JPH07133316A - 新規重合性単量体、その重合物である高分子化合物及びその製造方法 - Google Patents

新規重合性単量体、その重合物である高分子化合物及びその製造方法

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JPH07133316A
JPH07133316A JP5302205A JP30220593A JPH07133316A JP H07133316 A JPH07133316 A JP H07133316A JP 5302205 A JP5302205 A JP 5302205A JP 30220593 A JP30220593 A JP 30220593A JP H07133316 A JPH07133316 A JP H07133316A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 各種機能性電極の高分子修飾用に有用で、膜
の強度、剥離強度、硬度等の性質に優れた電解重合膜を
得ることができる高分子化合物、並びに該化合物を高収
率で重合できる重合性単量体及び重合方法を提供する。 【構成】 下記化1の一般式(1)(式中、R1 は水素
又はアルキル基、Aは電解重合可能な基、Bは二価の基
である)で表わされる重合性単量体を溶媒中、重合開始
剤を用いてラジカル重合を行うことにより、一般式
(2)(式中、R1 、A及びBは前記と同じ意味を有
し、nは3以上の整数である)の高分子化合物を高収率
で製造することができる。得られた高分子化合物を電解
重合することにより、膜の強度、剥離強度、硬度等に優
れた重合膜が得られる。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規重合性単量体とそ
の重合物である高分子化合物及びその製法に関し、さら
に詳しくは、電解重合に用いられる電解重合性高分子化
合物として使用可能な高分子化合物とその製造方法並び
にその出発材料である重合性単量体に関する。
【0002】
【従来の技術】電解重合は導電性高分子の合成に一般的
に使用される合成方法で、モノマーと支持電解質を溶解
した溶媒中で電気化学的酸化重合を行うことにより、電
極表面に重合膜を得る方法である。得られる重合膜被覆
電極は、各種機能性電極として、電池用電極、エレクト
ロクロミック素子用電極として使用されている。使用さ
れる溶媒は非プロトン性有機溶媒が用いられ、プロピレ
ンカーボネイト、アセトニトリル、ベンゾニトリル、フ
ェニルアセトニトリル等が用いられる。支持電解質とし
てはLiClO4 、LiAsF6 、LiPF6 、LiB
4 等が用いられ、電解重合可能なモノマーとしては芳
香族共役系モノマー(フェニレン、ナフタレン、アント
ラセン、アズレン)、複素環式共役系モノマー(チオフ
ェン、セレノフェン、ピロール、ピリジン、フラン)、
含ヘテロ原子共役系モノマー(アニリン)、これらにア
ルキル基等を導入し変成したもの等がある。
【0003】本発明に係る化合物と類似の化合物に関し
ては、特開平4−108784号にチオフェン多量体を
側鎖に有する高分子が開示されている。また、イー.ジ
プスタイン(E. Gipstein )、ダブリュ.エイ.ヒュウ
エット(W. A. Hewett)、オー.ユー.ニード(O. U.
Need)、ジャーナル・オブ・ザ・ポリマー・サイエンス
(J. Polym. Sci.) Part A−1、9(3)、1971
年、第813〜816頁にはチオフェン二量体を側鎖に
有する重合物に関する記載がある。チオフェン単量体を
有するビニルモノマーの重合に関しては、ジィー.ブリ
アント、バックマン(G. Bryant Backman)、ローウェ
ル、ヴイ.ヘイズィ(Lowell V. Heisey)、ジャーナル
・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティ( J
ournal ofthe American Chemical Society )、Vol.7
0、1948年、第2378〜2380頁に記載があ
る。これらのモノマーの重合においては、ポリマーの収
率が低く、多量のラジカル開始剤を加えても収率を向上
させることができない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ラジカル重合により前
記したような化合物を合成しようとする場合、チオフェ
ン等の共役系と直接結合した二重結合(ビニル基)のラ
ジカル重合においては、重合収率が極端に低くなる場合
がある。そのため、チオフェン多量体とビニル基が直接
結合した化合物については、特開平4−108784号
において電解重合が用いられている。また、チオフェン
二量体とビニル基が直接結合した化合物の重合について
は、前掲したジャーナル・オブ・ザ・ポリマー・サイエ
ンス( J.Polym. Sci.)PartA−1、9(3)、19
71年、第813〜816頁に記載されているように低
い重合収率を示し、さらにはチオフェン単量体にビニル
基が直接結合したビニルチオフェンの重合についても、
前掲したジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル
・ソサイエティ(J. Am. Chem. Soc. )、Vol.70、1
948年、第2378〜2380頁に記載されているよ
うに低い重合収率しか得られていない。共役系化合物は
電子吸引性基となることが多く、特に二重結合が長く共
役したチオフェンの様な化合物においては、余剰の電子
を取り込んで安定化してしまう。取り込まれた電子は、
広く延びた共役系の分子軌道中に非局在化し、安定な軌
道をとることになる。この様な分子は、電子の出入りに
伴い明らかなスペクトル変化を示す。また、ラジカルが
安定化されることから、反応速度が極端に遅くなり、ま
た、重合収率も極端に悪くなる。
【0005】一方、電解重合により得られる膜は、硬
度、剥離強度、強度が低く、傷付きやすい弱い膜であ
る。得られる高分子も、化学重合した場合よりも分子量
分布が広く、低分子量のオリゴマーレベルのものから大
きな分子量のものまでを含む。導電性高分子を被覆した
電極を電池用電極、エレクトロクロミック素子用電極と
して用いる場合には、ある分子量を越える分子量範囲で
は、電極としての性能がほとんど変わらない。また、導
電性高分子にはキンク等が存在し、分子量が大きくても
共役長が長いとは限らない。そのため、分子量が大きい
だけでは導電性の向上につながらない。以上の理由か
ら、エレクトロクロミック発色膜、機能性電極の表面と
して用いられる電解重合膜には、通常の電解重合により
得られる広い分子量分布は必ずしも有効ではなく、むし
ろ膜の強度、剥離強度、硬度等の向上が望まれる。
【0006】従って、本発明の目的は、電解重合に用い
られる電解重合性高分子化合物として有用な高分子化合
物を重合、特にラジカル重合により高収率で重合できる
重合性単量体及び重合方法を提供することにある。さら
に本発明の目的は、電池用電極、エレクトロクロミック
素子用電極などの各種機能性電極の高分子修飾用に有用
な高分子化合物を提供すると共に、該高分子化合物の電
解重合によって膜の強度、剥離強度、硬度等の性質に優
れた電解重合膜を得ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、前記目
的を達成するために、下記化6
【化6】 の一般式(1)(式中、R1 は水素又はアルキル基、A
は電解重合可能な基、Bは二価の基である。)で表わさ
れる重合性単量体が提供される。上記一般式(1)にお
いて、電解重合可能な基Aとしては、芳香族共役系モノ
マー(フェニレン、ナフタレン、アントラセン、アズレ
ン等)、複素環式共役系モノマー(チオフェン、セレノ
フェン、ピロール、ピリジン、フラン等)、含ヘテロ原
子共役系モノマー(アニリン等)、及びこれらにアルキ
ル基等を導入し変成したもの等の単量体、二量体又は多
量体に基づく基が挙げられる。さらには、これらの単量
体、二量体又は多量体を組み合わせて用いることも可能
である。多量体の重合度は特に指定されるものではな
い。しかしながら、例えば二価の基としてフェニレン基
を用いた場合には、二量体までは溶媒に対して溶解性を
示すが、三量体以上では溶媒への溶解性が低下する。そ
のため、三量体以上についてはアルキル鎖を導入する等
の対処が必要である。単量体、二量体は溶解性に優れ、
合成原料が安価に入手できることから有利である。ま
た、上記一般式(1)における二価の基Bとしては、メ
チレン基、エチレン基、プロピレン基などのアルキレン
基、エーテル基、エステル基、アミド基、フェニレン
基、ウレア基、ウレタン基等を用いることができる。な
お、上記一般式(1)における置換基R1 がアルキル基
の場合、その大きさは重合性単量体が溶媒に溶解できる
ような大きさであればよいが、側鎖のアルキル基の分子
量が大きい場合、その反応性が低下し易いので、一般に
炭素数1〜10のものが好ましい。
【0008】さらに本発明によれば、下記化7
【化7】 の一般式(2)(式中、R1 、A及びBは前記と同様の
意味を有し、nは3以上の整数である。)で表わされる
高分子化合物が提供される。上記高分子化合物の重合度
nの上限は特に制限されるものでは無いが、1000を
超えない範囲が好ましい。重合度nが1000を超えて
大きくなると、高分子化合物の溶媒への溶解性が低下
し、必然的に得られる溶液の粘度が上昇し、基材への塗
布が困難になるので好ましくない。この高分子化合物
は、前記一般式(1)で表わされる重合性単量体を、常
法に従って、溶媒中、重合開始剤によりラジカル重合を
行うことによって高収率で製造できる。また、前記電解
重合可能な基Aの酸化電位よりも二重結合の酸化電位が
低い場合、前記一般式(1)で表わされる重合性単量体
の電解重合によって製造することも可能である。この高
分子化合物を電解重合することによって、強度、硬度、
剥離強度等に優れた電解重合膜が得られる。
【0009】
【発明の作用及び態様】前記一般式(1)で表わされる
本発明の重合性単量体は、二重結合(ビニル基又はα−
アルキルビニル基)と電解重合可能な基Aとの間に二価
の基Bを介在させたことを特徴としている。このように
二価の基Bを二重結合と電解重合可能な共役系の発達し
た基Aの間に挾むことにより、二重結合が共役系の中に
組み込まれることを抑え、二重結合の反応性を維持する
ことができる。上記重合性単量体のうちでも、二価の基
Bとしてフェニレン基を有する単量体は中でも重合性に
優れており、通常用いられるアゾビスイソブチロニトリ
ル等のアゾ化合物、過酸化ベンゾイル等の過酸化物など
の重合開始剤を用いて重合可能である。重合反応は速や
かに、高収率で行われ、95%以上の高い収率で重合物
が得られる。また、メチレン基、フェニレン基は化学的
にも安定で、電解重合の際に支持電解質として用いられ
るイオンによる加水分解を受けることもない。メチレン
基等のアルキレン基を用いた場合には、ラジカル重合の
収率が悪いが、チーグラー・ナッタ触媒により重合可能
である。チーグラー・ナッタ触媒を用いる場合、合成系
が複雑になるが、十分な高分子量の化合物が得られる。
前記一般式(2)で表わされる本発明の3官能性以上の
高分子化合物を電解重合することにより、架橋構造を有
する電解重合膜を調製することが可能である。電解重合
可能な基をもつ本発明の化合物を電解重合した場合に
は、組み合わせにより、多量体が得られ、三量体以上で
は鮮やかなエレクトロクロミック特性を示す。さらに、
重合膜中に三次元架橋が導入されることにより、膜の強
度が上昇し、硬質の丈夫な膜が得られる。
【0010】前記したように、本発明の重合性単量体は
二重結合と電解重合可能な基Aとの間に二価の基Bを有
し、この二価の基Bはアルキレン基、エーテル基、エス
テル基、アミド基、フェニレン基、ウレア基、ウレタン
基等である。これら二価の基の導入は、例えばアルキレ
ン基、フェニレン基の導入の場合にはグリニャル反応に
より、エーテル基の導入はハロゲンを導入したエチレ
ン、プロピレン等とアルコラート化した電解重合可能な
基Aの縮合反応により行うことができる。また、エステ
ル基、アミド基の導入は、電解重合可能な基Aに水酸基
又はアミノ基を導入し、これらとアクリル酸等との縮合
により行うことができる。ウレア基、ウレタン基の導入
は、電解重合可能な基Aにイソシアネイトを導入した
後、これらとアクリル酸、ビニルアルコールとの付加反
応により可能である。
【0011】化合物の安定性の点からは、下記化8の一
般式(A)、(B)、(C)、(D)、(E)及び
(F)で表わされる二価の基としてフェニレン基を導入
した重合性モノマー及びその重合物、さらには一般式
(G)、(H)、(I)、(J)、(K)及び(L)で
表わされるメチレン基(もしくはエチレン基、プロピレ
ン基)を導入した重合性モノマー及びその重合物が優れ
ている。
【化8】 (式中、R1 は水素又はアルキル基、R2 はアルキル
基、Aは電解重合可能な基、kは1又は2、mは1以上
の整数、nは3以上の整数である。)上記式(C)、
(E)、(I)及び(J)で表わされる化合物は、合成
原料の入手の容易さ、反応の簡便さ等の点に優れてい
る。チオフェンの重合度kは、1又は2程度で十分に本
発明の目的を達し、二価の基としてフェニレンを用いた
場合、3以上ではモノマーの溶解性が低下するため好ま
しくない。kを3以上にする場合には、置換基R1 とし
てヘキシル、ヘプチル、オクチル等の長いアルキル基を
用いる必要がある。しかし、デシルを越える長いアルキ
ル鎖では重合性が低下するので好ましくない。チオフェ
ンの重合度kを大きくする必要がある場合には、3−オ
クチルチオフェン等のアルキルチオフェンを用いなけれ
ばならない。
【0012】前記一般式(G)、(H)、(I)、
(J)、(K)及び(L)で表わされる電解重合性モノ
マーの合成は、ハロゲン化した電解重合可能な基Aをマ
グネシウムと反応させてグリニャル試薬とし、これを3
−位置にハロゲンを有するハロゲン化プロピレン等とグ
リニャル反応させることにより得られる。一般式
(A)、(B)、(C)、(D)、(E)及び(F)の
電解重合性モノマーは、p−ハロゲン化スチレン等をマ
グネシウムと反応させてグリニャル試薬とし、これをハ
ロゲン化した電解重合可能な基Aとグリニャル反応させ
ることにより得られる。p−クロロスチレン、4−クロ
ロ−α−メチルスチレン、3−ブロモ−1−プロペン等
は市販薬品としても入手が容易であり、特別な装置を必
要とせずに重合性モノマーを合成できる。また、電解重
合可能な基としては、チオフェンは容易にモノブロモ体
が入手できることから、好適である。二価の基としてフ
ェニレン基を用いた場合には、適当な溶媒にモノマーを
溶解し、アゾビスイソブチロニトリル、過酸化ベンゾイ
ル等の重合開始剤を用いてラジカル重合することができ
る。二価の基としてメチレン基を用いた場合には、チー
グラー・ナッタ触媒等を用いる必要がある。二価の基と
してエステル、エーテル等を用いた場合には、酢酸ビニ
ルと、同様にアゾビスイソブチロニトリル、過酸化ベン
ゾイル等の重合開始剤を用いてラジカル重合することが
できる。さらには電解重合により二重結合と電解重合可
能な基を同時に反応させる事も可能である。また、チオ
フェンの酸化電位よりも二重結合の酸化電位が低い事を
利用して、二重結合を選択的に重合させる事も可能であ
る。二重結合に電解重合可能な基が直接結合したモノマ
ーの重合収率が極端に低いのに対し、これらのモノマー
は容易に反応し、95%程度の高収率を与える。
【0013】
【実施例】以下、実施例を示して本発明について具体的
に説明するが、本発明が下記実施例に限定されるもので
ないことはもとよりである。
【0014】実施例1 フラスコにテトラヒドロフラン50mlをとり、p−ク
ロロスチレン8.10g、マグネシウム1.403gを
加え、還流しながら攪拌し、マグネシウムが完全に消失
するまで反応させ、グリニャル試薬溶液を調製した。ジ
クロロ−1,3−ビス(ジフェニルフォスフィノプロパ
ン)ニッケル(II)0.1gとモノブロモチオフェン
9.408gをテトラヒドロフラン50mlに溶解した
溶液を用意し、冷却、攪拌しながら上記グリニャル試薬
溶液をゆっくりと滴下した。滴下終了後、還流しながら
2時間攪拌した。得られた溶液を1N塩酸中に投入して
反応を停止し、ジエチルエーテルで抽出した。さらに水
に投入攪拌して洗浄し、ジエチルエーテルにて抽出、再
度水に投入攪拌して洗浄し、クロロホルムにて抽出し
た。得られた溶液を乾燥し、シリカゲルカラムを用い、
クロロホルムを溶媒として2回精製し、乾燥後、重合の
ためのモノマーを得た。モノマーの合成過程の収率は6
5%であった。得られたモノマー0.50gをトルエン
4mlに溶解し、アゾビスイソブチロニトリル0.05
gを添加して、90℃で10時間攪拌した。得られた重
合物をメタノール中で再沈して精製した。重合の収率は
約95%であった。得られた高分子化合物を過塩素酸リ
チウムを添加したニトロベンゼンに溶解し、2枚の白金
板を電極として、3.5Vの電圧を用いて電解重合を行
ったところ、アノード電極上に硬質の膜が形成された。
【0015】実施例2 フラスコにテトラヒドロフラン30mlをとり、モノブ
ロモビチオフェン30g、マグネシウム2.98gを加
え、還流しながら攪拌し、マグネシウムが完全に消失す
るまで反応させ、グリニャル試薬溶液を調製した。ジク
ロロ−1,3−ビス(ジフェニルフォスフィノプロパ
ン)ニッケル(II)0.15gと3−ブロモ−1−プロ
ペン14.84gをテトラヒドロフラン30mlに溶解
した溶液を、冷却、攪拌しながら、上記グリニャル試薬
溶液をゆっくりと滴下した。滴下終了後、35℃で3時
間攪拌した。得られた溶液を1N塩酸中に投入して反応
を停止し、トルエンで抽出し、乾燥後、重合のためのモ
ノマーを得た。モノマーの合成過程の収率は95%であ
った。得られた重合性モノマーをニトロベンゼンに溶解
し、過塩素酸リチウムを支持電解質として電解重合を行
った。2枚の白金板を用い、電極間電圧を5Vとしたと
ころ、アノード側に赤色の重合物が得られた。
【0016】
【発明の効果】以上のように、本発明の前記一般式
(1)で表わされる重合性単量体は、二重結合と電解重
合可能な基との間に二価の基が介在しているため、二重
結合の反応性が維持され、通常の重合開始剤を用いてラ
ジカル重合を速やかに行うことができ、前記一般式
(2)で表わされる本発明の高分子化合物を高収率で製
造することができる。また、本発明の高分子化合物は、
3官能性以上の電解重合可能な基を有し、電解重合によ
って、架橋構造を有し、膜の強度、硬度、剥離強度等に
優れた電解重合膜を製膜することができる。従って、こ
のような優れた性質を有する重合膜により被覆された電
極は、電池用電極、エレクトロクロミック素子用電極な
どの各種機能性電極として有利に用いることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07D 307/36 333/10 345/00 C08F 10/00 MJS 24/00 MNK 26/00 MNL 28/00 MNR C25B 3/10

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記化1 【化1】 の一般式(1)(式中、R1 は水素又はアルキル基、A
    は電解重合可能な基、Bは二価の基である。)で表わさ
    れる重合性単量体。
  2. 【請求項2】 前記一般式(1)において、電解重合可
    能な基Aが、フェニレン、ナフタレン、アントラセン、
    アズレン、チオフェン、セレノフェン、ピロール、ピリ
    ジン、フラン、アニリン又はこれらにアルキル基を導入
    し変成したものの単量体又は多量体に基づく基である請
    求項1に記載の重合性単量体。
  3. 【請求項3】 前記一般式(1)において、二価の基B
    が、アルキレン基、エーテル基、エステル基、アミド
    基、フェニレン基、ウレア基又はウレタン基である請求
    項1又は2に記載の重合性単量体。
  4. 【請求項4】 前記一般式(1)において、二価の基B
    がフェニレン基又はメチレン基であり、電解重合可能な
    基Aがチォフェンもしくはアルキルチオフェンの単量体
    もしくは多量体に基づく基である請求項1に記載の重合
    性単量体。
  5. 【請求項5】 下記化2 【化2】 の一般式(2)(式中、R1 は水素又はアルキル基、A
    は電解重合可能な基、Bは二価の基、nは3以上の整数
    である。)で表わされる高分子化合物。
  6. 【請求項6】 前記一般式(2)において、電解重合可
    能な基Aが、フェニレン、ナフタレン、アントラセン、
    アズレン、チオフェン、セレノフェン、ピロール、ピリ
    ジン、フラン、アニリン又はこれらにアルキル基を導入
    し変成したものの単量体又は多量体に基づく基である請
    求項5に記載の高分子化合物。
  7. 【請求項7】 前記一般式(2)において、二価の基B
    が、アルキレン基、エーテル基、エステル基、アミド
    基、フェニレン基、ウレア基又はウレタン基である請求
    項5又は6に記載の高分子化合物。
  8. 【請求項8】 前記一般式(2)において、二価の基B
    がフェニレン基又はメチレン基であり、電解重合可能な
    基Aがチォフェンもしくはアルキルチオフェンの単量体
    もしくは多量体に基づく基である請求項5に記載の高分
    子化合物。
  9. 【請求項9】 下記化3 【化3】 の一般式(1)(式中、R1 は水素又はアルキル基、A
    は電解重合可能な基、Bは二価の基である。)で表わさ
    れる重合性単量体を、溶媒中、重合開始剤を用いてラジ
    カル重合を行うことを特徴とする下記化4 【化4】 の一般式(2)(式中、R1 は水素又はアルキル基、A
    は電解重合可能な基、Bは二価の基、nは3以上の整数
    である。)で表わされる高分子化合物の製造方法。
  10. 【請求項10】 下記化5 【化5】 の一般式(2)(式中、R1 は水素又はアルキル基、A
    は電解重合可能な基、Bは二価の基、nは3以上の整数
    である。)で表わされる三官能性以上の高分子化合物を
    電解重合することによって得られる電解重合膜。
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