JP3116667B2 - 半導体装置 - Google Patents

半導体装置

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JP3116667B2
JP3116667B2 JP05178430A JP17843093A JP3116667B2 JP 3116667 B2 JP3116667 B2 JP 3116667B2 JP 05178430 A JP05178430 A JP 05178430A JP 17843093 A JP17843093 A JP 17843093A JP 3116667 B2 JP3116667 B2 JP 3116667B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、パワーデバイスなどに
用いられるpnpn構造を有する半導体装置の構成に関
し、特に、2つのゲート電極を有するダブルゲート型半
導体装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】パワーエレクトロニクスにおける高性
能,小型化および低コスト化などの課題を解決するため
の最も重要なキーテクノロジーの1つとして、パワーデ
バイスの低損失化が挙げられ、オン電圧が低く、また、
ターンオフ時間が短いデバイスの開発が各方面で活発に
行なわれている。たとえば、バイポーラトランジスタに
ついては、高性能,高耐圧および大電流化が図られ、ま
た、種々の保護機能を内蔵したインテリジェントモジュ
ールも登場している。また、IGBT(伝導度変調型ト
ランジスタ)においては、高速応答を可能としたものも
登場している。これらのパワーデバイスは、バッテリー
により駆動され持ち運びが簡単なように小型化された電
気製品、インバータ装置、また、環境保護の面から採用
が検討されている電気自動車などに適用され、省電力化
の一役を担っている。そして、近年益々増大する電力需
要に対応するために、これらのパワー半導体デバイスに
対してもさらに省電力低損失化が要求されている。
【0003】例えば、サイリスタ構造によるオン電圧の
低減、およびMOSゲートデバイスによる高速,低駆動
電力化を目的としたMCT(MOSゲート・コントロー
ル・サイリスタ)が開発されている。このMCTは、図
10,図11に示すような構造及び等価回路を有するデ
バイスであり、V.A.K.Templeの発表したペーパー(”MO
S controlled thyristors" IEEE International Electr
on Device Meeting Digest 1984 )などに詳しい。この
MCTの構造は、アノード電極1が形成されたp+ 型の
半導体基板のアノード層2と、この上に形成されたn+
型のバッファ層3と、この上に形成されたn- 型のベー
ス層4と、このn- 型のベース層4の主面側に形成され
たウェル状のp型のベース領域5と、このp型のベース
領域5の主面側に形成されたウェル状のn型のカソード
領域6と、このn型のカソード領域6の主面側に形成さ
れたp+ 型のドレイン領域7と、このカソード領域6の
周縁部及びp型のベース領域5をバックゲート(チャネ
ル領域)としドレイン領域7からn- 型のベース層4に
亘ってゲート絶縁膜8を介して形成された単一のゲート
電極9と、n型のカソード領域6及びp+ 型のドレイン
領域7の双方に導電接触するカソード電極10とを有し
ている。ゲート電極9はオン用MOSFET12とオフ
用MOSFET14を併有しており、オン用MOSFE
T12は、p型のベース領域5をバックゲート(チャネ
ル領域)とし、カソード領域6をソース領域とすると共
にn- 型のベース層4をドレイン領域とするnチャネル
型の絶縁ゲート型電界効果トランジスタであり、オフ用
MOSFET14は、ドレイン領域7を有し、カソード
領域6をバックゲート(チャネル領域)とすると共にp
型のベース領域5をソース領域とするpチャネル型の絶
縁ゲート型電界効果トランジスタである。また、p+
のアノード層2,n+ 型のバッファ層3,n- 型のベー
ス層4及びp型のベース領域5はpnp型バイポーラト
ランジスタQpnpを構成しており、n- 型のベース層
4,p型のベース領域5及びn型のカソード領域6はn
pn型バイポーラトランジスタQnpn を構成している。
【0004】先ず、ゲート電極9に高電位を印加する
と、オン用MOSFET12が導通し、オフ用MOSF
ET14は遮断状態のままである。このオン用MOSF
ET12の導通によって、カソード電極10,カソード
領域6,オン用MOSFET12のチャネル部を介して
- 型のベース層4へその多数キャリア(電子)が注入
されるので、それに呼応してアノード電極1,アノード
領域2及びバッファ層3を介してn- 型のベース層4へ
少数キャリア(正孔)が流入し、n- 型のベース層4の
伝導度が変調される。これによりトランジスタQpnp
オンするので、トランジスタQnpn もオンし、サイリス
タpnpnがターンオンする。このサイリスタのオン状
態では、図12(a)に示すように、オン用MOSFE
T12を介した電子電流(図示実線矢印)が流れている
と共に、n型カソード領域6とp型ベース領域5の接合
を介した正孔電流(図示破線矢印)及び電子電流が流れ
ており、n型カソード領域6とp型ベース領域5のpn
接合は順バイアスされている。
【0005】次に、ゲート電極9に零又は負電位を印加
すると、オン用MOSFET12が遮断し、今度はオフ
用MOSFET14が導通する。このオフ用MOSFE
T14の導通によってp型のベース領域5の正孔(多数
キャリア)がそのチャネル,ドレイン領域7及びカソー
ド電極10を介して引き抜かれるので、トランジスタQ
npn がオフ状態となるため、トランジスタQpnp もオフ
し、サイリスタpnpnがターンオフする。このよう
に、MCTは、MOSFET12のオンによりデバイス
をオンとするため、応答速度が速く、また、サイリスタ
をオン状態とするため、オン電圧も1V程度と非常に低
い。なお、n+ 型のバッファ層3はアノード層2からn
- 型のベース層4への正孔(少数キャリア)の注入効率
を抑制してターンオフ時間を短縮するために形成されて
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、n+
のバッファ層3の形成によって、ターンオフ時にn-
のベース層4への正孔注入を抑制したとしても、これは
アノード電極1からの新たな正孔注入を抑制するもので
あり、デバイス内に蓄積されたキャリアの流れを直接抑
制するものではない。すなわち、サイリスタ動作時にお
いては、n- 型のベース層4からp型ベース領域5を介
してn型カソード領域6へ正孔が流れ込み、またn型カ
ソード領域6からp型ベース領域5を介してn- 型のベ
ース層4へ電子が流れ込んでおり、p型ベース領域5と
n型カソード領域6のpn接合が順バイアス状態でpn
接合の電位障壁が無くなっているため、図12(b)に
示すように、ターンオフの初期においてはオフ用MOS
FET14の導通によってp型のベース領域5中の正孔
の吐き出しが開始されても、依然としてp型ベース領域
5とn型カソード領域6のpn接合は正孔電流の電圧降
下で順バイアス状態にあり、その電位障壁がなかなか回
復せず、しばらくその接合を介して電子電流が流れ続け
る。このため、MCTにおいてはターンオフ時間が長く
なり、電力損失を招くという問題点があった。
【0007】そこで、本発明の課題は、上記問題点に鑑
み、ターンオフ時においてp型のベース領域とn型のカ
ソード領域とのpn接合による電位障壁の回復を急速に
行なわせた後にMISFETをオフ状態とさせることに
より、ターンオフ動作の高速化を図り、ターンオフ時の
電力損失を低減可能の半導体装置を実現することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明はMCTの構造とIGBTの構造を併有する
ハイブリット構造を採用するものであり、ターンオフ時
の電流経路を変化させるため独立開閉可能の第3のMI
SFETを設けたものである。即ち、本発明は、第1導
電型の第1半導体領域,第2導電型の第2半導体領域,
第1導電型の第3半導体領域及び第2導電型の第4半導
体領域とからなるサイリスタ構造と、第2導電型の第4
半導体領域の主面側に形成された第1導電型の第5半導
体領域と、第1導電型の第3半導体領域をバックゲート
(チャネル領域)とし第2導電型の第4半導体領域から
第2導電型の第2半導体領域に対しその多数キャリアを
注入可能の第1のMISFETと、第2導電型の第4半
導体領域をバックゲート(チャネル領域)とし第1導電
型の第3半導体領域から第1導電型の第5半導体領域に
対しその多数キャリアを引き抜き可能で第1のMISF
ETのゲート電極を共用する第2のMISFETとを備
えた所謂MCT構造の半導体装置において、第1導電型
の第3半導体領域の主面側においてそれを残して前記第
2導電型の第4半導体領域とは隔離した部位に形成され
た第2導電型の第6半導体領域と、第1導電型の第3半
導体領域をバックゲート(チャネル領域)とし第2導電
型の第6半導体領域から第2導電型の第2半導体領域に
対しその多数キャリアを注入可能で前記第1のMISF
ETとは独立に開閉可能の第3のMISFETとを設け
たことを特徴とする。かかる構造においては、第1導電
型の第3半導体領域,第2導電型の第4半導体領域,第
1導電型の第5半導体領域及び第2導電型の第6半導体
領域の主面すべてに導電接触する電極部を設けても良い
し、また第2導電型の第4半導体領域,第1導電型の第
5半導体領域及び第2導電型の第6半導体領域の主面に
のみ導電接触する電極部を設けても良い。
【0009】第3,第4,第5及び第6半導体領域の主
面に導電接触する電極部を設けた場合においては、第3
半導体領域内で、少なくとも当該領域と第6半導体領域
との接合面近傍に第1導電型の高濃度半導体領域を形成
することが望ましい。この高濃度半導体領域は、第4半
導体領域の主面側境界にまで拡がり、第3半導体領域の
深さと同程度又はそれ以上の深さのウェル領域であって
も良いし、また第4半導体領域の主面側境界にまで拡が
り、第3半導体領域よりも浅いウェル領域であっても良
い。
【0010】他方、第4,第5及び第6半導体領域の主
面にのみ導電接触する電極部を設けた場合においては、
第3半導体領域内に第1導電型の高濃度埋め込み領域を
形成した構造を採用できる。また第3半導体領域内で、
少なくとも当該領域と第6半導体領域との接合面近傍に
第1導電型の高濃度半導体領域を形成しても良い。この
高濃度半導体領域は、第4半導体領域の主面側境界にま
で拡がり、第3半導体領域の深さと同程度又はそれ以上
の深さのウェル領域であっても良いし、また第4半導体
領域の主面側境界にまで拡がり、第3半導体領域よりも
浅いウェル領域であっても良い。
【0011】
【作用】かかる半導体装置においては、ターンオン時は
従来のMCTと同様に動作する。即ち、第1のMISF
ETをオンさせると共に、第3のMISFETをオンさ
せると、第2導電型の第2半導体領域にその多数キャリ
アが注入されるので、第1導電型の第1半導体領域,第
2導電型の第2半導体領域及び第1導電型の第3半導体
領域で形成される第2導電型のバイポーラトランジスタ
がオン状態になるので、これにより第2導電型の第2半
導体領域,第1導電型の第3半導体領域及び第2導電型
の第4半導体領域で形成される第1導電型のバイポーラ
トランジスタがオン状態となり、pnpn構造のサイリ
スタがターンオンする。かかるオン状態においては、第
1及び第2のMISFETを介した多数キャリアが流れ
ている。また第1導電型の第3半導体領域と第2導電型
の第4半導体領域とのpn接合を介して電流(多数キャ
リアと少数キャリアの電流)が流れており、その接合の
電位障壁は消滅している。
【0012】次に、ターンオフの動作においては、先ず
第3のMISFETをオン状態に維持したまま、第1の
MISFETをオフさせると共に、第2のMISFET
をオンさせると、第2のMISFETを介して第1導電
型の第3半導体領域から多数キャリア(第2導電型の第
2半導体領域の少数キャリア)が引き抜かれる。この多
数引き抜き動作時においては第3のMISFETを介し
て第2導電型の第2半導体領域の多数キャリアが流れた
ままであるので、キャリアごとの電流経路が分離される
ことになる。このため、第1導電型の第3半導体領域と
第2導電型の第4半導体領域とのpn接合を介して流れ
ようとする電流が消滅し、その電位障壁が急速に回復す
る。この直後の第2及び第3のMISFETをオフ状態
にすると、既に第1導電型の第3半導体領域と第2導電
型の第4半導体領域とのpn接合に電位障壁が回復して
いるので、それを介した電流は生じない。このため、タ
ーンオフ時間を短縮することができ、電力損失を低減で
きる。
【0013】ここで、第1導電型の第3半導体領域,第
2導電型の第4半導体領域,第1導電型の第5半導体領
域及び第2導電型の第6半導体領域の主面にすべて導電
接触する電極部を設けた場合には、第1導電型の第3半
導体領域内に電極部に接続する寄生抵抗(拡散抵抗)が
存在することになるが、ターンオフ時にはこの拡散抵抗
を介しても電流が流れるので、上記pn接合に流れよう
とする電流を更に抑制することができる。従って、その
電位障壁の回復も更に急速であるので、ターンオフ時間
のなお一層の短縮化を達成できる。
【0014】第2導電型の第4半導体領域,第1導電型
の第5半導体領域及び第2導電型の第6半導体領域の主
面にのみ導電接触する電極部を設けた場合には、第2,
第3及び第4半導体領域で構成されるバイポーラトラン
ジスタがオンし易いので、オン電圧を低くできる。
【0015】ここで、第3,第4,第5及び第6半導体
領域の主面に導電接触する電極部を設けた場合において
は、第3半導体領域内で、少なくとも当該領域と第6半
導体領域との接合面近傍に第1導電型の高濃度半導体領
域を形成することが望ましい。これは、第1導電型の高
濃度半導体領域が存在すると、電極に短絡する第6半導
体領域の接合面近傍の寄生抵抗が低抵抗化されているた
め、ターンオフ時においてその接合が順バイアスされ
ず、寄生トランジスタがオンし難くなる。従って、ラッ
チアップを抑制できるので、可制御ターンオフ電流の大
容量化を図ることができる。この高濃度半導体領域は、
第4半導体領域の主面側境界にまで拡がり、第3半導体
領域の深さと同程度又はそれ以上の深さのウェル領域で
あっても良いし、また第4半導体領域の主面側境界にま
で拡がり、第3半導体領域よりも浅いウェル領域であっ
ても良い。
【0016】他方、第4,第5及び第6半導体領域の主
面にのみ導電接触する電極部を設けた場合において、第
3半導体領域内に第1導電型の高濃度埋め込み領域を形
成したときには、第2MISFETによるキャリア引き
抜き時の第3半導体領域の電流経路の経路抵抗(拡散抵
抗)が低抵抗であるため、第6半導体領域の接合が順バ
イアスされず、寄生トランジスタがオンし難くなる。従
って、ラッチアップを抑制できるので、可制御ターンオ
フ電流の大容量化を図ることができる。また第3半導体
領域内で、少なくとも当該領域と第6半導体領域との接
合面近傍に第1導電型の高濃度半導体領域を形成しても
良い。かかる場合も、同様に、キャリア引き抜き時の第
3半導体領域の電流経路の経路抵抗(拡散抵抗)は低抵
抗である。この高濃度半導体領域は、第4半導体領域の
主面側境界にまで拡がり、第3半導体領域の深さと同程
度又はそれ以上の深さのウェル領域であっても良いし、
また第4半導体領域の主面側境界にまで拡がり、第3半
導体領域よりも浅いウェル領域であっても良い。
【0017】
【実施例】以下に図面を参照して、本発明の実施例を説
明する。
【0018】〔実施例1〕図1は本発明の実施例1に係
る半導体装置の構造を示す断面図である。この半導体装
置の構造は、アノード電極1が導電接触するp+ 型の半
導体基板のアノード層2と、この上に形成されたn+
のバッファ層3と、この上に形成された伝導度変調層と
してのn- 型のベース層4と、このn- 型のベース層4
の主面側に形成されたウェル状のp型のベース領域5
と、このp型のベース領域5の主面側において一方に偏
倚させて形成されたウェル状のn型のカソード領域16
と、p型のベース領域5の主面側において他方に偏倚し
ておりカソード領域16とは隔離した部位に形成された
+ 型のソース領域18と、n型のカソード領域16の
主面側に形成されたp+ 型のドレイン領域17と、p型
のベース領域5の周縁部の一方側においてn型のカソー
ド領域16及びそのp型のベース領域5をバックゲート
(チャネル領域)としドレイン領域17からn- 型のベ
ース層4に亘ってゲート絶縁膜8を介して形成された共
用ゲート型の第1のゲート電極19と、p型のベース領
域5の周縁部の他方側においてそのp型のベース領域5
をバックゲート(チャネル領域)としソース領域18か
らn- 型のベース層4に亘ってゲート絶縁膜8を介して
形成された第2のゲート電極20と、p+ 型のドレイン
領域17,n型のカソード領域16,p型のベース領域
5及びn+ 型のソース領域18のそれぞれに導電接触す
るカソード電極15とを有している。
【0019】第1のゲート電極19は多数キャリア注入
用の第1のMOSFET21と多数キャリア引き抜き用
の第2のMOSFET22とを併有しており、その第1
のMOSFET21は、p型のベース領域5をバックゲ
ート(チャネル領域)とし、カソード領域16をソース
領域とすると共にn- 型のベース層4をドレイン領域と
するnチャネル型の絶縁ゲート型電界効果トランジスタ
であり、第2のMOSFET22は、ドレイン領域17
を有し、カソード領域16をバックゲート(チャネル領
域)とすると共にp型のベース領域5をソース領域とす
るpチャネル型の絶縁ゲート型電界効果トランジスタで
ある。他方、第2のゲート電極20は第1のゲート電極
19とは独立にゲート電圧の制御が可能で、多数キャリ
ア注入用の第3のMOSFET23を構成している。こ
の第3のMOSFET23はソース領域18を有し、p
型のベース領域5をバックゲート(チャネル領域)とす
ると共にn- 型のベース層4をドレイン領域とするnチ
ャネル型の絶縁ゲート型電界効果トランジスタである。
【0020】この半導体装置の等価回路は、図2に示す
ように、図11に示す従来のMCTの等価回路とIGB
T(伝導度変調型MOSFET)の等価回路を合わせた
回路構成を有している。即ち、この半導体装置は、p+
型のアノード層2,n+ 型のバッファ層3,n- 型のベ
ース層4及びp型のベース領域5で形成されるpnp型
バイポーラトランジスタQpnp と、n- 型のベース層
4,p型のベース領域5及びn型のカソード領域16で
構成されるnpn型バイポーラトランジスタQnp n とか
らなるpnpn構造(サイリスタ構造)を有し、このp
npn構造を共用するMCT部30とIGBT部40を
併有している。MCT部30は、トランジスタQpnp
npn と、トランジスタQpnp のn- 型のベース層4と
n型のカソード領域16とを導通・遮断するnチャネル
型の第1のMOSFET21と、トランジスタQnpn
p型のベース領域5とp+ 型のドレイン領域17とを導
通・遮断するp型の第2のMOSFET22とから構成
され、またIGBT部40は、トランジスタQpnp ,Q
npn と、トランジスタQpnp のn- 型のベース層4とn
+ 型のソース領域18を導通・遮断するn型の第3のM
OSFET23とから構成されている。なお、本例にお
いては、カソード電極15がn型のカソード領域16と
+ 型のソース領域18との間のp型のベース領域5の
一部にも導電接触された構造であるので、p型のベース
領域5内の拡散抵抗Rがカソード電極15に接続されて
いる。
【0021】ゲート電極19とゲート電極20に高電位
を印加すると、その直下のp型のベース領域5の主面側
に反転層が形成され、第1のMOSFET21と第3の
MOSFET23が共にオンし、n型のカソード領域1
6からn- 型のベース層4の一方へ多数キャリア(電
子)が注入されると共に、n+ 型のソース領域18から
- 型のベース層4の他方へ多数キャリア(電子)が注
入される。これによりn- 型のベース層4の伝導度が変
調され、アノード層2,バッファ層3,n- 型のベース
層4及びp型のベース領域5で形成されるトランジスタ
pnp がオンすると共に、n- 型のベース層4,p型の
ベース領域5及びn型のカソード領域16で形成される
トランジスタQnpn もオンし、pnpn構造のサイリス
タがターンオンする。このターンオン時の電流経路は、
図3(a)に示すように、第1のMOSFET21及び
第3のMOSFET23を介した電子電流(実線矢印)
と、p型のベース領域5とn型のカソード領域16の接
合を介した電子電流及び正孔電流(破線矢印)と、カソ
ード領域16の拡散抵抗(短絡抵抗)を介した電子電流
及び正孔電流が存在する。
【0022】次に、本デバイスのターンオフ動作時にお
いては、先ずゲート電極20の電位を高電位のまま維持
し、ゲート電極19に零又は負電位を印加すると、ゲー
ト電極19の直下のp型のベース領域5の反転層は消滅
するが、n型のカソード領域16の表面に反転層が形成
されるため、第3のMOSFET23はオン状態のまま
で、第1のMOSFET21がオフ状態となると共に第
2のMOSFET22がオン状態となる。これにより、
図3(b)に示すように、p型のベース領域5内の多数
キャリア(正孔)は第2のMOSFET22により引き
抜かれる。この多数キャリア引き抜き動作は従来と同様
であるが、第2のMOSFET22による引き抜き動作
時には第3のMOSFET23もオン状態であり、これ
により電子電流がn- 型のベース層4からソース領域1
8へ流れており、IGBT動作が行なわれている。そし
て、主たる正孔電流の経路はp型のベース領域5の一方
側で、主たる電子電流の経路はp型のベース領域5の他
方側であり、p型のベース領域5とn型のカソード領域
16の接合を介した電流密度が非常に希薄になるため、
急速に順バイアス状態が解消され、n型のカソード領域
16の正孔引き抜き後、直ちにそのpn接合の電位障壁
が回復する。この後直ちに第2のMOSFET22及び
第3のMOSFET23をオフ状態にしても、既に回復
した電位障壁の回復によって、その接合を介して電子電
流は流れないので、ターンオフ時間を短縮することがで
き、電力損失を低減可能である。換言すると、ターンオ
フ時の初期においては第3のMOSFET23を介して
電子電流を流しておき、第2のMOSFET22を介し
て正孔電流を引き抜くことにより、p型のベース領域5
とn型のカソード領域16の接合を介する電子電流を希
薄化して抑制し、その電位障壁を急速に回復させた後、
第2及び第3のMOSFET22,23をオフ状態とす
るものである。ここで、本例においては、カソード領域
16とソース領域18との間は非形成領域としてp型の
ベース領域5が残されており、これにカソード電極15
が導電接触されている。このため、p型のベース領域5
内にカソード電極15に接続する拡散抵抗(短絡抵抗)
Rが存在している。従って、第2のMOSFET22の
オンによる正孔引き抜き動作時においては、電流の一部
がp型のベース領域5とn型のカソード領域16の接合
を迂回してこの拡散抵抗Rを介して流れるので、その接
合の電位障壁の回復を更に速めている。従って、ターン
オフ速度の高速化に寄与している。ただ、この拡散抵抗
(短絡抵抗)Rが存在すると、ターンオン時におけるト
ランジスタQnpn がオンし難く、オン電圧が若干高くな
る。
【0023】〔実施例2〕ところで、ベース領域5の拡
散抵抗(短絡抵抗)Rを介して流れる電流が大きすぎる
か、又は拡散抵抗R自体が大きすぎると、IGBT部4
0がラッチアップしてしまう。即ち、n- 型のベース層
4,p型のベース領域5及びn型のカソード領域16は
サイリスタ構造のnpn型トランジスタQnpn を構成し
ているが、図2の等価回路に示すように、ベース領域5
とソース領域18のpn接合はn-型のベース層4,p
型のベース領域5及びn+ 型のソース領域18で構成さ
れる寄生npn型トランジスタQ′npn のベース・エミ
ッタ接合であり、寄生npn型トランジスタQ′npn
トランジスタQnpn に並列接続している。このため、拡
散抵抗Rの電圧降下量が大きいと、ベース領域5とソー
ス領域18のpn接合が順バイアスされ、寄生トランジ
スタQ′npn がオン状態となり、IGBT部40がラッ
チアップするおそれがある。このラッチアップが起これ
ば、第3MOSFET23をオフしてもサイリスタがタ
ーンオフしないことになる。このようにMCT部30と
IGBT部40の併存する構造においては、今度はIG
BT部40の寄生トランジスタQ′npn が軽視できず、
ターンオフ時にラッチアップしてしまう新たな問題が生
じ、可制御ターンオフ電流(電流容量)を大きくするこ
とができなくなる。
【0024】図4は本発明の実施例2に係る半導体装置
の構造を示す断面図である。この実施例2に係る半導体
構造は上記の新たな問題点を解決するものであり、p型
のベース領域5内においてはこれとn+ 型のソース領域
18の接合面近傍部位を含んだ領域にp+ 型のウェル2
5が形成されている。この高濃度のウェル25は深く形
成されている。ここで、例えばp型のベース領域5の濃
度は1×1016〜5×1017cm-3,深さは2〜20μm
で、p+ 型のウェル25は1×1017〜5×1019cm
-3, 深さは2〜20μmに設定される。勿論、ウェル2
5の深さはベース領域5の深さと同程度であっても良い
し、またそれ以上の深さでも良い。この高濃度のウェル
25における表面側の拡がり部分は、第3のMOSFE
T23のチャネル部にかからないよう接合面をカバース
するように形成する。これは接合面の周囲に分布する拡
散抵抗RB を低減するためである。また本例においては
カソード電極15直下のカソード領域16とソース領域
18に挟まれた部位も高濃度化されており、全体として
拡散抵抗Rの値を小さく設定してある。
【0025】このような深いp+ 型のウェル25を設け
た構造は、いわばバイポーラトランジスタのグラフトベ
ース(graft base) 構造と同様な構造を発揮する。即
ち、図4に示す拡散抵抗RB を含めた抵抗Rが低抵抗化
する。従って、サイリスタのターンオフ時においてp型
のベース領域5とn+ 型のソース領域18の接合面近傍
部位に瞬間的に増加する電流が流れても、電圧降下量が
大きくならず、その接合が順バイアスされずに済み、寄
生トランジスタQ′npn が作動しない。これによってラ
ッチアップを防止することができ、可制御ターンオフ電
流を大きくすることが可能となる。
【0026】〔実施例3〕図5は本発明の実施例3に係
る半導体装置の構造を示す断面図である。この実施例3
に係る半導体構造も上記の新たな問題を解決するもので
ある。実施例2の構造と異なり、p型のベース領域5よ
りも浅い高濃度のp+ 型のウェル26が形成されてい
る。p+ 型のウェル26は、p型のベース領域5内にお
いて、これとn+ 型のソース領域18の接合面近傍部位
を含んでいる。ここで、例えばp型のベース領域5の濃
度は1×1016〜5×1017cm-3,深さは2〜20μm
で、p+ 型のウェル26は1×1018〜1×1020cm
-3, 深さは0.5〜2μmに設定される。実施例2にお
けるウェル25は深い拡散により形成されるので、高濃
度化が不十分な場合もあり、またウェル25とベース5
の境界が傾斜濃度となってしまうので、境界を第3のM
OSFET23のチャネル部までギリギリに近接させる
ことは難しい。しかし、本例の浅いp+ 型のウェル26
では、フォトプロセスにより段階濃度の境界を第3のM
OSFET23のチャネル部及びカソード領域16の主
面側境界までギリギリに接近させることが可能で、且つ
高濃度化が容易である。即ち、実施例2の構造に比べ
て、拡散抵抗RB を含めた抵抗Rの低抵抗化が確実であ
る。本例もまたターンオフ時のラッチアップの抑制を確
実に実現でき、可制御ターンオフ電流を大容量化でき
る。なお、本例の浅いp+ 型のウェル26と実施例2の
深いウェル25とが併存する構造を採用しても良い。
【0027】〔実施例4〕図6は本発明の実施例4に係
る半導体装置の構造を示す断面図であり、図7は実施例
4の等価回路図を示す。図6及び図7において、実施例
1に係る図1及び図2に示す部分と同一部分には同一参
照符号を付し、その説明は省略する。
【0028】この半導体装置の実施例1のものと異なる
点は、カソード電極15a,15bの構造にある。即
ち、カソード領域16とソース領域18との間は非形成
領域としてp型のベース領域5が残されているが、これ
にはカソード電極が導電接触していない。カソード電極
は、電極部15aを以てドレイン領域17及びカソード
領域16に導電接触し、また電極部15bを以てソース
領域15bに導電接触している。従って、p型のベース
領域5内には実施例1のようなカソード電極15に接続
する拡散抵抗Rは存在しない。このため、ターンオフ時
にp型のベース領域5内のキャリアが直接カソード電極
に対して流れることはないので、ベース領域5とカソー
ド領域16との接合による電位障壁の回復速度は実施例
1に比して若干遅くなるものの、ターンオン時にはトラ
ジスタQnpn がオンし易いので、オン電圧を低くでき
る。勿論、本例においてもターンオフ時の初期に第3の
MOSFET23を介して電子電流を流しておき、第2
のMOSFET22で正孔を引く抜くことにより、p型
のベース領域5とn型のカソード領域16の接合を介す
る電子電流を希薄化して抑制し、その電位障壁を急速に
回復させてから、第2及び第3のMOSFET22,2
3をオフ状態とするものであるので、従来のMCTに比
してターンオフ時間の短縮化が図れている。
【0029】〔実施例5〕ところで、実施例4の構造に
おいても、図7の等価回路に示すように、ベース領域5
とソース領域18のpn接合はn- 型のベース層4,p
型のベース領域5及びn+ 型のソース領域18で構成さ
れる寄生npn型トランジスタQ′npn のベース・エミ
ッタ接合であり、寄生npn型トランジスタQ′npn
トランジスタQnpn に並列接続している。ベース領域5
はカソード電極15a,15bと直接導電接触していな
いため、実施例1〜3の構造におけるような電極に短絡
する拡散抵抗Rは存在せず、ターンオフ時にはベース領
域5内の正孔は専ら第2のMOSFET22を介して引
き抜かれるが、その正孔電流が大きすぎる場合や、その
引き抜き経路の寄生ベース抵抗(拡散抵抗)R′B が大
きすぎると、その電圧降下量が大きくなり、ベース領域
5とソース領域18のpn接合が順バイアスされ、寄生
トランジスタQ′npn がオン状態となり、IGBT部4
0がラッチアップするおそれがある。このラッチアップ
が起これば、第3MOSFET23をオフしてもサイリ
スタがターンオフしないことになる。実施例4において
も、IGBT部40の寄生トランジスタQ′npn が軽視
できず、ターンオフ時にラッチアップしてしまう新たな
問題が生じ、可制御ターンオフ電流(電流容量)を大き
くすることができなくなる。
【0030】図8は本発明の実施例5に係る半導体装置
の構造を示す断面図である。この実施例5に係る半導体
構造は上記の新たな問題点を解決するものであり、p型
のベース領域5内においてはこれとn+ 型のソース領域
18の接合面近傍部位の直下も含みp+ 型の埋め込み領
域27が形成されている。この高濃度の埋め込み領域2
7はソース領域18のうち第3のMOSFET23のチ
ャネル部の直下から第2のMOSFET22のチャネル
部の直下にわたり形成することが望ましい。引き抜かれ
る正孔の長い経路をすべて高濃度化し、低抵抗化するた
めである。従って、サイリスタのターンオフ時において
引き抜かれる正孔電流が多くても、寄生ベース抵抗(拡
散抵抗)R′B による電圧降下量が大きくならず、p型
のベース領域5とn+ 型のソース領域18の接合が順バ
イアスされずに済み、寄生トランジスタQ′npn が作動
しない。これによってラッチアップを防止することがで
き、可制御ターンオフ電流を大きくすることが可能とな
る。
【0031】〔実施例6〕図9は本発明の実施例6に係
る半導体装置の構造を示す断面図である。この実施例6
に係る半導体構造も上記の新たな問題を解決するもので
ある。実施例5の構造と異なり、p型のベース領域5内
においてはこれとn+ 型のソース領域18の接合面近傍
部位を含んだ領域にp+ 型のウェル28が形成されてい
る。この高濃度のウェル28は深く形成されている。こ
こで、例えばp型のベース領域5の濃度は1×1016
5×1017cm-3,深さは2〜20μmで、p+ 型のウェ
ル25は1×1017〜5×1019cm-3, 深さは2〜20
μmに設定される。勿論、ウェル28の深さはベース領
域5の深さと同程度であっても良いし、またそれ以上の
深さでも良い。また浅い別のp+ 型のウェルと併存した
構造でも良い。この高濃度のウェル28における表面側
の拡がり部分は、第3のMOSFET23のチャネル部
にかからないよう接合面をカバーするように形成する。
これは接合面の周囲に分布する拡散抵抗R′B を低減す
るためである。サイリスタのターンオフ時において引き
抜かれる正孔電流が多くても、寄生ベース抵抗(拡散抵
抗)R′B が低抵抗化されているため、その電圧降下量
が大きくならず、p型のベース領域5とn+ 型のソース
領域18の接合が順バイアスされずに済み、寄生トラン
ジスタQ′npn が作動しない。これによってラッチアッ
プを防止することができ、可制御ターンオフ電流を大き
くすることが可能となる。なお、本例の高濃度のウェル
と実施例5における高濃度の埋め込み領域とが併存した
構造であっても良い。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、従来の
第1及び第2のMISFETを備えたMCT構造におい
て、いわばカソード領域を第4半導体領域と第6半導体
領域とに独立に分離し、第6半導体領域を用いて独立制
御可能の第3のMISFETを設けてIGBT部を形成
した点に特徴を有するものである。従って、次の効果を
奏する。
【0033】 ターンオフの動作においては、先ず第
3のMISFETをオン状態に維持したまま、第1のM
ISFETをオフさせると共に、第2のMISFETを
オンさせると、第2のMISFETを介して第1導電型
の第3半導体領域から多数キャリア(第2導電型の第2
半導体領域の少数キャリア)が引き抜かれる。この多数
引き抜き動作時においては第3のMISFETを介して
第2導電型の第2半導体領域の多数キャリアが流れたま
まであるので、キャリアごとの電流経路が分離される。
このため、第1導電型の第3半導体領域と第2導電型の
第4半導体領域とのpn接合を介して流れようとする電
流が消滅し、その電位障壁が急速に回復する。この直後
の第2及び第3のMISFETをオフ状態にすると、既
に第1導電型の第3半導体領域と第2導電型の第4半導
体領域とのpn接合に電位障壁が回復しているので、そ
れを介した電流は生じない。このため、ターンオフ時間
を短縮することができ、電力損失を低減できる。
【0034】 第1導電型の第3半導体領域,第2導
電型の第4半導体領域,第1導電型の第5半導体領域及
び第2導電型の第6半導体領域の主面にすべて導電接触
する電極部を設けた場合には、第1導電型の第3半導体
領域内に電極部に接続する寄生抵抗(拡散抵抗)が存在
することになるが、ターンオフ時にはこの拡散抵抗を介
しても電流が流れるので、上記pn接合に流れようとす
る電流を抑制することができる。従って、その電位障壁
の回復も更に急速であるので、ターンオフ時間のなお一
層の短縮化を達成できる。
【0035】 第4,第5及び第6半導体領域の主面
にのみ導電接触する電極部を設けた場合には、第2,第
3及び第4半導体領域で構成されるバイポーラトランジ
スタがオンし易いので、オン電圧を低くできる。
【0036】 第3,第4,第5及び第6半導体領域
の主面に導電接触する電極部を設けた場合において、第
3半導体領域内で、少なくとも当該領域と第6半導体領
域との接合面近傍に第1導電型の高濃度半導体領域が形
成されているときには、電極に短絡する第6半導体領域
の接合面近傍の寄生抵抗が低抵抗化されているため、タ
ーンオフ時におけてその接合が順バイアスされず、寄生
トランジスタがオンし難くなる。従って、ラッチアップ
を抑制できるので、可制御ターンオフ電流の大容量化を
図ることができる。
【0037】 他方、第4,第5及び第6半導体領域
の主面にのみ導電接触する電極部を設けた場合におい
て、第3半導体領域内に第1導電型の高濃度埋め込み領
域が形成されているときには、第2MISFETによる
キャリア引く抜き時の第3半導体領域の電流経路の経路
抵抗(拡散抵抗)が低抵抗であるため、第6半導体領域
の接合が順バイアスされず、寄生トランジスタがオンし
難くなる。従って、ラッチアップを抑制できるので、可
制御ターンオフ電流の大容量化を図ることができる。ま
た第3半導体領域内で、少なくとも当該領域と第6半導
体領域との接合面近傍に第1導電型の高濃度半導体領域
が形成されているときにも、同様の効果が発揮される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係る半導体装置の構造を示
す断面図である。
【図2】同半導体装置の等価回路を示す回路図である。
【図3】(a)は同半導体装置のサイリスタ状態におけ
る電流の流れを示す断面図、(b)は同半導体装置のト
ランジスタ状態における電流の流れを示す断面図であ
る。
【図4】本発明の実施例2に係る半導体装置の構造を示
す断面図である。
【図5】本発明の実施例3に係る半導体装置の構造を示
す断面図である。
【図6】本発明の実施例4に係る半導体装置の構造を示
す断面図である。
【図7】同半導体装置の等価回路を示す回路図である。
【図8】本発明の実施例5に係る半導体装置の構造を示
す断面図である。
【図9】本発明の実施例6に係る半導体装置の構造を示
す断面図である。
【図10】従来のMCTの構造の一例を示す断面図であ
る。
【図11】図10に示すMCTの等価回路を示す回路図
である。
【図12】(a)は図10に示すMCTのサイリスタ状
態における電流の流れを示す断面図、(b)は同半導体
装置のトランジスタ状態における電流の流れを示す断面
図である。
【符号の説明】
1・・・アノード電極 2・・・p+ 型のアノード層 3・・・n+ 型のバッファ層 4・・・n- 型のベース層 5・・・p型のベース領域 8・・・ゲート絶縁膜 15・・・カソード電極 15a,15b・・・電極部 16・・・n型のカソード領域 17・・・p+ 型のドレイン領域 18・・・n+ 型のソース領域 19・・・第1のゲート電極 20・・・第2のゲート電極 21・・・第1のMOSFET 22・・・第2のMOSFET 23・・・第3のMOSFET 25・・・p+ 型の深いウェル 26・・・p+ 型の浅いウェル 27・・・p+ 型の埋め込み領域 28・・・p+ 型の深いウェル Qpnp ・・・pnp型バイポーラトランジスタ Qnpn ・・・npn型バイポーラトランジスタ Q′npn ・・寄生npn型バイポーラトランジスタ 30・・・MCT部 40・・・IGBT部 R,RB,R′B ・・・拡散抵抗。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−136372(JP,A) 特開 昭63−209172(JP,A) 特開 昭62−76557(JP,A) 特開 昭63−211675(JP,A) 特開 昭60−202967(JP,A) 特開 平1−128576(JP,A) 特開 平2−12969(JP,A) 実開 平2−146457(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 29/749 H01L 29/74 H01L 29/78 655 H01L 29/78 656

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1導電型の第1半導体領域,第2導電
    型の第2半導体領域,第1導電型の第3半導体領域及び
    第2導電型の第4半導体領域とからなるサイリスタ構造
    と、第2導電型の第4半導体領域の主面側に形成された
    第1導電型の第5半導体領域と、第1導電型の第3半導
    体領域をバックゲートとし第2導電型の第4半導体領域
    から第2導電型の第2半導体領域に対しその多数キャリ
    アを注入可能の第1のMISFETと、第2導電型の第
    4半導体領域をバックゲートとし第1導電型の第3半導
    体領域から第1導電型の第5半導体領域に対しその多数
    キャリアを引き抜き可能で第1のMISFETのゲート
    電極を共用する第2のMISFETとを備えた半導体装
    置であって、 第1導電型の第3半導体領域の主面側においてそれを残
    して前記第2導電型の第4半導体領域とは隔離した部位
    に形成された第2導電型の第6半導体領域と、第1導電
    型の第3半導体領域をバックゲートとし第2導電型の第
    6半導体領域から第2導電型の第2半導体領域に対しそ
    の多数キャリアを注入可能で前記第1のMISFETと
    は独立に開閉可能の第3のMISFETとを有すること
    を特徴とする半導体装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の半導体装置において、
    第1導電型の第3半導体領域,第2導電型の第4半導体
    領域,第1導電型の第5半導体領域及び第2導電型の第
    6半導体領域の主面にすべて導電接触する電極部を有す
    ることを特徴とする半導体装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の半導体装置において、
    前記第1導電型の第3半導体領域内で、少なくとも当該
    領域と前記第2導電型の第6半導体領域との接合面近傍
    に形成された第1導電型の高濃度半導体領域を有するこ
    とを特徴とする半導体装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の半導体装置において、
    前記第1導電型の高濃度半導体領域は、前記第2導電型
    の第4半導体領域の主面側境界にまで拡がり、前記第1
    導電型の第3半導体領域の深さと同程度又はそれ以上の
    深さのウェル領域であることを特徴とする半導体装置。
  5. 【請求項5】 請求項3又は請求項4に記載の半導体装
    置において、前記第1導電型の高濃度半導体領域は、前
    記第2導電型の第4半導体領域の主面側境界にまで拡が
    り、前記第1導電型の第3半導体領域よりも浅いウェル
    領域であることを特徴とする半導体装置。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の半導体装置において、
    第2導電型の第4半導体領域,第1導電型の第5半導体
    領域及び第2導電型の第6半導体領域の主面にのみ導電
    接触する電極部を有することを特徴とする半導体装置。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の半導体装置において、
    前記第1導電型の第3半導体領域内に形成された第1導
    電型の高濃度埋め込み領域を有することを特徴とする半
    導体装置。
  8. 【請求項8】 請求項6又は請求項7に記載の半導体装
    置において、前記第1導電型の第3半導体領域内で、少
    なくとも当該領域と前記第2導電型の第6半導体領域と
    の接合面近傍に形成された第1導電型の高濃度半導体領
    域を有することを特徴とする半導体装置。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の半導体装置において、
    前記第1導電型の高濃度半導体領域は、前記第2導電型
    の第4半導体領域の主面側境界にまで拡がり、前記第1
    導電型の第3半導体領域の深さと同程度又はそれ以上の
    深さのウェル領域であることを特徴とする半導体装置。
  10. 【請求項10】 請求項8又は請求項9に記載の半導体
    装置において、前記第1導電型の高濃度半導体領域は、
    前記第2導電型の第4半導体領域の主面側境界にまで拡
    がり、前記第1導電型の第3半導体領域よりも浅いウェ
    ル領域であることを特徴とする半導体装置。
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