JP3124786B2 - 高分子量芳香族ポリカーボネート - Google Patents
高分子量芳香族ポリカーボネートInfo
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Description
ポリカーボネートに関するものである。さらに詳しく言
えば、流動性、カラーが優れ、高温での成形時に劣化や
着色がなく、溶融張力が強く、特に押出成形、ブロー成
形に好適な高分子量芳香族ポリカーボネート及びその組
成物に関するものである。
透明性、寸法安定性などに優れるエンジニアリングプラ
スチックとして、種々の分野において多用されている。
従来提供されている芳香族ポリカーボネートは、通常重
量平均分子量(以下Mwと略す)が35000迄のもの
である。Mwが35000以上の芳香族ポリカーボネー
トは、耐溶剤性が優れるが、溶融粘度が高く、成形性に
劣っていた。溶融粘度を低下させるために成形温度を高
くすると、ポリカーボネートが劣化、着色する。
ルムに出来ないと記載されている。 (特公昭61−57860号公報)特開昭61−238
823号公報に、高分子量ポリカーボネートの製造法が
記載されている。この中で粘度平均分子量(以下Mvと
略す。)70000〜110000、分子量分布〔Mw
/Mn(ここでMnは数平均分子量を表わす。)3.0〜
3.3の高分子量芳香族ポリカーボネートが製造されて
いる。
く、成形性に劣っていた。また、高温度で成形すると、
該ポリカーボネートは、着色や劣化が起こり、更に成形
機や金型の腐食、汚染をひき起こした。以上述べたよう
に、成形性が良好で、かつ高温時の成形で、着色や劣化
が起こらず、成形機・金型・ダイ等の腐食、汚染を起こ
さず、溶融張力の強いポリカーボネートは得られていな
かった。
適した流動性を持ち、カラーが優れ、高温での成形時に
ポリカーボネートの着色や劣化がなく、溶融張力が強
く、特に押出成形、ブロー成形に好適な高分子量ポリカ
ーボネート及びその組成物を提供しようとするものであ
る。
カーボネートの新規な製造法を開発した(特開平1−1
58033号公報、特開平3−68627号公報)。こ
れらの方法により高分子量芳香族ポリカーボネートが製
造出来ることを見出した。これらの技術を基に、本発明
者らは従来流動性が悪く、成形出来ないとされていた範
囲の高分子量ポリカーボネートの流動性を改良し、かつ
成形時にポリカーボネートの着色や劣化がなく、溶融張
力が強く押出、ブロー成形に適した高分子量芳香族ポリ
カーボネートを得ることを目的に検討を重ねたところ、
低分子量、高分子量部分の含有量が特定値以下で、分子
量分布の狭いポリカーボネートが非常に流動性が優れて
いること、実質的に塩素原子を含まないポリカーボネー
トが成形時にポリカーボネートの着色や劣化がないこ
と、即ち、これらの全ての要件を満たした高分子量芳香
族ポリカーボネートが、始めて前記の課題を達成するこ
とを見出し、本発明に到達した。
均分子量(Mw)が40000以上の高分子量芳香族ポ
リカーボネートであって、
重合体に対して1.0重量%以下、 (2) 分子量300000以上の部分が、全重合体に
対して5.0重量%以下、下、 (3) 分子量分布(Mw/Mn)がMw/Mn≦3.
6×10-5×Mw+1.38の範囲、 (ただし、Mw,Mnはそれぞれ重量平均分子量、数平
均分子量を表わす。) (4) Mw/Mpの値がMw/Mp≦1.5の範囲
〔ただしMpはゲルパーミエーションクロマトグラフィ
ー(GPC)で測定したクロマトグラムのピークトップ
の分子量を表わす。〕 (5) 実質上塩素原子を含まない、ことを満足してい
ることを特徴とする高分子量芳香族液ポリカーボネー
ト。 2.請求項1記載の高分子量芳香族ポリカーボネート1
00重量部とリン系安定剤0.0001〜0.5重量部
とからなる高分子量芳香族ポリカーボネート組成物。 3.メルトインデックス値(MI)がlog MI≧−
1.33×10-5×Mw+0.50を満たすことを特徴
とする請求項1記載の芳香族ポリカーボネート又は請求
項2記載の高分子量芳香族ポリカーボネート組成物。を
提供するものである。
ネートの繰り返し単位は下記化3で表わされる。
ばフェニレン、ナフチレン、ピリジレン及び下記(II)
式で示されるものである。 −Ar2 −Y−Ar3 − ─── (II) 〔式中Ar2 及びAr3 は、それぞれアリーレン基であ
って、例えばフェニレン、ナフチレン、ビフェニレン、
ピリジレンなどの基を表わし、Yは下記化4で示される
アルキレン基又は置換アルキレン基を表わす。
ぞれ水素原子、低級アルキル基、シクロアルキル基、ア
リール基、アリールアルキル基であって、場合によりア
ルコキシ基で置換されていてもよい。Kは3〜11の整
数であり、このメチレン基の水素が炭素数1〜5の炭化
水素基で置換されていてもよい。)〕またAr1 は、(I
II) 式で示される構造を、含有するものであってもよ
い。
結合、又は、−O−、−CO−、−S−、−SO2 −、
−CO2 −、−CON(R1 )−(R1 は前記と同様)
などの二価の基である。〕さらには、このようなアリー
レン基(Ar2、Ar3 )において1つ以上の水素原子
が、反応に悪影響を及ぼさない他の置換基、例えば、低
級アルキル基、低級アルコキシ基、フェニル基、フェノ
キシ基、ビニル基、シアノ基、エステル基、アミド基、
ニトロ基などによって置換されたものであってもよい。
つものが流動性と衝撃強度が良好で好ましい。さらに、
Ar1 として下記化6の構造をもつものが特に好まし
く、流動性、衝撃強度等が特に良好な範囲はこの化6の
構造をもつものが85重量%以上含有される場合であ
る。
ーションクロマトグラフィー(以下GPCと略す)によ
り測定したものであり、高分子量芳香族ポリカーボネー
トとは、Mwが40000以上である。好ましくは45
000〜300000更に好ましくは45000〜15
0000である。
劣り好ましくない。Mwが1000000以上のような
あまり高いものは溶融粘度が高くなり、実質上有利でな
い。本発明の高分子量芳香族ポリカーボネートは、以下
の5つの要件を全て満たすことが必要である。これらの
うちの1つでも満たさないポリカーボネートは本発明に
示した効果が得られず好ましくない。 (1)本発明のポリカーボネートは、分子量2000以
下の部分が1.0重量%以下であることが必要である。
る。(分子量2000以下の重量%はGPCの積分分布
曲線より求めた。)分子量2000以下の部分が1.0
重量%を越えると溶融成形の際に金型やダイの汚染が起
こる。又分子量分布が広がり好ましくない。 (2)分子量300000以上の部分は5.0重量%以
下であることが必要である。(分子量300000以上
の重量%は、GPCの積分分布曲線より求めた。)5.
0重量%を越えると、分子量分布が広がり、溶融流動性
が低下し好ましくない。即ち分子量300000以上の
部分が5.0重量%以下のものは、同一のMwを持ち、
かつ分子量300000以上の部分が5.0重量%を越
えるものより溶融流動性が大巾に改良される。 (3)分子量分布(Mw/Mn)はMw/Mn≦3.6
×10-5×Mw+1.38を満足することが必要であ
る。
ることは一般的に知られている。Mw/Mnが3.6×
10-5×Mw+1.38を越えると溶融流動性が低下す
る。通常使用されているポリカーボネート(Mw200
00〜30000)の範囲ではMw/Mnが大きい程、
溶融流動性が良いと記載されている。〔NOVAREX
技術資料,9 P.10 三菱化成工業(株)〕。
傾向を示すことが明らかになった。即ち本発明の範囲で
は、Mw/Mnが大きくなると分子量の大きい部分が増
加し、これが溶融流動性低下の原因となっているものと
推測される。本明細書中に記載の製法で行った場合Mw
/Mnは通常2.2以上である。 (4)MwとMp(GPCのピークトップの分子量)の
比がMw/Mp≦1.5を満足することが必要である。
好ましくはMw/Mp≦1.3である。Mw/Mpが
1.5を越えると、溶融流動性が低下する。本明細書中
に記載の製法で行った場合Mw/Mpは通常1.0以上
である。
Cを使用し、測定条件は下記の方法によった。テトラヒ
ドロフラン溶媒、ポリスチレンゲルを使用し、標準単分
散ポリスチレンの較正曲線から下記式による換算分子量
較正曲線を用いて求めた。MPC=0.359MPS 1.0388
(MPCはポリカーボネートの分子量、MPSはポリスチレ
ンの分子量である。)これら(1)〜(4)の要件を満
たした分子量分布の狭い高分子量芳香族ポリカーボネー
トを用いて、始めて良好な流動性、強い溶融張力等の本
発明の効果が得られる。(1)〜(4)の1つでも満た
さないものは本発明の効果が見られない。 (5)本発明のポリカーボネートは、実質的に塩素原子
を含まないことが必要である。
以下に示したことを意味する、即ちAgNO3 溶液を用
いた電位差滴定法による塩素イオンの測定方法で、塩素
イオンが0.00005重量%以下であり、同時に燃焼
法による塩素原子の測定方法で塩素原子が検出限界の
0.001重量%以下である。好ましくは、塩素イオン
が、上記測定法の検出限界以下の0.00002重量%
以下であり、同時に塩素原子が0.001重量%以下で
ある。
る、及び/又は塩素原子が0.001重量%を越える
と、加熱溶融時に組成物の着色や劣化が起こり,また成
形時に成形機や金型等を腐食させ好ましくない。本発明
のポリカーボネートは、着色の非常に少ないものであ
る。
法で吸光度が一定値以下のもののことである。測定は、
該ポリカーボネート1gを塩化メチレン7mlに溶解さ
せ、光路長1cm、400nmの吸光度の値を求めた。
吸光度0.01以下のものが着色が少なく好ましい。
が末端に存在している。この末端のヒドロキシ基は、高
温成形時にポリカーボネートの着色や、分子量低下を起
こす原因となる。本発明のポリカーボネートは、高分子
量体であるためポリカーボネートの末端基の重量%は小
さくなる。従って末端のヒドロキシ基によるポリマーの
着色や分子量低下は起こりにくい。しかしながら末端の
ヒドロキシ基重量%は小さい方がより好ましい。
ヒドロキシ基の重量%は0.15重量%以下が好まし
い。なおヒドロキシ基の重量%の測定は、四塩化チタン
による比色法(Makromol.Chem.,88
P.215(1965))によった。本発明の高分子量
芳香族ポリカーボネートは、実質的に塩素原子を含まな
いため、高温成形時に着色や分子量低下はほとんど起こ
らない。
更に着色や分子量低下が少なく好ましい。リン系安定剤
の添加量は、高分子量芳香族ポリカーボネート100重
量部に対して0.0001〜0.5重量部の範囲であ
る。0.0001重量部未満ではその効果が小さく、ま
た0.5重量部を越えると耐加水分解性が低下し好まし
くない。
リン酸モノエステル、亜リン酸ジエステル、亜リン酸ト
リエステル、有機フォスフォナイト等が挙げられる。亜
リン酸モノエステルは、亜リン酸(H2 PHO3 )の1
個の水素原子が炭化水素基に置換された構造をもつもの
であり、例として R8 −O−P(OH)2 (式中R8 はアルキル基、アリール基、又はアルキルア
リール基を示す。)で表わされる亜リン酸モノエステル
がある。
ル基、ブチル基、オクチル基、シクロヘキシル基、2−
エチルヘキシル基、デシル基、トリデシル基、ラウリル
基、ペンタエリスリトール基、ステアリル基等が挙げら
れる。又、アリール基としてはフェニル基、ナフチル基
等が挙げられる。アルキルアリール基としては、トリル
基、パラターシャリ−ブチルフェニル基、2,4−ジタ
ーシャリ−ブチルフェニル基、2,6−ジターシャリ−
ブチルフェニル基、パラ−ノニルフェニル基、ジノニル
フェニル基等が挙げられる。
ゲンホスファイト(R8 ≡フェニル)、ノニルフェニル
ジハイドロゲンホスファイト(R8 ≡ノニルフェニ
ル)、2,4−ジタ−シャリ−ブチルフェニルジハイド
ロゲンホスファイト等が挙げられる。これらの亜リン酸
モノエステルは単独で使用しても良いし混合物で使用し
ても良い。
HO3 )の2個の水素原子が炭化水素基に置換された構
造をもつものであり、例として下記化7で表わされる亜
リン酸ジエステルがある。
基、アリール基、又はアルキルアリール基を示す。)上
式に於てアルキル基の例としては、エチル基、ブチル
基、オクチル基、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシ
ル基、デシル基、トリデシル基、ラウリル基、ペンタエ
リスリトール基、ステアリル基等が挙げられる。又、ア
リール基としてはフェニル基、ナフチル基等が挙げられ
る。
パラターシャリ−ブチルフェニル基、2,4−ジタ−シ
ャリ−ブチルフェニル基、2,6−ジタ−シャリ−ブチ
ルフェニル基、パラ−ノニルフェニル基、ジノニルフェ
ニル基等が挙げられる。好ましい具体例としては、ジフ
ェニルハイドロゲンホスファイト(R8 ,R9 ≡フェニ
ル)、ビス(ノニルフェニル)ハイドロゲンホスファイ
ト(R8 ,R9 ≡ノニルフェニル)、ビス(2,4−ジ
ターシャリ−ブチルフェニル)ハイドロゲンホスファイ
ト、ジクレジルハイドロゲンホスファイト、ビス(p−
ターシャリ−ブチルフェニル)ハイドロゲンホスファイ
ト、ビス(p−ヘキシルフェニル)ハイドロゲンホスフ
ァイト等が挙げられる。
上記一般式で表わされるもの以外にも、例えば下記化8
のようなリン原子を2つ含む亜リン酸ジエステルも使用
できる。
ン、アリレン、又はアリールアルキレンを示す。)更に
下記化9の一般式で表わされるものも使用できる。
の亜リン酸ジエステル中で、芳香族亜リン酸ジエステル
が好ましい。特に好ましいものの例としては、ジフェニ
ルハイドロゲンホスファイト、ビス(ノニルフェニル)
ハイドロゲンホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブ
チルフェニル)ハイドロゲンホスファイト等が挙げられ
る。
しても良いし、混合物で使用しても良い。亜リン酸トリ
エステルは、亜リン酸の3個の水素原子が炭化水素基に
置換された構造をもつものであり、例として下記化10
で表わされる。
も、異なっていてもよくアルキル基、アリール基又はア
ルキルアリール基を示す。)上式でアルキル基として
は、エチル基、ブチル基、オクチル基、シクロヘキシル
基、2−エチルヘキシル基、デシル基、トリデシル基、
ラウリル基、ペンタエリスリトール基、ステアリル基等
が挙げられる。
基等が挙げられる。アルキルアリール基としてはトリル
基、パラターシャリ−ブチルフェニル基、2,4−ジタ
−シャリ−ブチルフェニル基、2,6−ジタ−シャリ−
ブチルフェニル基、パラノニルフェニル基、ジノニルフ
ェニル基等が挙げられる。好ましいものの例としては、
トリス(2,4ジタ−シャリ−ブチルフェニル)ホスフ
ァイト、トリスノニルフェニルフォスファイト、トリス
ジノニルフェニルフォスファイト、トリフェニルフォス
ファイト、が挙げられる。
ステルも使用できる。
っても異なっていてもよく、アルキル基、アリール基又
はアルキルアリール基を示し、R18はアルキレン基、ア
リーレン基又はアリールアルキレン基を示す。)具体例
として、テトラフェニルジプロピレングリコールジホス
ファイト、テトラ(トリデシル)4,4´−イソプロピ
リデンジフェニルジホスファイト、等が挙げられる。
ステルも使用できる。
される亜リン酸トリエステルも使用できる。具体例とし
てビス(トリデシル)ペンタエリスリトールジホフファ
イト、ビス(ノニルフェニルペンタエリスリトールジホ
スファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)
ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト、ビス(2,
6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリ
スリトール−ジホスファイト、ジステアリルペンタエリ
スリトールジホスファイト、水添ビスフェノールA・ペ
ンタエリスリトールホスファイトポリマー、等が挙げら
れる。
エステルも使用できる。
具体例としてテトラフェニルテトラ(トリデシル)ペン
タエリスリトールテトラホスファイトが挙げられる。こ
れらは単独で使用しても良いし混合物として使用しても
よい。2,4−ジターシャリ−ブチルフェニル基、2,
6−ジターシャリ−ブチルフェニル基を持つものが、該
組成物の耐加水分解性を向上させ特に好ましい。
シャリ−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2,4
−ジターシャリ−ブチルフェニル)ペンタエリスリトー
ルジホスファイト、ビス(2,6−ジタ−シャリ−ブチ
ル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホス
ファイトが挙げられる。有機フォスフォナイトは、亜リ
ン酸P(OH)3 の1つの水酸基を炭化水素基で置換
し、更に残りの2つの水素原子を炭化水素基で置換した
ものである。例として下記化14で表わされる。
も、異なっていてもよく、アルキル基、アリール基又は
アルキルアリール基を示す。)アルキル基としては、エ
チル基、ブチル基、オクチル基、シクロヘキシル基、デ
シル基、トリデシル基、ウラリル基、ステアリル基等が
挙げられる。
基等が挙げられる。アルキルアリール基としては、トリ
ル基、パラターシャリ−ブチルフェニル基、2,4−ジ
タ−シャリ−ブチルフェニル基、パラノニルフェニル
基、ジノニルフェニル基等が挙げられる。上記化14で
表わされる一般式以外に、下記化15で表わされるよう
なリン原子を2つ含む有機フォスフォナイトが挙げられ
る。
っても、異なっていてもよく、アルキル基、アリール
基、又はアルキルアリール基を表わす。R18は前記に同
じ。)このような化合物の具体例としては、4,4´−
ビフェニレンジホスフィン酸テトラキス(2,4−ジ−
ターシャリ−ブチルフェニル)が挙げられる。
して使用しても良い。これらのリン系安定剤は単独で用
いても、混合して用いてもよい。亜リン酸モノエステル
及び亜リン酸ジエステルから選ばれた1種以上の化合物
と亜リン酸トリエステル及び有機フォスフォナイトから
選ばれた1種以上の化合物を混合して使用することが特
に着色及び分子量低下を防ぐ上で効果があり好ましい。
を添加することも可能である。本発明の高分子量芳香族
ポリカーボネートの他の大きな特長の一つは、優れた溶
融流動性である。従来のポリカーボネートではメルトイ
ンデックス値(以下MIと略す)とMwの関係は式の
範囲にある。
ogMI≦−5.40×10-5×Mw+2.46 ─
── 式によると、例えばMwが70000になるとMIは
0.05迄小さくなりこのポリカーボネートは成形性が
非常に悪くなる。前述のMw70000以上では押出機
でフィルムに出来ないという事実と一致している。
は、従来のポリカーボネート(式)と比較して、同一
Mwでは予想外にMIが大きく大巾に溶融流動性が優れ
ている。MI値が式を満たすものが、押出成形、ブロ
ー成形に適しており、特に好ましい。 logMI≧−1.33×10-5×Mw+0.50 ─── 本発明の高分子量芳香族ポリカーボネートの更に他の大
きな特長は、溶融張力の強いことである。溶融張力が強
いとブロー成形時のパリソンが安定し、ブロー成形性が
良好になる。
ドローダウン値(以下DDと略す)が特定の範囲にある
ものが特に好ましい。
きいとDD値は大きくなりドローダウンが小さいとDD
値は小さくなる。DD値は0又は負の数が好ましい。D
D値がこの範囲にあるとブロー成形時、パリソンの安定
性が特に良好であり好ましい。
メルトインデクサーを用いた。測定条件は下記によっ
た。 シリンダー温度 280℃ ,荷重2.16kg オリフィス径 2.06mm MIは、10分間に押出されたポリマー重量 DDは、10cmの長さのポリマー重量を測定し、式
に従って算出した。
は、分岐構造を含むものであっても、前述した5つの条
件を満たすものであれば問題ない。しかし、分岐構造の
量が多くなると、同一Mwの直鎖状のポリカーボネート
と比較して力学強度や耐溶剤性が低下し好ましくない。
本発明の高分子量芳香族ポリカーボネートで分岐構造の
尺度の一つと考えられるηm/ηs(ただしηmは溶融
粘度を、ηsは溶液粘度を表わす。)がηm/ηs≦3
0000の範囲のものが力学強度や耐溶剤性が優れてお
り,特に好ましい。
m/ηsは通常15000以上である。なおηm,ηs
は下記方法により測定した。ηmは、キャピラリーレオ
メーターを用い、シリンダー温度335℃、せん断速度
120sec-1、ノズル径1mmで測定した。ηsは、
回転粘度計を用い、ポリカーボネート/塩化メチレン1
/15重量比、温度30℃、せん断速度220sec-1
で測定した。
を製造する方法には特に制限はない。従来公知のホスゲ
ン法では、高分子量ポリカーボネートを製造すると反応
溶液がモチ状になるために、反応が不均一となる、また
ポリカーボネートの精製の際に溶媒の塩化メチレン及び
副生する塩化ナトリウム等の洗浄が困難になる。従って
該方法で得られたものは、通常分子量分布が広く、塩素
原子を含むものである。
素原子を実質的に含有しなくなるまで洗浄することによ
り本発明のポリカーボネートを得ることも可能である。
以下に示した製法を用いると、上記のような繁雑な操作
なしで本発明の高分子量芳香族ポリカーボネートが得ら
れ好ましい。この製法は以下の工程より成る。即ち (1)ジアリールカーボネートとHO−Ar1 −OH
(Ar1 は前記に同じ。)を加熱処理し非晶質状態のプ
レポリマーを得る。──予備重合工程 (2)非晶質状態のプレポリマーを結晶化させる。──
結晶化工程 (3)結晶質状態のプレポリマーを高分子量化させる。
──固相重合工程 の3工程である。
プなものが得られる方法を選ぶことが好ましい。特に結
晶化工程においては、均一に結晶化を行なうことが重要
である。均一に結晶化されたプレポリマーは後工程の固
相重合工程で均一な重合が行われ、分子量分布のシャー
プなものが得られやすい。この方法で使用するジアリー
ルカーボネートとは下記化16で表される芳香族モノヒ
ドロキシ化合物の炭酸エステルである。
あって、これらは同じであってもよいし、互いに異なっ
ていてもよい。また、上記Ar4 及びAr5 において、
1つ以上の水素原子が、反応に悪影響を及ぼさない他の
置換基、例えば、低級アルキル基、低級アルコキシ基、
フェニル基、フェノキシ基、ビニル基、シアノ基、エス
テル基、アミド基、ニトロ基などによって置換されたも
のであってもよい。
は、例えば、下記化17で表される置換又は非置換のジ
フェニルカーボネート類が挙げられる。
子、炭素数1〜4の低級アルキル基、炭素数1〜4の低
級アルコキシ基、シクロアルキル基又はフェニル基であ
り、p及びqは1〜5の整数で、pが2以上の場合には
R6 はそれぞれ異なるものであってもよいし、qが2以
上の場合にはR7 はそれぞれ異なるものであってもよ
い)このジフェニルカーボネート類の中でも、ジフェニ
ルカーボネートや、ジトリルカーボネート、ジ−t−ブ
チルフェニルカーボネートのような低級アルキル置換ジ
フェニルカーボネートなどの対称型ジアリールカーホネ
ートが好ましいが、特に最も簡単な構造のシアリールカ
ーボネートであるジフェニルカーボネートが好適であ
る。
で用いもよいし、2種以上を組合せて用いてもよいが、
反応系が複雑になりあまり利点がないので、対称型のジ
アリールカーボネート1種を用いるのがよい。使用する
芳香族ジヒドロキシ化合物は、一般式;HO−Ar1 −
OH─(V)で表されるものであり、Ar1 は前記のと
おりである。
ては、例えば、下記化18で表されるジヒドロキシフェ
ノール類;
ル類;
ノール類;
子、炭素数1〜4の低級アルキル基、炭素数1〜4の低
級アルコキシ基、シクロアルキル基又はフェニル基であ
って、これらは同じであってもよいし、互いに異なって
いてもよく、m及びnは1〜4の整数で、mが2以上の
場合にはR5 はそれぞれ異なるものであってもよいし、
nが2以上の場合にはR6 はそれぞれ異なるものであっ
てもよい。R26,R27,R28及びR29はそれぞれ水素原
子、炭素数1〜15のアルキル基、炭素数5〜8のシク
ロアルキル基、炭素数6〜12のアリール基等を表わ
す。)などが好ましく用いられる。
加熱下に処理することによってジアリールカーボネート
から生成する芳香族モノヒドロキシ化合物を脱離させな
がら、プレポリマーを調製する。この予備重合反応にお
ける単量体の使用割合は、ジアリールカーボネートが芳
香族ジヒドロキシ化合物1モルに対し、通常0.9〜
2.0モル、好ましくは0.95〜1.5モル、より好ま
しくは1.0〜1.3モルの割合で使用される。
H末端の比率、即ち(−OH末端/全末端)×100
(%)の式において、35〜65モル%の範囲となるよ
うに予備重合反応を行うのが好ましい。この予備重合工
程で製造されるプレポリマーの重量平均分子量は、通常
1000〜10000、好ましくは2000〜8000
の範囲で選ばれる。この重量平均分子量が1000未満
では次の結晶化工程での結晶化が困難となり好ましくな
い。また、10000より大きくすると、次第に予備重
合の際の溶融粘度が高くなり、予備重合時間が長くな
り、次工程での結晶化にも時間がかかり好ましくない。
のが好ましい。このような分子量の範囲のプレポリマー
は、その溶融粘度がそれほど高くならないため、工業的
に実施することは容易である。予備重合工程を実施する
際の反応温度及び反応時間は、通常50〜350℃、好
ましくは100〜280℃の範囲の温度で通常1分〜数
十時間、好ましくは数分〜数時間の範囲で選ばれる。
って芳香族モノヒドロキシ化合物が生成してくるが、こ
れを反応系外へ除去することによってその速度が高めら
れる。従って、効果的な攪拌を行うと同時に窒素、アル
ゴン、ヘリウム、二酸化炭素などの不活性ガスや低級炭
化水素ガスなどを導入して、生成してくる該芳香族モノ
ヒドロキシ化合物をこれらのガスに同伴させて除去する
方法や、減圧下に反応を行う方法、及びこれらを併用し
た方法などが好ましく用いられる。
することができ、最終的に得られる粉体の、特に耐加水
分解性等を改良する効果が大きく、特に好ましい実施形
態の1つではあるが、最終的に得られる粉体の耐加水分
解性等を損なわない範囲内において、必要に応じて重合
速度を速めるために重合触媒を用いることもできる。こ
のような重合触媒としては、この分野で用いられている
重縮合触媒であれば特に制限はないが、水酸化リチウ
ム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシ
ウムなどのアルカリ金属及びアルカリ土類金属の水酸化
物類;水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素カルシ
ウムなどのアルカリ金属及びアルカリ土類金属の水素化
合物類;水素化アルミニウムリチウム、水素化ホウ素ナ
トリウム、水素化ホウ素テトラメチルアンモニウムなど
のホウ素やアルミニウムの水素化物のアルカリ金属塩、
アルカリ土類金属塩、第四級アンモニウム塩類;リチウ
ムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カルシウムメト
キシドなどのアルカリ金属、及びアルカリ土類金属のア
ルコキシド類;リチウムフェノキシド、ナトリウムフェ
ノキシド、マグネシウムフェノキシド、LiO−Ar−
OLi、NaO−Ar−ONa(Arはアリール基)な
どのアルカリ金属及びアルカリ土類金属のアリーロキシ
ド類;酢酸リチウム、酢酸カルシウム、安息香酸ナトリ
ウムなどのアルカリ金属及びアルカリ土類金属の有機酸
塩類;酸化亜鉛、酢酸亜鉛、亜鉛フェノキシドなどの亜
鉛化合物類;酸化ホウ素、ホウ酸、ホウ酸ナトリウム、
ホウ酸トリメチル、ホウ酸トリブチル、ホウ酸トリフェ
ニルなどのホウ素の化合物類;酸化ケイ素、ケイ酸ナト
リウム、テトラアルキルケイ素、テトラアリールケイ
素、ジフェニル−エチル−エトキシケイ素などのケイ素
の化合物類;酸化ゲルマニウム、四塩化ゲルマニウム、
ゲルマニウムエトキシド、ゲルマニウムフェノキシドな
どのゲルマニウムの化合物類;酸化スズ、ジアルキルス
ズオキシド、ジアリールスズオキシド、ジアルキルスズ
カルボキシレート、酢酸スズ、エチルスズトリブトキシ
ドなどのアルコキシ基又はアリーロキシ基と結合したス
ズ化合物、有機スズ化合物などのスズの化合物類;酸化
鉛、酢酸鉛、炭酸鉛、塩基性炭酸鉛,鉛及び有機鉛のア
ルコキシド又はアリーロキシドなどの鉛の化合物;第四
級アンモニウム塩、第四級ホスホニウム塩、第四級アル
ソニウム塩などのオニウム化合物類;酸化アンチモン、
酢酸アンチモンなどのアンチモンの化合物類;酢酸マン
ガン、炭酸マンガン、ホウ酸マンガンなどのマンガンの
化合物類、酸化チタン、チタンのアルコキシド又はアリ
ーロキシドなどのチタンの化合物類;酢酸ジルコニウ
ム、酸化ジルコニウム、ジルコニウムのアルコキシド又
はアリーロキシド、ジルコニウムアセチルアセトンなど
のジルコニウムの化合物類などの触媒を用いることがで
きる。
けで用いてもよいし、2種以上を組合せて用いてもよ
い。また、これらの触媒の使用量は、原料の芳香族ジヒ
ドロキシ化合物に対して、通常0.00001〜1.0
重量%、好ましくは0.00003〜0.1重量%の範
囲で選ばれる。次に結晶化工程において非晶質状態のプ
レポリマーの結晶化を行なう。
ては、溶媒を用いないで溶融状態で行われるが、このよ
うにして得られたプレポリマーを室温付近までそのまま
冷却したものは、一般的に結晶化度の低い非晶質状態で
ある。しかしながら、このような非晶質状態のプレポリ
マーは、目的とする芳香属ポリカーボネートのガラス転
移温度付近の温度で溶融したり、融着してしまうので、
そのままでは固相重合を実施することは困難である。比
較的低分子量のプレポリマー、例えば重量平均分子量が
約10000以下、殊に約8000以下の非晶質状態の
プレポリマーにおいては、特にその傾向が大きいので、
そのまま固相重合を実施することは実質的に不可能であ
る。そのために、プレポリマーを結晶化させる結晶化工
程が実施される。
号に記載された方法、即ち溶媒の存在下に、プレポリマ
ーを粉砕機や混練機で粉砕を行ないながら結晶化させる
方法が用いられる。例えば2軸混練機等を用いて結晶化
を行なうことが出来る。この方法によると粉末の内部迄
均一に結晶化させるために後工程の固相重合工程で均一
な重合が行われ、分子量分布が狭く低分子量や高分子量
部分の重量%が少ない高分子量芳香族ポリカーボネート
が得られる。
化を起こさせることが重要である。上記の方法以外の方
法においても均一な結晶化が行われる方法であれば特に
制限はない。かくして得られた結晶化プレポリマーの結
晶融点(以後Tmという。)は、ビスフェノールAを1
00%用いた場合、210〜240℃であり、結晶化度
は5〜40%である。
を、その溶融温度より低く、ガラス移転温度より高い温
度で固相状態に保ちながら固相重縮合させることによっ
て、容易に高分子量の芳香族ポリカーボネートにするこ
とができる。この固相重合工程において、芳香族モノヒ
ドロキシ化合物、及びジアリールカーボネートが副生す
る。
ことによって、その反応が促進される。そのためには、
窒素、アルゴン、ヘリウム、二酸化炭素などの不活性ガ
スや、低級炭化水素ガスなどを導入して、ジアリールカ
ーボネートや芳香族モノヒドロキシ化合物をこれらのガ
スに随伴させて除去する方法が用いられる。また、同伴
用のガスを導入する場合には、これらのガスを、反応温
度付近の温度に加熱しておくことが好ましい。固相重合
工程では反応機の極部加熱、ポリマーの長期滞留等は不
均一な重合となり分子量分布を広げるので好ましくな
い。
リマーの形状については特に制限はないが、大きな塊状
のものは反応速度が遅くかつ取扱が面倒であり、均一な
重合が起こりにくく、分子量分布が広がるので好ましく
なく、ペレット状、ビーズ状、顆粒状、粉末状などの形
状のものが好適である。また、結晶化後の固体状のプレ
ポリマーを適当な大きさに破砕したものも好ましく用い
られる。この場合の平均粒径が10μm〜5mmの範囲
であると、得られる本発明の結晶性粉体が粉体成形に適
した平均粒径をもつので好ましい。
び反応時間については、プレポリマーの分子量、結晶化
度、Tm、形状、触媒の有無、必要とする到達分子量な
どによって異なるが、通常反応温度はTg(ガラス転移
点)以上であって、結晶が溶融融着しないような温度以
下の範囲で選ばれる。好ましくは150〜230℃であ
る。
である。この範囲より短いと分子量を上げる効果が小さ
く、この範囲より長いと重合中のポリマーの劣化が生じ
好ましくない。好ましい範囲は3時間〜50時間であ
る。該固相重合反応は触媒なしでも進行させることがて
き、これが最も好ましい実施態様であるが、本発明の粉
体の特長のうちの、特に耐加水分解性を低下させない範
囲で、さらに反応速度を高める目的で触媒を使用するこ
ともできる。
ば、通常、生成するプレポリマー中に触媒が残存するの
で、新たに触媒を加える必要もないが、何らかの理由で
触媒が除去されたり、活性が低下している場合もあるの
で、その際には必要に応じて適当な触媒を加えることも
できる。この場合、液体又は気相状態にした触媒成分を
プレポリマーに加えることも好ましい方法である。この
ような触媒成分としては、予備重合工程で用いることの
できる前記のようなものを挙げることができる。このよ
うに固相重合を実施することにより、結晶性プレポリマ
ーの重合度を上げ、Mwが40000以上の高分子量芳
香族ポリカーボネートが得られる。
融成形、特に押出成形、ブロー成形に適したものである
が、溶媒を用いたキャスト成形を行なうことも当然可能
である。該ポリカーボネート及びその組成物に、公知の
種々の添加剤を加えることが出来る。これらは例えば、
耐候安定剤、離型剤、難燃剤、充填剤(シリカ、カーボ
ンブラック、ガラス繊維、炭酸繊維等)、顔料、染料等
が挙げられる。
するが、本発明はこれらの例によってなんら限定される
ものではない。
プロパン13.0kgとジフェニルカーボネート12.
9kgを用い、230℃で3.5時間N2 を100Nl
/Hr流した後1.5時間かけて減圧度を3mmHgま
で下げ、その圧力で1時間攪拌することにより、非晶質
プレポリマーを得た。このプレポリマーは、Mw=81
00であり、全末端に対するヒドロキシ末端の割合は4
8%であった。この非晶質プレポリマーを溶融状態23
0℃でダイスより押し出し、アンダーウォーターカット
造粒を行い、約3mm径の非晶性プレポリマーペレット
を得た。
/Hr、0.8kg/Hrの量比で、同方向2軸混練機
に投入し連続的に機械的粉砕を行った。得られた粉体
は、平均粒径300μm、比表面積が2.4m2/g、
結晶化度が23%の結晶性プレポリマーであった。な
お、結晶化度は、粉末X線回折法により特開平1−15
8033号公報に記載の方法で測定した。得られた結晶
性プレポリマーを小型押出機〔不二パウダル(株)製、
EXKF−1型ペレッター〕で成形し、2mm径、平均
長3mmのペレットを作製した。このペレットを120
℃で2時間乾燥した。
ルターを備えた内径50mmのガラス製ガス流通式重合
器に仕込み、N2 ガスを150Nl/Hrフィードして
常圧、220℃で固相重合を行った。重合時間6時間で
Mw45000の高分子量芳香族ポリカーボネートを得
た。測定結果を表1にまとめて示した。
例1と同様にして重合を行ない、Mw65000の高分
子量芳香族ポリカーボネートを得た。測定結果を表1に
まとめて示した。
用いた以外は実施例2と同様にしてMw83000の高
分子量芳香族ポリカーボネートを得た。得られた非晶質
プレポリマーはMw=8050、全末端に対するヒドロ
キシ末端の割合が53%であった。測定結果を表1に示
した。
ット化せずに120℃で2時間乾燥したこと、及び固相
重合時間を10時間とした以外は、実施例3と同様にし
てMw97000の高分子量芳香族ポリカーボネートを
得た。測定結果を表1に示した。
固相重合時のN2 ガスの量を250Nl/Hrとした以
外は実施例3と同様に重合を行ない、Mw131000
の高分子量芳香族ポリカーボネートを得た。測定結果を
表1に示した。
従い、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ンとホスゲンからMw45000の高分子量芳香族ポリ
カーボネートを得た。測定結果を表1に示した。
フェニル)−1,3,5−トリイソプロピルベンゼンを
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンに対
して0.6モル%用いた以外は比較例1と同様にしてM
w253,000の高分子量芳香族ポリカーボネートを
得た。測定結果を表1に示した。
量を変えた以外は、実施例1と同様にしてMw8500
0の高分子量芳香族ポリカーボネートを得た。測定結果
を表1に示した。
Mw8150の非晶性プレポリマーを得た。該非晶性プ
レポリマー100gをN2 下190℃で3時間攪拌を行
ない、溶融結晶化を行なった。得られた結晶性プレポリ
マーの、結晶化度27%全末端に対するヒドロキシ末端
の割合は51%であった。該結晶性プレポリマーを乳鉢
で粉砕した。得られた粉体をN2 ガス量200Nl/H
r、225℃、重合時間を25時間とした以外は、実施
例1と同様に固相重合を行ない、Mw115000の高
分子量芳香族ポリカーボネートを得た。測定結果を表1
に示した。
該ポリカーボネートに対して、以下の安定剤を所定量添
加したものを用いた。ビス−ノニルフェニルハイドロゲ
ンホスファイト 10ppmトリス(2,4−
t−ブチルフェニル)ホスファイト 200ppm表
2に、実施例、比較例の結果を更に明確にするために、
本発明の特許請求の範囲内に入る場合を○で、特許請求
の範囲外になる場合を×で表わした。
流動性が非常に悪いことを示している。 比較例1〜3は、塩素原子が残存しており、MI測定後
のポリマーは着色し、かつ分子量低下が起こっていた。
その結果を表3に示した。なお着色は、明細書中に記載
の方法で測定を行ない、400nmでの吸光度の値を求
めた。
ト及びその組成物は、溶融流動性が優れており、かつ高
温での成形において、分子量低下や着色がなく、かつ溶
融張力が高いものである。押出成形、ブロー成形等に特
に適したポリカーボネートである。
Claims (3)
- 【請求項1】 下記化1で表わされる繰返し単位からな
り、重量平均分子量(Mw)が40000以上の高分子
量芳香族ポリカーボネートであって、 【化1】 (1) 分子量2000以下の部分が、全重合体に対し
て1.0重量%以下、 (2) 分子量300000以上の部分が、全重合体に
対して5.0重量%以下、 (3) 分子量分布(Mw/Mn)がMw/Mn≦3.
6×10-5×Mw+1.38の範囲、(ただし、Mw,M
nはそれぞれ重量平均分子量、数平均分子量を表わ
す。) (4) Mw/Mpの値がMw/Mp≦1.5の範囲、
〔ただしMpはゲルパーミエーションクロマトグラフィ
ー(GPC)で測定したクロマトグラムのピークトップ
の分子量を表わす。〕 (5) 実質上塩素原子を含まない、ことを満足してい
ることを特徴とする高分子量芳香族液ポリカーボネー
ト。 - 【請求項2】 請求項1記載の高分子量芳香族ポリカー
ボネート 100重量部とリン系安定剤 0.0001
〜0.5重量部とからなる高分子量芳香族ポリカーボネ
ート組成物。 - 【請求項3】 メルトインデックス値(MI)がlog
MI≧−1.33×10-5×Mw+0.50を満たす
ことを特徴とする請求項1記載の高分子量芳香族ポリカ
ーボネート又は請求項2記載の高分子量芳香族ポリカー
ボネート組成物。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03131416A JP3124786B2 (ja) | 1991-06-03 | 1991-06-03 | 高分子量芳香族ポリカーボネート |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
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---|---|
JPH04359017A JPH04359017A (ja) | 1992-12-11 |
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ID=15057458
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP03131416A Expired - Lifetime JP3124786B2 (ja) | 1991-06-03 | 1991-06-03 | 高分子量芳香族ポリカーボネート |
Country Status (1)
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---|---|
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---|---|---|---|---|
US6060576A (en) * | 1999-01-28 | 2000-05-09 | General Electric Company | Method for preparing copolycarbonates of enhanced crystallinity |
-
1991
- 1991-06-03 JP JP03131416A patent/JP3124786B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPH04359017A (ja) | 1992-12-11 |
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