JP3122953B2 - グリシド酸誘導体の分割法 - Google Patents

グリシド酸誘導体の分割法

Info

Publication number
JP3122953B2
JP3122953B2 JP03196239A JP19623991A JP3122953B2 JP 3122953 B2 JP3122953 B2 JP 3122953B2 JP 03196239 A JP03196239 A JP 03196239A JP 19623991 A JP19623991 A JP 19623991A JP 3122953 B2 JP3122953 B2 JP 3122953B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thiophenol
formula
compound
group
reaction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP03196239A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0616652A (ja
Inventor
ギオルダノ クラウディオ
カサグランデ ロベルト
Original Assignee
ザンボン グループ エス ピー エー
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ザンボン グループ エス ピー エー filed Critical ザンボン グループ エス ピー エー
Publication of JPH0616652A publication Critical patent/JPH0616652A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3122953B2 publication Critical patent/JP3122953B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D281/00Heterocyclic compounds containing rings of more than six members having one nitrogen atom and one sulfur atom as the only ring hetero atoms
    • C07D281/02Seven-membered rings
    • C07D281/04Seven-membered rings having the hetero atoms in positions 1 and 4
    • C07D281/08Seven-membered rings having the hetero atoms in positions 1 and 4 condensed with carbocyclic rings or ring systems
    • C07D281/10Seven-membered rings having the hetero atoms in positions 1 and 4 condensed with carbocyclic rings or ring systems condensed with one six-membered ring
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C319/00Preparation of thiols, sulfides, hydropolysulfides or polysulfides
    • C07C319/26Separation; Purification; Stabilisation; Use of additives
    • C07C319/28Separation; Purification
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D303/00Compounds containing three-membered rings having one oxygen atom as the only ring hetero atom
    • C07D303/02Compounds containing oxirane rings
    • C07D303/48Compounds containing oxirane rings with hetero atoms or with carbon atoms having three bonds to hetero atoms with at the most one bond to halogen, directly attached to ring carbon atoms, e.g. ester or nitrile radicals

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Epoxy Compounds (AREA)
  • Saccharide Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明はグリシド酸誘導体の分割方法に関
するものであり、特にエステルやアミドといった形の3
−(4−置換−フェニール)−グリシド酸誘導体の分割
方法を扱ったものである。
【0002】
【従来技術】3−(4−メトキシ−フェニール)−グリ
シド酸のエステル又はアミド誘導体は心臓脈管系に活性
を示す化合物、例えば光学活性のある2,3−ジヒドロ
−2−(4−メトキシフェニール)−1,5−ベンゾチ
アゼピン−4(5H)−オン(構造式は化4に示す通
り)のような化合物の合成のための中間体となる。
【0003】
【化4】 R:水素原子、又はアセチル基 R:水素原子、あるいは塩素原子 ※:不斉炭素原子
【0004】化4に示す化合物の特例を示すと、ジルチ
アゼム、つまり(+)−(2S,3S)−3−アセトキ
シ−5−[2−(ジメチルアミノ)−エチル]−2,3
−ジヒドロ−2−(4−メトキシフェニル)−1,5−
ベンゾチアゼピン−4(5H)−オン(メルクインデッ
クス、10版、NO.3189、466頁)とTA−3
090,つまり(+)−(2S,3S)−3−アセトキ
シ−8−クロロ−5−[2−(ジメチルアミノ)−エチ
ル]−2,3−ジヒドロ−2−(4−メトキシフェニ
ル)−1,5−ベンゾチアゼピン−4(5H)−オン
(アニュアル ドラッグ データレポート 1987
年,507頁)である。化4の合成方法は種々文献に記
載されており、それらは例えば英国特許NO.1,23
6,467やヨーロッパ特許NO.127,882、N
O.158,340、英国特許NO.2,167,06
3である。又、ここに記載した文献はすべて田辺製薬株
式会社によるものである。
【0005】これらの方法の多くは実質的には以下に示
す図1の反応によっている。
【図1】 R :水素原子、あるいは塩素原子 R :低アルキル基 ※:不斉炭素原子
【0006】図1に記載と同様の合成方法が他にも報告
されており、それは図1,化合物IIの代わりに2−ニ
トロ−チオフェノールが用いられ、縮合生成物のニトロ
基を閉環する前にアミノ基に還元するというものであ
る。(ヨーロッパ特許NO.59,335−田辺製薬株
式会社)
【0007】これらの方法はどれも反応の中間体を得た
時に、必要な原子配列のエナンシオマーを得るための光
学分割を必要とする。実際、先に述べた英国特許NO.
2,167,063に記載のごとく、1−(2−ナフチ
ルスルフォニル)−ピロリジン−2−カルボニルクロリ
ドによってVI式に示される環化中間体を分割して得て
いるし、又光学活性のある塩基、例えば4−ヒドロキシ
フェニール−グリシンメチルエステルやシンコニジンな
どによってV式に示される中間体を分割(ヨーロッパ特
許NO.127,882記載)し、α−フェネチルアミ
ンによっても(ヨーロッパ特許NO.98,892、田
辺製薬株式会社)又、L−リジンによっても(英国特許
NO.2,130,578、インスチチュート ルソ
ファルマコ)分割が行われて採取している。
【0008】最近、III式(R :低アルキル)のエ
ステルを酵素により分割する方法が発表された(ヨーロ
ッパ特許出願番号NO.343,714、スタルミカー
ボンビー ブイ)。しかしながら、酵素による分割は化
学的方法より、多くの場合経済的な面で不都合である。
なぜなら、酵素は回収される必要があり、すぐに活性を
失ってしまうのでコストが高くつく。
【0009】従来の化学的分割は化合物III の遊離
酸(R =H)を光学活性のある塩基を用いて処理
し、ジアステレオイソメトリックな塩をつくる方法によ
ると記載されている。しかしこの特異的な方法でこの分
割を行うと化合物III の遊離酸(R=H)が不安
定なため大変手間がかかり、かつ困難である。
【0010】
【発明が解決しようとする問題点】そこで新規なる分割
法が要望されており、シスエナンシオマー混合物(2
S,3Sと2R,3R)あるいはトランスエナンシオマ
ー(2R,3Sと2S,3R)の混合物から出発してエ
ナンシオメトリ的に純度の高い化合物III あるいは
その前駆物質を得ることの出来る方法を見出すことが本
発明の目的である。
【0011】
【問題点を解決するための手段】本発明に従えば、上記
目的はシス体或いはトランス体のエナンシオマー(構造
式は化1に示される通り)の混合物をカイネティック分
割することにより達成される。
【0012】本方法は化1のシスあるいはトランス・エ
ナンシオマーのラセミ混合体を化2に示すチオフェノー
ルと反応させることにより成っており、溶媒中に光学活
性のある3級アミンの触媒的量の存在下で−20°C〜
+30°Cで行う。
【0013】上記の方法は前述の条件にて2つのエナン
シオマーのうちの1つが他よりチオフェノール(化2)
と、より速く反応して化3に示される化合物になること
によりカイネティック分割を行うというものである。
【0014】反応が50%進んだ所で進行を止めると、
他のエナンシオマーが溶液の中に未反応の形で残り、そ
のエナンシオメトリック純度は高い。2つのエナンシオ
マーのうちどちらが早く反応するかわ決定するのは光学
活性3級アミンの性質による。反応機構はまだ解明され
ていないが、我々の実験は以下のことを示唆している。
つまり、反応はアンモニウムチオフェネイト(チオフェ
ノール(化2)を光学活性のある3級アミンと反応させ
て得る)が化1のエポキシ環を攻撃してトランス型に開
環するらしい。
【0015】図1の最初の反応は、熱によってエポキシ
ドがトランス型に開環し、又塩基性環境下ではシス型に
開環することにより起こるので、本方法は大変有用であ
る。なぜならカイネティック分割の結果が良好であるの
に加えて、化4に示される化合物を合成するのにシスの
構造の化1を利用することが出来るからである。
【0016】実際、先に述べたように光学活性のある3
級アミンの選択により化1の2つあるエナンシオマーの
うちどちらが早く反応するかを決めている。例えば、化
1のトランス・エナンシオマー混合物(2R,3Sと2
S,3R)から出発して、(2R,3S)体は未反応の
まま残して、(2S,3R)体を選択的に反応させるこ
とが次のようにして可能である。つまり、熱によって2
−アミノチオフェノールと縮合させた場合は、図1のI
Vを正しい原子配列で得ることが出来る。
【0017】同様にして、化1のシス化合物のラセミ体
から出発して塩基性環境下で2−アミノ−チオフェノー
ルと反応させた場合は、図1のIV中間体がそれに応じ
た正しい形で得られる、つまりカイネティック分割の結
果は化1の(2R,3R)エナンシオマーが反応に関与
したことを示している。
【0018】従って反対に、もし本発明が図1のIII
Aに示される化合物の(2R,3R)エナンシオマー
が先に反応するような条件で行われていたら、IIに示
される化合物として2−アミノ−チオフェノールを用い
るとIVに示される化合物として、それなりの適正な原
子配列を持った形で得られていたであろう。
【0019】先に述べた反応は図1記載に類似の反応で
あることは明らかであり、2−ニトロ−チオフェノール
が適当である時には、これを用いると化合物IVの中間
体はアミノ基の代わりにニトロ基がついた形で得られ
る。
【0020】本発明の目的とする反応の実際的な因子や
パラメーターは以下に述べる。
【0021】(基質)化1に示される化合物 先に述べた通り、反応は化1のトランスとシス・エナン
シオマーのラセミ混合物より出発するのが適当である。
シス体とトランス体の2つの基質は同量ずつ存在してお
り、これが反応を行わせる上での利点となっている。と
いうのは、化4に示されたものを合成するのに化1のシ
ス・エナンシオマーも又、利用し得るからである。
【0022】化1に示される化合物の置換体について考
える限り、炭素数の少いものから多いものに至るまでの
アルコールとのエステルの形になっていたり、あるいは
アミドの形になっていたりするカルボキシ基を持つこと
は、他の反応のパラメーターの関数として化1の親油性
の調節に関与する可能性があり、大変有用である。
【0023】置換体Xはいくつかの要因によって選択さ
れるがその要因とは、例えば化1の親油性を調節する可
能性のある因子といったようなものである。このため
に、適当に保護された水酸基が用いられ得る。
【0024】フェノール類の保護やその脱保護について
の広範囲の文献はテオドラ ダブリュ ブリュー 著、
「有機合成における保護基」,3章,87〜108頁,
ジョン ウイリー アンド サンズ 社を参照された
い。
【0025】(試薬) 化2のうちでよく用いられるものはチオフェノール,4
−メチル−チオフェノール,4−イソプロピル−チオフ
ェノール,4−tert.ブチル−チオフェノール,2
−アミノ−チオフェノール,2−ニトロ−チオフェノー
ル,2−アミノ−5−クロロ−チオフェノール,2−ニ
トロ−5−クロロ−チオフェノール,2,4−ジメチル
−チオフェノール,2,6−ジメチル−チオフェノール
である。
【0026】これらのチオフェノールのうちから化2と
してどれを選択するかは、行おうとする反応の種類によ
るし、又、反応の目的が未反応の化1エナンシオマー
(例えば2R,3Sエナンシオマー)を高純度で得るこ
とにあるのか、あるいは図1IVの化合物を直接得るこ
とにあるのか、ということにも依存している。
【0027】前者はラセミ混合物と化2で表わされる適
当なチオフェノールを反応させ、後者の場合は化2とし
て2−アミノ−チオフェノール,2−ニトロ−チオフェ
ノール,2−アミノ−5−クロロ−チオフェノール又は
2−ニトロ−5−クロロ−チオフェノールのみが有用で
ある。
【0028】化2は1モルの基質に対して、0.4〜3
モル用いられる。反応は50%以上進行すると困るし
(先に反応するエナンシオマーに次いで2番目のエナン
シオマーが反応するのをさけるため)、化2なる物質は
化1に対して過剰に用いる(モルにして50%以上)こ
ともあるので、反応は適当な所で止めねばならない。
【0029】一般的には、化2は基質のモルに対して
0.4〜1モル量用いられ、中でも0.5〜0.7モル
用いられることが多い。
【0030】(触媒) 本発明の反応に有効な光学活性のある3級アミンは、光
学活性のあるシンコナ塩基、N,N−ジアルキル−エフ
ェドリン,ジアルキルフェニルアミン,α−あるいはβ
−ヒドロキシ−トリアルキルアミン等である。
【0031】シンコナ塩基は例えばシンコニン,ジヒド
ロシンコニジン,キニン,キニジン,シンコニジン等が
よく用いられ、中でもシンコニジンがもっとも繁用され
る。
【0032】上記の塩基の4級アンモニウム塩も又、用
いることが出来、この場合、部分的に別の塩基が入るこ
ともある。シンコニジンをラセミ体のトランス型、化1
と一緒に反応に用いた場合、2S,3Rエナンシオマー
は反応するが、反応が50%進行した所で止めると2
R,3Sエナンジオマーは溶液の中に未反応で残る。用
いる触媒のモル量は化1の量に対して3〜50%の範囲
であり、多くの場合は10〜50%である。
【0033】3級アミンは反応の終了段階で定量的に回
収できる。
【0034】(溶媒) 化2は反応液中に完全に溶解させることが要求される
が、化1と3級アミンは完全に溶解していなくてもよ
い。この状態の時、用いる溶媒は、それ自体は不活性で
化2を溶解することが出来、少なくとも基質としての化
1と3級アミンを一部分でも溶解することが出来るもの
を用いる。
【0035】溶媒として適当なものの例は以下の通り。
ベンゼン,トルエン,o−キシレン,m−キシレン,p
−キシレン,クロロベンゼン,o−ジクロロベンゼン,
m−ジクロロベンゼン,p−ジクロロベンゼン,あるい
はそれらの混合物、等。
【0036】(温度) 反応に好ましい温度は−20°Cから30°Cである。
−20゜C以下になると反応は良好な結果を得るけれ
ど、工業的見地からは反応の進行速度が遅すぎる。
【0037】反対に温度が30°C以上になると、本発
明の目的であるカイネティック分割をするために必須の
選択的反応が起こらなくなる。適切な温度範囲で反応を
行うと、適度の反応(50%)が何時間かのうちに(4
〜24時間内)達成されている。
【0038】本発明の目的とするところの過程を具体的
に示すと以下の通り。つまり、化1、化2の混合物と光
学活性のある3級アミンを不活性な溶媒、例えば芳香族
の溶媒中にて適当な温度で反応させる。
【0039】反応が進行し、適当な所(化1が50%反
応した時点)で反応混液を液状の酸の中へ注いで反応を
止める。光学活性のある3級アミンは水層より回収さ
れ、再び用いられる。有機層からは未反応のエナンシオ
マー化1が反応生成物、化3より分離される。
【0040】もし化3が適切な構造を持っていると確認
できれば、図1記載のごとくに反応を進行させ、化4を
得る。反対にもし未反応のエナンシオマー化1が適切な
構造をとっておれば、図1のごとくに2−アミノチオフ
ェノール(あるいは2−ニトロ−チオフェノール)と反
応させる。
【0041】得られた反応生成物、あるいは未反応のエ
ナンシオマーの純度は高いので、その後の化4なる化合
物の通常の合成過程(例えば図1に示されるもの)を実
行すると、イタリア局方による基準に合致する程度の光
学的純度を持った、望ましい生成物が得られ、それ以上
の精製は必要としない。
【0042】以上述べたように、本発明の目的は工業的
見地からのいくつかの有用性を示すことにある。実際、
知られている限りでは本発明の方法は化1に示されるエ
ナンシオマーの非酵素的カイネティック分割の最初の例
である。そして、それは化4なる物質を合成するための
第1段階において光学分割を可能にするという方法であ
る。さらに本法は、単純かつ、特別の反応条件や装置を
必要としないし、光学活性のある3級アミンは容易に回
収、再利用可能である。本発明をさらに解説するため
に、以下の実施例を記述する。
【0043】
【実施例1】トランス−3−(4−メトキシフェニル)
−グリシド酸メチルエステルのラセミ体(2g,10m
mol)のトルエン(20mol)溶液にシンコニジン
(1.5g,5mmol)と2−アミノ−チオフェノー
ル(0.62g,5mmol)を20°、攪拌しながら
加える。
【0044】反応混液を20°C、攪拌しながら20時
間放置後、1N−塩酸溶液(20ml)中に攪拌しなが
ら注ぎ入れる。2層を分離し、水層はメチレンクロリド
(20ml)で抽出する。有機層は水(20ml)で洗
い硫酸ソーダで乾燥する。
【0045】溶媒を減圧下濃縮すると粗結晶が得られ、
それはHPLCとH−NMR解析によると(2R,3
S)−トランス−3−(4−メトキシフェニール)−グ
リシド酸メチルエステル(0.95g)を含んでいる。
【0046】そのエステルはシリカゲルクロマトグラフ
ィーでn・ヘキサン:エチルエーテル=8:2の混液を
溶出液として単離され、(2R,3S)−3−(4−メ
トキシフェニル)−グリシド酸メチルエステル(0.6
g)が エナンシオメトリックには60%過剰であるが
得られる。
【0047】その後メチルエステルはトルエン(4.2
ml)に溶解する。2−アミノ−チオフェノール(0.
36g,2.88mmol)を溶解に加え混液は2時間
加熱還流後、室温にまで冷却。不溶物を濾過して除き、
減圧下、オーブンで乾燥させる。
【0048】すると(2S,3S)−2−ヒドロキシ−
3−(2−アミノフェニルチオ)−3−(4−メトキシ
フェニル)−プロピオニル酸メチルエステルがエナンジ
オメトリック純度72%([α]20 =+72°−
C=0.5% CHCL)で得られる。キラルカラム
を用いてのHPLCによるエナンメトリック純度検定は
80%であった。
【0049】
【実施例2】トランス−3−(4−メトキシフェニル)
−グリシド酸メチルエステルのラセミ体(8g,38m
mol)のトルエン(80ml)溶液にシンコニジン
(3.7g,12.6mmol)と2−アミノ−チオフ
ェノール(2.4g,19mmol)を窒素気流中、0
°Cで攪拌しながら加える。
【0050】反応混液は0°C、24時間攪拌し続け、
その後、1N−塩酸溶液(80ml)中に攪拌しながら
加える。2層を分け、水層はメチレンクロリド(80m
l)で抽出する。
【0051】有機層は水(80ml)で洗い硫酸ソーダ
で乾燥する。
【0052】溶液をキラルカラムを用いてHPLC分析
するとトランス−3−(4−メトキシフェニル)−グリ
シド酸メチルエステル(4.72g,22.7mmo
l)中における(2R,3S):(2S,3R)の比率
は(73:27)であった。
【0053】
【実施例3】トランス−3−(4−メトキシフェニル)
−グリシド酸メチルエステルのラセミ体(4g,19.
2mmol)のトルエン(40ml)溶液にシンコニジ
ン(2.82g,9.6mmol)と2−アミノ−チオ
フェノール(1.68g,13.44mmol)を0°
C、窒素気流中で攪拌しながら加える。
【0054】反応混液は0°C、24時間攪拌し続け、
その後、1N−塩酸溶液(40ml)中に攪拌しながら
加える。2層を分け、水層はメチレンクロリド(40m
l)で抽出する。
【0055】有機層は水(40ml)で洗い、硫酸ソー
ダにて乾燥させる。
【0056】溶液をキラルカラムを用いてHPLC分析
すると得られたトランス−3−(4−メトキシフェニ
ル)−グリシド酸メチルエステル(1.6g,7.7m
mol)は(2R,3S):(2S,3R)の比率が
(85:15)であった。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−145160(JP,A) 特開 平4−228095(JP,A) 特開 平2−17170(JP,A) 特開 平2−17168(JP,A) 特開 昭58−183669(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 301/32 C07D 303/48 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式 化1 【化1】 (式中Rは直鎖あるいは分岐鎖C〜C18アルコキ
    シ基、ベンジルオキシ基、アミノ基、あるいはアルキル
    部に炭素原子を1〜6コ有するジアルキルアミノ基を表
    わし; Xはメトキシ基、またはメトキシ基に変換可能
    なヒドロキシあるいは保護ヒドロキシ基を表わし;※印
    は不斉炭素原子を表わす) で表されるグリシド酸誘導体のシスあるいはトランス
    エナンシオマーのラセミ混合物と、一般式 化2 【化2】 (式中RとRは同種または異種の基で、水素原子、
    塩素原子、C〜Cアルキル基、アミノ基、アセチル
    アミノ基あるいはニトロ基を表わす) で表わされるチオフェノールを不活性溶媒中、触媒量の
    光学活性三級アミンの存在下−20°C〜+30°Cの
    温度で反応させることを特徴とする化1で表されるグリ
    シド酸誘導体のシスあるいはトランス エナンシオマー
    混合物を動力学的に分割する方法。
  2. 【請求項2】下記一般式 化3 【化3】 で表わされる化合物(R,R,RおよびXは請求
    項1で規定した通り)が単離せられる請求項1記載の方
    法。
  3. 【請求項3】 化2で表わされるチオフェノールのモル
    量が化1で表わされる化合物より50%以上多量である
    場合、化1で表わされる化合物の50%が変換された時
    点で反応を終了させる請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 一般式 化2で表わされるチオフェノー
    ルが、チオフェノール、4−メチルチオフェノール、4
    −イソプロピル−チオフェノール、4−t−ブチル−チ
    オフェノール、2−アミノ−チオフェノール、2−ニト
    ロ−チオフェノール、2−アミノ−5−クロロ−チオフ
    ェノール、2−ニトロ−5−クロロ−チオフェノール、
    2,4−ジメチル−チオフェノール、2,6−ジメチル
    −チオフェノールからなる群より選ばれる請求項1記載
    の方法。
  5. 【請求項5】 光学活性三級アミンがN,N−ジアルキ
    ル−エフェドリン、ジアルキルフェニルアミン、α−あ
    るいはβ−ヒドロキシ−トリアルキルアミン、シンコニ
    ン、ジヒドロシンコニジン、キニン、キニジン、シンコ
    ニジンあるいはそれらの四級アンモニウム塩から選ばれ
    る請求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】 光学活性三級アミンがシンコニジンであ
    る請求項1記載の方法。
  7. 【請求項7】 光学活性三級アミンのモル量が化1の化
    合物に対し3〜50%である請求項1記載の方法。
  8. 【請求項8】 溶媒がベンゼン、トルエン、o−キシレ
    ン、m−キシレン、p−キシレン、クロロベンゼン、o
    −ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、p−ジク
    ロロベンゼン、あるいはそれらの混合物から選ばれる請
    求項1記載の方法。
  9. 【請求項9】 化1の化合物、化2の化合物および光学
    活性三級アミンを不活性溶媒中高温で反応させ、化1の
    化合物の変換率が50%の段階で反応を終了させ、未反
    応の化1の化合物を化3の化合物から分離させることを
    含む請求項1記載の方法。
JP03196239A 1990-05-17 1991-05-02 グリシド酸誘導体の分割法 Expired - Fee Related JP3122953B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
IT20349A IT1240651B (it) 1990-05-17 1990-05-17 Processo per la risoluzione di derivati glicidici
IT20349A/90 1990-05-17

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0616652A JPH0616652A (ja) 1994-01-25
JP3122953B2 true JP3122953B2 (ja) 2001-01-09

Family

ID=11165943

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP03196239A Expired - Fee Related JP3122953B2 (ja) 1990-05-17 1991-05-02 グリシド酸誘導体の分割法

Country Status (13)

Country Link
US (1) US5198557A (ja)
JP (1) JP3122953B2 (ja)
AT (1) AT401055B (ja)
BE (1) BE1004850A3 (ja)
CA (1) CA2041305C (ja)
CH (1) CH682075A5 (ja)
DE (1) DE4115698C2 (ja)
ES (1) ES2033575B1 (ja)
FR (1) FR2662161B1 (ja)
GB (1) GB2244055B (ja)
IT (1) IT1240651B (ja)
NL (1) NL194273C (ja)
SE (1) SE509298C2 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2658513B1 (fr) * 1990-02-21 1994-02-04 Rhone Poulenc Sante Procede de preparation de l'acide cis-beta-phenylglycidique-(2r,3r).
IT1249777B (it) * 1990-05-17 1995-03-18 Zambon Spa Processo per la preparazione di intermedi per la sintesi del diltiazem
DE4209497A1 (de) * 1992-03-24 1993-09-30 Basf Ag Verfahren zur Herstellung von chlorsubstituierten olefinischen Verbindungen
US6262278B1 (en) * 1995-03-14 2001-07-17 President And Fellows Of Harvard College Stereoselective ring opening reactions
SG72731A1 (en) * 1996-03-15 2000-05-23 Nabe Seiyaku Co Ltd Process for preparing optically active trans-3-phenylglycidamide compounds
US6562966B2 (en) * 2000-07-31 2003-05-13 Brandeis University Kinetic resolutions of chiral 2- and 3-substituted carboxylic acids
US6562967B2 (en) * 2000-07-31 2003-05-13 Brandeis University Kinetic resolutions of chiral 2-and-3-substituted carboxylic acids
US7531662B2 (en) * 2003-06-11 2009-05-12 Brandeis University Cinchona-alkaloid-based catalysts, and asymmetric alcoholysis of cyclic anhydrides using them

Family Cites Families (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB1236467A (en) * 1967-10-28 1971-06-23 Tanabe Seiyaku Co Benzothiazepine derivatives
DE3263466D1 (en) * 1981-02-27 1985-06-20 Tanabe Seiyaku Co Novel process for preparing threo-2-hydroxy-3-(4-methoxyphenyl)-3-(2-nitrophenylthio)-propionic ester
SE449611B (sv) * 1982-07-09 1987-05-11 Tanabe Seiyaku Co Sett att framstella 1,5-bensotiazepinderivat
IT1152721B (it) * 1982-10-15 1987-01-07 Luso Farmaco Inst Risoluzione ottica dell'acido dl-alfa-2-idrossi-3-(4-metossifenil)-3-(2-amminofeniltio)propionico
US4567175A (en) * 1983-06-03 1986-01-28 Tanabe Seiyaku Co., Ltd. 8-Chloro-1,5-benzothiazepine derivatives
JPS6013776A (ja) * 1983-07-05 1985-01-24 Sawai Seiyaku Kk 光学活性3−(p−アルコキシフエニル)グリシツド酸誘導体の製造法
JPS6013775A (ja) * 1983-07-05 1985-01-24 Sawai Seiyaku Kk 光学活性3−(p−アルコキシフエニル)グリシツド酸アルカリ金属塩の製造法
US4594342A (en) * 1984-04-10 1986-06-10 Tanabe Seiyaku Co., Ltd. 1,5-benzothiazepine derivative
GB2167063A (en) * 1984-11-17 1986-05-21 Tanabe Seiyaku Co 6 or 9-chloro-1, 5-benzothiazepine derivatives
EP0320532A1 (en) * 1986-07-15 1989-06-21 Nihon Iyakuhin Kogyo Co., Ltd. Novel optically active carboxylic acid derivative l-lysine salt and process for production thereof
IT1217988B (it) * 1988-01-28 1990-03-30 Ind Chimica Profarmaco Spa Procedimento per la risoluzione ottica di un pacemo
US4996352A (en) * 1988-05-10 1991-02-26 Hoffmann-La Roche Inc. Enantiomers of β-[(2-amino-1-naphthalenyl) thiol]-α-hydroxy-4-methoxybenzene propanoic acid
US4864058A (en) * 1988-05-10 1989-09-05 Hoffmann-La Roche Inc. Process for making optically active naphtho[1,2-b][1,4]thiazepin-4(5H)-ones
US4885375A (en) * 1988-05-18 1989-12-05 Marion Laboratories, Inc. Resolution of 3-(4-methoxyphenyl)glycidic acid with in situ conversion to alkyl esters
NL8801311A (nl) * 1988-05-20 1989-12-18 Stamicarbon Fenylglycidaatstereoisomeren, omzettingsprodukten daarvan met 2-nitrothiofenol en de bereiding van diltiazem.
FR2637285B1 (fr) * 1988-10-03 1991-04-12 Synthelabo Procede de preparation de derives de l'acide propionique et produits obtenus
EP0431121B1 (en) * 1989-06-30 1993-08-25 Richter Gedeon Vegyeszeti Gyar R.T. Process for the resolution of threo-3-[(2-aminophenyl)-thio]-2-hydroxy-3-(4-methoxy-phenyl)propionic acid

Also Published As

Publication number Publication date
BE1004850A3 (fr) 1993-02-09
CA2041305C (en) 2000-12-12
FR2662161A1 (fr) 1991-11-22
SE9101483D0 (sv) 1991-05-16
SE509298C2 (sv) 1999-01-11
US5198557A (en) 1993-03-30
SE9101483L (sv) 1991-11-18
NL194273B (nl) 2001-07-02
JPH0616652A (ja) 1994-01-25
ES2033575B1 (es) 1994-02-01
DE4115698A1 (de) 1991-11-21
IT9020349A1 (it) 1991-11-17
ES2033575A1 (es) 1993-03-16
NL194273C (nl) 2001-11-05
FR2662161B1 (fr) 1993-08-06
GB2244055B (en) 1993-09-22
IT9020349A0 (it) 1990-05-17
CA2041305A1 (en) 1991-11-18
IT1240651B (it) 1993-12-17
CH682075A5 (ja) 1993-07-15
GB9108741D0 (en) 1991-06-12
GB2244055A (en) 1991-11-20
ATA99691A (de) 1995-10-15
AT401055B (de) 1996-06-25
NL9100853A (nl) 1991-12-16
DE4115698C2 (de) 2001-08-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2623355C (en) Resolution of .alpha.-(phenoxy) phenylacetic acid derivatives with naphthyl-alkylamines
JP3122953B2 (ja) グリシド酸誘導体の分割法
JP2009102441A (ja) ベナゼプリル及びその類似体の生産に有用な中間体の速度論的分離
EP1940387B1 (en) Process for the stereoselective preparation of (-)-halofenate and intermediates thereof
NL9100854A (nl) Werkwijze voor de bereiding van tussenprodukten bruikbaar voor de synthese van benzodiazepinen.
US4939295A (en) Process for the preparation of intermediates for the synthesis of diltiazem
JP2979237B2 (ja) 1,5―ベンゾチアゼピン類合成中間体の分割方法
JPH0461867B2 (ja)
JP2987714B2 (ja) ジルチアゼム中間体の製造法
US4908469A (en) 2-Hydroxy-propanoic acid acyclic alkyl esters for benzothiazepines
Yamamoto et al. Facile synthesis of (2R, 3S)-3-(4-Methoxyphenyl) glycidic esters via optical resolution of the unisolated labile free acid
JP3101841B2 (ja) ホスホン酸での環化によるベンゾチアゼピンの製造法
JP3867433B2 (ja) 1,1’−ビナフチル−2,2’−ジカルボン酸の光学分割方法
JP2714315B2 (ja) 光学活性エポキシプロピオン酸誘導体およびその製法
JPH0816084B2 (ja) 光学活性フェニルエチルアミン誘導体の製造法
JP3432880B2 (ja) 光学活性アザスピロ化合物の製法
JP4768145B2 (ja) 光学活性2−フェノキシプロピオン酸の光学精製方法
CN100463904C (zh) 地尔硫卓中间体的制备方法
JPH10237013A (ja) 光学活性2−ベンジルコハク酸の製造法
JP4258031B2 (ja) 新規β−ジケトン型化合物、および金属配位β−ジケトン型化合物
JP3287258B2 (ja) 1,5−ベンゾチアゼピン誘導体の製法
EP1669347A1 (en) Process for the preparation of 3-¬(4-fluorophenyl) sulfonyl|-2-hydroxy-2-methyl propionic acid
JPH09216875A (ja) 光学活性ベンゾチアゼピン誘導体およびその製法
EP0581169A1 (en) Optical resolution of threo-2-hydroxy-3-(2-aminophenylthio)-3-(4-methoxyphenyl)-propionic acid
WO1999046257A1 (fr) Production de biaryldicarboxylate d'oxoalkylene

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees