JP2006230317A - 養液栽培用の栽培装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】養液が停滞して発生する植物の病気を極減する。設備コストを著しく低減する。
【解決手段】養液栽培用の栽培装置は、露地7Aや載せ台7B等の水平栽培台7の上に水平に張設される下地フィルム2と、この下地フィルム2の上に積層している培地プレート1と、この培地プレート1の上に積層されて、水を透過させるが植物の根が通過するのを防止する根切りシート3と、この根切りシート3の上に所定の厚さに積層される培地4とを備え、植物を植え付けている培地4に水を供給して植物を生育させる。培地プレート1は、上面に突出する多数の凸部11を有すると共に、各々の凸部11は上端を同一面に配置して、根切りシート3を水平に配置できる形状としている。さらに、培地プレート1は、凸部11の間に排水溝10を形成して、この排水溝10でもって、培地4と根切りシート3を透過する廃水を外周に向かって流して培地プレート1から排水している。
【選択図】図4

Description

本発明は、植物を植え付けしている培地に養液を供給して植物を生育させる養液栽培用の栽培装置に関し、特にミョウガの栽培に最適な養液栽培用の栽培装置にする。
ミョウガを養液栽培する装置は開発されている。(特許文献1参照)
この公報に記載される栽培装置を図1に示す。この装置は、養液30を充填しているトレイ31に所定の厚さのロックウール32を敷き、ロックウール32の上に根切りシート33を積層して、根切りシート33の上に培地34を積層する。トレイ31の養液30は、ロックウール32の下部を浸漬して、根切りシート33を浸漬しないレベルにコントロールされる。
この公報に記載される栽培装置は、生育させるミョウガ等の植物が病気になりやすく、また設備コストが非常に高価となる欠点がある。植物が病気になりやすいのは、トレイに養液を貯溜するので、これが汚れたり腐敗するからである。また、栽培装置が高価になるのは、養液を貯溜するためにトレイを水漏れしない構造とし、さらに、トレイには厚いロックウールを敷設し、さらに、このロックウールの下部のみを養液に浸漬するように、養液レベルを正確にコントロールするからである。
植物の培地から速やかに養液を排水する栽培装置は開発されている。(特許文献2参照)
この公報に記載される栽培装置は、培地の底部に水分気化排出材を敷設している。水分気化排出材は、トレイの底に設けた貫通孔から外部に引き出されている。この水分気化排出材は不織布で、培地の水分を吸い取って外部に移行させる。水分気化排出材で外部に移行された水分は、気化して消失される。この栽培装置は、水分気化排出材で培地の水分を外部に排出する。
この構造の栽培装置は、水分気化排出材で培地の水分を外部に移行させるが、培地底部の水分率は高くなって、この部分を水分率の低い状態にはできない。それは、培地の水分率が低くなるにしたがって、培地の水分が水分気化排出材に移行し難くなるからである。したがってこの培地では、種々の植物を病気から保護して元気に生育させるのが難しい欠点がある。
特開平11−318244号公報 特開平11−313565号公報
本発明は、従来の栽培装置が有する以上の欠点を解決することを目的に開発されたものである。本発明の重要な目的は、養液が停滞して発生する植物の病気を極減することに加えて、設備コストを著しく低減できる養液栽培用の栽培装置を提供することにある。
本発明の養液栽培用の栽培装置は、前述の目的を達成するために以下の構成を備える。
養液栽培用の栽培装置は、露地7Aや載せ台7B等の水平栽培台7の上に水平に張設される下地フィルム2と、この下地フィルム2の上に積層している培地プレート1と、この培地プレート1の上に積層されて、水を透過させるが植物の根が通過するのを防止する根切りシート3と、この根切りシート3の上に所定の厚さに積層される培地4とを備え、植物を植え付けている培地4に水を供給して植物を生育させる。培地プレート1は、上面に突出する多数の凸部11を有すると共に、各々の凸部11は上端を同一面に配置して、根切りシート3を水平に配置できる形状としている。さらに、培地プレート1は、凸部11の間に排水溝10を形成して、この排水溝10でもって、培地4と根切りシート3を透過する廃水を外周に向かって流して培地プレート1から排水している。
本発明の請求項2の養液栽培用の栽培装置は、培地プレート1を、平面プレート12から多数の凸部11が突出する形状に成形している。さらに、培地プレート1は、凸部11の上端を同一平面に位置させており、凸部11の形状を、多角柱状、円柱状、楕円柱状のいずれかの形状としている。
本発明の請求項3の養液栽培用の栽培装置は、根切りシート3と培地プレート1との間に保水シート5を積層して、培地4と根切りシート3を透過する水を保水シート5に保水させている。
本発明の請求項4の養液栽培用の栽培装置は、下地フィルム2をプラスチックフィルムからなる非透水シートとしている。この栽培装置は、下地フィルム2を培地プレート1の外側で折り返して廃液回収路6としており、この廃液回収路6に排水溝10の廃水を流入させている。
本発明の請求項5の養液栽培用の栽培装置は、培地プレート1を複数の区画プレート1Aに分割しており、隣接して配置される区画プレート1Aを嵌着構造で連結するようにしている。
本発明の養液栽培用の栽培装置は、養液が停滞して発生する植物の病気を極減できる特長がある。それは、本発明の栽培装置が、水平栽培台の上に水平に張設される下地フィルムの上に培地プレートを積層し、この培地プレートの上に根切りシートと培地とを積層して、培地に水を供給して植物を生育する構造としており、この培地プレートの上面に多数の凸部を突出して設けると共に、凸部の間に形成した排水溝で、培地と根切りシートを透過する廃水を外周に向かって流して排水しているからである。この構造の栽培装置は、培地と根切りシートを透過した養液を、従来の栽培装置のように貯溜することなく、速やかに流して培地プレートから排水するので、停滞する養液に起因する植物の病気を極減できる。しかも、この構造の栽培装置は、従来のように水漏れしない構造を必要とせず、また貯溜された養液レベルをコントロールするための機構を必要としないので、設備コストを著しく低減できる特長もある。
さらに、本発明の請求項3の養液栽培用の栽培装置は、根切りシートと培地プレートとの間に積層した保水シートで、培地と根切りシートを透過する水を保水するので、培地が乾燥するときに、保水シートから培地に水分を供給して、培地の過乾燥を防止しながら植物を生育できる特長がある。
さらに、本発明の請求項4の養液栽培用の栽培装置は、下地フィルムをプラスチックフィルムからなる非透水シートとすると共に、この下地フィルムを培地プレートの外側で折り返して廃液回収路としているので、この廃液回収路に排水溝の廃水を流入させて回収できる特長がある。
さらにまた、本発明の請求項5の養液栽培用の栽培装置は、培地プレートを複数の区画プレートに分割して、隣接して配置される区画プレートを嵌着構造で連結しているので、所定の大きさの区画プレートを、簡単に連結して細長い培地プレートを実現できる。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための養液栽培用の栽培装置を例示するものであって、本発明は栽培装置を以下のものに特定しない。
さらに、この明細書は、特許請求の範囲を理解しやすいように、実施例に示される部材に対応する番号を、「特許請求の範囲」および「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付記している。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に特定するものでは決してない。
図2ないし図5に示す養液栽培用の栽培装置は、水平栽培台7の上に水平に張設される下地フィルム2と、この下地フィルム2の上に積層している培地プレート1と、この培地プレート1の上に積層されて、水を透過させるが植物の根が通過するのを防止する根切りシート3と、この根切りシート3の上に所定の厚さに積層される培地4とを備える。さらに、図3ないし図5に示す栽培装置は、根切りシート3と培地プレート1との間に保水シート5を積層している。これらの栽培装置は、植物を植え付けている培地4に給水器8で養液20を供給して植物を生育させる。
図2ないし図4の栽培装置は、露地7Aである水平栽培台7の上に下地フィルム2を敷設している。図5の栽培装置は、培地収納容器9の上に下地フィルム2を敷設している。これ等の図に示す栽培装置は、露地7Aの水平栽培台7に、あるいは露地7Aから上に離して配置している載せ台7Bの水平栽培台7に載せて、水平栽培台7の上に下地フィルム2を敷設している。
下地フィルム2は、培地プレート1を露地7Aから区画する。この下地フィルム2は、プラスチックフィルムからなる非透水シートである。プラスチックフィルムである非透水シートの下地フィルム2は、ポリエチレンフィルムが適している。ただ、この下地フィルムのプラスチックフィルムには、塩化ビニルフィルムも使用できる。非透水シートであるプラスチックフィルムの下地フィルム2は、廃水がこれを透過して、露地7Aに浸透するのを防止する。植物に供給される養液20は、水に肥料や薬剤を添加した溶液である。したがって、培地4と根切りシート3を透過した養液の廃水が、露地7Aに排水されるのは好ましくない。それは、廃水に含まれる成分によって露地7Aの土壌を汚染し、あるいは、雑草や細菌等の繁殖を促進するおそれがあるからである。このように、培地プレート1の下に非透水シートの下地フィルム2を敷設する栽培装置は、廃水が露地7Aに浸透するのを防止して、理想的な環境で植物を栽培できる特長がある。ただ、本発明の栽培装置は、非透水シートである下地フィルムをプラスチックフィルムに特定しない。非透水シートである下地フィルムには、たとえば表面を防水加工した不織布や布等も使用できるからである。不織布や布で構成される下地フィルムは、プラスチックフィルムに比べて破れ難く、また熱に強い特長がある。
プラスチックフィルムの下地フィルム2は、太陽光線を透過させない黒等の暗色に着色されている。このプラスチックフィルムは、露地7Aを太陽光線から遮断して雑草の繁殖を阻止できる。また、非透水シートの下地フィルム2は、露地7Aに水を供給しないので、このことからも露地7Aに雑草が繁殖するのを防止できる。ただ、本発明の栽培装置は、下地フィルムを暗色のプラスチックフィルムには特定しない。下地フィルムには、たとえば透明のプラスチックフィルを使用することもできる。
下地フィルム2は、培地プレート1の外形よりも大きく、培地プレート1の外周に突出するように露地7A等の水平栽培台7に敷設される。培地プレート1から排水される廃水を露地7Aの外部に流すためである。
図3ないし図5に示す下地フィルム2は、プラスチックフィルムの非透水シートで廃液回収路6を設けている。廃液回収路6は、培地プレート1に設けた排水溝10の廃水を流入させて回収する。廃液回収路6に回収された廃水は外部に排水され、あるいは給水器8を介して再び培地4に供給される。廃液回収路6で回収されて培地4に再び供給される廃水は、回収した廃水に必要な肥料を添加して所定の肥料濃度に調整される。ただ、廃液回収路6で回収された廃水は、肥料濃度を調整することなく、水分を補給する目的で培地4に供給することもできる。廃液回収路6で回収した廃水を再び培地4に供給する装置は、水を有効に利用して水の消費量を少なくできる。また、廃水には肥料も含有されているので、廃水を再び培地に供給する装置は、ランニングコストを低減できる特長もある。さらにまた、肥料を含む廃水を周囲に排水しない特徴もある。
図3の栽培装置は、露地7A等の水平栽培台7を上方に突出させて、突出する水平栽培台7の上面に沿って、培地プレート1の両側に廃液回収路6を設けている。下地フィルム2は、先端縁を培地プレート1の排水溝10よりも高い位置に固定して廃液回収路6を設けている。図に示す下地フィルム2は、その先端縁を、支柱15に張設した線材16に連結して廃液回収路6を設けている。下地フィルム2の先端は、たとえば、図6に示す構造で先端縁を線材16に固定することができる。この図の連結構造は、下地フィルム2の先端部をU曲して折り返し、この折り返し部2Aの内側に線材16を位置させると共に、この折り返し部2Aに挟着部材17を装着して下地フィルム2を線材16に連結している。挟着具17は、折り返し部2Aを弾性的に挟着する一対の挟着片17Aを備えており、これらの挟着片17Aで折り返し部2Aを両側から挟着して、下地フィルム2を線材16に固定している。この挟着具17は、極めて簡単な構造として、折り返し部2Aに脱着自在に連結できる特長がある。ただ、下地フィルムは、図に示す構造以外の種々の構造で、先端縁を培地プレートの排水溝よりも高い位置に固定することができる。
さらに、図4の栽培装置は、露地7A等の水平栽培台7を上方に突出させて、突出する水平栽培台7の側部に沿って廃液回収路6を設けている。下地フィルム2は、図7に示すように、水平栽培台7の側部に沿って垂らし、垂らしている途中を上向きにU曲し、その先端側を培地プレート1の凸部11に固定して廃液回収路6を設けている。下地フィルム2の先端側は、たとえば、図7に示す構造で培地プレート1に固定することができる。図の下地フィルム2は、廃液回収路6の先端側の一部をU曲し、このU曲部2Bの内側に配置した挿入ロッド19を、培地プレート1の凸部11に設けた連結凹部18に圧入して互いに連結している。図に示す培地プレート1は、凸部11の上面の側縁部に、側縁に沿って直線状の連結凹部18を設けている。ただ、連結凹部は、凸部の側面に設けることもできる。さらに、下地フィルムは、図示しないが、培地プレートに連結することなく、根切りシートに連結することもできる。挿入ロッド19の外径は連結凹部18の幅とほぼ等しく、挿入ロッド19の外周面と連結凹部18の内面とで下地フィルム2を押圧して、所定の位置に保持できるようにしている。培地プレート1の凸部11に連結された下地フィルム2は、さらに、その先端部を図4に示すように、培地プレート1よりも高い位置に固定している。下地フィルム2の先端は、たとえば、前述の図6に示す構造で支柱15に固定した線材16に連結することができる。廃液回収路6は、培地プレート1に連結されて、排水溝10の廃水を流下させる。
培地プレート1は、上面に突出する多数の凸部11を有する。各々の凸部11は、上端を同一面に配置して、根切りシート3を水平に配置できる形状としている。図の培地プレート1は、凸部11の上面を平面状に成形している。この培地プレート1は、上端の平面で根切りシート3を面接触状態に支持して、水平に調整できる。凸部11は、上端の平面部の面積を大きくして、根切りシート3を水平に支持する面積を大きくできる。ただ、凸部上端の平面部を大きくすると、凸部11の間に設ける排水溝10が占める割合が狭くなって、根切りシート3を透過する廃水を速やかに排水できなくなる。したがって、凸部上端の平面部の面積は、根切りシート3を裏から支持してほぼ水平に配置でき、しかも排水溝10で根切りシート3を透過する廃水をスムーズに排水できるようにする。たとえば、凸部上端の面積は、1cm〜100cm、好ましくは1cm〜30cm、さらに好ましくは2cm〜10cmとする。
図8の培地プレート1は、凸部11を四角柱状として、凸部11の間に碁盤格子状に排水溝10を設けている。ただし、培地プレート1の凸部11は、四角柱、六角柱、八角柱等の多角柱状、あるいは円柱状、あるいはまた、楕円柱状とすることができる。さらに、図示しないが、培地プレートの凸部は、下方に向かって水平断面積が大きくなる形状、たとえば、角錐台や円錐台形状とすることもできる。また、培地プレートは、必ずしも凸部の間に碁盤格子状に排水溝を設けた構造とする必要はなく、図9に示すように、細長い直方体の凸部11の間に、筋状に排水溝10を設けた構造とすることもできる。
培地プレート1は、凸部11の間に排水溝10を形成し、この排水溝10でもって、培地4と根切りシート3を透過する廃水を外周に向かって流して培地プレート1から排水する。また、培地プレート1の凸部11は、排水溝10の廃水から根切りシート3を上方に分離して、廃水に起因する病気を防止する。根切りシート3を廃水から分離するために、凸部11の高さは1cm以上、好ましくは1.5cm以上、さらに好ましくは2cm以上とする。凸部11を高くするほど、根切りシート3を排水溝10の廃水から確実に分離できる。ただ、凸部を高くすると培地プレート全体が厚くなって製造コストが高くなり、また凸部の強度も低下する。このため、凸部11の高さは、5cmよりも低く、好ましくは4cm以下とする。
さらに、排水溝10の幅、すなわち隣接する凸部11の間隔は、廃水をスムーズに流すことができる幅とする。排水溝10の幅が狭すぎると、廃水に含まれる異物が詰まりやすい。このため、排水溝10の幅は、たとえば2mm以上、好ましくは3mm以上、さらに好ましくは5mm以上とする。ただ、排水溝は、根切りシートを支持しない部分となるので、この幅が広すぎると、根切りシートを水平な姿勢に支持できなくなる。このため、排水溝10の幅は、たとえば20mmよりも狭く、好ましくは15mmよりも狭く、さらに好ましくは10mmよりも狭くする。排水溝10の最適幅は、廃水の詰まりを少なく、かつ根切りシート3を水平に保持することから、最適には5mm〜10mmとする。
さらに、多数の凸部11の間に形成される排水溝10は、図9に示すように、底面を傾斜面10Aとして、廃水を速やかに外周に流すことができる。図に示す排水溝10は、中央を山形とする傾斜面10Aを設けて、廃水を培地プレート1の両側に流す構造としている。ただ、傾斜面は一方向にのみ傾斜させることもできる。さらに、図示しないが、複数の凸部を碁盤格子状に備える培地プレートも、縦横に交差する排水溝の底面を傾斜面とすることができる。これらの排水溝は、廃水を速やかに培地プレートの外側に流すことができる形状の傾斜面とする。
培地プレート1は、下面の平面プレート12から多数の凸部11を上に突出させる形状に成形している。平面プレート12は、たとえば2mm〜15mmの厚さの板状としている。図に示す培地プレート1は、プラスチックの発泡体で製作される。この培地プレート1は安価に多量生産できる。プラスチック発泡体からなる培地プレート1は、表面に非発泡層を設けて、廃水の内部への浸透を阻止し、あるいは独立気泡に発泡させて、廃水の内部への浸透を阻止している。ただ、培地プレートの下に非透水シートの下地フィルムを敷設する栽培装置は、下地フィルムによって廃水が露地に供給されるのを防止できるので、培地プレートを完全な防水構造とする必要はない。プラスチック発泡体の培地プレート1は、発泡スチロールで製作して、とくに安価に多量生産できる。ただ、培地プレートは、他のプラスチック発泡体、たとえば塩化ビニル発泡体、EVA発泡体、ウレタン発泡体等で製造することもできる。
さらに、培地プレートは、図示しないが、熱可塑性のプラスチックシートを真空成形して凸部を設けることもできる。この培地プレートは、平面プレートの一部を上方に突出するように成形して凸部とし、凸部の間に排水溝を設ける。この培地プレートも安価に多量生産できる。
培地プレート1は、複数の区画プレート1Aに分割して、隣接して配置する区画プレート1Aを嵌着構造で連結する構造にできる。この培地プレート1は、所定の大きさの区画プレート1Aを並べて畝のように細長く連結できる。図10の区画プレート1Aは、隣接縁に互いに嵌着できる突出部13と凹部14とを設けている。この培地プレート1は、突出部13を凹部14に入れて、隣接する区画プレート1Aを定位置に連結できる。培地プレート1の下に非透水シートの下地フィルム2を敷設する栽培装置は、区画プレート1Aを連結部から水が漏れないように、防水構造で連結する必要はない。培地プレート1の連結隙間から漏れた廃水を、下に敷設している下地フィルム2で所定の位置に集めることができるからである。
根切りシート3は、防根シートとも呼ばれるシートで、すでに市販されているものを使用する。根切りシート3は、細繊維を立体的に集合した不織布が使用できる。また、微細な貫通孔を無数に設けているプラスチックフィルムも根切りシート3として使用できる。さらに、根切りシート3は、水を透過させて植物の根が成長して透過するのを阻止できる全てのシートを使用することができる。根切りシート3は、培地4に植え付けしている植物の根が伸びて排水溝10に侵入するのを阻止する。植物の根が排水溝10に侵入すると、根が廃水に接触して病気になるからである。したがって、根切りシート3は、好ましくは、図2ないし図5に示すように、培地プレート1の上面全面に張設される。ただ、培地プレートの上面の一部に培地を載せて植物を生育させる場合、必ずしも培地プレートの全面に根切りシートを張設する必要はない。根切りシート3は、培地4と培地プレート1との間に張設されて、根が培地プレート1の排水溝10に侵入するのを阻止する。
図の根切りシート3は、培地プレート1の上面に水平に張設され、培地プレート1の外周から下方に垂らして、上面に廃水が溜らないようにしている。この栽培装置は、培地4を透過する廃水を速やかに培地プレート1の外周に排水できる。
図3ないし図5の栽培装置は、根切りシート3と培地プレート1との間に保水シート5を配設している。この保水シート5は、培地4と根切りシート3を透過した廃水を吸水して保水する。保水シート5は、微細な繊維を無数の空隙ができるように集合した不織布、所定の厚さのロックウール、織布、耐水性のある紙等が使用できる。保水シート5に水分を保水する栽培装置は、培地4が乾燥するときに、保水する水分を根切りシート3に透過させて、培地4に供給する。保水シート5の水分は、気化して培地4に供給され、あるいは根切りシート3を透過して培地4に浸透して補給される。したがって、ここに保水シート5を配設する栽培装置は、培地4の過乾燥を防止しながら植物を生育できる特徴がある。ただ、図2に示すように、本発明の栽培装置は、必ずしも保水シートを設ける必要はない。保水シートのない栽培装置は、乾燥状態で生育できる植物の栽培に適している。また、培地4の水分率を検出して、培地4が過乾燥になると、給水器8で培地4に養液を供給して、植物を生育することもできる。
培地4は、供給される水分を保水する保水性と、過剰な水分を排水する排水性とが要求される。図の培地4は、所定の厚さのマット状で、根切りシート3の上に載せている。培地4は、生育させる植物に最適なものが選択され、たとえばミョウガの場合は、ヤシガラやバーク等の有機物を所定の厚さのマット状としたものが使用される。この培地4でミョウガを生育させる場合、たとえば長さを1m、幅を30cm、養液を供給する状態での厚さを約12cmとするものを使用する。ただ、培地には、植物の生育に適した保水性と排水性のある全てのもの、たとえば有機物や無機物を単独であるしは混合したものが使用しできる。無機物である培地は、たとえば、シリカやアルミナを無数の空隙がある状態に焼結した粒体やロックウール等が使用できる。
以上の実施例の栽培装置は、植物を植え付けている培地4に、給水器8で養液20を供給している。給水器8は、図2ないし図5に示すように、養液20を貯溜するタンク21と、このタンク21内の養液20を吸い上げて移送するポンプ22と、このポンプ22から供給される養液20を培地4に散水するノズル23とを備える。この構造の給水器8は、ポンプ22を連続運転して植物に定量の養液20を連続供給し、あるいは、ポンプ22の運転を制御部24で制御して、所定量の養液20を所定の時間間隔で植物に供給する。植物に供給される養液20は、培地4と根切りシート5とを透過して、培地プレート1の排水溝10を流下して、下地フィルム2の廃液回収路6に流入される。廃液回収路6に流入して回収される廃水は、図2に示すように外部に排水され、あるいは図3ないし図5に示すように給水器8のタンク21に環流される。図に示す給水器8は、タンク21に環流される廃水を、再び植物に供給する構造としているが、回収した廃水は、給水器とは別の回収用のタンクに集めることもできる。
従来の養液栽培装置の構成を示す縦断面図である。 本発明の一実施例にかかる養液栽培用の栽培装置の概略断面図である。 本発明の他の実施例にかかる養液栽培用の栽培装置の概略断面図である。 本発明の他の実施例にかかる養液栽培用の栽培装置の概略断面図である。 本発明の他の実施例にかかる養液栽培用の栽培装置の概略断面図である。 図3に示す栽培装置の下地フィルムの先端を固定する構造を示す拡大断面図である。 図4に示す栽培装置の下地フィルムを培地プレートに固定する構造を示す断面斜視図である。 培地プレートの一例を示す断面斜視図である。 培地プレートの他の一例を示す断面斜視図である。 区画プレートの連結構造を示す平面図である。
符号の説明
1…培地プレート 1A…区画プレート
2…下地フィルム
3…根切りシート
4…培地
5…保水シート
6…廃液回収路
7…水平栽培台 7A…露地
7B…載せ台
8…給水器
9…培地収納容器
10…排水溝 10A…傾斜面
11…凸部
12…平面プレート
13…突出部
14…凹部
15…支柱
16…線材
17…連結具 17A…挟着片
18…連結凹部
19…挿入ロッド
20…養液
21…タンク
22…ポンプ
23…ノズル
24…制御部
30…養液
31…トレイ
32…ロックウール
33…根切りシート
34…培地

Claims (5)

  1. 露地(7A)や載せ台(7B)等の水平栽培台(7)の上に水平に張設される下地フィルム(2)と、この下地フィルム(2)の上に積層している培地プレート(1)と、この培地プレート(1)の上に積層されて、水を透過させるが植物の根が通過するのを防止する根切りシート(3)と、この根切りシート(3)の上に所定の厚さに積層される培地(4)とを備え、植物を植え付けている培地(4)に水を供給して植物を生育させる養液栽培用の栽培装置であって、
    培地プレート(1)は、上面に突出する多数の凸部(11)を有すると共に、各々の凸部(11)は上端を同一面に配置して、根切りシート(3)を水平に配置できる形状としており、
    さらに、凸部(11)の間には排水溝(10)を形成して、この排水溝(10)でもって、培地(4)と根切りシート(3)を透過する廃水を外周に向かって流して培地プレート(1)から排水するようにしてなる養液栽培用の栽培装置。
  2. 培地プレート(1)が、平面プレート(12)から多数の凸部(11)が突出する形状に成形すると共に、凸部(11)の上端を同一平面に位置させ、さらに、凸部(11)の形状を、多角柱状、円柱状、楕円柱状のいずれかの形状としている請求項1に記載される養液栽培用の栽培装置。
  3. 根切りシート(3)と培地プレート(1)との間に保水シート(5)を積層し、培地(4)と根切りシート(3)を透過する水を保水シート(5)に保水させる請求項1に記載される養液栽培用の栽培装置。
  4. 下地フィルム(2)がプラスチックフィルムからなる非透水シートで、培地プレート(1)の外側で折り返されて廃液回収路(6)としており、この廃液回収路(6)に排水溝(10)の廃水を流入させるようにしてなる請求項1に記載される養液栽培用の栽培装置。
  5. 培地プレート(1)を複数の区画プレート(1A)に分割しており、隣接して配置される区画プレート(1A)を嵌着構造で連結するようにしてなる請求項1に記載される養液栽培用の栽培装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN111699870A (zh) * 2020-06-30 2020-09-25 中国农业科学院都市农业研究所 一种基于根部湿气种植技术的园艺栽培装置
CN114946463A (zh) * 2022-07-01 2022-08-30 苏州科技大学 一种乡村规划建设地表生态修复培植装置

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