JPH07277723A - クリストバライト粒子の製造方法 - Google Patents
クリストバライト粒子の製造方法Info
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Abstract
リ土類金属の含有率が極めて低い、高純度のクリストバ
ライト粒子を効率良く、しかも経済的に製造する方法の
提供。 【構成】 アルカリ珪酸塩水溶液から得られた水ガラス
系非晶質シリカ粒子を、珪酸アルコキシドから得られた
非晶質シリカの存在下に1200〜1700℃で加熱処
理することを特徴とするクリストバライト粒子の製造方
法。
Description
の製造方法に関する。詳しくは、アルカリ金属およびア
ルカリ土類金属の各々の含有率がそれぞれ1ppm以下
で不純物含有率が低い高純度クリストバライト粒子の製
造方法に関する。
加熱溶融しガラス化して製造される。その加熱溶融の方
式として、アルゴン−酸素プラズマ炎または酸水素炎中
で溶融させるベルヌーイ法、あるいは容器に充填したシ
リカを高真空下で加熱溶融する真空熔融法などがある。
従来より透明石英ガラスの原料としては天然水晶が用い
られている。しかし、半導体分野においてLSIの集積
度が高まるに伴い、使用する原材料に対する高純度化の
要求が厳しくなっているが、良質の天然水晶は枯渇しつ
つある。その対策として天然水晶を合成高純度シリカで
代替しようとする検討が行われている。しかし、前記の
方法において原料として非晶質合成高純度シリカを用い
た場合には、高純度化は可能であるが気泡の完全な除去
は極めて困難で、得られた石英ガラスは多くの気泡を有
するという問題点がある。これは原料シリカの多孔質性
と緻密度の不足に起因すると考えられている。
成シリカをより緻密な構造を有するクリストバライトに
転化させてから用いる方法(たとえば、特開昭61−5
8822号、特開昭61−58823号公報など)が提
案されている。しかし、これらの方法では、クリストバ
ライト化させようとする非晶質シリカに対して多くのア
ルカリ金属成分を添加しており、ガラス化した後にもか
なりのアルカリ金属成分が残存するので、高純度石英ガ
ラスとしては品質上の問題がある。アルカリ成分は除去
が困難であり、長時間にわたる加熱処理を要する。
せるにあたって、アルカリ金属成分の含有率が低い高純
度のクリストバライトを得るために、アルカリ金属成分
の含有率が低い高純度の非晶質シリカを、アルカリ金属
成分を添加せずに、そのまま加熱処理だけでクリストバ
ライト化させる方法(たとえば、特開平3−8708号
公報など)が提案されている。しかし、この方法では、
非晶質シリカのクリストバライトへの転化速度が小さ
く、生産性が低い。非晶質シリカのクリストバライトへ
の転化速度を大きくするために加熱処理温度を高める手
段もあるが、この場合には、加熱処理に際して使用する
容器や炉材などからの不純物混入による製品汚染の機会
が増大し、また、容器の寿命が短くなる等の問題点があ
る。
るため、先に、アルカリ金属成分の含有率が低い高純度
の非晶質シリカ粒子に予めクリストバライト粒子を包含
させ、これを加熱処理してクリストバライト化させる方
法(特開平5−193926号公報)を提案した。
は、クリストバライト化原料としての非晶質シリカ粒子
に予め包含させるクリストバライト粒子を必要とする。
従って、包含させるためのクリストバライト粒子を、非
晶質シリカ粒子のクリストバライト化処理に先立って予
め準備しておく必要があり、製造工程が煩雑化する問題
点がある。また、クリストバライト化原料としての非晶
質シリカ粒子に予め包含させたクリストバライト粒子
は、非晶質シリカ粒子のクリストバライト化処理の際
に、再度の加熱処理を受けるので、全体として熱エネル
ギーの消費量が大きくなり、省エネルギーの効果を低減
させる問題点がある。
カリ金属およびアルカリ土類金属の含有量が極めて少な
い高純度の非晶質シリカを用い、アルカリ成分を実質的
に存在させることなくクリストバライト化させるので、
得られたクリストバライトはアルカリ成分の含有率が小
さく脱アルカリ処理を要しない。また、アルカリ金属お
よびアルカリ土類金属以外の不純物の含有量も少ない高
純度の非晶質シリカを用いることにより、更に高純度の
クリストバライト粒子を得ることができる。また、クリ
ストバライト化原料としての非晶質シリカ粒子には、ク
リストバライト粒子を予め包含させる必要がないので、
省エネルギーの効果を高めることができる。本発明の目
的は、緻密性に優れた、アルカリ金属およびアルカリ土
類金属の含有率が極めて低い、高純度のクリストバライ
ト粒子を効率良く、しかも経済的に製造する方法を提供
することにある。
法における前記の問題点を改善するため鋭意研究した結
果、アルカリ珪酸塩水溶液から得られた水ガラス系非晶
質シリカ粒子を、珪酸アルコキシドから得られた非晶質
シリカ(以下、アルコキシド系非晶質シリカということ
がある)の存在下に1200〜1700℃で加熱処理す
ることにより、クリストバライト化のための添加剤であ
るアルカリ金属を存在させることなしに、水ガラス系非
晶質シリカ粒子のクリストバライトへの転化速度を増大
させ、比較的に低温度・短時間の加熱処理によってクリ
ストバライト粒子を得ることができることを見出し、本
発明を完成した。
れた水ガラス系非晶質シリカ粒子を、珪酸アルコキシド
から得られた非晶質シリカの存在下に1200〜170
0℃で加熱処理することを特徴とするクリストバライト
粒子の製造方法に関する。
ガラス系非晶質シリカ粒子は、そのなかに含まれるアル
カリ金属およびアルカリ土類金属の各元素の含有率が、
それぞれ1ppm以下のものであることが好ましい。ま
た、その他の金属、P、Bについても同様のことがいえ
る。
非晶質シリカの含有量は、全シリカ量100重量部あた
り、少なくとも5重量部であることが好ましく、また、
前記珪酸アルコキシドから得られた非晶質シリカにおけ
るアルカリ金属およびアルカリ土類金属の各元素の含有
率は、それぞれ1ppm以下のものであることが好まし
い。また、その他の金属、P、Bについても同様のこと
がいえる。
(工程−1) 本発明の方法で用いられるクリストバライト化用主原料
の非晶質シリカは、アルカリ珪酸塩水溶液から得られる
が、その製法は限定されず、何れの方法で得られたもの
であってもよい。
英ガラス製造用の原料シリカは、不純物ができるだけ少
ない方がよく、アルカリ金属、アルカリ土類金属、A
l、P、B、およびTi、Cr、Fe、Cu、Moなど
の遷移金属元素などの含有率が、それぞれ1ppm以下
であることが望まれている。しかし、従来から用いられ
てきた天然水晶は、一般にAlの含有率が高く、通常1
0ppmを超える。Alは難除去性の元素であり、熱処
理・酸抽出等の手段によっても除くことが困難である。
従って、Al含有率の少ない合成シリカは、半導体分野
向けの高純度石英ガラス製造用原料として有利である。
られる主原料の非晶質シリカは、アルカリ金属、アルカ
リ土類金属、Al、P、B、およびTi、Cr、Fe、
Cu、Moなどの遷移金属元素の含有率が、それぞれ1
ppm以下であるものであることが望ましい。このよう
なシリカは、本発明者らが先に提案した例えば、特開昭
62−3011号、特開昭62−3012号、特開昭6
2−283809号、特開昭62−283810号各公
報記載の方法−すなわち、粘度が2〜500ポイズの範
囲であるアルカリ珪酸塩水溶液を、孔径1mm以下のノ
ズルを通して水溶性有機媒体または濃度4規定以下の酸
溶液からなる凝固浴中に押し出して凝固(凝固処理)さ
せ、得られた繊維状ないし柱状のゲルを酸を含む液で処
理(酸処理)した後、次いで水洗して不純物を抽出除去
することによって、または、このようにして得られたシ
リカを更に1000℃以上の温度で加熱処理することに
よって得ることができる。
ドは、一般式MXSi(OR)4-X(但し、M=アルキル
基、またはCl、F等のハロゲン、R=アルキル基、好
ましくはC1〜C3の低級アルキル基、X=1〜3)で示
されるものであれば、どのようなものであっても構わな
いが、加水分解反応を起こし、シリカを生成するものが
好ましい。珪酸アルコキシドとしては、例えばテトラメ
トキシシラン、テトラエトキシシラン等が挙げられる。
また、高純度なクリストバライト粉を得るため、加水分
解後の生成物に解離しにくい物質を含有しないものが好
ましい。
ら得られた非晶質シリカ(アルコキシド系非晶質シリ
カ)を水ガラス系非晶質シリカ粒子と共存させる方法と
しては種々の方法がある。
液に、アルコキシド系非晶質シリカの粒子を添加・混合
して分散させた後、前記の凝固・酸処理を行ない、前記
水ガラス系非晶質シリカ粒子に珪酸アルコキシドから得
られた非晶質シリカ(アルコキシド系非晶質シリカ)を
混在させる方法がある。
リカ粒子に珪酸アルコキシドを含浸させる方法であっ
て、具体的には、水ガラス系非晶質シリカ粒子に珪酸ア
ルコキシドと加水分解反応に必要な水を加え混合し、混
合中に加水分解反応を起こさせ、前記水ガラス系非晶質
シリカ粒子に珪酸アルコキシドから得られた非晶質シリ
カ(アルコキシド系非晶質シリカ)を混在させる方法が
ある。この方法において、混合時に、加水分解反応を促
進させるために、塩酸、アンモニア等の触媒を添加して
もなんらさしつかえない。
珪酸アルコキシドを加水分解させて得られたアルコキシ
ド系非晶質シリカ粒子と水ガラス系非晶質シリカ粒子と
を混合して、前記水ガラス系非晶質シリカ粒子にアルコ
キシド系非晶質シリカを混在させる方法がある。添加す
るアルコキシド系非晶質シリカは、珪酸アルコキシドを
加水分解させたものであれば、例えば塩酸、アンモニア
等の触媒を添加して得られたものなど、どのような方法
によって得られたものでも構わない。また混合方法は、
乾式、湿式など、どのような方法でも構わない。
原料シリカは、前述の方法で得られた混合シリカを必要
により粉砕し、また、粉砕後に造粒ないし賦型して用い
ることができる。
リカの結晶化開始温度が、水ガラス系非晶質シリカのそ
れに比較して低いという、本発明者らが見出した知見を
巧みに利用するものである。水ガラス系非晶質シリカ粒
子に含まれたアルコキシド系非晶質シリカは、水ガラス
系非晶質シリカ粒子が結晶化を開始する際の核として作
用し、非晶質部分に接触する面積が大きい程その存在の
効果が大きい。
は水ガラス系非晶質シリカ粒子と混合するアルコキシド
系非晶質シリカの粒子は、その粒径が小さい程有効であ
り、その粒径が100μm以下、好ましくは30μm以
下、更に好ましくは10μm以下であるものがよい。
ルコキシド系非晶質シリカの量は、アルコキシド系非晶
質シリカを含む全シリカ量100重量部あたり、少なく
とも5重量部とする。包含させるアルコキシド系非晶質
シリカの量が5重量部未満であるときには、水ガラス系
非晶質シリカ粒子の結晶化を促進する効果が小さい。
リカの量の上限値は、特に制限はないが、生産効率の点
からは少ない程有利であり、全シリカ量100重量部あ
たり、50重量部以下、好ましくは30重量部以下、更
に好ましくは10重量部以下であるのがよい。
粒子径は特に限定されないが、得られたクリストバライ
ト化シリカを火焔溶融法による透明石英ガラス製造用原
料とする場合には、粒子径が小さ過ぎると操作性や生産
性の点で問題を生じ、また、粒子径が大き過ぎると均質
な溶融が困難となるので、実用上からは10μm以上、
好ましくは20μm〜5mm、更に好ましくは50〜4
00μmの範囲がよい。
カの粒度の調整を行う場合には、通常の粉砕装置−たと
えば、ポットミル、チューブミル、コニカルボールミル
またはコンパートメントミルなどの転動ボールミル、振
動ボールミル、または塔式粉砕機、撹拌槽型ミルなどの
媒体撹拌ミルまたはロールミルなどを用いることがで
き、好ましくは、転動ボールミル、振動ボールミルが用
いられる。
応じて用いるボール、ロッドなどの粉砕媒体の材質は通
常の場合、アルミナ、ジルコニア、プラスチック被覆
鋼、炭化ケイ素または窒化ケイ素などから、また、アル
ミニウム、ジルコニウムなどの混入が好ましくない場合
には、石英ガラス、溶融石英、水晶、瑪瑙または珪石な
どの珪酸質材料の中から、それぞれ適宜選択すればよ
い。なお、必要に応じて用いるボールなどの剛体からな
る粉砕媒体の大きさは、直径が0.5〜50mmの範
囲、好ましくは10〜40mmの範囲である。
は内部にアルコキシド系非晶質シリカを含む水ガラス系
非晶質シリカ粒子をそのまま、クリストバライト化用原
料シリカとする。なお、アルコキシド系非晶質シリカを
含む水ガラス系非晶質シリカ粒子を、更に適宜の量のク
リストバライト粒子と混合して、加熱処理することもで
きる。
非晶質シリカ粒子を、温度1200〜1700℃、好ま
しくは1300〜1600℃、更に好ましくは1350
〜1500℃の範囲で加熱してクリストバライト化す
る。
上、好ましくは2〜30時間の範囲である。
容器の材質としては、高温に耐え、しかも、バインダー
や焼結助剤を含まないものであることが望ましい。特
に、石英製のものが好ましい。
雰囲気としては、空気、酸素、炭酸ガスなどでもよい
し、また、窒素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性ガス
を用いることもできる。また、真空状態で行うこともで
きる。
原料シリカを所定の温度に維持することができるもので
あればよく、管状炉、箱型炉、トンネル炉などを使用す
ることができる。また、加熱方式としては、電熱、燃焼
ガスなどによればよい。
法を具体的に説明する。説明中の「部」は、「重量部」
を示す。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるも
のではない。
水ガラスを加熱濃縮して、20℃における粘度を300
cpsとした。この水ガラス約8リットルをポンプで加
圧し、濾過器(目開き70μm)を経てノズル(孔径
0.2mm、孔数50個)を通して、50℃に保持され
た8重量%硫酸水溶液300リットルを入れた凝固浴中
へ速度0.7m/秒で押し出した。繊維状で得られたシ
リカを、10倍量の新たに調製した8重量%硫酸水溶液
中に浸漬して温度約95℃で約1時間攪拌して不純物の
抽出を行い、ついでシリカの10倍量の純水を用いて2
回洗浄した。上記の抽出・洗浄操作を5回繰り返した
後、遠心分離機で脱水して得られた湿シリカを熱風乾燥
機により温度150℃で8時間乾燥し、含水率(焼成シ
リカ基準の重量減少率)が7重量%である水ガラス系非
晶質シリカ3.7kg<N>を得た。この水ガラス系非
晶質シリカの不純物含有率は、Al:0.2ppm、T
i:0.1ppm以下、Na:0.1ppm以下、K:
0.1ppm以下、Li:0.1ppm以下、U:0.
05ppb以下であった。
製;エチルシリケート1kg、エタノール2リットル、
純水660gおよび28%アンモニア水500gを混合
し、室温で15時間攪拌してシリカゲルを得た。得られ
たシリカゲルを純水5リットルを用いて2回洗浄し、遠
心分離機で脱水後、得られた湿シリカゲルを400℃に
保持した乾燥機中で1夜乾燥して、アルコキシド系非晶
質シリカ粒子250gを得た。
製; (3−1)アルカリ珪酸塩水溶液に、アルコキシド系非
晶質シリカ粒子を添加・混合して分散させた後、前記の
凝固・酸処理を行う方法:前記2)で得られたアルコキ
シド系非晶質シリカ粒子を、石英内張りのボールミルと
石英製ボールを用いて粉砕し、平均粒径3.5μmの粒
子(aa−1)120gと、平均粒径35μmの粒子
(aa−2)30gとを得た。これらのアルコキシド系
非晶質シリカ粒子aa−1またはaa−2を、各種の量
比でアルカリ珪酸塩水溶液に添加・混合して分散させた
後、前記1)の手法に準じて凝固・酸処理し、各種の量
比でアルコキシド系非晶質シリカ粒子を包含した水ガラ
ス系非晶質シリカ粒子<A−a>を得た。
珪酸アルコキシドを含浸させる方法:前記1)で得られ
た水ガラス系非晶質シリカ粒子<N>95部と90部と
のそれぞれに、純水各500部を加えた後、メチルシリ
ケートを前者には12.6部、後者には25.3部を加
えて混合し、含浸処理を施したシリカ粒子を60℃で1
夜乾燥し、更に150℃で1日乾燥して、各種の量比の
メトキシド含浸水ガラス系非晶質シリカ粒子<A−b>
を得た。
と、アルコキシド系非晶質シリカ粒子とを混合・粉砕
し、造粒する方法:前記1)で得られた水ガラス系非晶
質シリカ粒子<N>90部と、前記2)で得られたアル
コキシド系非晶質シリカ粒子10部とに純水100部を
加えて、石英内張りボールミルと石英製ボールを用いて
混合・粉砕し、造粒して150℃で1夜乾燥し、アルコ
キシド系非晶質シリカ粒子を包含した水ガラス系非晶質
シリカ粒子<A−c>を得た。
トバライト化;前記3)で調製した、アルコキシド系非
晶質シリカを含む各種の水ガラス系非晶質シリカ粒子<
A群>、また、比較のために、アルコキシド系非晶質シ
リカを包含させていない水ガラス系非晶質シリカ粒子<
N>について、試料各100gを、それぞれ石英製ルツ
ボ(容量:1リットル、蓋付き)に充填し、空気雰囲気
中において、表1に示す条件で加熱処理した。加熱処理
して得られたシリカについて、それぞれのクリストバラ
イト化率を測定し、表1に示した。
た。前記1)で得た水ガラス系非晶質シリカ粒子を、1
500℃で20時間加熱処理したシリカのクリストバラ
イト化率を100%とし、これに既知量の非晶質シリカ
を加えて結晶質シリカ分の割合の異なる各種の試料を調
製した。各試料についてX線回折試験を行い、2θ:2
1.9°に出現するピークに関して19.5°≦2θ≦
24.5°の範囲でピーク高さを積分し、得られた<ピ
ーク面積>と試料中の結晶質シリカ分の割合(重量%)
との関係を示す検量線を作成した。各試験条件で得られ
た加熱処理後のシリカについてX線回折試験を行い、前
記検量線によってクリストバライト化率を求めた。
率は、いずれも、Al:0.2ppm、Ti:0.1p
pm以下、Na:0.1ppm以下、K:0.1ppm
以下、Li:0.1ppm以下、U:0.05ppb以
下であった。
の区分 <N> … アルコキシド系非晶質シリカを含ませ
ていない水ガラス系非晶質シリカ粒子 <A> … アルコキシド系非晶質シリカを含ませ
た水ガラス系非晶質シリカ粒子 <A−a> … アルカリ珪酸塩水溶液に、アルコキシ
ド系非晶質シリカ粒子を添加・混合して分散させた後、
凝固・酸処理して得られたもの <A−b> … 水ガラス系非晶質シリカ粒子<N>
に、珪酸アルコキシドを含浸させたもの <A−c> … 水ガラス系非晶質シリカ粒子<N>
と、アルコキシド系非晶質シリカ粒子とを混合・粉砕
し、造粒したもの *1 … クリストバライト化用原料シリカ粒子10
0重量部あたりに含まれるアルコキシド系非晶質シリカ
の量を重量部で示す
いか(比較例1)、または含んでいても全シリカ量10
0重量部あたり5重量部未満である(比較例2)、水ガ
ラス系非晶質シリカ粒子を加熱処理したときは、高温度
・長時間の処理でも、シリカのクリストバライト化率が
低かった。これに対して、全シリカ量100重量部あた
り5重量部以上のアルコキシド系非晶質シリカを含む水
ガラス系非晶質シリカ粒子を加熱処理したときは、各実
施例に示されるように、クリストバライト化率が大幅に
向上した。
リカのクリストバライト化を促進するためのアルカリ金
属などの不純物となる核形成剤を用いていないが、包含
されたアルコキシド系非晶質シリカが核として水ガラス
系非晶質シリカのクリストバライト化を促進する作用効
果をもたらし、核形成剤を用いたときとほぼ同等のクリ
ストバライト化速度を得ることができる。
短時間の加熱処理条件においてクリストバライト化が可
能であり、しかも脱アルカリ処理を要することなく、大
幅な省エネルギー化に寄与し、しかもアルカリ金属およ
びアルカリ土類金属の含有率が極めて低い、高純度のク
リストバライトを効率よく製造することができる。
することにより、Al、Ti、アルカリ金属などの不純
物含有率が極めて低い高純度の緻密なクリストバライト
粒子を得ることができる。
粒子は、充填剤・分散剤などに用いられるほか、高品質
人工水晶・セラミックスなどの原料として、また特に、
溶融賦型の際に気泡の発生がないので透明石英ガラス原
料として好適に用いることができる。更に、本発明の方
法は従来法による場合に比較して経済的であり、製造コ
ストを低減することができるという利点を併せ持ってい
る。
Claims (7)
- 【請求項1】 アルカリ珪酸塩水溶液から得られた水ガ
ラス系非晶質シリカ粒子を、珪酸アルコキシドから得ら
れた非晶質シリカの存在下に1200〜1700℃で加
熱処理することを特徴とするクリストバライト粒子の製
造方法。 - 【請求項2】 珪酸アルコキシドから得られた非晶質シ
リカ粒子を添加して分散させたアルカリ珪酸塩水溶液を
凝固させ、得られたゲルを酸含有液で処理した後、つい
で水洗して不純物を抽出除去して得られた水ガラス系非
晶質シリカ粒子を1200〜1700℃で加熱処理する
ことを特徴とするクリストバライト粒子の製造方法。 - 【請求項3】 水ガラス系非晶質シリカ粒子に珪酸アル
コキシドを含浸させて得られた水ガラス系非晶質シリカ
粒子を1200〜1700℃で加熱処理することを特徴
とするクリストバライト粒子の製造方法。 - 【請求項4】 アルカリ珪酸塩水溶液から得られた水ガ
ラス系非晶質シリカ粒子と、珪酸アルコキシドから得ら
れた非晶質シリカ粒子との混合物を1200〜1700
℃で加熱処理することを特徴とするクリストバライト粒
子の製造方法。 - 【請求項5】 珪酸アルコキシドから得られた非晶質シ
リカの使用量が、全シリカ量100重量部あたり少なく
とも5重量部である請求項1、2、3または4記載のク
リストバライト粒子の製造方法。 - 【請求項6】 アルカリ珪酸塩水溶液から得られた水ガ
ラス系非晶質シリカ粒子におけるアルカリ金属またはア
ルカリ土類金属の各元素の含有率がそれぞれ1ppm以
下のものである請求項1、2、3、4または5記載のク
リストバライト粒子の製造方法。 - 【請求項7】 珪酸アルコキシドから得られた非晶質シ
リカにおけるアルカリ金属またはアルカリ土類金属の各
元素の含有率がそれぞれ1ppm以下のものである請求
項1、2、3、4、5または6記載のクリストバライト
粒子の製造方法。
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---|---|---|---|
JP09919394A JP3661026B2 (ja) | 1994-04-13 | 1994-04-13 | クリストバライト粒子の製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH07277723A true JPH07277723A (ja) | 1995-10-24 |
JP3661026B2 JP3661026B2 (ja) | 2005-06-15 |
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JP (1) | JP3661026B2 (ja) |
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CN116873943A (zh) * | 2023-08-07 | 2023-10-13 | 安徽壹石通材料科技股份有限公司 | 一种高纯方石英的制备方法 |
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1994
- 1994-04-13 JP JP09919394A patent/JP3661026B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP3661026B2 (ja) | 2005-06-15 |
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