JP3117743B2 - 異硬度裸ヘッドレストの製造方法 - Google Patents

異硬度裸ヘッドレストの製造方法

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JP3117743B2 JP03093017A JP9301791A JP3117743B2 JP 3117743 B2 JP3117743 B2 JP 3117743B2 JP 03093017 A JP03093017 A JP 03093017A JP 9301791 A JP9301791 A JP 9301791A JP 3117743 B2 JP3117743 B2 JP 3117743B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、枕部の表面の硬さが部
分的に異なる異硬度裸ヘッドレストの製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】異硬度裸ヘッドレストは、枕部に表皮材
が被せられて自動車用ヘッドレストとして用いられる。
その自動車用ヘッドレストは、衝撃から頭部を保護する
というヘッドレスト本来の機能の他に、頭部休憩時に快
適な感触を頭部に与える機能を有するものが望まれるよ
うになった。そのため、衝撃吸収機能を損なわず、しか
も頭部にソフトな感触を与えることができるように、頭
部との接触部を他部よりも柔らかくした異硬度裸ヘッド
レストが用いられるようになった。
【0003】従来の異硬度裸ヘッドレストとして、図5
の断面図に示すような構成のものがある。その異硬度裸
ヘッドレストは、発泡体からなる枕部10にインサート12
の一部が挿入埋設されたものであって、その枕部10表面
の頭部接触部に、その枕部10よりも柔らかい発泡体等か
らなる異硬度部材14が貼着されたものである。ところ
で、その異硬度裸ヘッドレストにあっては、硬さの境界
部16で急激な硬さ変化があると、その境界部に頭部が接
触した際に違和感を与え、せっかくのソフト感が台無し
になってしまう。そこでその違和感をなくすため、異硬
度部材14の縁を徐々に薄くして、硬さ変化が緩やかにな
るようにすることもなされている。しかし、異硬度部材
をそのような形状にするのは複雑な裁断によらなければ
ならず、その作業が容易ではない問題がある。さらに、
異硬度部材14縁部における厚みのばらつき、あるいは貼
着時における異硬度部材14のずれ等により硬さの境界部
16に段差、溝を生じやすく、表皮材を枕部10に被せた際
にその境界部16でしわ、凹凸等を生じヘッドレストの外
観が損なわれる問題もあった。
【0004】一方、前記異硬度裸ヘッドレストの製造方
法としては、異硬度部材を成形型のキャビティ面所定位
置に保持して、そのキャビティ内に液状発泡原料を注入
し、異硬度部材と一体に枕部を発泡成形する方法があ
る。しかし、その方法は液状発泡原料の注入時あるいは
発泡時に異硬度部材がキャビティ面から浮いたり、ずれ
たりし易く、正しい位置に異硬度部材を設けられないこ
とがある。また、異硬度部材裏面に液状発泡原料が含浸
硬化して、異硬度部材のソフト感を損ねる問題もある。
なおインサートについては、あらかじめその一部をキャ
ビティ内に装置して、液状発泡原料の発泡時にインサー
トの一部を枕部内に埋設することもなされるが、埋設さ
れるインサート内に枕部の高さ調節機構あるいは角度調
節機構等を有する場合には、液状発泡原料がインサート
内に侵入してそれらの機構を壊すおそれがある。そのた
め内部に高さ調節機構等を有するインサートを用いる場
合には、図6の断面図に示すように上型と一体になった
所定形状の突型18を成形型19のキャビティ20内に突出さ
せ、そのキャビティ20内で液状発泡原料22を発泡させて
中空の枕部を形成し、その後枕部の中空部に前記突型18
と同形状からなるインサートの一部を挿入することがな
されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記の点に鑑
み、枕部の硬さ境界部において硬さが急変せず、しかも
その硬さの境界部に段差、溝等を生じることのない異硬
度ヘッドレストの簡単な製造方法を提供しようとするも
のである。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め本発明は、異硬度ヘッドレストを製造するため、所定
形状の突型を成形型のキャビティ内に突出させて保持
し、そのキャビティ内に液状発泡原料を注入し、発泡さ
せて内部が中空の枕部を形成する際に、枕部の頭部接触
側内面を形成する突型の表面を、後に枕部の中空部に挿
入して枕部の頭部接触側内面と相対するインサートの表
面よりも凸形状にしたのである。また、枕部の頭部接触
面が所望の硬さからなる異硬度裸ヘッドレストを製造す
ることにしたのである。
【0007】
【作用】異硬度裸ヘッドレストの製造方法にあっては、
枕部内にインサートの挿入埋設用の中空部を形成する所
定形状の突型が、枕部の頭部接触側内面を形成する表面
において、その枕部の頭部接触側内面と相対するインサ
ートの表面よりも凸形状になっているため、その凸形状
により枕部の頭部接触側内面と埋設インサートの表面間
に前記空間が形成される。また、インサートを枕部内の
中空部に挿入する際、あらかじめ枕部の頭部接触側内面
と相対するインサートの表面に所定硬さのクッション材
を固定しておけば、そのインサートの挿入とともに枕部
内の前記空間にクッション材を挿入でき、枕部の頭部接
触面が所望硬さからなる前記異硬度裸ヘッドレストが得
られる。
【0008】
【実施例】以下本発明の実施例について説明する。図1
は本発明の一実施例にかかる異硬度裸ヘッドレストの一
部切り欠き斜視図である。異硬度裸ヘッドレスト24は、
ポリウレタン発泡体等の発泡体からなる枕部26と、その
枕部26内に一部が挿入されたインサート28とからなり、
その枕部の頭部接触側内面27と、その内面27と相対する
インサート表面29との間に空間30を有するものである。
枕部26は、底面にインサート挿入用の開口部32が形成さ
れ、その開口部32に続いて中空部34が内部に形成されて
いる。インサート挿入用の開口部32は、インサートを挿
入するための入り口であるとともに、インサート28の取
付用スティ36を枕部底面から外部へ突出させるためのも
のである。また中空部34は、インサート28の一部が挿入
埋設可能な大きさからなり、かつ頭部接触側の内面27が
凹形状に窪んでいて、その窪みが前記空間30を形成して
いる。枕部内の空間30を構成する頭部接触側内面27とイ
ンサートの表面29との間隔は、枕部26を構成する発泡体
の硬さ、あるいは形状等によって適宜の値に設定され
る。
【0009】一方インサート28は、枕部26の中空部34に
挿入されて枕部26内に埋設される埋設部38と、枕部26底
面から突出して座席への取り付けに利用されるスティ36
とからなる。インサートの埋設部38は、プラスチック製
または金属製の中空箱状または板状とされ、必要に応じ
て枕部の高さ調節機構、角度調節機構が内蔵される。ま
たスティ36は、中空、または中実の金属パイプからな
り、必要に応じて座席に設けられるクリップと係合する
高さ調節用の切り欠きが適宜パイプの側面に形成されて
いる。
【0010】図2は本発明の別の実施例にかかる異硬度
裸ヘッドレストの一部切り欠き斜視図である。その異硬
度裸ヘッドレスト40は、発泡体からなる枕部42と、その
枕部42内の中空部44に前記実施例の空間30と同様の空間
46を残して一部が挿入されたインサート47と、その空間
46を満たすように挿入された所定硬さのクッション材48
とからなる。クッション材48は、軟質ポリウレタン発泡
体のスラブ等からなるもので、通常枕部42を構成する発
泡体よりも柔らかいもので構成される。なお、インサー
ト47は、枕部42の弾性変形を利用して枕部42底面の開口
部50から枕部42内に挿入されたものである。
【0011】次に前記異硬度裸ヘッドレストの製造方法
について説明する。図3は、その異硬度裸ヘッドレスト
の製造時を示す成形型の断面図、図4は枕部内にインサ
ートを挿入する際の断面図である。成形型52は、二つの
分割型からなる下型54と、後に詳述する所定形状の突型
56と、その突型56をキャビティ58内に突出させて保持す
る上型60とからなる。そのようにしてなる成形型52のキ
ャビティ58にポリウレタン発泡原料等の液状発泡原料53
を注入し、内部が中空の発泡体からなる図4に示す枕部
60を発泡形成し、その枕部60を成形型52から取り出した
後に、インサート61の一部を枕部60底面のインサート挿
入用の開口部62から内部の中空部63に挿入埋設して、所
望の異硬度裸ヘッドレストを製造する。
【0012】前記突型56は、異硬度裸ヘッドレストの枕
部60内にインサート61埋設用の中空部63を形成するとと
もに、枕部60の頭部接触側内面64とそれと相対するイン
サート表面66間に空間68を形成するため、さらには枕部
底面70にインサート挿入用の開口部62を形成するための
ものである。突型56の形状は、枕部60内に挿入埋設され
るインサートの埋設部72とほぼ同じ形状からなるが、枕
部の頭部接触側内面64を形成する突型の表面74について
は、枕部の頭部接触側内面と相対するインサートの表面
66よりも凸形状にされ、その凸形状部76により前記枕部
内の空間68を形成するようになっている。凸形状部76の
具体的形状は、枕部の形状、枕部を構成する発泡体の厚
み、および枕部に埋設されるインサートの形状等に応じ
て最適形状にされる。なお突型56は、本実施例のように
上型と一体に設けることもできるが、中入れ子のように
上型と下型との間に設けることもできる。
【0013】また、枕部の頭部接触側内面64と相対する
インサートの埋設部72表面66に、あらかじめ枕部を構成
する発泡体とは硬さの異なるクッション材(図示せず)
を粘着テープ等で固定し、そのインサートをクッション
材とともに枕部内の中空部63に挿入埋設するようにすれ
ば、前記枕部内の空間68に所定硬さのクッション材が挿
入された異硬度裸ヘッドレストが得られる。
【0014】
【発明の効果】本発明の異硬度裸ヘッドレストの製造方
法にあっては、従来の硬さ変化や緩やかにするため必要
とされた面倒な異硬度部材の裁断が不要になり、また枕
部表面に正確に異硬度部材を貼着する必要もないため、
異硬度裸ヘッドレストの製造作業がきわめて簡単になる
効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例にかかる異硬度裸ヘッドレス
トの一部切り欠き斜視図である。
【図2】本発明の別の実施例にかかる異硬度裸ヘッドレ
ストの一部切り欠き斜視図である。
【図3】本発明の異硬度裸ヘッドレストの製造方法にか
かる一実施例を示す断面図である。
【図4】本発明の異硬度裸ヘッドレストの製造方法にか
かる一実施例において、枕部の中空部にインサートを挿
入する際を示す断面図である。
【図5】従来の異硬度裸ヘッドレストの断面図である。
【図6】従来の異硬度裸ヘッドレストの製造方法を示す
断面図である。
【符号の説明】
26 枕部 27 枕部の頭部
接触側内面 28 インサート 29 インサート
表面 30 空間 34 中空部 42 枕部 44 中空部 46 空間 47 インサート 48 クッション材 52 成形型 56 突型 58 キャビティ 66 インサートの表面 74 枕部の頭部接触側内面を形成する突型の表面 76 突型表面の凸形状部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A47C 7/38 B60N 2/48 B29C 39/10 B29K 105:04 B29L 31:58

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の形状を有する突型を成形型のキ
    ャビティ内に突出させて保持し、そのキャビティ内に液
    状発泡原料を注入し発泡させて内部が中空の枕部を形成
    し、その枕部の中空部にインサートの一部を挿入するこ
    とにより異硬度裸ヘッドレストを製造する方法におい
    て、枕部の頭部接触側内面を形成する凸型の表面を、枕
    部の頭部接触側内面と相対するインサートの表面よりも
    凸形状にすることを特徴とする異硬度裸ヘッドレストの
    製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載された枕部の頭部接触
    側内面と相対するインサートの表面に、枕部を構成する
    発泡体とは硬さの異なるクッション材を固定して、その
    インサートをクッション材とともに枕部の中空部に挿入
    するようにした異硬度ヘッドレストの製造方法。
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