JP3117143U - ミョウガの養液栽培装置 - Google Patents

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【課題】収穫量を多くしながら高品質な花序を栽培する。簡単かつ容易に、しかも理想的な状態で花序を収穫する。
【解決手段】ミョウガの養液栽培装置は、ミョウガを生育させる所定の厚さと幅の培地4と、この培地4を上に載せる栽培トレイ1とを備え、栽培トレイ1の上に配置している培地4に養液20を供給して培地4でミョウガを栽培する。栽培トレイ1は、発泡スチロールであって、底面の両側縁に沿って上方に突出する一対の側壁6を一体的に成形して設けて断面形状を溝形としている。さらに、両側の側壁6は、溝形に成形されてなる開口幅を広くする方向に傾斜させて、側壁6の内面(P)が垂直面(H)となす傾斜角(α)を30度よりも大きくしている。ミョウガの養液栽培装置は、栽培トレイ1の上に培地4を配置して養液20を供給し、培地4の上面と両側面とに花序を生育させる。
【選択図】図2

Description

本考案は、ミョウガを植え付けしている培地に養液を供給してミョウガを生育させるミョウガの養液栽培装置に関する。
ミョウガを養液栽培する装置は開発されている。(特許文献1参照)
この公報に記載される栽培装置を図1に示す。この装置は、養液30を充填しているトレイ31に所定の厚さのロックウール32を敷き、ロックウール32の上に根切りシート33を積層して、根切りシート33の上に培地34を積層する。トレイ31の養液30は、ロックウール32の下部を浸漬して、根切りシート33を浸漬しないレベルにコントロールされる。
この公報に記載される栽培装置は、培地34の上面と側面の両方からミョウガの花序を生育できる。このため、花序の収穫量を多くできる特徴がある。ただ、培地34の側面から突出して生育する花序は、好ましい環境で生育できないために低品質となり、また簡単に収穫できない欠点がある。それは、トレイ31の側壁36が光線の照射を弱くするからである。充分な光線に照射されない側面の花序は、上面の花序のように自然で綺麗な赤色とならず、色が薄くなって商品価値が低下する。また光の照射が弱いために、自然な形態に生育させるのも難しく、色と形態の両方から高品質な花序を生育できない。
また、培地の側面から生育する花序は、栽培にも手間がかかる欠点がある。とくに、培地側面の下部から生育する花序は、とくに栽培に手間がかかる。それは、培地と側壁との隙間に手を入れて、花序を収穫するときに、側壁が邪魔になるからである。また、この状態で収穫すると、花序を理想的な状態では収穫できず、栽培のときに商品価値のない花序となることがある。
特開平11−318244号公報
本考案は、従来のミョウガの養液栽培装置が有する以上の欠点を解決することを目的に開発されたもので、本考案の重要な目的は、収穫量を多くしながら高品質な花序を栽培でき、さらに簡単かつ容易に、しかも理想的な状態で花序を収穫できるミョウガの養液栽培装置を提供することにある。
本考案のミョウガの養液栽培装置は、前述の目的を達成するために以下の構成を備える。
ミョウガの養液栽培装置は、ミョウガを生育させる所定の厚さと幅の培地4と、この培地4を上に載せる栽培トレイ1とを備え、栽培トレイ1の上に配置している培地4に養液を供給して培地4でミョウガを栽培する。栽培トレイ1は、発泡スチロールであって、底面の両側縁に沿って上方に突出する一対の側壁6を一体的に成形して設けて断面形状を溝形としている。さらに、両側の側壁6は、溝形に成形されてなる開口幅を広くする方向に傾斜させて、側壁6の内面(P)が垂直面(H)となす傾斜角(α)を30度よりも大きくしている。ミョウガの養液栽培装置は、栽培トレイ1の上に培地4を配置して養液を供給し、培地4の上面と両側面とに花序を生育させる。
本考案のミョウガの養液栽培装置は、側壁6の高さ(h)を、4cm以上であって、10cm以下とすることができる。
本考案のミョウガの養液栽培装置は、栽培トレイ1の外幅(W)を、65cm以上であって、85cm以下とすることができる。
本考案のミョウガの養液栽培装置は、側壁6の内面を、上端まで傾斜面6Aとすることができる。また、本考案のミョウガの養液栽培装置は、側壁6の内面の上端部に起立面6Bを設けることができる。
本考案のミョウガの養液栽培装置は、培地4の下に、ミョウガの根が通過するのを阻止して水を通過させる根切りシート3を配設し、さらに、この根切りシート3の下に、培地4に水を供給する保水シート5を積層し、またこの保水シート5の下に下地フィルム2を積層することができる。
本考案のミョウガの養液栽培装置は、保水シート5を、無機繊維を方向性なく立体的に集合している保水マット、又は、繊維を方向性なく集合して繊維を交点で結合している不織布とすることができる。
本考案のミョウガの養液栽培装置は、栽培トレイ1の上面8に排水溝9を設けることができる。
本考案のミョウガの養液栽培装置は、収穫量を多くしながら高品質な花序を栽培できると共に、簡単かつ容易に、しかも理想的な状態で花序を収穫できる特長がある。それは、本考案のミョウガの養液栽培装置が、培地を載せる栽培トレイの底面の両側縁に沿って上方に突出する一対の側壁を設けて、栽培トレイの断面形状を溝形とすると共に、両側の側壁を、開口幅を広くする方向に傾斜させて、側壁の内面が垂直面となす傾斜角を30度よりも大きくしているからである。このように、栽培トレイの開口幅を広くする方向に両側の側壁を傾斜させる構造は、培地の側面と側壁の内面との間を広くできるので、この広いスペースから太陽光線を有効に照射させて、培地の側面において、綺麗な赤色の花序を生育できる。したがって、培地の側面の下部においても、商品価値の高い高品質な花序を、自然な形態に生育させながら収穫量を向上できる。
また、培地の側面と側壁との間を広くしているので、培地の側面に生育する花序を収穫するときにおいても、培地と側壁の間に手を入れて、側壁が邪魔になるのを有効に防止しながら、花序を理想的な状態では収穫できる特長がある。とくに、培地の側面の下部に生育する花序を傷つけることなく効率よく収穫できる。
本考案の請求項6のミョウガの養液栽培装置は、培地の下に根切りシートを配設すると共に、根切シートの下に、培地に水を供給する保水シートを積層して、培地と根切りシートを透過する水を保水するので、培地が乾燥するときに、保水シートから培地に水分を供給して、培地の過乾燥を防止しながら植物を生育できる特長がある。
本考案の請求項8のミョウガの養液栽培装置は、栽培トレイの上面に排水溝を設けているので、培地を透過した養液を速やかに流して栽培トレイから排水して、停滞する養液に起因する植物の病気を極減できる。
以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本考案の技術思想を具体化するためのミョウガの養液栽培装置を例示するものであって、本考案はミョウガの養液栽培装置を以下のものに特定しない。
さらに、この明細書は、実用新案登録請求の範囲を理解しやすいように、実施例に示される部材に対応する番号を、「実用新案登録請求の範囲」および「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付記している。ただ、実用新案登録請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に特定するものでは決してない。
図2ないし図4に示すミョウガの養液栽培装置は、ミョウガの根を生育させる所定の厚さと幅を有する培地4と、この培地4を上に載せる栽培トレイ1とを備える。さらに、図の養液栽培装置は、培地4の下に積層されて、培地4に植え付けされるミョウガの根が通過するのを阻止して水を通過させる根切りシート3と、この根切りシート3の下に積層されて、培地4に水を供給する保水シート5と、この保水シート5の下に積層している下地フィルム2とを、培地4を載せる栽培トレイ1に敷設している。これらの養液栽培装置は、栽培トレイ1の上に配置している培地4に養液20を供給して培地4でミョウガを栽培する。
培地4は、供給される水分を保水する保水性と、過剰な水分を排水する排水性とが要求される。図の培地4は、所定の厚さのマット状で、根切りシート3の上に載せている。培地4は、ミョウガの生育に最適なものが選択され、たとえば、ヤシガラやバーク等の有機物をプレスして、所定の厚さのマット状に固化したものが使用される。この培地4には、たとえば長さを1m、幅を40cm、養液を供給する状態での厚さを約12cmとするものを使用する。ただ、培地には、ミョウガの生育に適した保水性と排水性のある全てのもの、たとえば有機物や無機物を単独であるいは混合したものが使用しできる。無機物である培地は、たとえば、シリカやアルミナを無数の空隙がある状態に焼結した粒体やロックウール等が使用できる。
栽培トレイ1は、図2ないし図7に示すように、底面の両側縁に沿って上方に突出する一対の側壁6を一体的に成形して設けて、断面形状を溝形としている。この側壁6は、栽培トレイ1の上に載せられる培地4や給水管23から供給される養液20が、栽培トレイ1の外側にこぼれ落ちるのを防止する。したがって、側壁6の高さ(h)は、培地4や養液20が外にこぼれるのを防止できる高さに成形する。側壁6の高さ(h)は、4cm以上、好ましくは5cm以上とする。側壁を高くするほど、培地や養液が外にこぼれるのを確実に防止できる。ただ、高い側壁は、強度が低下して壊れやすくなると共に、培地の側面に生育する花序に太陽光を十分に照射できなくなる。したがって、側壁6は、10cmよりも低く、好ましくは8cm以下とする。側壁6は、その厚さを厚くしての強度を高めることができる。ただ、側壁6を厚くすると、栽培トレイ1全体の幅が広くなる。したがって、側壁6は、その厚さを1〜5cm、好ましくは2〜3cmとして、高さを4〜10cm、好ましくは5〜8cm、より好ましくは、4〜7cmとする。
さらに、栽培トレイ1は、両側の側壁6を外側に向かって傾斜させている。両側の側壁6は、溝形に成形されてなる栽培トレイ1の開口幅が広くなる方向に傾斜している。栽培トレイ1は、図5ないし図7に示すように、本体部7と側壁6の境界線(m)における垂直面(H)に対して、外側方向に傾斜する姿勢で側壁6を設けている。図2と図3の栽培トレイ1の側壁6は、図5と図6に示すように、内面を傾斜面6Aとすると共に、上端部に起立面6Bを有する形状としている。起立面6Bは、図6に示すように垂直面とすることも、図5に示すように傾斜面6Aよりも勾配の急な傾斜面とすることもできる。このように、内面の上端部に起立面6Bを備える側壁6は、この起立面6Bで培地や養液をせき止めることができるので、培地や養液が栽培トレイ1からこぼれ落ちるのを有効に防止できる。また、図4の栽培トレイ1の側壁6は、図7に示すように、その内面が上端まで傾斜面6Aとなるように成形している。この構造は、側壁6の厚さを厚くして強靭にできる。
さらに、栽培トレイ1は、側壁6の内面(P)が垂直面(H)となす傾斜角(α)を30度よりも大きくしている。図7に示す側壁6は、内面を上端まで傾斜面6Aとしているので、この傾斜面6Aである内面(P)と垂直面(H)とのなす角を傾斜角(α)としている。また、図5と図6に示す側壁6は、内面の上端部に起立面6Bを設けているので、垂直面(H)となす角を最小にする内面(P)は傾斜面6Aではなく、起立面6Bの内側の上端と、側壁6と本体部7の境界線(m)とを結ぶ面となる。この構造の側壁6は、側壁6の上端部である起立面6Bの上端と、側壁6と本体部7の境界線(m)とを結ぶ面である内面(P)が、垂直面(H)となす角を傾斜角(α)としている。
したがって、本明細書において、側壁6の内面(P)が垂直面(H)となす傾斜角(α)とは、垂直面(H)となす角を最小にする側壁6の内面(P)、すなわち、側壁6の最も内側に突出する部分と、側壁6と本体部7の境界線(m)とを結ぶ内面(P)が垂直面(H)となす角を意味するものとする。
栽培トレイ1は、側壁6の内面(P)が垂直面(H)となす傾斜角(α)を30度以上として、培地4の側面において、効率よく花序を生育できる。傾斜角(α)が小さ過ぎると、培地の側面と側壁の内面との間を広くできず、培地の側面に太陽光線を十分に照射できなくなるからである。図に示すように、傾斜角(α)を30度以上として、両側の側壁6を傾斜させて開口幅を広くする構造は、培地4の側面と側壁6との間を広くして太陽光線を十分に培地4の側面に照射できる。したがって、培地4の側面の下部においても花序を理想的に生育でき、収穫量を向上できる。また、培地4の側面と側壁6との間を広くできるので、培地4の側面に生育する花序を傷つけることなく効率よく収穫できる特長もある。さらにまた、側壁6を傾斜させる構造は、ここに敷設される根切りシート3に白色系のものを使用して、太陽光を反射させて培地4の側面に照射させることもできる。
栽培トレイ1は、傾斜角(α)を大きくすると、側壁6の高さ(h)が低くなり、栽培トレイ1の外幅(W)が大きくなる。前述のように、側壁は、高さ(h)が低すぎると、培地や養液が外にこぼれるのを有効に防止できなくなる。また、栽培トレイ1は、外幅(W)が広すぎると、設置するのに必要な面積が広くなって、効率よく生産できなくなる。栽培トレイ1は、たとえば、培地4の幅を40cmとするとき、その外幅(W)を、65cm以上であって、85cm以下として効率よく培地4の側面においても花序を生育できる。したがって、栽培トレイ1は、側壁6の高さ(h)を4cm〜10cmとしながら、外幅(W)を65cm〜85cmとできるように、傾斜角(α)を最適な角度に調整する。
図2と図5に示す栽培トレイ1は、本体部7の両側縁に沿って、一対の側壁6を一体的に設けている。この構造の栽培トレイ1は、傾斜角(α)を大きくして、両側部の広い範囲を側壁6とすることができる。このように、側壁6の内面を広くして緩やかな傾斜面6Aとする栽培トレイ1は、側壁6の内面に供給される養液を側壁6の傾斜面6Aに沿って、効率よく排水できる特長がある。
さらに、図3、図4、図6及び図7に示す栽培トレイ1は、本体部7が両側に側縁プレート部7Aを備えており、この側縁プレート部7Aの側縁から上方に突出する側壁6を一体的に成形して設けている。この栽培トレイ1は、本体部7の幅を広くできる特長がある。本体部7を広くできる栽培トレイ1は、図示しないが、ミョウガを植え付けする培地の両側に側部培地を設けて、この側部培地でミョウガ以外の植物を植え付けして栽培することもできる。この養液栽培装置は、花序に比較して早く収穫できる植物を側部培地に植え付けて、花序の収穫までの間に、側部培地に植え付けた作物を収穫して利益を上げることができる。
さらに、栽培トレイ1は、図8ないし図14に示すように、上面8に排水溝9を設けている。ただし、これらの図は、図2に示す栽培トレイ1を示している。図示しないが、図3と図4に示す栽培トレイ1についても、図8ないし図14と同様の構造とすることができる。図8ないし図14に示す栽培トレイ1は、排水溝9として、両側の側壁6に沿って設けた一対の側溝11と、一対の側溝11の間に設けた中央溝11と、一対の側溝11と中央溝11とを連結している連結溝13とを備えている。
一対の側溝11は、一対の側壁6から内側に離れた位置に、側壁6に沿って設けている。側溝11は、図8に示すように、栽培トレイ1の両端面まで延長して設けている。栽培トレイ1は、培地4を透過する廃液をこの側溝11に案内し、この側溝11から栽培トレイ1の外部に排水する。
中央溝11は、一対の側溝11の中間に位置して、側溝11と平行に設けている。この中央溝11も、栽培トレイ1の両端面まで延長して設けている。この中央溝11は、栽培トレイ1の中央上面8Aの上方に配設される培地4を透過する廃液の一部を案内して効率よく排水する。
さらに、栽培トレイ1は、一対の側溝11と中央溝11とを連結溝13で連結している。連結溝13は、一対の側溝11を連結して設けた溝で、中央溝11を横断して、中央溝11と垂直に交差している。この連結溝13は、中央溝11を流れる廃液を側溝11に流して排水する。また、連結溝11は、栽培トレイ1の中央上面8Aの上方に配設される培地4を透過する廃液の一部を案内して排水するはたらきもある。
さらに、図12に示す連結溝13は、中央溝11から両側の側溝11に向かって、底面を下り勾配に傾斜させている。この構造の連結溝13は、中央溝11を流れる廃液を、速やかに側溝11に向かって流下させることができる。ただ、連結溝は、一方の側溝から他方の側溝に向かって、底面を下り勾配に傾斜させることもできる。この構造は、一方の側溝と中央溝を流れる廃液を、他方の側溝に流下させて排水する。
以上の排水溝9は、廃液をスムーズに流すことができる幅と深さを有する。排水溝9は、幅が狭すぎても、深さが浅すぎても、廃液に含まれる異物が詰まりやすくなり、廃液をスムーズに排水できない。このため、排水溝9の幅と深さは、たとえば1cm以上、好ましくは2cm以上とする。ただ、栽培トレイは、排水溝9の幅を広くして、深さを深くすると全体の強度が低下する。このため、排水溝9の幅と深さは、たとえば7cmよりも小さく、好ましくは6cm以下とする。排水溝9の幅と深さは、廃液の詰まりを少なく、かつ培地4を水平に保持することから、好ましくは3〜5cmとする。
さらに、図3と図4に示す栽培トレイ1は、その上面8であって、側壁6と側溝11との間に位置する側部上面8Bを、側溝11に向かって下り勾配に傾斜させてなる傾斜面としている。この栽培トレイ1は、傾斜面である側部上面8Bの上方に配設される培地4を透過した廃液を、側部上面8Bから側溝11に向かって流して排水する。すなわち、この栽培トレイ1は、側壁6の近傍において培地4を通過する廃液を、側壁6のふもとのコーナー部に停滞させることなく速やかに側溝11に向かって流下させることができる。また、この側部上面8Bを傾斜面とする栽培トレイ1は、側壁6との連結部分である側縁プレート部7Aを側壁6に向かって次第に厚く成形できるので、側縁プレート部7Aと側壁6との連結強度を高くできる特長もある。
さらに、図に示す栽培トレイ1は、側壁6と側縁プレート部7Aの底面側に位置して、下方に突出する複数列の補強リブ10を設けている。補強リブ10は、側壁6に対して垂直な方向に形成されており、栽培トレイ1の底面側に所定の間隔で一体的に成形して設けている。この補強リブ10は、側縁プレート部7Aと側壁6とを下側から支持してこれらを補強しており、この部分が変形したり破壊されるのを防止している。
さらに、図に示す栽培トレイ1は、一対の側溝11の間の中央上面8Aを、側溝11に向かって下り勾配に傾斜させている。この構造は、中央上面8Aの上方に配設される培地4を透過する廃液を、両側の側溝11に向かって速やかに流下させて排水できる特長がある。ただ、中央上面は、中央溝に向かって下り勾配に傾斜させることも、側溝と中央溝の両方に向かって下り勾配に傾斜させることもできる。
以上の構造の栽培トレイは、側部上面8Bと中央上面8Aとを傾斜面としているが、本考案は、栽培トレイの上面を必ずしも傾斜面とする必要はない。栽培トレイは、上面全体を平らな面とすることも、あるいは、部分的に傾斜面とすることもできる。
さらに、栽培トレイは、図示しないが、側溝に流れ込んだ廃液を栽培トレイの外部に排水する排水孔を設けることができる。この栽培トレイは、たとえば、排水孔を側溝の中央部に設けることができる。排水孔は、栽培トレイの底面を貫通する貫通孔として、側溝に流れ込んだ廃液を通過させて外部に排水することができる。排水孔を有する栽培トレイは、側溝の底面を排水孔に向かって下り勾配に傾斜させて、側溝を流れる廃液を速やかに排水孔に流すことができる。
以上の構造の栽培トレイ1は、プラスチックを発泡成形して製作される。この栽培トレイ1は安価に多量生産できる。プラスチック発泡体で製作される栽培トレイ1は、表面に非発泡層を設けて、廃液の内部への浸透を阻止し、あるいは独立気泡に発泡させて、廃液の内部への浸透を阻止することができる。ただ、栽培トレイ1は、上に敷設される非透水シートの下地フィルム2で、廃液が栽培トレイ1に浸透するのを防止できるので、栽培トレイ1を完全な防水構造とする必要はない。プラスチック発泡体の栽培トレイ1は、発泡スチロールで製作して、とくに安価に多量生産できる。ただ、栽培トレイは、他のプラスチック発泡体、たとえば塩化ビニル発泡体、EVA発泡体、ウレタン発泡体等で製造することもできる。
さらに、図の栽培トレイ1は、複数の区画プレート1Aに分割して、隣接して配置する区画プレート1Aを嵌着構造で連結する構造としている。この栽培トレイ1は、所定の大きさの区画プレート1Aを並べて畝のように細長く連結できる。区画プレート1Aは、隣接縁に互いに嵌着できる突出部15と凹部16とを設けている。この栽培トレイ1は、図15に示すように、突出部15を凹部16に入れて、隣接する区画プレート1Aを定位置に連結できる。養液栽培装置は、栽培トレイ1の上に非透水シートの下地フィルム2を敷設するので、区画プレート1Aを、連結部から水が漏れないように防水構造で連結する必要はない。上に敷設している下地フィルム2で、廃液が栽培トレイ1の上面8に浸透しないようにしながら集めることができるからである。
下地フィルム2は、栽培トレイ1の上に敷設している。この下地フィルム2は、上側に配設される培地4、根切りシート3及び保水シート5と、下側に配設されると栽培トレイ1とを区画している。下地フィルム2は非透水シートで、培地4を通過した廃液がこれを透過して、栽培トレイ1まで浸透するのを防止している。下地フィルム2は、栽培トレイ1の外形よりも大きく、両側の側壁6の外側面まで延長して配設される。側壁6と下地フィルム2の間から廃液が浸入するのを防止するためである。
下地フィルム2は、栽培トレイ1の上面8に沿う状態で敷設される。側溝11や中央溝11に敷設される下地フィルム2は、図2ないし図4に示すように、その内面に沿って敷設される。側溝11や中央溝11の内面に沿って敷設される下地フィルム2は、その内側に形成される溝内を廃液が流れる。したがって、本明細書において、「側溝や中央溝を廃液が流れる」とは、側溝や中央溝の内側に直接に廃液が流れるのではなく、側溝や中央溝の内側に敷設される下地フィルムの内側を廃液が流れることを意味するものとする。
下地フィルム2は、プラスチックフィルムからなる非透水シートである。プラスチックフィルムである非透水シートの下地フィルム2は、ポリエチレンフィルムが適している。ただ、この下地フィルムのプラスチックフィルムには、塩化ビニルフィルムも使用できる。さらに、本考案の養液栽培装置は、非透水シートである下地フィルムを、プラスチックフィルムに特定しない。非透水シートである下地フィルムには、たとえば表面を防水加工した不織布や布等も使用できるからである。不織布や布で構成される下地フィルムは、プラスチックフィルムに比べて破れ難く、また熱に強い特長がある。
保水シート5は、栽培トレイ1の上面8に位置して、下地フィルム2の上に敷設している。すなわち、保水シート5は、下地フィルム2と根切りシート3の間に配設している。この保水シート5は、培地4と根切りシート3を透過した廃液を吸水して保水する。保水シート5は、無機繊維を方向性なく立体的に集合している保水マット、繊維を方向性なく集合して繊維を交点で結合している不織布、所定の厚さのロックウール、織布、耐水性のある紙等が使用できる。図に示す養液栽培装置は、保水シート5を保水マットとしている。ただ、保水シートには、ロックウールを使用することもできる。養液栽培装置は、保水シート5に水分を保水するので、培地4が乾燥するときに、保水する水分を根切りシート3に透過させて、培地4に供給する。保水シート5の水分は、気化して培地4に供給され、あるいは根切りシート3を透過して培地4に浸透して補給される。したがって、これらの養液栽培装置は、培地4の過乾燥を防止しながらミョウガを生育できる特長がある。
根切りシート3は、防根シートとも呼ばれるシートで、すでに市販されているものを使用する。根切りシート3は、細繊維を立体的に集合した不織布が使用できる。また、微細な貫通孔を無数に設けているプラスチックフィルムも根切りシート3として使用できる。さらに、根切りシート3は、水を透過させて植物の根が成長して通過するのを阻止できる全てのシートを使用することができる。
根切りシート3は、培地4の下に積層されて、培地4に植え付けしている植物の根が通過するのを阻止する。図の根切りシート3は、培地4と保水シート5との間に配設されており、植物の根が伸びて保水シート5や栽培トレイ1の溝に侵入するのを阻止する。植物の根が保水シート5や栽培トレイ1の溝に侵入すると、根が廃液に接触して病気になるからである。したがって、根切りシート3は、好ましくは、図2ないし図4に示すように、栽培トレイ1の上側全面に配設される。ただ、栽培トレイの上面の全面でなく、一部に培地を載せて植物を生育させる場合、必ずしも栽培トレイの全面に根切りシートを配設する必要はない。図の根切りシート3は、保水シート5の上に水平に敷設して、栽培トレイ1の側壁6の両側から下方に垂らしている。この養液栽培装置は、植物の根や培地4が根切りシート3と下地フィルム2の間に侵入するのを確実に防止できる。
以上の養液栽培装置は、水平栽培台26の上に水平に配置される。図2ないし図4に示す水平栽培台26は、地面から上に離して配置している載せ台である。このように、載せ台に載置される養液栽培装置は、外部に排水される廃液を自然に流下させて効率よく回収できる特長がある。ただ、水平栽培台は、必ずしも地面から離した載せ台とする必要はなく、水平栽培台を露地として、養液栽培装置を直接に、露地に載置することもできる。
図に示す養液栽培装置は、ミョウガを植え付けている培地4に、給水器25で養液20を供給している。給水器25は、図に示すように、養液20を貯溜するタンク21と、このタンク21内の養液20を吸い上げて移送するポンプ22と、このポンプ22から供給される養液20を培地4に散水する給水管23とを備える。この構造の給水器25は、ポンプ22を連続運転して植物に定量の養液20を連続供給し、あるいは、ポンプ22の運転を制御部24で制御して、所定量の養液20を所定の時間間隔で植物に供給する。ミョウガに供給される養液20は、培地4と根切りシート5とを透過して、一部は保水シート5に吸収され、残りは廃液として側溝11に流入されて外部に排水される。側溝11から外部に排水される廃液は、図に示すように、回収されて給水器25のタンク21に環流される。図に示す給水器25は、タンク21に環流される廃液を、給水器25を介して再び培地4に供給する構造としているが、回収した廃液は、給水器25のタンク21に環流させることなく、給水器とは別の回収用のタンクに集めることもできる。
ミョウガに供給される養液20は、水に肥料や薬剤を添加した溶液である。したがって、培地4と根切りシート3を透過した廃液が、露地に排水されるのは好ましくない。それは、廃液に含まれる成分によって露地の土壌を汚染し、あるいは、雑草や細菌等の繁殖を促進するおそれがあるからである。このように、栽培トレイから外部に排水される廃液を回収する養液栽培装置は、廃液が露地に浸透するのを防止して、理想的な環境で植物を栽培できる特長がある。
回収された廃液は、廃棄され、あるいは再び培地に供給される。回収されて再び培地4に供給される廃液は、必要な肥料を添加して所定の肥料濃度に調整される。ただ、回収された廃液は、肥料濃度を調整することなく、水分を補給する目的で培地4に供給することもできる。回収した廃液を再び培地4に供給する装置は、水を有効に利用して水の消費量を少なくできる。また、廃液には肥料も含有されているので、廃液を再び培地に供給する装置は、ランニングコストを低減できる特長もある。さらにまた、肥料を含む廃液を周囲に排水しない特徴もある。
従来の養液栽培装置の構成を示す縦断面図である。 本考案の一実施例にかかるミョウガの養液栽培装置の概略断面図である。 本考案の他の実施例にかかるミョウガの養液栽培装置の概略断面図である。 本考案の他の実施例にかかるミョウガの養液栽培装置の概略断面図である。 図2に示す養液栽培装置の栽培トレイの側壁を示す拡大断面図である。 図3に示す養液栽培装置の栽培トレイの側壁を示す拡大断面図である。 図4に示す養液栽培装置の栽培トレイの側壁を示す拡大断面図である。 図2に示す栽培トレイの平面図である。 図8に示す栽培トレイの底面図である。 図8に示す栽培トレイの正面図である。 図8に示す栽培トレイのA−A線断面図である。 図8に示す栽培トレイのB−B線断面図である。 図8に示す栽培トレイのC−C線断面図である。 図8に示す栽培トレイのD−D線断面図である。 区画プレートの連結構造を示す側面図である。
符号の説明
1…栽培トレイ 1A…区画プレート
2…下地フィルム
3…根切りシート
4…培地
5…保水シート
6…側壁 6A…傾斜面
6B…起立面
7…本体部 7A…側縁プレート部
8…上面 8A…中央上面
8B…側部上面
9…排水溝
10…補強リブ
11…側溝
12…中央溝
13…連結溝
15…突出部
16…凹部
20…養液
21…タンク
22…ポンプ
23…給水管
24…制御部
25…給水器
26…水平栽培台
30…養液
31…トレイ
32…ロックウール
33…根切りシート
34…培地
36…側壁

Claims (8)

  1. ミョウガを生育させる所定の厚さと幅の培地(4)と、この培地(4)を上に載せる栽培トレイ(1)とを備え、栽培トレイ(1)の上に配置している培地(4)に養液(20)を供給して培地(4)でミョウガを栽培する栽培装置であって、
    栽培トレイ(1)が発泡スチロールであって、底面の両側縁に沿って上方に突出する一対の側壁(6)を一体的に成形して設けて断面形状を溝形としており、さらに両側の側壁(6)は、溝形に成形されてなる開口幅を広くする方向に傾斜させると共に、側壁(6)の内面(P)が垂直面(H)となす傾斜角(α)を30度よりも大きくしており、
    栽培トレイ(1)の上に、培地(4)を配置して養液(20)を供給し、培地(4)の上面と両側面とに花序を生育させるミョウガの養液栽培装置。
  2. 側壁(6)の高さ(h)が4cm以上であって、10cm以下である請求項1に記載されるミョウガの養液栽培装置。
  3. 栽培トレイ(1)の外幅(W)が、65cm以上であって、85cm以下である請求項1に記載されるミョウガの養液栽培装置。
  4. 側壁(6)の内面が上端まで傾斜面(6A)である請求項1に記載されるミョウガの養液栽培装置。
  5. 側壁(6)の内面が、上端部に起立面(6B)を有する請求項1に記載されるミョウガの養液栽培装置。
  6. 培地(4)の下に、ミョウガの根が通過するのを阻止して水を通過させる根切りシート(3)を配設し、さらに、この根切りシート(3)の下に、培地(4)に水を供給する保水シート(5)を積層し、またこの保水シート(5)の下に下地フィルム(2)を積層している請求項1に記載されるミョウガの養液栽培装置。
  7. 保水シート(5)が無機繊維を方向性なく立体的に集合している保水マット、又は、繊維を方向性なく集合して繊維を交点で結合している不織布である請求項6に記載されるミョウガの養液栽培装置。
  8. 栽培トレイ(1)の上面(8)に排水溝(9)を設けている請求項1に記載されるミョウガの養液栽培装置。
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