JP3128451B2 - 合成石英ガラスの製造方法 - Google Patents

合成石英ガラスの製造方法

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JP3128451B2 JP06331233A JP33123394A JP3128451B2 JP 3128451 B2 JP3128451 B2 JP 3128451B2 JP 06331233 A JP06331233 A JP 06331233A JP 33123394 A JP33123394 A JP 33123394A JP 3128451 B2 JP3128451 B2 JP 3128451B2
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    • C03C2203/20Wet processes, e.g. sol-gel process
    • C03C2203/26Wet processes, e.g. sol-gel process using alkoxides

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、合成石英ガラスの製造
方法に関し、さらに詳しくは、天然ガラスの電気溶融品
以上の高温粘性を有する合成石英ガラスの製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来の合成石英ガラスの製造方法として
は、四塩化ケイ素等のケイ素化合物を水素火炎中で加水
分解させて得たシリカ微粒子を担体上に堆積させ、これ
を直接溶融して合成石英ガラスとする直接法によるもの
(特公平3−31010号公報)、上記ケイ素化合物を
メチルトリメトキシシラン等のエステルシランとし、多
孔質ガラス母材を作り、これを溶融して合成石英ガラス
とする、いわゆるスート法によるもの(特公平4−20
853号公報)、また、高周波プラズマ炎中で、ケイ素
化合物、酸素および塩化水素の混合ガスを反応させて二
酸化ケイ素を生成させ、これを担体上に堆積させる、い
わゆるプラズマ法によるもの(特公昭63−38343
号公報)、あるいはアルコキシシランを酸またはアンモ
ニア触媒の存在下で加水分解させ、シリカ微粒子を得、
得られたシリカ微粒子を焼結して合成石英ガラスとす
る、いわゆるゾルゲル法によるもの等がある。
【0003】一方、アルミニウムは、合成石英ガラス中
において、アルカリ金属(Na等)により分裂した網目
構造を修復するための中間酸化物、すなわち、それ自身
では連続的な網目構造を作れないが、SiO4 の四面体
の間の空孔を埋め、ある条件のもとで連続的網目構造を
形成する酸化物として存在していると考えられ、このア
ルミニウムの存在により網目構造が強され、高温粘性が
向上すると考えられる。このアルミニウムの作用を利用
したアルミニウムドープ合成石英ガラスが、高温粘性を
得る目的等で従来から製造されている。
【0004】従来のアルミニウムドープ合成石英ガラス
製造方法としては、例えば、アルキルシリケートを塩基
性試薬で加水分解して生成されたゾル溶液中に、アルミ
ニウム化合物を添加し、乾燥後、焼結して合成石英ガラ
スを得る方法(特開昭63−123825号公報)、あ
るいはシリカ微粒子を主成分とするゾル溶液を回転ゲル
化することによって得られる管状シリカ多孔質体に、ア
ルミニウムアルコキシドを拡散させた後、乾燥、焼結
し、光ファイバ用母材とする方法(特開昭62−100
442)等のゾルゲル合成法が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の合成石英ガラスの製造方法、および従来のア
ルミニウムドープ合成石英ガラスの製造方法にはそれぞ
れ問題点がある。
【0006】例えば、従来の合成石英ガラスの製造方法
において、直接法により得られた合成石英ガラスは、O
H基の含有率が200〜1,000ppm、Cl基の含
有率が最大150ppm程度あり、高温粘性が低い。ま
た、スート法により得られた合成石英ガラスも、OH基
の含有率が最大300ppm程度、Cl基の含有率が最
大100ppm程度あり、塩素脱水しても塩素が残留す
るため、充分な高温粘性が得られない。
【0007】プラズマ法により得られた合成石英ガラス
では、OH基の含有率はほぼ0であるが、Cl基の含有
率は最大1,000ppm程度もあり、さらに生産コス
トが高く、量産が難しい。また、ゾルゲル法により得ら
れた合成石英ガラスでは、Cl基の含有率はほぼ0であ
るが、OH基の含有率は最大800ppm程度もあり、
酸触媒を用いた場合はOH基が残留し、また酸触媒を塩
酸とした場合には、Cl基が残留するため、充分な高温
粘性が得られない。
【0008】一方、アルミニウムドープ合成石英ガラス
の製造方法においては、ゾルゲル法により得られた合成
石英ガラスでは、OH基を有しているため高温粘性が低
く、耐熱性合成石英ガラス部材への使用には適さない。
【0009】本発明者らは、メチルシリケートをアンモ
ニアの存在下で加水分解し、アルミニウム含有球状シリ
カ粒子を得、これを脱水、脱炭、焼結させ、この時にア
ルミナをドープし、得られたガラス体を粉砕、篩別後精
製し、次いで酸水素炎で焼結し、透明化させて高粘度石
英ガラスを得る方法を提案したが(特公平5−4156
5号公報)、この方法ではアルミニウム含有率及び粘度
の均一性の点で十分ではない。
【0010】そこで本発明者らは、さらに、メチルシリ
ケートとアルミニウムアルコキシドを混合・攪拌した溶
液を、アンモニアの存在下で加水分解し、アルミニウム
含有の球状シリカ粒子を得、これを脱水、脱炭、焼結さ
せ、得られたガラス体を粉砕、篩別後精製し、次いで溶
融して合成石英ガラス部材とする方法も提案し、アルミ
ニウム含有率を0.1〜1,000ppm、得られた合
成石英ガラスの高温粘性の下限が天然ガラスと同等以上
という結果を得た(特願平6−182353号)。本発
明はこれをさらに発展させたものである。
【0011】すなわち本発明は、従来の問題を解決する
もので、その目的は、均一にアルミニウムを含有し、か
つOH基およびCl基を殆ど含有しない高純度で高温粘
性を有する合成石英ガラスの製造方法を提供することに
ある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の請求項1記載の合成石英ガラスの製造方法
は、メチルシリケートとアルミニウムアルコキシドとを
混合・攪拌して得られた溶液を、アンモニアの存在下で
加水分解してアルミニウムを含有するシリカ粒子を得、
これを固液分離して脱水したシリカ粒子をさらに加熱し
て脱炭した後、焼結して合成石英ガラスインゴットを得
た後、このアルミニウムを含有する合成石英ガラスイン
ゴットを粉砕、篩別、磁選、精製して合成石英ガラス粉
とし、これを常圧、加圧又は真空下で溶融して合成石英
ガラスを製造する方法において、前記焼結工程におい
て、一旦α−クリストバライトに結晶転移させた後、真
空下又は減圧下で1,800〜1,950℃にて溶融ガ
ラス化することを特徴とする。
【0013】また本発明の請求項2記載の合成石英ガラ
スの製造方法は、請求項1記載の方法において、結晶型
に近い非結晶質であり、アルミニウム以外の金属元素含
有率が何れも10ppb以下で且つOH基およびCl基
の含有率が1ppm以下で、さらに徐冷点が1,250
℃以上、歪み点が1,140℃以上である合成石英ガラ
スを得ることを特徴とする。
【0014】以下、本発明をさらに具体的に説明する。
【0015】本発明で使用するアルミニウムアルコキシ
ドは、常温常圧において液体として存在し、加水分解温
度が比較的低く、またメチルシリケートの加水分解速度
に近いものが好ましく、具体的には、アルミニウムse
c−ブチレート(Al(sec−C493))が最も
適している。そして、このアルミニウムアルコキシド
は、メチルシリケート中へ滴下され、攪拌機にて均一に
混合・攪拌される。
【0016】この時、添加したアルミニウムアルコキシ
ド中のアルミニウムの固定率はガラス化後において、ほ
ぼ100%であり、また、メチルシリケートへのアルミ
ニウムアルコキシドの添加量と合成石英ガラス中のアル
ミニウムの含有量には比例関係があり、したがって、計
算上、求めるSiO2 のAl含有量に応じて、アルミニ
ウムアルコキシドを添加すれば良い。(得られるアルミ
ニウム含有量は、計算値に対し、その誤差は5%未満で
ある)なお、アルミニウムアルコキシドの計量は、密封
容器内にて乾燥雰囲気中で行うことが必要となる。
【0017】ここで、始発原料中のメチルシリケートと
アルミニウムアルコキシドの重量比と、得られた合成石
英ガラス中のアルミニウム含有率を、アルミニウムアル
コキシドとしてアルミニウムsec−ブチレートを用い
た場合を例示して表1に示す。
【0018】
【表1】
【0019】次に、本発明の方法の各工程を詳細に説明
する。
【0020】(加水分解反応)始発原料であるメチルシ
リケートおよびアルミニウムアルコキシドの加水分解反
応は、例えば、5リットルの反応器を用いて連続的に行
う。始発原料210cc/minに対し、20wt%アンモニ
ア水を連続的(150cc/min)に反応器内に導入し、
攪拌機にて攪拌しながら加水分解させ、アルミニウム含
有率500〜5、000ppmのシリカ粒子を得る。以
下に、メチルシリケートおよびアルミニウムアルコキシ
ドの加水分解反応式を示す。 Si(OCH34+2H2O→SiO2+4CH3OH 2Al(C49O)3+3H2O→Al23+6C49
【0021】(脱水)次に、得られたアルミニウム含有
のシリカ粒子を、遠心分離器あるいはプレス機等により
固液分離を行う。得られた脱水粉の含水率は、低ければ
低いほど次工程の脱炭時の加熱に対する負荷が少なくな
るため、できるだけ低い方が好ましい。なお、現状の含
水率は30〜40%程度である。
【0022】(脱炭)脱炭は、酸素を含む雰囲気におい
て800〜1,200℃に加熱して行う。さらに好まし
くは1,000〜1,100℃が良い。800℃以下で
は酸化が起こり難く、一方1,200℃以上ではシリカ
粒子粒子間の融着が始まるので好ましくない。また、雰
囲気については、シリカ粒子を酸化させるため、酸素を
含んだ雰囲気である必要がある。乾燥、酸化をより促進
させるためには、好ましくは、酸素を含んだガスを通気
させるのが良い。なお、使用する炉は特に限定されない
が、乾燥、酸化を促進させる点から言えば、ロータリー
キルンが好適である。
【0023】(焼結)脱炭した後、1,750℃以下で
α−クリストバライトに結晶転移させ、一旦結晶化させ
る。その後、真空下あるいは減圧下で溶融ガラス化温度
1,800℃以上にて溶融ガラス化させて焼結する。こ
のように一旦結晶化させた後に焼結することにより、結
晶型に近い非結晶質が得られる。
【0024】α−クリストバライトへの結晶転移におい
ては、アルミニウムが結晶の核となり、温度が徐々に上
がるにつれて、核の形成ならびに結晶成長が順次進行す
る。この時、急激な昇温は結晶化に好ましくなく、核の
形成する温度域(1,300〜1,600℃)や、結晶
成長する温度域(1,600〜1,800℃)で、それ
ぞれ一旦温度を保持した方が望ましい。
【0025】溶融ガラス化させる際の雰囲気及び温度条
件は、要求される合成石英ガラス部材のレベルによって
異なるが、温度条件については、1,800℃以上であ
る必要がある。溶融ガラス化温度は、アルミニウム含有
率が増加するにしたがって上昇する傾向にあり、本発明
におけるアルミニウム含有率の範囲の場合、1,800
℃未満では完全にはガラス化しない。特に含有泡のない
ものを得るには、10−2torr以上の高真空下で、
1,800〜1,950℃に加熱する必要がある。1,
950℃を越えると、昇華が激しくなる。
【0026】次に、得られた合成石英ガラスインゴット
から合成石英ガラスへの加工方法について述べる。
【0027】(粉砕)合成石英ガラスインゴットは、ジ
ョークラッシャー、ハンマーミル、ディスクミル、ボー
ルミル等を用いて粉砕される。
【0028】(篩別)粉砕された粒子を、用途に応じた
粒度に篩別する。例えば、ルツボであれば200〜35
0μm程度が好ましい。
【0029】(精製)精製は、粉砕時等の汚染の除去を
目的として行われ、水洗、HF処理、塩酸処理、磁力選
鉱、浮遊選鉱等の中から選択される。なお、汚染の度合
いが少ない場合は精製を省略することもできる。
【0030】(溶融)得られた合成石英ガラス粉を、不
活性ガス(Ar、N2等)雰囲気下で、常圧、減圧、加
圧、あるいは気流中にて、1,500〜1,950℃の
温度で溶融する。溶融雰囲気は真空下でも可能である
が、作業上の制約を受ける場合もあるので、要求される
用途により使い分ける。溶融温度は、1,500℃未満
では石英が溶融しない。また、1,950℃以上では石
英が昇華し、歩留まりが悪くなる。粒度によっては1,
750℃で溶融しないものもあるので、さらに好ましく
は、1,750〜1,900℃が良い。
【0031】このようにして得られる合成石英ガラス
は、結晶型に近い非結晶質である。また、アルミニウム
を均一に含有しており、そのアルミニウムの含有率は5
00〜5,000ppmの範囲である。さらに、OH基
およびCl基の含有率は1ppm未満であり、高温粘性
の指標となる徐冷点は1,250℃を越え、歪み点も
1,140℃を越える値であり、天然石英ガラスの電気
溶融品と同等以上の特性を有する。
【0032】
【作用】本発明の合成石英ガラスの製造方法によれば、
溶融ガラス化工程において、一旦Tα−クリストバライ
トに結晶転移させた後、溶融ガラス化して非結晶質とす
るため、得られた合成石英ガラスは結晶型に近い非結晶
質を有する。さらに、アルミニウムの含有率を容易に制
御でき、含有率500〜5、000ppmのアルミニウ
ムが均一に分布され、かつ実質上、OH基およびCl基
を含有しない。その結果、従来の天然石英ガラスの電気
溶融品以上の高温粘性を有する高純度の高温粘性合成石
英ガラスが得られる。
【0033】
【実施例】以下、合成石英ガラス製のルツボの作製を例
に挙げ、本発明の合成石英ガラス製造方法を好適な実施
例および比較例に基づき、さらに詳述するが、本発明は
これら実施例に何ら限定されるものではない。
【0034】(実施例1)メチルシリケート100kg
に対し、アルミニウムsec−ブチレート180gを滴
下し、5分間攪拌・混合した。これを反応の始発原料と
した。そして、5リットルの反応器に20wt%アンモ
ニアを3リットルを入れた中へ、この始発原料を200
cc/minの滴下速度で連続的に滴下し、40〜50℃で加
水分解させ、連続的に反応液を得た。
【0035】この反応液をフィルタープレスしたとこ
ろ、粒径が200〜700nmの球状シリカ粒子40k
g(含水率35%)を得た。
【0036】次いで、得られた球状シリカ粒子を石英製
容器に入れ、清浄な空気の存在下で1、000℃まで1
0時間かけて昇温した後、1時間保持し、脱水および脱
炭をしたところ、重量は34kgとなった。
【0037】これを内容積0.1m3(50cm×50
cm×40cm)のカーボンケースに詰めて10-2torr
の真空下で加熱し、1,200℃で1時間、1,500
℃で1時間、1,800℃で1時間保持し、焼結を行っ
た。この結果、外観上透明で、約50cm角で高さ6c
mの合成石英ガラスインゴット32kgが得られた。
【0038】次に、この合成石英ガラスインゴットをコ
ニカルボールミル(鉄製)で粉砕し、さらに45〜60
#に篩別し、次いで磁力選鉱処理を行った。さらに、2
0wt%塩酸に5時間浸漬した後、10wt%HFに1
0分間浸漬させ、水洗して精製処理し、合成石英ガラス
粉を得た。
【0039】得られた合成石英ガラス粉を使用し、アー
ク回転法により、合成石英ガラス粉を加熱して溶融し、
18″合成石英ガラス製ルツボを得た。得られたルツボ
片について、純度、粘度、OH基およびCl基の含有
率、および高温粘性(歪み点、徐冷点)を測定したとこ
ろ、表2に示した結果が得られた。
【0040】(実施例2)始発原料中のアルミニウムse
c−ブチレートを359.7gとした以外は、実施例1
と同様の処理を行い、18″合成石英ガラス製ルツボを
得た。得られたルツボ片について、純度、粘度、OH基
およびCl基の含有率、および高温粘性(歪み点、徐冷
点)を測定したところ、表2に示した結果が得られた。
【0041】(実施例3)始発原料中のアルミニウムse
c−ブチレートを1798.5gとした以外は、実施例
1と同様の処理を行い、18″合成石英ガラス製ルツボ
を得た。得られたルツボ片について、純度、粘度、OH
基およびCl基の含有率、および高温粘性(歪み点、徐
冷点)を測定したところ、表2に示した結果が得られ
た。
【0042】(比較例1)始発原料中のアルミニウムse
c−ブチレートを18.0gとした以外は、実施例1と
同様の処理を行い、18″合成石英ガラス製ルツボを得
た。得られたルツボ片について、純度、粘度、OH基お
よびCl基の含有率、および高温粘性(歪み点、徐冷
点)を測定したところ、表2に示した結果が得られた。
【0043】(比較例2)メチルシリケート100kg
にアルミニウムsec−ブチレートを添加しない以外は実
施例1と同じ混合物を始発原料とし、それ以外は実施例
1と同様の処理を行い、18″合成石英ガラス製ルツボ
を得た。得られたルツボ片について、純度、粘度、OH
基およびCl基の含有率、および高温粘性(歪み点、徐
冷点)を測定したところ、表2に示した結果が得られ
た。
【0044】(比較例3)従来の電気溶融天然石英ガラ
ス粉を用い、アーク溶融法により、合成石英ガラス粉を
加熱して溶融し、18″合成石英ガラス製ルツボを得
た。得られたルツボ片について、純度、粘度、OH基お
よびCl基の含有率、および高温粘性(歪み点、徐冷
点)を測定したところ、表2に示した結果が得られた。
【0045】
【表2】
【0046】なお、表2中の合成石英ガラス製ルツボ片
の純度、OH基とCl基の含有率、および高温粘性(歪
み点、徐冷点)の測定は、以下の方法によるものであ
る。
【0047】[純度]MIP−MS元素分析装置(日立
製作所社製 P-7000型)を用い、微量元素の定量を行っ
た。
【0048】[OH基の含有率]IR(赤外線)測定器
(IR-Spectrophotometer、日本分光社製 Type A-3)を用
いて、OH基吸収波長である2.7μmのピーク高によ
り概算した。
【0049】[Cl基の含有率]原子炉IRIGA−II
型(立教大学設置)にて、中性子を試料に衝突させて核
反応を起こさせ、高純度Ge検出器、マルチチャンネル
波高分析器にてγ線を検出し、Cl基の含有量を求め
た。
【0050】[高温粘性(歪み点、徐冷点)]歪み点、
徐冷点は、熱特性の代表的なものであり、高温粘性の指
標となる物性である(朝倉書店「ガラスハンドブック」
637頁参照)。歪み点は、粘度が4×1014ポイズ
(log η=14.5)のときの温度で示し、徐冷点は、
粘度が4×1013ポイズ(log η=13.0)のときの
温度で示す。狭い温度範囲では、log ηの絶対温度の逆
数に対するプロットは直線関係にあるので、1,100
℃、1,150℃、1,200℃、1,250℃、1,
300℃において、伸び量ΔLを測定し(以下に示すFi
ber−elongation法による)、各ηを求め、図中に縦
軸:log η、横軸:絶対温度の逆数をプロットし、直線
を得た。得られた直線により、log η=14.5に相当
する温度を歪み点、log η=13.0に相当する温度を
徐冷点として求めた。
【0051】[Fiber−elongation法]4mm×2mm
×40mmの試料を加熱し、Δt=120〜3,000
秒における試料のΔL(cm)を求め、以下の式を用い
て粘性を求めた。 ここで、W=500、A=0.4、B=0.2、L=
4.0 ΔL=伸び量、Δt=測定時間
【0052】
【発明の効果】本発明の合成石英ガラスの製造方法によ
れば、溶融ガラス化工程において、一旦、α−クリスト
バライトに結晶転移させた後、溶融ガラス化し非結晶質
とするため、得られた合成石英ガラスは、結晶型に近い
非結晶質を有する。さらに、アルミニウムの含有率を容
易に制御でき、含有率500〜5、000ppmのアル
ミニウムが均一に分布され、かつ、実質上、OH基およ
びCl基を含有しない。その結果、従来の天然石英ガラ
スの電気溶融品以上の高温粘性を有する高純度の合成石
英ガラスが得られる。また、本発明によれば、このよう
な高温粘性を有する高純度の合成石英ガラスが既存の設
備により容易に得られ、耐熱性治具の素材、高純度半導
体治具の素材、あるいは半導体用ルツボとして好適に利
用できるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 雅之 新潟県中頸城郡頸城村大字西福島28番地 の1 信越化学工業株式会社合成技術研 究所内 (56)参考文献 特開 平2−22135(JP,A) 特開 昭63−195133(JP,A) 特開 平1−320232(JP,A) 特開 平2−14840(JP,A) 特開 平2−180723(JP,A) 特開 平2−80329(JP,A) 特開 平8−40737(JP,A) 特開 平2−22134(JP,A) 特開 平2−9783(JP,A) 特開 平1−215728(JP,A) 特開 平8−119664(JP,A) 特開 平6−329424(JP,A) 特開 平1−176243(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C03B 8/02 C03B 20/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メチルシリケートとアルミニウムアルコ
    キシドとを混合・攪拌して得られた溶液を、アンモニア
    の存在下で加水分解してアルミニウムを含有するシリカ
    粒子を得、これを固液分離して脱水したシリカ粒子をさ
    らに加熱して脱炭した後、焼結して合成石英ガラスイン
    ゴットを得た後、このアルミニウムを含有する合成石英
    ガラスインゴットを粉砕、篩別、磁選、精製して合成石
    英ガラス粉とし、これを常圧、加圧又は真空下で溶融し
    て合成石英ガラスを製造する方法において、前記焼結工
    程において、一旦α−クリストバライトに結晶転移させ
    た後、真空下又は減圧下で1,800〜1,950℃に
    て溶融ガラス化することを特徴とする合成石英ガラスの
    製造方法。
  2. 【請求項2】 結晶型に近い非結晶質であり、アルミニ
    ウム以外の金属元素含有率が何れも10ppb以下で且
    つOH基およびCl基の含有率が1ppm以下で、さら
    に徐冷点が1,250℃以上、歪み点が1,140℃以
    上である合成石英ガラスを得ることを特徴とする請求項
    1記載の合成石英ガラスの製造方法。
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