JP3124996B2 - 集積回路中に2種の異なるしきい電圧を有するトランジスタを形成する方法 - Google Patents

集積回路中に2種の異なるしきい電圧を有するトランジスタを形成する方法

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JP3124996B2 JP10164298A JP16429898A JP3124996B2 JP 3124996 B2 JP3124996 B2 JP 3124996B2 JP 10164298 A JP10164298 A JP 10164298A JP 16429898 A JP16429898 A JP 16429898A JP 3124996 B2 JP3124996 B2 JP 3124996B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は集積回路中に2種の
異なるしきい電圧を有するトランジスタを形成する方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、集積回路技術は大幅に成長し、製
造される集積回路素子は軽量化、小型化、及び薄型化さ
れる傾向にある。EEPROMはこの傾向にあって新し
い時代を担うメモリとされる。EEPROMの最大の優
れた点は、データ消去と書き込みが、1ビットずつ(B
it by Bit)の方式で進行できることにある。
フラッシュメモリの構造と電性はEEPROMと類似し
ているが、ただしそのデータの消去は1ブロックずつ
(Block by Block)の方式で進行されて
時間と製造上のコストを節約している。
【0003】一つのEEPROMのメモリユニットは
「1」又は「0」レベルデータを保持する一つのメモリ
トランジスタと、メモリビットを選択する一つのセレク
トトランジスタで構成される。該メモリトランジスタは
一つのフローティングゲートと一つのコントロールゲー
トを有する。これによりフラッシュメモリとEEPRO
Mのメモリセルが動作するためには、基板上に二つの異
なるゲート電極を設けることが必要となる。即ちフロー
ティングゲートと、セレクトゲートである。上述のセレ
クトトランジスタは一つのスイッチとされ、ゆえにその
セレクトゲートのしきい電圧は0.5Vから0.8Vの
間とされるか(n型MOSトランジスタ)、或いは−
0.8Vから−0.5Vの間とされる(p型MOSトラ
ンジスタ)。メモリセルの電流を大きくするためには、
メモリトランジスタのフローティングゲートのしきい電
圧をできるだけ小さくする必要がある。
【0004】図1には従来の、一回のイオンレイアウト
プロセスと同時に上述のフローティングゲートとセレク
トゲートのしきい電圧調整を完成する工程断面図であ
る。まず、一つの半導体基板10上に、ゲート酸化膜2
0を形成する。これは図1のAに示されるとおりであ
る。該ゲート酸化膜20は通常は熱酸化法で製造し、そ
の厚さは70から250オングストロームの間とする。
その後、一回のしきい電圧調整のイオンレイアウト30
を進行し、それと同時に第1ゲートと分離ゲート(sp
lit gate)下方の半導体基板内に一つのチャネ
ル領域35を、図1のBの如く形成する。該しきい電圧
調整のイオンレイアウトステップは、一つのp型MOS
トランジスタを例に挙げると、通常はn型半導体基板内
にp型不純物(B,BF2 )を注入し、そのドーズ量は
1E12から1E14イオン/cm2の間とされ、電圧
は20から50keVとする。
【0005】続いて、一層の第1導電膜をゲート酸化膜
20の表面に堆積し、並びにリソグラフィーとエッチン
グステップを進行して第1ゲート電極40のパターンを
定義する。これは図1のCに示されるとおりである。該
第1ゲート電極40は分離ゲートセル中のセレクト/コ
トロールゲート或いは消去ゲート或いはフローティング
ゲートのいずれにも用いられうるが、実際のフラッシュ
EEPROMの設計に応じて用途を決定する。上述の第
1導電膜は通常はポリシリコンとし、その厚さは約10
00から2500オングストロームとする。その後、上
述の第1ゲート40の表面にポリシリコン層間酸化膜
(interpoly oxide)45を形成する。
これは図2のAに示されるとおりである。上述のポリシ
リコン層間酸化膜45は通常は熱酸化法で形成する。最
後に、一層の第2導電層を上述のポリシリコン層間酸化
膜45の表面に形成し、さらに一回のリソグラフィーと
エッチングステップを進行して分離ゲート50のパター
ンを定義する。これは図2のBに示されるとおりであ
る。上述の第1ゲート電極40と分離ゲート50の間の
ポリシリコン層間酸化膜45は、厚さを300から50
0オングストロームの間とし、半導体基板10と第1ゲ
ート電極40と分離ゲート50の間の酸化膜20は、そ
の厚さをほぼ100オングストロームとする。上述の分
離ゲート50は分離ゲートセル中のフローティングゲー
トに用いられるか、或いはセレクト/コントロールゲー
ト或いは消去ゲートに用いられうるが、それは実際のフ
ラッシュEEPROMの設計に応じて決定される。
【0006】しかし、従来の技術ではただ一回のイオン
レイアウトプロセスと同時に上述のフローティングゲー
トとセレクトゲートのしきい電圧調整を完成するように
してあるため、該フローティングゲートのしきい電圧調
整は該セレクトゲートのしきい電圧調整に合わせる必要
があり、このため、該フローティングゲートのしきい電
圧は下げることができなかった。メモリセルの電流を大
きくして、その読み書き速度を高めるためには該フロー
ティングゲートのしきい電圧を下げることが十分に重要
である。伝統的に用いられているメモリセルの消去能力
向上の方法は、ゲート酸化膜の厚さを減少するか或いは
ゲート結合率(Gate Coupling Rati
o;GCR)を増加することで電子パンチスルー能力を
改善する方法である。いわゆるゲート結合率GCRの定
義は以下のとおりである。 GCR=Cgox /Ctox その中、Cgox はゲート酸化膜の電容値 Ctox はトンネル酸化膜の電容値 しかし、この2種類の解決方法はいずれも欠点を有して
おり、即ち、ゲート酸化膜の厚さの減少は、素子が不断
に重複して行われる読み書き周期に耐えられるかという
信頼性の問題をもたらし、また、GCRを増加すること
はセル寸法を増加させて、寸法が重要視されるサブミク
ロン技術世代において、生産コストの増加と、製品の競
争力の低下をもたらす恐れがあった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、一種の集積
回路中に2種の異なるしきい電圧を有するトランジスタ
を形成する方法を提供することを課題としている。
【0008】本発明は次に、EEPROM、フラッシュ
メモリ及び他の任意のICメモリに応用可能な、2種の
異なるしきい電圧を有するトランジスタを提供すること
を課題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、以下
のaからgのステップ、即ち、 a.半導体基板を提供するステップ b.薄い酸化膜を半導体基板表面に形成するステップ c.第1p型不純物を半導体基板内の第1ゲート電極を
形成予定の第1領域と分離ゲートを形成予定の第2領域
とにドープし、この第1p型不純物のドープにより第1
領域の第1しきい電圧調整を行うステップ d.一つの上面と一つの側面を具えた第1ゲート電極を
上述の薄い酸化膜の表面に形成するステップ e.第2p型不純物を半導体基板内の分離ゲートを形成
予定の第2領域のみにドープし、この第2p型不純物
ドープにより第2領域の第2しきい電圧調整を行うステ
ップ f.絶縁層を第1ゲート電極の上面と側面の上に形成す
るステップ g.分離ゲートを上述の絶縁層の表面に形成し、該分離
ゲートで少なくとも一部の上述の第1ゲート電極と第2
領域を被覆するステップ、 以上を包括することを特徴とする、集積回路中に2種の
異なるしきい電圧を有するトランジスタを形成する方法
としている。
【0010】請求項2の発明は、前記第1ゲート電極及
び分離ゲートはポリシリコンを含有し、前記半導体基板
はシリコンを含有することを特徴とする、請求項1に記
載の集積回路中に2種の異なるしきい電圧を有するトラ
ンジスタを形成する方法としている。
【0011】請求項3の発明は、前記第1ゲート電極の
厚さが100から2500オングストロームとされ、幅
が2.0ミクロンより小さいことを特徴とする、請求項
2に記載の集積回路中に2種の異なるしきい電圧を有す
るトランジスタを形成する方法としている。
【0012】請求項4の発明は、前記薄い酸化膜の厚さ
が70から250オングストロームとされることを特徴
とする、請求項1に記載の集積回路中に2種の異なるし
きい電圧を有するトランジスタを形成する方法としてい
る。
【0013】請求項5の発明は、前述の第1ゲート電極
と分離ゲートの間を隔てる前記絶縁層の厚さが300か
ら500オングストロームとされる、請求項1に記載の
集積回路中に2種の異なるしきい電圧を有するトランジ
スタを形成する方法としている。
【0014】請求項6の発明は、前述の第1ゲート電極
がフローティングゲートとされる、請求項1に記載の集
積回路中に2種の異なるしきい電圧を有するトランジス
タを形成する方法としている。
【0015】請求項7の発明は、前述の分離ゲートがフ
ローティングゲートとされる、請求項1に記載の集積回
路中に2種の異なるしきい電圧を有するトランジスタを
形成する方法としている。
【0016】請求項8の発明は、前述の第1p型不純物
のドープと第2p型不純物のドープにイオンレイアウト
が利用される、請求項1に記載の集積回路中に2種の異
なるしきい電圧を有するトランジスタを形成する方法と
している。
【0017】請求項9の発明は、前述の第1p型不純物
のドープにおいて、ドーズ量が1E12から1E14イ
オン/cm2 、電圧20から50keVで注入されるこ
とを特徴とする、請求項8に記載の集積回路中に2種の
異なるしきい電圧を有するトランジスタを形成する方法
としている。
【0018】請求項10の発明は、前述の第2p型不純
のドープにおいて、ドーズ量が1E12から1E14
イオン/cm2 、電圧20から50keVで注入される
ことを特徴とする、請求項8に記載の集積回路中に2種
の異なるしきい電圧を有するトランジスタを形成する方
法としている。
【0019】請求項11の発明は、前述の第1p型不純
物及び第2p型不純物が、B又はBF 2 とされた、請求
項1乃至請求項10のいずれかに記載の集積回路中に2
種の異なるしきい電圧を有するトランジスタを形成する
方法としている。
【0020】請求項12の発明は、前述の集積回路が分
離ゲートEEPROM素子を含むことを特徴とする、請
求項1に記載の集積回路中に2種の異なるしきい電圧を
有するトランジスタを形成する方法としている。
【0021】請求項13の発明は、前述の分離ゲートE
EPROMがフラッシュEEPROMとされた、請求項
12に記載の集積回路中に2種の異なるしきい電圧を有
するトランジスタを形成する方法としている。
【0022】請求項14の発明は、前述の第1ゲート電
極の厚さが100オングストロームより小さく、幅が
2.0ミクロンより小さいことを特徴とする、請求項2
に記載の集積回路中に2種の異なるしきい電圧を有する
トランジスタを形成する方法としている。
【0023】請求項15の発明は、前述の薄い酸化膜の
厚さが70から250オングストロームとされた、請求
項1に記載の集積回路中に2種の異なるしきい電圧を有
するトランジスタを形成する方法としている。
【0024】請求項16の発明は、前述の絶縁層が第1
ゲート電極と分離ゲートを隔てる厚さが300オングス
トロームより小さいことを特徴とする、請求項3に記載
の集積回路中に2種の異なるしきい電圧を有するトラン
ジスタを形成する方法としている。
【0025】請求項17の発明は、以下のaからgのス
テップ、即ち、 a.半導体基板を提供するステップ b.薄い酸化膜を半導体基板表面に形成するステップ c.第1p型不純物を半導体基板内の第1ゲート電極を
形成予定の第1領域と分離ゲートを形成予定の第2領域
とにドープし、この第1p型不純物のドープにより第1
領域の第1しきい電圧調整を行うステップ d.一つの上面と一つの側面を具えた第1ゲート電極を
上述の薄い酸化膜の表面に形成するステップ e.第2p型不純物を半導体基板内の分離ゲートを形成
予定の第2領域のみにドープし、この第2p型不純物の
ドープにより第2領域の第2しきい電圧調整を行うステ
ップ f.絶縁層を第1ゲート電極の上面と側面の上に形成す
るステップ g.分離ゲートを上述の絶縁層の表面に形成し、該分離
ゲートで少なくとも一部の上述の第1ゲート電極と第2
領域を被覆するステップ、 以上のステップを経て形成さ
れ、前述の第1ゲート電極がフローティングゲートとさ
れ、 以上の構成からなる集積回路素子としている。
【0026】請求項18の発明は、以下のaからgのス
テップ、即ち、 a.半導体基板を提供するステップ b.薄い酸化膜を半導体基板表面に形成するステップ c.第1p型不純物を半導体基板内の第1ゲート電極を
形成予定の第1領域と分離ゲートを形成予定の第2領域
とにドープし、この第1p型不純物のドープにより第1
領域の第1しきい電圧調整を行うステップ d.一つの上面と一つの側面を具えた第1ゲート電極を
上述の薄い酸化膜の表面に形成するステップ e.第2p型不純物を半導体基板内の分離ゲートを形成
予定の第2領域のみにドープし、この第2p型不純物の
ドープにより第2領域の第2しきい電圧調整を行うステ
ップ f.絶縁層を第1ゲート電極の上面と側面の上に形成す
るステップ g.分離ゲートを上述の絶縁層の表面に形成し、該分離
ゲートで少なくとも一部の上述の第1ゲート電極と第2
領域を被覆するステップ、 以上のステップを経て形成さ
れ、 前述の分離ゲートがフローティングゲートとされ、
以上の構成からなる集積回路素子としている。
【0027】請求項19の発明は、セルの消去能力を改
善するEEPROMの製造方法において、以下のaから
gのステップ、即ち、 a.半導体基板を提供するステップ b.薄い酸化膜を半導体基板表面に形成するステップ c.第1p型不純物を、半導体基板内の第1ゲート電極
を形成予定の第1領域と分離ゲートを形成予定の第2領
域とにドープし、この第1p型不純物のドープにより第
1領域の第1しきい電圧調整を行うステップ d.一つの上面と一つの側面を具えた第1ゲート電極を
上述の薄い酸化膜の表面に形成するステップ e.第2p型不純物を半導体基板内の分離ゲートを形成
予定の第2領域のみにドープし、この第2p型不純物の
ドープにより第2領域の第2しきい電圧調整を行うステ
ップ f.絶縁層を第1ゲート電極の上面と側面の上に形成す
るステップ g.分離ゲートを上述の絶縁層の表面に形成し、該分離
ゲートで少なくとも一部の上述の第1ゲート電極と第2
領域を被覆するステップ、 以上のステップを包括し、
1しきい電圧と第2しきい電圧の調整はセルの大きさ或
いは前記薄い酸化膜の厚さに係わらずセルの消去能力を
向上するのに用いられることを特徴とする、セルの消去
能力を改善するEEPROMの製造方法としている。
【0028】上述の請求項1乃至請求項19において、
第1しきい電圧調整と第2しきい電圧調整のための不純
物ドープには同じタイプの不純物であるp型不純物が使
用される。
【0029】
【発明の実施の形態】本発明では、一つの半導体基板上
に一つのゲート絶縁膜を形成した後、さらに第1トラン
ジスタ領域と第2トランジスタ領域を定義し、その後、
該第1トランジスタ領域と第2トランジスタ領域に第1
しきい電圧調整イオンレイアウトを進行する。このイオ
ンレイアウトでは半導体基板上にイオン注入によりn形
半導体とp形半導体を形成する。続いて、該半導体基板
上に一つの酸化膜と一つの第1低抵抗値導電膜を形成す
る。その後、該第1低抵抗値導電膜と該酸化膜それぞれ
に第1トランジスタ領域にあって第1ゲート導電膜と第
1ゲート絶縁膜を定義する。続いて、第2しきい電圧調
整イオンレイアウトを進行する。このとき、上述の第1
トランジスタ領域上方には第1ゲート絶縁膜による阻止
があるため、該第1トランジスタ領域の基板は第2しき
い電圧調整イオンレイアウトによりイオンレイアウトさ
れない。一方、第2トランジスタ領域の基板は第1しき
い電圧調整イオンレイアウトも第2しきい電圧調整イオ
ンレイアウトのいずれでもイオンレイアウトされる。こ
うして形成された第1トランジスタのしきい電圧が第2
トランジスタのしきい電圧と異なるものとなる。続い
て、一つの絶縁膜と一つの第2低抵抗値導電膜を形成す
る。その後、該第2低抵抗値導電膜と該絶縁層それぞれ
に第2トランジスタ領域にあって第2ゲート導電膜と第
2ゲート絶縁膜を定義する。本発明の集積回路中に2種
の異なるしきい電圧を有するトランジスタを形成する方
法は以上をもって完成する。
【0030】
【実施例】本発明は、信頼性の問題やセル寸法の増加な
くして、集積回路素子の表現を改善する一種の良好な製
造方式を提供する。この集積回路素子は分離ゲートフラ
ッシュEEPROM(split gate flas
h EEPROM)とされうる。図3から図4は本発明
の工程を示す断面図である。分かりやすいように、図中
にはただ一つのROMセルのみ表示されているが、この
ほかに未表示の駆動トランジスタ、高圧電源回路、ボン
ディングパッドなどの付属回路領域が含まれている。
【0031】まず、図3中、Aに示されるように、半導
体基板100上にゲート酸化膜120を形成する。該半
導体基板100は通常、シリコンウエハーとされ、該ゲ
ート酸化膜120は通常は熱酸化法で生成され、その厚
さは70から250オングストロームの間とされるが、
ただし、該ゲート酸化膜120はCVD法で生成可能で
ある。
【0032】図3中、Bに示されるように、第1領域に
第1しきい電圧調整125(Threshold Vo
ltage Adjustment)を進行して一つの
チャネル領域130を形成する。該第1領域は第1ゲー
ト電極を形成する予定の部分であり、上述の第1しきい
電圧調整125は通常はイオンレイアウト技術を利用し
て達成するが、その他の不純物導入方式も利用可能であ
り、一つのp型MOSトランジスタのチャネルを例にあ
げると、通常は抵抗率(resistivity)がほ
ぼ8から12オーム−cmのn型半導体基板100内に
p型不純物(B,BF2 )を注入する。そのドーズ量は
1E12から1E14イオン/cm2 の間とされ、注入
の電圧は20から50keVとする。
【0033】図3中、Cに示されるように、第1しきい
電圧調整125の後に、一層の第1導電層を上記ゲート
酸化膜120の表面に堆積させる。続いて、リソグラフ
ィーとエッチングステップを進行して第1ゲート電極1
40のパターンを定義し、図3中、Cに示される状態と
なす。上述の第1ゲート電極140は分離ゲートセル中
のセレクトゲート又はコントロールゲート、或いは消去
ゲート、或いはフローティングゲートのいずれにも使用
可能であるが、実施のフラッシュEEPROMの設計に
より決定する。上述の第1導電膜は通常はポリシリコン
とされ、その厚さはほぼ1000から2500オングス
トロームの間とされ、当然、第1導電膜の抵抗値を下げ
たい場合には、同期ドープ或いは堆積後のドープの方式
で第1導電膜に不純物を導入する。
【0034】図4のAに示されるように、さらに第2領
域に第2しきい電圧調整150を進行する。第1領域内
の第1ゲート電極は実際の需要に応じてホトマスク16
0を利用して遮蔽する。しかし、付属回路領域に対して
はホトマスクを利用して保護するのが望ましく、それに
より不必要なしきい電圧の改変がもたらされるのを防止
することができる。上述の第2領域は分離ゲートを形成
したい部分であり、該第2しきい電圧調整150は通常
はイオンレイアウト技術を利用して進行するが、その他
の不純物導入方式も利用可能であり、p型MOSトラン
ジスタを例にあげると、通常はn型半導体基板100内
にp型不純物(B,BF2 )を注入し、電圧20から5
0keVで、ドーズ量1E12から1E14イオン/c
2 で進行し、前述の第1しきい電圧調整と組み合わせ
て、チャネル領域155に適当なしきい電圧を獲得させ
ることができる。また、n型MOSトランジスタを例に
あげると、通常はp型半導体基板100内にp型不純物
(B,BF2 )を注入し、そのドーズ量は1E12から
1E14イオン/cm2 で、注入の電圧は20から50
keVとする。
【0035】本発明の実施例の製造工程によると、第1
ゲート電極と分離ゲートのしきい電圧調整が、2回のイ
オンレイアウトにより達成され、n型MOSトランジス
タでは、フローティングゲートのしきい電圧は低いほど
よく、このため実際の設計により第1ゲート電極と分離
ゲートのいずれをフローティングゲートとなすかを決定
する。本発明はゲート電極結合比率(GCR)を増加す
ることなく、また、ゲート酸化膜の厚さを減少すること
なくしてセルの消去能力を向上し、弾性的に第1及び第
2しきい電圧を調整するのに用いられ、これによりフロ
ーティングゲートのしきい電圧を非常に小さくしてセル
電流を増加する目的を達成することができる。一般の分
離ゲートフラッシュメモリセルでは、電流チャネルがセ
レクト(或いはコントロール或いは消去)ゲート或いは
フローティングゲートの下にあり、セレクトゲートがセ
ルをオフとするのに用いられ、フローティングゲートの
下でしきい電圧は非常に小さいか或いはマイナスとなり
(n型MOSセルにおいて)、セル電流を高める目的を
達成できる。ゆえに、フローティングゲートの下のしき
い電圧は本発明の実施例の工程方式を利用することで弾
性的に調整でき、それによりセルの消去能力を高めるこ
とができる。
【0036】図4中、Bに示されるように、上述の第1
ゲート電極140の表面にポリシリコン層間酸化膜16
5を形成する。該ポリシリコン層間酸化膜165は通常
は熱酸化法で生成する。
【0037】図4中、Cに示されるように、さらに第2
導電膜をポリシリコン層間酸化膜165の表面に堆積す
る。続いて、リソグラフィーとエッチングステップを進
行して分離ゲート170のパターンを定義する。該分離
ゲート170は一部分の第1ゲート電極140と一部分
のゲート酸化膜120を被覆する。これは図4のCに示
されるとおりである。上述の第1ゲート電極140と分
離ゲート170の間のポリシリコン層間酸化膜165
は、その厚さが300から500オングストロームとさ
れ、半導体基板100と第1ゲート電極140と分離ゲ
ート170の間のゲート酸化膜120はその厚さが約1
00オングストロームである。当然、第1導電膜の抵抗
値を低くしたければ、同期ドープ或いは堆積後のドープ
の方式により第1導電膜に不純物を導入する。上述の分
離ゲート170は分離ゲートセル中のフローティングゲ
ートに用いるか或いはセレクトゲート又はコントロール
ゲート或いは消去ゲートとなし、それは実際にフラッシ
ュEEPROMの設計により決定する。
【0038】図中には示されていないが、ソース及びド
レインとライトドープソース及びドレイン領域(NLD
D)をその後にイオンレイアウト或いは拡散技術を利用
して形成可能で、p型MOSトランジスタを例にあげる
と、通常はn型半導体基板100内にp型不純物をドー
プして形成し、不純物濃度が1E18から1E23イオ
ン/cm3 のソース及びドレインを形成し、またn型M
OSトランジスタを例にあげると、通常はp型半導体基
板100内にn型不純物をドープして不純物濃度1E1
8から1E23イオン/cm3 のソース及びドレインを
形成する。ソースが偏圧3から12ボルトで消去動作を
執行する時には、フローティングゲートのゲート電極と
され、そのキャリア濃度はほぼ1E12から1E23イ
オン/cm3 の間とされる。しきい電圧調整のステップ
進行の前或いは後にはセル間を隔離するフィールド酸化
領域或いは浅溝型隔離領域などの構造を形成する必要が
ある。
【0039】さらに、本発明の重点を強調すると、第1
ゲート電極と分離ゲートのしきい電圧が個別に調整さ
れ、分離ゲートフラッシュEEPROM(split
gate flash EEPROM)セルの消去能力
が改善される。特に、これらの分離ゲートフラッシュE
EPROMは、セレクト又はコントロールゲートトラン
ジスタ下方のチャネル領域のしきい電圧を制御する時
に、フローティングゲートトランジスタ下方のチャネル
領域のしきい電圧を調整する能力を有する。これによ
り、本発明はセルの大きさやゲート電極の幅を増加する
ことなく、或いは酸化膜の厚さを減少することなく、セ
ル電流を増加させることができ、消去の時間を減少して
セルの消去能力を向上することができる。
【0040】続いて、もう一つの具体的な実施例をあげ
て本発明の工程により形成した分離ゲートフラッシュE
EPROMを説明する。まず、図5を参照されたい。こ
れは非揮発性電気的改変可能な半導体メモリセル210
である。この半導体メモリセル210は例えばシリコン
の半導体基板212を含み、該半導体基板212は通常
は抵抗率がほぼ5から50オーム−cmのp型半導体と
される。
【0041】この半導体基板212上に一つのソース2
16とドレイン214が定義され、その間にチャネル2
18がある。該ソース216とドレイン214及びチャ
ネル218の上方には一層の、厚さがほぼ70から20
0オングストロームの第1絶縁層220が形成されてい
る。該第1絶縁層220の上はフローティングゲート2
22とされ、このフローティングゲート222は一部分
のチャネル218と一部分のドレイン214を被覆す
る。フローティングゲート222の材料はポリシリコン
或いは新たに結晶化されたポリシリコンとされる。上述
のフローティングゲート222の表面に第2絶縁層22
5が形成され、この第2絶縁層225は直接フローティ
ングゲート222の第1領域224と、フローティング
ゲート222の側面に密着する第2領域226とを被覆
する。この第2絶縁層225の第1領域224(上面2
24)の材料は酸化シリコン、ニトロ化シリコン、或い
は酸化ニトロ化シリコン等の絶縁物質とされ、その厚さ
はほぼ1000から3000オングストロームとされ
る。この第2絶縁層225の第2領域226(側壁22
6)の材料は酸化シリコン、ニトロ化シリコン或いは酸
化ニトロ化シリコン等の絶縁物質とされ、その厚さはほ
ぼ150から1200オングストロームとされる。コン
トロールゲート229は二つの部分を包括する。第1領
域228は直接第2絶縁層225の上面224を被覆
し、第2領域230は第2絶縁層225の側面の第2領
域226に密着する。このほかコントロールゲート22
9の第2領域230は一部のチャネル218領域と一部
のソース216を被覆する。
【0042】この半導体メモリセル210の実際寸法
は、使用する工程により決定される。このため図に示さ
れる第1絶縁層220、側壁226及び上面224の寸
法は実際の寸法の大きさではない。通常は、半導体メモ
リセル210の実際の寸法は電子が突然の電位下降に感
応して、ソース216からフローティングゲート222
へと通過できるものとされ、さらに、半導体メモリセル
210の実際の寸法は、電荷がFowler−Nord
heimトンネル現象の規制により、第2絶縁膜225
を通過してコントロールゲート229の経路に至りフロ
ーティングゲート222中より抜け出るように設けられ
る。
【0043】この半導体メモリセル210の操作状況は
以下のとおりである。まず、半導体メモリセル210を
消去したい時には、ソース216とドレイン214が同
時に接地し、約15Vの高いプラス電圧がコントロール
ゲート229に加えられる。フローティングゲート22
2中の電荷はFowler−Nordheimトンネル
現象の規制により第2絶縁層225を通過してコントロ
ールゲート229に達して、フローティングゲート22
2のプラス偏圧を形成する。
【0044】選定された半導体メモリセル210をプロ
グラム化したい時には、ソース216を接地して、MO
Sしきい電圧(例えば約+1V)と近いプラス電圧をド
レイン214に加える。ソース216に発生する電子は
微弱な反対方向の偏圧のチャネル218を流れてドレイ
ン214に至る。この電子がコントロールゲート229
と側壁226の界面に至ると、ほぼドレイン電圧に等し
いピーク電位下降が側壁226の両側で見られる。こう
してこれらの電子が温度上昇を加速し、一部分の電子が
第1絶縁層220を通過してフローティングゲート22
2に達する。これらの電子はフローティングゲート22
2の底の下がもはや高い電位差を受け入れることができ
なくなるまで、持続的にフローティングゲート222に
流れ込む。このとき、フローティングゲート222中に
溜まった電子或いはマイナス電荷は電子がソース216
からフローティングゲート222に継続して流入するの
を阻止する。
【0045】最後に、読み取り状態の時、ソース216
は接地し、伝統的なトランジスタの読取り電圧(例えば
+2Vと+5V)がそれぞれドレイン214とコントロ
ールゲート229に加わる。もしフローティングゲート
222がプラスの電気を帯びていれば(即ちフローティ
ングゲートが放電状態にある)、直接フローティングゲ
ート222の下方に位置するチャネル領域218はオン
となり、コントロールゲート229が読み取り電位に引
き上げられると、直接第2領域230下方に位置するチ
ャネル領域218もオンとされる。こうしてチャネル領
域218全体がオンとなり、電流がドレイン214から
ソース216に流れ、こうしてロジック「1」の状態と
なる。
【0046】反対に、もしフローティングゲート222
がマイナスに帯電すると、フローティングゲート222
の下方に位置するチャネル領域218は微弱なオン状態
或いは全体がオフ状態とされ、これによりコントロール
ゲート229とドレイン214が読み取り電位に引き上
げられた時に、直接第2領域230下方に位置するチャ
ネル領域218の電流の通過は非常に少ないか或いは全
くなくなる。こうしてチャネル領域218全体がロジッ
ク「1」の状態と反対となり、即ち極めて小さい電流が
流れるか或いは全く電流が流れない状態となり、半導体
メモリセル210がプログラム化されてその部分がロジ
ック「0」の状態となる。
【0047】続いて、本発明の第2実施例を挙げて、本
発明の工程を利用したフラッシュメモリの形成について
説明する。まず、図6に示されるように、フラッシュメ
モリセル1000は一面に平坦な上表面1003を有す
る半導体基板1001にあって定義され、一つの井戸領
域1005も半導体基板100にあって定義され、上述
の井戸領域1005は一つのソース1009と一つのド
レイン1007を含む。他の実施例ではドレイン100
7はその他のセルと共有される共同ドレインとされうる
し、また同様に、他の実施例ではこのドレイン1009
は他のセルと共有する共同ソースとされうる。ソース1
009とドレイン1007の間はチャネル領域1011
とされる。上述のソースとドレインは通常はイオンレイ
アウト技術で形成されるが、その他の不純物導入技術、
例えばプラズマ浸せき(plasma immersi
on)イオンレイアウト技術も運用可能である。ゲート
絶縁層1015とトンネル絶縁層1017を含む一層の
絶縁層1013が上述のチャネル領域1011の上方を
覆うように形成される。この絶縁層1013は一般の絶
縁材料、例えば酸化シリコン、ニトロ化シリコン、或い
は酸化ニトロ化シリコンなど絶縁物質で製造される。本
発明の実施例ではゲート絶縁層1015とトンネル絶縁
層1017は高品質の酸化シリコンで組成され、上述の
トンネル絶縁層1017は厚さが非常に均一でピンホー
ルなどの傷を有さず、また何度ものプログラム化と消去
周期に耐えうるものとされる。
【0048】フラッシュメモリセル1000は、独特の
ゲート構造1019を有している。該ゲート構造101
9は材質が第1ポリシリコン(poly1)のセレクト
ゲート1021を含む。第1ポリシリコンは通常はn型
不純物をドープしたポリシリコンとされるか或いは同期
ドープのポリシリコンとされ、不純物のドープはイオン
レイアウト或いはPOCl3 或いはそれに類する物質を
ポリシリコンに拡散させることでなされるか、或いは該
第1ポリシリコンは先にアモルファスシリコンを形成し
た後に、新たに結晶させたポリシリコンとされうる。一
般的には、アモルファスシリコンは比較的平坦な表面を
有している。上述のセレクトゲートはゲート絶縁層表面
を被覆し並びにドレイン領域上方に延伸され、スペーサ
1023と絶縁層1025がその後に、上述のセレクト
ゲートの表面に形成される。このスペーサ1023と絶
縁層1025の作用はセレクトゲートとその他の電性素
子例えばコントロールゲート或いはフローティングゲー
トとを隔離することにあり、該セレクトゲートの下方に
は長さが0.3ミクロン或いはそれ以下から0.7ミク
ロン或いはそれ以下のチャネル領域があり、このほか、
上述のセレクトゲートの厚さは1000オングストロー
ム或いはそれ以下から3000オングストローム或いは
それ以下とされる。
【0049】このゲート構造1019は別に一つの分離
ゲート1027を含む。該分離ゲート1027は半導体
基板の平坦な上表面1003と一部のセレクトゲートの
表面を被覆している。そして、上述の分離ゲート102
7はセレクトゲートの上の絶縁層1025の表面を被覆
し、該分離ゲートは同時に、セレクトゲートの一側のス
ペーサ1023の表面も被覆し、該分離ゲートの一辺1
029は上向きに延伸されて、もう一辺はトンネル絶縁
層1017の表面を被覆し並びにソース領域1009の
上方に延伸されている。総合すると、上述の分離ゲート
は少なくとも三つの部分を包括し、それは、平坦な上表
面1003(トンネル絶縁層とソース領域)を被覆する
下端水平領域1027Aと、セレクトゲートのある一側
のスペーサ1023の表面を被覆する垂直領域1027
Bと、セレクトゲートの上表面を被覆する上端水平領域
1027Cである。即ち、下端水平領域1027Aと、
垂直領域1027Bと上端水平領域1027Cとで分離
ゲートが組成されている。
【0050】上述の分離ゲート1027の材料もポリシ
リコンとされうる。ここでは、これを第2ポリシリコン
(poly2)と称する。第2ポリシリコンは通常は前
述のn型不純物をドープしたポリシリコン或いは同期ド
ープのポリシリコンとされ、ドープの方式はイオンレイ
アウトでリンイオン或いはそれに類する物質を導入する
か或いはPOCl3 或いはそれに類する物質をポリシリ
コン中に拡散させる。第2ポリシリコンは或いは先にア
モルファスシリコンを形成した後に、新たに結晶させた
ポリシリコンとされうる。前述したように、一般的に
は、アモルファスシリコンは比較的平坦な表面を有して
いる。
【0051】その後、絶縁層1031を上述のフローテ
ィングゲートの表面に形成する。該絶縁層1031は上
述のセレクトゲート上に位置するフローティングゲート
の一側よりもう一側に延伸され、即ち、該絶縁層103
1はフローティングゲートの下端水平領域1027A
と、垂直領域1027Bと上端水平領域1027Cを被
覆する。当然、上述の絶縁層1031の選択は、その下
のセレクトゲートとフローティングゲートの寸法と形状
に深く影響を受ける。一般には、この絶縁層1031は
通常、CVD或いは熱処理で形成した酸化膜/窒化膜/
酸化膜(ONO)複層構造とされるが、ただし、酸化膜
或いは窒化膜の単層構造となすことも可能である。上述
の絶縁層の機能はフローティングゲートとコントロール
ゲート1033の隔絶である。
【0052】コントロールゲート1033が絶縁層10
31の表面に形成され、該絶縁層1031が上述のフロ
ーティングゲートとコントロールゲートの間に挟まれ
る。該コントロールゲート1033はフローティングゲ
ートの一側1029よりもう一側に延伸され、即ち、コ
ントロールゲート1033はフローティングゲートの下
端水平領域と、垂直領域と上端水平領域を被覆する。該
コントロールゲート1033の材料はポリシリコンとさ
れ、ここではこれを第3ポリシリコン(poly3)と
称する。第3ポリシリコンは通常は前述のn型不純物を
ドープしたポリシリコン或いは同期ドープのポリシリコ
ンとされ、ドープの方式はイオンレイアウトでリンイオ
ン或いはそれに類する物質を導入するか或いはPOCl
3 或いはそれに類する物質をポリシリコン中に拡散させ
る。第3ポリシリコンは或いは先にアモルファスシリコ
ンを形成した後に、新たに結晶させたポリシリコンとさ
れうる。前述したように、一般的には、アモルファスシ
リコンは比較的平坦な表面を有している。
【0053】最後に、金属コンタクト1035が上述の
ドレイン表面に定義され、自然に、セレクトゲート、コ
ントロールゲートとソースの金属コンタクトの形成が必
要となる(図には表示せず)。金属コンタクトの形成方
法については周知の技術の範囲にあるためここでは詳細
な説明を省略する。
【0054】以上の構造により、このメモリセルのゲー
ト結合比率(GCR)は、フローティングゲート電容効
果が結合するコントロールゲートが、フローティングゲ
ートの電容効果が結合するトンネル酸化膜の面積(C
1031/C1017)に対応して増加することにより高まる。
図に示されるように、フローティングゲートとコントロ
ールゲートの結合面は側壁1029の縁から上端水平領
域1027Cを経過して垂直領域1027Bと一部の下
端水平領域1027Aに延伸され、一方で、フローティ
ングゲートとトンネル酸化膜の結合面は、ただ下端水平
領域1027Aにある。これから本発明のメモリセル構
造のフローティングゲートとコントロールゲートの結合
面は従来の構造に比べ、少なくとも二つの表面の面積が
増加されている。理想的な状況では、本発明のメモリセ
ル構造のゲート結合比率(GCR)はほぼ1に近い。し
かし、実際のゲート構造比率(GCR)はほぼ0.2か
ら0.8或いは0.2より大きいか0.3より大きい
か、0.5より大きいか、或いは0.8より大きいか、
或いはその他の各種の数値をとる可能性があり、設計の
違いにより異なる値となる。本発明の設計は、フローテ
ィングゲート1019とコントロールゲート1033の
しきい電圧を別個に制御することでセルの消去能力を改
善する効果を達成しており、セル寸法(即ちゲート構造
比率(GCR))をさらに増加する必要はない。
【0055】この実施例では、メモリセルが電圧のセレ
クトゲートに加えることでプログラム化と消去の動作を
進行できる。フローティングゲートをプログラム化する
時(即ち電子をフローティングゲートに進入させる時)
には、選定した偏圧をゲート構造とソース及びドレイン
領域に加えると、電子の遷移の経路はソース極から出発
してチャネルを経由してトンネル酸化膜に進入し、さら
にフローティングゲート中に堆積する。反対にフローテ
ィングゲートを消去する(即ち電子をフローティングゲ
ートより追い出す)場合には、選定した偏圧を同様にゲ
ート構造とソース及びドレイン領域に加えると、電子の
遷移の経路はフローティングゲートより出発してトンネ
ル酸化膜を経由した後、チャネルに進入し、最後にドレ
インより流出する。
【0056】本発明のこれらの実施例はただフラッシュ
メモリ素子の実施例にすぎず、具体的な理解のために開
示したのみである。一つのチップには数千から数万のメ
モリ素子が含まれ、現在の製造技術では4M、16M、
64M、256Mそして1Gビットのメモリ素子が製造
されており、チャネル領域の長さも0.4ミクロンから
0.25ミクロン或いはそれ以下となっている。フラッ
シュメモリは直接単一チップを構成しうるほか、マイク
ロプロセッサ、マイクロコンピュータ、ディジタル信号
処理器、特殊用途の集積回路(ASIC)等のマイクロ
電子素子と相互に結合されうる。
【0057】本発明は幾つかの実施例を以て説明される
が、本発明の原則と精神は、上述の実施例に掲載された
特殊な工程条件或いは材質に制限されるものではなく、
例えば、ゲートは金属珪化物、金属ポリ珪化物或いはそ
れらの多層構造とされうる。またしきい電圧調整ステッ
プではイオンレイアウトの使用に限られず、その他のド
ープ方式の使用が可能であり、イオンレイアウトはまた
ゲート酸化膜形成の前に進行可能であり、このような可
能な改変は枚挙にいとまなく、このため、本発明の精
神、原則及び範囲に基づく、相関する細かい部分の変化
はいずれも本発明の応用実施例とみて、本発明の範囲を
離脱しないものとする。
【0058】
【発明の効果】本発明によると、第1ゲート電極と分離
ゲートのしきい電圧が個別に調整され、分離ゲートフラ
ッシュEEPROM(split gate flas
h EEPROM)セルの消去能力が改善される。特
に、これらの分離ゲートフラッシュEEPROMは、セ
レクト又はコントロールゲートトランジスタ下方のチャ
ネル領域のしきい電圧を制御する時に、フローティング
ゲートトランジスタ下方のチャネル領域のしきい電圧を
調整する能力を有する。これにより、本発明はセルの大
きさやゲート電極の幅を増加することなく、或いは酸化
膜の厚さを減少することなく、セル電流を増加させるこ
とができ、消去の時間を減少してセルの消去能力を向上
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の一回のイオンレイアウトプロセスと同時
にフローティングゲートとセレクトゲートのしきい電圧
調整を完成する工程を示す断面図である。
【図2】従来の一回のイオンレイアウトプロセスと同時
にフローティングゲートとセレクトゲートのしきい電圧
調整を完成する工程の中、図1に続く工程を示す断面図
である。
【図3】本発明の各実施例中2回のイオンレイアウトプ
ロセスで第1ゲートとセレクトゲートのしきい電圧を別
々に完成する工程を示す断面図である。
【図4】本発明の各実施例中2回のイオンレイアウトプ
ロセスで第1ゲートとセレクトゲートのしきい電圧を別
々に完成する工程の図3に続く工程を示す断面図であ
る。
【図5】図3、図4の工程で形成された分離ゲートフラ
ッシュEEPROM断面表示図である。
【図6】図3、図4の工程で形成されたもう一つの分離
ゲートフラッシュEEPROM断面表示図である。
【符号の説明】
10 半導体基板 20 ゲート酸化膜 35 チャネル領域 40 第1ゲート電極 45 ポリシリコン層間酸化膜 50 分離ゲート 100 半導体基板 120 ゲート酸化膜 130 チャネル領域 140 第1ゲート電極 155 チャネル領域 165 ポリシリコン間絶縁膜 170 分離ゲート 212 半導体基板 214 ドレイン 216 ソース 218 チャネル領域 220 第1絶縁層 222 フローティングゲート 224 第1領域 225 第2絶縁層 226 第2領域 229 コントロールゲート 1001 半導体基板 1007 ドレイン 1009 ソース 1011 チャネル領域 1015 ゲート酸化膜 1017 トンネル酸化膜 1021 セレクトゲート 1025 絶縁膜 1027 分離フローティングゲート 1031 ポリシリコン間絶縁膜 1033 コントロールゲート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/8247 H01L 27/115 H01L 29/788 H01L 29/792

Claims (19)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下のaからgのステップ、即ち、 a.半導体基板を提供するステップ b.薄い酸化膜を半導体基板表面に形成するステップ c.第1p型不純物を半導体基板内の第1ゲート電極を
    形成予定の第1領域と分離ゲートを形成予定の第2領域
    とにドープし、この第1p型不純物のドープにより第1
    領域の第1しきい電圧調整を行うステップ d.一つの上面と一つの側面を具えた第1ゲート電極を
    上述の薄い酸化膜の表面に形成するステップ e.第2p型不純物を半導体基板内の分離ゲートを形成
    予定の第2領域のみにドープし、この第2p型不純物
    ドープにより第2領域の第2しきい電圧調整を行うステ
    ップ f.絶縁層を第1ゲート電極の上面と側面の上に形成す
    るステップ g.分離ゲートを上述の絶縁層の表面に形成し、該分離
    ゲートで少なくとも一部の上述の第1ゲート電極と第2
    領域を被覆するステップ、 以上を包括することを特徴とする、集積回路中に2種の
    異なるしきい電圧を有するトランジスタを形成する方
    法。
  2. 【請求項2】 前記第1ゲート電極及び分離ゲートはポ
    リシリコンを含有し、前記半導体基板はシリコンを含有
    することを特徴とする、請求項1に記載の集積回路中に
    2種の異なるしきい電圧を有するトランジスタを形成す
    る方法。
  3. 【請求項3】 前記第1ゲート電極の厚さが100から
    2500オングストロームとされ、幅が2.0ミクロン
    より小さいことを特徴とする、請求項2に記載の集積回
    路中に2種の異なるしきい電圧を有するトランジスタを
    形成する方法。
  4. 【請求項4】 前記薄い酸化膜の厚さが70から250
    オングストロームとされることを特徴とする、請求項1
    に記載の集積回路中に2種の異なるしきい電圧を有する
    トランジスタを形成する方法。
  5. 【請求項5】 前述の第1ゲート電極と分離ゲートの間
    を隔てる前記絶縁層の厚さが300から500オングス
    トロームとされる、請求項1に記載の集積回路中に2種
    の異なるしきい電圧を有するトランジスタを形成する方
    法。
  6. 【請求項6】 前述の第1ゲート電極がフローティング
    ゲートとされる、請求項1に記載の集積回路中に2種の
    異なるしきい電圧を有するトランジスタを形成する方
    法。
  7. 【請求項7】 前述の分離ゲートがフローティングゲー
    トとされる、請求項1に記載の集積回路中に2種の異な
    るしきい電圧を有するトランジスタを形成する方法。
  8. 【請求項8】 前述の第1p型不純物のドープと第2p
    型不純物のドープにイオンレイアウトが利用される、請
    求項1に記載の集積回路中に2種の異なるしきい電圧を
    有するトランジスタを形成する方法。
  9. 【請求項9】 前述の第1p型不純物のドープにおい
    て、ドーズ量が1E12から1E14イオン/cm2
    電圧20から50keVで注入されることを特徴とす
    る、請求項8に記載の集積回路中に2種の異なるしきい
    電圧を有するトランジスタを形成する方法。
  10. 【請求項10】 前述の第2p型不純物のドープにおい
    て、ドーズ量が1E12から1E14イオン/cm2
    電圧20から50keVで注入されることを特徴とす
    る、請求項8に記載の集積回路中に2種の異なるしきい
    電圧を有するトランジスタを形成する方法。
  11. 【請求項11】 前述の第1p型不純物及び第2p型不
    純物が、B又はBF 2 とされた、請求項1乃至請求項1
    0のいずれかに記載の集積回路中に2種の異なるしきい
    電圧を有するトランジスタを形成する方法。
  12. 【請求項12】 前述の集積回路が分離ゲートEEPR
    OM素子を含むことを特徴とする、請求項1に記載の集
    積回路中に2種の異なるしきい電圧を有するトランジス
    タを形成する方法。
  13. 【請求項13】 前述の分離ゲートEEPROMがフラ
    ッシュEEPROMとされた、請求項12に記載の集積
    回路中に2種の異なるしきい電圧を有するトランジスタ
    を形成する方法。
  14. 【請求項14】 前述の第1ゲート電極の厚さが100
    オングストロームより小さく、幅が2.0ミクロンより
    小さいことを特徴とする、請求項2に記載の 集積回路中
    に2種の異なるしきい電圧を有するトランジスタを形成
    する方法。
  15. 【請求項15】 前述の薄い酸化膜の厚さが70から2
    50オングストロームとされた、請求項1に記載の集積
    回路中に2種の異なるしきい電圧を有するトランジスタ
    を形成する方法。
  16. 【請求項16】 前述の絶縁層が第1ゲート電極と分離
    ゲートを隔てる厚さが300オングストロームより小さ
    いことを特徴とする、請求項3に記載の集積回路中に2
    種の異なるしきい電圧を有するトランジスタを形成する
    方法。
  17. 【請求項17】 以下のaからgのステップ、即ち、 a.半導体基板を提供するステップ b.薄い酸化膜を半導体基板表面に形成するステップ c.第1p型不純物を半導体基板内の第1ゲート電極を
    形成予定の第1領域と分離ゲートを形成予定の第2領域
    とにドープし、この第1p型不純物のドープにより第1
    領域の第1しきい電圧調整を行うステップ d.一つの上面と一つの側面を具えた第1ゲート電極を
    上述の薄い酸化膜の表面に形成するステップ e.第2p型不純物を半導体基板内の分離ゲートを形成
    予定の第2領域のみにドープし、この第2p型不純物の
    ドープにより第2領域の第2しきい電圧調整を行うステ
    ップ f.絶縁層を第1ゲート電極の上面と側面の上に形成す
    るステップ g.分離ゲートを上述の絶縁層の表面に形成し、該分離
    ゲートで少なくとも一部の上述の第1ゲート電極と第2
    領域を被覆するステップ、 以上のステップを経て形成され、前述の第1ゲート電極
    がフローティングゲートとされ、 以上の構成からなる集積回路素子。
  18. 【請求項18】 以下のaからgのステップ、即ち、 a.半導体基板を提供するステップ b.薄い酸化膜を半導体基板表面に形成するステップ c.第1p型不純物を半導体基板内の第1ゲート電極を
    形成予定の第1領域と分離ゲートを形成予定の第2領域
    とにドープし、この第1p型不純物のドープに より第1
    領域の第1しきい電圧調整を行うステップ d.一つの上面と一つの側面を具えた第1ゲート電極を
    上述の薄い酸化膜の表面に形成するステップ e.第2p型不純物を半導体基板内の分離ゲートを形成
    予定の第2領域のみにドープし、この第2p型不純物の
    ドープにより第2領域の第2しきい電圧調整を行うステ
    ップ f.絶縁層を第1ゲート電極の上面と側面の上に形成す
    るステップ g.分離ゲートを上述の絶縁層の表面に形成し、該分離
    ゲートで少なくとも一部の上述の第1ゲート電極と第2
    領域を被覆するステップ、 以上のステップを経て形成され、 前述の分離ゲートがフローティングゲートとされ、以上
    の構成からなる集積回路素子。
  19. 【請求項19】 セルの消去能力を改善するEEPRO
    Mの製造方法において、以下のaからgのステップ、即
    ち、 a.半導体基板を提供するステップ b.薄い酸化膜を半導体基板表面に形成するステップ c.第1p型不純物を、半導体基板内の第1ゲート電極
    を形成予定の第1領域と分離ゲートを形成予定の第2領
    域とにドープし、この第1p型不純物のドープにより第
    1領域の第1しきい電圧調整を行うステップ d.一つの上面と一つの側面を具えた第1ゲート電極を
    上述の薄い酸化膜の表面に形成するステップ e.第2p型不純物を半導体基板内の分離ゲートを形成
    予定の第2領域のみにドープし、この第2p型不純物の
    ドープにより第2領域の第2しきい電圧調整を行うステ
    ップ f.絶縁層を第1ゲート電極の上面と側面の上に形成す
    るステップ g.分離ゲートを上述の絶縁層の表面に形成し、該分離
    ゲートで少なくとも一部の上述の第1ゲート電極と第2
    領域を被覆するステップ、 以上のステップを包括し、 第1しきい電圧と第2しきい電圧の調整はセルの大きさ
    或いは前記薄い酸化膜 の厚さに係わらずセルの消去能力
    を向上するのに用いられることを特徴とする、セルの消
    去能力を改善するEEPROMの製造方法。
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