JP3120793U - クローラー式作業車における走行変速装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】最小限度の部品点数で構成される変速装置を提供する。また、コイルスプリングなどの部品を必要としないネコ車のようなクローラー式運搬作業車に適した走行変速装置を提供する
【解決手段】原動機11の動力によって回転する動力軸14に、相対的に大径の低速入力プーリー16と、それよりも小径の高速入力プーリー17を取り付け、クローラーと結合している駆動軸24に、相対的に大径の低速出力プーリー18と、それよりも小径の高速出力プーリー19を取り付け、相対的に大径の低速入力プーリー16と低速出力プーリー18に低速ベルト20を掛回し、小径の高速入力プーリー17と高速出力プーリー19に高速ベルト21を掛回し、低速ベルト20と高速ベルト21の間の空所に、各ベルト20、21の位置に併せてテンションローラー22、23を配置する。
【選択図】図3

Description

本考案は、クローラー式作業車において、クローラーを駆動する駆動軸の回転速度の変速を行う変速装置に関するものである。
走行変速装置は、組み合わせたギヤを操作するいわゆるトランスミッションが一般的である。これには例えば特開平6−201004号があるが、複雑かつ高価である。しかし、簡単な動力付き作業用車両に適した、簡単なトランスミッションは普及していないため、各社が簡便な変速装置を開発しているのが実情である。
本考案の対象は、クローラー式作業車であるが、これは簡単に言えば、一般にネコ車などと呼ばれている1輪式の運搬台車に類似したものであり、このようなものにギヤ式トランスミッションを採用することは、コスト面で不利であるのみならず、重量や、保守性の面からも得策ということはできない。
簡便な方式では、実開昭57−48343号などがある。しかし、同考案の場合は、変速機構の構成部品を適切に操作し、また、原位置に戻すために、多数のコイルスプリングを使用しており、複雑ではないが部品点数が多く、動きも単純ではない。ネコ車のような運搬車の変速装置としては、できるだけ機構が簡単で、扱い易く、故障の少ないものが望まれる。
特開平6−201004号 実開昭57−48343号
本考案は上記の点に着目して成されたもので、その課題は、最小限度の部品点数で構成される変速装置を提供することである。また、本考案の他の課題は、コイルスプリングなどの部品を必要としないネコ車のようなクローラー式運搬作業車に適した走行変速装置を提供することである。
前記の課題を解決するため本考案は、クローラー式作業車における走行変速装置として、原動機の動力によって回転する動力軸に、相対的に大径の低速入力プーリーと、それよりも小径の高速入力プーリーを取り付け、クローラーと結合している駆動軸に、相対的に大径の低速出力プーリーと、それよりも小径の高速出力プーリーを取り付け、相対的に大径の低速入力プーリーと低速出力プーリーに低速ベルトを掛回し、小径の高速入力プーリーと高速出力プーリーに高速ベルトを掛回し、低速ベルトと高速ベルトの間の空所に、各ベルトの位置に併せてテンションローラーを配置するとともに、そのテンションローラーにより、低速ベルトを加圧して低速運転する方向へ移動させるか、或いは、高速ベルトを加圧して高速運転する方向へ移動させるか、の操作を行う変速レバーを、車体側に設けた係止部により位置決めするように構成するという手段を講じたものである。
本発明の対象とするものはクローラー式作業車であるが、その中でも、一般にネコ車などと呼ばれている1輪式の運搬台車に代表されるような、簡便な作業車両である。原動機となるのは、内燃エンジン、電動機類であり、これらから出力として取り出される動力軸の回転を、本考案の装置によって変速し、駆動軸に出力する。
動力軸には、相対的に大径の低速入力プーリーと、それよりも小径の高速入力プーリーを取り付け、クローラーと結合している駆動軸に、相対的に大径の低速出力プーリーと、それよりも小径の高速出力プーリーを取り付ける。そして、相対的に大径の低速入力プーリーと低速出力プーリーに低速ベルトを掛回し、小径の高速入力プーリーと高速出力プーリーに高速ベルトを掛回する。低速ベルトを、低速入力プーリーと低速出力プーリーに掛回し、また、高速ベルトを高速入力プーリーと高速出力プーリーに掛回した状態において、動力伝達は殆ど行われないか、或いは、極く低いトルクで伝達されるに止まっている、つまり摩擦が小さい間はスリップする。
上記プーリーの直径の差によって、低速ベルトと高速ベルトとの間に、空所が形成される。そこで、この空所にテンションローラーを配置する。テンションローラーは、各ベルトの位置に合わせて、1本のローラー軸上に設けられる。そして、低速ベルトを加圧して低速運転する方向へ移動させるか、或いは、高速ベルトを加圧して高速運転する方向へ移動させるか等の操作を行うために、変速レバーが上記ローラー軸に取り付けられ、変速レバーは、車体側に設けた係止部により位置決めするように構成されている。
本考案の対象となるクローラー式作業車は、クローラーだけを走行手段として有しているものであっても良いし、また、クローラー以外に補助的な車輪を併せ持っているものであっても良い。また、クローラーは1輪車のように1組であっても良いし、また、左右1対のクローラーを持っていても良い。一般的には、前部にクローラーを有し、後部に補助車輪を有し、その後方にハンドルを有している配置を取ることが望ましい。
なお、本考案の変速装置の出力軸である駆動軸とクローラーとは、チェーンドライブやベルトドライブ、シャフトドライブなど任意の、しかし簡易な、公知の手段によって結合することができる。原動機と変速装置、クローラーなどは、車体側に取り付けられる。また、車体上は荷台、その他の要素に使用されるものとする。
本考案は上記のように構成されかつ作用するものであるから、最小限度の部品点数で構成され、廉価に製造可能な変速装置を提供することができるという効果を奏する。特に、本考案によれば、コイルスプリングなどの部品を必要としないため、故障し難く、また、保守も容易であり、ネコ車のようなクローラー式運搬作業車に適した走行変速装置を提供することができる。
以下図示の実施形態を参照して、本考案に係るクローラー式作業車における変速装置について、より詳細に説明する。図1は、本考案の対象であるクローラー式作業車10の平面図、図2は側面図であり、図5に背面図が示されている。
本考案におけるクローラー式作業車10は、一般にネコ車などと呼ばれている1輪式の運搬台車に代表されるような、簡便な作業車両である。例示の場合、原動機11は、内燃エンジンであり、その出力軸12はギヤボックス13において直交する動力軸14に連絡し、この動力軸14の回転を、本考案に係る変速装置15によって変速する構成である。
動力軸14には、相対的に大径の低速入力プーリー16と、それよりも小径の高速入力プーリー17を取り付け、クローラー30と結合している駆動軸24に、相対的に大径の低速出力プーリー18と、それよりも小径の高速出力プーリー19を取り付ける。
入力側のプーリー16、17は出力側のプーリー18、19よりも小径の減速構成を有している。そして、相対的に大径の低速入力プーリー16と低速出力プーリー18に低速ベルト20を掛回し、また、小径の高速入力プーリー17と高速出力プーリー19には高速ベルト21を掛回する。低速側のプーリー16、18のベルト20、並びに、高速側のプーリー17、19のベルト21は、掛回しただけの状態では、動力軸14が回転してもそのトルクを殆ど伝達することができない程度の張力に調節されている。
上記の低速ベルト20と高速ベルト21との間には、プーリー16、18、或いは、17、19の直径の差によって生じた空所Sが形成される。そこで、この空所Sに2個のテンションローラー22、23を配置する。両テンションローラー22、23は、各ベルト20、21の位置に合わせて、1本のローラー軸26上に回転可能に並べて設けられている。ローラー軸26は、変速レバー25の先端に軸支されている。
変速レバー25は、低速ベルト20を加圧して低速運転する方向へ移動させるか、高速ベルト21を加圧して低速運転する方向へ移動させるか、或いは、どちらにも作用せず中立を保つかの操作を行うために、車体側に支軸27により上下回転可能に取り付けられている。変速レバー25は、支軸27より外方の操作ノブ25aとの間に弾性材料より成る可撓部25bを有し、操作ノブ25aの軸部25cが操作パネル28の位置決め溝より成る係止部29H、29N、29Lのどれかに係合して位置決されるように構成されている(図6参照)。
駆動軸24には小スプロケット31が取り付けられ、また、クローラー軸32には大スプロケット33が取り付けられ、これらはチェン34により結合されている。クローラー軸32には駆動転輪35と、更に従動転輪取り付け部36が取り付けられていて、その先端に設けた従動転輪37と駆動転輪35に掛回したクローラー帯38が駆動される。39はクローラー取り付け枠、40は車体であり、本装置15、クローラー30などが取り付けられている。また、41、42はハンドル、43、44は車体後部に設けた補助車輪を示す。
本考案に係るクローラー式作業車における変速装置15は、以上のような構成を有しているので、変速レバー25を操作して、テンションローラー22により、低速ベルト20を加圧して低速運転する方向へ移動させるか、或いは、高速ベルト21を加圧して低速運転する方向へ移動させるか、の操作を行い、走行速度を低速或いは高速に調節することができる。本考案に係る変速装置15は、テンションローラー22を低速ベルト20、に押し付けるか、テンションローラー23を高速ベルト21に押し付けるかして、低速、高速に変速した状態では、これらのベルト20、21の反力を中立位置への復帰力に利用し得るので、ばねなどが不要になり、部品点数や故障率が減少し、コストを抑えられる。
本考案に係る走行変速装置を搭載したクローラー式作業車の一例を示す平面図。 図1のものの側面図。 図1のものの、一部を拡大して示した変速装置の側面図。 図3のものに対する平面図。 図1のものに対する背面図。 変速用の操作パネル示す説明図。
符号の説明
10 クローラー式作業車
11 原動機
12 出力軸
14 動力軸
15 変速装置
16 大径の低速入力プーリー
17 小径の高速入力プーリー
18 大径の低速出力プーリー
19 小径の高速出力プーリー
20 低速ベルト
21 高速ベルト
22、23 テンションローラー
24 駆動軸
25 変速レバー
26 ローラー軸
27 支軸
28 操作パネル
29H、29L、29N 係止部
30 クローラー
31 小スプロケット
32 クローラー軸
33 大スプロケット
34 チェン
35 駆動転輪
36 従動転輪取り付け部
37 従動転輪
38 クローラー帯
39 クローラー取り付け枠
40 車体
41、42 ハンドル

Claims (3)

  1. 原動機の動力によって回転する動力軸に、相対的に大径の低速入力プーリーと、それよりも小径の高速入力プーリーを取り付け、クローラーと結合している駆動軸に、相対的に大径の低速出力プーリーと、それよりも小径の高速出力プーリーを取り付け、相対的に大径の低速入力プーリーと低速出力プーリーに低速ベルトを掛回し、小径の高速入力プーリーと高速出力プーリーに高速ベルトを掛回し、低速ベルトと高速ベルトの間の空所に、各ベルトの位置に併せてテンションローラーを配置するとともに、そのテンションローラーにより、低速ベルトを加圧して低速運転する方向へ移動させるか、或いは、高速ベルトを加圧して高速運転する方向へ移動させるか、の操作を行う変速レバーを、車体側に設けた係止部により位置決めするようにした構成を有するクローラー式作業車における走行変速装置。
  2. 低速ベルトと高速ベルトとの間には、相対的に大径の低速入力プーリーと、それよりも小径の高速入力プーリーの直径の差によって生じた空所が形成されており、テンションローラーは、低速、高速各ベルトの位置に合わせて、1本のローラー軸上に2個並べて設けられている請求項1記載のクローラー式作業車における走行変速装置。
  3. 変速レバーは、低速ベルトを加圧して低速運転する方向へ移動させるか、高速ベルトを加圧して高速運転する方向へ移動させるか、或いは、どちらにも作用せず中立を保つかの操作を行うために、車体側に支軸により上下回転可能に取り付けられており、変速レバーは、支軸より外方の操作ノブとの間に弾性材料より成る可撓部を有し、操作ノブの軸部が操作パネルの位置決め溝より成る係止部のどれかに係合して位置決めされるように構成されている請求項1記載のクローラー式作業車における走行変速装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH0893355A (ja) * 1994-09-13 1996-04-09 Rehau Ag & Co 成形部材

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