JP2007145885A - 染着ポリエステル繊維の染料抽出解重合方法 - Google Patents

染着ポリエステル繊維の染料抽出解重合方法 Download PDF

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Abstract

【課題】染着されたポリエステル繊維からキシレン及びアルキレングリコールよりなる抽出溶剤によって当該ポリエステル繊維屑を溶剤による染料抽出後に同一反応槽により染料抽出済みポリエステル繊維を、解重合触媒の存在下アルキレングリコールと解重合反応させて、ビス−β−ヒドロキシアルキルテレフタレート(BHAT)を含む解重合溶液を得ることが可能な染料抽出反応槽設備を提供すること。
【解決手段】染着されたポリアルキレンテレフタレート繊維から抽出溶剤を用いて固液分離を実施するための金網が設置されている反応槽内にて染料抽出し抽出溶剤を固液分離により反応槽外に抜き出し染料抽出済みポリアルキレンテレフタレート繊維を得て、その後同一反応槽内で染料抽出済みポリアルキレンテレフタレート繊維を解重合触媒とアルキレングリコールの存在下解重合反応させてビス−ω−ヒドロキシアルキルテレフタレート(BHAT)を含む解重合溶液を得る染料抽出解重合方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、染料を含むポリエステル繊維からポリエステル製造における有用成分を回収する方法に関する染料抽出操作及び解重合反応操作を効率的に同一反応装置で行うための方法に関する。
ポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレートはその優れた特性により繊維、フィルム、樹脂等として広く用いられているが、これらの製造工程において発生する繊維状、フィルム状、その他各種形状の成形品等のポリエステル屑の有効利用はコストの面からのみならず環境問題も含め大きな課題となっている。
その処理方法としてマテリアルリサイクル、サーマルリサイクル、ケミカルリサイクルによる各種の提案が成されている。このうちマテリアルリサイクルでは、ペットボトル等のポリエステル樹脂屑に関して自治体を中心に回収され積極的な再利用が実施されているが、繊維屑に関してはこのリサイクル方法を適用することが極めて困難であり、その実施例は皆無である。
また、ポリエステル製造工程外の繊維を回収対象とした場合、染料を含むポリエステル繊維の混入が避けられないときがある。これら染着ポリエステル繊維に含まれる染料は触媒存在下、高温での解重合等の一連の反応中に分解して、回収有用成分中に分散し、品質を著しく悪化させる。こういった問題点に言及し、対策を講じた例は以下の特許文献1にて示されているが、その装置の形状に関する具体例は示されていない。
特開2004−217871号公報(特許請求の範囲)
本発明の目的は、染着されたポリアルキレンテレフタレート繊維から抽出溶剤を使用した染料抽出操作及び解重合反応を同一反応槽内で行うための方法を提供することにより染着ポリエステル繊維製品から、高純度のポリエステル製造に使用可能なモノマーを効率的かつ経済的に回収することができる方法を確立することにある。本発明のさらに他の目的及び利点は、以下の説明から明らかになるであろう。
本発明者らは上記技術に鑑み、鋭意検討を行った結果、染着されたポリアルキレンテレフタレートから抽出溶剤を用いて固液分離を実施するための金網が設置されている反応槽内にて染料を抽出し、抽出溶剤を固液分離により反応槽外に抜き出し染料抽出済みポリアルキレンテレフタレートを得て、その後同一反応槽内で染料抽出済みポリアルキレンテレフタレートを解重合触媒とアルキレングリコールの存在下解重合反応させてビス−ω−ヒドロキシアルキルテレフタレート(BHAT)を含む解重合溶液を得る染料抽出解重合方法により上記課題が解決できることを見出した。
本発明により、従来にはなかった染着ポリエステル繊維製品から、同一反応槽で溶剤による染料抽出及び解重合反応を実施できる染料抽出解重合方法及び染料抽出解重合装置が提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明の染料抽出解重合方法においては、対象とするポリアルキレンテレフタレートとしては、典型的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートよりなる繊維や他のポリエステルよりなる成形品を例示できるが、ナイロンや木綿等の他の素材を、混紡等の形で含んでいてもよく、表面改質等の目的のために使用される他のプラスチック成分を含んでいてもよい。本発明において対象とされるポリアルキレンテレフタレートはポリアルキレンテレフタレート繊維であることが好ましい。以下本発明の染料抽出解重合方法がポリアルキレンテレフタレート繊維に対して実施される場合について述べる。
本発明の染料抽出解重合方法方法においてはまず染着ポリアルキレンテレフタレート繊維から染料抽出工程において、染料を抽出・除去する。染料としてはポリアルキレンテレフタレート繊維を染色するのに通常用いられる分散染料であれば特に限定はない。染着されたポリアルキレンテレフタレート繊維には、種々の分散染料等が使用されており、その分子内にジアゾ基やハロゲン(ClやBr)等、回収する有用成分の品位を低下せしめる成分を含むものが多い。
これらの成分を含んだ状態で、染着ポリアルキレンテレフタレート繊維を触媒存在下アルキレングリコールによる解重合反応に供すると、ジアゾ基の開裂反応やハロゲン原子の溶出が併発し、回収する有用成分の品位を著しく低下せしめる。
一方、分散染料等はポリアルキレンテレフタレート繊維と分子間力によって結合しており、溶剤抽出によって繊維から染料を抽出・除去することが可能である。ポリアルキレンテレフタレート繊維から塩化メチレンによって染料や表面仕上剤を除去する方法を例示することができる。しかしながら、塩化メチレンが解重合反応工程に混入すると、溶剤自身に含有するCl成分が回収有用成分に混入する可能性が高く、抽出溶剤としては適していない。これらの問題点は、染料抽出溶剤としてキシレン及びアルキレングリコールを抽出溶剤として組み合わせて使用することによって解決できる。ここで抽出溶剤として用いるキシレンとは、主としてキシレンからなる溶剤である。また、抽出溶剤として用いるアルキレングリコールとは、主としてアルキレングリコールよりなる溶剤である。主としてキシレンからなる溶剤にはトルエン、キシレン以外のジアルキルベンゼン、トリアルキルベンゼンなどが含まれていても良く、主としてアルキレングリコールからなる溶剤にはジアルキレングリコール、トリアルキレングリコール、アルコール、ジアルキルエーテル、ジアルキルケトン、環状エーテルなどが含まれていても良い。
キシレンを染料抽出溶剤として用いることは本来なら布帛にキシレンが残存し、テレフタル酸ジメチルの品質を落とすことになる。しかしながら、キシレンの沸点は138℃〜144℃であり、アルキレングリコールによる染料抽出時及び、解重合反応時にキシレンの大部分を布帛より除去することが可能である。
染料抽出工程で使用するキシレンは混合キシレン、パラキシレン、メタキシレン及びオルソキシレンよりなる群から選ばれた少なくとも1つのキシレンを用いることが好ましい。これらは単独で使用してもよいし、2種類以上の混合物として使用しても構わない。ここで混合キシレンとはパラキシレン、メタキシレン、オルソキシレン及びエチルベンゼンの混合物のことを指し、特に組成比は問わない。
染料抽出工程で使用するアルキレングリコールが、有用成分回収の対象とするポリアルキレンテレフタレート繊維の骨格構造を形成できるグリコールであることが好ましい。すなわちポリアルキレンテレフタレート繊維を構成するポリアルキレンテレフタレートの繰り返し単位を構成する成分であることが好ましい。より好ましくは主たる繰り返し単位を構成する成分であることが好ましい。また、染料抽出工程で使用するアルキレングリコールと、後述する解重合反応工程で使用するアルキレングリコールとが、同一種のアルキレングリコールであることが好ましい。いずれも、良好な品質の有用成分が得られやすくなること、有用成分、特にアルキレングリコールの回収が容易になること、染料抽出工程、解重合反応工程等での循環使用が可能になること等の利点が得られるからである。
たとえば、染料抽出工程で使用するアルキレングリコールと有用成分回収の対象とするポリアルキレンテレフタレート繊維の骨格構造を形成できるアルキレングリコールと、解重合反応工程で使用するアルキレングリコールとが、同一種のアルキレングリコールである場合には、染料抽出後に染料抽出済みポリアルキレンテレフタレート繊維中にアルキレングリコールが残留したとしても、後の有用成分回収工程のための工程に何等悪影響を及ぼすことなく高純度の有用成分を回収することができる。この結果、工程の簡素化を図ることができ、非常に経済的に有利となる。
前記の染料抽出工程で使用するアルキレングリコールの例としてはエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロパンジオール及び1,4−ブタンジオールよりなる群から選ばれた少なくとも1つのグリコールを用いることが好ましい。これらは単独で使用してもよいし、2種類以上の混合物として使用しても構わない。
なお、骨格構造を形成できるグリコールとは、たとえば、ポリアルキレンテレフタレート繊維がポリエチレンテレフタレート(PET)からなる場合にはエチレングリコールを、ポリトリメチレンテレフタレートからなる場合には1,3−プロパンジオール(トリメチレングリコール)を、ポリブチレンテレフタレートからなる場合には1,4−ブタンジオールを例示できる。エチレンテレフタレート構造とブチレンテレフタレート構造とを有するポリマーの場合は、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、又はエチレングリコールと1,4−ブタンジオールとの混合物のいずれでも良い。
反応槽内にて染料抽出を行う際の染料抽出温度が、高すぎると染料の分解を招き、逆に抽出温度が低すぎると抽出溶剤がポリアルキレンテレフタレート繊維内へと拡散する速度が不充分となって抽出が効率的ではなくなる。抽出温度としては、ポリアルキレンテレフタレート繊維を形成するポリエステルがPETの際には、そのガラス転移点以上220℃以下であり、好ましくは120℃〜210℃である。例えば、抽出溶剤として用いるキシレンとしてパラキシレンを使用し、抽出溶剤として用いるアルキレングリコールとしてエチレングリコールを使用し、130〜210℃で染料抽出を行いたい場合には加圧で操作を行えば問題なく染料抽出が行える。
また染料抽出の際に反応槽内に撹拌機があるとポリアルキレンテレフタレート繊維内が抽出溶剤に浸漬される速度が速くなったり、染料抽出時の反応槽内の温度ムラが少なくなることに寄与するので好ましい一態様である。撹拌機の形態は上記の目的を達成できるものであれば特に限定はない。
染料抽出を終えた後は固液分離工程において、染料を含む抽出溶剤と染料抽出済みポリアルキレンテレフタレート繊維を分離することができる。固形物が邪魔して撹拌ができなくなる等の困難が発生することを防止でき、解重合反応工程において使用するアルキレングリコールの量を低減でき、解重合反応時間を短縮できて、経済的にも有利であるばかりでなく、最終的に回収される有用成分の品質向上にも寄与できるからである。
固液分離の方法としてはプレッシャーフィルターや窒素ガスによる加圧濾過、真空吸引濾過、遠心分離等公知の固液分離方法が適用可能である。この固液分離を実施するための金網が染料抽出を行った反応槽内に設置されていると固液分離操作が容易にできる点で好ましい。さらにその金網の目の孔径が50〜100μmであることが好ましい。金網の目の孔径が50μmより小さいと固液分離操作に必要以上に時間がかかり好ましくないことがあり、100μmを超えると染料抽出済みポリアルキレンテレフタレート繊維の一部が金網を通過して配管詰まりの原因になることがあり好ましくない。さらに抽出溶剤を反応槽から外部に抜き出す送液口が反応槽についていると効率的に反応槽の外部に抜出すことが出来るのでより好ましい。固液分離を行う際に抽出溶剤が反応槽の下部側に送られる場合には、送液口は固液分離を実施する為の金網より反応槽下部側に設けられていることが好ましい。
以上具体的な態様としてポリアルキレンテレフタレートがポリアルキレンテレフタレート繊維である場合について説明を行った。しかしポリアルキレンテレフタレートが繊維以外の成形品である場合においても、繊維と同様な手法により染着されている場合には、事前にその成形品を取り扱いが困難にならない程度に裁断・破砕しておくことによって同様な手法で染料の抽出が行える。
染料抽出済みポリアルキレンテレフタレート繊維は、解重合反応工程において、解重合触媒の存在下、アルキレングリコールと反応させて、ビス−ω−ヒドロキシアルキルテレフタレート(BHAT)を含む解重合溶液とすることができる。オリゴマーが混ざっていてもよい。固液分離工程を経て得られた染料抽出済みポリアルキレンテレフタレート繊維を使用することが好ましいのは、先に述べたとおりである。この解重合反応を染料抽出と同一反応槽内にて行うことが本発明の特徴である。染料抽出後の固形分である染料抽出済みポリアルキレンテレフタレート繊維を他の反応槽に移送する手間を省略できるので効率的かつ経済的な有用成分回収が可能になる。
より具体的には公知の解重合触媒を公知の触媒濃度で使用し、120〜210℃の温度下、過剰のアルキレングリコール中で解重合反応させることが好ましい。アルキレングリコールの温度が120℃未満であると、解重合反応時間が非常に長くなり効率的ではなくなる。一方、210℃を越えるとポリアルキレンテレフタレート繊維に含まれる油剤等の熱分解が顕著になり、分解して発生した窒素化合物等が回収有用成分に分散して、後の有用成分回収のための工程では分離困難となる。好ましくは、140〜190℃である。
解重合触媒としてはナトリウム化合物やカリウム化合物が好ましく用いることができ、具体的には炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムを挙げることができる。
解重合反応工程の反応中又は反応後に固形物を除去することが有用である。この工程ではその前の工程で排除することができなかったポリエチレン、ポリプロピレン等のポリエステルとは異なる繊維を浮遊分離できる。これらの繊維は解重合反応の溶媒であるアルキレングリコールよりも比重が小さく、液面上に浮上してくるのでこれらを浮遊物塊として層分離させた後抜出し除去する方法が、実施が容易であり、好ましい。
固形物除去工程では解重合反応後に、綿等の異繊維を濾過選別してもよい。これらはアルキレングリコールよりも比重が大きく、浮遊塊としては分離できない成分である。このように、固形物除去工程では、アルキレングリコールよりも比重が小さいものや比重が大きいものを含め、固形物一般を除去する。固形物一般を除去する方法としては、上記以外の公知の方法を採用することもできる。さらに解重合溶液を効率的に反応槽から外部に抜き出す送液口が反応槽についているとより好ましい。固液分離を行う際に解重合溶液が反応槽の上部側に送られる場合には、送液口は固液分離を実施する為の金網より反応槽上部側に設けられていることが好ましい。
上記の染料抽出解重合を行う装置としては反応槽内に目の孔径が50〜100μmの金網が設けられており、該金網より反応槽上部側に撹拌機と解重合溶液を反応槽外部に抜き出す送液口が設けられ、該金網より反応槽下部側に抽出溶剤を反応槽外部に抜き出す送液口が設けられている染料抽出解重合装置がよい。
反応槽内部に50μm〜100μmの金網を設置すること及び金網の上下に反応槽からの抜き出し口をそれぞれに設置することも好ましい。通常の反応槽では染着ポリアルキレンテレフタレート繊維は染料抽出溶剤と混合攪拌され、染料抽出操作が完了した後に布帛(主にポリアルキレンテレフタレート繊維よりなる)と溶剤との約20%スラリーとなるため、ポンプケーシング部、配管に布帛が閉塞することから染料抽出後の抽出溶剤のみを選択的に次工程に送液することができない。これを解決するために反応槽内部に金網及び金網上下の反応槽からの抜き出し口をそれぞれ設けることにより、布帛と染料抽出後の抽出溶剤を固液分離し、金網下の送液口より染料抽出後の抽出溶剤のみを選択的に次工程の送液することを可能とした。また、染料を含む染料抽出後の抽出溶剤と染料を抽出除去した布帛とを分離した後、185℃まで加熱しておいたエチレングリコール、解重合触媒としての炭酸カリウムを所定量混合物に仕込み、常圧で4時間反応させて、ビス−β−ヒドロキシエチエチレンテレフタレート(BHET)を含む解重合溶液を得た後に、反応槽内に設定された金網上抜き出し口から当該反応液中に含有される異素材とともにポンプで次工程である蒸留塔に送液することとした。次工程への送液途中に設けられた金網ストレーナーによりポリエステル以外の異素材を濾過除去した。この固形物除去工程では、主に、ポリエステル以外の異素材(主に綿)を除去することができた。
次に反応槽内部のレベルが金網以下に低下すれば金網上からの送液を中止し
金網下の抜き出し口からのポンプ送液に切り替えることにより反応槽内の解重合液全量を次工程の送液することが可能となる。
なおこれらの操作が終了した後解重合溶液について、エステル交換触媒とメタノールにより、エステル交換を行うことができる。この工程により、ポリアルキレンテレフタレート製造に有用な成分、テレフタル酸ジメチルとアルキレングリコールとを得ることができる。さらにエステル交換工程で得られた粗製テレフタル酸ジメチル、粗製アルキレングリコールを蒸留等の精製方法により精製し、高純度の精製テレフタル酸ジメチル、精製アルキレングリコールを得る。この際にポリアルキレンテレフタレート繊維としてポリエチレンテレフタレートからなる繊維を用いた場合には、精製テレフタル酸ジメチルとエチレングリコールが得られる。
以下実施例により本発明の具体的な形態をより詳細に述べるが、本願発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
本発明の方法に処される染着されたポリエステル繊維である、分散染料にて黒色に染色されたポリエチレンテレフタレート布帛(染料抽出前の布帛中の窒素含有量:900ppm)を造粒したもの2,500kgとパラキシレン15,000kgとを撹拌機の設けられた反応槽に投入して、温度130℃にて10分間加熱・攪拌することによって染料を抽出する工程を実施した。抽出終了後、固液分離工程として、反応槽内に設置されている金網孔径80μmにより濾過を行い、染料を含むパラキシレンと染料を抽出した布帛(染料抽出済みポリエステル繊維)とを分離した。染料抽出に使用されたパラキシレンは金網より反応槽下部に設置された送液口からポンプにより次工程の溶剤蒸留工程に送液された。
その後、染料を抽出除去したポリエチレンテレフタレート布帛と新たなパラキシレン15,000kgとを反応槽に投入して、染料の抽出を同条件で実施した。抽出終了後再度同様に固液分離を行い、染料を含むパラキシレンと染料を抽出除去したポリエチレンテレフタレート布帛とを分離した。
その後、染料を抽出除去した布帛と新たなエチレングリコール15,000kgとを反応槽に投入して、温度170℃にて10分間加熱・攪拌することによって染料を抽出する工程を実施した。染料の抽出を同条件で実施した。この時の加熱により布帛中に含液するパラキシレンの大部分はベント経由で蒸発する。蒸発したパラキシレンは冷却器により回収する。抽出終了後再度固液分離を行い、染料を含むエチレングリコールと染料を抽出除去した布帛とを分離した。
その後、解重合反応工程として、この染料抽出済み布帛2,500kgを予め185℃まで加熱しておいたエチレングリコール5,000kg、解重合触媒としての炭酸カリウム75kgの混合物に仕込み、常圧で4時間反応させて、ビス−β−ヒドロキシエチエチレンテレフタレート(BHET)を含む解重合液を得た。
なお、解重合反応工程の解重合反応後に、反応槽内に設置された金網より反応槽上部に設置された送液口から当該解重合溶液中に含有される異素材とともにポンプで次工程である蒸留塔に送液される。その送液途中の設けられた金網ストレーナーにより異素材を濾過除去した。この固形物除去工程では、主に、ポリエステル以外の異素材(主に綿)を除去することができた。
次に反応槽内部のレベルが金網以下に低下すれば金網より反応槽上部に設置された送液口を閉止して送液を一時中断し、金網より反応槽下部に設置された送液口を開として金網下からのポンプ送液に切り替える。この切替操作により反応槽内の解重合液は全量次工程の蒸留工程に送液することができる。
[比較例1]
実施例1と同様の操作を反応槽内に金網が設置されていない反応槽にて行った。染着されたポリエステル繊維である、黒色に染色されたポリエチレンテレフタレート布帛(染料抽出前の布帛中の窒素含有量:900ppm)を造粒したもの2,500kgとパラキシレン15,000kgとを反応槽に投入して、温度130℃にて10分間加熱・攪拌することによって染料を抽出する工程を実施した。抽出終了後、固液分離工程として、染料を含むパラキシレンと染料を抽出した布帛(染料抽出済みポリエステル繊維)とを分離したが、布帛がポンプケーシング部、サクション配管部に閉塞して以降の工程の実施が不可能となった。
本発明により、従来にはなかった染着ポリエステル繊維製品から、同一反応槽で溶剤による染料抽出及び解重合反応を実施できる染料抽出解重合方法及び染料抽出解重合装置が提供される。同一反応槽内で染料抽出及び解重合が行えるので、回収すべきポリエステルの有効成分を他の設備等に残留させることがなく、収率のよい回収が可能になる。よって、工業的な意義は極めて大きい。
本発明の実施に用いる染料抽出(脱色)と解重合を同一の反応槽で行う反応槽の一例である。
符号の説明
1 孔径50〜100μmの金網
2 撹拌機
3 解重合溶液を抜き出す送液口
4 抽出溶剤を抜き出す送液口

Claims (8)

  1. 染着されたポリアルキレンテレフタレートから抽出溶剤を用いて固液分離を実施するための金網が設置されている反応槽内にて染料を抽出し、抽出溶剤を固液分離により反応槽外に抜き出し染料抽出済みポリアルキレンテレフタレートを得て、その後同一反応槽内で染料抽出済みポリアルキレンテレフタレートを解重合触媒とアルキレングリコールの存在下解重合反応させてビス−ω−ヒドロキシアルキルテレフタレート(BHAT)を含む解重合溶液を得る染料抽出解重合方法。
  2. 染着されたポリアルキレンテレフタレートがポリアルキレンテレフタレート繊維である請求項1記載の染料抽出解重合方法。
  3. 金網の目の孔径が50〜100μmである請求項1又は2記載の染料抽出解重合方法。
  4. 反応槽内に撹拌機が設置されている請求項1〜3のいずれか1項記載の染料抽出解重合方法。
  5. 染料抽出後の抽出溶剤及び解重合反応後の解重合溶液を反応槽外部に抜き出す送液口が設けられている請求項1〜4のいずれか1項記載の染料抽出解重合方法。
  6. 固液分離を実施するための金網より反応槽上部側に解重合反応後の解重合溶液を反応槽外部に抜き出す送液口が設けられている請求項1〜4のいずれか1項記載の染料抽出解重合方法。
  7. 固液分離を実施するための金網より反応槽下部側に染料抽出後の抽出溶剤を反応槽外部に抜き出す送液口が設けられている請求項1〜5のいずれか1項記載の染料抽出解重合方法。
  8. 染料抽出工程と解重合工程を同一反応槽で行い、染料抽出反応槽内に目の孔径が50〜100μmの金網が設けられており、該金網より染料抽出反応槽上部側に撹拌機と解重合溶液を染料抽出反応槽外部に抜き出す送液口が設けられ、該金網より染料抽出反応槽下部側に抽出溶剤を染料抽出反応槽外部に抜き出す送液口が設けられている染料抽出解重合装置。
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