JP3867433B2 - 1,1’−ビナフチル−2,2’−ジカルボン酸の光学分割方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、式
【0002】
【化18】
【0003】
で示されるラセミ型1,1'−ビナフチル−2,2'−ジカルボン酸の光学分割方法に関する。
【0004】
光学分割により得られた式
【0005】
【化19】
【0006】
(**は軸性キラリティーがあることを表す。)
で示されるキラルな1,1'−ビナフチル−2,2'−ジカルボン酸は、炭素−炭素二重結合を有する化合物の不斉エポキシ化反応に使用する式
【0007】
【化20】
【0008】
(Alkは低級アルキレン基を表し、**は前記と同一意味を有する。)
で示されるキラルなケトン化合物を製造する際のキー中間体である。
【0009】
【従来の技術】
ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティー(The Journal of the American Chemical Society)、第118巻、491〜492頁(1996年)には、式
【0010】
【化21】
【0011】
(**は前記と同一意味を有する。)
で示されるキラルなケトン化合物及びオキソン<化学組成:2KHSO5・KHSO4・K2SO4、デュポン社製>を用いて、トランススチルベンの二重結合を不斉エポキシ化すれば、室温下、短時間に、高收率で高光学純度のオキシラン化合物が得られることが記載されている。
【0012】
また、ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティー、第118巻、11311〜11312頁(1996年)には、上記キラルなケトン化合物〔4**'〕は、式
【0013】
【化22】
【0014】
(**は前記と同一意味を有する。)
で示されるジオキシラン化合物となって、不斉エポキシ化が生じることが示唆されており、化学、第51巻、第7号、460頁(1996年)には、この方法の各種不斉酸化反応への展開が期待されていることが記載されている。
【0015】
ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティー、第118巻、491〜492頁(1996年)のサプルメンタリー・マテリアル(Supplementary Material)には、キラルな1,1'−ビナフチル−2,2'−ジカルボン酸〔1**〕と、1,3−ジヒドロキシアセトンとを、無水アセトニトリル中、2−クロロ−1−メチルピリジニウムヨージドの存在下に反応させ、キラルなケトン化合物〔4**'〕を製造することが記載されている。
【0016】
また、この文献には、式
【0017】
【化23】
【0018】
で示されるラセミ型1,1'−ビナフチル−2,2'−ジカルボン酸の光学分割方法として、ジャーナル・オブ・ザ・ケミカル・ソサイエティー(Journalof the Chemical Society) 1242〜1251頁(1955年)及びブレティン・オブ・ザ・ケミカル・ソサイエティー・オブ・ジャパン(Bulletin of the Chemical Society of Japan)第61巻、1032〜1034頁(1988年)が引用されている。
【0019】
前者には、4つの不斉中心を有し、分子量の大きいアルカロイドである式
【0020】
【化24】
【0021】
で示される無水キニンと、ラセミ型1,1'−ビナフチル−2,2'−ジカルボン酸〔1〕とをエタノール中、等モル反応させ、反応液にエーテルを添加し、ジアステレオマー塩の溶解度差により分割する方法が記載されているが、この工程は長く煩雑であった。
【0022】
また、後者には、6つの不斉中心を有し、分子量の大きいアルカロイドである式
【0023】
【化25】
【0024】
で示される無水ブルシンと、ラセミ型1,1'−ビナフチル−2,2'−ジカルボン酸〔1〕とをアセトン中、等モル反応させ、反応液を冷却して溶解度の低い塩を取得し、この塩をメタノールに溶解し、更に熱アセトンを添加して冷却することにより、ジアステレオマー塩を取得する方法が記載されているが、無水ブルシンは毒性が強く、工業的製造に使用することはできない。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、キラルなケトン化合物〔4**〕の合成中間体であるキラルな1,1'−ビナフチル−2,2'−ジカルボン酸〔1**〕の工業的に有利な製法を提供するものである。
【0026】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意研究の結果、分子量が小さく、かつ、不斉中心が1つしかないキラルな1−シクロヘキシルエチルアミン〔2*〕又はその塩を用いて、ラセミ型1,1'−ビナフチル−2,2'−ジカルボン酸〔1〕又はその塩を分割することができることを見い出し、本発明を完成した。
【0027】
即ち、本発明は、式
【0028】
【化26】
【0029】
で示されるラセミ型1,1'−ビナフチル−2,2'−ジカルボン酸又はその塩に、式
【0030】
【化27】
【0031】
(*はキラリティーがあることを表す。)
で示されるキラルな1−シクロヘキシルエチルアミン又はその塩を作用させ、生成する2種のジアステレオマー塩の溶解度差を利用して、一方のジアステレオマー塩を分離・採取することを特徴とするラセミ型1,1'−ビナフチル−2,2'−ジカルボン酸〔1〕の光学分割方法に関する。
【0032】
ラセミ型1,1'−ビナフチル−2,2'−ジカルボン酸〔1〕は、式
【0033】
【化28】
【0034】
で示される(R)−体と、式
【0035】
【化29】
【0036】
で示される(S)−体とを含むものであればよく、(R)−体と(S)−体とを等量含むものだけでなく、いかなる比率で(R)−体と(S)−体とを含むものであってもよいが、化学合成により入手し易い(R)−体と(S)−体とを等量含むものを用いるのが好ましい。
【0037】
ラセミ型1,1'−ビナフチル−2,2'−ジカルボン酸〔1〕の塩としては、カルボン酸についての慣用の塩をいずれも使用することができ、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えば、マグネシウム塩、カルシウム塩)、有機アミン塩(例えば、ベンジルアミン塩、メチルアミン塩、エチルアミン塩)、アンモニウム塩等をあげることができるが、一般的にはラセミ型1,1'−ビナフチル−2,2'−ジカルボン酸〔1〕を遊離酸の形で使用するのが好ましい。
【0038】
キラルな1−シクロヘキシルエチルアミン〔2*〕としては、式
【0039】
【化30】
【0040】
で示される(R)−体又は式
【0041】
【化31】
【0042】
で示される(S)−体が存在するが、いずれの異性体も市販されており、これらのいずれか一方を使用することにより、ラセミ型1,1'−ビナフチル−2,2'−ジカルボン酸〔1〕の光学分割を行うことができる。
【0043】
更に詳しく説明すると、(R)−1−シクロヘキシルエチルアミン〔2−R〕又はその塩を使用すれば、(R)−1,1'−ビナフチル−2,2'−ジカルボン酸〔1−R〕が難溶性のジアステレオマー塩を形成し、(S)−1−シクロヘキシルエチルアミン〔2−S〕又はその塩を使用すれば、(S)−1,1'−ビナフチル−2,2'−ジカルボン酸〔1−S〕が難溶性のジアステレオマー塩を形成する。
【0044】
このため、所望のキラリティーを有するキラルな1,1'−ビナフチル−2,2'−ジカルボン酸〔1**〕は、キラルな1−シクロヘキシルエチルアミン〔2*〕のキラリティーを適宜選択することにより、効率的に取得することができる。
【0045】
キラルな1−シクロヘキシルエチルアミン〔2*〕の塩としては、アミン化合物についての慣用の塩をいずれも使用することができ、例えば、鉱酸塩(例えば、塩酸塩、硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩、臭化水素酸塩)、有機酸塩[例えば、有機スルホン酸塩(メタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩等)、有機カルボン酸塩(酢酸塩、フマル酸塩、フタル酸塩)]等をあげることができるが、キラルな1−シクロヘキシルエチルアミン〔2*〕を遊離の形で使用するのが好ましい。
【0046】
また、キラルな1−シクロヘキシルエチルアミン〔2*〕又はその塩は、光学的に純粋なものであるのが望ましいが、光学純度が90%以上のもの、とりわけ光学純度が95%以上のものであれば、本発明の目的に好適に使用することができる。
【0047】
【発明の実施の形態】
本発明の光学分割方法において、ラセミ型1,1'−ビナフチル−2,2'−ジカルボン酸〔1〕又はその塩に、キラルな1−シクロヘキシルエチルアミン〔2*〕又はその塩を作用させるには、両化合物を適当な溶媒中で作用させることにより行うことができる。
【0048】
上記溶媒としては、ラセミ型1,1'−ビナフチル−2,2'−ジカルボン酸〔1〕又はその塩と、キラルな1−シクロヘキシルエチルアミン〔2*〕又はその塩の一方又は双方を溶解する溶媒であればよい。
【0049】
一方のみを溶解する場合には、固−液(懸濁液を含む)での作用となり、双方を溶解する場合には、溶液中での作用となる。作用効率の面からは双方を溶解し、溶液中での作用を生じる溶媒を用いるのが好ましい。
【0050】
溶液中で作用させるのは、1つの溶媒相にラセミ型1,1'−ビナフチル−2,2'−ジカルボン酸〔1〕又はその塩とキラルな1−シクロヘキシルエチルアミン〔2*〕又はその塩とを溶解し、単一相で作用させる場合に限らず、2つの溶媒相にラセミ型1,1'−ビナフチル−2,2'−ジカルボン酸〔1〕又はその塩とキラルな1−シクロヘキシルエチルアミン〔2*〕又はその塩とをそれぞれ溶解し、その界面で作用させてもよい。
【0051】
また、界面で作用させる場合、相間での作用を促進する目的で界面活性剤(例えば、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム)、相間移動触媒(例えば、テトラエチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムブロミド等の第4級アンモニウム塩、18−クラウン−6等のクラウンエーテル)を添加してもよい。
【0052】
かかる溶媒の具体例としては、水、アルコール系溶媒(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール)、ケトン系溶媒(例えば、アセトン、2−ブタノン、メチルイソブチルケトン)、エステル系溶媒(例えば、酢酸エチル)、芳香族炭化水素系溶媒(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン)、ハロゲン化炭化水素系溶媒(例えば、塩化メチレン、クロロホルム)、飽和脂肪族炭化水素系溶媒(例えば、ヘキサン、シクロヘキサン)、アミド系溶媒(例えば、ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド)、エーテル系溶媒(例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン)、スルホキシド系溶媒(例えば、ジメチルスルホキシド)等があげられる。
【0053】
これらの溶媒は、単独で、また必要に応じて二種類以上の溶媒を適当な比率で混合して使用してもよく、とりわけ、水とアルコール系溶媒(メタノール、エタノール等)を混合して用いるのが好ましい。
【0054】
本発明で使用されるキラルな1−シクロヘキシルエチルアミン〔2*〕又はその塩の量は、特に限定されないが、生成するジアステレオマー塩は、使用するキラルな1−シクロヘキシルエチルアミン〔2*〕又はその塩の量により異なり、具体的には、キラルな1,1'−ビナフチル−2,2'−ジカルボン酸〔1**〕1モルに対し、キラルな1−シクロヘキシルエチルアミン〔2*〕1〜2モルの割合の塩が生成される。
【0055】
いずれの塩も、光学分割に使用することができるが、とりわけ、キラルな1,1'−ビナフチル−2,2'−ジカルボン酸〔1**〕1モルに対し、キラルな1−シクロヘキシルエチルアミン〔2*〕2モルの割合で形成された塩が好ましいため、ラセミ型1,1'−ビナフチル−2,2'−ジカルボン酸〔1〕又はその塩1モルに、キラルな1−シクロヘキシルエチルアミン〔2*〕又はその塩を0.8〜2.5モル、とりわけ1.0〜2.0モル作用させるのが好ましい。
【0056】
また、ラセミ型1,1'−ビナフチル−2,2'−ジカルボン酸〔1〕又はその塩1モルに、キラルな1−シクロヘキシルエチルアミン〔2*〕又はその塩2モル以下を作用させる場合には、必要に応じて、アキラルな塩基を添加してもよい。
【0057】
かかるアキラルな塩基としては、慣用の塩基を使用することができ、例えば、無機塩基[例えば、水酸化アルカリ金属(水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム)、水酸化アルカリ土類金属(水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム)]、有機塩基[例えば、有機アミン(ジメチルアミン、メチルアミン、エチルアミン等)]を使用することができるが、有機アミンを使用するのが好ましく、とりわけ、ジメチルアミンを使用するのが好適である。
【0058】
本発明において、生成するジアステレオマー塩の分離は、2種のジアステレオマー塩の溶解度差を利用して行うことができる。即ち、溶媒から一方のジアステレオマー塩を析出させることにより、他方のジアステレオマー塩から分離する。
【0059】
かかる分離は、ラセミ型1,1'−ビナフチル−2,2'−ジカルボン酸〔1〕又はその塩と、キラルな1−シクロヘキシルエチルアミン〔2*〕又はその塩とを作用させる際に使用した溶媒と同一の溶媒中で行ってもよく、又一旦溶媒系を変更した後、行ってもよい。
【0060】
溶媒系を変更する方法としては、慣用の方法であればよく、例えば(a)ラセミ型1,1'−ビナフチル−2,2'−ジカルボン酸〔1〕又はその塩にキラルな1−シクロヘキシルエチルアミン〔2*〕又はその塩を作用させる場合に使用した溶媒に、更に、溶媒を添加する方法、(b)一旦溶媒を完全に留去した後、溶媒を新たに加える方法、(c)ジアステレオマー塩を溶解しやすい溶媒で抽出し、必要に応じて、溶媒を更に添加する方法等があげられる。
【0061】
2種のジアステレオマー塩を分離させる溶媒としては、一方のキラリティーを有する1,1'−ビナフチル−2,2'−ジカルボン酸のジアステレオマー塩と、他方のキラリティーを有する1,1'−ビナフチル−2,2'−ジカルボン酸のジアステレオマー塩の溶解度の差が大きい溶媒であればよい。
【0062】
とりわけ、一方のキラリティーを有するジアステレオマー塩の高温時と低温時の溶解度の差が、他方のキラリティーを有するジアステレオマー塩の高温時と低温時の溶解度の差よりも、格段に大きい溶媒を使用すれば、溶液の温度変化のみにより分割を効率的に行うことができ好ましい。
【0063】
このような溶媒としては、アルコール系溶媒(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール)等のジアステレオマー塩を溶解させやすい溶媒と、水等のジアステレオマー塩を溶解しにくい溶媒との混合溶媒を使用することができ、とりわけアルコール系溶媒(例えば、メタノール)と水とを4:1〜1:4で混合した溶媒を使用するのが好ましい。
【0064】
溶媒の量は、一方のキラリティーを有するジアステレオマー塩を分離できる量であれば特に制限はないが、析出するジアステレオマー塩1モルに対し3〜20リットルであるのが好ましく、とりわけ、4〜12リットルであるのが好ましい。
【0065】
なお、ラセミ型1,1'−ビナフチル−2,2'−ジカルボン酸〔1〕の塩、キラルな1−シクロヘキシルエチルアミン〔2*〕の塩を使用した場合には、必要に応じ、溶媒に対する分配係数の相違を利用した分液等により、副生する塩、酸、塩基等を除去した後、ジアステレオマー塩の分離・採取を行ってもよい。
【0066】
本発明において、ジアステレオマー塩溶液から難溶性のジアステレオマー塩を析出させる方法としては、ジアステレオマー塩溶液の温度を変化させることにより実施する方法があげられる。
【0067】
具体的には、適当な温度でジアステレオマー塩溶液を作った後、温度を下げることにより、難溶性ジアステレオマー塩を析出させることができる。
【0068】
本発明の光学分割方法における温度条件に特に制限はなく、使用する溶媒の凝固点から沸点の温度範囲が挙げられるが、好ましい実施例をあげるとすれば、ラセミ型1,1'−ビナフチル−2,2'−ジカルボン酸〔1〕又はその塩と、キラルな1−シクロヘキシルエチルアミン〔2*〕又はその塩とを常温〜加熱下で作用させた後、温度を下げ、冷却〜加温下で難溶性ジアステレオマー塩を析出させるものである。
【0069】
また、難溶性ジアステレオマー塩を析出させる際には、溶液を静置してもよく、撹拌してもよいが、撹拌下で析出を行えば、溶液内の各部分での温度差を最小にすることができるため、比較的速く溶液の温度を下げても、純度の高いジアステレオマー塩を析出させることができる点で工業上好ましい。
【0070】
なお、他方の溶解度の高いジアステレオマー塩についても、溶液状態で取り出した後、溶媒を留去し、又は当該ジアステレオマー塩にとって溶解度の低い溶媒を添加して析出させることにより分離することができ、他の塩(例えば、塩化アンモニウム)を添加してジアステレオマー塩の析出量を向上させることもできる。
【0071】
更に、本発明では、反応液から難溶性ジアステレオマー塩は容易に析出するので、接種の必要はないが、析出をより容易にするため、要すれば適当な温度条件下で、目的とするジアステレオマー塩と同種の結晶を接種してもよい。
【0072】
反応液から析出した難溶性ジアステレオマー塩の結晶の採取は、慣用の方法で行うことができ、例えば、デカンテーション、ろ過、遠心分離等の固液分離法により、容易に採取することができる。
【0073】
得られた難溶性ジアステレオマー塩の結晶はそのままでも十分純度が高いが、必要に応じて再結晶することによりその純度を更に高めることができる。
【0074】
かくして分離・採取されたジアステレオマー塩は、塩分解により、遊離酸とし、または塩交換により、ジアステレオマー塩以外の塩とすることができる。即ち、公知の方法(例えば、酸処理)により遊離酸とすることができ、また、公知の方法(例えば、塩基処理)によりジアステレオマー塩以外の塩に変換することができる。このような塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩の如きアルカリ金属塩;アンモニウム塩;メチルアンモニウム塩、ベンジルアンモニウム塩の如き有機塩基塩等があげられる。
【0075】
また、光学分割剤であるキラルな1−シクロヘキシルエチルアミン〔2*〕又はその塩は、塩分解後の母液から通常の方法により回収して再利用することができる。
【0076】
なお、本発明に使用する原料のラセミ型1,1'−ビナフチル−2,2'−ジカルボン酸〔1〕は、例えば、ジャーナル・オブ・ザ・ケミカル・ソサイエティー、1242〜1251頁(1955年)に記載の方法などに従って容易に得ることができる。
【0077】
こうして得られたキラルな1,1'−ビナフチル−2,2'−ジカルボン酸〔1**〕又はその塩を、必要に応じ、反応性誘導体に変換した後、一般式
【0078】
【化32】
【0079】
(Alkは前記と同一意味を有する。)
で示されるジヒドロキシケトン化合物又はその2量体と反応させることにより、一般式
【0080】
【化33】
【0081】
(**及びAlkは前記と同一意味を有する。)
で示されるキラルなケトン化合物を製造することができる。
【0082】
なお、ジヒドロキシケトン化合物〔3〕の2量体は、式
【0083】
【化34】
【0084】
(Alkは前記と同一意味を有する。)
で示される平衡関係にある。
【0085】
Alkとしては、置換されていてもよい炭素数1〜6の直鎖または分枝鎖アルキレン基をあげることができる。直鎖または分枝鎖アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、メチルメチレン基、メチルエチレン基、エチルエチレン基等をあげることができ、置換基としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子の如きハロゲン原子、スルフィニル基、スルホニル基、ヒドロキシ基、ニトロ基、ニトリル基等をあげることができる。これらのうち、非置換アルキレン基、とりわけ、メチレン基が好ましい。
【0086】
キラルな1,1'−ビナフチル−2,2'−ジカルボン酸〔1**〕又はその塩と、ジヒドロキシケトン化合物〔3〕又はその2量体との反応は、エステル合成の常法に従い、適当な溶媒中、脱水剤の存在下で実施することができる。
【0087】
かかる反応に用いる溶媒としては、アセトニトリル等のニトリル系溶媒、ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、ジクロロメタン等のハロゲン化されていてもよい脂肪族炭化水素系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒を使用することができる。
【0088】
脱水剤としてはN,N′−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、DCCと1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、アゾジカルボン酸ジエステル等の慣用の脱水剤をあげることができる。
【0089】
反応は−10〜100℃で行うことができ、とりわけ、0〜70℃で行うのが好ましい。
【0090】
また、キラルな1,1'−ビナフチル−2,2'−ジカルボン酸〔1**〕は、慣用の活性化剤と反応させて、予め反応性誘導体とした後、ジヒドロキシケトン化合物〔3〕又はその2量体と、適当な溶媒中、脱酸剤の存在下に反応させてもよい。
【0091】
活性化剤としては、チオニルクロリド、チオニルブロミド、オギザリルクロリド、N−クロロコハク酸クロリド、N−ブロモコハク酸イミド等のハロゲン化剤;p−トルエンスルホン酸クロリド、ベンゼンスルホン酸クロリド、メタンスルホン酸クロリド等のスルホン化剤;クロロ炭酸イソブチル、2,6−ジクロロ安息香酸クロリド、2,4,6−トリクロロ安息香酸クロリド等の混合酸無水物形成剤;N−メチル−2−クロロピリジニウムヨージド等の活性エステル化剤をあげることができる。
【0092】
キラルな1,1'−ビナフチル−2,2'−ジカルボン酸〔1**〕は、適当な溶媒中、活性化剤と、ピリジン、トリエチルアミン、N−メチルモルホリン等の塩基の存在下又は非存在下に、反応させることにより、反応性誘導体を形成することができる。
【0093】
かかる反応に用いる溶媒としては、アセトニトリル等のニトリル系溶媒、ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化されていてもよい脂肪族炭化水素系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒を使用することができる。
【0094】
反応は−10〜100℃で行うことができ、とりわけ、0〜70℃で行うのが好ましい。
【0095】
こうして得られるキラルな1,1'−ビナフチル−2,2'−ジカルボン酸〔1**〕の反応性誘導体とジヒドロキシケトン化合物〔3〕又はその2量体との反応は、脱酸剤の存在下、反応性誘導体を形成する際に用いる溶媒と同様の溶媒を用いて行うことができ、反応は、−10〜150℃、とりわけ、0〜100℃で行うのが好ましい。
【0096】
脱酸剤としては、トリエチルアミン、N−メチルモルホリン等の慣用の脱酸剤をあげることができる。
【0097】
更に、キラルな1,1'−ビナフチル−2,2'−ジカルボン酸〔1**〕又はその塩の反応性誘導体への変換、及びこの反応性誘導体とジヒドロキシケトン化合物〔3〕又はその2量体との反応とは、同一反応系内で行うこともでき、キラルな1,1'−ビナフチル−2,2'−ジカルボン酸〔1**〕又はその塩、ジヒドロキシケトン化合物〔3〕又はその2量体、慣用の活性化剤、及び塩基を溶媒中に添加して加熱するだけで反応を進行させることができる。
【0098】
こうして得られるキラルなケトン化合物[4**]は、種々の炭素−炭素二重結合の不斉エポキシ化反応に幅広く使用することができ、例えば、オキソン等の酸化剤の存在下、ケイ皮酸誘導体に適用すれば、光学活性1,5−ベンゾチアゼピン誘導体の合成中間体として有用な光学活性フェニルグリシッド酸誘導体を製造することができる(WO98/56762号)。
【0099】
以下実施例により具体的に説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
【0100】
【実施例】
実施例1
(1)ラセミ型1,1'−ビナフチル−2,2'−ジカルボン酸(685mg、2mmol)及び(R)−1−シクロヘキシルエチルアミン(509mg、4mmol)をメタノール(5ml)に加熱溶解し、反応液に水(5ml)を加え、撹拌下放冷する。25℃迄冷却後、更に1時間同温で撹拌して、結晶を析出させる。析出晶をろ取し、少量の50%メタノールで洗浄後、60℃で送風乾燥することにより、(R)−1,1'−ビナフチル−2,2'−ジカルボン酸・ジ(R)−1−シクロヘキシルエチルアミン(449mg、37.6%)を得る。
【0101】
m.p.:169−172℃
[α]D 25:+130.1°(c=1.0、メタノール)
ジアステレオマー過剰率(HPLC):99.1%de
IR(cm-1):2925,1580,1550,1390
1H−NMR δ(DMSO−d6、ppm):0.8−1.3(m,12H),0.99(d,6H),1.5−1.8(m,10H),2.75(m,2H),6.71(d,2H),7.23(t,2H),7.46(t,2H),7.65(d,2H),8.02(t,4H) 。
【0102】
なお、ジアステレオマー過剰率(%de)は、次の条件での高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により測定した(以下、光学純度についても同様)。
【0103】
カラム:DAICEL CHIRALCEL OD 4.6x250mm
移動相:n−ヘキサン/エタノール/トリフルオロ酢酸=90/10/0.1
流速:1.0ml/分
検出波長:UV−254nm
温度:35℃ 。
【0104】
(2)(R)−1,1'−ビナフチル−2,2'−ジカルボン酸・ジ(R)−1−シクロヘキシルエチルアミン(298mg,0.5mmol)を酢酸エチル(5ml)に懸濁し、0.5N塩酸(5ml)を加えて酢酸エチル層を分取する。得られる酢酸エチル層を水洗後、濃縮し、さらに濃縮残さを80℃で乾燥することにより、(R)−1,1'−ビナフチル−2,2'−ジカルボン酸(171mg、定量的)を得る。
【0105】
[α]D 25:+39.5°(c=1.0、メタノール)
光学純度(HPLC):99.1%ee
IR(cm-1):3065,1695,1250
1H−NMR δ(DMSO−d6、ppm):6.88(d,2H),7.28(t,2H),7.55(t,2H),8.05(d,2H),8.09(s,4H) 。
【0106】
実施例2〜3
実施例1(1)、(2)の方法に準じ、表1に示す条件で、ラセミ型1,1'−ビナフチル−2,2'−ジカルボン酸を、キラルな1−シクロヘキシルエチルアミンを用いて光学分割する。
【0107】
得られたそれぞれのジアステレオマー塩の、上記HPLC条件で分析した結果も表1に示す。
【0108】
【表1】
【0109】
a) 1,1'−ビナフチル−2,2'−ジカルボン酸1モルに対し、2モル使用b) 1,1'−ビナフチル−2,2'−ジカルボン酸1g当たりの溶媒量
c) ラセミ体に対する収率
d) HPLCによる分析結果 。
【0110】
実施例4
ラセミ型1,1'−ビナフチル−2,2'−ジカルボン酸(10.3g,30mmol)、50%ジメチルアミン水溶液(2.44g,27mmol)及び(R)−1−シクロヘキシルエチルアミン(4.58g,36mmol)をメタノール(22ml)に加熱溶解し、反応液に水(50ml)を加え、撹拌下放冷する。25℃迄冷却後、更に1時間同温で撹拌して、結晶を析出させる。析出晶をろ取し、40%メタノール(20ml)で洗浄後、60℃で送風乾燥することにより、(R)−1,1'−ビナフチル−2,2'−ジカルボン酸・ジ(R)−1−シクロヘキシルエチルアミン(6.85g,38.3%)を得る。
【0111】
m.p.:169−172℃
[α]D 25:+134.6°(c=1.0、メタノール)
ジアステレオマー過剰率(HPLC):99.3%de 。
【0112】
参考例1
トランス−4−メトキシ桂皮酸メチルエステル(192mg,1.0mmol)を1,2−ジメトキシエタン(15ml)に室温で溶解させた後、4×10-4Mエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩水溶液(10ml)を添加し、次いで実施例1−(2)の生成物からジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティー(The Journal of American Chemical Society)第118巻第491〜492頁(1996年)のサプリメンタリー・マテリアル(Supplementary Material)記載の方法により得られる式:
【0113】
【化35】
【0114】
で表わされる光学活性ケトン化合物(40mg,0.1mmol)を添加し、外浴により、0℃に冷却する。その後、オキソン<化学組成:2KHSO5・KHSO4・K2SO4>(6.14g,10mmol)と炭酸水素ナトリウム(2.6g,31mmol)との混合物を6回に分けて1時間ごとに添加する。添加終了後、さらに2時間攪拌を行なった後、得られる反応混合物を半飽和食塩水にあけ、エーテルで抽出する。有機層を飽和食塩水で洗浄し、次いで無水硫酸マグネシウムで乾燥させる。
【0115】
乾燥後、無水硫酸マグネシウムを濾別し、濾液から溶媒を留去する。得られる残渣に、酢酸エチルとn−ヘキサンの1:8(容量比)の混合物(9ml)を添加し、室温で1時間攪拌する。
【0116】
析出する白色粉末を濾取し、減圧下で乾燥し、前記光学活性ケトン化合物(32mg)を回収する(回収率:80重量%)。一方、得られる濾液(HPLCでの収率:91%)をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィー(移動相:酢酸エチル:n−ヘキサン=1:8(容量比))で精製することにより、(2R,3S)−3−(4−メトキシフェニル)グリシッド酸メチルエステル(135mg,光学純度:81%ee、単離収率:65%)を得る。
【0117】
【発明の効果】
本発明の方法によれば、ラセミ型1,1'−ビナフチル−2,2'−ジカルボン酸〔1〕の光学分割を、低分子量であると共に不斉中心が1つしかない、市販のキラルな1−シクロヘキシルエチルアミン〔2*〕を用いることにより、煩雑な工程を経ることなく行うことができ、高収率、高光学収率で所望のキラリティーを有する1,1'−ビナフチル−2,2'−ジカルボン酸〔1**〕を製造することができる。また、毒性の高い光学分割剤を用いていないため、本発明方法は安全性の面でも優れた方法である。
Claims (10)
- 分離・採取されるジアステレオマー塩がキラルな1,1'−ビナフチル−2,2'−ジカルボン酸〔1**〕1モルに対し、キラルな1−シクロヘキシルエチルアミン〔2*〕2モルの割合で形成された塩である請求項2記載の製法。
- 式
- Alkがメチレン基である請求項8又は9記載の製法。
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