JP3118651B2 - スプリンクラ消火設備 - Google Patents

スプリンクラ消火設備

Info

Publication number
JP3118651B2
JP3118651B2 JP03200134A JP20013491A JP3118651B2 JP 3118651 B2 JP3118651 B2 JP 3118651B2 JP 03200134 A JP03200134 A JP 03200134A JP 20013491 A JP20013491 A JP 20013491A JP 3118651 B2 JP3118651 B2 JP 3118651B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pressure
fire extinguishing
valve
fire
floor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP03200134A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0515613A (ja
Inventor
洋巳 宮下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nohmi Bosai Ltd
Original Assignee
Nohmi Bosai Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nohmi Bosai Ltd filed Critical Nohmi Bosai Ltd
Priority to JP03200134A priority Critical patent/JP3118651B2/ja
Publication of JPH0515613A publication Critical patent/JPH0515613A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3118651B2 publication Critical patent/JP3118651B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、スプリンクラ消火設
備に関する。
【0002】
【従来の技術】ビル等の高層建築物に設備されるスプリ
ンクラ消火設備は、建物の各階への分岐部分に、一般に
地区弁として自動警報弁(開放弁)を設けている種々の構
成のものが、実施されている。そして、本願出願人は、
火災監視時では、地区弁の二次側配管内に無圧或は、微
圧な消火液を充液しておくことにより、スプリンクラヘ
ッドの開放動作と同時に消火液が放出されて消火動作は
迅速に行われ、さらに放液時では一次側配管の高い液圧
が調圧弁によって減圧調整されて消火効率は向上すると
共に、二次側配管系の機器部材の耐圧グレ−ドは十分低
いもので足り、設備コストの抑制もできるようにしたス
プリンクラ消火設備を、特願平3−10382号や、特
願平3−10383号等として提案している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年、ビルは高層が一
層進みつつあり、消火水源を小容量で簡易化するため、
屋上に貯水槽を設置してその高さによる圧力を利用して
スプリンクラヘッドの放水を行うようにすると、低位階
のヘッド圧は高くなり過ぎてしまう。かかる過大なヘッ
ド圧は、二次側配管系の機器部材の耐圧性を低下させ、
過大圧力の放水により却って消火効率が低下するうえ、
一つのスプリンクラヘッドからの放水量は大量となっ
て、火災は鎮火しても水損による被害が過大となるとい
う不具合がある。これに対して実開昭58−16635
8号公報には、ビルの各階毎に一次圧制御弁を設けるこ
とにより、所定圧に調圧された消火用水が消火用ヘッド
に供給される構造が開示されている。そこで各階毎に部
屋の実情に応じて二次側配管系、スプリンクラヘッドの
設置位置、設置数などがそれぞれであり、消火効率の良
い適正圧に調整されるのが望ましい。一方、建物の各階
を上下に貫通している給水本管から各階毎に分岐して配
管された枝管からスプリンクラヘッドに供給される消火
液の液圧を、規定圧以下に保つための技術として、上記
各枝管に、自動開放弁と一次圧制御弁とを直列に設け
て、火災検出時に自動開放弁が開かれて一次圧制御弁に
よって自動開放弁の一次側圧力を所定圧に調圧する消火
設備が、実開昭58−166358号)に開示されてい
る。一次圧制御弁による上記調圧は、排水管への排水に
より行われている。しかしこの消火設備では、火災が検
出されてはじめて自動開放弁が開かれて一次圧制御弁に
よってその一次側圧力を所定圧に調圧するものであるた
め、火災が検出されない常態時では給水本管から各階毎
の枝管迄のヘッド差による高い液圧が枝管や自動開放
弁、一次圧制御弁などの関連機器に負荷されて、低位階
における配管や機器の耐圧性低下は免れない。しかも、
例えば地震によりこの建物の高位階と低位階の2ヵ所で
同時に火災が発生したときでは、低位階での枝管に作用
している高いヘッド圧はこの低位階の一次圧制御弁によ
る排水管への排水により行われて規定圧に保たれるが、
この結果、給水本管からの大量の排水がなされ、かつ、
落差により高位階での枝管ではヘッド圧が不足して、該
枝管の一次圧制御弁による排水が全く行われなくても、
放水に必要なヘッド圧が維持できない恐れがある。この
発明は、高層建物の屋上に貯水槽を設置してその高さに
よる圧力を利用する簡易な構成のスプリンクラ設備にお
ける上記の問題点に鑑みて提案されたもので、落差によ
る低階層での過大な放水圧力と放水量を規制し、さら
に、高位階、低位階に拘らず消火に必要なヘッド圧が確
保できるようにした、合理的なスプリンクラ消火設備を
提供することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
この発明の請求項1では、ビル等の建物の各階を上下に
貫通して配管される給水本管5へ屋上に設置した消火液
源1から消火液が送液されて各階のスプリンクラヘッド
4に二次側配管9を介して消火液が供給されるスプリン
クラ消火設備であって、この給水本管5にその二次側の
液圧を規定圧に調圧する調圧弁18を建物の所定の高さ
毎に設けるとともに、調圧弁18が複数個設けられると
きはこれらの調圧弁18は給水本管5に対して相互に直
列状に配置されるものであることを特徴とする。
【0005】そして請求項2の発明では請求項1のスプ
リンクラ消火設備において、給水本管5の最上部分に消
火ポンプ2が設けられ、建物の所定階以上の階の火災で
あるときにこの消火ポンプ2が動作するように制御する
構成としている。また請求項3の発明では、消火液源1
からの消火液を建物の各階を上下に貫通する給水本管5
を設け、この給水本管5から各階ごとに地区弁10を介
してスプリンクラヘッド4が配置されると共に、二次側
の液圧を規定圧に調圧する調圧弁18を有し、スプリン
クラヘッド4は放水圧1kgf/cmで約50L/m
inの放水を行うものであって、消火液源1は、その容
量が約8KLであるとともに、前記建物の最上部に設け
てあることを特徴とする。
【0006】
【作用】請求項1の発明では、建物の各階を上下に貫通
して配管される給水本管5にその二次側の液圧を規定圧
に調圧する調圧弁18を建物の所定の高さ毎に設けると
ともに、調圧弁18が複数個設けられるときはこれらの
調圧弁18は給水本管5に対して相互に直列状に配置し
ているので、火災発生の無い常態時であっても給水本管
5のヘッド差による液圧がそのまま低層階のスプリンク
ラヘッド4に加わることはなく、消火設備の機器部材の
耐圧グレ−ドは低いもので足りる。そして火災が高位階
と低位階で同時に発生したときであっても、高位階でも
消火に必要なヘッド圧が確保され、低位階での過大な放
水圧力と放水量は起こらず、当該階の実情に応じて適正
圧に調圧された消火液が放出されるので、消火効率の良
い合理的なスプリンクラ消火設備に構成できた。
【0007】そして請求項2の発明では、給水本管5の
最上部分に消火ポンプ2を設け、建物の所定階以上の階
の火災であるときにこの消火ポンプ2が動作するように
制御する構成としているので、調圧弁18の一次圧が消
火液源1から十分な落差をもっていない最上階及びこの
近くの上層階である所定階以上に対してこの一次圧を加
圧できればよく、従って、消火ポンプ2は低い加圧が可
能なもので足りるうえ、下層階付近の給水本管5に消火
ポンプ2による過大な液圧がかかる恐れは無く、機器部
材の耐圧グレードを安心して十分下げることができる。
また請求項3の発明では、消火液源1の容量が約8KL
あれば、火災時でのスプリンクラヘッド4からの放水
を、放水圧1kgf/cmで約50L/minとする
ときに、同時に最大5個までのスプリンクラヘッド4が
開放しても約30分の放水が可能であり、十分な消火活
動を行うことができ、その結果、消火液源1を高層ビル
の屋上に配置しても小容量のタンクで足りる。
【0008】
【実施例】以下、この発明の実施例を図に基づき説明す
る。図1は、この発明のスプリンクラ消火設備の1実施
例を示すブロック図で、高層ビル(図示例では50階)の
屋上に消火液源1と消火ポンプ2とが設置され、建物の
各階を夫々の警戒地区として、この警戒地区毎に火災感
知器3やスプリンクラヘッド4が配設され、消火液源1
からの消火液をスプリンクラヘッド4に供給する給水本
管5が、各階を上下に貫通して配管され、給水本管5に
は消火ポンプ2が設けられている。警戒地区の火災現象
を検出する火災検出手段としての光電式やイオン化式、
差動式、定温式等の火災感知器3は、電路6と中継器な
どの配線盤7を介して火災受信機8(防災センタ等に設
置される)に接続されている。火災感知器3と同様に各
階の天井に設けられた閉鎖型のスプリンクラヘッド4
は、二次側配管9を介して建物の各階毎に設置されてい
る地区弁10の二次側11に接続され、地区弁10の一
次側12は一次側配管13と一次側元弁23を介して給
水本管5に接続されている。火災監視時では、後述のよ
うに地区弁10の二次側配管9内は、無圧の消火液(或
は、微圧な消火液)が充液されている。
【0009】地区弁10及び、これの開放を行う起動弁
14と、起動弁14の開放を検出する圧力スイッチ15
と、二次側配管9の消火液を消火動作に適した所定圧に
減圧調整する調圧パイロット弁16と、火災監視時での
地区弁10の二次側配管9内が無圧(或は、微圧な消火
液)に充液されているかどうかを検出するための無圧水
位監視装置17とを、一つの基板に取付けるなどして地
区弁ユニットUに形成している。
【0010】低層階の地区弁ユニットUには給水本管5
内の落差により、過大液圧がかかるので、建物の所定の
高さに応じて必要な階毎に調圧弁18を給水本管5に配
設し、夫々の地区弁ユニットUにはこの調圧弁18によ
って減圧調整された規定圧に近い一定範囲の低圧の消火
液が供給されるようにしている。調圧弁18は、後述す
る調圧パイロット弁19により減圧調整動作を行う。
【0011】図2に例示した地区弁10は、一次側12
と二次側11とを区分する弁座20を、ばね21で付勢
される弁体22で閉じるようにし、弁体22に一体のピ
ストン24と弁箱とでシリンダ室25を形成し、このシ
リンダ室25は、配管26と起動弁14を介して配管2
7によって一次側配管13に接続している。起動弁14
は、モ−タ−、電磁ソレノイド等の電動部29によって
開閉されるもので、電動部29は、電路28により配線
盤7を介して火災受信機8の指令により制御される。
【0012】例示した地区弁10用の調圧パイロット弁
16は、二次側配管9からの二次側11の液圧を配管3
0によりその操作室31に導入し、地区弁10のシリン
ダ室25の液圧を、配管32と弁座33を介して配管3
4からドレン管35に排液する構成である。操作室31
に導入された二次側11の液圧が所定圧よりも低いとき
はフラム36とばね37の調圧作用により弁体38が弁
座33を閉動作してシリンダ室25の圧力液のドレン管
35への排液を抑えるように作用し、起動弁14を経て
配管26からシリンダ室25へ導入された一次側12の
消火液の導入により地区弁10は開動作して、二次側1
1の液圧は上昇する。二次側11の液圧が所定圧よりも
高いときはフラム36とばね37の調圧作用により弁体
38が開動作してシリンダ室25の圧力液のドレン管3
5への排液を増加させて地区弁10は閉動作し、このよ
うにして二次側11の液圧は消火動作に適した所定圧に
減圧調整される構造である。
【0013】調圧弁18とその調圧パイロット弁19の
一例を、図3に示した。調圧弁18は、弁座40によっ
て一次側41と二次側42とに区分され、二次側42は
この調圧弁18の下流側の給水本管5に接続し、この弁
座40を開閉する弁体43の背部に形成したシリンダ室
44は、小孔39を介して一次側41に連通され、弁体
43はばね46によって弁座40を閉じる方向に付勢さ
れている。また、この弁体43は、調圧パイロット弁1
9によって一次側41の液圧を、前記地区弁10に用い
ている調圧パイロット弁16により得られる所定圧より
も若干高い規定圧に減圧調整して二次側42に供給する
ように、その開閉動作が制御される。
【0014】即ち、例示した調圧パイロット弁19は、
調圧弁18の二次側42の液圧を配管47によってその
操作室48に導入し、配管49によって導入される調圧
弁18の一次側41に連通する小孔39を介したシリン
ダ室44の液圧を、弁座50を介して配管51からドレ
ン管35に排液する構成である。操作室48に導入され
た二次側42の液圧が規定圧よりも低いときはフラム5
2とばね53の調圧作用により弁体54が弁座50を開
動作してシリンダ室44の圧力液がドレン管35へ排液
されるように作用し、一次側41の液圧によって弁体4
3は押されて弁座40から離れ、一次側41の消火液は
二次側42に流れて二次側42の液圧は上昇する。二次
側42の液圧が規定圧よりも高いときはフラム52とば
ね53の調圧作用により弁体54が閉動作してシリンダ
室44からドレン管35への排液は抑えられると共に、
ばね46によって弁体43が弁座40を閉動作し、一次
側42の液圧は規定圧に回復する。
【0015】本願出願人は、閉鎖型のスプリンクラヘッ
ドにおいて、消火効率が良く、水損は少なく、耐圧度の
低い配管で済む経済的な消火動作として、1kgf/cm2
放水圧力で、40L/min〜60L/minの放水量でが望ま
しいという提案を、特願平3−18416号において示
している。従って、図示例において、スプリンクラヘッ
ド4の放液圧を、消火効率のよい例えば約1kgf/cm2
度とするには、二次側配管9等の圧力損失を考慮して調
圧パイロット弁16による地区弁10の二次側11にお
ける上記所定圧を、約2.5kgf/cm2に設定することにな
る。そして、地区弁10の二次側11の所定圧を、約2.
5kgf/cm2程度とするには、地区弁ユニットUにおける
各配管等の圧力損失を考慮して、調圧パイロット弁19
による調圧弁18の二次側42における上記規定圧を、
約3kgf/cm2に設定すればよいことになる。また、火災
時でのスプリンクラヘッド4の放液圧を、約1kgf/cm2
で、スプリンクラヘッド4の1個当りの放液量を、約5
1L/minとして約30分間、同時に最大5個のスプリン
クラヘッド4から放液するものと仮定すると、消火液源
1の容量は、約8KLで足り、小容量のタンクで済む。
【0016】図1の50階の高層ビルにおける調圧弁1
8の配設状態を、図4に模型的に例示した。調圧弁18
は、その一次側41の液圧が給水本管5の落差により約
6kgf/cm2となった階毎(図4では、36階と8階及
び、1階)に設けるようにして、その二次側42の液圧
を上記規定圧である約3kgf/cm2に設定している。消火
ポンプ2は、最上階及びこの近くの上層階の調圧弁18
の一次圧が消火液源1から十分な落差を有さないことに
より、調圧弁18の二次側に供給する液圧が不足してい
るとき、これら調圧弁18の一次圧を加圧するためのも
のであり、従って、消火ポンプ2は、例えば約3kgf/c
m2程度の低い加圧が可能なもので足りる。また、下層階
付近の給水本管5での消火液は、その落差により十分高
い液圧となっているので、消火ポンプ2は、下層階の火
災によるスプリンクラヘッド4の開放時では動作せず、
所定階以上の警戒地区でのスプリンクラヘッド4の開放
時に動作するように、火災受信機8により制御される回
路構成としている。
【0017】火災監視時での二次側配管9内の無圧充液
を検出するための無圧水位監視装置17としては、スプ
リンクラヘッド4等の二次側配管系よりも高い位置にて
地区弁10の一次側12に接続した立上り配管56に連
通する筒体57を設け、筒体57の上部に設けた図示し
ないオ−バ−フロ−のための小孔を、排液管58を介し
て前記ドレン管35へ接続し、筒体57内には、この小
孔の高さ位置付近に満水監視用の二つの電極を、また、
この小孔より所定だけ低い位置(例えば二次側配管9の
引き通し高さより少し低い位置)に減水監視用の二つの
電極を、夫々配置し、これらの電極は、電路59により
火災受信機8に接続した構造としている(例えば本願出
願人の出願に係る特願平3−115555号参照)そし
て、筒体57内の液面が二次側配管系を無圧充液してい
るときは、満水監視用の二つの電極間に導通があり、こ
れに対し、筒体57内の液面が二次側配管系を充液でき
ない低い液面位置であるときは、上記何れの電極間の導
通もなくなるようにして、これら夫々の状態が火災受信
機8に報知される構成である。尚、この無圧水位監視装
置17において、厳寒期と酷暑期との間や夜間と昼間と
の間での環境温度の変動に伴って二次側配管系統内に現
われる容積変化により、液漏れ等の誤警報が出されるこ
とがないように、容積変化を筒体57内では僅かな水位
変化とするため、筒体57の断面積を充分大きく設定す
ること、減水監視用の電極の高さ位置を二次側配管9に
対して若干上方位置に調整設定する等によって対処し、
環境温度の変動による微小な水量の増減に対して給排水
が行われるようにする。
【0018】次にこの実施例における動作を説明する。
消火液源1の消火液が給水本管5に供給されると、最上
位の調圧弁18(図1、図4では36階に設置)の一次側
41での消火液の液圧は、消火液源1からこの一次側4
1までの落差による液圧(図示例では約6kgf/cm2)とな
っている。従って、最上階からこの最上位の調圧弁18
までの間の各地区弁ユニットUの地区弁10の一次側1
2に供給される消火液の液圧は、規定圧を少し上回る約
6kgf/cm2以内となる。そしてこの最上位の調圧弁18
の二次側42では、調圧パイロット弁19による次述す
る減圧調整作用によって、一次側41の高い液圧を規定
圧(図示例では約3kgf/cm2)に減圧調整するように、そ
の開閉動作が制御される。即ち、調圧パイロット弁19
の操作室48に導入された二次側42の液圧が規定圧よ
りも低いときはフラム52とばね53の調圧作用により
弁体54が弁座50を開動作してシリンダ室44の圧力
液がドレン管35へ排液されるように作用し、一次側4
1の液圧によって弁体43は押されて弁座40から離
れ、一次側41の消火液は二次側42に流れて二次側4
2の液圧は上昇し、これに対し、二次側42の液圧が規
定圧よりも高いときはフラム52とばね53の調圧作用
により弁体54が閉開動作して一次側41からドレン管
35への排液は抑えられると共に、ばね46によって弁
体43が弁座40を閉動作し、二次側42の液圧は規定
圧に回復する。
【0019】最上位以外の下位の調圧弁18(図1、図
4では8階と1階に設置)の一次側41での消火液の液
圧は、その上位の調圧弁18による規定圧にこの調圧弁
18の一次側41までの落差による値を加えた液圧(図
示例では約6kgf/cm2)で、この調圧弁18の二次側4
2では、調圧パイロット弁19による前記減圧調整作用
によって規定圧(図示例では約3kgf/cm2)となってい
る。従って、或る上位の調圧弁18からすぐ下の調圧弁
18までの給水本管5内の液圧は、規定圧である約3kg
f/cm2から落差による値を加えた約6kgf/cm2までの範
囲の値となり、この間の給水本管5に接続されている地
区弁10には、その高さに応じて3kgf/cm2〜約6kgf
/cm2の一次圧が加わることになる。
【0020】各警戒地区を火災監視状態とするには、ま
ず、スプリンクラヘッド4、二次側配管9等の二次側配
管系統に無圧の消火液を充液しておく。即ち、一次側元
弁23を開いて給水本管5内の消火液を地区弁10の一
次側12に導入し、次に一次側元弁23を閉じ、起動弁
14を開いて一次側12の消火液をシリンダ室25に導
入して地区弁10を開放可能な状態にし、そして一次側
元弁23を徐々に開いて消火液をゆっくり二次側配管9
に流入させると、二次側配管9、スプリンクラヘッド4
に無圧の消火液が充液され、無圧水位監視装置17の満
水監視用の二つの電極間に導通が現れてこの状態が火災
受信機8に報知され、起動弁14の閉止により地区弁1
0は監視状態となる。
【0021】この監視状態において火災が発生して火災
感知器3が動作すると、火災信号が火災受信機8に伝達
される。火災受信機8ではこの火災信号により電動部2
9を動作させ起動弁14を開け、一次側配管13の消火
液は、起動弁14を経て地区弁10のシリンダ室25に
導入されて加圧し、ピストン24は弁体22をゆっくり
弁座20から離座させ、一次側配管13の消火液は徐々
に二次側配管9に導入される。二次側配管9内は既に監
視圧になっていることにより、地区弁10の開放時に高
圧の消火液が一時に二次側配管9に流入することによる
異常昇圧(ウォ−タ−ハンマ現象)は防止される。地区弁
10の火災信号による起動弁14の開放によってシリン
ダ室25の圧力が上昇するのを圧力スイッチ15により
検知されて、火災受信機8によりこの警戒地区の火災発
生が報知される。
【0022】消火活動時を含め以後は調圧パイロット弁
16の弁体38の開閉動作により、二次側配管9への消
火液の導入が制御され、所定圧に減圧調整される。即
ち、二次側11の液圧が所定圧よりも低いときはフラム
36とばね37の調圧作用により弁体38が弁座33を
閉動作して、シリンダ室25の圧力液のドレン管35へ
の排液を抑え、配管26からのシリンダ室25への消火
液の導入により地区弁10は開動作され、二次側11の
液圧が所定圧よりも高いときはフラム36とばね37の
調圧作用により弁体38が開動作して、シリンダ室25
の圧力液のドレン管35への排液を増加し、地区弁10
は閉動作され、このようにして二次側配管9内は所定圧
に維持される。
【0023】そして火災地点の温度がさらに上昇する
と、スプリンクラヘッド4が開放して二次側配管9内の
消火液が放出されて給水本管12に液流を生じ、この液
流により図示しない自動警報弁のディスクが開かれて圧
力室が加圧され、図示しない圧力スイッチの作動により
火災受信機8にスプリンクラヘッド4の開放と、消火装
置の動作開始を報知する。
【0024】このように、調圧弁18を、建物の所定の
高さ毎に複数箇、給水本管5に配設しているので、建物
の所定の高さ、即ち、給水本管5の高さの落差による液
圧がそのまま低層階のスプリンクラヘッド4に加わるこ
とはなく、建物の高さに拘りなく調圧弁18により減圧
調整された規定圧に近い一定範囲の低圧に制御されてい
る。従って、消火液源1は建物の屋上に1基設置するだ
けでよく、低階層での過大な放水圧力と放水量は起こら
ず、過大な放水圧力と放水量による消火効率の低下や、
消火設備の機器部材の耐圧性の低下のない、合理的なス
プリンクラ消火設備に構成できた。ここで、消火ポンプ
2の部分には、流水時の圧損を防止するためのバイパス
管路を構成してもよく、さらに、所定階以上には別の給
水本管を設け、消火ポンプを設置してもよい。また、消
火液源1を高くするなどの昇圧手段を設ければ、消火ポ
ンプ2は不用である。
【0025】給水本管5の最上部分に消火ポンプ2を設
け、建物の所定階以上の階の火災であるときにこの消火
ポンプ2が動作するように制御する構成としているの
で、調圧弁18の一次圧が消火液源1から十分な落差を
もっていない最上階及びこの近くの上層階である所定階
以上に対してこの一次圧を加圧できればよく、従って、
消火ポンプ2は低い加圧が可能なもので足りるうえ、下
層階付近の給水本管5に消火ポンプ2による過大な液圧
がかかる恐れは無い。なお、この実施例によれば、二次
側配管9内の液圧は、一次側配管13の高い液圧が調圧
弁18によって十分減圧調整されているので、消火動作
は効果的に行われると共に、二次側配管系の機器部材の
耐圧グレ−ドは十分低いもので足る。これらのことによ
り、従来の如き高圧圧力液に基づく機器部材損傷の恐れ
もなく、設備コストの抑制もできるスプリンクラ消火装
置となった。そして無圧充液により火災監視時では、ス
プリンクラヘッド4が衝撃等で開放した場合に放出され
る低圧の消火液は僅かである。以上の他、二次側配管9
を予作動式のように常時空気で加圧しておくためのコン
プレッサはこの実施例では不要となり、設備コストは安
価となる。
【0026】更にこの実施例では、地区弁10や、起動
弁14、調圧パイロット弁16、無圧水位監視装置17
等を地区弁ユニットUとしているので、これらの機能試
験は、図示しないテスト台を用いて現場施工前に能率良
く行うことができる。もちろん、この地区弁ユニットU
を構成する機器は、上記図示例に限られず、例えば地区
弁10を遠隔操作により開放する電動式の遠隔操作試験
弁、スプリンクラヘッド4の1個分の排液可能な小径試
験弁、スプリンクラヘッド4の複数個分の排液可能な大
径試験弁等をこの地区弁ユニットUに含めて設けること
であってもよい。さらに上記地区弁10や、起動弁1
4、調圧パイロット弁16、無圧水位監視装置17等
は、ユニットでなくてもこの発明の適用には支障はな
い。
【0027】
【発明の効果】以上のように請求項1の発明によれば、
建物の各階を上下に貫通して配管される給水本管5にそ
の二次側の液圧を規定圧に調圧する調圧弁18を建物の
所定の高さ毎に設けるとともに、調圧弁18が複数個設
けられるときはこれらの調圧弁18は給水本管5に対し
て相互に直列状に配置しているので、火災発生の無い常
態時であっても給水本管5のヘッド差による液圧がその
まま低層階のスプリンクラヘッド4に加わることはな
く、消火設備の機器部材の耐圧グレ−ドは低いもので足
りる。そして火災が高位階と低位階で同時に発生したと
きであっても、高位階でも消火に必要なヘッド圧が確保
され、低位階での過大な放水圧力と放水量は起こらず、
当該階の実情に応じて適正圧に調圧された消火液が放出
されるので、消火効率の良い合理的なスプリンクラ消火
設備に構成できた。
【0028】そして請求項2の発明によれば、給水本管
5の最上部分に消火ポンプ2を設け、建物の所定階以上
の階の火災であるときにこの消火ポンプ2が動作するよ
うに制御する構成としているので、調圧弁18の一次圧
が消火液源1から十分な落差をもっていない最上階及び
この近くの上層階である所定階以上に対してこの一次圧
を加圧できればよく、従って、消火ポンプ2は低い加圧
が可能なもので足りるうえ、下層階付近の給水本管5に
消火ポンプ2が過大な液圧をかける恐れは無く、機器部
材の耐圧グレードを安心して十分下げることができる。
また、請求項3の発明によれば、高層ビルの屋上に配置
される消火液源1の容量が約8KLあれば、火災時での
放水圧1kgf/cmで約50L/minのスプリン
クラヘッド4からの放水は、スプリンクラヘッド4が同
時に最大5個まで開放されても約30分にわたって可能
であり、このように小容量のタンクで十分な消火活動を
行うことができる合理的なスプリンクラ消火設備に構成
できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の1実施例を示すブロック図である。
【図2】図1における地区弁ユニットの要部詳細を示す
ブロック図である。
【図3】図1における調圧弁とその調圧パイロット弁の
詳細を示すブロック図である。
【図4】図1の高層ビルにおける調圧弁の配設状態を模
型的に示すブロック図である。
【符号の説明】
1 消火液源 4 スプリンクラヘッド 5 給水本管 10 調圧弁 42 二次側

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビル等の建物の各階を上下に貫通して配
    管される給水本管5へ屋上に設置した消火液源1から消
    火液が送液されて各階のスプリンクラヘッド4に二次側
    配管9を介して消火液が供給されるスプリンクラ消火設
    備であって、この給水本管5にその二次側の液圧を規定
    圧に調圧する調圧弁18を建物の所定の高さ毎に設ける
    とともに、調圧弁18が複数個設けられるときはこれら
    の調圧弁18は給水本管5に対して相互に直列状に配置
    されるものであることを特徴とするスプリンクラ消火設
    備。
  2. 【請求項2】 給水本管5の最上部分に消火ポンプ2
    が設けられ、建物の所定階以上の階の火災であるときに
    この消火ポンプ2が動作するように制御されていること
    を特徴とする請求項1のスプリンクラ消火設備。
  3. 【請求項3】 消火液源1からの消火液を建物の各階
    のスプリンクラヘッド4に供給すべく、この建物の各階
    を上下に貫通する給水本管5が設けられ、該給水本管5
    から各階ごとに地区弁10を介してスプリンクラヘッド
    4が配置されているスプリンクラ消火設備において、 前記地区弁10は、二次側の液圧を規定圧に調圧する調
    圧弁18を有し、前記スプリンクラヘッド4は放水圧1
    キログラム重毎平方センチメ−トルで約50リットル毎
    分の放水を行うものであって、前記消火液源1は、その
    容量が約8キロリットルであるとともに、前記建物の最
    上部に設けてあることを特徴とするスプリンクラ消火設
    備。
JP03200134A 1991-07-15 1991-07-15 スプリンクラ消火設備 Expired - Fee Related JP3118651B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP03200134A JP3118651B2 (ja) 1991-07-15 1991-07-15 スプリンクラ消火設備

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP03200134A JP3118651B2 (ja) 1991-07-15 1991-07-15 スプリンクラ消火設備

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0515613A JPH0515613A (ja) 1993-01-26
JP3118651B2 true JP3118651B2 (ja) 2000-12-18

Family

ID=16419364

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP03200134A Expired - Fee Related JP3118651B2 (ja) 1991-07-15 1991-07-15 スプリンクラ消火設備

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3118651B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001073586A (ja) * 1999-07-05 2001-03-21 Kozo Machida 免震装置・制震装置・耐震装置等の火災防止装置
ES2617710T3 (es) * 2004-11-29 2017-06-19 Phoenix Firefighting Technologies Sa Sistema, en particular contra incendios, con válvulas
JP4959423B2 (ja) * 2007-05-30 2012-06-20 能美防災株式会社 スプリンクラ消火設備
JP4726944B2 (ja) * 2008-12-18 2011-07-20 千住スプリンクラー株式会社 予作動式スプリンクラー設備

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0515613A (ja) 1993-01-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5099925A (en) Dry sprinkler system
JP3118651B2 (ja) スプリンクラ消火設備
JP3079441B2 (ja) 消火設備
JP3208455B2 (ja) スプリンクラ消火設備
JP3217867B2 (ja) 予作動式スプリンクラー消火設備の試験装置
JP3016039B2 (ja) スプリンクラ消火設備
JP3552439B2 (ja) スプリンクラ消火設備
JP3000302B2 (ja) スプリンクラ消火装置
JP3127264B2 (ja) スプリンクラ消火設備
JP2979253B2 (ja) スプリンクラ消火設備
JP3013106B2 (ja) スプリンクラ消火設備
JP3118643B2 (ja) スプリンクラ消火設備
JP3079445B2 (ja) スプリンクラ消火設備の無圧水位監視装置
JP2979252B2 (ja) スプリンクラ消火設備
JP2979254B2 (ja) スプリンクラ消火設備
JP3118644B2 (ja) スプリンクラ消火設備
JP3079446B2 (ja) スプリンクラ消火設備の無圧水位監視装置
JP3013107B2 (ja) スプリンクラ消火設備
JP3079439B2 (ja) スプリンクラ消火設備
JP3089362B2 (ja) 湿式調圧警報弁
JP2979260B2 (ja) スプリンクラ消火設備
JP3079440B2 (ja) 消火設備
JP3010381B2 (ja) スプリンクラ消火設備
JPH04276270A (ja) スプリンクラ消火装置
JP3079443B2 (ja) 消火設備

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071013

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081013

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees