JPH10266337A - 柱梁架構における耐震部材の接合方法 - Google Patents

柱梁架構における耐震部材の接合方法

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JPH10266337A
JPH10266337A JP7193497A JP7193497A JPH10266337A JP H10266337 A JPH10266337 A JP H10266337A JP 7193497 A JP7193497 A JP 7193497A JP 7193497 A JP7193497 A JP 7193497A JP H10266337 A JPH10266337 A JP H10266337A
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brace
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JP7193497A
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English (en)
Inventor
Kenji Kamimura
健二 上村
Kazuyoshi Fujisawa
一善 藤澤
Takanori Shimizu
孝憲 清水
Ichiro Inoue
一朗 井上
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 極軟鋼部材を拡幅することなく、耐震性能に
優れ、製作が容易な、耐震部材の接合方法を提案する。 【解決手段】 振動エネルギー吸収機能を付与するため
の極軟鋼部材と、前記極軟鋼部材の取り付けのために柱
梁架構の内側に設けたガセットとをボルト摩擦接合して
耐震部材を接合する方法において、この極軟鋼部材のボ
ルト孔の周辺部に、高降伏点鋼を素材とする補強板を添
接したのち、ガセットとボルト摩擦接合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、鉄骨造または鉄
骨鉄筋コンクリート造の建物に用いられる、柱梁架構に
おける耐震部材の接合に関し、特に耐震性能に優れ、製
作が容易な耐震部材の接合方法について提案するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】鉄骨造または鉄骨鉄筋コンクリート造の
建造物における柱梁架構の耐震性を高める技術に、例え
ば、特開平6−57820 号公報に開示されているような、
座屈補剛ブレース(以下、単に「ブレース」と略記す
る)を耐震要素に用いる方法が知られている。この方法
は、図1に示すように、柱1と梁2とで形成される柱梁
架構ラーメン鉄骨構造の内側の2個所(図1はこの対が
2つある例)にガセット3をとりつけ、この両ガセット
と、ガセットより極めて低い降伏点を有する極軟鋼部材
を用いたブレース4を高力ボルトによる摩擦接合で連結
する構造として、耐震性能を持たせるものである。
【0003】上記構造におけるブレースの役割は、地震
時に、建物の柱梁が降伏して変形する前に、ブレース自
体が降伏して、その軸方向への塑性変形を通じて、地震
エネルギーを吸収し、柱梁の損傷を低減することにあ
る。上記極軟鋼部材としては、一般に、横断面が平形、
十字形、H形、丸形などさまざまの形状のものが用いら
れている。また、実際のブレースの構造では、これらの
極軟鋼部材が角筒形や円筒形の鋼管の中に収められ、ま
た場合によっては、さらに極軟鋼部材を収納した鋼管の
内側の空隙部分にモルタルなどが充填され、軸方向圧縮
時、ブレースに生じるたわみ変形に対する抵抗を高める
ように配慮されている。図2は、十字形の断面形状の極
軟鋼部材5を、角鋼管6の中に、モルタルとともに収納
した場合とモルタルを充填しないで収納した場合とにつ
いて、ブレースの断面(後述する図3のA−A断面)例
を示したものである。
【0004】図3は、従来の方法による、ブレース端部
の十字形断面の極軟鋼部材とガセットとの接合部を拡大
して、また図4は、図3のB−B断面を示すものであ
る。図3および図4に示すように、極軟鋼部材5とガセ
ット3とは、これらの表裏面を、両者をつなぐための添
え板8で挟み、高力ボルト10で締結して摩擦接合されて
いる。ところで、このような接合状態では、ブレース端
部の接合部は、地震時に軸方向から引張加重が加わった
場合、ブレース素材が塑性変形を開始し、板厚減少が生
じると、極軟鋼部材5と添え板8との間には隙間が形成
され、ボルト締め部で滑りを生じることが懸念される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、このような危
険性を回避するために、従来は、図3で示したように、
極軟鋼部材の接合部を中央部よりも拡幅して断面積を大
きくして対処していた。ここに、拡幅部は力の伝達を考
慮して、接合部から中央部に向けて幅が連続的に小さく
なるようにテーパー5aがつけられていた。しかしなが
ら、このような極軟鋼部材の拡幅による従来の接合方法
では、鋼管への挿入工程を考えると自ずと拡幅の限界が
あること、拡幅に伴うテーパー部の長さが長くなると、
エネルギー吸収を受け持つブレース中央部の長さ(有効
長)が相対的に短くなり、耐震性能が低下すること、な
どの問題があった。
【0006】そこで本発明は、従来の耐震部材の接合技
術が有するこのような問題点を有利に解決するものであ
り、耐震性能に優れ、製作が容易な、ブレースの極軟鋼
部材とガセットとの接合を行う、耐震部材の接合方法を
提案することにある。また、本発明は、この極軟鋼部材
を拡幅する必要のない、耐震部材の接合方法を提案する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、振動エネルギ
ー吸収機能を付与するための極軟鋼部材と、前記極軟鋼
部材の取り付けのために柱梁架構の内側に設けたガセッ
トとをボルト摩擦接合して耐震部材を接合する方法にお
いて、この極軟鋼部材のボルト孔の周辺部に、高降伏点
鋼を素材とする補強板を添接したのち、ガセットとボル
ト摩擦接合することを特徴とする柱梁架構における耐震
部材の接合方法。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に、この発明の実施の形態を
説明する。本発明は、ブレースを構成する極軟鋼部材の
端部に位置する、接合部のボルト孔周辺部に、高降伏点
鋼からなる補強板を添接し、その後、常法により高力ボ
ルトで摩擦接合するものである。図5は、本発明法によ
るガセットと極軟鋼部材との接合部を、また、図6は、
図5に示した接合部のC−C断面、図7は、同じく接合
部の縦断面をそれぞれ示すものである。これらの図で示
すように、高降伏点の補強板11(図5では点線で示す)
を、極軟鋼部材5のボルト孔位置9の周辺部の表裏面に
すみ肉溶接12で添接し、これをさらに、添え板8で挟
み、高力ボルト10でボルト締めし、ガセット3と接合す
る。なお、図6で示すように、補強板11は極軟鋼部材の
表裏両面にすみ肉溶接しているのは、片面だけに溶接す
ると、軸力の芯が十字形断面の中心線からずれるため
に、ブレースにねじれ変形が生じてしまうからである。
【0009】極軟鋼部材がH形断面である場合の、補強
板の添接は、図8に例示するように行えばよい。このよ
うに極軟鋼部材がH形の場合であっても、十字形断面の
場合と同様に、ボルト孔の周辺部、好ましくはその表裏
面にすみ肉溶接にて添接すればよい。また、すみ肉溶接
は、どのような断面形状の場合であっても、少なくとも
ボルト孔を除いた補強板の有効断面の最大耐力を発揮で
きるように、荷重方向において前面に相当する辺は必ず
行う必要がある。さらに可能なら、側面に相当する辺を
含めて全周にわたって行うのが望ましい。
【0010】以上のようにして、本発明に従い、極軟鋼
部材のボルト孔による断面欠損を補強板を添接すること
により、極軟鋼部材の接合部を拡幅することなく、短い
区間で接合でき、極軟鋼部材中央部の耐力以上の耐力を
接合部にもたせることが可能となる。したがって、本発
明をブレースを構成する極軟鋼部材の接合部に適用する
ことによって、ボルト締め等の作業性を損なうことな
く、優れた耐震性能を発揮させることが可能となる。
【0011】次に、補強板の設計の考え方を具体的に説
明する。本発明のように、極軟鋼部材の塑性変形能力に
よって、地震エネルギーを吸収することを目的とする場
合には、極軟鋼部材の接合部は、軸方向の繰り返し応力
によって板厚が減少して滑りが生じないように維持され
ることが望ましい。所定のすべり耐力を確保する条件
は、補強板を含めたボルト孔欠損部において、接合部が
降伏しないことであるとすると Ae σyt+Aefσyf≧Pmax …………………(1) ここで、Ae :ボルト孔欠損部における極軟鋼部材の有
効断面積 σyt:極軟鋼部材の降伏応力度 Aef:補強板の有効断面積 σyf:補強板の降伏応力度 また、Pmax は次式で与えられる荷重である。 Pmax =αAg σyt …………………(2) ここで、α:繰り返し荷重を受けた結果、極軟鋼部材が
最終的に至る最大応力度の降伏応力度に対する比 Ag :ブレース中央部(ボルト孔による断面欠損がない
部分)における極軟鋼部材の断面積 (1) (2) 式より、次式が得られる。 Aef≧(αAg σyt−Ae σyt)/σyf ………(3)
【0012】(3) 式において、α=2.0 、σyt=1.0 (t
/cm2) 、σyf=2.4(t/cm2)、Ae =0.75Ag と仮定する
と、Aef=0.52Ag となる。したがって、この例の場合
には、補強板の断面積は極軟鋼部材中央部の断面積の半
分程度が必要となる。
【0013】以上述べたように、本発明に従って、極軟
鋼部材のボルト孔の周辺部を、高降伏点鋼を素材とした
補強板にて補強することにより、極軟鋼部材の接合部を
拡幅することなく、極軟鋼を用いて厚肉化する場合より
も小断面積で、ブレース中央部の極軟鋼部材耐力以上の
接合部耐力をもたせることが可能になり、また、ボルト
締めなども容易に可能となる。また、仮に極軟鋼部分
が、引張力により塑性変形し薄肉化した場合でも、接合
部全体の断面積を増大させ、極軟鋼の占める割合を小さ
くすることになるので、このような事態が生じた場合で
の薄肉化の影響を緩和することが可能になる。このため
に、板厚減少による滑りの影響が少ない強固な接合が可
能になる。
【0014】
【発明の効果】以上に述べたところから明らかなよう
に、本発明によれば、極軟鋼部材のボルト孔の周辺部
を、高降伏点鋼を素材とした補強板にて添接補強するの
で、極軟鋼部材の接合部を拡幅することなく、短い区間
で、大きな板厚増大を伴うことなく、ブレース中央部の
極軟鋼の耐力以上の耐力を付与することが可能となる。
したがって、本発明を極軟鋼部材とガセットとの接合部
に適用することによって、ボルト締め等の作業性を損な
うことなく、板厚減少による滑りの影響が少ない強固な
接合が可能になり、優れた耐震性能が発揮される。ま
た、本発明によれば、仮に極軟鋼部分が、引張力による
塑性変形で薄肉化した場合でも、極軟鋼の占める相対的
な割合を小さくすることになるので、このような事態に
おける薄肉化の影響を緩和することが期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】柱梁架構における、ブレースを用いた耐震構造
を示す全体図である。
【図2】極軟鋼部材を角鋼管中にモルタルと共に収納し
た場合と、モルタルを充填しない場合について、ブレー
スの振動吸収部の図3のA−A横断面を示す図である。
【図3】従来のガセットと極軟鋼部材との接合部を示す
図である。
【図4】図3に示す、従来のガセットと極軟鋼部材との
接合部のB−B横断面を示す図である。
【図5】本発明のガセットと極軟鋼部材との接合部を示
す図である。
【図6】図5に示す、本発明のガセットと極軟鋼部材と
の接合部のD−D横断面を示す図である。
【図7】図5に示す、本発明のガセットと極軟鋼部材と
の接合部の縦断面を示す図である。
【図8】本発明の他の態様における、極軟鋼部材接合部
の横断面を示す図である。
【符号の説明】
1 柱 2 梁 3 ガセット 4 ブレース 5 極軟鋼部材 5aテーパー部 6 鋼管 7 モルタル 8 添え板 9 ボルト孔 10 高力ボルト 11 補強板 12 すみ肉溶接部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清水 孝憲 東京都千代田区内幸町2丁目2番3号 川 崎製鉄株式会社内 (72)発明者 井上 一朗 大阪府吹田市新芦屋上27−E−401

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動エネル
    ギー吸収機能を付与するための極軟鋼部材と、前記極軟
    鋼部材の取り付けのために柱梁架構の内側に設けたガセ
    ットとをボルト摩擦接合して耐震部材を接合する方法に
    おいて、 この極軟鋼部材のボルト孔の周辺部に、該極軟鋼部材よ
    り強度の大なる鋼板を素材とする補強板を添接したの
    ち、ガセットとボルト摩擦接合することを特徴とする柱
    梁架構における耐震部材の接合方法。
JP7193497A 1997-03-25 1997-03-25 柱梁架構における耐震部材の接合方法 Pending JPH10266337A (ja)

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