JP3117535B2 - アルミナ基板の製造方法 - Google Patents

アルミナ基板の製造方法

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JP3117535B2 JP04105161A JP10516192A JP3117535B2 JP 3117535 B2 JP3117535 B2 JP 3117535B2 JP 04105161 A JP04105161 A JP 04105161A JP 10516192 A JP10516192 A JP 10516192A JP 3117535 B2 JP3117535 B2 JP 3117535B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子材料分野におい
て、回路基板として用いるアルミナ基板の製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、アルミナ基板は、表面に導体ペー
ストを印刷する厚膜法、蒸着及びスパッタ等による薄膜
法、またはメッキによる湿式法等によって回路を描き、
回路基板として使用されている。近年、回路基板の小
型、多機能化に伴い、回路パターンのファインパターン
化が進んでいる。それに伴い、表面粗度の小さいアルミ
ナ基板が要求されてきている。
【0003】従来、回路基板用に使用されている純度9
6重量%のアルミナ基板の表面粗度は、例えば「家田,
神戸:実務表面技術Vol.29,No12(1982),p541」に記載さ
れているように、中心線平均粗さ(Ra)で0.3μm
程度である。この純度96重量%のアルミナ基板はAl
2 3 の成分が96重量%であり、残部はSiO2 及び
MgOの成分で構成されているのが一般的であり、この
ようなアルミナ基板の製造においては、主原料としてア
ルミナ粉末を用い、焼結助剤としてタルク粉末を使用す
ることが知られている。そして、この純度96重量%の
アルミナ基板の表面粗度を小さくする方法として、アル
ミナ基板の表面にガラス粉末ペーストを印刷し、焼成し
た、いわゆるグレーズ基板が知られている。また、非常
に細かい粒径のアルミナ粉末を原料として用いた高純度
アルミナ基板(99.5重量%以上)も表面粗度が小さ
いアルミナ基板として知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記のグレ
ーズ基板では、基板の表面にガラス相があるために、表
面にガラス相がないアルミナ基板に比べ、誘電特性及び
熱伝導率が劣るという問題があり、また、高純度アルミ
ナ基板(99.5重量%以上)では、電気特性は優れる
が、基板内にSiO2 、MgO等のガラス成分がないの
で、アルミナ基板の表面に厚膜法等により導体を形成し
た際に、導体の密着強度が劣るという問題があった。
【0005】本発明は、従来の純度96重量%のアルミ
ナ基板と同等の誘電特性及び熱伝導率であって、且つ、
アルミナ基板の表面に厚膜法等により導体を形成した際
の導体の密着強度が優れたものとなり、かつ、表面粗度
が小さいアルミナ基板を製造する方法を提供することを
目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、アルミナ粉末
とSiO2及びMgOを含有する焼結助剤とを混合し、
シート成形した後、焼成して純度96重量%のアルミナ
基板を製造するアルミナ基板の製造方法において、前記
アルミナ粉末として平均粒径が0.8〜1.0μmのア
ルミナ粉末を使用し、前記焼結助剤として焼成後の組成
がSiO2として64〜73重量%、MgOとして25
〜36重量%、CaOとして0〜5重量%(但し、5重
量%は除く)である焼結助剤を使用し、1450〜15
50℃の温度で焼成することを特徴とするアルミナ基板
の製造方法である。
【0007】本発明は、原料として使用するアルミナ粉
末の平均粒径、焼成温度及び焼結助剤の成分を検討する
ことにより、従来の純度96重量%のアルミナ基板と同
等の性能を有し、且つ、表面粗度が小さいアルミナ基板
を製造する方法を見出したものである。そして、本発明
ではアルミナ基板の原料としてSiO2 及びMgOを含
有する焼結助剤を使用しているため、アルミナ基板内に
SiO2 、MgO等のガラス成分が存在し、従ってアル
ミナ基板の表面に厚膜法等により導体を形成した際に
は、導体の密着強度は優れたものとなる。なお、本発明
の純度96重量%のアルミナ基板とはいわゆる96%ア
ルミナ基板を意味しており、この場合の96重量%とい
う数値はある程度の幅を持っている概念であり、具体的
には94〜98重量%までを代表している数値である。
【0008】また、本発明でアルミナ粉末として平均粒
径が0.8〜1.0μmのものを使用することは、表面
粗度が小さいアルミナ基板を製造するためには重要であ
る。アルミナ粉末の平均粒径が0.8μm未満である
と、アルミナ基板の原料としてSiO2 及びMgOを含
有する焼結助剤を使用している場合には、焼成中にグレ
インが異常に粒成長しやすいという問題があり、全面に
わたって表面粗度の小さいアルミナ基板を製造すること
が困難である。そして、アルミナ粉末の平均粒径が1.
0μmを越えると原料の粒子自体が大きいので、焼成し
て得られるグレインのグレインサイズが大きくなり、従
って、アルミナ基板の表面粗度が大きいという問題が生
じる。
【0009】また、本発明でSiO2及びMgOを含有
する焼結助剤として、焼成後の組成がSiO2として6
4〜73重量%、MgOとして25〜36重量%、Ca
Oとして0〜5重量%(但し、5重量%は除く)である
焼結助剤を使用することが重要である。この理由として
は、SiO2が64重量%未満では焼成による緻密化が
されにくい問題があり、SiO2が73重量%を越える
場合には焼結が進み過ぎ、焼成して得られるグレインの
グレインサイズが大きくなりアルミナ基板の表面粗度が
大きくなる問題がある。また、MgOが25重量%未満
では焼成による緻密化がされにくい問題があり、MgO
が36重量%を越える場合には得られるアルミナ基板の
誘電特性等の電気特性が劣るという問題がある。さらに
また、CaOが5重量%を越える場合には焼結が進み過
ぎ、焼成して得られるグレインのグレインサイズが大き
くなりアルミナ基板の表面粗度が大きくなる問題があ
る。なお、CaOの成分が焼成後の組成として存在する
ようにするには焼結助剤の一部として例えば炭酸カルシ
ウム粉末等を使用すればよく、CaOの成分を有する焼
結助剤を使用することは低い温度での焼結性を良くする
作用がある。
【0010】また、本発明で1450〜1550℃の温
度で焼成することは、表面粗度が小さいアルミナ基板を
製造するためには重要である。なぜならば、1450℃
未満の焼成温度では焼結が十分に行われないため、かさ
密度が低く、従って強度の弱いアルミナ基板しか得られ
ないという問題があり、1550℃を越える焼成温度で
は、焼結が進み過ぎ、焼成して得られるグレインのグレ
インサイズが大きくなりアルミナ基板の表面粗度が大き
くなる問題があるからである。
【0011】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき説明する。勿
論、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。 (実施例1〜12及び比較例1〜5) アルミナ粉末、タルク粉末、シリカ粉末及び炭酸カルシ
ウム粉末を原料として使用し、その中のアルミナ粉末と
しては、住友化学社製のものであって、後記表1に示し
た平均粒径のものを使用した。まず、アルミナ粉末96
重量部と焼結助剤4重量部とを湿式混合し、充分に乾燥
して混合粉末を得た。。なお、焼結助剤としては表1に
示した焼結助剤の組成(焼結助剤の予測される焼結後組
成)となるように、タルク粉末、シリカ粉末及び炭酸カ
ルシウム粉末を配合したものを使用した。表1中で
示しているのはシリカ粉末であり、と示しているのは
炭酸カルシウム粉末である。
【0012】次に、前記の混合粉末にバインダー、可塑
剤及び溶剤を加えた後、ボールミルで混合し、スラリー
を得た。本実施例及び比較例ではバインダーとして、ポ
リビニールブチラール、可塑剤としてジブチルフタレー
ト、溶剤としてエタノールを使用したが、本発明はこれ
らの原料のみに限定されるものではない。得られた、ス
ラリーをドクターブレード法で、厚み1mmのシートに
成型した。次いで後記の表1に示す焼成温度で1時間焼
成してアルミナ基板を得た。
【0013】得られたアルミナ基板についてかさ密度、
グレインサイズ、中心線平均粗さ(Ra),最大高さに
よる表面粗さ(Rmax)を評価した。その結果を後記
の表2に示す。なお、かさ密度はJIS-C2141 に準じて測
定した。また、グレインサイズの測定は、アルミナ基板
を研磨した後、熱エッチングした試料をSEM観察し
て、SEM写真を撮影し、このSEM写真をもとに、い
わゆるインターセプトコード法と呼ばれる方法によって
求めた。この場合のグレインサイズは、次式で得られる
数値であり、表2に示した値はこうして得られた5回の
測定値の平均値である。
【0014】 グレインサイズ=(A/n)×1.5 (μm) A:SEM写真に引いた直線の長さ/SEM写真の倍率
(μm) n:SEM写真に引いた直線と粒界との交点の数 また、表面粗さ(Ra及びRmax)はJIS-B0601 に準
じて測定した。
【0015】
【表1】
【0016】
【表2】
【0017】表2で明らかなように、実施例1〜12の
アルミナ基板は比較例1〜4のアルミナ基板に比べ低表
面粗度であることが確認された。また比較例5で得られ
たアルミナ基板は緻密化が不十分なため、かさ密度が
3.6g/cm3 と低く、強度不足のため実用性のない
ものであった。
【0018】
【発明の効果】本発明に係る純度96重量%のアルミナ
基板はアルミナ粉末として平均粒径が0.8〜1.0μ
mのアルミナ粉末を使用し、焼結助剤として焼成後の組
成がSiO2として64〜73重量%、MgOとして2
5〜36重量%、CaOとして0〜5重量%(但し、5
重量%は除く)である焼結助剤を使用し、1450〜1
550℃の温度で焼成して製造されるので、得られるア
ルミナ基板は従来の純度96重量%のアルミナ基板と同
等の誘電特性及び熱伝導率であって、且つ、アルミナ基
板の表面に厚膜法等により導体を形成した際の導体の密
着強度が優れたものとなり、かつ、表面粗度が小さいア
ルミナ基板となる。そのため、本発明のアルミナ基板の
製造方法は、電気部品を製造するための基板材料の製造
方法として非常に有用なものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭55−85459(JP,A) 特開 平3−193656(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 35/111

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミナ粉末とSiO2及びMgOを含
    有する焼結助剤とを混合し、シート成形した後、焼成し
    て純度96重量%のアルミナ基板を製造するアルミナ基
    板の製造方法において、前記アルミナ粉末として平均粒
    径が0.8〜1.0μmのアルミナ粉末を使用し、前記
    焼結助剤として焼成後の組成がSiO2として64〜7
    3重量%、MgOとして25〜36重量%、CaOとし
    て0〜5重量%(但し、5重量%は除く)である焼結助
    剤を使用し、1450〜1550℃の温度で焼成するこ
    とを特徴とするアルミナ基板の製造方法。
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