JP3125156B2 - 鉄骨柱 - Google Patents
鉄骨柱Info
- Publication number
- JP3125156B2 JP3125156B2 JP04089351A JP8935192A JP3125156B2 JP 3125156 B2 JP3125156 B2 JP 3125156B2 JP 04089351 A JP04089351 A JP 04089351A JP 8935192 A JP8935192 A JP 8935192A JP 3125156 B2 JP3125156 B2 JP 3125156B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- steel
- steel material
- column
- steel column
- extremely mild
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、鉄骨構造体における鉄
骨柱に関するものである。
骨柱に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】従来、鉄骨構造の建築物にあっては、地
震時における建築物の揺れ対策としてエネルギーの吸収
を行うダンパーを用いるようになってきている。このダ
ンパーは建築物の層間変形のうち剪断変形に比例して働
く剪断型のものであって、地震時におけるダンパーのエ
ネルギー吸収作用によって建築物の揺れを減少させてい
た。
震時における建築物の揺れ対策としてエネルギーの吸収
を行うダンパーを用いるようになってきている。このダ
ンパーは建築物の層間変形のうち剪断変形に比例して働
く剪断型のものであって、地震時におけるダンパーのエ
ネルギー吸収作用によって建築物の揺れを減少させてい
た。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、昨今の
高層建築物においての変形では、曲げ変形が変形形態の
半分以上を占めていて、このため上述の剪断型ダンパー
がその高層建築物に採用されていてもダンパーの効率は
小さく、高層建築物の揺れが減少させにくくなってい
る。
高層建築物においての変形では、曲げ変形が変形形態の
半分以上を占めていて、このため上述の剪断型ダンパー
がその高層建築物に採用されていてもダンパーの効率は
小さく、高層建築物の揺れが減少させにくくなってい
る。
【０００４】そこで本発明は上記した事情に鑑み、鉄骨
造建築物における鉄骨柱に関し、この鉄骨柱の軸変形に
よって曲げ変形のエネルギーを吸収させるようにするこ
とを課題とし、特に高層建築物における揺れを減少させ
ることを目的とするものである。
造建築物における鉄骨柱に関し、この鉄骨柱の軸変形に
よって曲げ変形のエネルギーを吸収させるようにするこ
とを課題とし、特に高層建築物における揺れを減少させ
ることを目的とするものである。
【０００５】
【課題を解決するための手段】本発明は上記した課題を
考慮してなされたもので、相対する一組の側面に位置す
る極軟鋼からなる板状の鋼材と、相対する前記鋼材の間
に位置して少なくとも側端部が前記鋼材の端部に連結さ
れている高強度鋼からなる鋼材と、からなることを特徴
とする鉄骨柱を提供して、上記課題を解消するものであ
る。
考慮してなされたもので、相対する一組の側面に位置す
る極軟鋼からなる板状の鋼材と、相対する前記鋼材の間
に位置して少なくとも側端部が前記鋼材の端部に連結さ
れている高強度鋼からなる鋼材と、からなることを特徴
とする鉄骨柱を提供して、上記課題を解消するものであ
る。
【０００６】
【作用】本発明において、地震時に加わる軸力によっ
て、鉄骨柱の極軟鋼からなる鋼材部分と高強度鋼からな
る鋼材部分とに同じ軸変形を生じる。そして極軟鋼の鋼
材において降伏歪みが生じる応力が小さいため、軸力が
加わる早期に前記極軟鋼の鋼材が降伏し、エネルギーを
吸収する。一方、高強度鋼の鋼材は極大地震に対しても
その内部応力が弾性域に留まり、鉄骨構造体の破壊を生
じさせないようになる。さらに高強度鋼の鋼材は、極軟
鋼の鋼材の局部座屈が生じないようにこの極軟鋼の鋼材
を拘束する。
て、鉄骨柱の極軟鋼からなる鋼材部分と高強度鋼からな
る鋼材部分とに同じ軸変形を生じる。そして極軟鋼の鋼
材において降伏歪みが生じる応力が小さいため、軸力が
加わる早期に前記極軟鋼の鋼材が降伏し、エネルギーを
吸収する。一方、高強度鋼の鋼材は極大地震に対しても
その内部応力が弾性域に留まり、鉄骨構造体の破壊を生
じさせないようになる。さらに高強度鋼の鋼材は、極軟
鋼の鋼材の局部座屈が生じないようにこの極軟鋼の鋼材
を拘束する。
【０００７】このように本発明の鉄骨柱は高強度鋼の鋼
材と極軟鋼の鋼材とからなるものであり、図４に示すよ
うに鉄骨柱ａに軸力ｂを加わえる場合、図５のｃに示す
ように極軟鋼の鋼材側は前記軸力が小さい時点で降伏に
達して以降塑性変形するものであり、図５のｄに示すよ
うに高強度鋼の鋼材側は降伏する時の軸力が大きく、こ
の両者が一体となっている鉄骨柱全体としては、図５の
ｅに示すように極軟鋼の鋼材が降伏する点、すなわち軸
力が小さい時点を境として弾性域が変化してエネルギー
を吸収する。
材と極軟鋼の鋼材とからなるものであり、図４に示すよ
うに鉄骨柱ａに軸力ｂを加わえる場合、図５のｃに示す
ように極軟鋼の鋼材側は前記軸力が小さい時点で降伏に
達して以降塑性変形するものであり、図５のｄに示すよ
うに高強度鋼の鋼材側は降伏する時の軸力が大きく、こ
の両者が一体となっている鉄骨柱全体としては、図５の
ｅに示すように極軟鋼の鋼材が降伏する点、すなわち軸
力が小さい時点を境として弾性域が変化してエネルギー
を吸収する。
【０００８】
【実施例】つぎに本発明を図１から図３に示す実施例に
基づいて詳細に説明する。図１は第一実施例を示すもの
である。この第一実施例の鉄骨柱１は角柱状のもので、
相対する一組の側面１ａを極軟鋼からなる板状の鋼材２
とし、他の一組の側面１ｂを高強度鋼からなる板状の鋼
材３としている。そして相対する鋼材２の端部２ａ間に
前記鋼材３が位置し、鋼材２の端部２ａと鋼材３の端部
３ａとが溶接接合されて、この鉄骨柱１が形成されてい
る。
基づいて詳細に説明する。図１は第一実施例を示すもの
である。この第一実施例の鉄骨柱１は角柱状のもので、
相対する一組の側面１ａを極軟鋼からなる板状の鋼材２
とし、他の一組の側面１ｂを高強度鋼からなる板状の鋼
材３としている。そして相対する鋼材２の端部２ａ間に
前記鋼材３が位置し、鋼材２の端部２ａと鋼材３の端部
３ａとが溶接接合されて、この鉄骨柱１が形成されてい
る。
【０００９】図２は第二実施例を示すものである。この
第二実施例の鉄骨柱１は第一実施例と同様に角柱状であ
り、相対する一組の側面１ａを極軟鋼からなる板状の鋼
材２とし、この鋼材２間に高強度鋼からなるＨ型鋼材４
を配置してＨ型鋼材４のフランジ４０を他の一組の側面
１ｂとしている。図示するごとく相対する鋼材２の端部
２ａ間に前記フランジ４０が位置しており、鋼材２の端
部２ａとフランジ４０の端部４０ａとが溶接接合され
て、この鉄骨柱１が形成されている。
第二実施例の鉄骨柱１は第一実施例と同様に角柱状であ
り、相対する一組の側面１ａを極軟鋼からなる板状の鋼
材２とし、この鋼材２間に高強度鋼からなるＨ型鋼材４
を配置してＨ型鋼材４のフランジ４０を他の一組の側面
１ｂとしている。図示するごとく相対する鋼材２の端部
２ａ間に前記フランジ４０が位置しており、鋼材２の端
部２ａとフランジ４０の端部４０ａとが溶接接合され
て、この鉄骨柱１が形成されている。
【００１０】図３は第三実施例を示すものである。この
第三実施例の鉄骨柱１は第一実施例と同様に角柱状であ
り、相対する一組の側面１ａを極軟鋼からなる板状の鋼
材２としている。そして前記鋼材２間に、高強度鋼から
なる一対の溝型鋼材５をウェブ５０が外方側に位置する
ように配置してこの溝型鋼材５のウェブ５０を他の一組
の側面１ｂとしている。図示するごとく相対する鋼材２
の端部２ａ間に前記ウェブ５０が位置しており、鋼材２
の端部２ａとウェブ５０の端部であるフランジ５１とが
溶接接合されて、この鉄骨柱１が形成されている。
第三実施例の鉄骨柱１は第一実施例と同様に角柱状であ
り、相対する一組の側面１ａを極軟鋼からなる板状の鋼
材２としている。そして前記鋼材２間に、高強度鋼から
なる一対の溝型鋼材５をウェブ５０が外方側に位置する
ように配置してこの溝型鋼材５のウェブ５０を他の一組
の側面１ｂとしている。図示するごとく相対する鋼材２
の端部２ａ間に前記ウェブ５０が位置しており、鋼材２
の端部２ａとウェブ５０の端部であるフランジ５１とが
溶接接合されて、この鉄骨柱１が形成されている。
【００１１】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
鉄骨柱は、相対する一組の側面に位置する極軟鋼からな
る板状の鋼材と、相対する前記鋼材の間に位置して少な
くとも側端部が前記鋼材の端部に連結されている高強度
鋼からなる鋼材と、からなるので、鉄骨柱に加わる軸力
が小さい時点で柱全体としての弾性域が変化するように
なってエネルギー吸収能が高い鉄骨柱が得られるととも
に、高強度鋼の鋼材を有することにより降伏点の高い鉄
骨柱となる。そしてこの鉄骨柱を高層の鉄骨建築物に採
用することにより、地震時の揺れの元となる曲げ変形に
よるエネルギーを効率良く吸収でき、よって建築物の揺
れを減少させるなど、実用性に優れた効果を奏するもの
である。
鉄骨柱は、相対する一組の側面に位置する極軟鋼からな
る板状の鋼材と、相対する前記鋼材の間に位置して少な
くとも側端部が前記鋼材の端部に連結されている高強度
鋼からなる鋼材と、からなるので、鉄骨柱に加わる軸力
が小さい時点で柱全体としての弾性域が変化するように
なってエネルギー吸収能が高い鉄骨柱が得られるととも
に、高強度鋼の鋼材を有することにより降伏点の高い鉄
骨柱となる。そしてこの鉄骨柱を高層の鉄骨建築物に採
用することにより、地震時の揺れの元となる曲げ変形に
よるエネルギーを効率良く吸収でき、よって建築物の揺
れを減少させるなど、実用性に優れた効果を奏するもの
である。
【図１】本発明に係る鉄骨柱の第一実施例を断面で示す
説明図である。
説明図である。
【図２】第二実施例を断面で示す説明図である。
【図３】第三実施例を断面で示す説明図である。
【図４】鉄骨柱に対する軸力を示す説明図である。
【図５】軸力に対する極軟鋼の鋼材と高強度鋼の鋼材と
両者を合わせた柱全体との縮み量（歪み）をグラフで示
す説明図である。
両者を合わせた柱全体との縮み量（歪み）をグラフで示
す説明図である。
１…鉄骨柱 １ａ，１ｂ…側面 ２…鋼材 ３…鋼材 ４…Ｈ型鋼材 ５…溝型鋼材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平４−366257（ＪＰ，Ａ) 特開 平４−146353（ＪＰ，Ａ) 特開 平５−295851（ＪＰ，Ａ) 特開 平５−18140（ＪＰ，Ａ) 特開 平２−274947（ＪＰ，Ａ) 特開 平３−55345（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) E04C 3/32 E04H 9/02 301
Claims (1)
- 【請求項１】相対する一組の側面に位置する極軟鋼から
なる板状の鋼材と、相対する前記鋼材の間に位置して少
なくとも側端部が前記鋼材の端部に連結されている高強
度鋼からなる鋼材と、からなることを特徴とする鉄骨
柱。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP04089351A JP3125156B2 (ja) | 1992-03-16 | 1992-03-16 | 鉄骨柱 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP04089351A JP3125156B2 (ja) | 1992-03-16 | 1992-03-16 | 鉄骨柱 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05263499A JPH05263499A (ja) | 1993-10-12 |
| JP3125156B2 true JP3125156B2 (ja) | 2001-01-15 |
Family
ID=13968292
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP04089351A Expired - Fee Related JP3125156B2 (ja) | 1992-03-16 | 1992-03-16 | 鉄骨柱 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3125156B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP4589789B2 (ja) * | 2004-10-06 | 2010-12-01 | 新日本製鐵株式会社 | 構造物及びその隅角部構造並びに柱構造 |
| JP7435397B2 (ja) * | 2020-10-09 | 2024-02-21 | Ｊｆｅスチール株式会社 | 溶接組立箱形断面部材 |
| JP7334703B2 (ja) * | 2020-10-09 | 2023-08-29 | Ｊｆｅスチール株式会社 | 箱形断面部材およびその設計方法 |
-
1992
- 1992-03-16 JP JP04089351A patent/JP3125156B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH05263499A (ja) | 1993-10-12 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| JP3451328B2 (ja) | エネルギ吸収機構を備えた柱梁接合部 | |
| JP3334526B2 (ja) | ブレース材およびブレース材の建築物への取り付け構造 | |
| JP3125156B2 (ja) | 鉄骨柱 | |
| JP4987776B2 (ja) | 建築用パネル接合構造及び方法、建築構造物 | |
| JPH11140978A (ja) | 柱梁接合部用鋼製ｈ型断面ブラケット | |
| JP3170535B2 (ja) | 制振構造 | |
| JP2602888Y2 (ja) | 弾塑性ダンパー | |
| JP3887919B2 (ja) | ブレース材の十字継手構造の組立方法 | |
| JP3493495B2 (ja) | エネルギ吸収機構を備えた柱梁接合部 | |
| JP2001271419A (ja) | 柱梁の接合構造 | |
| JP7368849B2 (ja) | 制振ダンパー | |
| JP5292881B2 (ja) | 制振パネル | |
| JPH10266337A (ja) | 柱梁架構における耐震部材の接合方法 | |
| JPH08284310A (ja) | 複合梁材 | |
| JP3251488B2 (ja) | 弾塑性ダンパ | |
| JPH07102635A (ja) | 柱梁接合金物 | |
| JPH10227061A (ja) | 偏心型引張ブレース構造 | |
| JP3358512B2 (ja) | 高ダンピング特性を有する鋼製構造部材 | |
| JPH11131861A (ja) | 制震装置 | |
| JP2996298B1 (ja) | ブレ―ス | |
| JP2001115599A (ja) | 鋼製構造部材および骨組部材 | |
| JP4030689B2 (ja) | 鋼管柱とブレース部材の接合構造 | |
| JP2001248231A (ja) | Ｈ形鋼の溶接構造体および溶接施工方法 | |
| JPH0113682Y2 (ja) | ||
| JPS6143894Y2 (ja) |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091102 Year of fee payment: 9 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091102 Year of fee payment: 9 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101102 Year of fee payment: 10 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101102 Year of fee payment: 10 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111102 Year of fee payment: 11 |
|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |