JP3586193B2 - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
技術分野
この発明は半導体装置およびその製造方法に関し、特に、耐圧を高く維持し、動作領域を広く確保しつつ、オン電圧を低減するための改良に関する。
【0002】
背景技術
第41図は、この発明の背景となる従来の絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(以下、「IGBT」と略称する)の正面断面図である。この装置150では、電力用の半導体装置においては一般的であるように、大きな主電流を得るために、並列接続された多数のユニットセルUCが、単一の半導体基体93に作り込まれている。ユニットセルUCは、装置150を構成する最小単位であり、それ自身がIGBTの構造を備え、IGBTとして機能する。第41図には、一つのユニットセルUCが描かれている。
【0003】
装置150は、いわゆる「縦型」でしかも「平面型」のIGBTとして構成されている。「縦型」とは、一対の主電極が、半導体基体93の二つの主面の一方と他方とに接続されている形態をいい、「平面型」とは、ゲート電極が、半導体基体93の一方主面に平行に対向するように設けられている形態をいう。装置150では、シリコンを母材とする半導体基体93には、pコレクタ層81とn層82とが備わっている。そして、n層82には、pコレクタ層81との間に接合部を有するn+バッファ層95と、半導体基体93の上主面に露出するn-層83とが備わっている。pコレクタ層81は、半導体基体93の下主面に露出している。
【0004】
-層83が露出する面の中には、pベース層84が選択的に形成されており、このpベース層84が露出する面の中には、n+エミッタ層85が選択的に形成されている。n+エミッタ層85は、pベース層84よりも浅く、しかも、pベース層84の内側に形成されている。また、n+エミッタ層85は、単一のpベース層84の中で、二つの領域に分離されている。したがって、pベース層84は、半導体基体93の上主面の中で、n+エミッタ層85の分離された二つの領域に挟まれた第1領域、および、二つの領域の各々とn-層83とに挟まれた2個の第2領域において、選択的に露出している。
【0005】
半導体基体93の上主面の中で、pベース層84が露出する第1領域と、n+エミッタ層85が露出する面の一部とに、エミッタ電極89が接続されている。また、pベース層84の第2領域の上には、ゲート絶縁膜87およびゲート電極88が形成されている。すなわち、pベース層84の第2領域には、ゲート絶縁膜87を間に挟んで、ゲート電極88が対向している。その結果、第2領域は、チャネル領域CHとしての機能を果たすこととなる。半導体基体93の下主面、すなわちpコレクタ層81が露出する面には、コレクタ電極94が接続されている。これらのエミッタ電極89およびコレクタ電極94は、一対の主電極として機能する。
【0006】
装置150を使用する際には、エミッタ電極89とコレクタ電極94の間に、(通常は、負荷を介して)電源が接続される。それによって、コレクタ電極94とエミッタ電極89との間には、エミッタ電極89を基準としてコレクタ電極94の電位が正となるように、コレクタ電圧が印加される。この状態で、エミッタ電極89を基準としてゲート電極88へ印加される電圧、すなわちゲート電圧を調整することによって、コレクタ電極94からエミッタ電極89へと流れる主電流(コレクタ電流)の大きさが制御される。
【0007】
装置150に固有のゲート閾電圧を超える正のゲート電圧が印加されると、ゲート電極88の直下に位置するチャネル領域CHが、本来のp型からn型へと反転する。すなわち、チャネル領域CHに、n型の反転層が形成される。その結果、エミッタ電極89からn+エミッタ層85を経由した電子が、チャネル領域CHを経由して、n-層83へと注入される。
【0008】
注入された電子により、pコレクタ層81とn層82(n-層83とn+バッファ層95とを含む)との間が順バイアスされるので、pコレクタ層81からn-層83へとホールが注入される。その結果、n-層83は伝導度変調を引き起こし、n-層83の抵抗が大幅に低下するので、コレクタ電極94からエミッタ電極89へと大きな主電流が流れる。すなわち、装置150は導通状態(オン状態)となる。
【0009】
つぎに、ゲート電圧がゼロあるいは負の値に戻されると、チャネル領域CHは、本来のp型へと復帰する。その結果、エミッタ電極89からの電子の注入が止まるので、pコレクタ層81からのホールの注入も停止する。その後、n-層83(および、n+バッファ層95)に溜まっていたホールは、エミッタ電極11へと回収され、やがて消滅する。すなわち、装置150は遮断状態(オフ状態)となる。
【0010】
このように、IGBTとして構成される装置150では、伝導度変調が利用されるために、オン状態におけるコレクタ電圧、すなわち、オン電圧が低いという利点がある。IGBTでは一般に、オン電圧VCE(sat)は、つぎの数式1で表現される。
【0011】
VCE(sat) = VMOS + VDIODE ・・・ (数式1)
【0012】
ここで、VMOS は、n+エミッタ層85、チャネル領域CH、および、n-層83で等価的に構成されるMOSFETで発生する電圧降下(MOSFETのオン電圧)であり、VDIODEは、pコレクタ層81およびn層82で等価的に構成されるダイオードで発生する電圧降下(ダイオードのオン電圧)である。数式1が示すように、オン電圧VCE(sat)は、これら二つの成分に分解することができる。
【0013】
また、IGBTが導通状態にあるとき、伝導度変調を引き起こすn-層83の抵抗Rは、つぎの数式2で表現される。
【0014】
R ∝ W2/(2・√(D・τ2)) ・・・ (数式2)
【0015】
ここで、Wはn-層83の厚さであり、Dはホールの拡散係数であり、τはn-層83におけるホールのライフタイムである。数式2が示すように、n-層83の抵抗Rは、n-層83の厚さWと、ライフタイムτとに依存する。
【0016】
耐圧の高いIGBTを実現するには、n-層83の厚さDを大きく設定する必要がある。このため、高耐圧のIGBTでは、オン電圧VCE(sat)を構成する二つの成分の中で、ダイオードで発生する電圧降下VDIODE の比率が高くなる。すなわち、高耐圧のIGBTにおいては、MOSFETのオン電圧を低減するよりも、ダイオードのオン電圧を引き下げる方が、オン電圧VCE(sat)を低減する上で、効果的であるといえる。
【0017】
この方向に沿ってオン電圧VCE(sat)を低減した半導体装置として、北川氏他ら(Kitagawa et al.)はInjection Enhanced Transistor(IEGT)("IEDM" (1993) P.679-P.682)を、また高橋氏他ら(Takahashi et al.)はCarrier Stored Trench-Gate Bipolar Transistor (CSTBT)("ISPSD" (1996) P.349-P.352)を提案している。IEGTでは、pベース層は部分的に、エミッタ電極と短絡されない。それによって、pコレクタ層から注入されたホール電流が、エミッタ領域に蓄積することが可能となっている。その結果、エミッタ層の付近のキャリア濃度が高められ、伝導度変調が促進されるので、ダイオードのオン電圧VDIODEが低い値へと改善される。
【0018】
また、CSTBTでは、pベース層の直下に、不純物濃度が比較的高いn+層が形成される。それによって、IEGTと同様に、pコレクタ層から注入されたホール電流が、エミッタ層へと蓄積することが可能となっている。その結果、エミッタ層の付近のキャリア濃度が高められ、伝導度変調が促進されるので、ダイオードのオン電圧VDIODEが低い値へと改善される。
【0019】
上記した二種類の装置は、いずれも、半導体基体の上主面に形成された溝(トレンチ)に埋設されたゲート電極(すなわち、トレンチゲート)を有する半導体装置、すなわち、「トレンチ型」の装置として報告されている。しかしながら、装置150(第41図)のように、半導体基体93の上主面に対向するゲート電極88を有する半導体装置、すなわち、「平面型」の装置においても、同様の効果は期待される。「平面型」のIEGTは、半導体基体の主面の中で、MOSFETが形成される領域(以下、「MOSFET領域」と称する)が占める比率を低く抑え、ホール電流がエミッタ電極89へと抜ける経路を狭く制限することによって、実現することができる。
【0020】
我々は、このことを確認するために、第41図に示した「平面型」のIGBTについて、MOSFET領域の比率を様々に変えたときの、三種のオン電圧VCE(sat),VDIODE,VMOSを、シミュレーションを用いて算出した。シミュレーションでは、同時に、n-層83の厚さも様々に変え、その影響をも調べた。得られた結果を、第42図および第43図に、それぞれ、グラフおよび表の形式で示す。
【0021】
MOSFET領域の比率を変えるために、第41図に示したゲート電極88の開口部の幅(開口幅)Wcdを一定に保ちつつ、ユニットセルUCの幅(セル幅)Wcellが様々に変えられた。言い換えると、pベース層84の幅(ベース幅)Wpを一定に保ちつつ、セル幅Wcellを変えることによって、様々に異なるMOSFET領域の比率が得られている。第43図の第1〜第3カラムには、シミュレーションの条件として与えられたセル幅Wcell、開口幅Wcd、および、ゲート電極幅Wg(=Wcell−Wcd)の数値が、μmの単位で表されている。
【0022】
また、第42図および第43図に示すMOSFET領域率αは、つぎの数式3で表されるpベース領域率で定義される。
【0023】
α = Wp / Wcell ・・・ (数式3)
【0024】
さらに、第42図および第43図において、オン電圧VCE(sat),VDIODE に「(250μm)」などと付記される数値は、n-層83の厚さ(半導体基体93の上主面を基準としたn-層83とn+バッファ層95の境界面の深さ)を表している。また、第43図におけるオン電圧VCE(sat),VDIODE,VMOS の数値は、ボルト(V)の単位で表示されている。
【0025】
第42図のグラフは、第1に、MOSFET領域率αが減ると、MOSFETのオン電圧VMOS は高くなるのに対して、ダイオードのオン電圧VDIODE は減少することを明らかにしている。第2に、n-層83の厚さが増すほど、ダイオードのオン電圧VDIODE が、IGBTのオン電圧VCE(sat)に占める割合が高くなることが、明瞭に示されている。すなわち、シミュレーションの結果は、n-層83が厚く設定される高耐圧の装置では、MOSFET領域率αを低くすることが、IGBTのオン電圧VCE(sat)の低減に有効に寄与することを裏付けている。
【0026】
しかしながら、「平面型」の装置では、高い耐圧と低いオン電圧とを両立的に実現する上で、いくつかの問題が存在する。その一つは、MOSFET領域率αを減らすことは、pベース層84の比率を減少させることと同一であるために、装置がターンオフする(オン状態からオフ状態へと遷移する)ときに、pベース層84を流れるホール電流の密度が増加するという問題である。ターンオフの際に、pベース層84を流れるホール電流の密度が高くなると、例えばSOAで評価される動作領域が狭くなってしまう。
【0027】
一方、「平面型」のCSTBTを実現するためには、pベース層84の直下にn+層を形成すればよく、MOSFET領域率αを減らす必要がないので、動作領域が狭くなるという問題は回避される。しなしながら、この構造では、逆電圧が印加されたときに発生する電界の強度が高くなるために、耐圧が劣化するという別の問題が発生する。また、宇宙線に由来する動作不良の原因が、電界強度と密接に関係すると言われており、不良発生率が増大する恐れもある。
【0028】
このように、従来の「平面型」の半導体装置においては、高い耐圧を維持して広い動作領域を確保しつつ、オン電圧の低減を図ることが困難であるという問題点があった。
【0029】
発明の開示
本発明は、上記のような問題点を解決し、耐圧を高く維持し、動作領域を広く確保しつつ、オン電圧を低減することのできる半導体装置を提供することを目的としており、さらに、この半導体装置の製造に適した方法を提供することを目的とする。
【0030】
本発明に係る半導体装置の第1の態様は、上主面と下主面を規定する半導体基体を備え、当該半導体基体は、前記下主面に露出する第1導電型の第1半導体層と、当該第1半導体層の上に形成され、前記上主面に露出する第2導電型の第2半導体層と、前記上主面の中に、前記第2半導体層よりも浅く、選択的に形成された第1導電型の第3半導体層と、当該第3半導体層が露出する面の中に、前記第3半導体層よりも浅く、しかも、当該第3半導体層の内側に、選択的に形成された第2導電型の第4半導体層と、前記上主面の中に、前記第2半導体層よりも浅く、しかも、前記第3半導体層から離れて、選択的に形成された第1導電型の第5半導体層と、当該5半導体層が露出する面の中に、前記第5半導体層よりも浅く、しかも、当該第5半導体層の内側に、選択的に形成された第2導電型の第6半導体層と、当該第6半導体層が露出する面の中に、前記第6半導体層よりも浅く、しかも、当該第6半導体層の内側に、選択的に形成された第1導電型の第7半導体層と、を備えている。
【0031】
しかも、前記第3半導体層が前記上主面に露出する面は、前記第4半導体層によって隔てられた第1領域と第2領域とを含んでおり、これらの中で少なくとも前記第2領域は、前記第4半導体層が露出する面と前記第2半導体層が露出する面とに挟まれており、前記装置は、前記第2領域に、第1絶縁膜を間に挟んで対向する第1ゲート電極と、前記第6半導体層が前記上主面に露出する面に、第2絶縁膜を間に挟んで対向する第2ゲート電極と、前記第1領域と前記第4半導体層と前記7半導体層とに接続された第1主電極と、前記下主面に接続された第2主電極と、をさらに備え、前記第2ゲート電極及び前記第1主電極に所定の電圧がそれぞれ印加された場合であっても、前記第1半導体層、前記第2半導体層、前記第5半導体層、及び前記第6半導体層から成る構造はサイリスタとして動作しない。
【0032】
しかも、前記第6半導体層と前記第1主電極とは互いに接触していない。
【0033】
本発明に係る半導体装置の第の態様では、第1の態様において、前記第1ゲート電極と前記第2ゲート電極が、互いに電気的に接続されている。
【0034】
本発明に係る半導体装置の第の態様では、第の態様において、前記第1絶縁膜と前記第2絶縁膜は一体的に連結して単一の絶縁膜を構成し、前記第1ゲート電極と前記第2ゲート電極は一体的に連結して単一のゲート電極を構成しており、前記第2半導体層が前記第3半導体層と前記第7半導体層とに挟まれて前記上主面に露出する面が、前記単一の絶縁膜を間に挟んで前記単一のゲート電極に覆われている。
【0035】
本発明に係る半導体装置の第の態様では、第の態様において、前記上主面を覆う面積に関して、前記第1ゲート電極は前記第2ゲート電極よりも大きく、前記第1ゲート電極と前記第2ゲート電極とは、それらの前記上主面に沿った端部において互いに接続されている。
【0036】
本発明に係る半導体装置の第の態様では、第1の態様において、前記第1ゲート電極および前記第2ゲート電極が、互いに電気的に絶縁されている。
【0037】
本発明に係る半導体装置の第の態様では、第1の態様において、前記半導体基体が、前記第6半導体層が前記上主面に露出する前記面に形成された第1導電型の第8半導体層を、さらに備えている。
【0038】
本発明に係る半導体装置の第の態様では、第1の態様において、前記半導体基体が、前記第2半導体層が前記上主面に露出する面である露出面の中に、前記第2半導体層よりも浅く、前記第3半導体層と前記第5半導体層のいずれからも離れて、選択的に形成された第1導電型の第8半導体層を、さらに備えている。
【0039】
本発明に係る半導体装置の第の態様では、第の態様において、前記第1絶縁膜および前記第1ゲート電極は、前記露出面の中の前記第3半導体層に隣接する部分をも覆うように延在し、前記第2絶縁膜および前記第2ゲート電極は、前記露出面の中の前記第5半導体層に隣接する部分をも覆うように延在しており、前記露出面の中で、前記第1ゲート電極と前記第2ゲート電極のいずれにも覆われない面部分が存在し、前記第8半導体層は、前記露出面の中で、前記面部分を含む領域の中に、選択的に形成されている。
【0040】
本発明に係る半導体装置の第の態様では、第の態様において、前記第3半導体層、前記第5半導体層、および、前記第8半導体層が、深さおよび不純物濃度に関して、互いに同一である。
【0041】
本発明に係る半導体装置の第1の態様では、第1の態様において、前記第5、第6、および、第7半導体層を含む多層体が、互いに離れて形成された複数の単位多層体へと分割されており、前記第2絶縁膜および前記第2ゲート電極が、それぞれ、複数の単位第2絶縁膜および複数の単位第2ゲート電極を備えており、前記複数の単位多層体の各々に含まれる前記第6半導体層の部分が前記上主面に露出する面に、前記複数の単位第2絶縁膜の一つを間に挟んで前記複数の単位第2ゲート電極の一つが対向しており、前記複数の単位多層体の各々に含まれる前記第7半導体層の部分に、前記第1主電極が接続されている。
【0042】
本発明に係る半導体装置の第1の態様では、第1の態様において、前記第5、第6、および、第7半導体層を含む多層体が、前記第3半導体層を包囲するように環状に形成されている。
【0043】
本発明に係る半導体装置の第1の態様では、第1の態様において、前記半導体基体が、前記上主面の中で、前記第3半導体層の端縁よりも内側の領域に選択的に形成され、前記第1領域に露出するとともに前記第2領域には露出せず、前記第3半導体層よりも高い不純物濃度を有する第2導電型の第8半導体層を、さらに備え、前記第1主電極は、前記第8半導体層を通じて前記第3半導体層へ接続されている。
【0044】
本発明に係る半導体装置の第1の態様では、第1の態様において、前記第7半導体層および前記第8半導体層は、深さおよび不純物濃度に関して、互いに同一である。
【0045】
本発明に係る半導体装置の第1の態様では、第1の態様において、前記第3半導体層および前記第5半導体層は、深さおよび不純物濃度に関して、互いに同一である。
【0046】
本発明に係る製造方法の第1の態様は、半導体装置の製造方法において、(a) 上主面と下主面を規定し、当該下主面に露出する第1導電型の第1半導体層と、当該第1半導体層の上に形成され、前記上主面に露出する第2導電型の第2半導体層とを備える半導体基体を準備する工程と、(b) 前記上主面に第1導電型の不純物を選択的に導入することにより、前記上主面の中に、前記第2半導体層よりも浅く、第1導電型の第3半導体層を選択的に形成する工程と、(c) 前記上主面に第1導電型の不純物を選択的に導入することにより、前記上主面の中に、前記第2半導体層よりも浅く、しかも、前記第3半導体層から離れて、第1導電型の第5半導体層を選択的に形成する工程と、(d) 前記上主面に第2導電型の不純物を選択的に導入することにより、前記第3半導体層が露出する面の中に、前記第3半導体層よりも浅く、しかも、当該第3半導体層の内側に、第2導電型の第4半導体層を選択的に形成する工程と、を備えている。
【0047】
しかも、当該工程(d) では、前記第3半導体層が前記上主面に露出する面が、前記第4半導体層によって隔てられた第1領域と第2領域とを含み、これらの中で少なくとも前記第2領域は、前記第4半導体層が露出する面と前記第2半導体層が露出する面とに挟まれるように、前記第4半導体層が形成され、前記製造方法は、(e) 前記上主面に第2導電型の不純物を選択的に導入することにより、前記5半導体層が露出する面の中に、前記第5半導体層よりも浅く、しかも、当該第5半導体層の内側に、第2導電型の第6半導体層を選択的に形成する工程と、(f) 前記上主面に第1導電型の不純物を選択的に導入することにより、前記第6半導体層が露出する面の中に、前記第6半導体層よりも浅く、しかも、当該第6半導体層の内側に、第1導電型の第7半導体層を選択的に形成する工程と、(g) 前記上主面の上に第1絶縁膜と第2絶縁膜とを選択的に形成する工程と、(h) 前記第1絶縁膜および前記第2絶縁膜の上に、それぞれ、第1ゲート電極および第2ゲート電極を形成する工程と、(i) 前記第1領域と前記第4半導体層と前記7半導体層とに、第1主電極を接続する工程と、(j) 前記下主面に第2主電極を接続する工程とを、さらに備えている。
【0048】
しかも、前記工程(b) ないし前記工程(h) は、前記第1ゲート電極が前記第2領域に対向し、前記第2ゲート電極が、前記第6半導体層が前記上主面に露出する面に対向するように、遂行される。
【0049】
しかも、前記第2ゲート電極及び前記第1主電極に所定の電圧がそれぞれ印加された場合であっても、前記第1半導体層、前記第2半導体層、前記第5半導体層、及び前記第6半導体層から成る構造はサイリスタとして動作しない。
【0050】
しかも、前記第6半導体層と前記第1主電極とは互いに接触していない。
【0051】
本発明に係る製造方法の第2の態様では、第1の態様において、前記工程(g) および前記工程(h) が、前記工程(b) および前記工程(c) に先だって実行され、前記工程(b) および前記工程(c) では、前記第1ゲート電極および前記第2ゲート電極を遮蔽体として利用して、前記上主面に第1導電型の不純物を選択的に注入し、その後、拡散することにより、前記第3半導体層および前記第5半導体が同時に形成される。
【0052】
本発明に係る製造方法の第の態様では、第の態様において、前記工程(g) では、前記第1絶縁膜と前記第2絶縁膜とが、一体的に連結した単一の絶縁膜として形成され、前記工程(h) では、前記第1ゲート電極と前記第2ゲート電極とが、一体的に連結した単一のゲート電極として形成される。
【0053】
本発明に係る製造方法の第の態様は、第の態様において、前記工程(b) および前記工程(c) では、前記第1ゲート電極および前記第2ゲート電極を遮蔽体として利用して、前記上主面に第1導電型の不純物を選択的に注入し、その後、拡散することにより、前記第3半導体層および前記第5半導体層とともに、前記上主面の中に選択的に、前記第2半導体層よりも浅く、前記第3半導体層と前記第5半導体層のいずれからも離れて、第1導電型の第8半導体層が、同時に形成される。
【0054】
本発明に係る製造方法の第の態様では、第1の態様において、前記工程(f) が、(f-1) 前記上主面の上方に遮蔽体を選択的に形成する工程と、(f-2) 前記遮蔽体を利用して前記上主面に第1導電型の不純物を選択的に注入し、その後、拡散することにより、前記第7半導体層を形成すると同時に、前記上主面の中で、前記第3半導体層の端縁よりも内側の領域に、前記第3半導体層よりも不純物濃度が高い第1導電型の第8半導体層を、前記第1領域に露出するとともに前記第2領域には露出しないように形成する工程と、を備える。
【0055】
本発明に係る半導体装置の第1の態様では、第1ゲート電極が対向する第3半導体層の第2領域に第1チャネル領域が形成され、第2ゲート電極が対向する第6半導体層の露出面に、第1チャネル領域とは逆の導電形式を有する第2チャネル領域が形成される。第1チャネル領域に反転層が形成されるように、第1および第2ゲート電極に所定のゲート電圧を印加すると、装置は導通状態となる。このとき、第1半導体層で発生したキャリア、すなわち第2半導体層における少数キャリアによって主に担われる主電流が、第5半導体層には流れず、専ら第3半導体層を流れる。このためキャリアの蓄積効果によって、オン電圧が低く抑えられる。
【0056】
一方、装置を遮断状態とするときに、第2チャネル領域に反転層が形成されるように、第1および第2ゲート電極に所定のゲート電圧を印加すると、残留キャリアによる主電流は、第3および第5半導体層の双方を流れる。このため、ターンオフの際の第3半導体層を流れる主電流の密度が低減されるので、ターンオフ耐量が向上し、動作領域が広く確保される。また、CSTBTとは異なり、第3半導体層を囲む第2導電形式の半導体層を設ける必要がないので、この半導体層に由来する耐圧劣化の問題も生じない。すなわち、高い耐圧の維持および広い動作領域と、オン電圧の低減とが両立的に実現する。
【0057】
本発明に係る半導体装置の第の態様では、第1および第2ゲート電極が電気的に接続されているので、個別にゲート電圧を印加する必要がない。
【0058】
本発明に係る半導体装置の第の態様では、第3半導体層と第7半導体層とに挟まれた第2半導体層の露出面がゲート電極に覆われているので、この露出面における電位勾配が均一化され、電界の集中が緩和される。このため、装置の耐圧が向上する。
【0059】
本発明に係る半導体装置の第の態様では、第2ゲート電極に比べて第1ゲート電極の方が、上主面を覆う面積が大きいために、半導体基体との間の寄生容量が大きい。このため、端部において同一のゲート電圧が印加されても、電圧の変化は、第2ゲート電極の方が第1ゲート電極よりも早くなる。その結果、外部から単一のゲート電圧を付与するだけで、ターンオフの際の主電流の第3半導体層への集中をさらに緩和することができる。
【0060】
本発明に係る半導体装置の第の態様では、二つのゲート電極が電気的に絶縁されているので、装置をターンオフする際に、第1ゲート電極よりも第2ゲート電極の電圧が早く変化するように、ゲート電圧を個別に入力することが可能である。それによって、ターンオフの際の主電流の第3半導体層への集中をさらに緩和することができる。
【0061】
本発明に係る半導体装置の第の態様では、第6半導体層が露出する面に、第3半導体層と同一の導電型を有する第8半導体層が形成されるので、第1チャネル領域と第2チャネル領域との間で導電型が共通となる。このため、装置を導通状態にするときには、双方のチャネル領域に反転層が形成されるように、第1および第2ゲート電極へ所定のゲート電圧を共通に印加することにより、主電流の経路を第3半導体層に制限することが可能である。これにより、キャリアの蓄積効果が高められ、オン電圧が低く抑えられる。
【0062】
一方、装置を遮断状態にするときには、双方のチャネル領域から反転層が消失するように、第1および第2ゲート電極へ、ゼロ電圧を共通に印加すればよい。このとき、第8半導体層を通じて第6半導体層が第1主電極へと電気的に接続されるので、残留キャリアによる主電流は、第3および第5半導体層の双方を流れる。このため、ターンオフ耐量が向上し、動作領域が広く確保される。すなわち、動作領域を狭めることなくオン電圧の低減を図る上で、ゲート電圧として負の電圧を印加する必要がないので、使用上の利便性が高い。
【0063】
本発明に係る半導体装置の第の態様では、第2半導体層が露出する面に第8半導体層が選択的に形成されているので、空乏層の境界が平坦化される。このため、装置の耐圧が向上する。
【0064】
本発明に係る半導体装置の第の態様では、第2半導体層の露出面の中で第1および第2ゲート電極のいずれにも覆われない部分に、第8半導体層が形成されているので、第1および第2ゲート電極のいずれにも覆われない部分への電界の集中が緩和され、耐圧の劣化が抑制される。
【0065】
本発明に係る半導体装置の第の態様では、第3、第5、および、第9半導体層が、深さおよび不純物濃度に関して、互いに同一であるので、同一の遮蔽体を用いた単一の工程の中で、これらを同時に形成することができる。すなわち、製造工程の簡易化を図ることができる。
【0066】
本発明に係る半導体装置の第1の態様では、多層体が複数個存在するので、ターンオフの際に主電流が流れる経路となる第2チャネル領域が、多層体が単数であるときに比べて多く配置されることとなる。このため、ターンオフの際の主電流の第3半導体層への集中が、さらに緩和される。
【0067】
本発明に係る半導体装置の第1の態様では、多層体が第3半導体層を囲むように環状に形成されているので、第1チャネル領域よりも第2チャネル領域の方が、チャネル幅が広くなる。しかも、MOSFET領域率も容易に低く設定することができる。このため、広い動作領域を維持しつつ、オン電圧をさらに低減することが可能である。
【0068】
本発明に係る半導体装置の第1の態様では、第3半導体層よりも不純物濃度の高い第8半導体層が備わり、この第8半導体層が第1主電極へと接続される。このため、主電流の通過にともなって発生する第3半導体層と第4半導体層の間の電位差が低く抑えられるので、ラッチアップ耐量が向上する。
【0069】
本発明に係る半導体装置の第1の態様では、第7半導体層と第8半導体層とが、深さおよび不純物濃度において、共通しているので、同一の遮蔽体を用いた単一の工程の中で、これらを同時に形成することができる。すなわち、製造工程の簡易化を図ることができる。
【0070】
本発明に係る半導体装置の第1の態様では、第3半導体層と第5半導体層とが、深さおよび不純物濃度において、共通しているので、同一の遮蔽体を用いた単一の工程の中で、これらを同時に形成することができる。すなわち、製造工程の簡易化を図ることができる。
【0071】
本発明に係る半導体装置の製造方法の第1の態様では、第1の態様の半導体装置を、不純物の導入工程をはじめとする通常のウェハプロセスを組み合わせて用いることによって、容易に製造することができる。
【0072】
本発明に係る半導体装置の製造方法の第の態様では、第1および第2ゲート電極が同時に形成されるとともに、これらの電極を遮蔽体として用いて不純物の注入が行われることによって、第3および第5半導体層が同時に形成される。このため、工程数が少なく、製造が能率的であるという効果とともに、第1および第2ゲート電極と、第3および第5半導体層との間の位置関係を、マスクパターンの位置合わせを要することなく、精度よく定めることができるという効果が得られる。
【0073】
本発明に係る半導体装置の製造方法の第の態様では、第1および第2ゲート電極が、単一のゲート電極の一部として同時に形成されるので、第1および第2ゲート電極が電気的に接続された装置が、簡単な工程を通じて得られる。
【0074】
本発明に係る半導体装置の製造方法の第の態様では、第1および第2電極を遮蔽体として用いて不純物の注入が行行われることによって、第3および第5半導体層と併せて第8半導体層も同時に形成される。このため、工程数が少なく、製造が能率的であるという効果とともに、第1および第2ゲート電極に覆われない第2半導体層の露出面の部分と、第8半導体層との間の位置関係を、マスクパターンの位置合わせを要することなく、精度よく定めることができるという効果が得られる。
【0075】
本発明に係る半導体装置の製造方法の第の態様では、単一の遮蔽体を用いて不純物の注入が行行われることによって、第7および第8半導体層が同時に形成される。このため、第8半導体層を備える装置を、少ない工程数で能率よく製造することができる。
【0076】
この発明の目的、特徴、局面、および利点は、以下の詳細な説明と添付図面とによって、より明白となる。
【0077】
発明を実施するための最良の形態
<1.実施の形態1>
はじめに、実施の形態1の半導体装置について説明する。
【0078】
<1-1.装置の構成>
第2図は、この実施の形態の半導体装置の平面図である。この装置101は、第41図に示した従来装置150と同様に、多数のユニットセルを有する「縦型」でしかも「平面型」の電力用IGBTとして構成されている。この点は、以下に述べるすべての実施の形態の装置に共通する。
【0079】
第2図に示すように、装置101の上面には、一辺の中央部に隣接するように矩形のゲートパッドGPが設けられ、ゲートパッドGPにはゲート配線GLが接続されている。ゲート配線GLは、装置101の上面の外周に沿って配設されるとともに、一辺から対向する他の一辺へ向かって櫛歯状に突出するように配設されている。
【0080】
すなわち、ゲート配線GLは、上面をあたかも等分割するように配設されている。そして、ゲート配線GLに包囲される領域の全面にわたって、エミッタ電極13が形成されている。第2図には示されないが、エミッタ電極13の下方(第2図において、紙面の奥側)には、ユニットセルとしてのIGBTセルが、櫛歯状のゲート配線GLに直交するストライプ状に多数配列している。
【0081】
第1図および第3図は、第2図のA−A切断線に沿った装置101の断面図である。第1図は、ユニットセルの半分について、その全体構造を示しているのに対し、第3図は、1個のユニットセルについて、その上部の構造を断面斜視図の形式で示している。これらの第1図および第3図が示すように、装置101には、上主面と下主面とを規定する平板状の半導体基体90が、その主要部として備わっている。以下の説明では、半導体基体90が、最も代表的なシリコンを母材とする例を取り上げるが、言うまでもなく、この発明はこの例に限定されるものではない。
【0082】
半導体基体90には、高濃度のp型不純物(第1導電型の不純物)を含むpコレクタ層(第1半導体層)1と、その上に形成され、n型不純物(第2導電型の不純物)を含むn層2(第2半導体層)とが備わっている。n層2には、pコレクタ層1との間に接合部を有し、n型不純物を高濃度に含むn+バッファ層20と、半導体基体90の上主面に露出し、n型不純物を低濃度に含むn-層3とが備わっている。pコレクタ層1は半導体基体90の下主面に露出している。
【0083】
一つのユニットセルUCは、半導体基体90の主面(上主面と下主面とを、単に「主面」と総称する)に沿って、第1MOS領域15と第2MOS領域16とに分割されている。第1MOS領域15においては、n-層3が露出する面の中に、p型不純物を含有するpベース層(第3半導体層)6が選択的に形成されている。pベース層6は、n-層3よりも浅く形成されている。pベース層6が露出する面の中には、n型不純物を高濃度に含むn+エミッタ層(第4半導体層)11が選択的に形成されている。n+エミッタ層11は、pベース層6よりも浅く、しかも、pベース層6の内側に形成されている。
【0084】
pベース層6が露出する面の中には、さらに、p型不純物を高濃度に含むp+層(第8半導体層)9が選択的に形成されている。p+層9は、pベース層6よりも浅く、しかも、pベース層6の内側に形成されている。n+エミッタ層11は、単一のpベース層6の中で、二つの領域に分離されている。そして、p+層9は、半導体基体90の上主面の中で、n+エミッタ層11の二つの領域に挟まれた第1領域に、選択的に露出する。
【0085】
+層9に含まれるp型不純物の濃度は、pベース層6に含まれるp型不純物の濃度よりも高く、n+エミッタ層11に含まれるn型不純物の濃度よりも低く設定されている。上主面に沿ったp+層9の端縁は、上主面に沿ったn+エミッタ層11の外側端縁(ここでは、分離された二つの領域の互いに向き合う端縁を「内側端縁」、互いに向き合わない端縁を「外側端縁」と称する)の外側に、はみ出さないように設定されている。したがって、半導体基体90の上主面の中で、n+エミッタ層11の分離された二つの領域の各々とn-層3とに挟まれた2個の第2領域では、p+層9は露出せず、pベース層6のみが露出する。
【0086】
上主面の中で、p+層9が露出する第1領域と、n+エミッタ層11が露出する面の一部とに、エミッタ電極(第1主電極)13が接続されている。また、pベース層6が露出する第2領域の上には、ゲート絶縁膜(絶縁膜)4およびゲート電極5が形成されている。すなわち、pベース層6が露出する第2領域には、ゲート絶縁膜4を間に挟んで、ゲート電極5が対向している。その結果、第2領域は、チャネル領域CH1としての機能を果たすこととなる。
【0087】
第2MOS領域16においては、n-層3が露出する面の中に、p型不純物を含有するpベース層(第5半導体層)7が選択的に形成されている。pベース層7は、n-層3よりも浅く、しかも、pベース層6から離れて形成されている。また、pベース層7は、好ましくは、不純物濃度と深さとにおいて、pベース層6と同一に形成される。このとき、pベース層6とpベース層7とを、単一のマスクパターンを用いて、単一の工程で形成することが可能となる。
【0088】
pベース層7が露出する面の中には、n型不純物を含有するn層(第6半導体層)8が選択的に形成されている。n層8は、pベース層7よりも浅く、しかも、pベース層7の内側に形成されている。また、n層8が露出する面の中には、さらに、p型不純物をpベース層7よりも高い濃度で含むp+層(第7半導体層)10が選択的に形成されている。p+層10は、n層8よりも浅く、しかも、n層8の内側に形成されている。p+層10は、好ましくは、不純物濃度と深さとにおいて、p+層9と同一に形成される。このとき、p+層9とp+層10とを、単一のマスクパターンを用いて、単一の工程で形成することが可能となる。
【0089】
+層10が露出する面の一部には、エミッタ電極13が接続されている。また、ゲート電極5は、n層8が露出する面にも、ゲート絶縁膜4を間に挟んで対向している。その結果、n層8が露出する面は、チャネル領域CH2としての機能を果たすこととなる。エミッタ電極13とゲート電極5の間は、層間絶縁膜12によって、電気的に絶縁されている。
【0090】
半導体基体90の下主面、すなわち、pコレクタ層1が露出する面には、コレクタ電極(第2主電極)14が接続されている。これらのエミッタ電極13およびコレクタ電極14は、一対の主電極として機能する。半導体基体90の上主面の中で、pベース層6,7の外側においてn-層3が露出している面、および、pベース層7が露出する面にも、ゲート電極5が、ゲート絶縁膜4を間に挟んで対向している。このことは、n-層3の露出面に沿った電位勾配を均一化し、電界の集中を抑える機能を果たし、それによって装置101の耐圧の向上に寄与する。
【0091】
第3図に示すように、pベース層6,7をはじめとする半導体基体90の上主面に選択的に形成された各種の半導体層は、ユニットセルUCがストライプ状に延在する方向に沿って、いずれもストライプ状に形成されている。また、ゲート電極5も、同様にストライプ状に形成されており、その延在方向の端部では、ゲート配線GL(第2図)に接続されている。
【0092】
なお、ゲート絶縁膜4は、第1MOS領域15の上方に位置する部分を第1絶縁膜と定義し、第2MOS領域16の上方に位置する部分を第2絶縁膜と定義することも可能である。同様に、ゲート電極5は、第1MOS領域15の上方に位置する部分を第1ゲート電極と定義し、第2MOS領域16の上方に位置する部分を第2ゲート電極と定義することが可能である。装置101では、第1および第2絶縁膜が、一体的に連結してゲート絶縁膜4を構成し、第1および第2ゲート電極が、一体的に連結してゲート電極5を構成している。しかしながら、一般には、それらを分離して配置することも可能である。このような例については、実施の形態2で詳述する。
【0093】
<1-2.装置の動作>
装置101を使用する際には、従来装置150と同様に、エミッタ電極13とコレクタ電極14の間に、(通常は、負荷を介して)電源が接続される。それによって、コレクタ電極14とエミッタ電極13との間には、エミッタ電極13を基準としてコレクタ電極14の電位が正となるように、コレクタ電圧が印加される。この状態で、エミッタ電極13を基準としてゲート電極5へ印加される電圧、すなわちゲート電圧を調整することによって、コレクタ電極14からエミッタ電極13へと流れる主電流(コレクタ電流)の大きさが制御される。
【0094】
ゲート電圧として、第1MOS領域15のチャネル領域CH1に固有の正のゲート閾電圧を超える正の電圧が印加されると、ゲート電極5の直下に位置するチャネル領域CH1が、本来のp型からn型へと反転する。すなわち、チャネル領域CH1に、n型の反転層が形成される。その結果、第4図に示すように、n+エミッタ層11からチャネル領域CH1を経由して、n-層3へと注入される電子の流れ、すなわち電子電流Jeが発生する。第4図では、電子電流Jeの向きを、電流の向き(正電荷の流れの向き)ではなく、電子の流れの向きで表示している。
【0095】
一方、第2MOS領域16では、n層8とエミッタ電極13との間には、p+層10が介在しており、n層8とp+層10との間は、逆バイアスによってオフ状態となるので、n層8とエミッタ電極13の間は電気的に絶縁される。このため、n層8からの電子の供給は行われない。
【0096】
チャネル領域CH1を経由してn-層3へと注入された電子により、pコレクタ層1とn層2(n-層3とn+バッファ層20とを含む)との間が順バイアスされるので、pコレクタ層1からn-層3へとホールが注入される。その結果、n-層3は伝導度変調を引き起こし、n-層3の抵抗が大幅に低下するので、コレクタ電極14からエミッタ電極13へと大きな主電流が流れる。すなわち、装置101は導通状態(オン状態)となる。
第2MOS領域16では、pベース層7とエミッタ電極13との間に、n層8とp+層10とが介在しており、n層8とp+層10の間が逆バイアスによってオフ状態となるので、pベース層7とエミッタ電極13の間は電気的に絶縁される。このため、主電流は、pベース層7を経由することなく、pベース層6およびp+層9を経由してエミッタ電極13へと流れる。すなわち、主電流の大半を担うホール電流Jhは、pベース層6,7の中で、pベース層6のみを選択的に流れる。
【0097】
したがって、pベース層6の幅であるベース幅Wp(第3図)のセル幅Wcellに対する比率、すなわち、MOSFET領域率αを、所望する任意の低い値へと設定することによって、キャリア蓄積効果を高めて、オン電圧を所望の低い値へと抑えることが可能となる。
【0098】
つぎに、ゲート電圧が負の値へと転換されると、チャネル領域CH1は、本来のp型へと復帰する。その結果、第5図に示すように、n+エミッタ層11からの電子の注入が止まるので、pコレクタ層1からのホールの注入も停止する。その後、n-層3(および、n+バッファ層20)に溜まっていたホールは、エミッタ電極13へと回収され、やがて消滅する。すなわち、装置101は遮断状態(オフ状態)となる。
【0099】
ターンオフ(オン状態からオフ状態への転換)の際に、ホール電流Jhが減衰して行く過程で、第2MOS領域16が重要な役割を担う。すなわち、ゲート電圧として、第2MOS領域16のチャネル領域CH2に固有の負のゲート閾電圧よりも低い負の電圧が印加されると、ゲート電極5の直下に位置するチャネル領域CH2が、本来のn型からp型へと反転する。すなわち、チャネル領域CH2に、p型の反転層が形成される。
【0100】
その結果、pベース層7は、チャネル領域CH2およびp+層10を通じてエミッタ電極13へと、電気的に接続されることとなる。このため、n-層3に蓄積されたホールは、pベース層6だけでなく、pベース層7をも経由して、エミッタ電極13へと回収されることとなる。すなわち、ターンオフの際のホール電流Jhの経路を、pベース層6とpベース層7の双方が分担する。したがって、pベース層6へのホール電流Jhの集中が緩和されるので、ターンオフの際の耐圧(ターンオフ耐量)が向上し、動作領域が広く確保される。
【0101】
以上のように、装置101では、二種類のMOS領域15,16が設けられるので、動作領域を狭めることなく、オン電圧の低減を図ることが可能である。また、CSTBTとは異なり、pベース層6を取り囲むようにn層を形成する必要もないので、CSTBTに固有の耐圧劣化の問題や動作不良の問題などは、生起されない。
【0102】
また、p+層9,10が、pベース層6,7よりも高い不純物濃度を有するように形成されているので、ホール電流Jhの通過にともなって発生する電圧降下が低く抑えられる。このため、ラッチアップ耐性に優れるという利点が得られる。また、n+バッファ層20が設けられるために、パンチスルーを防止しつつn-層3を薄くすることが可能となっている。
【0103】
<1-3.装置の製造方法>
第6図〜第15図は、装置101の好ましい製造方法を示す製造工程図である。装置101を製造するには、第6図に示すように、シリコンを母材とする平板状の半導体基体90が準備される。半導体基体90には、下主面から上主面へ向かって順に、pコレクタ層1、その上に形成されたn+バッファ層20、さらにその上に形成されたn-層3が備わっている。
【0104】
半導体基体90を形成するには、例えば、pコレクタ層1に相当するp型シリコン基板をまず準備し、その後、その一方主面の上に、n+バッファ層20およびn-層3を、エピタキシャル成長法によって順次積層するとよい。不純物濃度の異なるn+バッファ層20とn-層3は、例えば、エピタキシャル成長の過程で導入される不純物の量を、段階的に変化させることによって得ることができる。
【0105】
つづく第7図の工程では、まず、半導体基体90の上主面の上に、ゲート絶縁膜4のもとになる絶縁膜51が形成される。絶縁膜51は、好ましくは、シリコン酸化物で構成される。つぎに、絶縁膜51の上に、ゲート電極の材料である導電性材料52が層状に堆積される。導電性材料52は、好ましくは、不純物が高濃度にドープされたポリシリコンで構成される。
【0106】
つづく第8図の工程では、まず、形成すべきゲート電極5の形状にパターニングされたレジスト層53が絶縁膜51の上に形成される。その後、レジスト層53を遮蔽体として用いて、導電性材料52に選択的エッチング処理が施される。その結果、導電性材料52が選択的に除去されることによって、ゲート電極5が形成される。レジスト層53は、導電性材料52の上にレジスト層53の材料が層状に形成された後に、写真製版技術を用いてパターニングを行うという、従来周知の技術を用いて容易に得られる。
【0107】
つぎの第9図の工程では、まず、レジスト層53およびゲート電極5を遮蔽体として用いることにより、半導体基体90の上主面に、例えばボロンなどのp型不純物が選択的に注入される。その後、レジスト層53が除去された上で、アニールによって不純物を拡散させる拡散工程が実行される。その結果、n-層3が半導体基体90の上主面に露出する面の中に、pベース層6,7が、選択的に形成される。pベース層6,7は、半導体基体90の上主面の中で、ゲート電極5の直下の部分へも、ある程度侵入する。
【0108】
つぎに、第10図に示すように、半導体基体90の上方において露出する表面を選択的に覆うレジスト層54が形成される。レジスト層54は、半導体基体90の上主面の中でpベース層7が露出する部分の内側の領域の上方に、開口部を選択的に有する。
【0109】
つづく第11図の工程では、まず、レジスト層54を遮蔽体として用いることにより、半導体基体90の上主面に、例えばリンなどのn型不純物が選択的に注入される。その後、レジスト層54が除去された上で、不純物の拡散が行われる。その結果、pベース層7が半導体基体90の上主面に露出する面の中に、n層8が選択的に形成される。n層8は、pベース層7が露出する面の中で、ゲート電極5の直下の部分へも、ある程度侵入するように、レジスト層54の開口部の端縁の位置、および、拡散の条件が設定される。ただし、n層8は、pベース層7よりも浅く、しかも、pベース層7の内側に形成される。
【0110】
つづく第12図の工程では、まず、レジスト層55が、ゲート電極5の上面および側面を選択的に覆うように形成される。つぎに、レジスト層55を遮蔽体として用いて、半導体基体90の上主面に、例えばボロンなどのp型不純物が高濃度に注入される。その後、レジスト層55が除去された上で、不純物の拡散が行われる。
【0111】
その結果、pベース層6が半導体基体90の上主面に露出する面の中に、p+層9が選択的に形成され、同様に、n層8が露出する面の中に、p+層10が選択的に形成される。p+層9,10は、それぞれ、pベース層6およびn層8よりも浅く、しかも、それらの内側に形成される。さらに、p+層10は、その端縁が、半導体基体90の上主面の中で、ゲート電極5の直下の部分の端縁ないし内側に位置するように、形成される。言い換えると、n層8が半導体基体90の上主面に露出する面が、p+層10との境界からpベース層7との境界へ至るすべての幅にわたって、ゲート電極5に対向するように、p+層10の端縁の位置が設定される。
【0112】
つぎの第13図の工程では、まず、レジスト層56が、半導体基体90の上方に露出する表面を選択的に覆うように形成される。レジスト層56は、pベース層6またはp+層9が半導体基体90の上主面に露出する面の上方で、しかも、ゲート電極5の外側において、ゲート電極5の端縁からある範囲にわたって選択的に開口する開口部57を有する。開口部57の一端は、第13図に示すように、ゲート電極5の上に位置してもよい。
【0113】
つぎに、レジスト層56を遮蔽体として用いて、絶縁膜51が選択的に除去される。つづいて、レジスト層56、ゲート電極5、および、絶縁膜51を遮蔽体として、半導体基体90の上主面に、例えば砒素などのn型不純物が高濃度に注入される。その後、レジスト層56が除去された上で、不純物の拡散が行われる。その結果、pベース層6またはp+層9が半導体基体90の上主面に露出する面の中に、n+エミッタ層11が選択的に形成される。n+エミッタ層11は、pベース層6よりも浅く、しかも、pベース層6の内側に形成される。また、n+エミッタ層11は、ゲート電極5の直下の部分へも侵入するとともに、p+層9と交差するように形成される。
【0114】
+エミッタ層11の不純物濃度は、p+層9よりも高く設定される。その結果、n+エミッタ層11とp+層9とが交差する領域は、p+層9からn+エミッタ層11へと置き換えられる。第12図の工程において、p+層9の端縁が、ゲート電極5の直下に位置するように設定されてもよいが、第13図の工程の後には、ゲート電極5の直下に位置する上主面の部分では、p+層9が露出する面はすべて、n+エミッタ層11に置き換えられ、p+層9は露出しないように、n+エミッタ層11の一端縁の位置が設定される。同時に、ゲート電極5の直下から外れた上主面の部分では、n+エミッタ層11とp+層9は露出しても、pベース層6は露出しないように、n+エミッタ層11の他端縁の位置が設定される。
【0115】
なお、第13図の工程において、レジスト層56を、ゲート電極5の上面を覆わないように形成し、砒素を注入する際に、ゲート電極5へも砒素が注入されるようにしてもよい。それにより、ゲート電極5の電気抵抗を低減することができる。
【0116】
つぎに、第14図に示すように、ゲート電極5の上面および側面を覆う層間絶縁膜12が形成される。層間絶縁膜12は、半導体基体90の上方に露出する表面の全体を覆うように、層間絶縁膜12の材料を層状に堆積した後に、写真製版技術を用いて層状の材料をパターニングすることによって形成される。このとき、層間絶縁膜12に覆われない絶縁膜51の部分も同時に除去される。その結果、絶縁膜51からゲート絶縁膜4が形成される。層間絶縁膜12および絶縁膜51のパターニングは、p+層9の少なくとも一部、p+層10の一部、および、n+エミッタ層11の一部が露出するように行われる。
【0117】
つづく第15図の工程では、まず、半導体基体90の上方に露出する表面の上に、例えばアルミニウムを母材とする導電性材料が層状に堆積される。その後、第2図に示すように、エミッタ電極13とゲート配線GLの形状にパターニングされる。その結果、第15図に示すように、p+層9の少なくとも一部、p+層10の一部、および、n+エミッタ層11の一部が、エミッタ電極13へと接続される。
【0118】
その後、第1図に示すように、半導体基体90の下主面、すなわち、pコレクタ層1が露出する面に、コレクタ電極14が接続される。コレクタ電極14は、例えばアルミニウムを母材とする導電性材料で構成される。以上の工程を通じて、装置101が完成する。
【0119】
以上のように、堆積工程、ならびに不純物の注入および拡散工程を主体とする通常のウェハプロセスを、組み合わせて用いることによって、装置101を容易に製造することができる。しかも、pベース層6とpベース層7とが同時に形成され、p+層9とp+層10が同時に形成されるので、工程が特に簡略であるという利点がある。
【0120】
<2.実施の形態2>
第16図は、実施の形態2の半導体装置の正面断面図である。第16図も、第1図と同様に、ユニットセルの半分を示している。この装置102は、ゲート電極5が、第1および第2MOS領域15、16の上方に、それぞれ位置するゲート電極(第1ゲート電極)5aとゲート電極5b(第2ゲート電極)とに、分離して配設されており、ゲート絶縁膜4が、第1および第2MOS領域15、16の上方に、それぞれ位置するゲート絶縁膜(第1絶縁膜)4aとゲート絶縁膜(第2絶縁膜)4bとに、分離して配設されている点において、装置101とは特徴的に異なっている。
【0121】
ゲート電極5aは、ゲート絶縁膜4aを間に挟んでチャネル領域CH1に対向する部分を含んでおり、ゲート電極5bは、ゲート絶縁膜4bを間に挟んでチャネル領域CH2に対向する部分を含んでいる。ゲート電極5aとゲート電極5bには、ゲート電圧を個別に印加することが可能である。
【0122】
第17図は、装置102の平面図である。装置102では、二種類のゲート電極5a,5bを個別に駆動できるように、ゲートパッドGPが、二種類のゲートパッドGP1,GP2に分割されている。そして、ゲートパッドGP1,GP2のそれぞれに、ゲート配線GL1,GL2が接続されている。ゲート配線GL1,GL2はいずれも、櫛歯状に突出するように配設され、しかも、交互に並んでいる。そして、ゲート配線GL1,GL2に直交するストライプ状に、ユニットセルが多数配列している。
【0123】
第18図の部分拡大平面図に示すように、ユニットセルの一端はゲート配線GL1へ達し、他端はゲート配線GL2へ達している。そして、ゲート電極5a(G1)の一端は、ゲート配線GL1へ、コンタクトホール60を通じて接続され、ゲート電極5b(G2)の一端は、ゲート配線GL2へ、コンタクトホール60を通じて接続されている。
【0124】
ゲート配線GL1,GL2の直下には、ゲート配線GL1,GL2と平行に、ゲート電極5a,5bと同一材料(例えば、ポリシリコン)で構成される別のゲート配線61,62が、半導体基体90の上主面の上方に配設されている。これらのゲート配線61,62は、それぞれ、ゲート電極5a,5bと一体的に連結しており、ゲート電極5a,5bが形成される工程の中で、同時に形成可能である。なお、第16図は、第17図および第18図のA−A切断線に沿った断面図に相当する。
【0125】
第19図は、装置102の利点を有効に引き出すようにゲート電極5a,5bに印加されるゲート電圧の波形を示すグラフである。この例では、ゲート電極5a,5bのいずれに対しても、装置102を導通状態にするときには、ゲート電圧として、+15Vが印加され、遮断状態にするときには、−15Vが印加される。装置102をターンオフする際には、ゲート電極5aに印加されるゲート電圧VG1よりも、ゲート電極5bに印加されるゲート電圧VG2の方が、早く引き下げられる。すなわち、ゲート電圧VG2が、チャネル領域CH2の負のゲート閾電圧Vth2を超えて低下する時点を待って、ゲート電圧VG1の引き下げが開始される。
【0126】
その結果、ターンオフの際に、pベース層7を通過するホール電流Jhの比率が高められ、その分、pベース層6を通過するホール電流Jhが小さく抑えられる。このため、ターンオフ耐量がさらに向上し、動作領域がさらに広く確保される。このように、装置102では、二種類のチャネル領域CH1,CH2を、個別に制御することができるので、動作領域をさらに拡大することが可能である。
【0127】
第20図は、装置102の変形例としての半導体装置の断面図である。この装置103では、ゲート電極5a,5bの幅は同一ではなく、ゲート電極5bの幅がゲート電極5aの幅よりも狭く設定されている。また、第21図の部分拡大平面図に示すように、装置103では、ゲート配線GL1,GL2の区別がなく、ゲート電極5a,5bのいずれもが、ゲート配線GLへと接続され、互いに電気的に連結されている。装置103の全体平面図は第2図と同一に描かれ、ゲート配線GLは、第2図と同様に配設される。第21図におけるA−A切断線は、第2図におけるA−A切断線と一致し、第20図は、このA−A切断線に沿った断面図に相当する。
【0128】
装置103では、ゲート電極5a,5bの双方の端部が、共通のゲート配線GLに接続され、単一のゲートパッドGPに入力されるゲート電圧が、ゲート電極5a,5bの双方に印加される。しかしながら、ゲート電極5bはゲート電極5aよりも幅が狭いために、半導体基体90の上主面を覆う面積に関して、ゲート電極5bはゲート電極5aよりも小さい。このため、ゲート電極5bと半導体基体90の間に発生する寄生容量は、ゲート電極5aと半導体基体90の間に発生する寄生容量に比べて小さくなる。その結果、共通のゲートパッドGPに入力されたゲート電圧が、ゲート電極5a,5bを伝播する速度を比較すると、ゲート電極5aよりもゲート電極5bを伝播する速度の方が高くなる。
【0129】
このため、ゲート配線GLから幾分離れた領域では、ターンオフの際に、ゲート電極5aに印加されるゲート電圧VG1よりもゲート電極5bに印加されるゲート電圧VG2の方が、早く降下を開始する。すなわち、外部からゲートパッドGPへと単一のゲート電圧が入力されているにもかかわらず、ゲート電圧VG1,VG2は、第19図と同様、ないし、それに近い形態で変化する。このように、装置103では、装置101と同様の簡単な使用方法を用いて、装置102と同様の利点を引き出すことができる。
【0130】
装置102または装置103を製造するには、例えば、実施の形態1で示した製造方法において、第9図と第10図の工程の間に、第22図の工程を実行するとよい。第22図の工程では、まず、形成すべきゲート電極5a,5bの形状にパターニングされたレジスト層63が、半導体基体90の上方に露出する表面の上に形成される。レジスト層63は、ゲート電極5a,5bを互いに引き離す領域の上に、選択的に開口部64を有する。
【0131】
その後、レジスト層63を遮蔽体として用いて、ゲート電極5に選択的エッチング処理が施される。その結果、ゲート電極5が選択的に除去されることによって、ゲート電極5a,5bが形成される。その後、レジスト層63は除去される。つづいて、第10図以下の工程が実行される。このように、装置102,103も、装置101と同様に、通常のウェハプロセスを、組み合わせて用いることによって、容易に製造することが可能である。
【0132】
<3.実施の形態3>
第23図は、実施の形態1の装置101を使用する際に空乏層が発生する領域を示す断面図である。装置101が遮断状態にあるときには、点線で境界21が描かれるように、空乏層がn-層3の中に広がる。MOSFET領域率αを低く設定することによって、オン電圧を低く抑えるためには、pベース層6の幅(すなわち、ベース幅Wp)を一定に保って、セル幅Wcellを長く設定することが有効な手段となる。
【0133】
しかしながら、セル幅Wcellを長くすると、pベース層6,7の相互の間隔が拡大することとなり、pベース層6,7に付随する空乏層が、第23図に示すように、互いに孤立し、連結しなくなる。その結果、空乏層の境界21に湾曲部が現れることとなり、その部分に電界が集中するため、耐圧が劣化する場合がある。第24図の断面図に示す実施の形態3の半導体装置は、空乏層に由来する耐圧の劣化を抑えるように構成されている。この装置104の全体平面図は第2図と同一に描かれ、第24図は、第2図のA−A切断線に沿った断面図に相当する。
【0134】
この装置104では、半導体基体90の上主面の中で、pベース層6,7の外側においてn-層3が露出している面の中に、pベース層6,7のいずれからも離れて、p層(第8半導体層)22が選択的に形成されている。p層22は、n-層3よりも浅く形成され、また、pベース層6とは異なり、エミッタ電極13には接続されない。p層22は、好ましくは、不純物濃度と深さとにおいて、pベース層6,7と同一に形成される。このとき、pベース層6,7およびp層22を、単一のマスクパターンを用いて、単一の工程で形成することが可能となる。
【0135】
装置104では、p層22が設けられているので、遮断状態において、第24図に示すように、pベース層6,7のそれぞれに付随する空乏層が、互いに連結する。その結果、空乏層の境界21が比較的平坦となるので、耐圧が向上する。
【0136】
装置104を製造するには、例えば、実施の形態1で示した製造方法において、第6図と第7図の工程の間に、第25図および第26図の工程を実行するとよい。第25図の工程では、まず、半導体基体90の上主面の上に、ゲート絶縁膜4のもとになる絶縁膜51が形成される。その後、p層22に対応する部位、言い換えると、ゲート電極5を形成すべき領域の中央部に、選択的に開口部66を有するレジスト層65が、絶縁膜51の上に形成される。つづいて、このレジスト層65を遮蔽体として用いることにより、半導体基体90の上主面に、例えばボロンなどのp型不純物が選択的に注入される。
【0137】
その後、第26図に示すように、レジスト層65が除去された上で、不純物の拡散が行われる。その結果、半導体基体90の上主面の中に、開口部66に対応した形状に、p層22が選択的に形成される。p層22は、n-層3よりも浅く形成される。その後、第7図以下の工程が実行される。第7図の工程の前に、絶縁膜51がすでに形成されているために、第7図の工程では、絶縁膜51を形成する工程は略される。このように、装置104も、装置101と同様に、通常のウェハプロセスを、組み合わせて用いることによって、容易に製造することが可能である。
【0138】
<4.実施の形態4>
第27図は、実施の形態4の半導体装置の断面図である。この装置105の全体平面図は第2図と同一に描かれ、第27図は、第2図のA−A切断線に沿った断面図に相当する。装置105は、チャネル領域CH2、すなわち、n層8がゲート電極5に対向するように半導体基体90の上主面に露出する領域に、p層(第8半導体層)23が形成されている点において、装置101とは特徴的に異なっている。p層23は、実施の形態1に示した一連の製造工程の中のいずれかの段階で、p層23に相当する領域に、選択的にp型不純物を注入し、拡散させることによって、形成可能である。
【0139】
装置105では、チャネル領域CH2の導電形式はp型であるので、チャネル領域CH1と同様に、チャネル領域CH2に固有の正のゲート閾電圧Vth2を超えるゲート電圧がゲート電極5に印加されると、チャネル領域CH2すなわちp層23は、n型へと反転する。すなわち、p層23は、あたかもpベース層7と同等となる。その結果、p層23のない装置101と同等に、pベース層7とp+層10との間は、n層8によって絶縁されることとなる。
【0140】
したがって、装置105を導通状態にするときに、ゲート電圧として、チャネル領域CH1のゲート閾電圧Vth1、および、チャネル領域CH2のゲート閾電圧Vth2のいずれよりも高い電圧を印加するよい。そうすることによって、第28図に示すように、装置101と同等に、ホール電流Jhの経路をpベース層6のみに制限し、ホール蓄積効果を高めることが可能となる。
【0141】
このとき、p層23の全体がn層へと反転する必要があるので、装置105を導通状態とするためのゲート電圧の推奨値において、p層23の全体が反転可能なように、p層23の深さが設定される。p層23は、少なくともn層8よりは浅く形成される。
【0142】
一方、正のゲート閾電圧Vth2よりも低い電圧、例えばゼロ電圧が、ゲート電圧として印加されると、チャネル領域CH2すなわちp層23は、本来のp型へと復帰する。その結果、pベース層7は、p層23およびp+層10を通じて、エミッタ電極13へと電気的に接続される。したがって、装置105をターンオフする際には、ゲート電圧として、例えば、ゼロ電圧を印加すればよい。そうすることによって、装置101のゲート電極5に負の電圧を印加した時と同等に、第29図に示すように、ホール電流Jhはpベース層6とpベース層7との双方を経由してエミッタ電極13へと流れ出る。
【0143】
以上のように、装置105では、動作領域を狭めることなくオン電圧の低減を図る上で、ゲート電圧として負の電圧を印加する必要がないので、使用上の利便性が高いという利点がある。
【0144】
<5.実施の形態5>
第30図は、実施の形態5の半導体装置の断面図である。この装置106では、装置102,103と同様に、ゲート電極5がゲート電極5a,5bに分割されている。また、装置104と同様に、半導体基体90の上主面の中で、pベース層6,7の外側においてn-層3が露出している面の中に、pベース層6,7のいずれからも離れて、p層22が選択的に形成されている。装置106では、p層22が、半導体基体90の上主面の中のゲート電極5a,5bの間隙の直下の領域を覆うように形成されている点が特徴的である。
【0145】
ゲート電極5がゲート電極5a,5bに分割され、それらの間に間隙が存在すると、その間隙の直下に位置するn-層3の露出面に沿った電位勾配に不均一が生じ易い。しかしながら、装置106では、p層22が、その間隙を覆うように形成されているので、電界の集中が抑制される。すなわち、p層22が設けられることによって、空乏層の境界21(第24図)が平坦化されるだけでなく、ゲート電極5の分割配置にともなう電界の集中も緩和される。そして、これらの二重の機構を通じて、耐圧の向上がもたらされる。
【0146】
装置106を製造するには、例えば、実施の形態1で示した製造方法において、第8図および第9図の工程に代えて、第31図および第32図の工程を実行するとよい。第31図の工程では、まず、形成すべきゲート電極5a,5bの形状にパターニングされたレジスト層67が絶縁膜51の上に形成される。その後、レジスト層67を遮蔽体として用いて、導電性材料52に選択的エッチング処理が施される。その結果、導電性材料52が選択的に除去されることによって、ゲート電極5a,5bが形成される。
【0147】
つぎの第9図の工程では、まず、レジスト層67およびゲート電極5a,5bを遮蔽体として用いることにより、半導体基体90の上主面に、例えばボロンなどのp型不純物が選択的に注入される。その後、レジスト層67が除去された上で、不純物の拡散が行われる。その結果、n-層3が半導体基体90の上主面に露出する面の中に、pベース層6,7およびp層22が、互いに離れるように、選択的に形成される。
【0148】
pベース層6,7は、半導体基体90の上主面の中で、それぞれゲート電極5a,5bの直下の部分へ、ある程度侵入する。また、p層23も、同様に、ゲート電極5a,5bの直下の部分へ、ある程度侵入する。その後、第10図以下の工程が実行される。このように、pベース層6,7およびp層22は、共通の工程の中で同時に形成することが可能である。
【0149】
<6.実施の形態6>
第33図は、実施の形態6の半導体装置の断面図であり、1個のユニットセルの全体にわたって、半導体基体90の上主面の付近の構造を示している。第3図と比較すると明瞭であるように、この装置107では、単一のユニットセルUCの中に、第1MOS領域15に属する単一のpベース層6と、第2MOS領域16に属する複数個(第33図では3個)のpベース層7とが、備わっている。複数個のpベース層7の内側の構造、および、それらのゲート電極5、エミッタ電極13との関係は、第3図のpベース層7と同一である。
【0150】
言い換えると、pベース層7、n層8、および、p+層10を有する多層体が、第3図の装置では、単一のユニットセルUCの中に1個存在しているのに対し、第33図の装置では、単一のユニットセルUCの中で3個の単位多層体へと分割して配置されている。同じく、ゲート電極5の中で、第1,第2MOS領域15,16の上方に位置する部分を、それぞれ、第1、第2ゲート電極と称し、ゲート絶縁膜4の中で、第1、第2MOS領域15,16の上方に位置する部分を、それぞれ、第1、第2絶縁膜と称すると、第33図の装置では、第2ゲート電極と第2絶縁膜は、それぞれ3個の単位第2ゲート電極、および、3個の単位第2絶縁膜へと分割配置されていると表現することができる。そして、各単位多層体、各単位第2ゲート電極、各単位第2絶縁膜の間の位置関係は、第3図における、多層体、第2ゲート電極、第2絶縁膜の間の位置関係と等価である。
【0151】
すでに述べたように、MOSFET領域率αを低く設定することによって、オン電圧を低く抑えるためには、pベース層6の幅を一定に保って、セル幅Wcellを長く設定することが有効な手段となる。このとき、セル幅Wcellが広くなった分だけ、pベース層7の個数を増やすことによって、1個のユニットセルUCの中のチャネル領域CH2の個数を増やすことができる。
【0152】
それによって、ターンオフの際に流れるホール電流Jhが、pベース層7へとバイパスされる比率が高くなり、pベース層6におけるホール電流Jhの密度が緩和される。その結果、ターンオフ耐量がさらに向上し、動作領域が一層広く確保される。このように、装置107では、単一のユニットセルUCの中に、第2MOS領域16に属する複数個のpベース層7が設けられるので、広い動作領域を維持しつつ、オン電圧をさらに低減することが可能である。また、装置107は、実施の形態1の製造方法において、単一のユニットセルUCの中に形成されるpベース層7、n層8などの個数を、第33図に整合するように変更することによって、容易に製造可能である。
【0153】
<7.実施の形態7>
第34図は、実施の形態7の半導体装置の部分平面図である。この装置108では、ユニットセルUCはストライプ状ではなく、半導体基体90の主面に沿って、マトリクス状に配列されている。各ユニットセルUCに属するゲート電極5は、架橋部30を通じて、互いに接続されている。架橋部30はゲート電極5と一体的に連結しており、ゲート電極5が形成される工程の中で、同時に形成可能である。装置108の全体の平面図は、例えば第2図と同一に描かれ、ゲート配線GLに最近接するユニットセルUCのゲート電極5または架橋部30が、ゲート配線GLへと接続される。
【0154】
第34図のB−B切断線に沿った断面、および、C−C切断線に沿った断面のいずれも、第1図と同一に表される。したがって、装置108では、単一のユニットセルUCの中で、第2MOS領域16が、第1MOS領域15を、半導体基体90の主面に沿って環状に取り巻くように配置されている。すなわち、単一のユニットセルUCの中で、pベース層6は、孤立した島状に形成され、pベース層7は、pベース層6を環状に取り囲むように形成される。
【0155】
このため、MOSFET領域率αが低く設定し易く、しかも、チャネル領域CH2がpベース層6の周囲を囲むように配置されるので、ターンオフの際に流れるホール電流Jhが、pベース層7へとバイパスされる比率が高くなり、pベース層6におけるホール電流Jhの密度が緩和される。その結果、ターンオフ耐量がさらに向上し、動作領域が一層広く確保される。このように、装置108では、単一のユニットセルUCの中に、島状の第1MOS領域15を環状に包囲するように第2MOS領域16が配置されるので、広い動作領域を維持しつつ、オン電圧をさらに低減することが可能である。
【0156】
装置108のB−B切断線、および、C−C切断線に沿った断面の構造は、装置101のA−A切断線(第2図)に沿った断面の構造と同一であるので、装置108は、実施の形態1で説明した製造方法を用いて製造可能である。その際に、第8図の工程では、ゲート電極5を、第34図に示す環状となるように形成するとよい。
【0157】
<8.変形例>
(1) 以上に説明した各実施の形態は、互いに組み合わせて実施することも可能である。例えば、第35図の断面図に示すように、実施の形態2の装置102と実施の形態4の装置105の双方の特徴を兼ね備える装置を構成することが可能である。この装置109では、ゲート電極5がゲート電極5a,5bに分割されるとともに、p層23が備わっている。それにより、装置109では、装置102と装置105の双方の利点が得られる。また、装置109は、装置102と装置105の双方の製造工程を組み合わせることによって、容易に製造可能である。
【0158】
また、第36図の断面図に示すように、実施の形態3の装置104と実施の形態4の装置105の双方の特徴を兼ね備える装置を構成することも可能である。この装置110では、p層22とp層23の双方が備わっている。それにより、装置110では、装置104と装置105の双方の利点が得られる。また、装置110は、装置104と装置105の双方の製造工程を組み合わせることによって、容易に製造可能である。これらの例示に限られることなく、様々な組み合わせが可能である。
【0159】
(2) 以上の各実施の形態の装置では、p+層9が備わっており、pベース層6は抵抗の低いp+層9を通じてエミッタ電極13へと接続されていた。それによって、ラッチアップ耐量を高めることができた。しかしながら、高いラッチアップ耐量が要求されない装置であれば、第37図の断面図に例示するように、p+層9を省いて構成することも可能である。この装置111では、p+層9は備わっておらず、pベース層6は直接にエミッタ電極13へと接続されている。また、p+層10の不純物濃度を、pベース層7の不純物濃度と同程度に設定することも可能である。
【0160】
装置111を製造するには、例えば、実施の形態1で示した製造方法において、第12図の工程に代えて、第38図の工程を実行するとよい。第38図の工程では、まず、レジスト層71が、ゲート電極5の上面および側面、並びに、pベース層6の上方に位置する絶縁膜51の部分を選択的に覆うように形成される。すなわち、レジスト層71は、半導体基体90の上主面の中でn層8が露出する部分の内側の領域の上方に、開口部を選択的に有する。
【0161】
つぎに、レジスト層71を遮蔽体として用いて、半導体基体90の上主面に、例えばボロンなどのp型不純物が高濃度に注入される。その後、レジスト層71が除去された上で、不純物の拡散が行われる。その結果、n層8が露出する面の中に、p+層10が選択的に形成される。p+層10は、n層8よりも浅く、しかも、n層8の内側に形成される。さらに、第12図の工程と同様に、p+層10は、その端縁が、半導体基体90の上主面の中で、ゲート電極5の直下の部分の端縁ないし内側に位置するように、形成される。その後、第13図以下の工程が実行される。
【0162】
(3) 各実施の形態の装置では、p+層9がpベース層6よりも浅く、pベース層6の内側に形成されていた。しかしながら、p+層9は、pベース層6よりも深く、pベース層6の下方にはみ出すように形成されてもよい。第39図は、その一例を示す断面図である。この装置112では、p+層9の代わりに、pベース層6よりも深いp+層32が備わっている。
【0163】
ただし、p+層32は、チャネル領域CH1を避けるように形成されている。すなわち、半導体基体90の上主面に沿ったp+層32の端縁が、n+エミッタ層11が露出する面の中に位置するように設定される点は、装置101などにおけるp+層9と変わりない。それによって、チャネル領域CH1のゲート閾電圧Vth1が、p+層32の影響を受けることを回避することができる。この装置112では、p+層32がpベース層6よりも深く形成されているので、ホール電流Jhの通過にともなう電圧降下がさらに低く抑えられる。このため、ラッチアップ耐量がさらに向上するという利点が得られる。
【0164】
装置112を製造するには、例えば、実施の形態1で示した製造方法において、第12図の工程に代えて第40図の工程を実行した後に、第38図の工程を実行するとよい。第40図の工程では、まず、レジスト層72が、ゲート電極5の上面および側面、並びに、n層8の上方に位置する絶縁膜51の部分を選択的に覆うように形成される。すなわち、レジスト層71は、半導体基体90の上主面の中でpベース層6が露出する部分の内側の領域の上方に、開口部を選択的に有する。
【0165】
つぎに、レジスト層72を遮蔽体として用いて、半導体基体90の上主面に、例えばボロンなどのp型不純物が高濃度に注入される。その後、レジスト層72が除去された上で、不純物の拡散が行われる。その結果、pベース層6が半導体基体90の上主面に露出する面の中に、p+層32が選択的に形成される。p+層32は、pベース層6よりも浅く、しかも、pベース層6の内側に形成される。その後、第38図の工程につづいて、実施の形態1で述べた第13図以下の工程が実行される。
【0166】
第40図の工程において、p+層32の端縁が、ゲート電極5の直下に位置するように設定されてもよいが、第13図の工程の後には、ゲート電極5の直下に位置する上主面の部分では、p+層9が露出する面はすべて、n+エミッタ層11に置き換えられ、p+層9は露出しないように、n+エミッタ層11の一端縁の位置が設定される。同時に、ゲート電極5の直下から外れた上主面の部分では、n+エミッタ層11とp+層32は露出しても、pベース層6は露出しないように、n+エミッタ層11の他端縁の位置が設定される。
【0167】
(4) 各実施の形態では、チャネル領域CH1がnチャネルであるIGBT、すなわち、nチャネル型IGBTを例として説明した。しかしながら、各装置に備わる各半導体層の導電形式が反転することによって、pチャネル型IGBTを構成することも可能である。これらのpチャネル型IGBTにおいても、上述した各実施の形態の装置と同様の効果が得られる。
【0168】
この発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
【図面の簡単な説明】
【0169】
【図1】実施の形態1の装置の正面断面図である。
【図2】実施の形態1の装置の平面図である。
【図3】実施の形態1の装置の部分断面斜視図である。
【図4】実施の形態1の装置の動作説明図である。
【図5】実施の形態1の装置の動作説明図である。
【図6】実施の形態1の装置の製造工程図である。
【図7】実施の形態1の装置の製造工程図である。
【図8】実施の形態1の装置の製造工程図である。
【図9】実施の形態1の装置の製造工程図である。
【図10】実施の形態1の装置の製造工程図である。
【図11】実施の形態1の装置の製造工程図である。
【図12】実施の形態1の装置の製造工程図である。
【図13】実施の形態1の装置の製造工程図である。
【図14】実施の形態1の装置の製造工程図である。
【図15】実施の形態1の装置の製造工程図である。
【図16】実施の形態2の装置の正面断面図である。
【図17】実施の形態2の装置の平面図である。
【図18】実施の形態2の装置の部分拡大平面図である。
【図19】実施の形態2の装置の使用形態を説明するグラフである。
【図20】実施の形態2の装置の別の例を示す正面断面図である。
【図21】実施の形態2の装置の別の例の部分拡大平面図である。
【図22】実施の形態2の装置の製造工程図である。
【図23】実施の形態3の装置と比較対照される装置の動作説明図である。
【図24】実施の形態3の装置の動作説明図である。
【図25】実施の形態3の装置の製造工程図である。
【図26】実施の形態3の装置の製造工程図である。
【図27】実施の形態4の装置の正面断面図である。
【図28】実施の形態4の装置の動作説明図である。
【図29】実施の形態4の装置の動作説明図である。
【図30】実施の形態5の装置の正面断面図である。
【図31】実施の形態5の装置の製造工程図である。
【図32】実施の形態5の装置の製造工程図である。
【図33】実施の形態6の装置の正面断面図である。
【図34】実施の形態7の装置の平面断面図である。
【図35】変形例の装置の正面断面図である。
【図36】別の変形例の装置の正面断面図である。
【図37】さらに別の変形例の装置の正面断面図である。
【図38】図37の装置の製造工程図である。
【図39】さらに別の変形例の装置の正面断面図である。
【図40】図39の装置の製造工程図である。
【図41】従来の装置の正面断面図である。
【図42】シミュレーションの結果を示すグラフである。
【図43】シミュレーションの結果を表形式で示す説明図である。

Claims (19)

  1. 半導体装置において、
    上主面と下主面を規定する半導体基体(90)を備え、
    当該半導体基体は、
    前記下主面に露出する第1導電型の第1半導体層(1)と、
    当該第1半導体層の上に形成され、前記上主面に露出する第2導電型の第2半導体層(2)と、
    前記上主面の中に、前記第2半導体層よりも浅く、選択的に形成された第1導電型の第3半導体層(6)と、
    当該第3半導体層が露出する面の中に、前記第3半導体層よりも浅く、しかも、当該第3半導体層の内側に、選択的に形成された第2導電型の第4半導体層(11)と、
    前記上主面の中に、前記第2半導体層よりも浅く、しかも、前記第3半導体層から離れて、選択的に形成された第1導電型の第5半導体層(7)と、
    当該5半導体層が露出する面の中に、前記第5半導体層よりも浅く、しかも、当該第5半導体層の内側に、選択的に形成された第2導電型の第6半導体層(8)と、
    当該第6半導体層が露出する面の中に、前記第6半導体層よりも浅く、しかも、当該第6半導体層の内側に、選択的に形成された第1導電型の第7半導体層(10)と、を備え、
    前記第3半導体層が前記上主面に露出する面は、前記第4半導体層によって隔てられた第1領域と第2領域とを含んでおり、これらの中で少なくとも前記第2領域は、前記第4半導体層が露出する面と前記第2半導体層が露出する面とに挟まれており、
    前記装置は、
    前記第2領域に、第1絶縁膜(4,4a)を間に挟んで対向する第1ゲート電極(5,5a)と、
    前記第6半導体層が前記上主面に露出する面に、第2絶縁膜(4,4b)を間に挟んで対向する第2ゲート電極(5,5b)と、
    前記第1領域と前記第4半導体層と前記7半導体層とに接続された第1主電極(13)と、
    前記下主面に接続された第2主電極(14)と、をさらに備え、
    前記第2ゲート電極及び前記第1主電極に所定の電圧がそれぞれ印加された場合であっても、前記第1半導体層、前記第2半導体層、前記第5半導体層、及び前記第6半導体層から成る構造はサイリスタとして動作せず、
    前記第6半導体層と前記第1主電極とは互いに接触していない、半導体装置。
  2. 前記第1ゲート電極と前記第2ゲート電極は、互いに電気的に接続されている請求項1記載の半導体装置。
  3. 前記第1絶縁膜と前記第2絶縁膜は一体的に連結して単一の絶縁膜(4)を構成し、前記第1ゲート電極と前記第2ゲート電極は一体的に連結して単一のゲート電極(5)を構成しており、
    前記第2半導体層が前記第3半導体層と前記第7半導体層とに挟まれて前記上主面に露出する面が、前記単一の絶縁膜を間に挟んで前記単一のゲート電極に覆われている請求項2記載の半導体装置。
  4. 前記上主面を覆う面積に関して、前記第1ゲート電極(5a)は前記第2ゲート電極(5b)よりも大きく、前記第1ゲート電極と前記第2ゲート電極とは、それらの前記上主面に沿った端部において互いに接続されている請求項2記載の半導体装置。
  5. 前記第1ゲート電極(5a)および前記第2ゲート電極(5b)が、互いに電気的に絶縁されている請求項1記載の半導体装置。
  6. 前記半導体基体が、
    前記第6半導体層が前記上主面に露出する前記面に形成された第1導電型の第8半導体層(23)を、さらに備える請求項1記載の半導体装置。
  7. 前記半導体基体が、
    前記第2半導体層が前記上主面に露出する面である露出面の中に、前記第2半導体層よりも浅く、前記第3半導体層と前記第5半導体層のいずれからも離れて、選択的に形成された第1導電型の第9半導体層(22)を、さらに備える請求項1記載の半導体装置。
  8. 前記第1絶縁膜(4a)および前記第1ゲート電極(5a)は、前記露出面の中の前記第3半導体層に隣接する部分をも覆うように延在し、前記第2絶縁膜(4b)および前記第2ゲート電極(5b)は、前記露出面の中の前記第5半導体層に隣接する部分をも覆うように延在しており、
    前記露出面の中で、前記第1ゲート電極と前記第2ゲート電極のいずれにも覆われない面部分が存在し、前記第9半導体層は、前記露出面の中で、前記面部分を含む領域の中に、選択的に形成されている請求項7記載の半導体装置。
  9. 前記第3半導体層、前記第5半導体層、および、前記第9半導体層が、深さおよび不純物濃度に関して、互いに同一である請求項8記載の半導体装置。
  10. 前記第5、第6、および、第7半導体層を含む多層体(7,8,10)が、互いに離れて形成された複数の単位多層体(7,8,10)へと分割されており、
    前記第2絶縁膜(4b)および前記第2ゲート電極(5b)が、それぞれ、複数の単位第2絶縁膜(4b)および複数の単位第2ゲート電極(5b)を備えており、
    前記複数の単位多層体の各々に含まれる前記第6半導体層の部分が前記上主面に露出する面に、前記複数の単位第2絶縁膜の一つを間に挟んで前記複数の単位第2ゲート電極の一つが対向しており、
    前記複数の単位多層体の各々に含まれる前記第7半導体層の部分に、前記第1主電極が接続されている請求項1記載の半導体装置。
  11. 前記第5、第6、および、第7半導体層を含む多層体(7,8,10)が、前記第3半導体層を包囲するように環状に形成されている請求項1記載の半導体装置。
  12. 前記半導体基体が、
    前記上主面の中で、前記第3半導体層の端縁よりも内側の領域に選択的に形成され、前記第1領域に露出するとともに前記第2領域には露出せず、前記第3半導体層よりも高い不純物濃度を有する第2導電型の第10半導体層(9)を、さらに備え、
    前記第1主電極は、前記第10半導体層を通じて前記第3半導体層へ接続されている請求項1記載の半導体装置。
  13. 前記第7半導体層および前記第10半導体層は、深さおよび不純物濃度に関して、互いに同一である請求項12記載の半導体装置。
  14. 前記第3半導体層および前記第5半導体層は、深さおよび不純物濃度に関して、互いに同一である請求項1記載の半導体装置。
  15. 半導体装置の製造方法において、
    (a) 上主面と下主面を規定し、当該下主面に露出する第1導電型の第1半導体層(1)と、当該第1半導体層の上に形成され、前記上主面に露出する第2導電型の第2半導体層(2)とを備える半導体基体(90)を準備する工程と、
    (b) 前記上主面に第1導電型の不純物を選択的に導入することにより、前記上主面の中に、前記第2半導体層よりも浅く、第1導電型の第3半導体層(6)を選択的に形成する工程と、
    (c) 前記上主面に第1導電型の不純物を選択的に導入することにより、前記上主面の中に、前記第2半導体層よりも浅く、しかも、前記第3半導体層から離れて、第1導電型の第5半導体層(7)を選択的に形成する工程と、
    (d) 前記上主面に第2導電型の不純物を選択的に導入することにより、前記第3半導体層が露出する面の中に、前記第3半導体層よりも浅く、しかも、当該第3半導体層の内側 に、第2導電型の第4半導体層(11)を選択的に形成する工程と、を備え、
    当該工程 (d) では、前記第3半導体層が前記上主面に露出する面が、前記第4半導体層によって隔てられた第1領域と第2領域とを含み、これらの中で少なくとも前記第2領域は、前記第4半導体層が露出する面と前記第2半導体層が露出する面とに挟まれるように、前記第4半導体層が形成され、
    前記製造方法は、
    (e) 前記上主面に第2導電型の不純物を選択的に導入することにより、前記5半導体層が露出する面の中に、前記第5半導体層よりも浅く、しかも、当該第5半導体層の内側に、第2導電型の第6半導体層(8)を選択的に形成する工程と、
    (f) 前記上主面に第1導電型の不純物を選択的に導入することにより、前記第6半導体層が露出する面の中に、前記第6半導体層よりも浅く、しかも、当該第6半導体層の内側に、第1導電型の第7半導体層(10)を選択的に形成する工程と、
    (g) 前記上主面の上に第1絶縁膜(4,4a)と第2絶縁膜(4,4b)とを選択的に形成する工程と、
    (h) 前記第1絶縁膜および前記第2絶縁膜の上に、それぞれ、第1ゲート電極(5,5a)および第2ゲート電極(5,5b)を形成する工程と、
    (i) 前記第1領域と前記第4半導体層と前記7半導体層とに、第1主電極(13)を接続する工程と、
    (j) 前記下主面に第2主電極(14)を接続する工程とを、さらに備え、
    前記工程 (b) ないし前記工程 (h) は、前記第1ゲート電極が前記第2領域に対向し、前記第2ゲート電極が、前記第6半導体層が前記上主面に露出する面に対向するように、遂行され、
    前記第2ゲート電極及び前記第1主電極に所定の電圧がそれぞれ印加された場合であっても、前記第1半導体層、前記第2半導体層、前記第5半導体層、及び前記第6半導体層から成る構造はサイリスタとして動作せず、
    前記第6半導体層と前記第1主電極とは互いに接触していない、半導体装置の製造方法。
  16. 前記工程 (g) および前記工程 (h) が、前記工程 (b) および前記工程 (c) に先だって実行され、
    前記工程 (b) および前記工程 (c) では、前記第1ゲート電極および前記第2ゲート電極を遮蔽体として利用して、前記上主面に第1導電型の不純物を選択的に注入し、その後、拡散することにより、前記第3半導体層および前記第5半導体が同時に形成される請求項15記載の半導体装置の製造方法。
  17. 前記工程 (g) では、前記第1絶縁膜と前記第2絶縁膜とが、一体的に連結した単一の絶縁膜(4)として形成され、
    前記工程 (h) では、前記第1ゲート電極と前記第2ゲート電極とが、一体的に連結した単一のゲート電極(5)として形成される請求項16記載の半導体装置の製造方法。
  18. 前記工程 (b) および前記工程 (c) では、前記第1ゲート電極および前記第2ゲート電極を遮蔽体として利用して、前記上主面に第1導電型の不純物を選択的に注入し、その後、拡散することにより、前記第3半導体層および前記第5半導体層とともに、前記上主面の中に選択的に、前記第2半導体層よりも浅く、前記第3半導体層と前記第5半導体層のいずれからも離れて、第1導電型の第8半導体層(22)が、同時に形成される請求項16記載の半導体装置の製造方法。
  19. 前記工程 (f) が、
    (f-1) 前記上主面の上方に遮蔽体を選択的に形成する工程と、
    (f-2) 前記遮蔽体を利用して前記上主面に第1導電型の不純物を選択的に注入し、その後、拡散することにより、前記第7半導体層を形成すると同時に、前記上主面の中で、前記第3半導体層の端縁よりも内側の領域に、前記第3半導体層よりも不純物濃度が高い第1導電型の第8半導体層(9)を、前記第1領域に露出するとともに前記第2領域には露出しないように形成する工程と、を備える請求項15記載の半導体装置の製造方法。
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