JP3125473U7 - - Google Patents

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留め付け金具
本考案は、留め付け用の端部となる上下端部の形状が2種類の汎用規格を有する外壁板のいずれにも対応できる留め付け金具に関する。
国内の大手建築用外壁板メーカーとして、株式会社ニチハと、松下クボタ株式会社などがある。
図7は、株式会社ニチハ製の2枚の汎用規格品の外壁板をその上端部と下端部とを対向させた側面断面で示しており、この図に示すように、この外壁板30の下端部は、後部側が低段になって形成され、肉厚方向の略中央には後方に向けた斜面30cを有する溝30が形成されて、該溝30b後方に実部30dが形成され、該溝30bの前方には下方に向けた凸部30aが形成されている。この外壁板の上端部は、前部側が低段になって形成されて、低段面30gの後方に上方に向けた凸部30eが形成され、該凸部30eの前面上部に斜面30fが形成されている。
この外壁板30よりなる上位の外壁板31と下位の外壁板32とを上下方向に突き合わせて下地材20に取り付ける場合には、例えば、特許文献1の図1又は図6に示す、同社製の留め付け金具が利用される。
特許文献1の図1及び図6に示すいずれの留め付け金具も、基板部から前方に向けて水平面部が形成され、該水平面部の先端縁に沿った個所から、斜め上方向に向けた立ち上がり部と、斜め下方向に向けた立ち下がり部とが形成されて、水平面部と立ち上がり部と立ち下がり部とを合わせた側面形状が略横Y字形状になっている。特許文献1の図4には、特許文献1の図1に示す留め付け金具を用いた外壁板の取付事例が側面断面図で示されている。
図8は、松下クボタ株式会社製の2枚の汎用規格品の外壁板をその上端部と下端部とを対向させた側面断面で示しており、この図に見られるように、この外壁板33の下端部は、後部側が低段になって形成され、肉厚方向の略中央には後方に向けた斜面33cを有する溝33bが形成されて、該溝33bの後方に実部33dが形成され、該溝33bの前方には下方に向けた凸部33aが形成されている。この外壁板33の上端部は、前部側が低段になって形成されて、低段面33gの後方に上方に向けた凸部33eが形成され、該凸部33eの前面は垂直面で形成されている。
図9(a)は、この外壁板33を2枚上下に突き合わせて下地材に取り付ける場合に利用される従来技術の留め付金具を斜視図で示し、図9(b)はこの留め付け金具を側面図で示している。これらの図に示すように、この留め付け金具60は、基板部62から前方に向けて水平面部67が形成され、該水平面部67の先端縁に沿った個所から、斜め上方向に向けて立ち上がり部68が形成され、立ち上がり部68の左右側方には、左立ち下がり部69Lと右立ち下がり部69Rとが形成されたもので構成される。左立ち下がり部69Lと右立ち下がり部69Rは、いずれも、前記水平面部67から斜め下前方に向けた斜面部69aと、該斜面部69aの前端から前方に向けられた第2水平面部69bと、第2水平面部69bの前端部から下方に向けられた立設部69cとが一体形成された上下2段形状を有している。そして、基盤部62の両側に沿った個所と中央には、外壁板の裏面を当接させる支持部63L、63R、63Mが形成されている。
図10は、この留め付け金具60を用いた外壁板33,33の取付事例を側面断面図で示している。
このように、上述した2社の外壁板30,33は、上端部及び下端部の形状とサイズが微妙に異なるため、留め付け金具も専用のものを利用しなければならず、例えば、図11に示すように、図9に示す留め付け金具60を利用して、他社製の外壁材30を留め付けようとしても、下位の外壁材32の上端部が留め付け金具60の斜面部69aの途中に当接した状態になって、留め付け金具60の水平面部67に届かず、上位の外壁材31と下位の外壁材32が突き合わせることがなく、隙間が出来ることによる留め付けの位置ずれ、雨水の侵入などの問題が生じる。
このため、従来では、外壁材の種類に対応した留め付け金具を使用しなければならなかった。 特開2005−133504号公報の図1、図4、図6
しかしながら、建築業者は、数多くの種類の外壁材を取り扱うため、複数種類の留め付け金具の在庫を抱えることになり、この在庫コストの問題があった。また、建築現場に違った種類の留め付け金具を持っていくという取り間違いもあった。さらに、従来の留め付け金具は大手外壁材メーカーが製造・販売しているため、中小の建築業者が、より安い留め付け金具を購入する機会も殆どなかった。
本考案が解決しようとする課題は、留め付け用の端部となる上下端部の形状が2種類の汎用規格を有する外壁板のいずれにも対応できる留め付け金具を提供することにより、複数の種類の留め付け金具を在庫する負担をなくし、建築現場に間違った種類の留め付け金具を持って行くという間違いを生じさせることがないようにし、しかも、安価な留め付け金具を購入する機会を提供することにある。
本考案の留め付け金具は、外壁板を下地材に取り付けるために利用される留め付け金具であって、その左右には留め付け時に外壁板裏面に当接される左側支持部及び右側支持部が形成され、左側支持部と右側支持部の間の領域の上部には下地材に当接して装着される基板部が形成され、該基板部の下縁に沿った個所が前方に折曲されて水平面部が形成され、該水平面部の先端縁に沿った中央個所から斜め上方向に向けて立ち上がり部が形成され、水平面部の先端部に沿った左右個所には、斜め下前方に向けた斜面部と、該斜面部の前端から前方に向けられた第2水平面部と、第2水平面部の前端部から下方に向けられた立設部とが一体形成された上下2段形状の立ち下がり部が形成され、
各立ち下がり部の斜面部の後面上端縁から前記左側支持部及び右側支持部の各前面に至る間隔が、3.8mm〜4.0mmであり、各立ち下がり部の立設部の後面から前記左側支持部及び右側支持部の各前面に至る間隔が、6.70±0.05mmであり、各立ち下がり部の斜面部の後面に沿った延長線よりも前方に各立ち下がり部の立設部が位置していることを特徴とする。
本考案の留め付け金具は、釘とねじを利用して下地材に装着される。そして、下地材に取り付けた留め付け金具を利用して、上下2枚の外壁材が突き合わされた状態で留め付けられ、下位の外壁材の留め付けは、留め付け金具の左側支持部及び右側支持部の各前面と左右の立ち下がり部とによって外壁材の上端後部に形成されている凸部を前後からはさみ付けた状態で行われる。上位の外壁材の留め付けは、留め付け金具の左側支持部及び右側支持部の各前面と立ちがり部とによって外壁材の下端後部に形成されている実部を前後からはさみ付けた状態で行われる。このようにして上下の外壁材を留め付けると、上下の外壁材の対向端部である前面部分が当接して、上下の外壁材の間の隙間が無くなる。
本考案の留め付け金具は、各立ち下がり部の斜面部の後面上端縁から前記左側支持部及び右側支持部の各前面に至る間隔を、3.8mm〜4.0mmに設定し、各立ち下がり部の立設部の後面から前記左側支持部及び右側支持部の各前面に至る間隔を、6.70±0.05mmに設定し、さらに、各立ち下がり部の斜面部の後面に沿った延長線よりも前方に各立ち下がり部の立設部を位置させたことによって、規格の異なる汎用2種類の外壁材のいずれについても留め付けられるようにした。
本考案の留め付け金具によれば、各立ち下がり部の斜面の後面上端縁から前記左側支持部及び右側支持部の各前面に至る間隔を、3.8mm〜4.0mmにした結果、外壁材の上端部の留め付け部となる凸部上端の肉厚後方の幅が3.8mmの株式会社ニチハ製の汎用規格の外壁材の留め付けが可能になった。また、各立ち下がり部の立設部の後面から前記左側支持部及び右側支持部の各前面に至る間隔を、6.70±0.05mmにした結果、松下クボタ株式会社製の汎用規格の外壁材の留め付けも出来るようになった。しかも、各立ち下がり部の斜面部の後面に沿った延長線よりも前方に各立ち下がり部の立設部を位置させた結果、株式会社ニチハ製の汎用規格の外壁材の上端部を、留め付け金具の立設部と左側支持部及び右側支持部との間に突入させて留め付ける際に、立設部の前面上部に形成されている斜面に立設部が引っ掛かることも無くなった。
このように、本考案の留め付け金具は、留め付け用の端部となる上下端部の形状が2種類の汎用規格を有する外壁板のいずれにも利用できるようになり、複数の種類の留め付け金具を在庫する負担をなくすことが出来、建築現場に間違った種類の留め付け金具を持って行くという間違いを生じさせることもなくなり、しかも、安価な留め付け金具を購入する機会を与えることができるようになった。
本考案を実施するための最良の形態は、次の実施例に述べる留め付け金具である。
図1は本考案の1実施形態による留め付け金具を斜視図で示し、図2は同じく平面図で示し、図3は同じく正面図で示し、図4(a)は同じく右側面図で示し,(b)はその一部を拡大して示している。図5(a)は図3におけるA−A断面図であり、(b)は図3におけるB−B断面図、図6(a)及び(b)は本考案の留め付け金具を利用して外壁材を下地材に取り付けた状態を側面断面図で示している。
図1乃至図5(a)(b)に示す本考案実施形態の留め付け金具(以下、本考案の留め付け金具と略称する。)1は、鋼板による一体成形品であり、その左右には留め付け時に外壁板裏面に当接される左側支持部3L及び右側支持部3Rが形成されている。して、左側支持部3Lと右側支持部3Rの間の領域の上部には、下地材に当接して装着される基板部2が形成されており、左側支持部3Lと右側支持部3Rの各前面部分は、基板部2よりも前方に突出した位置にある。基板部2の下方には窓5が形成され、その下方には補強板4が形成されている。
基板部2の上部には、留め付け金具1を下地材に取り付けるための釘孔6a,6a,6aと、ねじを挿入するねじ孔6b,6b,6bとが、横方向に並んで形成されている。
基板部2の下縁は水平直線であり、この下縁に沿った個所が前方に折曲されて水平面部7が形成されている。そして、該水平面部7の先端縁に沿った中央個所から斜め上方向に向けて立ち上がり部8が形成され、水平面部7の先端部に沿った左右個所には、斜め下前方に向けた斜面部9a,9aと、該斜面部9a,9aの前端から前方に向けられた第2水平面部9b,9bと、第2水平面部9b,9bの前端部から下方に向けられた立設部9c,9cとが一体形成された上下2段形状の立ち下がり部9L9Rが形成されている。図4(b)に示すように、各立設部9c,9cは、下方に向かうに従って2.32°前方に傾斜させて、下位の外壁材の上端に位置する凸部の平面部7に向けた突入が円滑に行えるようにしてある。
図4(a)に示すように、各立ち下がり部9L,9Rの斜面部9a,9aの後面上端縁から前記左側支持部3L及び右側支持部3Rの各前面に至る間隔S1は、3.8mm〜4.0mmに設定されている。この間隔S1は、図7に示す外壁材30の上端部の前後幅W1が3.8mmであるのに対応した間隔である。
さらに、図4(a)に示すように、各立ち下がり部9L,9Rの立設部9c,9cの後面から前記左側支持部3L及び右側支持部3Rの各前面に至る間隔S2を、6.70±0.05mmに設定してあり、この間隔S2は、図8に示す外壁材30の下端部の前後幅W26.65mmであるのに対応した間隔である。
さらに、図4(b)に示すように、各立ち下がり部9L,9Rにおける斜面部9a,9aの後面に沿った延長線Fよりも前方に位置させて、図6(a)に示す下位の外壁材32の凸部30eが平面部7に当節する方向に突入する際の邪魔にならないようにしてある。
このようにすると、図6(a)及び(b)に示すように、本考案の留め付け金具1を利用して、下位の外壁材32の凸部30eを平面部7下方に突入させて留め付けることができるようになる。
本考案の1実施形態による留め付け金具を示した斜視図である。 同じく平面図である。 同じく正面図である。 (a)は同じく右側面図であり、(b)はその一部を拡大して示した図である。 (a)は図3におけるA−A断面図であり、(b)は図3におけるB−B断面図である。 (a)及び(b)は本考案の留め付け金具を利用して外壁材を下地材に取り付けた状態を示した側面断面図である。 は株式会社ニチハ製の2枚の汎用規格品の外壁板をその上端部と下端部とを対向させて示した側面断面図である。 松下クボタ株式会社製の2枚の汎用規格品の外壁板をその上端部と下端部とを対向させて示した側面断面図である。 (a)は、従来の留め付け金具を示した斜視図であり、(b)はこの留め付け金具を示した側面図である。 従来技術の留め付け金具を用いた外壁板の取付事例を示した側面断面図である。 規格に合わない留め付け金具を用いた外壁板の取付事例を示した側面断面図である。
符号の説明
1 本考案実施形態の留め付け金具
2 基板部
3L 左側支持部
3R 右側支持部
4 補強版
5 窓
6a 釘孔
6b ねじ孔
7 水平面部
9L 立ち下がり部
9R 立ち下がり部
9a 斜面部
9b 第2水平面部
9c 立設部
30 外壁材
30a 凸部
30b 溝
30c 斜面
30d 実部
30e 凸部
30f 斜面
30g 低段面
31 上位の外壁材
32 下位の外壁材
33 外壁材
34 上位の外壁材
35 下位の外壁材

Claims (1)

  1. 外壁板を下地材に取り付けるために利用される留め付け金具であって、
    留め付け時に外壁板裏面に当接される左側支持部及び右側支持部と、
    前記左側支持部と右側支持部の間の領域の上部に形成され下地材に当接して装着される基板部と、
    前記基板部の下縁に沿った個所が前方に折曲された水平面部と、
    前記水平面部の先端縁に沿った中央個所から斜め上方向に向けて形成された立ち上がり部と、
    前記水平面部の先端部に沿った左右個所に、斜め下前方に向けた斜面部、この斜面部の前端から前方に向けられた第2水平面部、及びこの第2水平面部の前端部から下方に向けられた立設部が一体形成された上下2段形状の立ち下がり部と、を備え、
    前記各立ち下がり部の斜面部の後面上端縁から前記左側支持部及び右側支持部の各前面に至る間隔が、3.8mm〜4.0mm、各立ち下がり部の立設部の後面から前記左側支持部及び右側支持部の各前面に至る間隔が、6.70±0.05mmとされ、各立ち下がり部の斜面部の後面に沿った延長線よりも前方に各立ち下がり部の立設部が位置していることを特徴とする留め付け金具。
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