JP3124303B2 - 半導体装置とその製造方法 - Google Patents

半導体装置とその製造方法

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JP3124303B2
JP3124303B2 JP2242091A JP2242091A JP3124303B2 JP 3124303 B2 JP3124303 B2 JP 3124303B2 JP 2242091 A JP2242091 A JP 2242091A JP 2242091 A JP2242091 A JP 2242091A JP 3124303 B2 JP3124303 B2 JP 3124303B2
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thin film
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insulating film
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芳和 小島
博昭 鷹巣
邦博 高橋
信義 松山
均 丹羽
朋之 吉野
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セイコーインスツルメンツ株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体装置とその製造方
法に関し、特にトランジスタ素子が集積的に形成された
薄膜積層とこれを支持する為の支持層とからなる構造を
有する半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図2に従来の半導体装置の部分断面図を
示す。図示する様に、一般的に半導体装置はシリコンか
らなる単結晶半導体基板101を用いて形成される。即
ち、単結晶半導体基板101の表面に対して、不純物拡
散や成膜を行ないトランジスタ素子等を集積的に高密度
で形成するものである。図2に示す例においては、単結
晶半導体基板101の上に絶縁ゲート電界効果型トラン
ジスタが形成されている。トランジスタが形成される素
子領域はフィールド絶縁膜102によって囲まれてい
る。素子領域には不純物ドーピングによって形成された
ソース領域103とドレイン領域104とが設けられて
いる。ソース領域103とドレイン領域104との間に
はトランジスタのチャネル形成領域105が形成されて
いる。このチャネル形成領域105の上にはゲート酸化
膜106を介してゲート電極107が配設されている。
これらゲート電極107、ソース領域103及びドレイ
ン領域104等から構成されるトランジスタ素子は層間
絶縁膜108によって被覆されている。層間絶縁膜10
8に形成されたコンタクトホールを介してソース電極1
09及びドレイン電極110が配設されており個々のト
ランジスタ間の配線を行なう。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の半導体
装置は、単結晶半導体基板101の一面に対して順に不
純物ドーピング処理や成膜処理を行ないトランジスタ素
子を形成している。加工処理は常に一面側からのみ行な
われ順次膜が積層される。従って、一旦下側の層に対し
て処理が行なわれその上に上側の層が重ねられると、も
はや下側の層に対して追加の加工処理を行う事ができな
くなり、工程設計に種々の制約が生ずるという問題点が
ある。
【0004】半導体基板101は互いに対向する表面及
び裏面を有するにも拘らず、従来の半導体装置は、半導
体基板101の表面側のみを利用して形成されている。
従って、集積回路の配線は表面側にのみ集中して行なわ
れ、裏面側は全く活用されていない。この為、配線密度
に自ずから面積的な制限が生じ、集積回路の一層の高密
度化が期待できないという問題点がある。仮に、半導体
基板の裏側を配線面として利用する事ができれば、集積
密度を実効的に2倍に上げる事が可能である。しかしな
がら、従来の構造においてはかかる両面配線は不可能で
ある。
【0005】集積密度を上げる為に、半導体基板の一面
に対して多層配線を行なう事も提案されている。しかし
ながら、多層配線を繰り返し行なうと半導体基板表面の
平坦度が悪くなる為、段差部におけるオープン欠陥やそ
の他ショート欠陥が生じ易くなるという問題点がある。
【0006】従来の構造においては、単結晶半導体基板
の表面に対してトランジスタ素子を直接集積形成する構
造となっている。従って、単結晶半導体基板とその上に
集積形成されたトランジスタ素子とは一体不可分の関係
にある。換言すると、集積回路は常に単結晶半導体基板
によって支持される構造となっている。しかしながら、
半導体装置の使用目的によっては、単結晶半導体基板を
支持基板として用いる事が不適当である場合も少くな
い。従来の構造においては、支持基板を自由に選定する
事ができないので、半導体装置の応用範囲に融通性がな
いという問題点がある。
【0007】上述した従来の技術の様々な問題点に鑑
み、本発明は、両面からの加工が可能であり、両面配線
を行なう事ができ、平坦な表面を有するとともに、支持
基板の自由な選択が可能な構造を有する半導体装置を提
供する事を目的とする。併せて、かかる改良された構造
を有する半導体装置の製造方法を提供する事を目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】図1を参照して課題を解
決する為の手段を説明する。図1は本発明にかかる半導
体装置の基本的な構造を示す部分断面図である。図示す
る様に、本発明にかかる半導体装置は、トランジスタ素
子が集積的に形成された薄膜積層1と、該薄膜積層1を
支持する為の支持層2とを有する。該薄膜積層1は、電
極の形成が可能な平坦面を有する表面絶縁膜3を有して
いる。この表面絶縁膜3の下側には単結晶半導体薄膜4
が配置されている。この単結晶半導体薄膜4には個々の
トランジスタ素子のチャネル形成領域5が形成されてい
るとともに、これに連接してソース領域6及びドレイン
領域7も形成されている。この単結晶半導体薄膜4の下
側には、ゲート酸化膜8を介してトランジスタ素子のゲ
ート電極9を構成する中間電極膜が配設されている。さ
らに、該中間電極膜の下側には裏面層膜10が配設され
ている。裏面層膜10にはソース領域6及びドレイン領
域7に挿通するコンタクトホールが形成されており、こ
のコンタクトホールを介してソース電極11及びドレイ
ン電極12が配設されている。これらソース電極11及
びドレイン電極12は裏面層膜10の一面に渡って配線
加工されている。なお、裏面層膜10はトランジスタ素
子が形成される素子領域を囲むフィールド絶縁層13や
ゲート電極9を被覆する絶縁層等から構成されている。
以上に説明した薄膜積層1は、支持層2によって支持さ
れている。即ち、この支持層2は裏面層膜10に対して
面接着固定されている。
【0009】好ましくは、該支持層2は裏面層膜10に
塗布された接着剤の膜14と、この接着剤膜14によっ
て面接着固定された支持基板15とからなる二層構造を
有している。あるいは、該支持層2は、接着剤で成形さ
れた単層構造としてもよい。この面接着固定に用いられ
る接着剤は例えば二酸化シリコンを主成分をする流動性
の材料を用いる事ができる。接着剤の熱処理中に発生す
る気体を逃がす為に支持基板15に透孔を予め形成して
おいてもよい。さらに、支持基板15の材料としてはシ
リコン等の半導体の他に、石英ガラス等の光学的に透明
な材料を自由に選択する事ができる。
【0010】薄膜積層1に集積的に形成された個々のト
ランジスタ素子は、ゲート電極9に対して自己整合的な
関係で単結晶半導体薄膜4に形成されたソース領域6及
びドレイン領域7を有する。チャネル形成領域5、ソー
ス領域6及びドレイン領域7の形成された単結晶半導体
薄膜4の上側に位置する表面絶縁膜3は平坦面を有して
いる為必要に応じて種々の電極を自由に形成する事が可
能である。例えば、ドレイン領域7に対向配置して表面
絶縁膜3の上に対向電極を形成する事により容量素子を
作り込むができる。この様にすれば、DRAM構造を有
する半導体装置を得る事ができる。あるいは、ドレイン
領域7に対して電気接続され且つ画素を構成する様に該
表面絶縁膜3の上に透明電極を形成する事ができる。か
かる構造を有する半導体装置は光弁用駆動基板をして応
用可能である。さらには、表面絶縁膜3を挿通する様に
設けられたコンタクトホールを介して、個々のトランジ
スタ素子の端子部に導通する様に該表面絶縁膜3の上に
配線電極を形成してもよい。この様にすれば、集積回路
の配線を薄膜積層1の両面で行なう事ができ実効的な配
線密度を向上できる。あるいは、単結晶半導体薄膜4に
形成された個々のトランジスタ素子のチャネル形成領域
5を少くとも被覆する様に、該表面絶縁膜3の上に光リ
ーク防止用の遮光膜を形成する事もできる。さらには、
単結晶半導体薄膜4に形成された個々のトランジスタ素
子のチャネル形成領域5に整合する様に、該表面絶縁膜
3の上に追加のゲート電極を形成する事ができる。チャ
ネル形成領域5を対向する一対のゲート電極で制御する
事により、トランジスタの性能が向上する。又、表面絶
縁膜3の上に外部接続用のパッド電極を形成する事がで
きる。このパッド電極は比較的大面積を有するので、裏
面側の集積回路配線から分離して表面側に配設する事に
より集積回路の実装密度を実質的に改善できる。
【0011】単結晶半導体薄膜4に形成されたチャネル
形成領域5に対して、表面絶縁膜3の側から加工処理を
行なう事ができる。例えば、表面絶縁膜3を介して選択
的に不純物を該チャネル形成領域5に導入する事によ
り、チャネル形成領域5の導電率を個々に選択的に設定
する事が可能である。この様にして、MROM構造を有
する半導体装置を得る事ができる。
【0012】次に、図1に示す基本構造を有する半導体
装置の製造方法を説明する。先ず最初に、仮基板の上に
絶縁膜を介して積層された単結晶半導体薄膜を有するS
OI基板を形成する第1工程を行なう。次に、該単結晶
半導体薄膜に対して半導体集積回路を形成する第2工程
を行なう。続いて、形成された集積回路の表面に対して
該仮基板と反対側に支持基板を面接着固定する第3工程
を行なう。さらに、該仮基板を除去し、平坦な絶縁膜を
露出する第4工程を行なう。最後に、該露出した平坦な
絶縁膜の表面に対して少くとも電極形成を含む処理を行
なう第5工程を実施する。
【0013】好ましくは、該第1工程において、先ずシ
リコンからなる仮基板の上に二酸化シリコンからなる絶
縁膜を介して単結晶シリコンからなる半導体基板を熱圧
着により固定する。その後、該半導体基板を研摩して薄
膜化しSOI基板を形成する。絶縁膜を形成する際に
は、シリコン仮基板の上に先ず下地処理として窒化シリ
コン層を堆積し、続いてCVDにより二酸化シリコン層
を堆積する事が好ましい。このCVD二酸化シリコン層
は半導体基板に対して接着性に優れており、半導体基板
を強固に熱圧着固定する事ができる。下地処理として堆
積された窒化シリコン層は後工程でエッチングストッパ
としての役割を果たす。即ち、上述した第4工程を行な
う際、この窒化シリコン層をエッチングストッパとして
仮基板をエッチングにより除去する事ができる。この結
果、平坦な絶縁膜が露出する。
【0014】上述した第3工程は、例えば二酸化シリコ
ンを主成分とする流動性の接着剤を用いて、支持基板を
半導体集積回路の表面に面接着固定する事により行なわ
れる。あるいは、半導体集積回路の表面に対して接着剤
を多量に供給し固化して単層構造を有する支持基板を設
ける様にしてもよい。
【0015】
【作用】本発明にかかる半導体装置においては、薄膜積
層にトランジスタ素子が集積的に形成されている。この
薄膜積層の裏面側にトランジスタ素子の配線パタンを形
成するとともに、その表面側は平坦な露出面となってい
る。従って、この平坦な露出面に対して種々の電極を設
計仕様に応じて適宜追加形成する事ができる。いわゆる
両面配線が可能となり半導体装置の集積密度が高くな
る。個々のトランジスタ素子のチャネル形成領域は単結
晶半導体薄膜に設けられており、これを被覆する様に表
面絶縁膜が形成されている。この表面絶縁膜を介して単
結晶半導体薄膜に対して追加の加工処理を行なう事が可
能である。いわゆる両面加工が可能となり半導体製造プ
ロセスの工程設計の自由度が増す。薄膜積層の裏面側に
は接着剤膜を介して支持基板が面接着固定されている。
従って、支持基板の材質及び形状を設計仕様に応じて自
由に選択する事ができる。
【0016】かかる多くの利点を有する半導体装置はS
OI基板を利用する事により製造される。先ず、SOI
基板に対して通常の半導体製造プロセスを駆使し薄膜ト
ランジスタ素子群を形成する。この素子群が形成された
SOI基板の表面に接着剤を用いて支持基板を面接着固
定する。この後、SOI基板を除去する事により平坦な
絶縁膜面を露出させるのである。この様に、薄膜トラン
ジスタ素子群をSOI基板から支持基板に転写する事に
より容易に両面加工及び両面配線の可能な半導体装置を
得る事ができる。
【0017】SOI基板を用いる事により、従来の単結
晶シリコンウェハの場合と同様に、LSI製造技術を駆
使する事が可能となり、極めて微細な薄膜トランジスタ
素子を形成する事ができる。SOI基板は、前述した様
に仮基板の上に絶縁膜を介して例えばシリコンからなる
単結晶半導体薄膜を積層した構造を有する。この単結晶
半導体薄膜は多結晶半導体薄膜あるいは非晶質半導体薄
膜に比べて物理的特性が優れておりLSI製造に適して
いるのである。仮に、多結晶シリコン薄膜を用いると、
その結晶粒子の大きさが数μm程度であるため、必然的
に薄膜トランジスタ素子の微細化が制限される。加え
て、多結晶シリコン薄膜の成膜温度は600℃程度であ
り、1000℃以上の高温処理を要する微細化技術ある
いはLSI製造技術を十分に活用する事は難しい。又、
非晶質シリコン薄膜を用いた場合には、その成膜温度が
300℃程度である為、LSI製造技術に必要な高温処
理を実施する事ができない。これに対して、単結晶シリ
コン薄膜は結晶の一様性に優れているとともに、熱的に
安定である為高温処理が自由に行なえ微細な単結晶薄膜
トランジスタ素子を形成できるとともに、多結晶シリコ
ン薄膜や非晶質シリコン薄膜に比べて大きな電荷移動度
を有している為高速応答性に優れたトランジスタ素子を
得る事ができる。
【0018】
【実施例】以下図面を参照して、本発明の好適な実施例
を詳細に説明する。図3は、集積回路配線と外部接続用
のパッド電極を上下両面に分離して設けた実施例を示
す。図示する様に、薄膜積層1には個々の絶縁ゲート電
界効果型トランジスタ素子が集積形成されている。トラ
ンジスタ素子のチャネル形成領域5、ソース領域6及び
ドレイン領域7は共通の単結晶シリコン薄膜4に形成さ
れている。この単結晶シリコン薄膜4は平坦な面を有す
る表面絶縁膜3によって被覆されている。チャネル形成
領域5の下側にはゲート酸化膜8を介してゲート電極9
が配設されている。ゲート電極9の下側には裏面層膜1
0が設けられている。この裏面層膜10は例えばゲート
電極9を被覆し保護する為の層間絶縁膜から構成されて
いる。さらに、トランジスタ素子を囲む様にフィールド
絶縁膜13が形成されている。この裏面層膜10にはコ
ンタクトホールが開口しておりこれを介してソース領域
6に導通するソース電極11及びドレイン領域7に導通
するドレイン電極12が形成されている。これらソース
電極11及びドレイン電極12は所定のパタンに従って
配線されており個々のトランジスタ素子間を裏面層膜1
0の一面に沿って連結している。裏面層膜10の一面に
は接着剤膜14を介して支持基板15が面接着固定され
ており、薄膜積層1を支持している。
【0019】薄膜積層1の一部分にはスルーホール21
が形成されている。このスルーホール21はフィールド
絶縁膜13を選択的にエッチング加工する事により形成
できる。スルーホール21を介してドレイン電極12に
電気接続するパッド電極22が、表面絶縁膜3の上に形
成されている。このパッド電極22は半導体装置と外部
回路との電気的接続をとる為のものであり、例えばこの
パッド電極22に対してワイヤボンディングが行なわれ
る。その為、パッド電極の寸法は例えば100μm角程
度であり、トランジスタ素子の寸法に比べて著しく大き
い。この様に、特に大面積を占めるパッド電極を集積回
路の裏面側配線から分離して表面側に形成する事によ
り、裏面側の面積を有効に活用できる。又、パッド電極
は極めて平坦性に優れた表面絶縁膜3の上に金属アルミ
ニウム等の真空蒸着を用いて強固に形成できる。従っ
て、信頼性に優れたワイヤボンディングを行なう事がで
きる。
【0020】図4に本発明にかかる半導体装置の第2の
実施例を示す。図3に示す実施例と同一の構成要素につ
いては同一の参照番号を付し理解を容易にしている。本
実施例においては、先に形成されたゲート電極9に加え
て、追加のゲート電極23を設けている。追加のゲート
電極23は単結晶シリコン薄膜4に形成されたチャネル
形成領域5に整合する様に、表面絶縁膜3の上にパタニ
ング加工されている。この結果、チャネル形成領域5は
上下方向から一対のゲート電極9及び23によってその
導通状態が制御される。かかる構造にすると、トランジ
スタ素子の閾値電圧が実質的に単結晶シリコン薄膜4の
材料特性のみによって定まり、その他の寸法形状ファク
タ等の影響を受け難くなりバラツキが小さくなる。又、
チャネル形成領域の導通状態を上下から同時に制御する
事により、トランジスタ素子のオン/オフ特性を著しく
向上する事ができ、大電流を得る事ができる。さらに、
従来片側だけにゲート電極を設けた場合に見られたバッ
クチャネルを有効に防止する事ができ、トランジスタ特
性が向上する。その分、チャネル形成領域のチャネル長
を従来に比して小さくできサブミクロンオーダまで微細
化が可能となる。
【0021】本発明においては、SOI基板を用いて薄
膜トランジスタ素子を形成した後、この薄膜トランジス
タ素子を支持基板15に転写して半導体装置を得てい
る。転写の結果、従来と異なりゲート電極9はチャネル
形成領域5の下側に位置するとともに、チャネル形成領
域5の上側は追加の加工処理の為に開放されている。か
かる構造である為、追加のゲート電極23が極めて容易
に形成できるのである。
【0022】上述した様に、本発明はSOI基板を用い
ており、単結晶シリコン薄膜に対してトランジスタ素子
を形成している。単結晶シリコン薄膜は多結晶シリコン
薄膜或いは非晶質シリコン薄膜に比べて微細加工性や高
速応答性の点で優れている一方、チャネル形成領域に光
リーク電流が比較的多く流れるという欠点を有してい
る。この光リーク電流はトランジスタ素子のオフセット
電流を増加させオン/オフ特性を悪化させる。この光リ
ーク電流の発生を防止する為、追加されたゲート電極2
3は遮光特性を有する遮光膜である事が好ましい。例え
ば、表面絶縁膜3の平坦面に対して全面的に金属アルミ
ニウムを堆積した後、所定のパタニングを行ない追加の
ゲート電極23を形成する事により、有効な遮光膜を得
る事ができる。
【0023】図5は本発明にかかる半導体装置の第3の
実施例を示す。同様に、本実施例の理解を容易にする為
に、先の実施例と同一の構成要素には同一の参照番号を
付している。本実施例はいわゆるDRAM構造を有する
半導体装置に関する。図示する様に、単結晶シリコン半
導体薄膜4に形成された個々のトランジスタ素子のドレ
イン領域7に対向して、表面絶縁膜3の上には対向電極
24がパタニング形成されている。ドレイン領域7と対
向電極24との間に表面絶縁膜3からなる誘電体層が介
在した構造となり、容量素子を構成する。即ち、集積形
成された個々のトランジスタ素子に対応して情報記録用
の容量素子が結合した形となりDRAMが得られる。本
発明によれば、表面絶縁膜3の平坦面に対して単に対向
電極をパタニング形成する事により簡単にDRAMが得
られるのである。ゲート電極9に電圧を印加しチャネル
形成領域5を導通状態にした後、ソース領域6からドレ
イン領域7に電荷を供給し続いてチャネル形成領域5を
非導通状態にする。この結果供給された電荷は容量素子
に記憶情報として一時的に蓄えられる。この様にして情
報の書き込みが行なわれる。書き込まれた情報を読み出
すには、チャネル形成領域5を再び導通状態にして、一
旦蓄積された電荷をソース領域6に導きその電荷量を検
出すればよい。
【0024】図6は本発明にかかる半導体装置の第4の
実施例を示す。本実施例においては、トランジスタ素子
の端子電極即ちソース電極及びドレイン電極の一方が、
裏面側にではなく、表面側に設けられている。この様
に、トランジスタ素子の配線を薄膜積層1の上下に分割
化する事により、各々の面における配線密度を向上する
事ができる。従来の様に、一面側にのみトランジスタ素
子の電極配線を集中させると、自ずから配線密度に限界
が生じ個々のトランジスタ素子の微細化を阻害する事と
なる。本実施例においては、ソース電極11の配線が裏
面側に導かれる一方、ドレイン電極25は表面絶縁膜3
に開口されたコンタクトホール26を介して表面側に設
けられている。前述した様に、本発明にかかる半導体装
置はSOI基板から薄膜トランジスタ素子を支持基板に
転写して得られるので、単結晶シリコン薄膜4に形成さ
れたドレイン領域7は表面絶縁膜3を介して表面側に位
置する事となる。従って、この表面絶縁膜3を介して極
めて容易に電極接続をとる事ができる。この様に、集積
回路の両面配線が行なえるので、従来に比し大容量化が
可能となる。
【0025】図7は本発明にかかる半導体装置の第5の
実施例を示している。本実施例は、前述した実施例と異
なり、単層構造を有する支持層2を用いている。この支
持層2は、半導体集積回路が形成されている薄膜積層1
の裏面側に対して、接着剤を多量に供給し且つ固化して
成形する事ができる。先の実施例と異なり、本実施例に
おいては別体の支持基板を用いる必要がないので、製造
コストを低減する事ができるとともに、半導体装置全体
の厚みを薄くする事ができる。かかる構造を有する半導
体装置はシート状である為、例えばICカードに実装す
るのに適している。
【0026】図8は本発明にかかる半導体装置の第6の
実施例を示す部分断面図である。図8は本実施例の理解
を容易にする為に先の各図と上下関係が逆の配置で描か
れている。又、理解を容易にする為に半完成品の状態を
表わしている。図示する様に、半完成品の状態では、S
OI基板27が残っている。このSOI基板27はトラ
ンジスタ素子群が形成された薄膜積層1と、絶縁膜3を
介してこの薄膜積層1を仮に支持している仮基板28と
から構成されている。仮基板28の上には絶縁膜3を介
して単結晶シリコン薄膜4が堆積形成されている。この
シリコン単結晶薄膜4にトランジスタ素子のチャネル形
成領域5、ソース領域6及びドレイン領域7が形成され
ている。トランジスタ素子群が集積的に形成されたSO
I基板27の上には接着剤層14を介して支持基板15
が面接着固定される。支持基板15には予め透孔29が
所定の間隔で形成されている。この透孔29は、接着剤
膜14の熱処理中に発生する気体を逃がす為のものであ
る。仮に、かかる透孔が設けられていない場合には、接
着剤膜14の熱硬化過程において生ずる気体の逃げ場が
無くなり、均一且つ強固な支持基板15の面接着固定を
行なう事が難しくなる場合がある。又、発生した気体が
接着剤膜14の中に閉じ込められ気泡が発生すると半導
体装置の信頼性が損なわれる。そこで、本実施例におい
てはかかる不都合を取り除く為にガス抜き用の透孔が予
め支持基板15に形成されているのである。なお、接着
剤膜14を用いて支持基板15を面接着固定した後、S
OI基板27を構成する仮基板28は研摩エッチングに
より除去され、平坦な絶縁膜3が露出する。
【0027】図9は本発明にかかる半導体装置の第7の
実施例を示す部分断面図である。本実施例はいわゆるM
ROM構造に関する。MROM即ちマスクROMは、ア
レイ状に集積形成されたトランジスタ素子の個々のチャ
ネル形成領域に情報を書き込むものである。情報はチャ
ネル形成領域の導電率を選択的に設定する事により書き
込まれる。図示する様に、本発明においてはSOI基板
にトランジスタ素子を集積的に形成した後、半導体装置
を支持基板15に転写した構造となっている。この為、
従来の半導体装置と異なり、ゲート電極9は単結晶シリ
コン薄膜4に形成されたチャネル形成領域5の下側に位
置する。チャネル形成領域5の上側は開放されている。
かかる構造である為、チャネル形成領域5の導電率を表
面側から選択的に設定制御する事が可能となる。具体的
には、記憶すべき情報パタンに従って、表面絶縁膜3の
上にレジスト膜30をパタニング形成する。この結果、
個々のトランジスタ素子の素子領域は選択的にマスクさ
れる。この後、半導体装置の表面側に対して全面的にイ
オン注入を行なうと、マスクされていない素子領域にの
み選択的に不純物イオンが注入され、チャネル形成領域
5の導電率が増加する。この様にして、トランジスタ素
子アレイに情報が書き込まれる。この情報を読み出すに
は、ゲート電圧9に所定の電圧を印加し、ソース電極1
1とドレイン電極12との間に生ずる電位差を検出すれ
ばよい。
【0028】本実施例によれば、情報の書き込みは半導
体装置製造工程の最終段階で行なわれる。従って、情報
書き込みを行なう前の半完成品を予め大量に製造してお
く事が可能である。要求仕様に応じて、最後に情報書き
込み処理を行なう事により、極めて効率的な製造管理を
行なう事ができる。
【0029】図10は本発明にかかる半導体装置の第8
番目の実施例を示す模式的部分断面図である。本実施例
は、光弁用基板として用いられる半導体装置に関する。
半導体装置からなる光弁用基板31は、図示する様にト
ランジスタ素子群が集積的に形成された薄膜積層1と、
透明支持基板15と、この両者を互いに面接着固定する
為の接着剤膜14とから構成されている。個々のトラン
ジスタ素子は、絶縁ゲート電界効果型トランジスタから
なり、単結晶シリコン薄膜4に形成されたチャネル形成
領域5、ソース領域6及びドレイン領域7と、チャネル
形成領域5の下側にゲート酸化膜8を介して配設された
ゲート電極9とから構成されている。単結晶シリコン薄
膜4を被覆する様に表面絶縁膜3が配設されている。こ
の表面絶縁膜は極めて平坦な面を有している。この平坦
な面には、個々のトランジスタ素子に対応して画素を構
成する透明電極32が配設されている。この透明電極3
2は表面絶縁膜3に開口されたコンタクトホール33を
介して対応するトランジスタ素子のドレイン領域7に電
気接続されている。トランジスタ素子は透明電極32に
対するスイッチとして機能し、ゲート電極9に所定の電
圧を印加しチャネル形成領域5を導通状態にするととも
に、ソース電極11に所定の駆動電圧を印加する事によ
り、透明電極32を駆動するのである。透明電極32は
極めて平坦な表面絶縁膜3の上に形成されるので優れた
平滑性と寸法精度を有している。透明電極32及び対応
するトランジスタ素子あるいはスイッチング素子が形成
された薄膜積層1は接着剤膜14を介して透明支持基板
15により支持されている。光弁用基板として用いる場
合、入射光の透過制御を行なう為に、半導体装置は光学
的に透明である必要がある。従って、本実施例において
は支持基板15は例えば石英ガラス等の透明材料により
構成され、接着剤膜14も透明な材料で構成される。そ
れ故、透明電極32、接着剤膜14及び透明支持基板1
5からなる積層構造は全体としても透明であり、画素毎
に光弁機能を奏する事ができる。
【0030】かかる構造を有する光弁用基板31に対し
て、所定の間隙を介して対向基板34が対向配置されて
いる。この対向基板34はガラス材料からなり、その内
側表面には共通電極35が形成されている。光弁用基板
31と対向基板34との間には電気光学物質層例えば液
晶層36が充填されており、画素毎に入射光の光学変調
を行なう。即ち、画素を構成する透明電極32と共通電
極35との間に印加される駆動電圧の大きさに応じて入
射光に対する透過率が変化し光弁機能を奏する。電気光
学物質層として液晶層36を用いた場合には、一様な光
弁機能を得る為に、液晶層36の層厚を極めて均一に制
御する必要がある。この場合、光弁用基板31の最上部
に位置する表面絶縁膜4は極めて平坦な面を有している
ので、均一な層厚を得る事が容易である。加えて、液晶
層36を用いる場合には、一般的に配向処理を施す必要
があるが、光弁用基板31の表面が平滑性に優れている
ので、均一な配向処理を行なう事ができる。
【0031】最後に図11ないし図14を参照して本発
明にかかる半導体装置の製造方法を詳細に説明する。図
11は半導体装置製造方法の第1工程を示す工程図であ
る。この工程において、先ずSOI基板37が用意され
る。このSOI基板は、仮基板38の上に絶縁膜3を介
して積層された単結晶半導体薄膜4を有している。この
薄膜4は例えば単結晶シリコンから構成されている。
【0032】かかる構造を有するSOI基板37は、例
えば絶縁物質あるいは半導体物質からなる仮基板38の
表面に化学気相成長法等を用いて多結晶シリコン薄膜を
堆積させた後、レーザビーム照射等により加熱処理を施
し多結晶膜を再結晶化し単結晶構造に転換して得る事が
できる。しかしながら、一般に多結晶の再結晶化により
得られた単結晶は必ずしも一様な結晶方位を有しておら
ず又格子欠陥密度が比較的大きい。これらの理由により
再結晶化の方法により製造されたSOI基板に対してシ
リコンウェハと同様に微細化技術あるいはLSI製造技
術を適用するにはある程度制限が生じる。この点に鑑
み、本実施例においては半導体製造プロセスで広く用い
られているシリコンウェハと同程度の結晶方位の一様性
及び低密度の格子欠陥を有する単結晶シリコン薄膜4を
仮基板38の上に形成する様にした。以下に、その方法
を具体的に説明する。
【0033】先ず単結晶シリコン板と仮基板38が用意
される。仮基板38は例えばシリコン材料から構成され
ている。一方、単結晶シリコン板は例えばLSI製造に
用いられる高品質のシリコンウェハを用いる事が好まし
く、その結晶方位は〈100〉0.0±1.0の範囲の
一様性を有し、その単結晶格子欠陥密度は1cm2 当り5
00個以下である。この単結晶シリコン板の裏面は平坦
化処理が施されている。一方、仮基板38の表面には絶
縁膜3が形成される。この絶縁膜3は例えば化学気相成
長法あるいはCVDを用いて二酸化シリコンを堆積する
事により行なわれる。なお、CVDにより二酸化シリコ
ン層を堆積する前に、下地処理として仮基板38の表面
に窒化シリコン層を堆積する事が好ましい。かかる堆積
処理により形成された絶縁膜3は同様に平坦な面を有す
る。
【0034】次に、平坦な面を有する単結晶シリコン板
及び仮基板38を絶縁膜3を介して重ね合わせ加熱する
事により両板部材を互いに熱圧着する。この時、両板部
材に対して接着性の優れた二酸化シリコンからなる絶縁
膜3を介して熱圧着処理が行なわれるので、両板部材は
互いに強固に固着される。
【0035】続いて、単結晶シリコン板の表面を研摩す
る。この結果、絶縁膜3の上には所望の厚さまで研摩さ
れた単結晶シリコン薄膜4が形成される。従って、シリ
コンからなる仮基板38と単結晶シリコン薄膜4とを有
するSOI基板37が図11に示す様に得られる。な
お、単結晶シリコン板を薄膜化する為に研摩処理に代え
てエッチング処理を用いてもよい。この様にして得られ
た単結晶シリコン薄膜4はシリコンウェハの品質が実質
的にそのまま保存されるので、結晶方位の一様性や格子
欠陥密度に関して極めて優れた半導体基板材料を得る事
ができる。
【0036】次に、図12を参照して本発明にかかる半
導体装置製造方法の第2工程を説明する。この工程にお
いて、単結晶シリコン薄膜4に対して半導体集積回路を
形成し薄膜積層1を得る。具体的には、先ず単結晶シリ
コン薄膜4を選択的に熱酸化し、個々の素子領域を残し
てフィールド絶縁層13に転換する。この結果、素子領
域はフィールド絶縁層13により囲まれた形状となる。
続いて、素子領域表面を熱酸化しゲート絶縁膜8を形成
する。このゲート絶縁膜8の上に中間電極膜を堆積し所
定のパタニングを行なってゲート電極9を形成する。さ
らに、ゲート電極9をマスクとして単結晶シリコン薄膜
4に対してイオンインプランテーションにより不純物注
入を行ないソース領域6及びドレイン領域7を形成す
る。この結果、ソース領域6及びドレイン領域7はゲー
ト電極9に対して自己整合的な関係で形成される事とな
る。不純物の注入されたソース領域6とドレイン領域7
との間には不純物の注入されていないチャネル形成領域
5が残される事となる。イオンインプランテーションが
完了した後、素子領域全面に保護膜10を被覆する。さ
らに、保護膜10にコンタクトホールを開口し、ソース
領域6に接続されるソース電極11及びドレイン領域7
に導通するドレイン電極12を形成する。この結果、保
護膜10及びフィールド絶縁層13の表面に、トランジ
スタ素子群からなる集積回路の配線が行なわれる。併せ
て、ゲート電極9に対する配線も同時に行なわれる。
【0037】次に、図13を参照して本発明にかかる半
導体装置製造方法の第3工程を説明する。この第3工程
において、仮基板38の反対側に支持基板を面接着固定
する。その為に、先ず半導体集積回路が形成された薄膜
積層1の表面に接着剤を塗布して接着剤層14を形成す
る。接着剤の材料としてはポリイミド樹脂あるいはエポ
キシ樹脂を用いる事が可能である。ポリイミド樹脂は耐
熱性に優れており不純物含有量が少ない点で優れてい
る。又、エポキシ樹脂は作業性に優れており且つ強い接
着力を有する点で優れている。しかしながら、これらの
有機材料はその線膨張係数がシリコン材料と大きく異な
っており、半導体装置の使用目的によっては信頼性の点
で問題となる場合も考えられる。又、これら有機材料に
は必然的にアルカリイオンが含まれており、半導体装置
の信頼性に悪影響を及ぼす場合も考えられる。そこで、
本実施例においては、接着剤として二酸化シリコン粒子
を溶媒に分散した組成を有する流動性の無機材料を用い
た。かかる二酸化シリコン接着剤は、熱処理を施す事に
より緻密な二酸化シリコン膜を形成できる。この二酸化
シリコン膜はアルカリイオンを殆ど含んでおらず信頼性
の点で優れているとともに、その線膨張係数は基板材料
と同程度である為熱的ストレスを低減する事ができる。
この二酸化シリコン接着剤はスピナー処理、ディッピン
グ処理あるいはスプレー処理等の簡単な方法で集積回路
表面に塗布する事ができる。流動性がある為段差平滑性
に優れている。
【0038】さらに、図14に示す工程において、塗布
された接着剤膜14の上に支持基板15を張り合わせ
る。この支持基板15の材料は半導体装置の使用目的に
応じて適宜選択する事ができる。例えば、シリコンや石
英ガラスが選ばれる。この状態で、熱処理を行なう事に
より、接着剤膜14に含まれていた溶媒が飛ばされると
ともに、二酸化シリコン粒子の融合が進行し、支持基板
15とSOI基板37は互いに強固に面接着固定され
る。熱処理の施された接着剤膜14は緻密な二酸化シリ
コン膜を構成し、略熱酸化膜と同等の品質を有する。な
お、接着剤に含まれる溶媒としては無機のものと有機の
ものがある。有機のものは特に膜厚の大きな接着剤膜層
を形成する場合に適している。膜厚を相当程度大きくす
る事により、接着剤膜自身で支持基板を構成する事も可
能である。この場合には、完成した半導体装置はシート
状となり特に薄型の装置に適用可能である。
【0039】最後に、支持基板15とSOI基板37を
張り合わせた状態で、仮基板38を除去し、平坦な面を
有する絶縁膜3を露出させる。この除去処理は例えばシ
リコンからなる仮基板38をエッチングする事により行
なわれる。この際、絶縁膜3と仮基板38の界面に下地
処理として窒化シリコン層が施されているので、これが
有効にエッチングストッパとして機能する。即ち、シリ
コンと窒化シリコンとの間のエッチングレートの相違に
よって、シリコンからなる仮基板38のエッチング除去
は窒化シリコン膜に至った段階で実質的に終了する。こ
の様にして、最終的に図1に示す半導体装置を得る事が
できる。なお、図14に示す配置は理解を容易にする為
に、図1に示す配置と上下関係が逆になっている。露出
された絶縁膜3は極めて優れた平坦性を有しているとと
もに、その直下には単結晶シリコン薄膜4が位置する。
従って、この平坦な表面絶縁膜3の上に対して少くとも
電極形成を含む様々な追加処理を極めて容易に行なう事
ができるとともに、単結晶シリコン薄膜4に対しても所
望により追加の処理を容易に行なう事ができる。
【0040】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明によれば、S
OI基板に形成された集積回路を支持基板に転写した後
SOI基板を除去する構造となっている為、半導体装置
は先に配線等の施された一面の他に、露出された他面を
有している。この露出した他面は平坦な表面を有すると
ともに、その直下には単結晶半導体薄膜が位置してい
る。この露出した面に対して追加の電極形成処理あるい
は配線処理を行なう事ができるので、本発明にかかる半
導体装置は両面配線構造が可能となり、その実装密度が
従来に比べて著しく向上するという効果がある。例え
ば、集積回路の配線を上下両面に分割する事により、配
線密度は実質的に2倍となり、集積回路の微細化が可能
となる。あるいは、集積回路の形成された薄膜積層の裏
面に配線パタンを形成するとともに、表面に外部接続用
のパッド電極を形成する事により、表裏両面の有効活用
を図る事ができるという効果がある。さらには、半導体
装置の設計仕様に応じて露出した表面側に種々の電極を
追加形成する事により、多様な用途に応じた半導体装置
を極めて容易に製造する事ができるという効果がある。
例えば、画素を規定する透明電極を形成する事により光
弁駆動用の半導体装置基板が得られる。又、容量電極を
形成する事により、DRAMを簡単に作る事ができる。
さらには、追加のゲート電極を形成する事により、オン
/オフ比の優れたトランジスタ素子を有する半導体装置
を得る事ができる。加えて、この追加されたゲート電極
を遮光性の材料で構成する事により、オフセット電流の
小さなトランジスタ素子からなる半導体装置を得る事が
できる。
【0041】本発明にかかる半導体装置の構造において
は、表面絶縁膜の直下に単結晶半導体薄膜が配置されて
いる。従って、表面絶縁膜を介して追加の加工処理を施
す事が可能となり、いわゆる両面加工ができるという効
果がある。例えば、トランジスタ素子のチャネル形成領
域に対して、表面絶縁膜を介して不純物イオンを選択的
に注入する事により、極めて容易にMROMを作る事が
できる。
【0042】本発明によれば、半導体集積回路の形成さ
れた薄膜積層は接着剤膜を介して支持基板により支持さ
れている。この為、従来の様に薄膜積層とその支持基板
が一体不可分の関係にはないので、半導体装置の使用目
的等に応じて適宜支持基板材料を選択する事ができると
いう効果がある。例えば、半導体装置を光弁駆動用基板
として用いる場合には、支持基板として石英ガラス等の
透明材料を選択できる。あるいは、半導体装置をICカ
ード等に組み込む場合には、接着剤膜の厚み自体を大き
くする事により支持基板としシート状の半導体装置を容
易に得る事ができる。
【0043】本発明によれば、転写技術を用いて両面加
工及び両面配線の可能な半導体装置を製造している。従
って、何ら複雑な加工処理を要する事なく、高性能且つ
高密度な半導体装置を得る事ができるという効果があ
る。特に、SOI基板に通常のLSI製造技術を用いて
集積回路を形成した後、これを支持基板に転写する事に
より、通常のLSI製造技術を十分に活用する事ができ
るという効果がある。加えて、SOI基板の表面に形成
される単結晶半導体薄膜をシリコンウェハの熱圧着及び
研摩処理で形成する事により、結晶方位の一様性及び格
子欠陥密度において優れた基板材料を用いて半導体装置
を製造する事ができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる半導体装置の基本的な構造を示
す模式的部分断面図である。
【図2】従来の半導体装置の一例を示す模式的部分断面
図である。
【図3】本発明にかかる半導体装置の第1の実施例を示
す模式的部分断面図であり、パッド電極が配線パタンと
は反対側の面に形成されている例を示している。
【図4】本発明にかかる半導体装置の第2の実施例を示
す模式的部分断面図であり、ゲート電極がチャネル形成
領域の両側に配置されている例を示している。
【図5】本発明にかかる半導体装置の第3の実施例を示
す模式的部分断面図であり、DRAM構造の例を示して
いる。
【図6】本発明にかかる半導体装置の第4の実施例を示
す模式的部分断面図であり、半導体集積回路の配線パタ
ンが上下の両面に分割されている例を示している。
【図7】本発明にかかる半導体装置の第5の実施例を示
す模式的部分断面図であり、支持基板が単層構造を有す
る例を示している。
【図8】本発明にかかる半導体装置の第6の実施例を示
す模式的部分断面図であり、支持基板にガス抜きの為の
透孔が形成されている例を示している。
【図9】本発明にかかる半導体装置の第7の実施例を示
す模式的部分断面図であり、MROM構造を示してい
る。
【図10】本発明にかかる半導体装置の第8の実施例を
示す模式的部分断面図であり、光弁駆動用基板として用
いられる半導体装置の例を示している。
【図11】本発明にかかる半導体装置の製造方法の第1
工程を示す工程図である。
【図12】本発明にかかる半導体装置の製造方法の第2
工程を示す工程図である。
【図13】本発明にかかる半導体装置の製造方法の第3
工程を示す工程図である。
【図14】本発明にかかる半導体装置の製造方法の第3
及び第4工程を説明する為の工程図である。
【符号の説明】
1 薄膜積層 2 支持層 3 表面絶縁膜 4 単結晶半導体薄膜 5 チャネル形成領域 6 ソース領域 7 ドレイン領域 8 ゲート酸化膜 9 ゲート電極 10 裏面層膜 11 ソース電極 12 ドレイン電極 13 フィールド絶縁層 14 接着剤膜 15 支持基板 22 パッド電極 23 追加のゲート電極 24 対向電極 25 ドレイン領域 27 SOI基板 28 仮基板 29 透孔 31 光弁用基板 32 透明電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松山 信義 東京都江東区亀戸6丁目31番1号 セイ コー電子工業株式会社内 (72)発明者 丹羽 均 東京都江東区亀戸6丁目31番1号 セイ コー電子工業株式会社内 (72)発明者 吉野 朋之 東京都江東区亀戸6丁目31番1号 セイ コー電子工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−181570(JP,A) 特開 昭64−18248(JP,A) 特開 昭63−308386(JP,A) 特開 平2−96368(JP,A) 特開 平2−154232(JP,A) 特開 昭60−37767(JP,A) 特開 平1−241176(JP,A) 特開 平1−232750(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 29/786 H01L 21/336 H01L 21/762 H01L 21/8242 H01L 27/108 H01L 27/12 G02F 1/1368

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トランジスタ素子が集積的に形成された
    薄膜積層と該薄膜積層を支持する為の支持層とを有する
    半導体装置において、該薄膜積層は電極の形成が可能な
    平坦面を有する表面絶縁膜と、該表面絶縁膜の下側に位
    置しトランジスタ素子のチャネル形成領域が形成された
    単結晶半導体薄膜と、該単結晶半導体薄膜の下側に位置
    しトランジスタ素子のゲート電極を構成する中間電極膜
    と、該中間電極膜の下側に位置する裏面層膜とからなる
    積層構造を有するとともに、該支持層は、接着剤で成形
    された単層構造を有し、裏面層膜に対して面接着固定さ
    れている事を特徴とする半導体装置。
  2. 【請求項2】 トランジスタ素子が集積的に形成された
    薄膜積層と該薄膜積層を支持する為の支持層とを有する
    半導体装置において、該薄膜積層は電極の形成が可能な
    平坦面を有する表面絶縁膜と、該表面絶縁膜の下側に位
    置しトランジスタ素子のチャネル形成領域が形成された
    単結晶半導体薄膜と、該単結晶半導体薄膜の下側に位置
    しトランジスタ素子のゲート電極を構成する中間電極膜
    と、該中間電極膜の下側に位置する裏面層膜とからなる
    積層構造を有するとともに、該支持層は、該裏面層膜に
    塗布された接着剤の膜と、該接着剤の膜によって面接着
    固定された支持基板とからなる二層構造を有し、該裏面
    層膜に対して面接着固定され、前記支持基板には前記接
    着剤から発生する気体を逃すための透孔を有する事を特
    徴とする半導体装置。
  3. 【請求項3】 シリコンからなる仮基板の上に、下地処
    理として窒化シリコン層を堆積し、続いてCVDにより
    二酸化シリコンを堆積することにより絶縁膜形成し、前
    記絶縁膜を介して単結晶シリコンからなる半導体基板を
    熱圧着により固定した後、該半導体基板を研摩して薄膜
    化し、積層された単結晶半導体薄膜を有するSOI基板
    を形成する第1工程と、該単結晶半導体薄膜に対して半
    導体集積回路を形成する第2工程と、形成された半導体
    集積回路の表面に対して該仮基板と反対側に支持基板を
    面接着固定する第3工程と、該仮基板を除去し平坦な絶
    縁膜を露出する第4工程と、該露出した平坦な絶縁膜の
    表面に対して少くとも電極形成を含む処理を行なう第5
    工程とからなる半導体装置製造方法。
  4. 【請求項4】 該第4工程は、該窒化シリコン層をエッ
    チングストッパとして該仮基板をエッチングにより除去
    する工程である請求項3に記載の半導体装置製造方法。
  5. 【請求項5】 該第3工程は、半導体集積回路の表面に
    対して接着剤を供給し固化して単層構造を有する支持基
    板を設ける工程である請求項に記載の半導体装置製造
    方法。
JP2242091A 1990-11-15 1991-02-16 半導体装置とその製造方法 Expired - Lifetime JP3124303B2 (ja)

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