JP3253634B2 - グリシジルスルホナート誘導体の製造法 - Google Patents
グリシジルスルホナート誘導体の製造法Info
- Publication number
- JP3253634B2 JP3253634B2 JP52586597A JP52586597A JP3253634B2 JP 3253634 B2 JP3253634 B2 JP 3253634B2 JP 52586597 A JP52586597 A JP 52586597A JP 52586597 A JP52586597 A JP 52586597A JP 3253634 B2 JP3253634 B2 JP 3253634B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- producing
- glycidol
- reaction
- propanediol
- inorganic base
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07D—HETEROCYCLIC COMPOUNDS
- C07D303/00—Compounds containing three-membered rings having one oxygen atom as the only ring hetero atom
- C07D303/02—Compounds containing oxirane rings
- C07D303/12—Compounds containing oxirane rings with hydrocarbon radicals, substituted by singly or doubly bound oxygen atoms
- C07D303/16—Compounds containing oxirane rings with hydrocarbon radicals, substituted by singly or doubly bound oxygen atoms by esterified hydroxyl radicals
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07D—HETEROCYCLIC COMPOUNDS
- C07D301/00—Preparation of oxiranes
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Epoxy Compounds (AREA)
Description
関する。グリシジルスルホナート誘導体は、各種の医
薬、農薬および生理活性物質等を合成するための有用な
合成中間体である。
シドールを芳香族炭化水素或いはハロゲン化炭化水素系
溶媒中で、3級アミン化合物の存在下、スルホニルクロ
ライド類と反応させる方法が一般的である。例えばジク
ロロメタンあるいはトルエン溶媒中で反応させる方法
(J.Org.Chem.,51,3710(1986),J.Org.Chem.,54,1295
(1989),USP4946974)が知られている。しかしなが
ら、これらの方法では、原料となるグリシドールが不安
定で、二量化反応などの副反応を起こすため、生成物は
多量の不純物を含み、そのため高い化学純度の目的物を
得るためには精密蒸留や数回の再結晶が必要であり、そ
れが収率の低下を招くなどの工業的に問題となる点が多
くよりすぐれた方法の開発が求められていた。最近、水
/トルエン2相系でグリシドールを第3級アミンの存在
下に有機ハロゲン化スルホニルと反応させる方法(特開
平6−306067)も提案されているが、反応が遅いうえに
純度も十分ではなく、また中間原料であるグリシドール
を有機溶媒中で合成した後、更に水抽出する操作が必要
となり操作が煩雑である。本発明者らはこれらの問題点
を改善するために、3−クロロ−1,2−プロパンジオー
ルを有機溶媒中アルカリ金属の炭酸塩で処理した後、生
成するグリシドールを単離することなくp−トルエンス
ルホニルクロライド、第3級アミンおよび4−ジメチル
アミノピリジンと反応させてグリシジルトシレートを製
造する方法(特開平7−165743)を提案しているが、こ
の方法ではアルカリ金属の炭酸塩で処理した時の反応の
速度が遅く、そのため副反応が進行し不純物が多く含ま
れるという問題点、またハロゲン系以外の溶媒では反応
時に溶液粘度が上昇し困難であるという実用上の問題点
がる。
に鋭意検討を行った結果、グリシドールにスルホニルハ
ライド類を反応させるに際し、溶媒として有機溶媒/水
の2相系溶媒を用いると共に、特定の無機塩基と第3級
アミンまたはピリジン誘導体との存在下に反応を行うこ
とによって目的のグリシジルスルホナート誘導体が高純
度、高収率にて得られることを見い出し、本発明を完成
するに至った。本発明者らは、さらに、中間原料のグリ
シドールを、3−クロロ−1,2−プロパンジオールを水
系溶媒中で特定の塩基性条件下に反応させて生成させ、
その生成するグリシドールを単離することなく、上記ス
ルホニルハライド類との反応に供することによって、一
層簡便かつ効率よく目的とするグリシジルスルホナート
誘導体が製造されることを見い出した。
イドを、有機溶媒/水の2相系で、アルカリ金属もしく
はアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩よ
り選ばれる少なくとも一種の無機塩基と第3級アミンま
たはピリジン誘導体との組合せからなる塩基の存在下に
反応させることを特徴とするグリシジルスルホナート誘
導体の改良製造法を提供するものである。
ルを、3−クロロ−1,2−プロパンジオールを水系溶媒
中で上記無機塩基、すなわちアルカリ金属もしくはアル
カリ土類金属の水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩より選ば
れる少なくとも一種と反応させることによって生成さ
せ、該生成したグリシドールを単離することなく、上記
スルホニルハライドとの反応に供することにより、3−
クロロ−1,2−プロパンジオールから単一反応槽にて一
挙に目的とするグリシジルスルホナート誘導体を製造す
る方法が提供される。
またはラセミ体のいずれも用いられるが、光学活性体を
用いれば目的のグリシジルスルホナートが直接光学活性
体として得られるため好ましい。また、その目的には、
原料に光学活性体の3−クロロ−1,2−プロパンジオー
ルを使用することにより、より簡便に光学活性体のグリ
シジルスルホナートを得ることができる。
ルから出発する工程から示せば下記反応式のとおりであ
る。
基、Xはハロゲン原子を示す) 本発明の方法によれば上記反応式で示されるように、
まず3−クロロ−1,2−プロパンジオールに水系溶媒中
で無機塩基を作用させることにより環化反応を起こし、
中間体であるグリシドールへ導き、次いでこれに有機溶
媒/水の2相系溶媒中で無機塩基と第3級アミン等の組
合せからなる塩基の存在下にスルホニルハライドを反応
させてグリシドールの水酸基をスルホニル基に置換する
ことによりグリシジルスルホナートが得られる。
水系溶媒(通常、水)中、塩基性条件下で行う。その際
使用する塩基としては、アルカリ金属の水酸化物、炭酸
塩、炭酸水素塩、もしくはアルカリ土類金属の水酸化
物、炭酸塩、炭酸水素塩をそれぞれ単独、あるいは混合
して用いることができ、例えば、水酸化リチウム、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、炭
酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カル
シウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸
水素カリウムが挙げられるが、好ましくはアルカリ金属
の水酸化物であり、特に好ましくは水酸化ナトリウム、
水酸化カリウムである。該塩基の使用量は原料である3
−クロロ−1,2−プロパンジオールに対し、1モル当量
以上、通常1.0〜10.0モル当量、より好ましくは1.0〜4.
0モル当量である。1モル当量未満では反応が完結せ
ず、10.0モル当量を越えると副反応を生じ好ましくな
い。環化反応の反応温度としては、0〜40℃、好ましく
は15〜30℃である。この範囲より低温では反応の進行が
遅く、またこの範囲を越えると原料の2量体やグリセリ
ン等が副生し、収率が低下する。
ロ−1,2−プロパンジオールを滴下するか、あるいは希
釈せずにそのまま滴下して撹拌することにより行う。ま
た、逆に水で希釈した3−クロロ−1,2−プロパンジオ
ールに、塩基の水溶液を滴下して撹拌することにより行
う。3−クロロ−1,2−プロパンジオール水溶液の濃度
は5〜90重量%程度が好ましい。この範囲以下では釜効
率が悪く実用的でない。またこの範囲を越えると副生成
物が増え好ましくない。反応は通常1〜24時間で終了し
中間体であるグリシドールが得られ、続いて次の置換反
応が行われる。
は次のようにして達成される。すなわち、上記方法によ
り得られたグリシドールを含む水系反応混合液に、第3
級アミンまたはピリジン誘導体を添加し、必要により無
機塩基を追加し、無機塩基と第3級アミンまたはピリジ
ン誘導体との組合せからなる塩基の存在下、有機溶媒に
溶解させたスルホニルハライドを滴下することによりグ
リシジルスルホナートが得られる。なお、無機塩基の追
加は、グリシドールを含む反応混合物に第3級アミンも
しくはピリジン誘導体を加え、さらに、有機溶媒に溶解
させたスルホニルハライドを滴下した後に行ってもよ
い。またこれ以外の方法であっても実質的に有機溶媒/
水の2相系で無機塩基と第3級アミンまたはピリジン誘
導体との組合せの存在下にスルホニルハライドを反応さ
せる方法であればよい。
上記の前工程から連続して行う代わりに、市販のグリシ
ドール等を用いてスルホン化する場合には、グリシドー
ル水溶液に、無機塩基と第3級アミンまたはピリジン誘
導体との組合せの存在下に、スルホニルハライドの有機
溶媒溶液を滴下して反応させる。この際、無機塩基と第
3級アミンまたはピリジン誘導体は同時にまたは別々に
反応系に添加することができ、例えば、第3級アミンま
たはピリジン誘導体をスルホニルハライドと一緒に有機
溶媒に溶かして添加し、無機塩基をグリシドール水溶液
に予め添加しておくか、またはスルホニルハライド含有
液の滴下後に反応系に添加してもよい。
タンスルホニルクロライド、エタンスルホニルクロライ
ド等の炭素数1〜6個の脂肪族炭化水素のスルホニルハ
ライド、ベンゼンスルホニルクロライド、p−トルエン
スルホニルクロライド、3−ニトロベンゼンスルホニル
クロライド、4−クロロベンゼンスルホニルクロライド
等の置換または非置換フェニルスルホニルハライドまた
はナフチルスルホニルハライドが挙げられ、それらのフ
ェニル環またはナフチル環上の置換基としては、炭素数
1〜4個のアルキル基、炭素数1〜4個のアルコキシ
基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基などが挙げられ
る。
て0.6〜1.5モル当量、好ましくは0.8〜1.2モル当量であ
る。グリシドールを3−クロロ−1,2−プロパンジオー
ルから出発して製造し、単離することなるスルホニルハ
ライドと反応させる場合には、その出発原料の3−クロ
ロ−1,2−プロパンジオールに対し、スルホニルハライ
ドを0.6〜1.5モル当量、より好ましくは0.8〜1.2モル当
量使用する。上記使用量の下限未満では収率が低下し、
またその上限を越えると過剰のスルホニルハライドが反
応系中に残存し目的物の化学純度が低下する。
反応で用いたものと同じ無機塩基が挙げられ、アルカリ
金属の水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、もしくはアルカ
リ土類金属の水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩をそれぞれ
単独、あるいは混合して用いることができ、例えば、水
酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水
酸化カルシウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸
カリウム、炭酸カルシウム、炭酸水素リチウム、炭酸水
素ナトリウム、炭酸水素カリウムを使用できるが、好ま
しくはアルカリ金属の水酸化物であり、特に好ましくは
水酸化ナトリウム、水酸化カリウムである。この無機塩
基の使用量はグリシドールに対し、0.6モル当量以上、
通常0.8〜6.0モル当量、より好ましくは1.0〜4.0モル当
量である。この下限未満では反応が完結せず、また上限
を越えると副反応を生じ好ましくない。このグリシドー
ルのスルホ化反応で用いる無機塩基は、前述の環化反応
で用いた無機塩基と同一であっても異なっていても良
い。またグリシドールのスルホン化反応で使用される無
機塩基の量の全部または一部を先の環化反応時に環化反
応に必要な塩基と併せて添加することもできるが、この
場合も環化反応時に加える無機塩基の量は3−クロロ−
1,2−プロパンジオールに対して1.0〜10.0モル当量であ
ることが好ましい。
はトリメチルアミン、N,N−ジメチルエチルアミン、N,N
−ジエチルメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロ
ピルアミン、N,N−ジメチルイソプロピルアミン、エチ
ルジイソプロピルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシ
ルアミン、N,N−ジエチルシクロヘキシルアミン、N−
メチルジシクロヘキシルアミン、N,N−ジメチルヘキシ
ルアミン、N,N−ジエチルヘキシルアミンなどの各アル
キル部分が炭素数1〜6個のトリアルキルアミン、N,N
−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N−メ
チル−N−エチルアニリン、N−メチルジフェニルアミ
ンなどのアルキル部分が炭素数1〜4個のジアルキルフ
ェニルアミンまたはモノアルキルジフェニルアミン、1
−メチルピロリジン、1−ブチルピロリジン、1−メチ
ルピペリジン、1−エチルピペリジン、4−メチルモル
ホリン、4−エチルモルホリンなどの炭素数1〜4のア
ルキル基で置換した3級アミンを有する含窒素飽和複素
環化合物が挙げられる。またピリジン誘導体としては、
ピリジンのほか、2−ピコリン、2−t−ブチルピリジ
ン、4−エチルピリジン、4−t−ブチルピリジン、2,
6−ルチジン、2,4,6−コリジンなどの炭素数1〜4のア
ルキル基1〜3個で置換したピリジン化合物、2−メト
キシピリジン、2−ブトキシピリジン、4−メトキシピ
リジン、2,6−ジメトキシピリジンなどの炭素数1〜4
のアルコキシル基1〜3個で置換したピリジン化合物、
2−N,N−ジメチルアミノピリジン、3−N,N−ジメチル
アミノピリジン、4−N,N−ジメチルアミノピリジン、
4−N,N−ジエチルアミノピリジン、4−N−メチル−
N−エチルアミノピリジンなどの炭素数1〜4のアルキ
ル基で置換した3級アミノ基を有するピリジン化合物な
どが挙げられる。その使用量は、グリシドールに対して
0.5〜30モル%、好ましくは1.0〜20モル%である。また
グリシドールを3−クロロ−1,2−プロパンジオールか
ら出発して製造し、単離することなくスルホニルハライ
ドと反応させる場合には、その3−クロロ−1,2−プロ
パンジオールに対して0.5〜30モル%であり、好ましく
は1〜20モル%である。この第3級アミンまたはピリジ
ン誘導体の使用量が上記範囲の下限未満では反応時間が
極端に長くなり収率も低下し、またその範囲の上限を越
えると副反応が生じて目的生成物の化学純度が下がり好
ましくない。前述した特開平6−306067で開示されてい
る水/トルエン2相系で反応させる方法のように、無機
塩基を用いず第3級アミンだけで反応させると、反応が
遅いうえに不純物が多数生成する。
としては、スルホニルハライドを溶解しかつそれと反応
しない水に非相溶性の有機溶媒はいずれも使用でき、例
えば、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,1−ジ
クロロエタン、クロロホルム等のハロゲン系炭化水素
類、ジエチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、ジ
イソプロピルエーテル等のエーテル類、メチルエチルケ
トン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル等のエステル類あるいは、ベンゼン、ト
ルエン、キシレン等の芳香族炭化水素をそれぞれ単独も
しくは混合して用いることができる。
℃、好ましくは0〜10℃で行われる。この下限より低温
では反応の進行が遅く、また上限温度を越えると生成し
たグリシジルスルホナートが加水分解を受ける等、副反
応が有意に進行し収率が低下する。
酸などの無機酸による分液操作によって簡便に目的とす
るグリシジルスルホナートを有機層へと分離できる。す
なわち、反応液を無機酸で中和し分液処理した後、溶媒
留去により得られるものを通常の精製法、例えば蒸留、
再結晶により、容易に高純度のグリシジルスルホナート
を得ることができる。
−プロパンジオールまたは光学活性なグリシドールを用
いることにより、光学活性なグリシジルスルホナートを
製造することができる。光学純度の高い3−クロロ−1,
2−プロパンジオールまたは光学活性なグリシドールを
原料として用いると、反応中顕著なラセミ化反応は起こ
らず高光学純度のグリシジルスルホナートを合成するこ
とができる。高光学純度(98%ee以上)の3−クロロ−
1,2−プロパンジオールとしては例えば本出願人による
特公平4−73998号公報および特公平4−73999号公報に
記載されているように、S体またはR体の3−ハロゲノ
−1,2−プロパンジオールを炭素源として生育し得るシ
ュードモナス属またはアルカリゲネス属の細菌を用い、
これをラセミ体の3−ハロゲノ−1,2−プロパンジオー
ルを単一の炭素源とする培地中で培養し、残存するR体
またはS体の3−ハロゲノ−1,2−プロパンジオールを
分取する方法により得ることができる。また本発明の方
法によれば、(R)−3−クロロ−1,2−プロパンジオ
ールからは(R)グリシドールを経て(S)−グリシジ
ルスルホナートが、(S)−3−クロロ−1,2−プロパ
ンジオールからは(S)グリシドールを経て(R)−グ
リシジルスルホナートが得られる。
るが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。
ル)、水40mlの溶液に24〜26℃で24%苛性ソーダ16.6g
(0.1モル)を滴下し1時間撹拌した。反応液を冷却
し、0〜5℃で撹拌しながら、N,N−ジメチルアミノピ
リジン0.17g(0.0014モル)とp−トルエンスルホニル
クロライド17.2g(0.09モル)をトルエン50mlに溶かし
た溶液、次いで24%苛性ソーダ16.6g(0.1モル)を順次
滴下し1時間撹拌した。分液後、有機層を1%塩酸溶液
50mlと水50mlで洗浄し、過剰の溶液を減圧下留去した。
この時点でHPLCによる化学純度は98.3%であった。留去
後の残留物をイソプロピルアルコール/ヘキサン=1/1
(V/V)で再結晶し、グリシジルトシレート14.0gを得
た。化学純度は99.6%であった(単離収率は68%)。
(R)−3−クロロ−1,2−プロパンジオール(光学純
度98.6%ee)であること以外は実施例1と同様の方法で
反応を行ったところ、再結晶前でHPLCによる化学純度は
98.5%、光学純度は97.3%eeであった。再結晶後(S)
−グリシジルトシレート(化学純度99.8%、光学純度9
8.3%ee)が15.5g得られた(単離収率は75%)。
純度98.7%ee)10g(0.09モル)、水40mlの溶液に26℃
で24%苛性ソーダ15.1g(0.09モル)を滴下し1時間撹
拌した。反応液を冷却し、0〜5℃で撹拌しながら、N,
N−ジメチルアミノピリジン0.17g(0.0014モル)とm−
ニトロベンゼンスルホニルクロライド20g(0.09モル)
をトルエン90mlに溶かした溶液、次いで24%苛性ソーダ
16.6g(0.1モル)を順次滴下し1時間撹拌した。分液
後、有機層を1%塩酸溶液50mlと水50mlで洗浄し、過剰
の溶媒を減圧下留去した。この時点で化学純度は97.2
%、光学純度は97.5%eeであった。留去後の残留物を酢
酸エチル/ヘキサン=1/1(V/V)で再結晶し、(S)−
グリシジルノシレート16.4gを得た(単離収率は70
%)。化学純度は98.4%、光学純度は98.9%eeであっ
た。
e)6.7g(0.09モル)、水50mlの溶液を0〜5℃で撹拌
しながら、N,N−ジメチルアミノピリジン0.17g(0.0014
モル)とp−トルエンスルホニルクロライド17.2g(0.0
9モル)をトルエン50mlに溶かした溶液、次いで24%苛
性ソーダ18.1g(0.11モル)を順次滴下し1時間撹拌し
た。分液後、有機層を1%塩酸溶液50mlと水50mlで洗浄
し、過剰の溶媒を減圧下留去した。この時点でHPLCによ
る化学純度は99.5%、光学純度は99.5%eeであった。留
去後の残留物をイソプロピルアルコール/ヘキサン=1/
1(V/V)で再結晶し、(S)−グリシジルトシレート
(化学純度は99.9%、光学純度は99.6%ee)16.1gを得
た(単離収率は78%)。
らに苛性ソーダの添加終了後70時間撹拌する事以外はす
べて実施例1と同様の方法で反応を行ったところ、未反
応のp−トルエンスルホニルクロライドが大量に残り、
グリシジルトシレートの再結晶前の化学純度は46.8%と
低いものであった。
ル)、水40mlの溶液に24〜26℃で24%苛性ソーダ16.6g
(0.1モル)を滴下し1時間撹拌した。反応液を冷却
し、0〜5℃で撹拌しながら、N,N−ジメチルアミノピ
リジン0.17g(0.0014モル)とp−トルエンスルホニル
クロライド17.2g(0.09モル)をトルエン50mlに溶かし
た溶液、次いで苛性ソーダを用いずにトリエチルアミン
10.1g(0.1モル)を順次滴下し撹拌した。20時間反応さ
せたが反応が完結せず未反応のp−トルエンスルホニル
クロライドが残った上、得られたグリシジルトシレート
の再結晶前の化学純度は59.3%と低いものであった。
ン250mlの懸濁液に24〜28℃で攪拌しながら、(S)−
3−クロロ−1,2−プロパンジオール(光学純度98.9%e
e)20g(0.18モル)を滴下した。滴下終了後26時間撹拌
した後、反応液を冷却し、5〜10℃で撹拌しながらトリ
エチルアミン20.1g(0.2モル)滴下し、次いでN,N−ジ
メチルアミノピリジン0.4g(0.0033モル)とp−トルエ
ンスルホニルクロライド34.5g(0.18モル)を添加し
た。添加終了後3時間撹拌を行ない、3%塩酸150mlを
加え塩を溶解させた。有機層を1%塩酸溶液150mlと水1
50mlで洗浄し、過剰の溶媒を減圧下留去した。この時点
で化学純度は93.7%、光学純度は96.6%eeであった。留
去後の残留物をイソプロピルアルコール/ヘキサン=1/
1(V/V)で再結晶し、(S)−グリシジルトシレート2
8.9gを得た(単離収率は70%)。化学純度は98.3%、光
学純度は97.5%eeであった。
Claims (10)
- 【請求項1】グリシドールを有機溶媒/水の2相系溶媒
中でアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の水酸化
物、炭酸塩または炭酸水素塩より選ばれた少なくとも一
種の無機塩基および第3級アミンまたはピリジン誘導体
の組合せからなる塩基の存在下、スルホニルハライドと
反応させることを特徴とするグリシジルスルホナート誘
導体の製造法。 - 【請求項2】スルホニルハライドがp−トルエンスルホ
ニルクロライドまたは、m−ニトロベンゼンスルホニル
クロライドである請求項1に記載のグリシジルスルホナ
ート誘導体の製造法。 - 【請求項3】ピリジン誘導体がN,N−ジメチルアミノピ
リジンである請求項1または2に記載のグリシジルスル
ホナート誘導体の製造法。 - 【請求項4】無機塩基が水酸化ナトリウムおよび/また
は水酸化カリウムである請求項1〜3のいずれかに記載
のグリシジルスルホナート誘導体の製造法。 - 【請求項5】グリシドールが光学活性体である請求項1
〜4のいずれかに記載のグリシジルスルホナート誘導体
の製造法。 - 【請求項6】3−クロロ−1,2−プロパンジオールを水
媒体中でアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の水酸
化物、炭酸塩または炭酸水素塩より選ばれた少なくとも
一種の無機塩基と反応させ、中間体として得られるグリ
シドールを単離することなく、続いて有機溶媒/水の2
相系溶媒中で該無機塩基と第3級アミンまたはピリジン
誘導体の組合せからなる塩基の存在下、スルホニルハラ
イドと反応させることを特徴とするグリシジルスルホナ
ート誘導体の製造法。 - 【請求項7】スルホニルハライドがp−トルエンスルホ
ニルクロライドまたは、m−ニトロベンゼンスルホニル
クロライドである請求項6に記載のグリシジルスルホナ
ート誘導体の製造法。 - 【請求項8】ピリジン誘導体がN,N−ジメチルアミノピ
リジンである請求項6または7に記載のグリシジルスル
ホナート誘導体の製造法。 - 【請求項9】無機塩基が水酸化ナトリウムおよび/また
は水酸化カリウムである請求項6〜8のいずれかに記載
のグリシジルスルホナート誘導体の製造法。 - 【請求項10】3−クロロ−1,2−プロパンジオールが
光学活性体である請求項6〜9のいずれかに記載のグリ
シジルスルホナート誘導体の製造法。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP735696 | 1996-01-19 | ||
JP8-7356 | 1996-01-19 | ||
PCT/JP1997/000075 WO1997026254A1 (fr) | 1996-01-19 | 1997-01-17 | Procede de production de sulfonate de glycidyle |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3253634B2 true JP3253634B2 (ja) | 2002-02-04 |
Family
ID=11663690
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP52586597A Expired - Fee Related JP3253634B2 (ja) | 1996-01-19 | 1997-01-17 | グリシジルスルホナート誘導体の製造法 |
Country Status (7)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US5965753A (ja) |
EP (1) | EP0884313B1 (ja) |
JP (1) | JP3253634B2 (ja) |
AT (1) | ATE197451T1 (ja) |
CA (1) | CA2242954C (ja) |
DE (1) | DE69703483T2 (ja) |
WO (1) | WO1997026254A1 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004094397A1 (ja) * | 2003-04-21 | 2004-11-04 | Kaneka Corporation | スルホン酸グリシジル誘導体の製造法 |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4197815B2 (ja) * | 1999-11-29 | 2008-12-17 | ダイソー株式会社 | 微生物による(s)−3−ハロゲノ−1,2−プロパンジオールの製法 |
CN101044130B (zh) * | 2004-08-19 | 2010-11-17 | 尔艾斯特公司 | 一种制备缩水甘油衍生物的方法 |
FR2882058B1 (fr) * | 2005-02-16 | 2007-04-20 | Batscap Sa | Copolymere d'oxyde d'ethylene ou de propylene et d'un oxirane portant un groupement ionique |
US8268960B2 (en) * | 2006-12-12 | 2012-09-18 | E I Du Pont De Nemours And Company | Process for the synthesis of 3-hydroxyglutaronitrile |
SG186955A1 (en) | 2010-07-08 | 2013-02-28 | Life Technologies Corp | In situ chemiluminescent substrates and assays |
CN102516206A (zh) * | 2011-11-18 | 2012-06-27 | 诚达药业股份有限公司 | 一种合成非手性缩水甘油的方法 |
CZ306363B6 (cs) | 2013-06-10 | 2016-12-21 | Spolek Pro Chemickou A Hutní Výrobu, Akciová Společnost | Způsob výroby epoxy-monomerů a epoxidů |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4946974A (en) * | 1986-10-01 | 1990-08-07 | Massachusetts Institute Of Technology | Optically active derivatives of glycidol |
JP3061492B2 (ja) * | 1992-12-14 | 2000-07-10 | 三井化学株式会社 | グリシジルアリールスルホナート類の製造法 |
US5252759A (en) * | 1993-01-29 | 1993-10-12 | Arco Chemical Technology, L.P. | Process for producing optically active epoxy alcohol derivatives |
JP3250350B2 (ja) * | 1993-12-09 | 2002-01-28 | ダイソー株式会社 | 光学活性グリシジルトシレートの製法 |
-
1997
- 1997-01-17 DE DE69703483T patent/DE69703483T2/de not_active Expired - Fee Related
- 1997-01-17 EP EP97900434A patent/EP0884313B1/en not_active Expired - Lifetime
- 1997-01-17 JP JP52586597A patent/JP3253634B2/ja not_active Expired - Fee Related
- 1997-01-17 US US09/101,878 patent/US5965753A/en not_active Expired - Lifetime
- 1997-01-17 WO PCT/JP1997/000075 patent/WO1997026254A1/ja active IP Right Grant
- 1997-01-17 AT AT97900434T patent/ATE197451T1/de not_active IP Right Cessation
- 1997-01-17 CA CA002242954A patent/CA2242954C/en not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004094397A1 (ja) * | 2003-04-21 | 2004-11-04 | Kaneka Corporation | スルホン酸グリシジル誘導体の製造法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
DE69703483D1 (de) | 2000-12-14 |
EP0884313A4 (en) | 1999-04-14 |
WO1997026254A1 (fr) | 1997-07-24 |
EP0884313A1 (en) | 1998-12-16 |
US5965753A (en) | 1999-10-12 |
CA2242954A1 (en) | 1997-07-24 |
EP0884313B1 (en) | 2000-11-08 |
DE69703483T2 (de) | 2001-05-10 |
ATE197451T1 (de) | 2000-11-11 |
CA2242954C (en) | 2005-11-08 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
TW472052B (en) | Process for preparing 1,4-benzodioxane derivatives | |
JP3253634B2 (ja) | グリシジルスルホナート誘導体の製造法 | |
KR100255039B1 (ko) | L-카르니틴의제조방법 | |
JP4750337B2 (ja) | スルホン酸エステルの製造方法 | |
US6278002B1 (en) | Process for the preparation of (2r,3s)-3-amino-1,2-oxirane | |
TW460440B (en) | A process for preparing A 3-amino-2-hydroxy-1-propyl ether | |
JP3250350B2 (ja) | 光学活性グリシジルトシレートの製法 | |
KR100514819B1 (ko) | 키랄 글리시딜 유도체의 제조방법 | |
JP2007291010A (ja) | 光学活性2−メチルエピハロヒドリン等の製造法 | |
US6639095B1 (en) | Process for preparing optically active α-hydroxy acids and derivatives thereof | |
JP2007297330A (ja) | 2−メチルグリシジル誘導体の製造法 | |
JP3867433B2 (ja) | 1,1’−ビナフチル−2,2’−ジカルボン酸の光学分割方法 | |
US5332843A (en) | Optically active derivatives of gycidol | |
US6600062B2 (en) | Preparation of chiral 6,7-dihydroxy geranyloxy compounds | |
EP0406438A1 (en) | Production of glycidyl ether | |
US6693205B2 (en) | Process for preparing optically active epoxides | |
JP2974181B2 (ja) | シクロブタノールの新規な製造法 | |
WO2007132990A1 (en) | Process for the preparation of chiral glycidylphthalimide in highly optical purity | |
WO2016178162A1 (en) | Synthesis of intermediates used in the manufacture of anti-hiv agents | |
JPH09124629A (ja) | カルバミン酸テトラヒドロフリルエステル誘導体の製造方法 | |
JP3256259B2 (ja) | スルホン誘導体の製造方法 | |
KR100780538B1 (ko) | 키랄 2-히드록시메틸-1,4-벤조디옥산 화합물의 제조방법 | |
JP2006182740A (ja) | グリシジルスルホナート誘導体の製造法 | |
JP2005089442A (ja) | 3,4−エポキシブチル1−スルホナート化合物の新規製法 | |
JPH02235828A (ja) | 光学活性な2―フルオロ―2―メチル―1―アルカノール類及びその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081122 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091122 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091122 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101122 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111122 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121122 Year of fee payment: 11 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131122 Year of fee payment: 12 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |