JP4928992B2 - 底面潅水用給水パネル及び同パネル用の栽培ポット並びにそれらを用いた栽培システム - Google Patents

底面潅水用給水パネル及び同パネル用の栽培ポット並びにそれらを用いた栽培システム Download PDF

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Description

本発明は、架台に載置して育苗等に用いられる育苗床パネルに関し、栽培ポット底面から潅水する底面潅水用給水パネル及び同パネル用の栽培ポットに関する。また、この底面潅水用給水パネル及び同パネル用の栽培ポットを用いた栽培システムに関するものである。
これまで、一般的に行なわれてきたスプリンクラーなどで植物の上方から潅水する頭上潅水は、設備面でのイニシャルコストが少なくてすむことや、施工が容易であることから最も普及している。しかし、頭上潅水を自然界での植物に対する給水に例えると、毎日降雨に遭遇しているようなもので、長雨で植物がだめになることを考えると、決して自然な状態とは言えない。さらに頭上潅水では給水むらが生じ、これを補正するため潅水に手間を取られるばかりか過潅水になりやすい。また、水滴の飛散により菌体や胞子が飛んで病害が蔓延したりして、散水により病気の部分が広がることによる問題も多い。また、生育が進み葉が茂ると、水がポット内に入り難い。また、育苗培土の温度が高温となって根腐れも発生しやすく、よい苗の育成が困難である。以上の問題の中で、最大の問題である給水むらを解決するためには、自走式のスプリンクラーを採用すれば均一な潅水が可能であるが、高額の初期投資が必要になる上、頭上潅水にともなう問題を解決することはできない。
そこで頭上潅水ではなく植物の根元への点滴潅水の育苗装置として、下記特許文献1(特開2006−288392号公報)に開示されたものがある。この育苗装置は、図9に示すように、種苗84を植え付けする培地83を充填する収納部82を複数形成したセルトレー81と、セルトレー81の上面に被せられる保水性シート85と、保水性シートに水分を供給するための潅水具86とを備える。保水性シート85は、各セルトレー81に設けている各々の収納部82の開口部内に位置する点滴部87を備え、開口部に位置する点滴部87が、保水性シート85に供給される水を収納部82に滴下することにより給水を行う。潅水具86は保水性シートの上に配置した潅水ホース86Aであり、所定の間隔で水平乃至下向きに開口された給水口88を備え、保水性シート85に給水する。
しかしながら、保水性シートは培地83の上を覆って培地に水を滴下供給するので、培地の状況が異なると、給水は一定しない。給水は培地の上からなされるので底面給水とは異なり、自然状態における給水とは異なる。培地が地面から離されかつ培地の容積が小さいため周囲温度の影響を受けやすく,暑い夏季には高温となって酸欠を起こしやすくなり、根腐れを起こしやすい。また、潅水ホースは、保水性シートの上に配設されるので、給水圧や風などによって動き、位置が安定しない。
これに対し、植物の根への給水方法である底面・点滴潅水は、自然状態に近い潅水方法と言うことができるが、従来の方法では設備・資材費が高く、施工も難しいので普及が進んでいない。
特開2006−288392号公報(要約、段落[0009]、[0010]、[0040]、図3)
すなわち、従来の底面潅水である水耕栽培技術においては、大型の水槽と培養液の循環設備を使用するため、大がかりな設備装置が必要となり高価であり、メンテナンスにもかなりの費用がかかる。また、大型の水槽を使用するために培養液の使用量が多くなり、無駄も多くなる。さらに、育苗ポットが常時培養液に浸されているので、苗が根腐れを起こさないよう、ポンプを常に運転させ培養液を循環させて管理しなければならず、このために電気代等の運用費がかさむ。
従って、本発明はイニシャルコストを抑えながら、従来の底面潅水方法の問題点を解決した安価な給水パネル及び同パネルに使用される栽培ポット並びにそれらを用いた栽培システムを提供せんとするものである。
本願の発明者は、前記の問題点を解消すべく種々検討を行った結果、栽培方法として滴下した培養液の供給を栽培ポットの底面から潅水することとし、かつ育苗床となる給水パネルを簡単な構造とし、給水を給水チューブとドロッパーによって行なうと、設備費が安く培養液の消費量の少ない経済的な栽培システムを提供でき、上述の問題が解決できることを見出して本発明を完成するに至ったもので、上述した従来からの問題点に鑑み、本発明の目的は以下の通りである。
本発明は、底面潅水栽培用の安価な給水パネルを供給すること、すなわち、底面潅水用給水パネルは簡単な形状、構造で形成でき、設備費が安価なものを提供することを目的とする。
また、本発明は、上記底面潅水用給水パネルに使用される栽培ポットを提供することを目的とする。
さらにまた、本発明は、培養液の無駄がなく、使用する培養液を少なくすることができ、維持費が安価ですむ底面潅水栽培システムを提供しようとするものである。
前記課題を解決するために、本願の請求項1に係る発明は、底面潅水用給水パネルにおいて、給水液を供給するドロッパーが所定間隔をおいて複数個設置された1乃至複数本の給水チューブが配設され、パネルに載置された複数の栽培ポットに給水液を供給する底面潅水用給水パネルであって、前記ドロッパーが設置された位置のそれぞれから延設されるとともに分岐されて潅水路を形成する潅水溝と、該潅水溝の端部に設けられた栽培ポット設置部と、が設けられていることを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の底面潅水用給水パネルにおいて、前記ドロッパーは前記給水液を間断的に供給するように制御され、前記ドロッパーが設置された位置には前記ドロッパーから供給される給水液を受ける点滴受け溝が設けられていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の底面潅水用給水パネルにおいて、前記潅水溝は前記ドロッパーが設置された位置から前記栽培ポット設置部に向かって低くなるように傾斜していることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の底面潅水用給水パネルにおいて、前記栽培ポット設置部は前記潅水溝よりも低い窪みから形成され、その底面には水抜き孔が設けられ、該底面から所定高さ離れた側面にはオーバーフロー孔が設けられていることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の底面潅水用給水パネルにおいて、前記栽培ポット設置部は、複数の隣接する他の前記栽培ポット設置部との距離が同一となるように配設されていることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1に記載の底面潅水用給水パネルにおいて、前記栽培ポット設置部近傍と前記潅水溝の近傍を除く領域には通気用貫通孔が設けられていることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6の何れかに記載の底面潅水用給水パネルにおいて、板状の耐水性を備える合成樹脂材をプレス加工して形成したことを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、栽培ポットであって、前記請求項1〜7の何れかに記載の底面潅水用給水パネルに設けられた複数の栽培ポット設置部に載置されて使用される栽培ポットであって、上部が開口し、底面に排水孔が設けられ、該底面から立設する側壁の所定高さ離れた位置には潅水用の孔又はスリットが設けられていることを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、栽培システムであって、前記請求項1〜7の何れかに記載の底面潅水用給水パネルに設けられた複数の栽培ポット設置部に前記請求項8に記載の栽培ポットを載置し、該栽培ポットに前記ドロッパーから供給される給水液を前記潅水溝を介して供給することにより、前記栽培ポットに植えられた植物の栽培を行うことを特徴とするものである。
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の栽培システムにおいて、前記底面潅水用給水パネルはその一側端同士を連結して使用することが可能であることを特徴とする。
請求項11に記載の発明は、請求項9又は10に記載の栽培システムにおいて、前記底面潅水用給水パネルは所定高さの架台上に載置され、前記底面潅水用パネルの下部を覆うように排水受けが設けられていることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、底面潅水用給水パネルは、その上面に、給水液を供給するドロッパーが所定間隔をおいて複数個設置された1乃至複数本の給水チューブが配設され、パネルに載置された複数の栽培ポットに給水液を供給するものであって、潅水路を形成する潅水溝がドロッパーの設置された位置のそれぞれから延設されるとともに分岐されており、各潅水溝の端部に栽培ポット設置部が設けられている。このような構成であるので、パネルの構造は簡単で安価であり、かつ給水も給水チューブとドロッパーを介して行なわれるので、配設が容易であり、建設費は安価である。
請求項2の発明によれば、請求項1に記載の底面潅水用給水パネルにおいて、ドロッパーは給水液を所定のタイミングで間断的に供給するように制御され、ドロッパーが設置された位置にはドロッパーから供給される給水液を受ける点滴受け溝が設けられているので、滴下した給水液は点滴受け溝に確実に受けてから潅水溝に流れて栽培ポット部に供給される。従って、給水液が外にこぼれることがなく無駄が出ないので維持費は安価である。また点滴受け溝には給水チューブとドロッパーをはめ込んで保持できるので、給水管の配管が容易であり、給水時の水圧や風により位置ずれを起こすことがない。
請求項3の発明によれば、底面潅水用給水パネルの潅水溝は、ドロッパーが設置された位置から栽培ポット設置部に向かって低くなるように傾斜しているので、給水液が停滞することなく栽培ポット部に流れ供給される。
請求項4の発明によれば、底面潅水用給水パネルの栽培ポット設置部は、潅水溝よりも低い窪みから形成され、その底面には水抜き孔が設けられ、底面から所定高さ離れた側面にはオーバーフロー孔が設けられているので、栽培ポット設置部に溜まった給水液はこれらの孔から適度に抜けるから栽培ポットに植えられている植物の根腐れを抑止することができる。
請求項5の発明によれば、底面潅水用給水パネルにおいて、栽培ポット設置部は、複数の隣接する他の前記栽培ポット設置部との距離が同一となるように配設されているので、日照が均等になり栽培植物の生育が平均化する。
請求項6の発明によれば、底面潅水用給水パネルにおいて、栽培ポット設置部近傍と潅水溝の近傍を除く領域には通気用貫通孔が設けられているので、パネルの上下の通気性が向上して蒸れが防止でき、蒸れによる病害の発生を抑制できる。
請求項7の発明によれば、底面潅水用給水パネルは、板状の耐水性を備える合成樹脂材をプレス加工して形成したので、製造が簡単で安価に得られかつ軽量であって運搬設置に便利である。
請求項8の発明によれば、本発明の底面潅水用給水パネルに設けられた複数の栽培ポット設置部に載置されて使用される栽培ポットは、上部が開口し、底面に排水孔が設けられ、側壁の底面から所定の高さ離れた位置には潅水用の孔又はスリットが設けられているので、底面からの給水に便利でかつ排水もよく栽培植物の根腐れ防止に好適である。
請求項9の発明によれば、栽培システムであって、前記請求項1〜7の何れかに記載の底面潅水用給水パネルに設けられた複数の栽培ポット設置部に前記請求項8に記載の栽培ポットを載置し、該栽培ポットにドロッパーから供給される給水液を潅水溝を介して供給することにより、栽培ポットに植えられた植物の栽培を行うので、給水液も少なくてすみ経済的である。
請求項10の発明によれば、請求項9に記載の栽培システムにおいて、底面潅水用給水パネルはその一側端同士を連結して使用することが可能であるので、所要枚数連結し、必要な規模に展開して栽培することができ、栽培規模の変更が簡単に行なえる。
請求項11の発明によれば、請求項9又は10に記載の栽培システムにおいて、底面潅水用給水パネルは所定高さの架台上に載置され、底面潅水用パネルの下部を覆うように排水受けが設けられているので、廃液の処理が容易である。また、給水パネルの下に培土や余水がこぼれるのを防ぎ、それによって生える雑草を減らし、雑草の種子が栽培ポットに進入するのを防ぐとともに雑草が害虫の発生源となるのを防止できる。
以下、図面を参照して本発明の最良の実施形態を説明する。但し、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための底面潅水用給水パネルと同パネル用の栽培ポット並びにこれらを利用した栽培システムを例示するものであって、本発明をこれらに特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のものも等しく適応し得るものである。
図1は本発明に係る底面潅水栽培方法の1実施例に使用する給水パネルの平面図である。図2は本発明に係る底面潅水栽培方法の他の実施例に使用する給水パネルの平面図である。図3は本発明に係る底面潅水栽培方法の他の実施例の平面図であって、図1の底面給水栽培用給水パネルを複数枚連結して使用するものを示したものである。図4は栽培ポット設置部の構造を説明する実施例断面図、図5は同じく栽培ポット設置部の構造を説明する他の実施例断面図である。図6及び図7は栽培ポットの構造を説明する側面図及び底面図である。また、図8は本発明の栽培システムにおける排水受けの1実施例説明図であって、同図(a)は正面図、同図(b)は側面図である。
この底面潅水栽培システムは、所定寸法の横幅、長さ及び厚みを有する合成樹脂や合成紙などのパネル2から形成された底面潅水用給水パネル(以下、給水パネルという)1に、複数の栽培ポットを載置し、給水チューブ4から潅水溝3を介して栽培ポットに給水液を所定のタイミングで間断的に供給するものである。この給水パネル1は、通常は、高架床台8に載置されて使用される。
図1について説明すると、給水パネル1は、例えば、幅90cm、長さ120cmのように、所定の横幅、長さを有する矩形状支持板本体をなすパネル2の表面に、プレスによって長さ方向に形成された潅水溝3が設けられ、潅水溝3の端部には栽培ポット設置部6が設けられている。潅水溝3は、給水パネル1の幅方向に略平行に複数本(3a、3b、3c・・・3hの計8本)形成され、さらに潅水溝3aから潅水溝3hにかけてそれぞれの潅水溝を直交するように形成された連通用の潅水溝3xが設けられている。このように、潅水溝3a〜3hと潅水溝3xは縦横の梯子状潅水路を形成し、潅水溝3a〜3hの端部に設けた栽培ポット設置部6には栽培ポット7が設置される。栽培ポット設置部6は、育苗ができるだけ均等になるようにするため、複数の隣接する他の栽培ポット設置部6との距離が同一となるように配設されている。上述した潅水溝3と栽培ポット設置部6は一つのグループを構成しており、給水パネル1には同様のグループが複数長さ方向にわたって並設される。尚、図1においては上述のグループが4つ設けられている。
連通用の潅水溝3xの上方所定箇所には、ドロッパー5が設置される。また、連通用潅水溝3xの、ドロッパー5が設置された部位には点滴受け溝9が設けられる。ドロッパー5には、給水チューブ4(図3参照)が接続される。これにより、給水液は、給水チューブ4からドロッパー5へ供給され、ドロッパー5から点滴受け溝9に滴下され、点滴受け溝9から連通用の潅水溝3xを通り、さらにそれぞれの潅水溝3a〜3hに分岐され、栽培ポット設置部6へ給水される。ドロッパー5から点滴受け溝9に給水液を一度溜めてから潅水溝3に流すようにすると、ドロッパー5から潅水溝3へ直接給水するのに比較して、確実に無駄なく給水できる。そして、図4に示したように、給水チューブ4とドロッパー5を点滴受け溝9の中に収納すると、給水チューブ4に加わる水圧や風圧によって給水チューブが暴れたり移動したりすることがない。点滴受け溝9は、連通用の潅水溝3をドロッパー5の位置で少し広くなるように形成しておけば、給水液をこぼすことが少なくなる。
また、給水パネル1は、図4に示したように、潅水溝3を平坦に形成する場合には金型代が安価になり、また給水パネル1には既存のセルトレーや小深トレーをおくことができる。しかし、図5に示すように、潅水溝3をドロッパー5が設置された位置から栽培ポット設置部6に向かって低くなるように傾斜させてあると、潅水溝3を通じて水や培養液が円滑に供給できるし、その逆流を防ぐことができる。
次に、栽培ポット設置部6について主に図4および図5を参照して詳しく説明する。栽培ポット設置部6は、潅水溝3よりも低く窪むようにして形成され、その底面6aは中央に向かって深く傾斜したテーパー上で、最低位置に水抜き孔6bが設けられる。水抜き孔6bは2〜5mm程度の孔として形成される。水抜き孔6bの大きさは、給水時に給水量と排水量との差によってしばらく水溜りができるような大きさにされる。これにより、水溜りができている間に栽培ポット7の底穴7a(図6、図7参照)と側面の開口部7bから水が栽培ポット内の培土と接触して吸収され、給水が行なわれるようにする。また、側面には底面から所定の高さの位置にオーバーフロー孔6cが設けられている。このオーバーフロー孔6cの位置は、潅水溝から栽培ポット設置部6への流入口よりも低い位置に設定される。このようにすることによって潅水溝3への水や溶液の逆流を防ぐことができ、土壌の病害が蔓延するのを防ぐことができる。栽培ポット設置部6の深さは、1.5cm程度でも効果があるが、図5のように深くすれば培土と培養液の接触面積が増加し短時間の給水が可能となる。また、栽培ポット7の大部分が給水パネル1に隠れて影になるため、栽培ポットの温度が上がりにくくなる。
また、底面潅水用給水パネル1には、図2に示すように、栽培ポット設置部6近傍と潅水溝3の近傍を除く領域に通気用貫通孔10が設けられている。通気用貫通孔10は、隣接し合う栽培ポット設置部6相互の中央に位置するように配置されていて、種苗の下部が蒸れるのを防ぎ、病気の発生を防ぐことができる。なお、通気用貫通孔10にメッシュを付設すれば、給水パネル1の下面から農薬散布を行い、葉の裏に潜んだ害虫を駆除するのに便利である。
底面潅水用給水パネル1は、耐水性を備えるポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、発泡スチロール等の合成樹脂材や合成紙など、所定の横幅、長さ及び厚みを有する矩形状で板状のパネル2をプレス加工して成型される。潅水溝3、栽培ポット設置部6、水抜き孔6b、通気用貫通孔10、点滴受け溝9等はこのときに一体成形される。その他のパネル2の材料として、バイオポリマー、生分解性ポリマー等を使用しても指し支えない。尚、パネル素材は、培土を入れた栽培ポット7や給水チューブ4の重みに耐える強度を有するものでなければならい。
次に、栽培ポット7について主に図6及び図7を参照して詳しく説明する。栽培ポット設置部6に載置される栽培ポット7は、胴部と底部が一体に形成され上部が開口した鉢形の構造を有し、底面7aに排水孔7bが設けられ、底面7aから立設する側壁には潅水用の孔7c(図6)、又はスリット7d(図7)が設けられている。孔7cは、側壁の所定高さの位置に設けられ、スリット7dは底面から側壁の所定高さの位置まで連続的に設けられる。これらの孔7c又はスリット7dにより急速な潅水が可能となる。栽培ポット7の胴部には波形形状の凹凸が設けられることがある。また、胴部の上縁には側方に張り出した補強用のフランジが形成される場合もある。栽培ポット7の中は培土が満たされ、イチゴ等の育成すべき苗が植えられる。栽培ポット7は、開口部を有するため、通気性が良好となり根の生育が促される。さらに、開口部が光にさらされるため、根巻き、すなわちルートキャップが防止され、定植後における苗の活着がスムーズになり、生育の遅延を防止できる。
次に、この底面潅水用給水パネル1を使用する栽培システムについて詳しく説明する。給水パネル1を使用する栽培システムは、給水パネル1に設けられた複数の栽培ポット設置部6に前記の栽培ポット7を載置し、各ドロッパー5に給水チューブ4を接続し、給水チューブ4を介して間断的にドロッパーから培養液、給水液を潅水溝3に流し、潅水溝3から栽培ポット7に供給するように制御することによって、栽培ポット7に植えられた植物の育成栽培を行う。底面給水を行なう従来の水耕栽培が、基本的には土を使用せず、水を媒体とする養分を含んだ培養液で人工的に積極的なコントロールのもとで花卉や野菜を栽培するのに対して、本発明の間断式底面潅水給水栽培システムは、培土を入れたポットを使用し、給水は根腐れを避けるために、必要なときに間断的に底面からの潅水で行なうものである。本発明においては、供給される培養液の量は栽培ポット設置部6の大きさ(断面積)と液の深さと排液速度から計算されるもので、所定時間経過すると栽培ポット7の底面7aが培養液に触れなくなるような量であればよく、培養液の無駄が無くなり、このため培養液の使用量を大幅に節減できる。
この栽培システムにおいては、図3のように、図1の給水パネル1を複数枚連結して使用することが可能である。尚、図3においては3枚の給水パネル1a、1b、1cがその側端同士を連結して使用されている。給水チューブ4は複数枚の給水パネル1にまたがって配置され、図3では4系統のポリエチレン製の給水チューブ4が3枚の給水パネル1a、1b、1cにまたがるように配管されていて、それぞれの給水チューブ4の一端部にはボールバルブ11、他端には残留液を排出するためのフラッシングバルブ12が取り付けられている。また、給水チューブ4の途中にバルブを設けておくと、それから先の給液を停止することができるので便利である。
この栽培システムにおいて、給水パネル1は、図8に示したように、所定高さの高架床台8上に載置されて使用されるが、その場合給水パネル1の下方を覆うように排水受け13を設けて使用すると、架台の下に生える雑草などを減らすことができる。排水受けは、図8に示したような合成樹脂のシートを利用した簡単なものでよい。具体的には、高架床台8の下に断面が三角形の袋状になるように傾斜を付けたシートを張り、三角形の頂点に重しとなる直管14などを入れて、給水パネル1から漏れた水がシートの端から排水されるようにする。このような排水受け13を付加すると、給水パネル1の下に培土や余水がこぼれるのを防ぎ、それによって生える雑草を減らし、雑草の種子が栽培ポット7に進入するのを防ぐとともに雑草が害虫の発生源となるのを防止できる。
高架床台8には給水パネル1を一枚だけでも、又複数枚連結してでも載置して使用できる。給水チューブ4に供給液を送出するための給水ポンプは、家庭園芸などで給水パネル1を一枚または少数枚で使用する場合のように小規模な場合には、簡単なものでよい。また、給水パネル1を多数連結するような大規模栽培の場合には、給水手段として貯水槽や給水ポンプなどの装置を設けるが、この場合も間断運転であるため電気代等の運転費用は大幅に節約できる。
この栽培システムにおいて、潅水はタイマー付電磁弁にプログラム設定することによって自動的に行なうことができる。このプログラムは、季節、天候、生育ステージ、品目ごとの水の要求量などによって水量をコントロールできるように設定される。
この栽培システムによると、給水パネル1自体の材料費は安く、成形加工も簡単であるので、栽培システムの設置価格は極めて安価である。また、使用する培養液の量は、水耕栽培のように大規模な水槽に満たした培養液を常時循環させるものではなく、給水パネル1に形成された潅水溝3から栽培ポット設置部6に、それも栽培ポット7の底面7aが一時的に浸る程度に培養液を流せばよいので、極めて少なくてすむ。さらに、給水は間断的に流しきりで行なえばよいので、大規模な循環装置などは不要であり、電気代もかからない。
以上、図面を参照して本発明の実施例を説明した。以上に示したような間断式底面潅水用給水パネルを使用すれば、安価なパネルと栽培ポットが供給されることにより、設備費が安価になり、また使用する培養液を少なくすることができ維持費が安価ですむ経済的な栽培システムを提供できる。
図1は本発明に係る底面潅水栽培方法の1実施例に使用する給水パネルの平面図である。 図2は本発明に係る底面潅水栽培方法の他の実施例に使用する給水パネルの平面図である 図3は図1の底面給水栽培用給水パネルを複数枚連結して使用するさらに他の実施例の平面図である。 図4は栽培ポット設置部の構造を説明する実施例断面図である。 図5は栽培ポット設置部の構造を説明する他の実施例断面図である。 図6は栽培ポットの構造を説明する側面図及び底面図である。 図7は栽培ポットの構造を説明する側面図及び底面図である。 図8は本発明の栽培システムにおける排水受けの一実施例説明図である。 図9は従来の滴下栽培方法の説明図である。
符号の説明
1 (底面潅水用)給水パネル
2 パネル
3、3a、3b、3c… 潅水溝
4、4a、4b、4c… 給水チューブ
5 ドロッパー
6 栽培ポット設置部
7 栽培ポット
8 高架床台
9 点滴受け溝
10 通気用貫通孔
11 ボールバルブ
12 フラッシングバルブ

Claims (11)

  1. 給水液を供給するドロッパーが所定間隔をおいて複数個設置された1乃至複数本の給水チューブが配設され、パネルに載置された複数の栽培ポットに給水液を供給する底面潅水用給水パネルであって、前記ドロッパーが設置された位置のそれぞれから延設されるとともに分岐されて潅水路を形成する潅水溝と、該潅水溝の端部に設けられた栽培ポット設置部と、が設けられていることを特徴とする底面潅水用給水パネル。
  2. 前記ドロッパーは前記給水液を間断的に供給するように制御され、前記ドロッパーが設置された位置には前記ドロッパーから供給される給水液を受ける点滴受け溝が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の底面潅水用給水パネル。
  3. 前記潅水溝は前記ドロッパーが設置された位置から前記栽培ポット設置部に向かって低くなるように傾斜していることを特徴とする請求項1に記載の底面潅水用給水パネル。
  4. 前記栽培ポット設置部は前記潅水溝よりも低い窪みから形成され、その底面には水抜き孔が設けられ、該底面から所定高さ離れた側面にはオーバーフロー孔が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の底面潅水用給水パネル。
  5. 前記栽培ポット設置部は、複数の隣接する他の前記栽培ポット設置部との距離が同一となるように配設されていることを特徴とする請求項1に記載の底面潅水用給水パネル。
  6. 前記栽培ポット設置部近傍と前記潅水溝の近傍を除く領域には通気用貫通孔が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の底面潅水用給水パネル。
  7. 板状の耐水性を備える合成樹脂材をプレス加工して形成したことを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の底面潅水用給水パネル。
  8. 前記請求項1〜7の何れかに記載の底面潅水用給水パネルに設けられた複数の栽培ポット設置部に載置されて使用される栽培ポットであって、上部が開口し、底面に排水孔が設けられ、該底面から立設する側壁の所定高さ離れた位置には潅水用の孔又はスリットが設けられていることを特徴とする栽培ポット。
  9. 前記請求項1〜7の何れかに記載の底面潅水用給水パネルに設けられた複数の栽培ポット設置部に前記請求項8に記載の栽培ポットを載置し、該栽培ポットに前記ドロッパーから供給される給水液を前記潅水溝を介して供給することにより、前記栽培ポットに植えられた植物の栽培を行うことを特徴とする栽培システム。
  10. 前記底面潅水用給水パネルはその一側端同士を連結して使用することが可能であることを特徴とする請求項9に記載の栽培システム。
  11. 前記底面潅水用給水パネルは所定高さの架台上に載置され、前記底面潅水用パネルの下部を覆うように排水受けが設けられていることを特徴とする請求項9又は10に記載の栽培システム。
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