JP2005089442A - 3,4−エポキシブチル1−スルホナート化合物の新規製法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】4−ハロ−3−ヒドロキシブタン酸エステルを還元して4−ハロ−1,3−ブタンジオールとし、これに塩基を作用させて3,4−エポキシ−1−ブタノールへ導き、次いで塩基の存在下にスルホニルハライドを反応させて3,4−エポキシ−1−ブタノールの水酸基をスルホニル基に変換等することにより3,4−エポキシブチル 1−スルホナートを得る。
【選択図】なし
Description
一般式(2)で表される4−ハロ−3−ヒドロキシブタン酸エステル中のR1で示される低級アルキル基は、炭素数1〜4の直鎖または分枝鎖アルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、n−ブチル基、イソプロピル基、イソブチル基等が挙げられ、Xはハロゲン原子であり、例えば、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。4−ハロ−3−ヒドロキシブタン酸エステルは、Xが塩素の場合、例えば特開平4−124157号公報に開示されている方法、即ち、エピクロロヒドリンから容易に変換できる4−クロロ−3−ヒドロキシブチロニトリルをアルコール中、酸加水分解することにより得ることができる。
一般式(3)で表される化合物の1級水酸基をピリジン誘導体存在下一般式(5)で表されるスルホニル化合物と反応させると一般式(6)で表される化合物が得られる。
反応温度は通常は−20℃〜40℃が好ましく、更に好ましくは−20℃〜25℃である。
なお、実施例において、光学純度の測定は光学活性カラム(キラルセルOB/ダイセル(株)社製)を用いた高速液体クロマトグラフィにより行った。
[実施例1]
(エステルの還元)
窒素雰囲気下、テトラヒドロフラン(200ml)に水素化ホウ素ナトリウム(11.35g, 0.3mol)を入れ、40℃に加熱して(R)−4−クロロ−3−ヒドロキシブタン酸エチル(50g, 0.3mol、光学純度:99.2%ee)のテトラヒドロフラン(80ml)溶液を滴下した。そのまま1時間加熱、さらに室温で15時間反応させ、メタノール(200ml)を滴下し、0℃に冷却して4N塩酸(100ml)を滴下した。同温で30分攪拌したのち、不溶物をろ過して、ろ液を減圧濃縮した。濃縮液を酢酸エチル(200ml×3)で抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄、無水硫酸マグネシウム乾燥、ろ過して、減圧濃縮することにより(R)−4−クロロ−1,3−ブタンジオール(35.76g, 収率95%、旋光度:[α]D 24=24.3°(c=1、MeOH))を得た。
(第一の方法)
炭酸カリウム(13.31g, 96.36mmol)と1,2−ジクロロエタン(100ml)の懸濁液に(R)−4−クロロ−1,3−ブタンジオール(10g, 80.3mmol)を室温で滴下した。滴下終了後24時間した後、塩をろ過することにより、(R)−3,4−エポキシ−1−ブタノールを含む溶液を得た。得られた反応液を冷却し5〜10℃で攪拌しながら、トリエチルアミン(12.3ml, 88.33mmol)を滴下し、4−N,N−ジメチルアミノピリジン(195mg, 1.6mmol)と、p−トルエンスルホニルクロリド(15.3g, 80.3mmol)を添加した。反応終了後、水を加え分液し、有機層を1%塩酸、水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウム乾燥、ろ過し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)により分離・精製し、(R)−3,4−エポキシブチル 1−トシレート(14.86g, 収率76.4%、光学純度:98.7%ee)を得た。
(第一の方法(水系))
(R)−4−クロロ−1,3−ブタンジオール(35g, 0.28mol)、水(175ml)の溶液を0℃に冷却し、24%水酸化ナトリウム水溶液(49.17g, 0.3mol)を滴下し、1時間攪拌した。同温で4−N,N−ジメチルアミノピリジン(0.54g, 4.43mmol)とp−トルエンスルホニルクロリド(53.57g, 0.28mol)をトルエン(160ml)に溶かした溶液、次いで24%水酸化ナトリウム水溶液(49.17g, 0.3mol)を順次滴下し3時間攪拌した。分液後、有機層を1%塩酸(50ml)と飽和食塩水(50ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウム乾燥、ろ過、減圧留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)により分離・精製し、(R)−3,4−エポキシブチル 1−トシレート(49.11g, 収率72.4%、光学純度:98.8%ee)を得た。
(第二の方法)
上記実施例1で得られた(R)−4−クロロ−1,3−ブタンジオール(50.33g, 0.4mol)を2,6−ルチジン(250ml)に溶解し0℃に冷却した。p−トルエンスルホニルクロリド(77.02g, 0.4mol)を少しずつ添加し、添加終了後室温に昇温して15時間攪拌した。反応終了後、2,6−ルチジンを減圧留去し、残渣に酢酸エチル(200ml)と水(100ml)を加えて分液抽出した。有機層を2N塩酸(150ml)、飽和食塩水(100ml)で洗浄後、減圧留去することにより(R)−4−クロロ−3−ヒドロキシ−1−p−トルエンスルホニルオキシブタン(97.0g, 収率87.0%)で得た。
得られた(R)−4−クロロ−3−ヒドロキシ−1−p−トルエンスルホニルオキシブタン(79.76g, 0.286mol)をTHF−MeOH(1:1)混合溶液(800ml)に溶解し、炭酸カリウム(43.48g, 0.315mol)を室温で加え、6時間攪拌した。反応終了後溶媒を留去し、残渣にトルエン(500ml)、水(200ml)を加え分液抽出した。有機層を飽和食塩水(100ml)で洗浄後、減圧濃縮することにより(R)−3,4−エポキシブチル 1−トシレート(65.83g, 収率95.0%、光学純度:98.7%ee)を得た。
Claims (9)
- 下記式(1)
で表される3,4−エポキシブチル 1−スルホナート化合物の製造法において、下記式(2)
で表される4−ハロ−3−ヒドロキシブタン酸エステルを還元して、下記式(3)
で表される4−ハロ−1,3−ブタンジオールとし、次いで第一の方法として塩基を作用させ閉環することにより、下記式(4)
で表されるスルホニル化合物と反応させるか; あるいは、次いで第二の方法として、該4−ハロ−1,3−ブタンジオールの1級水酸基をピリジン誘導体存在下、下記式(5)
で表されるスルホニル化合物と反応させることにより、下記式(6)
で表される化合物を得、塩基を作用させ閉環することを特徴とする、下記式(1)
で表される該3,4−エポキシブチル 1−スルホナート化合物の製造法。 - 塩基を作用させて閉環させる際に使用する溶媒が水系溶媒であり、かつ、当該4−ハロ−1,3−ブタンジオールの閉環反応とそれに続く3,4−エポキシ−1−ブタノールとスルホ二ル化合物との反応をワンポットで行うことを特徴とする請求項2記載の3,4−エポキシブチル 1−スルホナート化合物の製造法。
- 下記式(1)
で表される3,4−エポキシブチル 1−スルホナート化合物の製造法において、下記式(4)
で表されるスルホニル化合物と反応させることを特徴とする、下記式(1)
で表される3,4−エポキシブチル 1−スルホナート化合物の製造法。 - 下記式(1)
で表される3,4−エポキシブチル 1−スルホナート化合物の製造法において、下記式(3)
で表される4−ハロ−1,3−ブタンジオールの1級水酸基をピリジン誘導体存在下、下記式(5)
で表されるスルホニル化合物と反応させることにより、下記式(6)
で表される化合物を得、塩基を作用させ閉環することを特徴とする、下記式(1)
で表される3,4−エポキシブチル 1−スルホナート化合物の製造法。 - 式(5)で表されるスルホニル化合物がp−トルエンスルホニルクロリド、m−ニトロベンゼンスルホニルクロリドまたはメタンスルホニルクロリドである請求項1から6に記載の式(1)で表される3,4−エポキシブチル 1−スルホナート化合物または式(6)で表される中間体の製造法。
- ピリジン誘導体が2,4,6−コリジン、2,6−ルチジン、2,6−ジフェニルピリジン、2,6−ジ−p−トリルピリジン、2,6−ジ−t−ブチルピリジン、2,6−ジクロロピリジン、2,6−ジブロモピリジン、ルチジン、2−メチルピペラジン、2−プロピルピリジンまたは6−クロロ−2−ピコリンである請求項5記載の式(1)で表される3,4−エポキシブチル 1−スルホナート化合物または請求項6記載の式(6)で表される中間体の製造法。
- 出発物質である式(2)、式(3)または式(4)のいずれかの化合物が光学活性体である請求項1から8に記載の式(1)で表される光学活性な3,4−エポキシブチル 1−スルホナート化合物または式(6)で表される光学活性な中間体の製造法。
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