JP3225454B2 - 建築物の躯体構造 - Google Patents

建築物の躯体構造

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JP3225454B2
JP3225454B2 JP22851694A JP22851694A JP3225454B2 JP 3225454 B2 JP3225454 B2 JP 3225454B2 JP 22851694 A JP22851694 A JP 22851694A JP 22851694 A JP22851694 A JP 22851694A JP 3225454 B2 JP3225454 B2 JP 3225454B2
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一夫 永見
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、高層ビル等の
建築物を構築するに際して、その耐震性能を向上させる
のに好適な建築物の躯体構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、鉄筋コンクリート造,鉄骨鉄筋コ
ンクリート造,あるいは鉄骨造からなる高層ビル等の建
築物の耐震性能を向上させるためには、該建築物の躯体
に、上下方向に連続する鉄筋コンクリート造の耐力壁を
形成したり、柱鉄骨,梁鉄骨間にブレース材を架設する
などしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような従来の建築物の躯体構造には、以下のような問
題が存在する。まず、鉄筋コンクリート造の耐力壁を形
成した場合には、耐力壁自体の靱性が、躯体を構成する
柱鉄骨や梁鉄骨等の他の部材に比較して著しく低いとい
う問題がある。また、地震発生時等に耐力壁に曲げ応力
が作用したときには、この曲げ応力による降伏が耐力壁
の上端部と下端部とに集中して発生するため、エネルギ
ーの吸収能力にかけるという問題もある。一方、ブレー
ス材では、圧縮ブレースが座屈した場合に躯体が脆性的
な破壊性状を示すという問題があり、これに加えて、ブ
レースを設置することによる躯体の剛性バランスの調整
が難しいという問題もある。本発明は、以上のような点
を考慮してなされたもので、優れた耐震性能を有する建
築物の躯体構造を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
建築物の躯体構造であって、前記躯体が、柱と梁とから
なる主架構と、互いに上下に位置する前記梁間に介装さ
れたサブ架構とから構成され、かつ、前記サブ架構が、
上下に配されてそれぞれ水平方向に延在する水平部材
と、上下方向に延在する複数の鉛直部材とが組まれてな
るフレーム部材により構成されていることを特徴として
いる。
【0005】請求項2に係る発明は、請求項1記載の建
築物の躯体構造において、前記サブ架構と、該サブ架構
の上方と下方とにそれぞれ位置する梁との間には、前記
各梁と一体化した定められた高さの壁体が形成されてい
ることを特徴としている。
【0006】請求項3に係る発明は、請求項1または2
記載の建築物の躯体構造において、前記サブ架構の前記
鉛直部材が、該サブ架構の上下に貫通した構成とされて
いることを特徴としている。
【0007】請求項4に係る発明は、請求項1ないし3
のいずれかに記載の建築物の躯体構造において、前記サ
ブ架構の鉛直部材が、前記主架構を構成する部材よりも
低い降伏強度を有した低降伏材からなることを特徴とし
ている。
【0008】
【作用】請求項1記載の発明では、躯体を、柱と梁とか
らなる主架構と、互いに上下に位置する梁間に介装した
サブ架構とからなる構成とし、該サブ架構を、水平部材
と鉛直部材とを組んだフレーム部材からなる構成とし
た。これにより、主架構の各層において互いに上下に位
置する梁どうしがサブ架構を介して接合されることにな
り、躯体が高い耐力を有したものとなる。しかも、サブ
架構を例えばH型鋼で構成すれば、従来のRC造の耐力
壁やブレース材に比較して、サブ架構が高い靱性を有し
たものとなる。
【0009】請求項2記載の発明では、サブ架構と、こ
れの上下に位置するそれぞれの梁との間に、一定高さの
壁体を形成する構成とした。これにより、サブ架構の上
下寸法を抑さえることができ、この結果、該サブ架構の
水平変位に対する剛性を高めることができる。
【0010】請求項3記載の発明では、サブ架構の鉛直
部材を、該サブ架構の上下に貫通させる構成とした。こ
れにより、鉛直部材が上下の梁または壁体に接すること
になり、この躯体が地震等により水平方向に振動したと
きには、前記各鉛直部材が、いわば鋼材ダンパーとして
作用して降伏変形することにより振動エネルギーを吸収
し、これを制振要素とすることが可能となる。
【0011】請求項4記載の発明では、サブ架構の鉛直
部材を、主架構を構成する部材よりも低い降伏強度を有
する低降伏材から構成するようにした。これにより、建
築物に振動が発生したときには、その振動エネルギーに
起因する応力が、低降伏材に集中して、この低降伏材が
早期に座屈するようになっている。したがって、躯体の
主架構の損壊を防ぐことができる。しかも、座屈した部
材のみを交換することによって、補修も容易に行うこと
ができる。
【0012】
【実施例】以下、本発明を図面に示す第一ないし第五実
施例を参照して説明する。 [第一実施例]まず、本発明の建築物の躯体構造を、例
えば鉄筋コンクリート造(以下、「RC造」と称する)
の高層ビルに適用する場合の例を用いて説明する。図1
(a)および(b)は、本発明に係る建築物の躯体構造
を適用して構築されたビル(建築物)1の一部を示すも
のである。ビル1は、RC造の柱2と梁3とからなるラ
ーメン構造の主架構4を主体構成とし、この主架構4の
所定位置に、以下のようにしてサブ架構5,5,…が組
み込まれた構成となっている。
【0013】主架構4の例えば平面視中央部に位置する
四本の柱2a,2a,…間に架設された各梁3の上下面
には、それぞれ一定高さを有したRC造の腰壁(壁体)
6,7が、一体に形成されている。これにより、主架構
4の柱2a,2a間において、梁3によって上下に区切
られた各層には、その上方に腰壁7が、下方に腰壁6が
形成されたことになる。そして、腰壁6の上端面,腰壁
7の下端面には、鋼製のプレート8がこれと一体に形成
されたスタッドボルト9(図1(b)参照)を腰壁6,
7内に埋め込んで設けられている。
【0014】そして、前記サブ架構5は、この腰壁6,
7間に介装されている。サブ架構5は、水平方向に延在
する一対の水平部材10,11と、これら水平部材1
0,11の間で鉛直方向に延在する鉛直部材12,1
2,…とが、溶接により一体化されて組まれたフレーム
部材により構成されている。水平部材10,11,鉛直
部材12は、それぞれ断面視H型の鋼材からなってい
る。また、各鉛直部材12は、その中央部において上下
に二分割されており、その接合部においては、接合プレ
ート14,15を介してボルト接合されている。これに
より、サブ架構5は、上部ユニット5aと下部ユニット
5bとに二分割可能な構成となっている。上記のサブ架
構5は、水平部材10,11が、それぞれ前記腰壁6,
7のプレート8にそれぞれボルト接合されることによっ
て、主架構4に一体化された構成となっている。
【0015】このようにして、ビル1の中央部において
互いに隣接する各柱2a,2a間には、梁3,腰壁6,
7,サブ架構5が、平面視同一位置に位置する鉛直面内
で上下方向に連続した構成となっており、すなわちこれ
によりビル1には、その中央部に、柱2a,梁3,腰壁
6,7,サブ架構5からなる、平面視矩形で上下方向に
軸線を有する筒状の架構体17が構成されたことにな
る。
【0016】次に、上記のような構成からなるビル1の
躯体の構築方法について説明する。まず、柱2,2,…
をそれぞれ所定に位置に立設し、これら柱2,2,…間
に、梁3,3,…を架設していく。
【0017】次いで、中央部に位置する柱2a,2a間
に架設された各梁3の上下面に、図示しない鉄筋および
型枠を組み、ここにコンクリートを打設して、腰壁6,
7を形成する。
【0018】上記のようにして、主架構4および腰壁
6,7の施工が完了した後、各層において、サブ架構5
を設置する。このとき、サブ架構5は、上下に二分割し
ておき、まず、上部ユニット5aを上方の腰壁7に,下
部ユニット5bを下方の腰壁6にそれぞれ固定する。そ
の後、各鉛直部材12を接合プレート14,15を介し
てボルト接合することによって、サブ架構5を一体化す
る。このようにして、所定数のサブ架構5を主架構4に
組み込んでいくことにより、主架構4とサブ架構5とか
らなるビル1の躯体の構築が完了する。
【0019】上述したビル1の躯体構造では、この躯体
が、柱2と梁3とから構成される主架構4と、平面視同
一位置に配置された梁3,3間に介装されたサブ架構5
とから構成され、かつこのサブ架構5が、水平部材1
0,11と鉛直部材12,12,…とが組まれたフレー
ム部材により構成されている。これにより、ビル1の中
心部には、上下方向に連続する高剛性を有した架構体1
7が形成されたことになり、この架構体17を耐震要素
として作用させて、ビル1の耐力を高めて優れた耐震性
能を有したものとすることができる。しかも、サブ架構
5がH型鋼から形成されているので、従来のRC造の耐
力壁や、鋼棒からなるブレース材等に比較して、高耐力
・高靱性を有したものとなり、これによって、ビル1の
耐震性能をより一層向上させることができる。
【0020】また、各層においてサブ架構5と、これの
上下に位置する梁3,3との間には、それぞれ腰壁6,
7が形成された構成となっている。これにより、サブ架
構5の上下寸法を抑さえて、ビル1の水平変位に対する
耐力を高めることができ、これによってもビル1の耐震
性能を向上させることができる。
【0021】さらには、主架構4を構築した後に、サブ
架構5を設置する構成としたので、通常時において、サ
ブ架構5には鉛直方向の軸力が何ら作用しないようにな
っている。これにより、繰り返し加力によるサブ架構5
の復元力特性を示す履歴ループを安定したものとするこ
とができる。
【0022】加えて、サブ架構5が上下に二分割可能な
構成とされ、このサブ架構5を主架構4に設置するとき
には、上部ユニット5aと下部ユニット5bとに分割し
ておき、それぞれを主架構4に固定した後に、上部ユニ
ット5aと下部ユニット5bとを接合する構成とした。
これにより、上部ユニット5aと下部ユニット5bを接
合するときに、主架構4の施工誤差を吸収することが可
能となり、主架構4の施工を容易化することができ、ま
た、サブ架構5自体にもストレスが生じないという利点
を奏することができる。
【0023】なお、上記第一実施例において、サブ架構
5を構成する水平部材10,11と各鉛直部材12とを
溶接により接合する構成としたが、もちろん、図2に示
すように、鉛直部材12の両端部にそれぞれアンカープ
レート18を取り付け、このアンカープレート18を水
平部材10,11のフランジ部にボルト接合するように
してもよい。このような構成とすれば、地震発生時など
に、万が一サブ架構5が降伏して変形したときには、鉛
直部材12の交換を容易に行うことができる。
【0024】[第二実施例]次に、本発明の建築物の躯
体構造を、例えば鉄骨鉄筋コンクリート造(以下、「S
RC造」と称する)の高層ビルに適用する場合の例を用
いて説明する。図3(a)および(b)は、本発明に係
る建築物の躯体構造を適用して構築されたビル(建築
物)21の一部を示すものである。なお、前記第一実施
例と同様の構成については、同一符号を付し、その説明
を省略する。ビル21は、SRC造の柱22と梁23と
からなるラーメン構造の主架構24を主体構成とし、こ
の主架構24の所定位置に、サブ架構5,5,…が組み
込まれた構成となっている。
【0025】主架構24の例えば平面視中央部に位置す
る四本の柱22a,22a,…間に架設された各梁23
の上下面には、それぞれ一定高さを有したSRC造の腰
壁(壁体)26,27が、一体に形成されている。腰壁
26,27は、それぞれ、所定形状に打設されたコンク
リート28内に、梁23を構成する梁鉄骨23aに溶接
されて鉛直方向に延在する鉛直部材29,29,…と、
鉛直部材29,29,…の先端部に溶接されて水平方向
に延在する水平部材30と、ブレース31とが埋め込ま
れた構成とされている。そして、腰壁26の上端面,腰
壁27の下端面には、鋼製のプレート32が、水平部材
30に一体化されて設けられている。このようにして、
主架構24の柱22a,22a間において、各層には、
その上方に腰壁27が、下方に腰壁26が形成されてお
り、これらの間にサブ架構5が設けられた構成となって
いる。これにより、ビル21には、その中央部に、柱2
2a,梁23,腰壁26,27,サブ架構5からなる、
上下方向に軸線を有した略筒状の架構体33が構成され
たことになる。
【0026】また、このようなビル21を構築するに際
しては、前記第一実施例と同様に、主架構24を構築
し、各層に腰壁26,27を形成した後に、サブ架構5
を上部ユニット5aと下部ユニット5bとに分割して腰
壁26,27間に挿入し、しかる後にこれらを一体に接
合するようにする。
【0027】上述したビル21の躯体構造では、SRC
造のビル21の躯体においても、前記第一実施例と全く
同様の効果を奏することができ、ビル21の中心部に形
成された、柱22a,梁23,腰壁26,27,サブ架
構5からなる平面視矩形で筒状をなした架構体33を耐
震要素として作用させて、ビル21を優れた耐震性能を
有したものとすることができる。
【0028】なお、上記第二実施例において、腰壁2
6,27をSRC造としたが、これをRC造としてもよ
い。
【0029】[第三実施例]次に、本発明の建築物の躯
体構造を、例えば鉄骨造(以下、「S造」と称する)の
高層ビルに適用する場合の例を用いて説明する。図4
(a)および(b)は、本発明に係る建築物の躯体構造
を適用して構築されたビル(建築物)41の一部を示す
ものである。なお、前記第一,第二実施例と同様の構成
については、同一符号を付し、その説明を省略する。ビ
ル41は、S造の柱42と梁43とからなるラーメン構
造の主架構44を主体構成とし、この主架構44の所定
位置に、サブ架構5,5,…が組み込まれた構成となっ
ている。
【0030】主架構44の例えば平面視中央部に位置す
る四本の柱42a,42a,…間に架設された各梁43
の上下面には、それぞれ一定高さを有したS造のフレー
ム(壁体)45,46が、一体に形成されている。腰壁
45,46は、それぞれ、梁43に溶接された鉛直部材
47,47,…と、鉛直部材47の先端部に溶接された
水平部材48と、これら梁43,鉛直部材47,水平部
材48との間に配設された鋼鈑またはブレース49とか
ら構成されている。このようにして、主架構44の柱4
2a,42a間において、各層には、その上方に腰壁4
6が、下方に腰壁45が形成されており、これらの間に
サブ架構5が設けられた構成となっている。これによ
り、ビル41には、その中央部に、柱42a,梁43,
腰壁45,46,サブ架構5からなる、上下方向に軸線
を有した略筒状の架構体50が構成されたことになる。
【0031】また、このようなビル41を構築するに際
しては、前記第一実施例と同様に、主架構44を構築
し、各層に腰壁45,46を形成した後に、サブ架構5
を上部ユニット5aと下部ユニット5bとに分割して腰
壁45,46間に挿入して取り付け、しかる後にこれら
を一体に接合するようにする。
【0032】上述したS造のビル41の躯体において
も、前記第一実施例と全く同様の効果を奏することがで
き、ビル41の中心部に形成された、柱42a,梁4
3,腰壁45,46,サブ架構5からなる略筒状の架構
体50を耐震要素として作用させて、ビル41を優れた
耐震性能を有したものとすることができる。
【0033】[第四実施例] 次に、本発明の建築物の躯体構造を、例えばRC造の高
層ビルに適用し、かつサブ架構を制振要素とする場合の
例を用いて説明する。図5は、本発明に係る建築物の躯
体構造を適用して構築されたビル(建築物)51の一部
を示すものである。ここで、このビル51と、前記第一
実施例で示したビル1との相異点は、サブ架構52の構
成のみであり、他の構成については全く同様であるの
で、前記相異点についてのみ説明し、共通の構成には同
一符号を付してその説明を省略する。ビル51は、RC
造の柱2と梁3とからなるラーメン構造の主架構4を主
体構成としている。そして、主架構4の例えば平面視中
央部に位置する四本の柱2a,2a間において、梁3に
よって上下に区切られた各層には、RC造の腰壁6,7
が形成されており、これら腰壁6,7間に、サブ架構5
2が組み込まれた構成となっている。
【0034】サブ架構52は、所定間隔でそれぞれ鉛直
方向に延在する鉛直部材53,53,…と、互いに隣接
する鉛直部材53,53の上端部,下端部間にそれぞれ
架設された水平部材54,54,…とが、溶接により
体化された構成となっている。すなわち、前記第一実施
例のサブ架構5(図1参照)では水平部材10が水平方
向に貫通した構成となっていたのに対し、このサブ架構
52では、繰り返しによる疲労破壊を考慮して、鉛直部
材53を上下に貫通させた構成となっている。各鉛直部
材53は、その中央部において上下に二分割されてお
り、これにより、サブ架構52は、上部ユニット52a
と下部ユニット52bとに二分割可能な構成となってい
る。そして、上部ユニット52aと下部ユニット52b
とは、接合プレート14,15を介してボルト接合され
ている。
【0035】また、各鉛直部材53は、主架構4や腰壁
6,7等の他の部材よりも、その降伏強度の低い、低降
伏鋼で形成されている。
【0036】上記のサブ架構52は、上下の水平部材5
4,54が、それぞれ前記腰壁6,7のプレート8にそ
れぞれボルト接合されることによって、主架構4に一体
化された構成となっている。
【0037】このようにして、ビル51の中央部には隣
接する各柱2a,2a間に、梁3,腰壁6,7,サブ架
構52が、上下方向に連続した構成となっており、これ
によりビル51には、その中央部に、柱2a,梁3,腰
壁6,7,サブ架構52からなる、略筒状の架構体55
が構成されたことになる。このような構成からなるビル
51では、地震発生時には、各サブ架構52の鉛直部材
53が、いわば鋼材ダンパーとして作用し、この鉛直部
材53の曲げ降伏によって振動エネルギーを吸収するよ
うになっている。
【0038】また、上記構成のビル51の躯体の構築方
法は、前記第一実施例と全く同様で、主架構4を構築
し、各層に腰壁6,7を形成した後に、サブ架構52
を、上部ユニット52aと下部ユニット52bとに分割
して腰壁6,7間に挿入して、これらを接合するように
する。
【0039】上述したビル51の躯体構造では、前記第
一実施例と全く同様の効果を奏することができる。ま
た、サブ架構52の鉛直部材53を上下に貫通させる構
成としたので、地震発生時には、この鉛直部材53が、
曲げ降伏によって振動エネルギーを吸収する制振要素と
して作用し、ビル51を制振機能を有したものとするこ
とができる。さらに、鉛直部材53が他の部材よりも降
伏強度の低い低降伏鋼からなる構成とされているので、
ビル51に過大な振動が入力された場合には、鉛直部材
53が最初に降伏することによって振動エネルギーを吸
収して、主架構4など他の部材への影響を防ぐことがで
き、これによってビル51の付加価値を高めることがで
きる。
【0040】[第五実施例] 次に、本発明の建築物の躯体構造を、例えばS造の高層
ビルに適用し、かつサブ架構を梁の中央部のみに設置す
る場合の例を用いて説明する。図6は、本発明に係る建
築物の躯体構造を適用して構築されたビル(建築物)6
1の一部を示すものである。ここで、このビル61と、
前記第三実施例で示したS造のビル41(図4参照)と
の相異点は、サブ架構62の構成のみであり、他の構成
については同様であるので、前記相異点についてのみ説
明し、共通の構成には同一符号を付してその説明を省略
する。ビル61は、S造の柱42と梁43とからなるラ
ーメン構造の主架構44を主体構成とし、この主架構4
4の互いに上下に位置する梁43,43間に、サブ架構
62,62,…が組み込まれた構成となっている。
【0041】各サブ架構62は、互いに隣接する柱42
a,42a間の中央部に設置されている。サブ架構62
は、それぞれ梁43,43に沿って延在する取付部材6
3,63と、これら取付部材63,63間において鉛直
方向に延在するH型鋼からなる鉛直部材64,64,6
4と、これと直交する方向に延在するH型鋼からなる水
平部材65,65と、これら取付部材63,鉛直部材6
4,水平部材65の間に架設されたブレース材66,6
6,…とから構成されている。また、各鉛直部材64
は、その長さ方向中央部で二分割されて、図示しない接
合プレートによってボルト接合されており、これによっ
てサブ架構62は上下に二分割可能な構成とされてい
る。
【0042】このようなサブ架構62は、前記第三実施
例で示したサブ架構5(図4参照)が柱42a,42a
間の略全域に亘って設置されていたのに対して、柱42
a,42a間の中央部にのみ設置された構成となってい
る。このため、このビル61に地震等により水平変位が
生じたときに、梁43が図7に示すような変形を生じな
いように、梁43の耐力,剛性を設定する。
【0043】上記サブ架構62は、上部62aと下部6
2bの剛性が、ブレース材66によって、中間部62c
に比較して高められた構成となっており、これによっ
て、地震などによってビル1に水平変位が生じたときに
は、各鉛直部材64の図中符号(イ)に示す部分で降伏
するようになっている。
【0044】このようなビル61を構築するに際して
は、主架構44を構築した後に、サブ架構62を、上下
に二分割した状態でそれぞれ梁43,43に取り付け、
しかる後に上下を接合するようにすればよい。
【0045】上述したビル61の躯体構造では、この躯
体が、主架構44と、梁43,43間に介装されたサブ
架構62とから構成されている。これにより、ビル61
の中心部には、上下方向に連続する架構体67が形成さ
れたことになり、この架構体67を耐震要素、いわば大
黒柱として作用させて、ビル61の耐力を高めて優れた
耐震性能を有したものとすることができる。しかも、サ
ブ架構62がH型鋼から形成されているので、従来のR
C造の耐力壁や、鋼材からなるブレース材等に比較し
て、高耐力・高靱性を有しており、これによって、ビル
61の耐震性能を向上させることができる。
【0046】また、主架構44を構築した後に、サブ架
構62を設置する構成としたので、サブ架構62には、
通常時において、何ら鉛直方向の軸力が作用しないよう
になっている。これにより、繰り返し加力によるサブ架
構62の復元力特性を示す履歴ループを安定したものと
することができる。
【0047】さらに、サブ架構62が上下に二分割可能
な構成とされ、このサブ架構62を主架構44に設置す
るときには上下に二分割しておき、それぞれを主架構4
4に固定した後に、互いに接合する構成とした。これに
より、主架構44の施工誤差をサブ架構62の接合部で
吸収することが可能となり、主架構44の施工を容易化
することができ、また、サブ架構62自体にもストレス
が生じないという利点を奏することができる。
【0048】なお上記第一ないし第五実施例において、
サブ架構5,52,62を、ビル1,21,41,5
1,61の上端部から下端部にまで設置する構成とした
が、もちろん、これを下端部にのみ設置するようにして
もよい。
【0049】また、サブ架構5,52,62を構成する
鉛直部材12,53,64の長さ,サイズ等を同一とし
たが、同一でなくてもよい。以下、鉛直部材の長さ,サ
イズ,降伏強度を変化させた場合の、水平変位と降伏荷
重との関係を示す。
【0050】例えば、図8(a)に示すように、上下の
梁71,71の間隙を一定とし、腰壁72,72間に設
置したサブ架構73の鉛直部材74の高さhを、1.
0、1.5、2.0mの三通りに変化させて調べる
と、その水平変位δと降伏荷重Qとの関係は図8(b)
に示すようになる。ここで鉛直部材74には、SM49
0AのH鋼材でHー400×200×8×13mmのサ
イズのものを用いた。
【0051】また、図9(a)に示すように、鉛直部材
74のサイズを、例えば、Hー350×175×7×
11mm、Hー446×199×8×12mm、H
ー600×200×11×17mmの三通りに変化させ
ると、その水平変位δと降伏荷重Qとの関係は図9
(b)に示すようになる。また、前記,,三種類
の鉛直部材74を組み合わせると、図中符号(ロ)に示
すようになる。
【0052】さらに、図10(a)に示すように、鉛直
部材74のサイズと長さとを、それぞれ変えて組み合わ
せると、その水平変位δと降伏荷重Qとの関係は図10
(b)に示すようになる。ここで用いた各鉛直部材74
のサイズ,長さは、Hー350×175×7×11m
m,長さ2.0m、Hー446×199×8×12m
m,1.5m、Hー600×200×11×17m
m,1.0mとした。
【0053】加えて、図9(a)に示したモデルにおい
て、Hー600×200×11×17mmのサイズの
鉛直部材74に降伏強度σn=2.5t/cm2の低降
伏鋼を用いると、その水平変位δと降伏荷重Qとの関係
は図11に示すようになる。
【0054】以上のように、鉛直部材74のサイズ,長
さ,あるいは降伏強度を変えることにより、容易に所望
の復元特性を得ることができる。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る建
築物の躯体構造によれば、躯体を、柱と梁とからなる主
架構と、互いに上下に位置する梁間に介装したサブ架構
とからなる構成とし、該サブ架構を水平部材と鉛直部材
とを組んだフレーム部材からなる構成とした。これによ
り、躯体には、主架構の梁とサブ架構とが上下方向に連
続して形成されることになり、これを耐震要素、いわば
大黒柱として作用させて、建築物の耐力を高めて優れた
耐震性能を有したものとすることができる。しかも、サ
ブ架構を構成するフレーム部材をH型鋼で形成すれば、
従来のRC造の耐力壁や、鋼材からなるブレース材等に
比較して、サブ架構を高耐力・高靱性とすることがで
き、これによっても、建築物の耐震性能を向上させるこ
とができる。
【0056】請求項2に係る建築物の躯体構造によれ
ば、サブ架構と、これの上下に位置するそれぞれの梁と
の間に、一定高さの壁体を形成する構成とした。これに
より、サブ架構の上下寸法を抑さえて、建築物の水平変
位に対する耐力を高めることができ、これによっても建
築物の耐震性能を向上させることができる。
【0057】請求項3に係る建築物の躯体構造によれ
ば、サブ架構の鉛直部材を、該サブ架構の上下に貫通さ
せる構成した。これにより、鉛直部材が上下の梁または
壁体に接することになり、この躯体が地震等により水平
方向に振動したときには、前記各鉛直部材が曲げ降伏に
よって振動エネルギーを吸収する制振要素として作用
し、これによって建築物を制振機能を有したものとする
ことができる。
【0058】請求項4に係る建築物の躯体構造によれ
ば、サブ架構の鉛直部材を、主架構を構成する部材より
も低い降伏強度を有する低降伏材から構成するようにし
た。これにより、建築物に振動が発生したときには、そ
の振動エネルギーに起因する応力が、低降伏材に集中し
てこれが早期に座屈することによって振動エネルギーを
吸収し、主架構など他の部材への影響を防ぐことがで
き、これによって建築物の付加価値を高めることができ
る。しかも、座屈したサブ架構のみを交換すれば元の状
態に戻るので、補修も容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る建築物の躯体構造の第一実施例で
あって、RC造のビルの躯体の一部を示す(a)立面
図、(b)側断面図である。
【図2】前記躯体に備えたサブ架構の他の一例を示す立
面図である。
【図3】本発明に係る建築物の躯体構造の第二実施例で
あって、SRC造のビルの躯体の一部を示す(a)立面
図、(b)側断面図である。
【図4】本発明に係る建築物の躯体構造の第三実施例で
あって、S造のビルの躯体の一部を示す(a)立面図、
(b)側断面図である。
【図5】本発明に係る建築物の躯体構造の第四実施例で
あって、RC造のビルの躯体の一部を示す立面図であ
る。
【図6】本発明に係る建築物の躯体構造の第五実施例で
あって、S造のビルの躯体の一部を示す立面図である。
【図7】図6に示したビルの躯体の変形モデル図であ
る。
【図8】本発明に係る建築物の躯体構造において、サブ
架構を構成する鉛直部材の高さを変化させたときの水平
変位と降伏荷重との関係を示す図である。
【図9】本発明に係る建築物の躯体構造において、サブ
架構を構成する鉛直部材のサイズを変化させたときの水
平変位と降伏荷重との関係を示す図である。
【図10】本発明に係る建築物の躯体構造において、サ
ブ架構を構成する鉛直部材の高さとサイズを変化させた
ときの水平変位と降伏荷重との関係を示す図である。
【図11】本発明に係る建築物の躯体構造において、サ
ブ架構を構成する鉛直部材に低降伏鋼を用いたときの水
平変位と降伏荷重との関係を示す図である。
【符号の説明】
1,21,41,51,61 ビル(建築物) 2,22,42 柱 3,23,43 梁 4,24,44 主架構 5,52,62 サブ架構 6,7,26,27, 腰壁(壁体) 10,11,54,65 水平部材 12,53,64 鉛直部材 45,46 フレーム(壁体)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建築物の躯体構造であって、前記躯体
    が、柱と梁とからなる主架構と、互いに上下に位置する
    前記梁間に介装されたサブ架構とから構成され、かつ、
    前記サブ架構が、上下に配されてそれぞれ水平方向に延
    在する水平部材と、上下方向に延在する複数の鉛直部材
    とが組まれてなるフレーム部材により構成されている
    とを特徴とする建築物の躯体構造。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の建築物の躯体構造におい
    て、前記サブ架構と、該サブ架構の上方と下方とにそれ
    ぞれ位置する梁との間には、前記各梁と一体化した定め
    られた高さの壁体が形成されていることを特徴とする建
    築物の躯体構造。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の建築物の躯体構
    造において、前記サブ架構の前記鉛直部材が、該サブ架
    構の上下に貫通した構成とされていることを特徴とする
    建築物の躯体構造。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載の建
    築物の躯体構造において、前記サブ架構の鉛直部材が、
    前記主架構を構成する部材よりも低い降伏強度を有した
    低降伏材からなることを特徴とする建築物の躯体構造。
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