JP3110895B2 - 重合体の製造方法および有機磁性体 - Google Patents

重合体の製造方法および有機磁性体

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JP3110895B2
JP3110895B2 JP04295173A JP29517392A JP3110895B2 JP 3110895 B2 JP3110895 B2 JP 3110895B2 JP 04295173 A JP04295173 A JP 04295173A JP 29517392 A JP29517392 A JP 29517392A JP 3110895 B2 JP3110895 B2 JP 3110895B2
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フランシス ガルニエ
ヤッサー アブデラヒム
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日石三菱株式会社
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F1/00Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties
    • H01F1/42Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of organic or organo-metallic materials, e.g. graphene

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は溶媒に可溶なメタロセン
ユニットを含有する新規な共役系重合体の製造方法、該
重合体を酸化することにより得られる有機磁性体および
フェロセンユニットを含有する新規な共役系重合体に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、高度情報化社会の進展にともな
い、磁気ディスクや磁気テープ、磁性ゴムのような種々
の磁性材料が開発され、広く使用されるようになってき
た。これらの磁性材料にはいずれも有機高分子が使用さ
れているが、無機の磁性体が混合、塗布あるいはスパッ
タリングされたものであり、有機高分子はあくまで受動
的なマトリックス担体として使用されているにすぎな
い。もし強磁性を示すような有機高分子が得られるなら
ば、分子レベルでの材料設計が可能となり、また非常に
軽量な材料ができるため、その波及効果は計り知れない
ものがある。そこで有機高分子磁性体の開発を目指した
研究が非常に盛んになってきた。
【0003】A.A.オブチニコフ(Ovchinni
kov)らは、安定なラジカルである2,2,6,6−
テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジニルオキシ基を
有するアセチレン化合物を熱処理することにより、ポリ
[1,4−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒド
ロキシピペリジニル−1−オキシル)ブタジイン]を合
成し、これが弱いながら有機高分子磁性体と成り得るこ
とを示した(オブチニコフ他、ネイチャー(Natur
e)、326,370(1987))。
【0004】しかし、このポリマーにおいては、発生し
たスピンは共役系主鎖と離れた位置にあるため、十分な
磁性は得られない。
【0005】また、J.ミラー(Miller)らは、
フェロセンとテトラシアノエチレンとの電荷移動錯体を
合成し、この化合物が4.8Kで強磁性体になることを
示した(ミラー他、ジャーナル オブ アメリカン ケ
ミカル ソサイアティー(J.A.C.S)、109,
3850(1987))。
【0006】しかしながら、前記の化合物はモノマーで
あるため重合体としての特長を期待することは不可能で
あり、また強磁性発現温度も実用的には低すぎるなどの
問題があった。
【0007】そこで、本発明者らはメタロセンユニット
を含有する新規な共役系重合体の製造方法を提案し、そ
れを酸化することにより新規な有機磁性体の合成を行っ
た(特開平4−154833)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
化合物は溶媒に不溶であるため共役鎖長が短く、高い強
磁性発現温度を示すことや、加工性などの点でまだ十分
とはいえなかった。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、これらの
問題点を解決すべく鋭意検討した結果、新規なメタロセ
ンユニットを含有する共役系重合体の製造方法を見出
し、かかる特定の製造法により得られた重合体が溶媒に
可溶であることを見出し、さらに得られる重合体を酸化
することにより優れた特性を有する有機磁性体が得られ
ることを見出して本発明に到達したものである。
【0010】すなわち、本発明は、一般式[I]で表さ
れる化合物に、
【0011】
【化5】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R7
8 、R9 およびR10は水素原子、ハロゲン原子、炭素
数1〜10の炭化水素残基、アミノ基、シアノ基、ニト
ロ基、カルボキシル基またはヒドロキシル基を示し、R
1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R7 、R8 、R9
およびR10同士は同一でも異なってもよく、Meは周期
律表IV〜VIII属の遷移金属元素を示す)有機アル
カリ金属化合物を反応させ、しかるのち、一般式[I
I]で表される化合物を、 Y−(R11m −(R12n −X [II] (式中、R11 は、炭素数が1〜20のアルキル置換基を
有する、フェニレン基、チェニレン基、ピロリレン基、
フリレン基、セレノフェニレン基、テルルフェニレン
基、キノリレン基およびこれらを組み合わせたものから
なる群より選ばれる共役基であり、R12はフェニレン
基、チェニレン基、ピロリレン基、フリレン基、セレノ
フェニレン基、テルルフェニレン基、キノリレン基およ
びこれらを組み合わせた共役基を示し、XおよびYは水
素原子またはハロゲン原子を示し、m、nは、m≧1、
n≧0を各々満たす整数を示す)反応させることを特徴
とする一般式[III]で表される重合体の製造方法に
関する。
【0012】また、本発明は下記一般式[III]で表
される重合体を酸化することにより得られる有機磁性体
に関する。
【0013】
【化6】 (式中、R1 、R3 、R4 、R5 、R6 、R8 、R9
よびR10は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10の
炭化水素残基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、カルボ
キシル基またはヒドロキシル基を示し、R1 、R3 、R
4 、R5 、R6 、R8 、R9 およびR10同士は同一でも
異なってもよく、またR11 は、炭素数が1〜20のアル
キル置換基を有する、フェニレン基、チェニレン基、ピ
ロリレン基、フリレン基、セレノフェニレン基、テルル
フェニレン基、キノリレン基およびこれらを組み合わせ
ものからなる群より選ばれる共役基であり、R12はフ
ェニレン基、チェニレン基、ピロリレン基、フリレン
基、セレノフェニレン基、テルルフェニレン基、キノリ
レン基およびこれらを組み合わせた共役基を示し、Xお
よびYは水素原子またはハロゲン原子を示し、mはm≧
1を満たす整数、nはn≧0を満たす整数を示し、Me
は周期律表IV〜VIII族の遷移金属元素を示し、L
は2以上の整数を示す)また、本発明は下記一般式[I
V]で表される重合体に関する。
【0014】
【化7】 (式中、R1 、R3 、R4 、R5 、R6 、R8 、R9
よびR10は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10の
炭化水素残基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、カルボ
キシル基またはヒドロキシル基を示し、R11は炭素数が
1〜20のアルキル置換基を有するチェニレン基を示
し、R12はチェニレン基を示し、m、nは、m≧1、n
≧0を各々満たす整数を示す。LはL≧2を満たす整数
を示す)以下、本発明について詳細に説明する。
【0015】本発明の製造方法で用いる一般式[I]で
表される化合物としては、式中のR 1 〜R10が水素原
子、ハロゲン原子、炭素数1〜10、好ましくは1〜8
の炭化水素残基(炭化水素基、含酸素炭化水素基)、ア
ミノ基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基またはヒ
ドロキシル基を示し、R1 、R2 、R3 、R4 、R5
6 、R7 、R8 、R9 およびR10同志は同一でも異な
ってもよく、また、該炭化水素残基としては、メチル
基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基
等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、
クメニル基、メシチル基等のアリール基、ベンジル基、
フェネチル基、スチリル基、ベンズヒドリル基等のアリ
ールオキシ基;ベンジルオキシ基等のアラルキルオキシ
基;アルデヒド基等が挙げられ、また、ハロゲンとして
は、フッ素、臭素、塩素、沃素が挙げられる。
【0016】本発明で用いるこれら一般式[I]で表さ
れる化合物の具体例としては、 チタノセン:1,1′,3,3′,−ビス(1,1′−
ジメチルエチル)チタノセン、1,1′−ビス(1,
1′−ジメチルエチル)チタノセン、1,1′,3,
3′,−ビス(メチルエチル)チタノセン、1,1′,
−ビス(1−メチルエチル)チタノセン,メチルチタノ
セン、1,1′−ジメチルチタノセン,ジブチルチタノ
セン、 ジルコノセン:1,1′,3,3′−テトラキス(1,
1′−ジメチルエチル)ジルコノセン,ジブチルジルコ
ノセン、 クロモセン:フェニルクロモセン,1,1′,2,
2′,3,3′4,4′−−オクタフェニルクロモセ
ン、1,1′,2,2′,3,3′,4,4′−オクタ
メチルクロモセン、1,1′−ジブチルクロモセン、
1,1′−ビス(1,1′−ジメチルエチル)クロモセ
ン、1,1′−ジメチル−3,3′−ジフェニルクロモ
セン、1,1′−ジエチルクロモセン、1,1′−ジメ
チルクロモセン、 ニッケロセン:1,1′,2,2′,3,3′,4,
4′−オクタフェニルニッケロセン、1,1′−ジクロ
ロニッケロセン、1,1′−ビス(フェニルメチル)ニ
ッケロセン、エチルニッケロセン、1,1′−ジプロピ
ルニッケロセン、デカビス(メトキシカルボニル)ニッ
ケロセン、1,1′−ビス(メトキシカルボニル)ニッ
ケロセン、1,1′−ジアセチルニッケロセン、1,
1′−ジメチル−3,3′−ジフェニルニッケロセン、
メトキシニッケロセン、 バナドセン:1,1′−ジエチルバナドセン、1,1′
−エチエニルバナドセン、1,1′,2,2′,3,
3′,4,4′−オクタフェニルバナドセン、1,1′
−ビス(メトキシカルボニル)バナドセン、1,1′,
2,2′,3,3′,4,4′−オクタメチルバナドセ
ン、フェニルエチルバナドセン、フェニルメチルバナド
セン、(1−フェニルエチル)バナドセン、(1−メチ
ル−1−フェニルエチル)バナドセン、デカメチルバナ
ドセン、フェニルバナドセン、1,1′−ジブチルバナ
ドセン、 オスモセン:1−ヒドロキシエチルオスモセン、2−ヒ
ドロキシエチルオスモセン、2−ヒドロキシエチルオス
モセン、1,1′−ビス(4−フルオロフェニル)オス
モセン、アミノカルボニルオスモセン、1,1′−ジメ
チルオスモセン、(2−シアノ−1−ヒドロキシ−1−
フェニルエチル)オスモセン、 ルテノセン:アセチルルテノセン、(2−アミノ−2−
カルボキシエチル)ルテノセン、ベンゾイルルテノセ
ン、(2−ベンゾイル−3−オキソ−1−ブテニル)ル
テノセン、1,1′−ビス(アセチルオキシ)ルテノセ
ン、1,1′,3,3′−ビス(1,4−ブタンジル)
ルテノセン、1,1′−ビス(クロロカルボニル)ルテ
ノセン、1,1′−ビス(2−クロロエトキシ)ルテノ
セン、1,1′−ビス(クロロメチル)ルテノセン、
1,3−ビス[(ジメチルアミノ)カルボニル]ルテノ
セン、1,1′−ビス(4−フルオロフェニル)ルテノ
セン、1,1′,3,3′−ビス(1,3−プロパンジ
ル)ルテノセン、ブロモルテノセン、1,1′−ジアセ
チルルテノセン、1,1′−ジブロモルテノセン、1,
1′−ジメルカプトルテノセン、[(ジメチルアミノ)
カルボニル]ルテノセン、[(ジメチルアミノ)メチ
ル]ルテノセン、1,1′−[(ジメチルシリレン)ビ
ス(チオ)]ルテノセン、1,1′−[(ジフェニルメ
チレン)ビス(チオ)]ルテノセン、1−(エトキシカ
ルボニル)−2−ホルミルルテノセン、ホルミルルテノ
セン、(1−ヒドロキシエチル)ルテノセン、メチルル
テノセン、1,1′−[メチレンビス(チオ)]ルテノ
セン、(1−オキソ−3−フェニル−2−プロペニル)
ルテノセン、1,1′−[オキシビス(1,2−エタン
ジルオキシ)]ルテノセン、1,1′−(1,3−プロ
パンジル)ルテノセン、(トリクロロシリル)ルテノセ
ン、1,1′−トリチオルテノセン、 コバルトセン:アミノコバルトセン、(アミノカルボニ
ル)コバルトセン、1,1′−ビス(ジフェニルフォス
フィノ)コバルトセン、1,1′−ビス(1−メチルエ
トキシ)コバルトセン、1,1′−ビス(1−メチルエ
チル)コバルトセン、1,1′−ビス(1−メチルプロ
ピル)コバルトセン、カルボキシコバルトセン、1,
1′−ジカルボキシコバルトセン、1,1′−ジエチル
コバルトセン、1,1′−ジメチルコバルトセン、1,
1′−ジニトロコバルトセン、 フェロセン:アセチルフェロセン、(アセチルアミノ)
フェロセン、1−アセチル−1′−ベンゾイルフェロセ
ン、1−アセチル−1′−ブロモフェロセン、1−アセ
チル−2−(1,1′−ジメチルエチル)フェロセン、
1−アセチル−3−エチルフェロセン、(4−アセチル
フェニル)フェロセン、アミノフェロセン、(1−アミ
ノエチル)フェロセン、1,1′−ビス(アセチルオキ
シ)フェロセン、1,1′−ビス(2−ブロモエチル)
フェロセン、1,1′−ビス(クロロカルボニル)フェ
ロセン、1,1′−ビス(2−クロロエトキシ)フェロ
セン、1,1′−ビス[(ジメチルアミノ)メチル]フ
ェロセン、1,1′−ビス(ジフェニルフォスフィノ)
フェロセン、1,1′−ビス(1−ヒドロキシエチル)
フェロセン、1,1′−ビス(1−メチルエチル)フェ
ロセン、1,1′−ビス(メチルチオ)フェロセン、ブ
ロモフェロセン、ブチルフェロセン、カルボキシフェロ
セン、クロロフェロセン、クロロアセチルフェロセン、
(2−クロロベンゾイル)フェロセン、シアノフェロセ
ン、1,1′−ジアセチルフェロセン、1,1′−ジブ
チルフェロセン、1,1′−ジクロロフェロセン、1,
1′−ジエチルフェロセン、1,1′−ジメチルフェロ
セン、[(ジメチルアミノ)メチル]フェロセン、
(1,3−ジオキソブチル)フェロセン、(ジフェニル
アミノ)フェロセン、(ジフェニルフォスフィノ)フェ
ロセン、エテニルフェロセン、エトキシフェロセン、エ
チルフェロセン、1−エチル−1′−ヘキシルフェロセ
ン、(3−エチルフェニル)フェロセン、ホルミルフェ
ロセン、(1−ヒドロキシエチル)フェロセン、ヨード
フェロセン、メルカブトフェロセン、メトキシフェロセ
ン、メチルフェロセン、(1−メチルエトキシ)フェロ
セン、(1−メチルエチル)フェロセン、ニトロフェロ
セン、フェニルフェロセン、フェニルアミノフェロセ
ン、(フェニルメチル)フェロセン、[1−(フェニル
チオ)エチル]フェロセン、プロピルフェロセン、1,
1′,2,2′−テトラクロロフェロセン、1,1′,
2,2′−テトラメチルフェロセン、1,1′,3,
3′−テトラメチルフェロセン、トリフルオロメチルフ
ェロセンなどが挙げられる。
【0017】かかる一般式[I]で表される化合物と反
応させる有機アルカリ金属化合物としては、一般式 R′Ma で表される化合物であり、MaとしてはLi,Na,K
等のアルカリ金属元素を示し、R′は炭素数1〜12、
好ましくは1〜8の炭化水素基であり、炭化水素基とし
ては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の
アルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基等のア
リ−ル基、ベンジル基等のアラルキル基等が挙げられ
る。具体的には、メチルリチウム、エチルリチウム、ブ
チルリチウム、フェニルリチウム、ベンジルリチウム、
メチルカリウム、メチルナトリウム等が挙げられ、特
に、ブチルリチウムが好ましい。
【0018】一般式[I]で表される化合物と有機アル
カリ金属化合物との反応は、特に限定されないが、通
常、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水
素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水
素、ジエチルエーテル、テトラハイドロフラン等のエー
テル類等の有機溶媒中で行われ、かつ、アルゴン、窒素
等の不活性雰囲気下において行われる。この反応におけ
る反応温度は、用いる溶媒の凝固温度と沸点との間であ
る限りにおいて特に限定されることはなく、また用いる
溶媒により適宜選択されるものであるが、通常、0〜1
00℃の範囲であり、50〜80℃が望ましい。また、
反応温度は、通常、10分〜10時間の範囲であり、1
〜5時間が望ましい。
【0019】この時の両者の反応割合は、一般式[I]
で表される化合物に対する有機アルカリ金属化合物の反
応割合として、一般式[I]で表される化合物 1モルに
対して通常0.01〜100モル、好ましくは0.05
〜10モル、さらに好ましくは0.1〜5モルの範囲で
ある。
【0020】またこれらの反応は、例えば、テトラメチ
レンジアミン,N,N,N′,N′−テトラメチルエチ
レンジアミン,N,N,N′,N′−テトラエチルエチ
レンジアミン,トリエチレンジアミン等のアミン類の存
在下において行うこともできる。
【0021】これらの反応により、一般式[I]で表さ
れる化合物におけるシクロペンタジエニル基にアルカリ
金属原子が以下のように付加導入される。
【0022】
【化8】 本発明の重合体の製造方法においては、かくして得られ
た反応物(以下、反応物と略称する)に前記一般式
[II]で表される化合物を反応させることにより、目
的の一般式[III]で表される重合体を得るものであ
る。一般式[II]で表される化合物として、式中のR
11は、炭素数が 1〜20、好ましくは 1〜12のアルキ
ル置換基を有するフェニレン基、チェニレン基、ピロリ
レン基、フリレン基、セレノフェニレン基、テルルフェ
ニレン基、キノリレン基およびこれらを組み合わせた共
役基を示し、またかかる置換基は各々同一でも異なって
もよく(m≧2の場合)、R12はフェニレン基、チェニ
レン基、ピロリレン基、フリレン基、セレノフェニレン
基、テルルフェニレン基、キノリレン基およびこれらを
複数組み合わせた例えば、フェニレンビニレン基、ピロ
リレンビニレン基またはチェニレンビニレン基等の共役
基を示すものであり、また、XおよびYは、水素原子ま
たはフッ素、臭素、塩素、沃素等のハロゲン原子を示す
ものである。mはm≧1、好ましくは 1≦m≦100
0、さらに好ましくは2≦m≦500、特に好ましくは
3≦m≦100、さらに特に好ましくは3≦m≦50を
満たすの整数を示す。また、かかるアルキル置換基とし
ては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル
基、イコサニル基、デカニル基、ドデカニル基などが挙
げられ、直鎖状または分岐状のいずれのものも用いるこ
とができる。nはn≧0、好ましくは0≦n≦100
0、さらに好ましくは0≦n≦500、特に好ましくは
0≦n≦50を満たす整数を示す。
【0023】なお、R11、R12の配列は、ランダム、ブ
ロックのどちらでもよい。
【0024】なお、R11、R12の配列は、ランダム、ブ
ロックのいずれでもよく、もちろん前式一般式はR11
12−R11、R12−R11−R12の様な(R11m −(R
12n −(R11m 、(R12n −(R11m
(R12n の配列も包含するものである。
【0025】一般式[II]で表される化合物しては、
具体的には、
【0026】
【化9】 等が好適な例として挙げられる。
【0027】反応物と一般式[II]で表される化合
物との反応は、それらを直接反応させる方法や、第3の
化合物を用いて反応させる方法等の種々の方法がある
が、例えば、予め反応物に塩化亜鉛、フッ化亜鉛等の
ハロゲン化亜鉛を反応させたのち、さらに一般式[I
I]で表される化合物を反応させる方法、またその方法
を繰り返す方法等が好適な方法として挙げられる。
【0028】まず、かかる反応方法について説明する
と、反応物とハロゲン化亜鉛との反応は、通常、前記
脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、エ−テル類等の有機
溶媒中で行われ、かつ、アルゴン、窒素等の不活性雰囲
気下において行われる。この反応における反応温度は、
用いる溶媒の凝固温度と沸点との間である限りにおいて
特に限定されることはなく、また用いる溶媒により適宜
選択されるものであるが、通常、0〜100℃の範囲で
あり、50〜80℃が望ましい。また、反応時間は、通
常、10分〜10時間の範囲であり、1〜5時間が望ま
しい。
【0029】このときの両者の反応割合は、反応物1
モルに対し、ハロゲン化亜鉛を0.01〜100モル、
好ましくは0.1〜10モル、さらに好ましくは0.5
〜5モルの範囲である。
【0030】これらの反応により、一般式[I]で表さ
れる化合物におけるシクロペンタジエニル基にハロゲン
化亜鉛ユニットが以下のように付加導入される。
【0031】
【化10】 また、反応物とハロゲン化亜鉛との反応物(以下、反
応物と略称する)と一般式[II]で表される化合物
の反応は、通常、前記脂肪族炭化水素、芳香族炭化水
素、エ−テル類等の有機溶媒中で行われ、かつ 、アル
ゴン、窒素等の不活性雰囲気下において行われる。この
反応における反応温度は、用いる溶媒の凝固温度と沸点
との間である限りにおいて特に限定されることはなく、
また用いる溶媒により適宜選択されるものであるが、通
常、0〜100℃、好ましくは30〜80℃の範囲であ
る。また、反応時間は、通常、10分〜100時間、好
ましくは 1〜80時間の範囲である。
【0032】このときの両者の反応割合は、反応物の
1モルに対し、一般式[II]で表される化合物を0.
01〜100モル、好ましくは0.1〜10モル、さら
に好ましくは0.5〜5モルの範囲である。
【0033】なお、かかる反応の際に、Pd(P(C6
H5)34 等の遷移金属化合物を共存させて行っても
よい。
【0034】また、前述の通り、かかる反応を繰り返し
行うことにより本発明の一般式[III]で表される重
合体を得ることが出来る。すなわち、反応物と一般式
[II]で表される化合物との反応物に、さらにハロゲ
ン化亜鉛を前記と同様の条件で反応させ、しかるのち、
一般式[II]で表される化合物を再度反応させること
も出来る。
【0035】さらに、別な方法としては、反応物と一
般式[II]で表される化合物との反応物に、有機アル
カリ金属化合物(前述と同様)を反応させ、しかるの
ち、塩化銅や塩化ニッケル等の各種カップリング剤を反
応させ、本発明の重合体を得ることも出来る。有機アル
カリ金属化合物を反応させる際の条件は、反応物を得
る時と同様に行われ、また、塩化銅や塩化ニッケル等の
各種カップリング剤を反応させるときの条件は、通常、
前記脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、エーテル類等の
有機溶媒中で行われ、かつ、アルゴン、窒素等の不活性
雰囲気下において行われる。この反応における反応温度
は、用いる溶媒の凝固温度と沸点との間である限りにお
いて特に限定されることはなく、また用いる溶媒により
適宜選択されるものであるが、通常、0〜100℃の範
囲であり、30〜80℃が望ましい。また、反応時間
は、通常、10分〜100時間、好ましくは 1〜80時
間の範囲である。このときの両者の反応割合は、反応物
と、一般式[II]で表される化合物との反応物に有
機アルカリ金属化合物を反応させることにより得られる
生成物 1モルに対し、カップリング剤を0.01〜10
0モル、好ましくは0.1〜10モル、さらに好ましく
は0.5〜5モルの範囲である。
【0036】かくして、本発明の重合体、すなわち、一
般式[III]で表される重合体が得られる。かかる重
合体の重合度、すなわち、Lの値は、前述の製造条件、
具体的には、反応温度、用いる溶媒の種類、反応時間等
により適宜調節されるが、2以上、通常、2〜1000
00、好ましくは2〜50000、特に好ましくは 3〜
10000、さらに特に好ましくは5〜5000の範囲
であり、また、この値は通常平均値を示すものである。
このようにして得られる重合体は溶媒に可溶であり、共
役鎖長が長いという著しい特徴を有する。
【0037】本発明のもう一つの特徴は、一般式[II
I]で表される重合体を酸化することにより、容易に磁
性体を製造出来ることである。
【0038】酸化の方法としては、具体的には、かかる
重合体マトリックス中に電子受容体をドープすることに
より、容易に行われる。ドープの方法としては、特に制
限されないが、化学的方法、ドーパントとなる陰イオン
を含む溶媒中で電解酸化を行う電気化学的方法、電子受
容体となるイオンを加速して物質に打ち込むイオン注入
法等のいずれの方法も用いることができる。
【0039】本発明で用いられる電子受容体としては、
本発明の目的を損なわない限り特に限定されない。
【0040】電子受容体のうち、化学的方法によるドー
プに用いられるものを具体的に挙げると、例えばヨウ
素、臭素、ヨウ化水素のようなハロゲン化合物、五フッ
化ヒ素、五フッ化リン、五塩化リン、五フッ化アンチモ
ン、四フッ化ケイ素、塩化アルミニウム、臭化アルミニ
ウム、フッ化アルミニウム、塩化第2鉄、五塩化スズの
ような金属ハロゲン化物、硫酸、硝酸、クロロスルホン
酸のようなプロトン酸、三酸化硫黄、ジフルオロスルホ
ニルパーオキシド、ニトロニウムテトラフルオロボーレ
イト、ニトロニウムヘキサフルオロホスフェイトのよう
な酸化剤、テトラシアノジメタンのような有機物等を挙
げることができる。
【0041】また、電気化学的にドープできる陰イオン
としては、例えばPF6 -、SbF6 -、AsF6 -のような
Va属の元素のハロゲン化物アニオン、BF4 -のような
IIIa属の元素のハロゲン化物アニオン、I-
(I8 -)、Br- 、Cl- のようなハロゲンアニオン、
ClO4 -のような過塩素酸アニオン等の陰イオンが挙げ
られる。
【0042】さらに、イオン注入法でドープできる電子
受容体としては、例えばBr+ 、Cl+ 、l+ 等が挙げ
られる。
【0043】ドープ濃度は、通常一般式[III]で表
される繰り返し単位の1単位当り0.001モル、通常
0.05モル以上であることが好ましい。
【0044】なお、具体的な化学的方法としては、上記
ドーパンドをジクロロメタン、クロロホルム、ニトロベ
ンゼン、アセトニトリル、プロピレンカーボネートのよ
うな溶媒(または極性溶媒)に溶解し、可溶性な前記有
機磁性体前駆体に浸せきする方法があげられ、具体的な
条件としては特に限定されないが、通常0℃〜使用する
溶媒の沸点以下、好ましくは20〜40℃、通常5分〜
5時間、好ましくは30分〜1時間が望ましい。また、
電気化学的方法としては、上記陰イオンを含有するジク
ロロメタン、クロロホルム、ニトロベンゼン、アセトニ
トリル、プロピレンカーボネートのような溶媒に前記有
機磁性体前駆体を溶解させた溶液をスピンコート、ディ
ップコートなどの方法により塗布したITOやPt電極
にプラス電極を印加し、陰イオンをドーピングする方法
などが挙げられる。イオン注入法としてはイオン注入装
置を用いて上記イオンを30〜200KeVに加速し、
可溶性有機磁性体前駆体に注入する方法などが挙げられ
る。かくして、本発明は、一般式[III]で表される
重合体を酸化する事により、優れた物性を有する有機磁
性体が容易に得られるものである。
【0045】
【発明の効果】本発明の重合体の製造方法は、工程が簡
便であり、かつ得られた重合体の分子構造が線状で共役
長が長い等の特長を有するものである。また、溶媒に可
溶であり、加工性がよいという優れた特長を有する。さ
らに、本発明のメタロセン含有共役重合体を酸化するこ
とにより得られる重合体は有機高分子としての性質を有
しながら磁気機能をも示すため、記録材料などの多岐の
用途への応用が可能である。またその磁性が分子レベル
で発現されているので、軽量、高記録密度のメモリー材
料を作製する事が可能である。
【0046】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0047】実施例1 1,1′−ビス(2−チエニル)フェロセンの合成:ア
ルゴン気流下、70mlヘキサン溶媒中で、テトラメチ
レンジアミン(0.11mol、16.5ml)を触媒
とし、n−ブチルリチウム(0.11mol)とフェロ
セン(0.5mol、9.3g)を60℃で2時間反応
させた。その後、得られた反応物を塩化亜鉛(0.1m
ol、13.6g)を含んだ無水テトラハイドロフラン
(THF)溶液60ml中に室温で滴下した。室温のま
ま2時間撹拌した後、その反応溶液を2−ブロモチオフ
ェン(0.1mol、16.3g)と触媒としてのPd
(PPh34 (2−ブロモチオンフェンに対して1m
ol%、1.2g)を含んだTHF溶液40ml中に滴
下した。さらに、その混合溶液を40℃で48時間反応
させた。その後、反応溶液を塩酸酸性水溶液で加水分解
し、ジエチルエ−テルで抽出した。ジエチルエーテル層
は乾燥した後、溶媒を蒸留し、得られた粗精製物をクロ
マトグラフィーで精製した(シリカゲル、ペンタン:ジ
クロロメタン−95:5)。留出した化合物は、未反応
フェロセン(3%)、(2−チエニル)フェロセン(2
1%)、最後に1,1′−ビス(2−チエニル)フェロ
セン(76%、13.3g)であった。その物性は次の
通りである。 融点:154℃。 元素分析、%実験(計算):C 61.68(61.7
1);H 4.05(4.00);S 18.17(1
8.29);Fe15.95(16.00).IR(C
CI4 )、cm-1:998、1030、1045、10
64、1165、1190、1235、1260、12
88、1391、1415、1465。NMR 13C
(CDCl3 )C(ferrocene)68.68、
71.01、82.87;C(thiophene)1
21.91、123.09、127.05、141.6
8、NMR 1H H(ferrocene)4.14
(2H)、4.38(2H)、H(thiophen
e)6.81(2H)、7.02(1H)。 質量分析、M+ =350。
【0048】3−ヘキシルチオフェンの合成:冷却管、
滴下漏斗およびアルゴン注入管を装着した三ツ口フラス
コに、マグネシウム金属(7.77g、320mmo
l)と無水エーテル(70ml)を導入した。つづい
て、1−ブロモヘキサン(52g、317mmol)無
水エーテル溶液を滴下漏斗よりゆっくり滴下した。反応
の開始とともに、エーテルの還流が始まった。さらに、
アルゴン気流下で2時間反応させ、グリニヤール試薬
(ヘキシルマグネシウムブロマイド)を得た。得られた
グリニヤール試薬は、3−ブロモチオフェン(51.5
g、316mmol)とビス(ジフェニルフォスフィ
ノ)−1,3−プロパン−ニッケル(II)クロライド
(NidpppCl2 )、(1.53g)を溶解した無
水エーテル溶液(100ml)が入っている別の三ツ口
フラスコに装着した滴下漏斗に移し変えた。その後、氷
冷しながらグリニヤール試薬を滴下した。滴下終了後、
その混合溶液を室温で24時間撹拌し、反応を終了し
た。得られた混合物は塩酸水溶液に移し、その有機層を
水で洗浄し乾燥させた後濃縮し、粗精製物を得た。最後
に減圧下で蒸留し、透明な液体である3−ヘキシルチオ
フェンを得た(45g、収率85%)。その物性は次の
通りである。 NMR 1H(CDCl3 ) 7.28(1H)、6.
98(2H)、2.70(2H)、1.70(2H)、
1.40(6H)、0.90(3H)。
【0049】2,5−ジブロモ−3−ヘキシルチオフェ
ンの合成:冷却管、滴下漏斗を装着した三ツ口フラスコ
に、3−ヘキシルチオフェン(7.5g、44.6mm
ol)とクロロホルム(160ml)を導入した。つづ
いて、室温でクロロホルム溶液を撹拌しながら、臭素
(14.25g、89mmol)を滴下漏斗よりゆっく
り滴下した。滴下終了後、さらに3時間撹拌を行った。
得られた反応溶液は1N水酸化ナトリウム水溶液で処理
し、その有機層を水で洗浄し乾燥した後、濃縮した粗精
製物を得た。得られた粗精製物はクロマトグラフィーで
精製した(シリカゲル、ヘプタン)。留出した化合物
は、未反応3−ヘキシルチオフェン、ブロモ−3−ヘキ
シルチオフェン、最後に2,5−ジブロモ−3−ヘキシ
ルチオフェン(13.1g、収率90%)であった。そ
の物性は次の通りである。 NMR 1H(CDCl3 ) 6.65(1H)、2.
38(2H)、1.41(6H)、1.20(6H)、
0.79(3H)。
【0050】ポリ(フェロセニル ヘキシルターチェニ
レン)の合成:アルゴン気流下、100mlヘキサン溶
媒中で、テトラメチレンジアミン(0.035mol、
5.2ml)を触媒とし、n−ブチルリチウム(0.0
35mol)と1,1′−ビス(2−チエニル)フェロ
セン(0.015mol、5.25g)を60℃で2時
間反応させた。その後、得られた反応物を塩化亜鉛
(0.035mol、4.75g)を含んだ無水THF
溶液20mlに室温で滴下した。室温のまま2時間撹拌
した後、その反応溶液を2,5−ジブロモ−3−ヘキシ
ルチオフェン(0.015mol、4.9g)と触媒と
してのPd(PPh34 (2,5−ジブロモ−3−ヘ
キシルチオフェンに対して2mol%、0.21g)を
含んだTHF溶液20mlに滴下した。さらに、その混
合溶液を45℃で48時間反応させた。その後、反応溶
液を塩酸酸性水溶液で加水分解し、沈殿した赤色ポリマ
ーのポリ(フェロセニル ヘキシルターチェニレン)を
濾別した。2.31gの重合体が得られ、収率は30%
であった。その物性は次の通りである。 NMR 1H(CDCl3 ) 7.90(1H)、7.
65(1H)、7.40(1H)、7.20(1H)、
7.00(1H)、4.40(4H)、2.90(2
H)、1.70(2H)、1.45(6H)、1.00
(3H)。
【0051】UV−可視 λmax=405nm。Lの
平均値は8。
【0052】ポリ(フェロセニル ヘキシルターチェニ
レン)の磁気的性質:ポリ(フェロセニル ヘキシルタ
ーチェニレン)の酸化を、ジクロロメタン中で、SbC
5 を用いて室温で1時間行った。酸化により重合体の
色は赤色から黒色に変化した。磁気特性の測定は、磁気
天秤を用いて行った。図1には有効磁気モーメントと温
度の関係を、図2には磁化率の逆数と温度の関係を示
す。スピン量子数は4、キュリー温度は24Kであるこ
とより、得られた酸化物は明らかに強磁性体であること
が判明した。
【0053】実施例2 3−デシルチオフェンの合成:1−ブロモヘキサンの代
わりに1−ブロモデカンを用いた以外は実施例1と全く
同様な方法で、3−デシルチオフェンの合成を行った。
得られた生成物は透明な液体で、収率は85%であっ
た。その物性は次の通りである。 NMR 1H(CDCl3 ) 7.12(1H)、6.
83(2H)、2.54(2H)、1.55(2H)、
1.21(14H)、0.84(3H)。
【0054】2,5−ジブロモ−3−デシルチオフェン
の合成:3−ヘキシルチオフェンの代わりに3−デシル
チオフェンを用いた以外は実施例1と全く同様な方法
で、2,5−ジブロモ−3−デシルチオフェンの合成を
行った。得られた生成物は透明な液体で、収率は95%
であった。その物性は次の通りである。 NMR 1H(CDCl3 ) 6.72(1H)、2.
45(2H)、1.50(2H)、1.21(14
H)、0.84(3H)。
【0055】ポリ(フェロセニル デシルターチェニレ
ン)の合成:2,5−ジブロモ−3−ヘキシルチオフェ
ンの代わりに2,5−ジブロモ−3−デシルチオフェン
を用いた以外は実施例1と全く同様な方法で、ポリ(フ
ェロセニル デシルターチェニレン)の合成を行った。
得られた生成物は赤色のポリマーであり、収率は35%
であった。その物性は次の通りである。 NMR 1H(CDCl3 ) 7.90(1H)、7.
65(1H)、7.40(1H)、7.20(1H)、
7.00(1H)、4.40(4H)、2.45(2
H)、1.50(2H)、1.21(14H)、0.8
4(3H)。 Lの平均値は7。
【0056】ポリ(フェロセニル デシルターチェニレ
ン)の磁気的性質:ポリ(フェロセニル ヘキシルター
チェニレン)の代わりにポリ(フェロセニル デシルタ
ーチェニレン)を用いた以外は実施例1と全く同様な方
法で、ポリ(フェロセニル デシルターチェニレン)の
酸化を行った。スピン量子数は4、キュリー温度は20
Kであった。
【0057】実施例3 3′−デシル−2,2′;5′,2″−ターチオフェン
の合成:冷却管、滴下漏斗およびアルゴン注入管を装着
した三ツ口フラスコに、マグネシウム金属(3.04
g、125mmol)と無水エーテル(30ml)を導
入した。つづいて、2−ブロモチオフェン(20.3
g、125mmol)無水エーテル溶液を滴下漏斗より
ゆっくり滴下した。反応の開始とともに、エーテルの還
流が始まった。さらに、アルゴン気流下で2時間反応さ
せ、グリニヤール試薬(2−チエニルマグネシウムブロ
マイド)を得た。得られたグリニヤール試薬は、2,5
−ジブロモ−3−デシルチオフェン(15.9g、4
1.6mmol)とビス(ジフェニルフォスフィノ)−
1,3−プロパン−ニッケル(II)クロライド(Ni
dpppCl2 )(0.94g)を溶解した無水エーテ
ル溶液(40ml)が入っている別の三ツ口フラスコに
装着した滴下漏斗に移し変えた。その後、氷冷しながら
グリニヤール試薬を滴下した。滴下終了後、その混合溶
液を室温で24時間撹拌し、反応を終了した。得られた
混合物を水溶液に移し、ジエチルエーテルで抽出した。
その後、エーテル溶液を乾燥、濃縮することにより粗精
製物を得た。得られた粗精製物は、クロマトグラフィー
で精製した(シリカゲル、ヘプタン)。14.9gの淡
黄色オイルが得られ、冷蔵庫中で冷却すると結晶化し
た。収率は92%であった。その物性は次の通りであ
る。 NMR 1H(CDCl3 ) 7.28(1H)、7.
18(1H)、7.13(1H)、7.10(1H)、
7.04(1H)、6.99(2H)、2.70(2
H)、1.61(2H)、1.24(14H)、0.8
6(3H)。 NMR13C(CDCl3 )140.14、137.1
2、135.79、134.96、129.42、12
7.70、127.27、126.38、125.6
8、125.15、124.15、123.41、3
1.81、30.46、29.50、29.35、2
9.24、22.60、14.04。
【0058】2,5″−ジブロモ−3′−デシル−2,
2′;5′、2″−ターチオフェンの合成:3−ヘキシ
ルチオフェンの代わりに3′−デシル−2,2′;5′
2″−ターチオフェンを用いた以外は実施例1と全く同
様な方法で、2,5″−ジブロモ−3′−デシル−2,
2′;5′、2″−ターチオフェンの合成を行った。得
られた生成物は淡黄色結晶で、収率は20%であった。
その物性は次の通りである。 NMR 1H(CDCl3 ) 7.20(1H)、7.
15(1H)、6.99(1H)、6.97(1H)、
2.80(1H)、1.68(1H)、1.30(1
H)、0.88(1H)。
【0059】ポリ(フェロセニル デシルペンタチェニ
レン)の合成:2,5−ジブロモ−3−ヘキシルチオフ
ェンの代わりに2,5″−ジブロモ−3′−デシル−
2,2′;5′,2″−ターチオフェンを用いた以外は
実施例1と全く同様な方法でポリ(フェロセニル デシ
ルペンタチェニレン)の合成を行った。得られた生成物
は赤色のポリマーであり、収率は25%であった。その
物性は次の通りである。 NMR 1H(CDCl3 ) 7.90(1H)、7.
70(1H)、7.65(1H)、7.50(1H)、
7.40(1H)、7.35(1H)、7.30(1
H)、7.20(1H)、7.00(1H)、6.90
(2H)、4.40(4H)、2.45(2H)、1.
50(2H)、1.21(14H)、0.84(3
H)。 Lの平均値は6。
【0060】ポリ(フェロセニル デシルペンタチェニ
レン)の磁気的性質:ポリ(フェロセニル ヘキシルタ
ーチェニレン)の代わりにポリ(フェロセニル デシル
ペンタチェニレン)を用いた以外は実施例1と全く同様
な方法で、ポリ(フェロセニル デシルペンタチェニレ
ン)の酸化を行った。スピン量子数は4、キュリー温度
は35Kであった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた有機磁性体の有効磁気モー
メントと温度との関係を示す。
【図2】実施例1で得られた有機磁性体の磁化率の逆数
と温度との関係を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 アブデラヒム ヤッサー フランス国 94320−チエ リュ アン リ デュナン2−8 サントル ナシィ オナル ドゥ ラ ルシェルシェ シィ アンティフィック ラボラトアール デ マテリィオーモレキュレール内 (56)参考文献 特開 平4−154833(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 61/12 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式[I]で表される化合物に、 【化1】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R7
    8 、R9 およびR10は水素原子、ハロゲン原子、炭素
    数1〜10の炭化水素残基、アミノ基、シアノ基、ニト
    ロ基、カルボキシル基またはヒドロキシル基を示し、R
    1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R7 、R8 、R9
    およびR10同士は同一でも異なってもよく、Meは周期
    律表IV〜VIII属の遷移金属元素を示す)有機アル
    カリ金属化合物を反応させ、しかるのち、一般式[I
    I]で表される化合物を、 Y−(R11m −(R12n −X [II] (式中、R11 は、炭素数が1〜20のアルキル置換基を
    有する、フェニレン基、チェニレン基、ピロリレン基、
    フリレン基、セレノフェニレン基、テルルフェニレン
    基、キノリレン基およびこれらを組み合わせた共役基を
    示し、R12はフェニレン基、チェニレン基、ピロリレン
    基、フリレン基、セレノフェニレン基、テルルフェニレ
    ン基、キノリレン基およびこれらを組み合わせたものか
    らなる群より選ばれる共役基であり、XおよびYは水素
    原子またはハロゲン原子を示し、m、nは、m≧1、n
    ≧0を各々満たす整数を示す)反応させることを特徴と
    する一般式[III]で表される重合体の製造方法。 【化2】 (式中、R1 、R3 、R4 、R5 、R6 、R8 、R9
    10、R11、R12、Me、mおよびnは前記一般式
    [I]および[II]における場合と同様であり、また
    Lは2以上の整数を示す)
  2. 【請求項2】 下記一般式[III]で表される重合体
    を酸化することにより得られる有機磁性体。 【化3】 (式中、R1 、R3 、R4 、R5 、R6 、R8 、R9
    よびR10、は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10
    の炭化水素残基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、カル
    ボキシル基またはヒドロキシル基を示し、R1 、R3
    4 、R5 、R6、R8 、R9 およびR10同士は同一で
    も異なってもよく、またR11 は、炭素数が1〜20のア
    ルキル置換基を有する、フェニレン基、チェニレン基、
    ピロリレン基、フリレン基、セレノフェニレン基、テル
    ルフェニレン基、キノリレン基およびこれらを組み合わ
    せたものからなる群より選ばれる共役基であり 12
    フェニレン基、チェニレン基、ピロリレン基、フリレン
    基、セレノフェニレン基、テルルフェニレン基、キノリ
    レン基およびこれらを組み合わせた共役基を示し、Xお
    よびYは水素原子またはハロゲン原子を示し、mはm≧
    1を満たす整数、nはn≧0を満たす整数を示し、Me
    は周期律表IV〜VIII族の遷移金属元素を示し、L
    は2以上の整数を示す)
  3. 【請求項3】 下記一般式[IV]で表される重合体。 【化4】 (式中、R1 、R3 、R4 、R5 、R6 、R8 、R9
    よびR10は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10の
    炭化水素残基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、カルボ
    キシル基またはヒドロキシル基を示し、R11は炭素数が
    1〜20のアルキル置換基を有するチェニレン基を示
    し、R12はチェニレン基を示し、m、nは、m≧1、n
    ≧0を各々満たす整数を示す。LはL≧2を満たす整数
    を示す)
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