JP3125368B2 - ガスバリアー性積層包装材料の製造方法 - Google Patents
ガスバリアー性積層包装材料の製造方法Info
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明はガスバリアー性積層包装
材料の製造方法に関し、更に詳しくは無機化合物を蒸着
したフィルムの蒸着面にエチレン−酢酸ビニル共重合体
ケン化物からなる膜を積層したバリアー性積層包装材料
の製造方法に関する。
材料の製造方法に関し、更に詳しくは無機化合物を蒸着
したフィルムの蒸着面にエチレン−酢酸ビニル共重合体
ケン化物からなる膜を積層したバリアー性積層包装材料
の製造方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】食品包装用に使用される包装材料は、水
蒸気や酸素ガスの透過を防ぐためガスバリアー性が要求
される。ガスバリアー性を付与するため包装材料の一層
にアルミ箔が用いられている。しかしアルミは中身か見
えないことや電子レンジにかけられない、リサイクルが
できない等の欠点がある。その為その代替としてエチレ
ン−ビニルアルコール共重合体（ＥＶＯＨ）が使用され
ている。しかしこのＥＶＯＨは使用する環境条件、特に
湿度に影響を受けバリアー性が低下する欠点がある。そ
こで近年無機化合物特に酸化ケイ素をポリエステルフィ
ルムや延伸されたポリプロピレンフィルム等に蒸着する
方法がとられるようになってきた。このバリアー性フィ
ルムを厚紙と貼り合わせハイバリアー性を必要とする液
体用紙容器の構成材料として使用できる。積層化にはド
ライラミネーションや押出しラミネーションの手法が考
えられるが、本用途において各手法とも課題があり実際
には実施されていない。
蒸気や酸素ガスの透過を防ぐためガスバリアー性が要求
される。ガスバリアー性を付与するため包装材料の一層
にアルミ箔が用いられている。しかしアルミは中身か見
えないことや電子レンジにかけられない、リサイクルが
できない等の欠点がある。その為その代替としてエチレ
ン−ビニルアルコール共重合体（ＥＶＯＨ）が使用され
ている。しかしこのＥＶＯＨは使用する環境条件、特に
湿度に影響を受けバリアー性が低下する欠点がある。そ
こで近年無機化合物特に酸化ケイ素をポリエステルフィ
ルムや延伸されたポリプロピレンフィルム等に蒸着する
方法がとられるようになってきた。このバリアー性フィ
ルムを厚紙と貼り合わせハイバリアー性を必要とする液
体用紙容器の構成材料として使用できる。積層化にはド
ライラミネーションや押出しラミネーションの手法が考
えられるが、本用途において各手法とも課題があり実際
には実施されていない。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】ドライラミネーション
により貼り合わせる方法は接着剤を使用しなければなら
ず、また接着力を発現させるためには貼り合わせ後養生
タイムとして４０℃以上の高温で４８時間程度の時間を
必要とする。厚紙の場合製品の容積が非常に大きくな
り、養生させるための大きなスペースが必要であり、ま
た長い養生タイムが必要なことから高速大量生産には適
していない。一方、作業性を改良するためには蒸着面と
厚紙との間にポリオレフィン系の熱可塑性樹脂を直接押
出しサンドラミネーションする方法が考えられるが、ポ
リオレフィン系の熱可塑性樹脂を溶融状態で押出し、蒸
着面との十分な接着強度を得るためには２５０℃以上の
高温度で押出す必要がある。しかしながら、蒸着は高温
度での加工による熱のためクラックが発生してしまいガ
スバリアー性が低下する。また、２５０℃以下の温度で
押出した場合には接着強度が低くなる欠点がある。
により貼り合わせる方法は接着剤を使用しなければなら
ず、また接着力を発現させるためには貼り合わせ後養生
タイムとして４０℃以上の高温で４８時間程度の時間を
必要とする。厚紙の場合製品の容積が非常に大きくな
り、養生させるための大きなスペースが必要であり、ま
た長い養生タイムが必要なことから高速大量生産には適
していない。一方、作業性を改良するためには蒸着面と
厚紙との間にポリオレフィン系の熱可塑性樹脂を直接押
出しサンドラミネーションする方法が考えられるが、ポ
リオレフィン系の熱可塑性樹脂を溶融状態で押出し、蒸
着面との十分な接着強度を得るためには２５０℃以上の
高温度で押出す必要がある。しかしながら、蒸着は高温
度での加工による熱のためクラックが発生してしまいガ
スバリアー性が低下する。また、２５０℃以下の温度で
押出した場合には接着強度が低くなる欠点がある。
【０００４】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明は、無機
化合物を蒸着したフィルムの蒸着面にエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体ケン化物を２５０℃以下の温度で押出すこ
とにより接着強度の十分なバリアー性積層包装材料を製
造する方法を提供する。以下に本発明を詳細に説明す
る。
化合物を蒸着したフィルムの蒸着面にエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体ケン化物を２５０℃以下の温度で押出すこ
とにより接着強度の十分なバリアー性積層包装材料を製
造する方法を提供する。以下に本発明を詳細に説明す
る。
【０００５】本発明における無機化合物の蒸着被膜を有
するガスバリアー性フィルムは、５ｃｃ／ｍ２・ｄａｙ
・ａｔｍ（２５℃，１００％ＲＨ）以下の酸素透過率を
持つ物であれば良い。基材フィルムとしては表面が平滑
であれば良く、例えば二軸延伸されたポリプロピレンフ
ィルム（ＯＰＰ）やポリエステルフィルム（ＯＰＥＴ）
が使用できる。蒸着する無機化合物としては酸化ケイ素
あるいは酸化アルミニウムがある。蒸着被膜は、真空蒸
着あるいはスパッタリング等の手段で得られる。 この
バリアー性フィルムの蒸着面と厚紙との間に溶融押出し
ラミネーションする樹脂としてエチレン−酢酸ビニル共
重合体ケン化物（ＥＶＡ−ＯＨ）を使用する。更に詳し
くは、ＥＶＡ−ＯＨは、酢酸ビニル含量が１０〜４０重
量％のエチレン−酢酸ビニル共重合体（ＥＶＡ）のケン
化物でありそのケン化度が１０〜９０％であることが望
ましい。酢酸ビニル含量が１０重量％未満ではケン化度
をあげても蒸着面との十分な接着強度は得られず、また
４０重量％を越える場合は耐熱性が劣り加工性が悪くな
る。ケン化度が１０％未満では蒸着面との接着強度が不
十分であり、また９０％を越えるケン化度ではサンドラ
ミネーションする場合に貼り合わせる他基材（例えば
紙）との接着性が劣る。
するガスバリアー性フィルムは、５ｃｃ／ｍ２・ｄａｙ
・ａｔｍ（２５℃，１００％ＲＨ）以下の酸素透過率を
持つ物であれば良い。基材フィルムとしては表面が平滑
であれば良く、例えば二軸延伸されたポリプロピレンフ
ィルム（ＯＰＰ）やポリエステルフィルム（ＯＰＥＴ）
が使用できる。蒸着する無機化合物としては酸化ケイ素
あるいは酸化アルミニウムがある。蒸着被膜は、真空蒸
着あるいはスパッタリング等の手段で得られる。 この
バリアー性フィルムの蒸着面と厚紙との間に溶融押出し
ラミネーションする樹脂としてエチレン−酢酸ビニル共
重合体ケン化物（ＥＶＡ−ＯＨ）を使用する。更に詳し
くは、ＥＶＡ−ＯＨは、酢酸ビニル含量が１０〜４０重
量％のエチレン−酢酸ビニル共重合体（ＥＶＡ）のケン
化物でありそのケン化度が１０〜９０％であることが望
ましい。酢酸ビニル含量が１０重量％未満ではケン化度
をあげても蒸着面との十分な接着強度は得られず、また
４０重量％を越える場合は耐熱性が劣り加工性が悪くな
る。ケン化度が１０％未満では蒸着面との接着強度が不
十分であり、また９０％を越えるケン化度ではサンドラ
ミネーションする場合に貼り合わせる他基材（例えば
紙）との接着性が劣る。
【０００６】押出し加工温度は２５０℃以下であること
が必要であり、それ以上では蒸着にクラックの発生があ
りバリアー性能が低下する。
が必要であり、それ以上では蒸着にクラックの発生があ
りバリアー性能が低下する。
【０００７】得られた構成物はバリアー性包装材として
使用する。
使用する。
【０００８】
実施例１ 二軸延伸されたＰＥＴフィルム（１２μｍ）に酸化ケイ
素が１０００オングストローム蒸着されたフィルムの酸
素透過度は１ｃｃ／ｍ２・ｄａｙ・ａｔｍ（２５℃，１
００％ＲＨ）であった。
素が１０００オングストローム蒸着されたフィルムの酸
素透過度は１ｃｃ／ｍ２・ｄａｙ・ａｔｍ（２５℃，１
００％ＲＨ）であった。
【０００９】厚紙としては２４０ｇ／ｍ２のものを使用
した。
した。
【００１０】この厚紙をラミネーション装置の繰り出し
側から出し、蒸着フィルムの蒸着面が厚紙と接触するよ
うにサンドト側から繰り出し、ＥＶＡ−ＯＨ（酢酸ビニ
ル含量２８重量％ＥＶＡ，ケン化度４０％、ＭＦＲ１６
ｇ／１０分：メルセンＨ６４１０Ｍ（東ソー株式会
社））をダイス直下温度２０５℃で押出し、ＥＶＡ−Ｏ
Ｈ層２０μｍの積層フィルムを得た。
側から出し、蒸着フィルムの蒸着面が厚紙と接触するよ
うにサンドト側から繰り出し、ＥＶＡ−ＯＨ（酢酸ビニ
ル含量２８重量％ＥＶＡ，ケン化度４０％、ＭＦＲ１６
ｇ／１０分：メルセンＨ６４１０Ｍ（東ソー株式会
社））をダイス直下温度２０５℃で押出し、ＥＶＡ−Ｏ
Ｈ層２０μｍの積層フィルムを得た。
【００１１】この積層物の酸素透過度を測定した結果、
１ｃｃ／ｍ２・ｄａｙ・ａｔｍ（２５℃，１００％Ｒ
Ｈ）であった。また、積層物の蒸着面とＥＶＡ−ＯＨと
の剥離強度を測定したが、２５０ｇ／１５ｍｍ以上であ
りＥＶＡ−ＯＨの切断が観察された。
１ｃｃ／ｍ２・ｄａｙ・ａｔｍ（２５℃，１００％Ｒ
Ｈ）であった。また、積層物の蒸着面とＥＶＡ−ＯＨと
の剥離強度を測定したが、２５０ｇ／１５ｍｍ以上であ
りＥＶＡ−ＯＨの切断が観察された。
【００１２】実施例２ 実施例１でＥＶＡ−ＯＨを酢酸ビニル含量２８重量％Ｅ
ＶＡ，ケン化度２０％、ＭＦＲ１７ｇ／１０分（メルセ
ンＨ６２１０Ｍ（東ソー株式会社））を使用した他は同
一手法で積層物を得た。
ＶＡ，ケン化度２０％、ＭＦＲ１７ｇ／１０分（メルセ
ンＨ６２１０Ｍ（東ソー株式会社））を使用した他は同
一手法で積層物を得た。
【００１３】この積層物フィルムの酸素透過度を測定し
た結果、１ｃｃ／ｍ２・ｄａｙ・ａｔｍ（２５℃，１０
０％ＲＨ）であった。また、積層物の蒸着面とＥＶＡ−
ＯＨとの剥離強度を測定したが、２５０ｇ／１５ｍｍ以
上でありＥＶＡ−ＯＨの切断が観察された。
た結果、１ｃｃ／ｍ２・ｄａｙ・ａｔｍ（２５℃，１０
０％ＲＨ）であった。また、積層物の蒸着面とＥＶＡ−
ＯＨとの剥離強度を測定したが、２５０ｇ／１５ｍｍ以
上でありＥＶＡ−ＯＨの切断が観察された。
【００１４】比較例１ 実施例１でＥＶＡ−ＯＨの代わりにＥＶＡ（酢酸ビニル
含量２８重量％、ＭＦＲ１７ｇ／１０分：ウルトラセン
７１０（東ソー株式会社））を使用した他は同一手法で
積層物を得た。
含量２８重量％、ＭＦＲ１７ｇ／１０分：ウルトラセン
７１０（東ソー株式会社））を使用した他は同一手法で
積層物を得た。
【００１５】この積層フィルムの酸素透過度を測定した
結果、１ｃｃ／ｍ２・ｄａｙ・ａｔｍ（２５℃，１００
ＲＨ）であった。また、積層物の蒸着面とＥＶＡとの剥
離強度を測定したが、２００ｇ／１５ｍｍであり、簡単
に剥離した。
結果、１ｃｃ／ｍ２・ｄａｙ・ａｔｍ（２５℃，１００
ＲＨ）であった。また、積層物の蒸着面とＥＶＡとの剥
離強度を測定したが、２００ｇ／１５ｍｍであり、簡単
に剥離した。
【００１６】比較例２ 実施例１でＥＶＡ−ＯＨの代わりに低密度ポリエチレン
（ＬＤＰＥ、ＭＦＲ３ｇ／１０分：ペトロセン２０５
（東ソー株式会社））を使用し、ダイス直下の樹脂温度
を３１０℃で押出した他は同一手法で積層物を得た。
（ＬＤＰＥ、ＭＦＲ３ｇ／１０分：ペトロセン２０５
（東ソー株式会社））を使用し、ダイス直下の樹脂温度
を３１０℃で押出した他は同一手法で積層物を得た。
【００１７】この積層フィルムの酸素透過度を測定した
結果、１０ｃｃ／ｍ２・ｄａｙ・ａｔｍ（２５℃，１０
０ＲＨ）であった。また、積層物の蒸着面とＥＶＡとの
剥離強度を測定したが、２５０ｇ／１５ｍｍ以上であ
り、ＬＤＰＥの切断が観察された。
結果、１０ｃｃ／ｍ２・ｄａｙ・ａｔｍ（２５℃，１０
０ＲＨ）であった。また、積層物の蒸着面とＥＶＡとの
剥離強度を測定したが、２５０ｇ／１５ｍｍ以上であ
り、ＬＤＰＥの切断が観察された。
【００１８】
【発明の効果】以上の結果から明らかなように、本発明
によれば低温加工ができるため蒸着のクラックを発生さ
せずバリアー性が維持でき、また同時に接着強度の良好
なバリアー性積層包装材料を得る事ができる。
によれば低温加工ができるため蒸着のクラックを発生さ
せずバリアー性が維持でき、また同時に接着強度の良好
なバリアー性積層包装材料を得る事ができる。
Claims (1)
- 【請求項１】無機化合物の蒸着被膜を有するガスバリア
ー性フィルムの蒸着面に、エチレン−酢酸ビニル共重合
体（ＥＶＡ）の酢酸ビニル含量が１０〜４０重量％であ
り、そのケン化度が１０％〜９０％であるエチレン−酢
酸ビニル共重合体ケン化物を２５０℃以下の温度で押出
し上記蒸着面上にエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化
物を積層することを特徴とするガスバリアー性積層包装
材料の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP03270560A JP3125368B2 (ja) | 1991-09-24 | 1991-09-24 | ガスバリアー性積層包装材料の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP03270560A JP3125368B2 (ja) | 1991-09-24 | 1991-09-24 | ガスバリアー性積層包装材料の製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0577338A JPH0577338A (ja) | 1993-03-30 |
| JP3125368B2 true JP3125368B2 (ja) | 2001-01-15 |
Family
ID=17487871
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP03270560A Expired - Fee Related JP3125368B2 (ja) | 1991-09-24 | 1991-09-24 | ガスバリアー性積層包装材料の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3125368B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP7345928B2 (ja) | 2019-04-11 | 2023-09-19 | 株式会社不二工機 | 流路切換弁 |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP4489198B2 (ja) * | 1999-01-18 | 2010-06-23 | 大日本印刷株式会社 | 液体用紙容器 |
| JP5549849B2 (ja) * | 2009-12-07 | 2014-07-16 | 東ソー株式会社 | フィルム及び包装袋 |
-
1991
- 1991-09-24 JP JP03270560A patent/JP3125368B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP7345928B2 (ja) | 2019-04-11 | 2023-09-19 | 株式会社不二工機 | 流路切換弁 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0577338A (ja) | 1993-03-30 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
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| FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
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| FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081102 Year of fee payment: 8 |
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