JP3852195B2 - 鋼製耐震壁 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉄骨構造物などの柱と上下の梁からなる主架構内に取付けられ、地震時において構造物に入力されるエネルギーを塑性変形による履歴エネルギーとして吸収させ、構造物の塑性化を低減するための鋼製耐震壁に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種鋼製耐震壁として、例えば、実開平7−29266号公報に記載された考案がある。この鋼製耐震壁は、図15に示すように、極低降伏点鋼板からなるせん断パネル31の両面に、溶接により縦横に補強リブ(スチフナ)32を取付けてその周縁部に端部補強リブ33を溶接接合し、この端部補強リブ33に柱及び梁との接合のための、多数のねじ挿通穴35を有する額縁と称する取付枠34を溶接により取付けた構造となっている。
【0003】
そして、補強リブ32は、補強リブ32又は補強リブ32と端部補強リブ33で囲まれたせん断パネル31の部分が、簡単には局部座屈しない程度の大きさになるように、例えば、40〜70程度の幅厚比に区画し、かつ、壁全体の座屈も押えるようにその寸法が決められている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記の補強リブ32は、せん断パネル31の板厚が比較的薄い場合は、図からも明らかなようにかなりの数になり、このため加工及び溶接に多くの工数を要し、コストが増大する。また、このように多数の補強リブ32が溶接された鋼製耐震壁は、溶接歪によりせん断パネル31の平面度が悪くなって、座屈や塑性化が生じ易い。特に、せん断パネル31が大きい場合や細長い場合は、加工が大変面倒で、四周を柱や梁に固定されるために要求される高い精度を確保することが困難である。
さらに、大型のため運搬、搬入などが大変であり、大きな地震などの後における補修や取替も面倒である。
【0005】
このような鋼製耐震壁に必要な性能、要件を要約すれば、次の通りである。
(1)地震エネルギーなどを負担できるように、比較的高い剛性を有すること。
(2)構造物の骨組より先に降伏してエネルギー吸収を負担できるように、低めの降伏耐力材であること。
(3)降伏後に座屈などにより耐力を低下しないような、適切な幅厚比や補剛を有すること。
(4)先に損傷を受けさせ(エネルギーを負担する)、主架構への被害を最小限にとどめることを目的とした部材であるため、大きな地震などの後には、容易に補修や取替えができるような寸法、組立・取付け方法であること。
(5)製作・施工コストが低いこと。
【0006】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、比較的高い剛性を有し、地震などのエネルギーを効率よく吸収することができ、かつ、製作・運搬・施工、修理などが容易な鋼製耐震壁を得ることを目的としたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
(1)本発明は、H形断面鋼材のウェブに開口部を設け、該開口部に前記H形断面鋼材より降伏耐力の低い鋼板からなる小パネルを取付けた複数の主パネルを有し、これら主パネルを横方向に連接してなる鋼製耐震壁であって、前記小パネルの両面に補剛板を配設し、これら補剛板と前記小パネルとをボルト・ナット等により拘束したものである。
【0008】
(2)上記(1)の鋼製耐震壁において、2枚の小パネルを当て板を介して開口部の両面に取付けると共に、前記小パネルの外面にそれぞれ補剛板を配設し、これら補剛板、小パネル及び当て板をボルト・ナット等により拘束したものである。
【0009】
(3)また、本発明は、普通鋼より降伏耐力の低い鋼板からなるウェブと、普通鋼からなり前記ウェブの両側縁に取付けたフランジとにより構成したH形断面部材からなる複数の主パネルを横方向に連接してなる鋼製耐震壁であって、前記主パネルのウェブの両面の長手方向に補剛板を配設し、これら補剛板と前記ウェブとをボルト・ナット等により拘束したものである。
【0010】
(4)上記(1),(2)の小パネル又は(3)の主パネルのウェブと、補剛板との間に、摩擦を低減する材料又はずれに追従する材料を介装したものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
[実施形態1]
図1は本発明の実施形態1に係る鋼製耐震壁を鉄骨構造物の主架構に設置した一例を示す正面図である。1は複数の主パネル2からなる鋼製耐震壁で、主パネル2は図2に示すように、H形鋼の如きH断面部材3のウェブ4に例えばガス切断により窓状の開口部6を設け、この開口部6を、表裏に補剛板11が接合された開口部6とほぼ同じ大きさでH形鋼3のウェブ4より降伏耐力の低い、例えば、極軟鋼板からなる小パネル9で塞ぎ、溶接により一体に接合してウェブ4に降伏耐力の低い領域を形成したものである。なお、ウェブ4の両端部は、フランジ5の両端部から突出して複数のボルト挿通孔7が設けられている。8はフランジ5の両端部側に設けた複数のボルト挿通孔である。なお、ウェブ4のボルト挿通孔7に挿通するボルトと、フランジ5のボルト挿通孔8に挿通するボルトとが干渉しない場合は、ウェブ4の両端部は突出させなくてもよい。
【0012】
次に、主パネル2の開口部6に取付ける小パネル9と補剛板11について、図3、図4により説明する。
補剛板11は、小パネル9より降伏耐力の高い鋼板からなり、中心部にはボルト挿通穴11aが設けられており、この補剛板11を小パネル9の表裏両面に配設してそのボルト挿通穴11aを小パネル9の中心部に設けたボルト挿通穴9aと整合させ、これらボルト挿通穴11a,9aにボルト12(以下、ボルト・ナット12と云うことがある)を挿通してナットを締め、一体に接合し拘束したものである。
そして、両面に補剛板11が接合された小パネル9を、主パネル2の開口部に片面隅肉溶接、両面隅肉溶接などにより固着し、開口部6を閉塞する。なお、小パネル11を主パネル2の開口部6に固着したのち補剛板11を取付けてもよい。
【0013】
ここで、図3、図4に示すように、小パネル9の1辺の長さがHの正方形で、板厚がtp の場合、補剛板11の大きさ(1辺の長さL及びB)及び板厚tは、次のようにして決定することができる。
L=B=1/4〜1/2×H(Hの25%から50%程度)
t=1/10〜1/5×L(但し、tp の1.5倍以上)
【0014】
再び図1において、25は左右の鉄骨柱、26aは上階の鉄骨梁(上梁)、26bは下階の鉄骨梁(下梁)で、これらにより主架構27が構成されている。15はパネル2を主架構13内に取付けるための取付部材で、例えば図5に示すように、鋼材からなり、主パネル2のウェブ4の固定部となるウェブ17及びフランジ18とからなるT字状部材16と、このT字状部材16のフランジ18の両端部に、ウェブ17と同方向でかつこれと直交して溶接により固定され、主パネル2のフランジ5の固定部となるプレート20とからなっている。19はウェブ17に設けた複数のボルト挿通孔、21はプレート20に設けた複数のボルト挿通孔である。なお、T字状部材16にはT形鋼を用いてもよく、また、プレート20の一方を省略することもあり、この場合は取付部材を符号15aで示す。
【0015】
次に、上記のような鋼製耐震壁1を鉄骨構造物の主架構27内に設置する場合の施工の一例を説明する。先ず、取付部材15のフランジ18を主架構27内において上梁26aの下面と下梁26bの上面に対向して配設し、溶接あるいはボルト接合により上梁26a及び下梁26bにそれぞれ固定する。ついで、この取付部材15に当接して、一方のプレート20を省略した取付部材15aを順次上梁26a、下梁26bに固定する。このとき、両側の取付部材15,15aと鉄骨柱11との間にはすき間Dが形成される。
【0016】
そして、主パネル2のウェブ4の両端部を対向する取付部材15のプレート20の間に挿入し、ウェブ4に設けたボルト挿通孔7を取付部材15のウェブ17に設けたボルト挿通孔19と整合させ、両ボルト挿通孔7,19にボルトを挿通してナットで固定する。同様にして対向する各取付部材15aの間に順次主パネル2を固定する。なお、この場合、上梁26aと下梁26bとの間が高く、主パネル2が取付けられない場合は、取付部材15のウェブ17及びプレート20を長くするか、上梁26aの下面と下梁26bの上面に腰壁部材を取付けて調整すればよい。
【0017】
ついで、隣接する主パネル2のフランジ5に設けたボルト挿通孔8と、各取付部材15,15aのプレート20に設けたボルト挿通孔21にボルトを挿通し、ナットで固定する。これにより、主パネル2の主架構27への取付けを終り、鋼製耐震壁1が構成される。この場合、隣接する主パネル2のフランジ5どうしの固定範囲を変えることにより、鋼製耐震壁1のせん断剛性とフランジ5に生じる応力とを調整することができる。
【0018】
上記のような鋼製耐震壁1は、各主パネル2に設けた開口部6の両側のウェブ4及びフランジ5が連続しており、かつこれら主パネル2が取付部材15,15aにボルトにより接合されているため、比較的高い剛性を有し、軸力を支持すると共に、面内曲げを拘束する。このため、鋼製耐震壁1が地震時に想定される数%から5%に達する大きな歪を受けると、各主パネル2の降伏耐力の低い小パネル9が鉄骨構造物などの骨組より先に降伏して履歴エネルギーを吸収し、主架構27の塑性化や疲労損傷を軽減して健全な状態に維持することができる。
【0019】
ところで、開口部6及びこれに取付けた小パネル9の大きさ及び板厚が本実施形態と同じで、補剛板11が設けられていない主パネルによって構成した鋼製耐震壁が、地震時に前述のような大きな歪を受けると、小パネル9には、図6(a)に示すように、大きな変形、歪Sを交互に、かつ繰返し受けるため、図6(b)に示すようにその交点近傍の領域Aが損傷し易く、きわめて大きい局部座屈が発生する。
これに対して、本実施形態に係る鋼製耐震壁1は、小パネル9に補剛板11を設けて上記の領域Aを押え込んでいるので、前述のような大きい歪を受けても、図7(a)に示すように補剛板11の周辺の広い領域Bに分散されるため、たとえ図7(b),(c)に示すように小さい変形や局部座屈を生じたとしても損傷の集中がなく、疲労特性が向上して耐震性能の高い鋼製耐震壁を得ることができる。
【0020】
また、鋼製耐震壁1又は主パネル2の一部が損傷したときは、各主パネル2間及び各主パネル2と取付部材15,15aを接合するボルトを外すことにより、主パネル2を主架構27から簡単に取外すことができるので、補修や取替えを容易に行うことができる。このとき、主パネル2はエレベータにより運搬することができる。
【0021】
[実施形態2]
図8は本発明の実施形態2の要部の正面図、図9は図8のB−B断面図である。なお、実施形態1(図1)と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、説明を省略する。
本実施形態は2枚の小パネル9a,9bを用い、両小パネル9a,9bの間に、中心部にボルト挿通穴を有し、開口部6のウェブ4の厚みと同じ厚みで小パネル9a,9bとほぼ同じ大きさの当て板13を挟んで、開口部6の両面からウェブ4に当接し、周縁部を溶接によりウェブ4に固着する。そして、小パネル9a,9bの外面にそれぞれ補剛板11を配設し、補剛板11、小パネル9a,9b及び当て板13に設けたボルト挿通穴にボルト12を挿通し、ナットを締めてこれらを一体に接合し、拘束したものである。
【0022】
本実施形態の作用、効果は実施形態1の場合とほぼ同様であるが、鋼製耐震壁1が地震時に大きな歪を受けると、小パネル9a,9bは、図10に示すように、互いに外側に変形しようとするのを補剛板11により同時に拘束されるため、座屈変形が抑制され又は小さくなり、座屈耐力を向上させることができる。 また、小パネル9a,9bを2枚設けたのでその板厚を薄くすることができ、このため小パネル9a,9bの開口部6の周縁への溶接が簡単であり、ウェブ4の厚みが厚い場合でも小パネル9a,9bの取付けが容易である。
【0023】
[実施形態3]
図11は本発明の実施形態3の要部の正面図、図12は図11のC−C断面図である。なお、実施形態1,2と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、説明を省略する。
本実施形態は、主パネル2のウェブ4に、主パネル2の長手方向に長い長方形の開口部6を設け、この開口部6に長方形の小パネル11を取付けたものである。この小パネル11の幅方向のほぼ中央部の表裏両面には、長手方向に沿って溝形鋼の如き溝形断面部材からなる補剛板14のウェブが当接され、両補剛板14及び小パネル9の複数箇所をボルト・ナット12により接合し、この小パネル9を開口部6の周縁に溶接して開口部6を閉塞したものである。
【0024】
上記のように、幅がH、長さが2Hで板厚がtp の長方形の小パネル9の場合、補剛板14の大きさ(幅L、長さB)及び板厚tは、次のようにして決定することができる。
L=1/4〜1/2×H(Hの25%から50%程度)
B=5/4〜6/4×H
t=1/10〜1/5×L(但し、tp の1.5倍以上)
【0025】
本実施形態も実施形態1,2とほぼ同様の作用、効果を得ることができる。なお、上記の説明では、小パネル9の表裏両面に溝形断面部材の如き補剛板14を取付けた場合を示したが、これに代えて、実施形態1,2の場合と同様に平鋼板を用いてもよく、あるいは山形鋼の如き形鋼を用いてもよい。
【0026】
[実施形態4]
図13は本発明の実施形態4に係る主パネルの正面図、図14は図13のD−D断面図である。
本実施形態は、主パネル2を構成するウェブ4aに普通鋼より降伏耐力の低い鋼板を用い、その両側縁に普通鋼からなるフランジ5aを溶接接合したH形断面部材により主パネル2を構成する。そして、ウェブ4aの幅方向のほぼ中央部の長手方向の表裏両面に、例えば、溝形鋼からなる補剛板14のウェブを当接し、ウェブ4aと共に複数のボルト・ナット12で接合し、拘束したものである。なお、補剛板14を長手方向に複数に分割し、僅かな間隙を隔て主パネル2のウェブ4aの表裏両面に当接し、それぞれボルト・ナット12で接合し、拘束してもよい。
【0027】
本実施形態の作用・効果は、上述の実施形態1〜3とほぼ同様である。なお、上記の説明では、補剛板14に溝形鋼を用いた場合を示したが、平鋼板あるいは山形鋼の如き形鋼を用いてもよい。
【0028】
[実施形態5]
本実施形態は、上述の各実施形態の小パネル9(又はウェブ4a)と補剛板11(又は14)との間に、摩擦を低減させるグリースやテフロンシートを介装し、あるいは上記両者の間に両者のずれに追従できるゴム系の材料を介装したものである。
上記のように構成した本実施形態においては、小パネル9(又はウェブ4a)と補剛板11(又は14)との間の摩擦を低減し、あるいは両者のずれに対する追従を容易にしたので、地震時に小パネル9(又はフランジ4a)の面内変形を円滑かつ容易にすることができ、また、補剛板11(又は14)が外面変形するのを防止することができる。
【0029】
上述の実施形態1〜3では、主パネル2にH形鋼を用いた場合を示したが、本発明はこれに限定するものではなく、例えば、普通鋼板を溶接接合して断面H形状の主パネルを構成してもよい。
また、上述の実施形態1〜3においては、主パネル2のウェブ4の1か所に開口部6を設け、この開口部6に補剛板11を有する極軟鋼板からなる小パネル9を接合して降伏耐力の低い領域を形成した場合を示したが、開口部6を2か所以上設け、各開口部6又は一部の開口部6に補剛板11を有する小パネル9を接合してもよい。
さらに、各実施形態においては、補剛板11(又は14)をボルト・ナット12により小パネル9(又はウェブ4a)に接合した場合を示したが、リベットその他の接合手段を用いてもよい。
【0030】
また、上記の各実施形態では、鉄骨構造物に本発明を実施した場合を示したが、本発明は、鉄骨鉄筋コンクリート構造物、鉄筋コンクリート構造物、柱鉄筋コンクリート構造物、梁鉄骨構造物などの混合構造物にも実施しうることは云う迄もない。なお、鉄骨鉄筋コンクリート構造物、鉄筋コンクリート構造物に設置する場合は、耐震壁をアンカー、スタッド及びグラウトモルタルにより接合すればよい。
【0031】
さらに、上記の説明では、複数の主パネルからなる鋼製耐震壁により主として地震エネルギーを吸収する場合について述べたが、本発明に係る鋼製耐震壁は、風などによる振動エネルギーを吸収する制振壁として使用することもできる。
【0032】
【発明の効果】
(1)本発明には、H形断面鋼材のウェブに開口部を設け、この開口部に前記H形断面鋼材より降伏耐力の低い鋼板からなる小パネルを取付けた複数の主パネルを有し、これら主パネルを横方向に連接してなる鋼製耐震壁であって、小パネルの両面に補剛板を配設し、これら補剛板と小パネル等をボルト・ナット等により拘束したので、次のような効果を得ることができる。
【0033】
上記の鋼製耐震壁を鉄骨構造物などの主架構に設置したときは、大きな地震が発生すると構造物の骨組より先に鋼製耐震壁が降伏して地震エネルギーを吸収するので、構造物の塑性化や疲労損傷を軽減することができる。
また、このとき、開口部に取付けた小パネルに補剛板を設けて座屈耐力を向上させたので、小パネルには小さい座屈変形又は小さい局部座屈を生じるだけで局部歪が小さくなり、疲労特性がより向上して耐震性能を高めることができる。
【0034】
また、比較的高い剛性を有し、軸力を支持すると共に、面内曲げを拘束するため、降伏後においても座屈などにより耐力が低下することがない。さらに、複数の主パネルを着脱可能に連接して構成したので、製作、運搬、施工が容易で安価であり、また、主パネルはエレベータに収容できるので、補修や取替が容易である。
【0035】
(2)上記(1)の鋼製耐震壁において、2枚の小パネルを当て板を介して開口部の両面に取付けると共に、小パネルの外面にそれぞれ補剛板を配設し、これら補剛板、小パネル及び当て板をボルト・ナット等で拘束したので、上記(1)と同様の効果が得られると共に、小パネルを2枚設けたのでその板厚を薄くすることができ、このため、開口部への小パネルの溶接による取付けが簡単であり、ウェブの厚みが厚い場合でも小パネルを容易に取付けることができる。
【0036】
(3)また、本発明は、普通鋼より降伏耐力の低い鋼板からなるウェブと、普通鋼からなりウェブの両側縁に取付けたフランジとにより構成したH形断面部材からなる複数の主パネルを横方向に連接してなる鋼製耐震壁であって、主パネルのウェブの両面の長手方向に補剛板を配設し、これら補剛板とウェブとをボルト・ナット等で拘束したので、上記(1)とほぼ同様の効果を得ることができる。
【0037】
(4)また、上記(1),(2)の小パネルと補剛板との間又は上記(3)のウェブと小パネルとの間に、摩擦を低減する材料又はずれに追従する材料を介装したので、地震時に小パネル又はウェブの面内変形を円滑かつ容易にすることができ、また、補剛板の面外変形を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1の正面図である。
【図2】図1の主パネルの斜視図である。
【図3】実施形態1要部の拡大図である。
【図4】図3のA−A断面図である。
【図5】図1の取付部材の斜視図である。
【図6】実施形態1の比較例の作用説明図である。
【図7】実施形態1の要部の作用説明図である。
【図8】本発明の実施形態2の要部正面図である。
【図9】図8のB−B断面図である。
【図10】実施形態2の要部の作用説明図である。
【図11】本発明の実施形態3の要部の正面図である。
【図12】図11のC−C断面図である。
【図13】本発明の実施形態4の要部の正面図である。
【図14】図13のD−D断面図である。
【図15】従来の鋼製耐震壁の一例の正面図である。
【符号の説明】
1 鋼製耐震壁
2 主パネル
4,4a ウェブ
5,5a,5b フランジ
6 開口部
9,9a,9b 小パネル
11,14 補剛板
12 ボルト・ナット
13 当て板
Claims (4)
- H形断面鋼材のウェブに開口部を設け、該開口部に前記H形断面鋼材より降伏耐力の低い鋼板からなる小パネルを取付けた複数の主パネルを有し、これら主パネルを横方向に連接してなる鋼製耐震壁であって、
前記小パネルの両面に補剛板を配設し、これら補剛板と前記小パネルとをボルト・ナット等により拘束したことを特徴とする鋼製耐震壁。 - 2枚の小パネルを当て板を介して開口部の両面に取付けると共に、前記小パネルの外面にそれぞれ補剛板を配設し、これら補剛板、小パネル及び当て板をボルト・ナット等により拘束したことを特徴とする請求項1記載の耐震壁。
- 普通鋼より降伏耐力の低い鋼板からなるウェブと、普通鋼からなり前記ウェブの両側縁に取付けたフランジとにより構成したH形断面部材からなる複数の主パネルを横方向に連接してなる鋼製耐震壁であって、
前記主パネルのウェブの両面の長手方向に補剛板を配設し、これら補剛板と前記ウェブとをボルト・ナット等により拘束したことを特徴とする鋼製耐震壁。 - 小パネルと補剛板の間又は主パネルのウェブと補剛板との間に、摩擦を低減する材料又はずれた追従する材料を介装したことを特徴とする請求項1,2又は3記載の鋼製耐震壁。
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