイシンの製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3317233B2 (ja) |
-
1998
- 1998-02-25 JP JP04338198A patent/JP3317233B2/ja not_active Expired - Fee Related
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
Bioorgnic & Medicinal Chemistry,Vol.5,No.3,p.519−533,1997 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH11246524A (ja) | 1999-09-14 |
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