JP3114060B2 - ポリエステルを含む高分子廃棄物の再生処理方法及び装置 - Google Patents

ポリエステルを含む高分子廃棄物の再生処理方法及び装置

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  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)
  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリエステル及び
レーヨン、綿等のセルロースからなる高分子廃棄物の再
生処理方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、高分子廃棄物(被処理物)中
のポリエステルを再利用(再生処理)する方法として
は、濃硫酸、メタノール、グリコール、水酸化ナトリウ
ム等を用いて化学的に成分まで分解する方法や熱を用い
て溶融する方法が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の方法において
は、いずれもポリエステル単独の場合に適用しており、
他の高分子材料、例えば、レーヨン、綿等のセルロース
が混ざっている場合には、硫酸や水酸化ナトリウムを用
いる化学的分解では、該セルロースが変化してしまい、
熱溶融では、セルロースが炭化し強度の低下が生じる。
そのため、セルロースを予め取り除く処理が別途必要と
なる問題点がある。また、セルロースが変化しないメタ
ノールやグリコールを用いる化学的分解では、ポリエス
テルの分解が高圧高温または高温下でないと起こらない
という難点がある。さらに、化学的分解ではポリエステ
ルが反応によって、例えば二塩基酸成分やグリコール成
分に分解されてしまい高分子材料として利用する場合に
は再度重合しなければならない。
【0004】本発明は、ポリエステルにレーヨン、綿等
のセルロースが混ざっている場合において、該セルロー
スを取り除くための別工程の処理を必要とせず、比較的
低温でポリエステルを処理すると同時に該セルロースを
分離、再利用することができ、かつポリエステルを再生
するにあたって重合反応を必要としない方法を提供する
ものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】課題を解決するために本
発明は、ポリエステルを含む高分子廃棄物の再生処理方
法であって、ポリエステル及びレーヨン、綿等のセルロ
ースからなる高分子廃棄物を被処理物とし、ポリエステ
ルのみを溶解する溶解溶媒を用いて被処理物中のポリエ
ステルを選択的に溶解し、前記セルロースを分離後、ポ
リエステルに対して貧溶媒である析出溶媒を用いてポリ
エステルを析出させ回収することを特徴とするものであ
る。当然のことながら、ポリエステル単独からなる高分
子廃棄物についても本発明方法を適用することができ
る。
【0006】上記ポリエステルのみを溶解する溶解溶媒
としては、ヘキサフルオロイソプロパノール、m−クレ
ゾール、フェノール、フェノール・四塩化エタン及びo
−クロロフェノールからなる群より選択したいずれか1
つを用いるのが適当である。
【0007】また、上記ポリエステルに対して貧溶媒で
ある析出溶媒は、ハロゲンを含まないアルコール類、エ
ーテル類、ケトン類、エステル類及び水からなる群より
選択したいずれか1つを用いるのが適当である。なお、
この種の析出溶媒と上記溶解溶媒との混合溶媒を連続蒸
留することにより本発明方法を実施する場合には、析出
溶媒(貧溶媒)は、該溶解溶媒と相溶性があり、該溶解
溶媒より沸点が高く、かつ、共沸しない性質を有するも
のとされる。〔後述〕
【0008】上記方法において、溶解溶媒−析出溶媒の
組合せをヘキサフルオロイソプロパノール(溶解溶媒)
−水(析出溶媒)系とする場合がある。
【0009】また、上記溶解溶媒にポリエステルの溶解
度の低下が少ない希釈溶媒を混合ししてポリエステルを
溶解する場合がある。
【0010】ここで、溶解溶媒をヘキサフルオロイソプ
ロパノールとし、希釈溶媒を塩素系有機溶剤、好ましく
はクロロホルムとするのが適当である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態は、上記再生
処理方法において、被処理物であるポリエステルを含む
高分子廃棄物を溶解槽に収容し、ポリエステルのみを溶
解する溶解溶媒と、ポリエステルに対する貧溶媒であっ
て、該溶解溶媒と相溶性があり、該溶解溶媒より沸点が
高く、かつ、共沸しない性質を有する析出溶媒とを混合
して溶媒槽に貯留し、前記混合溶媒のうち溶解溶媒のみ
を連続蒸留して溶解槽に導入し、被処理物中のポリエス
テルを溶解後、ろ過してセルロースを分離するととも
に、溶解したポリエステルをろ液抽出して溶媒槽に導入
し、溶媒槽に残留する析出溶媒によりポリエステルを析
出させ回収するようにしている。
【0012】また、上記方法の実施のための技術手段を
構成する再生処理装置は、ポリエステルのみを溶解する
溶解溶媒と、ポリエステルに対する貧溶媒であって、溶
解溶媒と相溶性があり、溶解溶媒より沸点が高く、か
つ、共沸しない性質を有する析出溶媒とを混合して貯留
する溶媒槽(1)と、溶媒槽(1)の上部に設けられ、
被処理物を収容してポリエステルを選択的に溶解する溶
解槽(2)及び冷却管(6)と、溶媒槽(1)と溶解槽
(2)間に2経路で接続され、気化した溶解溶媒を導入
する蒸留管(3)、及び溶解槽(2)から溶媒槽(1)
へろ液を導入する抽出管(4)を具備している。
【0013】この装置構成により、上記処理方法どお
り、溶媒槽(1)中の溶解溶媒のみを連続蒸留し、蒸留
管(3)を介して溶解槽(2)に導入し、該溶解槽
(2)中でポリエステルのみを溶解し、この溶解液をフ
ィルター(5)ろ過して、セルロースを分離するととも
に、ろ液である溶解ポリエステルを抽出管(4)を介し
て溶媒槽(1)に導入し、該溶媒槽(1)中に残留する
析出溶媒によりポリエステルを析出させ回収することが
できる。
【0014】本発明の一実施例について以下説明する。
【0015】(実施例1)市販のポリエステル白色フィ
ラメント糸をヘキサフルオロイソプロパノール、m−ク
レゾール、フェノール、フェノール・四塩化エタン及び
o−クロロフェノール各5ml に溶解しなくなるまで、繊
維0.1gを加えては撹拌するという操作を繰り返した。ま
た、市販のレーヨン白色紡績糸を前記溶解溶媒5ml に0.
1g加え、ポリエステル繊維が溶解する温度条件で、2時
間撹拌し、繊維の減量を測定した。なお、各繊維は予め
ソックスレー抽出器を用いてジエチルエーテルで2時間
脱脂処理をしたものを用いた。その結果を表1に示す。
表1から理解されるように、いずれの溶解溶媒もポリエ
ステル繊維を溶解でき、レーヨン繊維を溶解することは
できなかった。なお、いずれの溶解溶媒においても、ポ
リエステル繊維の溶解度が約15%を越えると溶液の粘度
が高くなった。
【0016】
【表1】
【0017】さらに、市販のポリエステル65%、レーヨ
ン35%の白色紡績糸を脱脂処理をした後、該繊維0.5gを
ヘキサフルオロイソプロパノール 10ml に加え、室温で
30分間攪拌・溶解し、分離・析出させた。その結果、ポ
リエステル及びレーヨンは共に100 %回収でき、その純
度は100 %であった。なお、純度測定はJISの混用率
試験方法に準じた。
【0018】(実施例2)脱脂処理した市販のポリエス
テル白色フィラメント糸0.5gを実施例1で示した溶媒5m
l に溶解させた溶液を、ハロゲンを含まないアルコール
類、エーテル類、ケトン類、エステル類及び水各100ml
にスポイトで滴下し、ポリエステルを析出させた。その
結果を表2に示す。表2から理解されるように、ハロゲ
ンを含まないアルコール類、エーテル類、ケトン類、及
びエステル類はポリエステルを析出することができた。
また、水は多くのポリエステル溶解溶媒とは混ざり合わ
ないが、ヘキサフルオロイソプロパノールとの組合せで
はポリエステルを析出することができた。
【0019】
【表2】
【0020】さらに、市販のポリエステル65%、レーヨ
ン35%の白色紡績糸を脱脂処理をした後、該繊維0.51g
をo−クロロフェノール5ml に加え、約80℃に加熱しな
がら20分間撹拌、溶解し、ろ過を行い、ろ過残物を洗
浄、乾燥してレーヨン0.17g を得た。また、ろ液をメチ
ルエチルケトン120ml に加えてポリエステルを析出させ
た後、ろ過を行い、ろ過残物を洗浄、乾燥してポリエス
テル0.30g を再生することができた。
【0021】また、脱脂処理した市販のポリエステル白
色フィラメント糸1.4gと市販のレーヨン白色紡績糸0.7g
を混合し、m−クレゾール20mlに加え、120 ℃に加熱し
ながら1時間撹拌、溶解した後、ろ過を行い、ろ過残物
を洗浄、乾燥してレーヨン0.7gを得た。また、ろ液をア
セトン700ml に加えてポリエステルを析出させた後、ろ
過を行い、ろ過残物を洗浄、乾燥してポリエステル1.4g
を再生することができた。
【0022】(実施例3)図1に示す再生処理装置を用
いてポリエステルの再生処理を行った。以下に装置の構
成を具体的に説明する。
【0023】本発明装置は、ポリエステルのみを溶解す
る溶解溶媒と、ポリエステルに対して貧溶媒である析出
溶媒とを混合して貯留する溶媒槽(1)と、溶媒槽
(1)の上部に設けられ、被処理物を収容してポリエス
テルを選択的に溶解する溶解槽(2)及び冷却管(6)
と、溶媒槽(1)と溶解槽(2)間に2経路で接続さ
れ、気化した溶解溶媒を導入する蒸留管(3)、及び溶
解槽(2)から溶媒槽(1)へろ液を導入する抽出管
(4)を具備し、溶媒槽(1)中の溶解溶媒のみを連続
蒸留し、蒸留管(3)を介して溶解槽(2)に導入し、
該溶解槽(2)中でポリエステルのみを溶解し、この溶
解液をフィルター(5)ろ過して、セルロースを分離す
るとともに、ろ液である溶解ポリエステルを抽出管
(4)を介して溶媒槽(1)に導入し、該溶媒槽(1)
中に残留する析出溶媒によりポリエステルを析出させ回
収する構成とされる。
【0024】なお、図中、溶媒槽(1)と溶解槽(2)
とを接続する抽出管(4)は、サイホンの原理を利用す
るため曲がった形状になっているが、サイホンの原理を
利用する代わりに抽出管(4)の途中にコック(図示省
略)を設けてもよい。さらに、図示した溶解槽(2)は
撹拌を行う構造となっていないが、撹拌羽、バブリング
等の撹拌手段を設けた構造としてもよい。
【0025】次に、本発明装置の作用をポリエステルの
再生処理における手順(工程)とともに以下説明する。
【0026】被処理物(ポリエステル及びレーヨン、綿
等のセルロースから成る高分子廃棄物)を、溶解槽
(2)に収容する。
【0027】溶媒槽(1)には、溶解溶媒と析出溶媒か
らなる混合溶媒を貯留する。このとき、析出溶媒は、ポ
リエステルに対する貧溶媒であって、溶解溶媒と相溶性
があり、溶解溶媒より沸点が高く、かつ、共沸しない性
質を有するものとされる。
【0028】溶媒槽(1)中の溶解溶媒は、連続蒸留に
より蒸留管(3)を通り、冷却管(6)により冷却され
て溶解槽(2)に溜まり、溶解槽(2)中でポリエステ
ルのみを溶解する。この時、溶媒槽(1)中の析出溶媒
は、溶解溶媒より沸点が高く、かつ、共沸しないため蒸
留されずに溶媒槽(1)に残留する。
【0029】そして、溶解槽(2)中のポリエステル溶
解液は、フィルター(5)ろ過され、サイホンの原理を
利用した抽出管(4)を通って溶媒槽(1)に導入さ
れ、溶媒槽(1)中に存在(残存)する析出溶媒により
ポリエステルを析出する。
【0030】また、溶解槽(2)中の溶解しないレーヨ
ン、綿等のセルロース及び溶け残ったポリエステルは、
フィルター(5)により溶解槽(2)に残る。
【0031】上記各手順(工程)を繰り返し、溶解槽
(2)中の溶け残ったポリエステルを完全に溶解させ
る。
【0032】なお、上記工程において、ポリエステル溶
解液は、サイホンの原理を利用した抽出管(4)を通っ
て溶媒槽(1)に入るが、サイホンの原理を利用する代
わりに抽出管(4)の途中にコック(図示省略)を設け
て、ポリエステル溶解液がある程度溜まったらコックを
開いて溶媒槽(1)に導入する方法(手段)を用いても
よい。さらに、溶解槽(2)におけるポリエステルの溶
解時に撹拌羽、バブリング等による撹拌を行ってもよ
い。これにより、ポリエステルの溶解速度を上げること
ができる。
【0033】本発明装置により、溶解溶媒としてヘキサ
フルオロイソプロパノールを用い、析出溶媒として水を
用い、脱脂処理した市販のポリエステル白色フィラメン
ト糸を溶解、析出させた。ここで、析出溶媒としての水
は、溶解溶媒であるヘキサフルオロイソプロパノールと
相溶性があり、沸点が高く、かつ、共沸せず、蒸留時に
分離が簡単で迅速にできるという点で好適である。その
結果を表3に示す。なお、表中の抽出容量及び回収量
は、それぞれ蒸留により溶解槽に溜まった溶解溶媒量
(抽出溶媒量)及び該溶解溶媒量100ml あたりのポリエ
ステルの溶解量(単位抽出溶媒量あたりの溶解量)を示
している。また、溶解槽2の温度は30〜40℃程度であっ
た。
【0034】
【表3】
【0035】表3の結果から理解されるように、単位抽
出溶媒量(ヘキサフルオロイソプロパノール100ml)あた
りのポリエステル繊維の溶解量(回収量)に関し、通常
のソックスレー装置で溶解(撹拌なし)を行うと、約0.
3g(0.25g;0.29g;0.33g)のポリエステル繊維しか溶解す
ることができなかった。一方、攪拌を用いて溶解する
と、溶解速度が約10倍に向上した。なお、ヴィグリュー
管を用いた改良装置の場合は、同繊維の溶解量は0.6gと
なり、ソックスレー管の2倍であった。
【0036】そこで、市販のポリエステル65%、レーヨ
ン35%の白色紡績糸を脱脂処理をした後、本発明装置を
用いて該繊維7.0gをヘキサフルオロイソプロパノール10
0ml、水100ml で90分間攪拌、溶解し、分離、析出させ
た。その結果、ポリエステル、レーヨン共に100 %回収
でき、その純度は100 %であった。なお、純度測定はJ
ISの混用率試験方法に準じた。
【0037】なお、図1に示す再処理装置は、一実施例
装置を示すものであって本発明(装置)を限定するもの
ではない。したがって、本発明の構成を逸脱しない限
り、例えば規模の拡縮等に応じて種々改変することがで
きる。
【0038】(実施例4)ポリエステル溶解液の粘性を
抑制するために、ヘキサフルオロイソプロパノールのポ
リエステルに対する溶解度の低下が少ない溶媒で、希釈
する溶媒を考慮するとき、表4に示すとおり、塩素系化
合物と芳香族化合物が候補にあげられる。なぜならば、
ポリエステルを析出させる溶媒としての能力が低く、ポ
リエステルの溶解度の低下が少ない希釈剤となると考え
られるからである。また、後の工程で必要となる溶媒回
収の操作の容易さを考慮すると、ヘキサフルオロイソプ
ロパノールと沸点が近い溶媒が適している。表4の中で
は、塩素系化合物のクロロホルムが適している。
【0039】
【表4】
【0040】そこで、ヘキサフルオロイソプロパノール
とクロロホルムの混合溶媒5ml を調整後、室温で脱脂処
理した市販のポリエステル白色フィラメント糸0.1 〜0.
5gを溶解させるために必要な時間を測定した。その結果
を表5に示す。表5の結果から理解されるように、ヘキ
サフルオロイソプロパノール濃度が20%以上の溶液で
は、常温で1時間以内に溶媒量の10%のポリエステル繊
維を溶解することができた。また、メチルエチルケトン
を使用した析出溶媒での再生(析出状態)も良好であっ
た。
【0041】
【表5】
【0042】さらに、市販のポリエステル65%、レーヨ
ン35%の白色紡績糸を脱脂処理をした後、該繊維0.48g
をヘキサフルオロイソプロパノールとクロロホルム混合
液(ヘキサフルオロイソプロパノール20vol %)20mlに
加え、室温で60分間撹拌、溶解した後、分離、析出を行
った。その結果、レーヨン0.16g 及びポリエステル0.31
gが回収できた。
【0043】
【発明の効果】本発明は、ポリエステル及びレーヨン、
綿等のセルロースから成る高分子廃棄物について、ポリ
エステルのみを溶解する溶解溶媒を用いてポリエステル
のみを溶解し、前記セルロースをろ過等により分離後、
析出溶媒を用いてポリエステルを析出させることによ
り、セルロースを取り除くための別工程の処理を必要と
せず、比較的低温でポリエステルを再生処理(溶解〜析
出・回収)すると同時にセルロースを分離することがで
きる。しかも、ポリエステルを再生するにあたって重合
反応を必要としない。
【0044】また、本発明装置において、溶解溶媒と析
出溶媒を混合溶媒とすることにより、一装置内でポリエ
ステルの再生(溶解〜析出・回収)とセルロースの分離
ができるので、装置構成を簡素化することができる。
【0045】さらに、ポリエステル繊維の溶解度が約15
%を越えると溶液の粘度が高くなり、ろ過等の分離が困
難となるという問題については、溶解溶媒に特定の希釈
溶媒を混合してポリエステルを溶解し、溶解溶媒の粘度
の増加を抑制又は低減することにより解消できる。しか
も、希釈溶媒を混合することより溶解溶媒の量を少量に
することができるので、ヘキサフルオロイソプロパノー
ルのような価格の高い溶解溶媒の使用コストを低減する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例装置の構成を示す説明図である。
【符号の説明】
1 溶媒槽 2 溶解槽 3 蒸留管(溶媒槽と溶解槽の上部とを接続した管) 4 抽出管(溶媒槽と溶解槽の下部とを接続した管) 5 フィルター 6 冷却管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−325407(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 11/08 ZAB

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステル及びレーヨン、綿等のセル
    ロースからなる高分子廃棄物の再生処理方法において、 ポリエステルのみを溶解する溶解溶媒を用いて被処理物
    中のポリエステルを120℃以下の比較的低温度で選択
    的に溶解し、前記セルロースを分離後、ポリエステルに
    対して貧溶媒である析出溶媒を用いてポリエステルを析
    出させ回収するようにしたポリエステルを含む高分子廃
    棄物の再生処理方法であって、 被処理物であるポリエステルを含む高分子廃棄物を溶解
    槽に収容し、 ポリエステルのみを溶解する溶解溶媒として、沸点以下
    での溶解温度が常温〜120℃範囲に設定可能なヘキサ
    フルオロイソプロパノール、m−クレゾール、フェノー
    ル、フェノール・四塩化エタン及びo−クロロフェノー
    ルからなる群より選択されたいずれか1つと、 ポリエステルに対する貧溶媒であって、該溶解溶媒と相
    溶性があり、該溶解溶媒より沸点が高く、かつ、共沸し
    ない性質を有する析出溶媒として、ハロゲンを含まない
    アルコール類、エーテル類、ケトン類、エステル類及び
    水からなる群より選択されたいずれか1つとを混合して
    溶媒槽に貯留し、 前記混合溶媒のうち溶解溶媒のみを連続蒸留して溶解槽
    に導入し、 被処理物中のポリエステルを前記選択した溶解溶媒ごと
    に許容される温度条件下で溶解後、ろ過してセルロース
    を分離するとともに、溶解したポリエステルをろ液抽出
    して溶媒槽に導入し、 溶媒槽に残留する析出溶媒によりポリエステルを析出さ
    せ回収することを特徴とするポリエステルを含む高分子
    廃棄物の再生処理方法。
  2. 【請求項2】 ポリエステルに対する溶解溶媒−析出溶
    媒の組合せであって、 溶解溶媒がヘキサフルオロイソプロパノールであり、析
    出溶媒が水である請求項1記載のポリエステルを含む高
    分子廃棄物の再生処理方法。
  3. 【請求項3】 溶解液の粘性を抑制するために、溶解溶
    媒にポリエステルの溶解度の低下が少ない希釈溶媒を混
    合した請求項1又は2記載のポリエステルを含む高分子
    廃棄物の再生処理方法。
  4. 【請求項4】 溶解溶媒がヘキサフルオロイソプロパノ
    ールであり、希釈溶媒が塩素系有機溶剤である請求項3
    記載のポリエステルを含む高分子廃棄物の再生処理方
    法。
  5. 【請求項5】 希釈溶媒としての塩素系有機溶剤がクロ
    ロホルムである請求項4記載のポリエステルを含む高分
    子廃棄物の再生処理方法。
  6. 【請求項6】 ポリエステル及びレーヨン、綿等のセル
    ロースからなる高分子廃棄物を被処理物とする再生処理
    装置において、 ポリエステルのみを溶解する溶解溶媒としてのヘキサフ
    ルオロイソプロパノールと、ポリエステルに対する貧溶
    媒であって、該溶解溶媒と相溶性があり、該溶解溶媒よ
    り沸点が高く、かつ、共沸しない性質を有する析出溶媒
    としての水とを混合して貯留する溶媒槽(1)と、 溶媒槽(1)の上部に設けられ、被処理物を収容してポ
    リエステルを選択的に溶解する溶解槽(2)及び冷却管
    (6)と、 溶媒槽(1)と溶解槽(2)間に2経路で接続され、気
    化した溶解溶媒を導入する蒸留管(3)、及び溶解槽
    (2)から溶媒槽(1)へろ液を導入する抽出管(4)
    を具備し、 溶媒槽(1)中の溶解溶媒のみを連続蒸留し、蒸留管
    (3)を介して溶解槽(2)に導入し、該溶解槽(2)
    中でポリエステルのみを溶解し、この溶解液をフィルタ
    ー(5)ろ過して、セルロースを分離するとともに、ろ
    液である溶解ポリエステルを抽出管(4)を介して溶媒
    槽(1)に導入し、該溶媒槽(1)中に残留する析出溶
    媒によりポリエステルを析出させ回収することを特徴と
    するポリエステルを含む高分子廃棄物の再生処理装置。
JP23174997A 1997-08-12 1997-08-12 ポリエステルを含む高分子廃棄物の再生処理方法及び装置 Expired - Fee Related JP3114060B2 (ja)

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