JP3254602B2 - 耐震部材、その製造方法及び耐震部材の取付構造 - Google Patents

耐震部材、その製造方法及び耐震部材の取付構造

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄骨構造物などの
耐震性又は制振性の向上のために、地震時や台風時など
において構造物に入力されたエネルギー(地震荷重や風
荷重)を、塑性変形による履歴エネルギーとして吸収さ
せ、構造物の主架構の塑性化や疲労損傷を低減させるた
めに設置する耐震部材、その製造方法及び耐震部材の
付構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、構造物に入力されたエネルギーを
履歴エネルギーとして吸収させ、構造物の主架構の塑性
化や疲労損傷を低減させるために設置する耐震部材とし
ては、例えば特開平4−312682号、実開平5−1
7024号、実開平7−21927号、特開平6−17
557号公報などに記載されたものがある。
【0003】特開平4−312682号公報に記載され
た発明(以下従来技術1という)は、一般建築用鋼材よ
りなる柱と梁によって構成された鉄骨構造物の主架構面
内に、一般鋼材からなる部材の中間部の全断面を除去し
て、ここに一般鋼材よりはるかに低い極低降伏点鋼材か
らなる制振部材を高力ボルトにより取付けてなる制振装
置を取付けたものである。
【0004】また、実開平5−17024号公報に記載
された考案(以下従来技術2という)は、鉄骨からなる
複数の柱の間に複数の梁が相互に横架されている主架構
内において、柱の間で上下の梁の間に上下の梁に接合さ
れた間柱を設け、この間柱の端部間に小耐力間柱部材を
高力ボルトで接続して間柱を設けたものである。
【0005】実開平7−21927号公報に記載された
考案(以下従来技術3という)は、鉄骨建築物の上階の
鋼製梁の中央下部と、下階の鋼製梁の中央上部とにそれ
ぞれH形断面の鋼製ブラケットの基部を溶接により固定
し、この鋼製ブラケットと同一断面を有する低降伏点鋼
材のウェブの両面に、上下方向及び横方向に延長する補
強スチフナを溶接により固定し、そのウェブ及びフラン
ジを鋼製ブラケットのウェブ及びフランジに継手ボルト
により固定したものである。
【0006】特公平6−17557号公報に記載された
発明(以下従来技術4という)は、高降伏点鋼板と低降
伏点鋼板とを同一垂直面上において並べて接合(又は重
ねて接合)して鋼製耐震壁を構成し、その周囲を鉄骨骨
組に固定したものである。
【0007】上記のような従来の耐震部材は、地震エネ
ルギーなどを吸収する効果を有するが、主架構の塑性変
形以前に耐震部材が塑性変形による履歴エネルギーとし
てこれを吸収する為には、耐震部材の剛性が主架構の剛
性より高いことが望ましい。このため、従来技術1〜3
のものは、主架構への接合範囲が小さいため地震エネル
ギーや振動エネルギーが局部的に集中して、降伏後の座
屈により耐力が低下するので適切な幅厚比の選択やスチ
フナの設置が必要である。このように、従来技術1〜3
の耐震部材は、全断面にわたり低降伏点鋼材を設けるこ
と、補強のためにスチフナを設けること、スチフナの溶
接作業が必要であることなどのため高価になり、重量も
また大となる。
【0008】一方、従来技術4の鋼製耐震壁は、剛性が
高いという点では従来技術1〜3の耐震部材より優れて
いるが、鋼製耐震壁が損傷を受けたあとの補修や取替え
が困難であり、補修や取替えを容易にするためには、エ
レベータに積み込める大きさにする必要がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、従来の
耐震部材は、大きな圧縮力やせん断力を受けると座屈現
象が生じ、このため、耐力の低下や地震エネルギーなど
の吸収性能が大きく低下してしまう。さらには、耐震部
材に地震エネルギーなどが集中するため、耐震部材の寸
法を大きくしなければならず、また、補強や接合部の構
造が複雑になるなど、種々問題があった。
【0010】このようなことから、従来技術においても
上述の問題点の改良が以下のような方向で進められてい
る。 (1)地震エネルギーなどにより座屈を生じないよう
に、耐震壁の場合はスチフナを増加し、ブレースの場合
は、座屈補剛材をブレース軸材に取付ける。 (2)耐力は低くても、大変形しても安定した履歴挙動
を確保(大きなエネルギーの吸収能力を確保)するため
に、降伏点の低い材料をブレースの軸材や耐震壁の板部
に使用する。 (3)エネルギーを集中させないため、ブレースを剛性
の低い間柱タイプの部材とし、塑性変形がフレームに先
行して生じるように低強度の材料を使用する。 (4)同様に剛性の調整がしやすいY形ブレース(ある
いは逆Y形ブレース)を設置し、梁との交点に低強度の
材料を使用する。
【0011】ところで、耐震部材(ブレース)に必要な
性能、要件は、次のように要約することができる。 (1)地震エネルギーなどを負担できるように、比較的
高い剛性を有すること。 (2)構造物の骨組より先に降伏してエネルギーを吸収
させるために、低めの降伏耐力材であること。 (3)降伏後に座屈などにより耐力を低下しないよう
な、適切な幅厚比や補剛を有すること。 (4)先に損傷を受けさせて(エネルギーを負担す
る)、主架構への被害を最小限にとどめることを目的と
した部材であるため、大きな地震などの後には、容易に
補修や取替えができるような寸法、組立・取付け方法で
あること。 (5)製作・施工コストが低いこと。
【0012】本発明は、上記の点に鑑みてなされたもの
で、比較的高い剛性を有し、地震などのエネルギーを効
率よく吸収することができ、かつ、製作・施工の容易
震部材、その製造方法及び耐震部材の取付構造を提供
することを目的としたものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
(1)本発明に係る耐震部材は、H形鋼のウェブに窓状
の開口部又は複数のスリット状の開口部を設けて降伏耐
力の低い領域を形成すると共に、前記ウェブの両端部に
該ウェブを前記架構の上梁と下梁に固定された取付部材
にボルト接合するための複数のボルト挿通穴を設けたも
のである。 (2)また、H形鋼のウェブに窓状の開口部を設けると
共に、該ウェブの両端部に該ウェブを前記架構の上梁と
下梁に固定された取付部材にボルト接合するための複数
のボルト挿通穴を設け、前記開口部に前記ウェブの降伏
耐力より低い降伏耐力の鋼材を完全溶け込み溶接又は隅
肉溶接により接合したものである。(3)本発明に係る耐震部材の製造方法は、H形鋼のウ
ェブに窓状の開口部を形成し、該開口部を、該開口部と
ほぼ同じ大きさでウェブの降伏耐力より低い降伏耐力の
鋼材で閉塞し、完全溶け込み溶接又は隅肉溶接により一
体に接合して降伏耐力の低い領域を形成するようにした
ものである。
【0014】(4)本発明に係る耐震部材の取付構造は、鉄骨構造物
などの主架構に耐震部材を設置した耐震構造であって、
前記主架構の上梁と下梁にウェブ固定部とフランジ固定
部を有する取付部材を装着し、H形鋼のウェブに窓状の
開口部又は複数のスリット状の開口部を設けて降伏耐力
の低い領域を形成した耐震部材の上下を、前記取付部材
のウェブ固定部及びフランジ固定部にそれぞれ着脱可能
に固定したものである。 (5)また、主架構の上梁と下梁にウェブ固定部とフラ
ンジ固定部を有する取付部材を装着し、H形鋼のウェブ
に開口部を設け、該開口部に前記ウェブの降伏耐力より
低い降伏耐力の鋼材を接合してなる耐震部材の上下を、
前記取付部材のウェブ固定部及びフランジ固定部にそれ
ぞれ着脱可能に固定したものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
実施形態1 図1は本発明の実施形態1に係る耐震部材を鉄骨構造物
の主架構に設置した一例を示す正面図である。1は耐震
部材で、図2に示すように、H形鋼2のウェブ3に例え
ばガス切断により窓状の開口部5を設け、この開口部5
を、開口部5とほぼ同じ大きさでH形鋼2のウェブ3よ
り耐力の低い、例えば、ウェブ3より降伏点の低い鋼材
(以下降伏耐力の低い鋼材という)8で塞ぎ、完全溶け
込み溶接により一体に接合して降伏耐力の低い領域を形
成したものである。なお、ウェブ3の両端部は、フラン
ジ4の両端部から突出して複数のボルト挿通孔6が設け
られている。7はフランジ4の両端部に設けた複数のボ
ルト挿通孔である。このような一面せん断ボルトの場合
において、フランジ4のボルトとウェブ3のボルトが干
渉し合わないときは、ウェブ3の両端部は突出させなく
てもよい。
【0016】再び図1において、11は鉄骨柱、12a
は上階の鉄骨梁(上梁)、12bは下階の鉄骨梁(下
梁)で、これらにより主架構10が構成されている。1
3は耐震部材1を主架構10内に取付けるための取付部
材で、図3に示すように、鋼材からなり、耐震部材1の
ウェブ3の固定部となるウェブ15及びフランジ16と
からなるT字状部材14と、このT字状部材14のフラ
ンジ16の両端部に、ウェブ15と同方向でかつこれと
直交して溶接により固定され、耐震部材1のフランジ4
の固定部となるプレート18とからなっている。17は
ウェブ15に設けた複数のボルト挿通孔、19はプレー
ト18に設けた複数のボルト挿通孔である。なお、T字
状部材14にはT形鋼を用いてもよい。
【0017】上記のような取付部材13は、そのフラン
ジ16を上梁12aの下面及び下梁12bの上面にそれ
ぞれ当接し、溶接あるいはボルト接合により固定され
る。そして、耐震部材1のウェブ3の両端部を取付部材
13のプレート18の間に挿入し、ウェブ3に設けたボ
ルト挿通孔を、取付部材13のウェブ15に設けたボ
ルト挿通孔17に整合させ、両ボルト挿通孔,17に
ボルトを挿通してナットで固定する。なお、この場合、
上梁12aと下梁12bとの間が高く、耐震部材1が取
付けられない場合は、取付部材13のウェブ15及びプ
レート18を長くして調整すればよい。ついで、耐震部
材1のフランジ4に設けたボルト挿通孔と、取付部材
13のプレート18に設けたボルト挿通孔19にボルト
を挿通し、ナットで固定する。これにより、耐震部材1
の主架構10への取付けを完了する。なお、耐震部材1
のフランジ4と取付部材13との接合は一面せん断形式
であるが、二面せん断形式としてもよい。
【0018】上記のような耐震部材1は、H形鋼2に設
けた開口部5の両側のウェブ3及びフランジ4が連続し
ているため、比較的高い剛性を有し、軸力を支持すると
共に、面内曲げを拘束する。このため、大きい地震など
が発生すると、降伏耐力の低い鋼材8が鉄骨構造物など
の骨組より先に降伏して履歴エネルギーを吸収し、主架
構10の塑性化や疲労損傷を低減して健全な状態に維持
することができる。
【0019】また、耐震部材1が損傷したときは、耐震
部材1と取付部材13を接合するボルトを外すことによ
り、耐震部材1を主架構10から簡単に取外すことがで
きるので、補修や取替えを容易に行うことができる。こ
のとき、耐震部材1をエレベータにより運搬することが
できる。
【0020】(実施例)上記実施形態1の実施例では、
降伏点が主架構10を構成する鉄骨柱11及び上梁12
a、下梁12bとほぼ同じ(例えば、240N/mm2
程度)で、長さLが2200mmのH形鋼2を用い、開
口部5の長手方向の長さL1 を560mmとした。な
お、開口部5の幅は、ウェブ3の幅が使用するH形鋼2
によって異なるため一定ではないが、フランジ4の近傍
まで開口した。また、開口部5に接合する降伏耐力の低
い鋼材8は、開口部5とほぼ同じ大きさで、降伏点が7
0〜150N/mm2 程度の鋼板を用いた。この場合、
この降伏耐力の低い鋼材8の代りに、降伏点がH形鋼2
のウェブ3とほぼ等しく、板厚t1 がウェブ3の板厚t
より薄い鋼板を用いてもよい。さらに、取付部材13に
は、H形鋼2の降伏点とほぼ同じ降伏点の鋼材を使用し
た。なお、上記の各数値はその一例を示すもので、設計
により種々変化する。
【0021】実施形態2 図4は本発明の実施形態2の正面図で、本実施形態は、
鉄骨構造物の主架構10に実施形態1で説明した耐震部
材1を複数本(図には2本の場合が示してある)並設し
たものである。設置にあたっては、上梁12aと下梁1
2bとにそれぞれ2個の取付部材13を取付け、耐震部
材1のウェブ3をそれぞれ取付部材13のウェブにボル
ト接合する。そして、両耐震部材1のフランジ4の間に
ライナプレート20を挿入し、降伏耐力の低い鋼材8を
設けていない領域のフランジ4をボルト接合する。本実
施形態においても、実施形態1の場合とほぼ同様の効果
を得ることができるが、さらに耐力を向上させることが
できる。
【0022】実施形態3 図5は本発明の実施形態3の正面図である。本実施形態
は耐震部材1を構成するH形鋼2を、そのウェブ3の板
厚が実施形態1のH形鋼2のウェブ3の板厚より薄いも
の(実施例では、実施形態1のウェブ3の板厚の3分の
2)を用い、開口部5に実施形態1の場合と同じ降伏耐
力の低い鋼材8を接合し、開口部5の上下に、開口部5
に近接してスチフナ9を溶接により設けたものである。
【0023】実施形態4 本実施形態は、実施形態1のH形鋼2の開口部5に接合
する降伏耐力の低い鋼材8に、H形鋼2のウェブ3の板
厚と同じで、降伏点がウェブ3の降伏点より大幅に低い
(例えば、100N/mm2 )の鋼材8を用いたもので
ある。
【0024】実施形態5 本実施形態は、図2に示すH形鋼2のウェブ3に設けた
開口部5に降伏耐力の低い鋼材8を接合せず、開口状態
にして降伏耐力の低い領域を成形したものである。な
お、開口部8の大きさは設計上種々変更するものとし、
また、開口部8の上下に実施形態3に示すようなスチフ
ナ9を設けてもよい。
【0025】実施形態6 本実施形態は、図6に示すように、H形鋼2のウェブ3
に複数のスリット(開口部)5aを設け、これにより降
伏耐力の低い領域を形成したものである。
【0026】実施形態7 本実施形態は、上記各実施形態において、取付部材13
にH形鋼を用い、そのウェブ及びフランジに耐震部材1
のウェブ3及びフランジ4をそれぞれ着脱可能に接合す
るようにしたものである。これにより、剛性の調整及び
主架構10の上梁12a、下梁12bへの耐震部材1の
フランジ4からの軸力を軽減することができる。
【0027】上述の実施形態1〜4においては、耐震部
材1を構成するH形鋼2のウェブ3に1個の開口部5を
設け、この開口部5に降伏耐力の低い鋼材8を接合した
場合を示したが、開口部5を2個以上設け、各開口部5
又は一部の開口部5に降伏耐力の低い鋼材8を接合して
もよい。なお、実施形態5,6においても、降伏耐力の
低い領域を2か所以上設けてもよい。また、開口部5に
完全溶け込み溶接により降伏耐力の低い鋼板8を接合し
た場合を示したが、すみ肉溶接により接合してもよい。
【0028】また、上記の各実施形態では、鉄骨構造物
に本発明を実施した場合を示したが、本発明は、鉄骨鉄
筋コンクリート構造物、鉄筋コンクリート構造物、柱鉄
筋コンクリート構造物、梁鉄骨構造物などの混合構造物
にも実施しうることは云う迄もない。なお、鉄骨鉄筋コ
ンクリート構造物、鉄筋コンクリート構造物に設置する
場合は、耐震部材をアンカー、スタッド及びグラウトモ
ルタルにより接合すればよい。
【0029】さらに、上記の説明では、H形鋼からなる
耐震部材により主として地震エネルギーを吸収する場合
について述べたが、本発明に係るH形鋼及び耐震部材
は、風などによる振動エネルギーを吸収する制振部材と
して使用することもできる。
【0030】
【発明の効果】(1)本発明に係る耐震部材は、ウェブ
にこのウェブの降伏耐力より低い降伏耐力の領域を設け
たので、これを鉄骨構造物などの主架構に耐震ブレース
又は制振ブレースとして設置したときは、構造物の骨組
より先に降伏して地震エネルギーや振動エネルギーを吸
収するので、構造物の塑性化や疲労損傷を軽減すること
ができる。また、比較的高い剛性を有し、軸力を支持す
ると共に、面内曲げを拘束するため、降伏後においても
座屈などにより耐力が低下することがない。さらに、製
作、施工が容易で安価であり、また、エレベータに収容
できるので、補修や取替が容易である。
【0031】(2)また、本発明に係る耐震部材の製造
方法は、H形鋼のウェブに設けた開口部に、この開口部
とほぼ同じ大きさでウェブの降伏耐力により低い降伏耐
力の鋼材を完全溶け込み溶接又は隅肉溶接により接合し
て降伏耐力の低い領域を形成するようにしたので、簡単
な手順で上記(1)の効果が得られる耐震部材を製造す
ことができる。
【0032】(3)さらに、本発明に係る耐震部材の取
付構造は、鉄骨構造物などの主架構の上梁と下梁にウェ
ブ固定部とフランジ固定部を有する取付部材を装着し、
上記()の耐震部材の上下を取付部材のウェブ固定部
及びフランジ固定部に着脱可能に固定するようにしたの
で、上記(1)と同様の効果が得られるばかりでなく、
耐震部材が損傷したときは、耐震部材を取付部材から簡
単に外すことができ、施工や補修、取替が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係る耐震部材を鉄骨構造
物の主架構に設置した例を示す正面図である。
【図2】図1の耐震部材の斜視図である。
【図3】図1の取付部材の斜視図である。
【図4】本発明の実施形態2の正面図である。
【図5】本発明の実施形態3の正面図である。
【図6】本発明の実施形態6の斜視図である。
【符号の説明】
1 耐震部材 2 H形鋼 3 ウェブ 4 フランジ 5,5a 開口部 8 降伏耐力の低い鋼材 9 スチフナ 10 主架構 11 鉄骨柱 12a 上梁 12b 下梁 13 取付部材 15 ウェブ固定部 18 フランジ固定部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加村 久哉 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 岡本 晴仁 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 中村 信行 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 廣田 実 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 太田 道彦 東京都中央区銀座八丁目21番1号 株式 会社竹中工務店東京本店内 (72)発明者 高橋 賢司 東京都中央区銀座八丁目21番1号 株式 会社竹中工務店東京本店内 (72)発明者 井ノ上 一博 東京都中央区銀座八丁目21番1号 株式 会社竹中工務店東京本店内 (72)発明者 金子 洋文 千葉県印西市大塚1丁目5番地1 株式 会社竹中工務店技術研究所内 (72)発明者 鹿島 孝 東京都中央区銀座八丁目21番1号 株式 会社竹中工務店東京本店内 (56)参考文献 特開 平9−13738(JP,A) 特開 平5−263467(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04H 9/02

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄骨構造物などの架構に設置される耐震
    部材であって、 H形鋼のウェブに窓状の開口部又は複数のスリット状の
    開口部を設けて降伏耐力の低い領域を形成すると共に、
    前記ウェブの両端部に該ウェブを前記架構の上梁と下梁
    に固定された取付部材にボルト接合するための複数のボ
    ルト挿通穴を設けたことを特徴とする耐震部材。
  2. 【請求項2】 鉄骨構造物などの架構に設置される耐震
    部材であって、 H形鋼のウェブに窓状の開口部を設けると共に、該ウェ
    ブの両端部に該ウェブを前記架構の上梁と下梁に固定さ
    れた取付部材にボルト接合するための複数のボルト挿通
    穴を設け、 前記 開口部に前記ウェブの降伏耐力より低い降伏耐力の
    鋼材を完全溶け込み溶接又は隅肉溶接により接合したこ
    とを特徴とする耐震部材。
  3. 【請求項3】 鉄骨構造物などの架構に設置される耐震
    部材の製造方法であって、 H形鋼のウェブに窓状の開口部を形成し、該開口部を、
    該開口部とほぼ同じ大きさでウェブの降伏耐力より低い
    降伏耐力の鋼材で閉塞し、完全溶け込み溶接又は隅肉溶
    接により一体に接合して降伏耐力の低い領域を形成する
    ことを特徴とする耐震部材の製造方法。
  4. 【請求項4】 鉄骨構造物などの主架構に耐震部材を設
    置した耐震構造であって、 前記主架構の上梁と下梁にウェブ固定部とフランジ固定
    部を有する取付部材を装着し、 H形鋼のウェブに窓状の開口部又は複数のスリット状の
    開口部を設けて降伏耐力の低い領域を形成した耐震部材
    の上下を、前記取付部材のウェブ固定部及びフランジ固
    定部にそれぞれ着脱可能に固定したことを特徴とする耐
    震部材の取付構造。
  5. 【請求項5】 鉄骨構造物などの主架構に耐震部材を設
    置した耐震構造であって、 前記主架構の上梁と下梁にウェブ固定部とフランジ固定
    部を有する取付部材を 装着し、 H形鋼のウェブに開口部を設け、該開口部に前記ウェブ
    の降伏耐力より低い降伏耐力の鋼材を接合してなる耐震
    部材の上下を、前記取付部材のウェブ固定部及びフラン
    ジ固定部にそれぞれ着脱可能に固定したことを特徴とす
    る耐震部材の取付構造。
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