JP3114943B2 - 圧延機における圧延材の板厚制御方法 - Google Patents

圧延機における圧延材の板厚制御方法

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JP3114943B2 JP03160138A JP16013891A JP3114943B2 JP 3114943 B2 JP3114943 B2 JP 3114943B2 JP 03160138 A JP03160138 A JP 03160138A JP 16013891 A JP16013891 A JP 16013891A JP 3114943 B2 JP3114943 B2 JP 3114943B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、圧延材の板厚を検出し
あるいは推定し、検出あるいは推定された板厚をトラッ
キングし、特定タイミングで圧延スタンドのロールの回
転速度をフィードフォワード的に操作して板厚を制御す
る際に用いるのに好適な、圧延機における圧延材の板厚
制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】圧延機には、圧延材の板厚を目標値に制
御することを目的として、種々の板厚制御技術が採用さ
れる。このような板厚制御技術には、従来、多くのアイ
ディアが実用化されている。
【0003】しかしながら、汎用性を有し、広く知られ
て用いられている板厚制御技術は、その数が限られてい
る。例えば、冷間圧延において広く用いられている板厚
制御方法に、フィードフォワード・オートマチック・ゲ
ージ・コントロール(以下、FF・AGCと略記する)
がある。
【0004】ここで、冷間タンデム圧延機のスタンド間
板厚制御に採用されたFF・AGC(スタンド間FF・
AGC)を例に挙げ、FF・AGCの動作を次に説明す
る。
【0005】即ち、あるスタンド間において圧延材(第
i 〜i +1スタンド間)の板厚を検出し、検出板厚を板
厚制御装置のトラッキング回路によってトラッキング
し、板厚検出点が次段の第i +1スタンドロール直下に
達した時点で、前段の第i スタンドのロール回転速度を
操作する。これにより、該当板厚検出点がロールバイト
中に存在する第i +1スタンドの後方張力を変更させ、
ひいては、該当板厚検出点が第i +1スタンドで圧延さ
れる圧下率を変化させて、当該第i +1スタンド出側で
目標板厚を得るようにする。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
スタンド間FF・AGCにおいては、トラッキング回路
に動的に補正を行うことを考慮しないため、圧延速度の
変化に応じて、特に圧延速度が高速になった場合に、板
厚計の検出信号の遅れと圧延機主電動機の速度指令に対
する応答遅れが顕在化する。
【0007】従って、従来のスタンド間FF・AGCで
は、前記板厚の検出信号の遅れと前記主電動機の応答
遅れとの影響によって、板厚変動の抑制機能が低下する
という問題点があった。
【0008】即ち、板厚検出器及び圧延中の圧延機主電
動機の周波数応答特性は、一般的に、高い周波数領域で
そのゲインが低下し位相に遅れが生じる。通常、前記応
答特性は一次遅れ等で近似される。
【0009】又、FF・AGCのトラッキング回路及び
制御信号の出力タイミング調整は、通常、ある特定の検
出器応答及び主電動機応答を前提として固定的に行われ
る。
【0010】又、前記圧延機出側の板厚変動は、圧延機
のロール偏芯によってその大半が生じるため、板厚変動
の多くは、ロール回転周波数に同期した正弦波で近似さ
れる周期性を有する。従って、通常、前記板厚変動は各
スタンドのバックアップロールの該当周波数基本波とほ
ぼ同一の周波数を有するものが支配的である。
【0011】以上のことから、FF・AGCのトラッキ
ングを考えた場合、圧延速度が高速になるに従い、板厚
検出器の板厚検出応答、主電動機の速度指令に対する応
答の、特に位相遅れが大きくなってしまう。従って、板
厚変動を制御するために期待される圧延機のロール周速
の修正動作に遅れが生じ、結果として、修正タイミング
が遅れて板厚制御の効果が低減することとなり、板厚変
動の抑制機能が低下してしまうものである。
【0012】本発明は、前記従来の問題点を解消するべ
くなされたもので、板厚の検出あるいは推定の遅れ又は
圧延機主電動機の応答遅れに影響されずに、板厚制御を
精度良く行うことができる圧延機における圧延材の板厚
制御方法を提供することを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、圧延材の板厚
を検出あるいは推定し、検出あるいは推定された板厚を
トラッキングし、特定タイミングで板厚制御信号を出力
して圧延スタンドのロールの回転速度を操作し、圧延機
における圧延材の板厚を制御する方法において、圧延材
板厚を検出あるいは推定するときの応答特性、又は、前
記ロールを回転駆動している主電動機の応答特性のうち
の少なくともいずれかを考慮して、板厚制御信号の出力
タイミングに、該出力タイミングを補正した場合の制御
出力に対する板厚偏差の残留分の絶対値が小さくなるよ
う、ロールの回転速度に応じた時間補正を行うことによ
り、ロールの転速度に同期した特定の周波数を基本波
成分とする周期性を有する板厚変動を抑制するようにし
て、前記課題を解決するものである。
【0014】
【作用】本発明者は、冷間圧延機の中間スタンド間にお
ける板厚変動は、ロール偏心にほぼ同期した正弦波的周
期性を有するものが支配的である点に着目して本発明を
創案したものである。
【0015】以下、本発明の原理を説明する。
【0016】例えば図1に、冷間タンデム圧延機に採用
される一般的な速度FF・AGC(圧延速度によりFF
・AGCを行う)の自動板厚制御システムの構成例を示
す。
【0017】図1において、符号1は圧延材である。
又、2、3は第i 、第i +1段の圧延スタンドであり、
図にはタンデム圧延機全体のうちFF・AGCで板厚制
御しようとするスタンドを示す。当該圧延スタンド2、
3は圧延材1を矢印方向に搬送しながら圧延する。
【0018】又、4は厚さ計であり、第i スタンド2出
側の圧延材1板厚を検出してトラッキング回路6に入力
する。
【0019】該トラッキング回路6は、前記検出板厚信
号を圧延材1上にトラッキングして制御回路5に入力す
る。該制御回路5は、トラッキング入力に基づき検出板
厚信号を第i +1スタンド3のロールバイト内までトラ
ッキングし、出側板厚の変動に応じて第i スタンド2の
速度変更指令を主電動機速度制御部8に入力する。
【0020】該主電動機速度制御部8は、入力速度変更
指令に従って第i スタンド2の速度を変更し、第i スタ
ンド2及び第i +1スタンド3間の圧延材1の張力を変
える。これによって、第i +1スタンド3直下の板厚を
制御し、当該スタンド3の出側板厚の変動を抑制する。
【0021】ここで、前記速度変更指令を算出する方法
例を次に説明する。
【0022】圧延の前後で板幅の変化がないとすれば、
特定スタンドの入側と出側とでマスフローが一定である
から、第i スタンドの速度viをΔvi(第i スタンド圧延
速度変化量)だけ変化させた場合、第i +1スタンド出
側板厚変化量Δhi+1は、次式(1)で表わされる。
【0023】
【数1】
【0024】但し、hi :i スタンド出側板厚、 fi :i スタンド先進率、 fi+1:i +1スタンド先進率、 vi+1:i +1スタンド圧延速度。
【0025】又、第i +1スタンドにおいて前記出側板
厚変化量Δhi+1は、当該第i +1スタンド3入側板厚変
化量ΔHi+1 と次式(2)で示す関係がある。
【0026】
【数2】
【0027】但し、Mi+1 :i +1スタンドミル定
数、 Qi+1 :i +1スタンド塑性定数。
【0028】前記(1)式及び(2)式から、第i スタ
ンドの圧延速度変化量Δviと圧延速度viとの比Δvi/vi
は、次式(3)のようになる。
【0029】
【数3】
【0030】又、マスフロー一定から、第i スタンド、
及び第i +1スタンドのそれぞれの出側板厚hi及びhi+1
との間には、ほぼ次式(4)で示す関係がある。
【0031】
【数4】
【0032】又、先進率fi等を考慮して、次式(5)
が、更には次式(6)が得られる。
【0033】
【数5】
【0034】
【数6】
【0035】これにより、次式(7)の関係が成立す
る。
【0036】
【数7】
【0037】従って、近似的に見て、第i スタンド出側
の板厚変化の比Δhi/hiと同等の比で極性の逆の速度変
化量を速度変更指令として与えれば、第i +1スタンド
出側板厚の変動を抑制し得る。このような速度変更指令
により板厚制御を行のが、一般的な速度FF・ACG系
の原理である。
【0038】しかしながら、この速度FF・AGCを実
機へ適用する場合、図2に示すように、圧延速度に依存
する厚さ計や主電動機の応答遅れや演算、信号伝達のた
めの遅れ等制御系の遅れの存在を考慮する必要がある。
【0039】図3に、厚さ計4の板厚検出応答の代表的
な例を示す。図3に、50msecの検出時定数をもつγ線
厚さ計の周波数特性例を示す。この場合、測定板厚はベ
ースが約0.1mm、板厚の変化が約0.01mmであっ
た。又、圧延機主電動機の応答特性の代表例を図4に示
す。この場合、応答角周波数ω=20rad /s 、1次遅
れに近似した場合の時定数T=0.05(sec )を示し
た。
【0040】図3及び図4に示すように、いずれの応答
も周波数特性として、一次遅れに近似する特性を有して
いる。又、図3の厚さ計4においては、高い周波数域で
ゲインが低下し、位相が遅れている。
【0041】図5に、冷間タンデム圧延機の板厚変動を
周波数解析した結果例を示す。図5では板厚偏差変動周
波数に対するスペクトル強度を示しており、解析された
周波数成分に対応する各ロール(例えば第3スタンドバ
ックアップロール(#3BUR))を示す。図5から分
かるように、板厚変動のほとんどは、いずれかのスタン
ドのロール偏芯に起因して生じている。又、この板厚変
動の波形は、ロール回転周波数に同期した正弦波状のも
のとなっている。
【0042】以上の速度FF・AGC系の原理と板厚、
電動機速度偏差の関係を前提にして本発明の説明を行
う。
【0043】まず、主電動機応答を一次遅れ要素として
近似する。例えば、主電動機応答の角周波数ωm =10
(rad /s )であれば、応答周波数fm=ωm /2π=
1.592(Hz )であり、周期Tm =1/ωm =0.
1(秒)となる。なお、一般に、一次遅れの応答特性H
(s )は次式(8)で、そのゲインは次式(9)で、そ
の位相角度Hは次式(10)で表わされる。
【0044】
【数8】
【0045】
【数9】
【0046】
【数10】
【0047】但し、s はラプラス演算子である。
【0048】又、板厚偏差Δhd信号は、正弦波として次
式(11)のように表わす。
【0049】
【数11】
【0050】この板厚偏差Δhd信号を前記(7)式によ
って、圧延機主電動機の速度変更指令として与えて、板
厚偏差Δhdを抑制しようとすれば、主電動機出力端での
板厚の応答Δhmは次式(12)で表わされる。
【0051】
【数12】
【0052】但し、Gはゲイン、φは位相遅れである。
【0053】前記のように板厚偏差Δhdに対して抑制制
御を実施した後に残留する板厚偏差Δhcは、次式(1
3)のように求めることができる。
【0054】
【数13】
【0055】なお、角度ψは次式(14)で求められ
る。
【0056】
【数14】
【0057】角周波数ωの正弦波状の板厚偏差Δhdに対
して、残留する板厚偏差Δhcは、最終的に次式(15)
の形となる。
【0058】
【数15】
【0059】Tは時定数である。
【0060】ここで、図6に、前記残留板厚偏差Δhcの
抑制率の周波数特性例を示す。図の例では主電動機応答
周波数ωm =10(rad/s )(略1.5Hz )、ゲイン
C=1.0の場合を示す。
【0061】前記のように圧延機主電動機には応答遅れ
があるため、例えば図6のように、ロール偏芯に起因し
て生じる板厚変動(ロール偏芯周波数を有する)を完全
には抑制することができない。
【0062】そこで、発明者は、板厚制御信号の出力タ
イミングを補正することを着想した。例えば、圧延機主
電動機であれば当該電動機の応答に要する時間分だけ出
力タイミングを速める。
【0063】ロール偏芯に起因する板厚変動周波数域の
変動抑制能力を高めることができる。この信号出力タイ
ミングの補正は、FF・AGCのトラッキングに適切に
時間補正して行うことができる。このタイミング補正に
おいては、次の前提をおく。
【0064】即ち、板厚制御出力にゲインCを持たせ
る。又、FF・AGCのトラッキングに補正する効果
は、制御出力の表現において位相遅れφ0 で表現する。
【0065】前記主電動機出力端での出力タイミングを
補正した場合の制御出力Δhm′は、次式(16)のよう
になる。
【0066】
【数16】
【0067】この(16)式で表現する制御出力Δhm′
に対する板厚偏差の残留分Δhc′は、次式(17)とな
る。
【0068】
【数17】
【0069】但し角ψ′は次式(18)で表わされる。
【0070】
【数18】
【0071】(16)、(17)式中にあるゲインC、
位相遅れφを角周波数ωで表現した場合、前記残留分Δ
hc′の絶対値は、次式(19)で示される。
【0072】
【数19】
【0073】但し、ω0は相遅れφ0を角周波数で表現
したものである。
【0074】例えば、実機において板厚偏差を抑制しよ
うとする場合には、(19)式中ω0 (補正角周波数)
をロール偏芯周波数とすればよい。ロール偏芯周波数ω
c =10(rad/s )でほぼ1.5Hz の場合の補正結果
例を図7に示す。なお、図7では図6と同様の圧延条件
下で補正した。
【0075】図7から抑制効果が顕著に現われることが
理解される。
【0076】又、板厚変周波数を1.5Hz とした場
合の計算結果例を図6、図7により説明する。この板厚
変動周波数は、冷間タンデム圧延機において、前段スタ
ンドのバックアップロール偏芯周波数に相当する。何も
補正を行わない場合には、図6のように、1.5Hz の
正弦波状の変動に対してほぼ15%程度の変動抑制効果
(板厚変動の85%が残る)しか得られない。これに対
して、FF・AGCの制御信号の出力タイミングの補正
を行うと、図7のように、特定の変動周波数に対してほ
ぼその100%を抑制し得る。只、それ以外の周波数域
での板厚変動に対しては、抑制効果が低いものになる
が、先にも述べた通り、圧延機の板厚変動はロール回転
速度に同期した特定の周波数を基本波成分とする期性
を有するものが支配的であり、特定周波数の変動を抑制
する方が、板厚制御上の効果が高い。
【0077】なお、以上の説明においては、制御信号に
対して圧延機主電動機応答が一次遅れに近似できること
を前提にして、制御信号の圧延機式間に存在する遅れを
問題にしたものである。又、これと同様に、厚さ計で板
厚を検出する場合、あるいは板厚を推定する場合におい
ても、同様に、特に位相遅れに伴う問題がある。
【0078】厚さ計の応答の一例は前記図3に示したよ
うになる。図3により、厚さ計の応答は近似的には一次
遅れとなる。
【0079】厚さ計の場合は、板厚の検出信号であるた
め、FF・AGCの観点からは特にその位相遅れのみが
問題となる。その遅れを一次遅れと考えた場合には最終
的に前記(15)式と同様の式になる。
【0080】以上の如き知見に基づき、本発明は創案さ
れたものである。本発明によれば、板厚変動の主要因を
占める正弦波状外乱に応じた特定周波数領域の抑制能力
が最大となるように制御を行えるようにして、従来、F
F・AGCにおいて応答速度の点から困難であった板厚
変動の抑制を達成することができ、これにより、板厚精
度の向上を図ることができる。
【0081】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。
【0082】この実施例は、前出図1に示した冷間タン
デム圧延機において、第i スタンド2、第i +1スタン
ド3で圧延材1を速度FF・AGCを採用して圧延する
に際し、検出板厚信号のトラッキングを前出(17)式
等に基づき補正する時間補正回路7を備える、板厚制御
装置である。
【0083】前記時間補正回路7は、主電動機速度制御
部8から圧延速度を入力し、その時点の圧延速度から厚
さ計4の検出応答遅れ、制御回路の演算遅れ、圧延機の
主電動機応答遅れを演算して補正時間を決定し、当該補
正時間をトラッキング回路6に入力して、制御回路5へ
の制御信号出力タイミングを前記補正時間に応じて変更
するものである。
【0084】以下、実施例の作用を説明する。
【0085】図1の冷間タンデム圧延機で圧延するに際
して、厚さ計4で圧延材1の板厚を検出し、検出板厚を
トラッキング回路6に入力する。当該トラッキング回路
6は、検出板厚と目標板厚との板厚偏差を圧延材1上に
トラッキングして、トラッキング信号を制御回路5に入
力する。
【0086】制御回路5は、入力板厚信号に基づき、板
厚検出点が、次スタンドである第i+1スタンド3直下
に到達したときに、主電動機速度制御部8に速度変更指
令を出力して、第i スタンド2のロール回転速度を変更
する。これにより、第i スタンド2及び第i +1スタン
ド3間の張力を補正して、ひいては、第i +1スタンド
3直下での板厚を制御する。
【0087】ここにおいて、主電動機速度制御部8から
は、圧延速度が時間補正回路7に入力されており、該補
正回路7は、その入力時点における圧延速度から厚さ計
4の検出応答遅れ、制御回路5の演算遅れ、圧延機の応
答遅れを演算して補正時間を決定する。出力タイミング
で補正するため、前出(16)〜(18)式から、補正
角周波数ω0を適用すれば前出図7に示したように特定
の残留板厚偏差を最大100%近く減衰できる。
【0088】なお、前記実施例においては、冷間タンデ
ム圧延機において本発明を採用した場合を示している
が、本発明を採用して板厚制御をする圧延機はこの種の
冷間タンデム圧延機に限定されず、他の種々の種類の圧
延機で本発明を実施することができる。
【0089】又、前記実施例では、前出(16)〜(1
8)式から圧延機主電動機の応答遅れを考慮して検出板
厚のトラッキング補正をしていたが、本発明の適用範囲
はこれに限定されるものではない。
【0090】即ち、圧延機主電動機の応答遅れと共に厚
さ計の応答遅れを合わせて考慮し、又は、それらのうち
いずれかを単独に考慮しトラッキング補正を行うことが
できる。又、この場合の厚さ計は板厚を直接検出する方
式のものに限定されず演算等により板厚を推定する方式
の厚さ計で検出する場合も本発明を適用できる。
【0091】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、従
来のフィードフォワードAGCでは応答速度の点から不
可能であった広い圧延速度範囲にわたる板厚変動の抑
制、特にロール偏芯を中心とする板厚変動の抑制を精度
良く行うことができる。従って、板厚精度の向上を図る
ことができる等の優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施例に係る、冷間タンデム
圧延機の板厚制御装置の構成を示す一部ブロック線図を
含む配置図である。
【図2】図2は、本発明の原理を説明するための、制御
信号の遅延要素の例を示すブロック図である。
【図3】図3は、同じく、厚さ計の検出信号周波数特性
例を示す線図である。
【図4】図4は、同じく、圧延機主電動機のステップ応
答特性の一例を示す線図である。
【図5】図5は、同じく、冷間タンデム圧延機の出側板
厚偏差信号出力の解析結果例を示す線図である。
【図6】図6は、同じく、トラッキング補正を実施しな
い場合の板厚変動抑制効果例を示す線図である。
【図7】図7は、同じく、トラッキング補正を実施した
場合の板厚変動抑制効果例を示す線図である。
【符号の説明】
1…圧延材、 2…第i スタンド、 3…第i +1スタンド、 4…厚さ計、 5…制御回路、 6…トラッキング回路、 7…トラッキング時間補正回路、 8…圧延機主電動機速度制御部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21B 37/16 - 37/20

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】圧延材の板厚を検出あるいは推定し、検出
    あるいは推定された板厚をトラッキングし、特定タイミ
    ングで板厚制御信号を出力して圧延スタンドのロールの
    回転速度を操作し、圧延機における圧延材の板厚を制御
    する方法において、 圧延材板厚を検出あるいは推定するときの応答特性、又
    は、前記ロールを回転駆動している主電動機の応答特性
    のうちの少なくともいずれかを考慮して、板厚制御信号
    の出力タイミングに、該出力タイミングを補正した場合
    の制御出力に対する板厚偏差の残留分の絶対値が小さく
    なるよう、ロールの回転速度に応じた時間補正を行うこ
    とにより、 ロールの転速度に同期した特定の周波数を基本波成分
    とする周期性を有する板厚変動を抑制することを特徴と
    する圧延機における圧延材の板厚制御方法。
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「第30回塑性加工連合講演会講演論文集」(昭54−10−20)p.89−92

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CN102481608A (zh) * 2009-09-17 2012-05-30 西门子公司 在轧制机架上具有质量流调节的冷轧机列
CN102481608B (zh) * 2009-09-17 2014-07-02 西门子公司 在轧制机架上具有质量流调节的冷轧机列

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JPH04361816A (ja) 1992-12-15

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