JP3110597B2 - インクジェットタンク用インク供給部材、それを有するインクカートリッジ、インクジェットユニットおよびインクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェットタンク用インク供給部材、それを有するインクカートリッジ、インクジェットユニットおよびインクジェット記録装置

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JP3110597B2 JP29850193A JP29850193A JP3110597B2 JP 3110597 B2 JP3110597 B2 JP 3110597B2 JP 29850193 A JP29850193 A JP 29850193A JP 29850193 A JP29850193 A JP 29850193A JP 3110597 B2 JP3110597 B2 JP 3110597B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はインクジェット記録装置
に関し、詳しくは、インクを貯留するためのインクタン
ク(以下インクカートリッジともいう)の構成およびイ
ンクを吐出するためのインクジェットヘッド(以下、記
録ヘッドともいう)と前記インクタンクとで構成され、
これらを相互に着脱可能としたインクジェットユニット
の構成に関するものであり、さらに、前記インクタンク
に用いられるインク供給部材に関するものである。
【0002】
【背景技術】現在、インク等の液体を被記録媒体に噴射
して印字や画像形成を行うインクジェット装置において
は、小型化の要望が強くなっている。そのために、従来
記録装置のキャリッジ上と記録装置本体側とに別々に設
けられていた記録手段としての記録ヘッドとインクカー
トリッジとを、一体的にキャリッジ上に配置することで
小型化が図られている。
【0003】図1にその一例を示す。図1では記録装置
120のメインフレーム122のプリンタキャリッジ1
21上に記録ヘッドと液体貯蔵容器としてのインクカー
トリッジとを分離可能としたインクジェットユニット1
01を配置している。
【0004】また、図1に示した形態以外のキャリッジ
上に搭載されるインクジェットユニットの形態として
は、記録ヘッドとインクカートリッジを一体化した記録
ユニットがある。
【0005】分離型の場合には、インクカートリッジは
交換可能な構成とされ、記録ヘッドはキャリッジ上に固
定される構成あるいはキャリッジに対して着脱可能な構
成のいずれかを要求に応じて採用される。
【0006】記録ヘッドとインクカートリッジとをキャ
リッジ上に配置する上述のような構成の場合には、水頭
圧を調整するためにインクカートリッジ内に大気圧に対
して相対的に負の圧力を発生する機構を設ける必要があ
る。このような機構としては、多孔質部材(以下、イン
ク吸収体ともいう)を用い、この多孔質部材の毛細管力
を利用して負圧を発生させる機構などが採用されてい
る。
【0007】このように上述の機構として多孔質部材を
使用する場合には、使用されずに残ってしまうインクの
量が多い、つまりインクの使用効率が低いという問題点
がある。この問題を解決するために特開平2−1873
64号公報に開示されているように、記録ヘッド側へイ
ンクを供給する供給口近傍の多孔質部材を記録ヘッドの
インク供給部(インク導入部ともいう)で圧縮変形させ
て、毛細管力を局所的に高くし、インク導入部近傍へイ
ンクを集中させることで、インクの使用効率を上げる方
法を取る必要がある。
【0008】一方、インクジェット記録ヘッド内に空気
が侵入するとノズル等に空気が侵入してしまい、インク
が吐出されない状態(不吐出状態)になってしまう場合
がある。このため、インクカートリッジから記録ヘッド
へのインク供給経路中には空気が侵入しないよう考慮す
る必要がある。
【0009】このような課題に注目したものとして特開
平5−8405号公報が挙げられる。本公報においては
記録ヘッド部とインク収納部が一体化された記録ユニッ
トを開示しており、記録ヘッド部のインク導入部とイン
ク収納部の多孔質との間に、インク導入部に圧接された
繊維体を配することで、インク収納部側から記録ヘッド
部側への空気の侵入を抑制する構成を開示している。
【0010】また、特開平5−238016号公報に
は、その図6に記録ヘッドとインクリザーバとの分離が
可能な記録ユニットを開示している。そして、記録ヘッ
ドへ供給されるインクに含まれる不純物を取り除くた
め、また、記録ヘッドとインクリザーバとを分離した時
に記録ヘッド側に空気が入らないようにするために、イ
ンクリザーバ側からインクを受け取る記録ヘッド側のイ
ンク導入部として繊維質のスリーブを用いる構成が開示
されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】一般に、記録ヘッドと
インクカートリッジの分離可能な記録ユニットにおいて
は、インクを使い終わったインクカートリッジを交換す
るために両者を分離するだけでなく、記録ヘッドを交換
したり、またインクを再充填したカートリッジと交換し
たり、さらには使用者の誤操作によって両者を分離する
等の様々な着脱状態が考えられる。
【0012】従って、上述した特開平5−8405号公
報に開示されているような記録ヘッドとインクカートリ
ッジとが一体化された記録ユニットと異なり、このよう
な様々な着脱を行った場合であっても、分離時にはイン
クの漏れ等を起こさず、また、接合時には記録ヘッド側
に必要な量のインクを空気の侵入等を生じることなく安
定的に供給できることが要求される。
【0013】しかしながら、上述した特開平2−187
364号公報や特開平5−238016号公報に開示さ
れているような分離可能な記録ユニットの場合、また、
特に前述したごとく、インクの使用効率を上げるために
多孔質体を部分的に圧縮して用いる分離可能な記録ユニ
ットの場合、インクカートリッジ中のインクを使い切る
前にヘッドとインクカートリッジの分離を行い、これら
を再度、接合して用いると、ヘッド側にインクが供給で
きなくなる場合があることが本発明者らの実験によりわ
かった。
【0014】このような状態でインク供給ができなくな
ると、記録ヘッドの吐出口側からインクを吸い出すいわ
ゆる吸引回復動作を行ってもインクの供給が回復できな
い場合が多く、インクが残っているにもかかわらず最後
まで使用することができない。
【0015】この原因を解明したところ次のような状況
によってインクの供給不能が生じることが本発明者らの
実験によりわかった。
【0016】つまり、記録ヘッドとインクカートリッジ
とを分離させた場合に、インク導入部と接続されるイン
クカートリッジの供給口近傍のインク吸収体は大気と直
接接触する。このとき、前述した公報のように記録ヘッ
ド側のインク導入部がインク吸収体中に圧入される構成
をとる場合には、記録ヘッド側のインク導入部によって
圧縮変形させられていたインク吸収体が、元の形状に復
帰するのに伴って、インク吸収体が空気を引き込み、イ
ンク供給口近傍がインクと混合もしくは空気のみの状態
となることがある。
【0017】この状態において再度記録ヘッドを装着し
た場合に、インク供給口近傍に空気層が存在することに
なり、インクカートリッジから記録ヘッドへのインク流
路形成を妨げてしまう。また、このような状況ばかりで
なく分離していた記録ヘッドと再接合する際に、記録ヘ
ッドのインク導入部がインク供給口近傍の多孔質体に空
気を圧入してしまうことによってもインクカートリッジ
から記録ヘッドへのインク流路形成を妨げてしまう。
【0018】従って、これらの状況によってインク供給
率の低下やインク途切れを招き不良な印字状態を生じる
虞があった。
【0019】上述の特開平5−238016号公報に記
載されている構成では、記録ヘッドとインクカートリッ
ジ(インクリザーバ)との分離時に記録ヘッドのチャン
バ内に空気を侵入させない構成については示している
が、使用中のインクカートリッジを記録ヘッドから分
離、再接合する際に生ずる前述のようなインクカートリ
ッジ内への空気の侵入については何ら考慮されていなか
った。このため上述のような不都合を生じてしまう虞が
ある。
【0020】分離、再接合時に生じるインクカートリッ
ジ内への空気の侵入を防止する方法として非接合時にイ
ンク供給口を閉鎖する弁部材を設けることも考えられる
が、製造工程の複雑化、部品点数の増加に伴う大型化や
コストの上昇を招き、分離型記録ヘッドの特性を低減し
てしまう。
【0021】分離型記録ユニットにおいては、記録ヘッ
ドをインクカートリッジの分離・接続時に生じやすい空
気の侵入の問題ばかりでなく、前述したように分離時に
供給口からインク漏れを起こさないこと、また接続時に
記録ヘッド側に必要な量のインクを安定的に供給できる
こと、さらにインクの使用効率が高いことが要求され
る。そして、これらの要求を満足するインクカートリッ
ジ、記録ユニットが望まれている。
【0022】本発明は記録ヘッドとインクカートリッジ
とを分離、接続して用いる分離可能型記録ユニットにお
いて生ずる、上述の様々な課題を解決するもので、イン
クの使用効率が高く、非接続時においてインクの漏れを
生じず、インクを使い切る前に記録ヘッドとインクカー
トリッジとを分離、再接合を行っても安定的に必要量の
インクを供給することができる、低コストで信頼性の高
いインクカートリッジ、該インクカートリッジに用いら
れるインク供給部材およびこのインクカートリッジを用
いたインクジェット記録装置を提供するものである。
【0023】
【課題を解決するための手段】そのために本発明では、
インクを貯留するためのインクカートリッジにおいて、
前記貯留するインクを保持するためのインク吸収体と、
該インク吸収体と外部にインクを供給するためのインク
供給口との間に配設されたインク供給部材と、を具え、
前記インク供給部材の毛細管力は前記インク吸収体の毛
細管力より大であり、かつ当該インク供給における前記
インク供給部材の圧力損失は20mmAq以下であると
ともに、前記インク供給部材は、前記インクカートリッ
ジと連結されてインクの供給を受け記録を行う記録ヘッ
ドの供給管が前記インク供給口に挿入されることによっ
て、前記供給管と当接して前記インク吸収体側に摺動可
能に配されていることを特徴とする。
【0024】また、インクを吐出するためのインクジェ
ットヘッドと該ヘッドに供給するインクを貯留するため
のインクカートリッジとが着脱可能に接続されたインク
ジェットユニットにおいて、前記インクカートリッジ
は、前記貯留するインクを保持するためのインク吸収体
と、前記インク吸収体と外部にインクを供給するための
供給口との間に配設されたインク供給部材と、を具え、
前記インク供給部材の毛細管力は前記インク吸収体の毛
細管力より大であり、かつ当該インク供給における前記
インク供給部材の圧力損失は20mmAq以下であると
ともに、前記インク供給部材は、前記インクカートリッ
ジと連結されてインクの供給を受け記録を行う記録ヘッ
ドの供給管が前記インク供給口に挿入されることによっ
て、前記供給管と当接して前記インク吸収体側に摺動可
能に配されていることを特徴とする。
【0025】さらに、インクを吐出するためのインクジ
ェットヘッドとインクを貯留するためのインクカートリ
ッジとが着脱可能に接続されたインクジェットユニット
を備え、被記録媒体にインクを吐出して記録を行うため
のインクジェット記録装置において、前記インクカート
リッジは、前記貯留するインクを保持するためのインク
吸収体と、前記インク吸収体と、外部にインクを供給す
るための供給口との間に配設されたインク供給部材と、
を具え、前記インク供給部材の毛細管力は前記インク吸
収体の毛細管力より大であり、かつ当該インク供給にお
ける前記インク供給部材の圧力損失は20mmAq以下
であるとともに、前記インク供給部材は、前記インクカ
ートリッジと連結されてインクの供給を受け記録を行う
記録ヘッドの供給管が前記インク供給口に挿入されるこ
とによって、前記供給管と当接して前記インク吸収体側
に摺動可能に配されていることを特徴とする。
【0026】さらに加えて、インクを吐出するためのイ
ンクジェットヘッドへ供給されるインクを貯留するため
のインクジェットタンクのインク吸収体と外部にインク
を供給するためのインク供給口との間に配設され、前記
インク吸収体に保持されるインクを前記インクジェット
ヘッド側へ供給するためのインク供給部材において、前
記インク供給部材の当該インク供給における圧力損失は
20mmAq以下であるとともに、前記インク供給部材
は、前記インクカートリッジと連結されてインクの供給
を受け記録を行う記録ヘッドの供給管が前記インク供給
口に挿入されることによって、前記供給管と当接して前
記インク吸収体側に摺動可能に配されることを特徴とす
る。
【0027】
【作用】以上の構成によれば、インクカートリッジが単
体であるときにインク誘導体であるインク供給部材のイ
ンク保持力によって供給口からインクが漏出することが
防止されるとともに、インク吸収体から上記インク供給
材、さらにはインク供給部材からインクジェットヘッ
ドへのインク供給が速やかになされる。
【0028】また、記録ヘッドの着脱と無関係に常にイ
ンク供給口に近い側のインク吸収体を摺動可能なインク
供給部材で押圧する構成であるため、インク使用効率を
低下させることなく、着脱時の空気侵入に伴なうインク
供給路の寸断を抑制することができる。
【0029】
【実施例】以下、図面に基づき本発明の実施例を詳細に
説明する。
【0030】図2(A)および(B)は、本発明の一実
施例に係るインクジェットユニット4のそれぞれ分離状
態および接続状態を示す断面図である。
【0031】インクジェットヘッド2には、通常インク
中のゴミを除去するためのフィルタ43が、インクカー
トリッジ3との接続部であるインク供給パイプ45の端
部に設けられている。フィルタ43の有効空孔径は5〜
20μmである。
【0032】インクジェットヘッド2とインクカートリ
ッジ3とは、インクカートリッジ3から一体的に突き出
た1組の接合爪34がインクジェットユニット2の受入
部と両持係合することにより一体に接続される。この接
続により、インクジェットヘッド2のインク導入部45
に設けられたフィルタ43は、インクカートリッジ3に
設けられたインク供給部材としてのインク誘導体47の
一方の端部と密着する。また、インク誘導体47の側周
部のほぼ半分以上はインクカートリッジの保持部と接し
てこれにより保持され、この保持部と接しない側周部は
大気にさらされている。すなわち、インク誘導体47
は、その端面および端面近傍のみで多孔質体であるスポ
ンジ37と接している。以上により、インクカートリッ
ジ3からインクジェットヘッドへのインク供給路が形成
される。フィルタ43の面積は、後述されるようにイン
ク誘導体47の接合面の面積よりも小さいことが好まし
い。上記接続の際、O−リング35はインク供給パイプ
45とインク誘導体47とによって形成されるインク供
給路を密封する。これにより、接続部からのインク漏出
を防止し、またインクの蒸発を最小限に抑えることがで
きる。
【0033】インクカートリッジ3に収納されるスポン
ジ(インク吸収体)37は、インクジェットヘッドに対
するインク供給性,インク保持性等を考慮し、その毛細
管力(一般に0mmAq以上150mmAq以下、望ま
しくは30mmAq以上100mmAq以下)を発生す
る必要がある。一方、スポンジ37の周囲は、大気連通
孔48を介して大気圧に保持されている。
【0034】図3は、上記インク誘導体の構成を示す模
式的斜視図である。
【0035】インク誘導体47は、インクカートリッジ
とインクジェットヘットとが接合されたとき、インクジ
ェットヘッド側へインク供給を行うインク供給部材であ
って、実質的に一方向にインクの誘導を行うために、そ
の誘導方向に延在する繊維の束でなる部材である。この
インク誘導体は、インクの誘導方向に対して垂直な方向
に関して、バインダにより実質的に繊維間が密で相対的
に上記インク誘導性が劣る外周部領域と、実質的に繊維
間が空間であり相対的にインク誘導性に優れた内部領域
とが分布している。
【0036】ここで、「繊維の束」とは、ポリエステ
ル,ポリプロピレン,ポリエチレン,セルロース,ポリ
ウレタン等の繊維状の樹脂や通常の繊維、あるいは金
属,ガラス,カーボン等のファイバのいずれか、または
これらの混合体であってもよい。また、「繊維間が密」
とは、接着剤や封止剤で繊維間を充填したり、繊維同士
が熱や圧力で一体化されているものを含むものとする。
【0037】このインク誘導部材として、実質的に繊維
間が空間である内部領域は、その繊維径よりも小さい幅
の通路とその繊維径よりも大きい幅の通路が混在してい
てもよく、この場合、インク誘導方向に関しての断面積
における内部領域の均等なインク供給性を向上する効果
がある。
【0038】具体的に図3に示す繊維51の材質として
の適当なものは主にポリエステル,ナイロン,ポリプロ
ピレン,ポリエチレン,セルロース,ポリウレタン等が
あり、インクに対して化学的に安定であってぬれ性の良
いものが望ましい。
【0039】ぬれ性の良さの判断基準として一般的にイ
ンクの接触角が小さいことが挙げられる。いわゆるテフ
ロン系等の接触角の大きい材料に対しても親水化処理を
施すことにより用いることはできる。しかしながら、親
水化処理のための製造工程の増加や、製品コストの上昇
などの観点から考えると、材質自体のインクの接触角が
小さいものが望ましい。
【0040】インク誘導体を形成する繊維の太さの上限
を決定する条件は、前述したインク導入部に設けられた
フィルタとインク誘導体との密着性である。この観点か
ら、0.05mm以下が望ましい。また、繊維の太さの
下限の条件としては、インク誘導体が繊維を結束させる
構成を採用するという観点から、コストや繊維束の形成
を容易にするために0.01mm以上が望ましい。本実
施例では0.03mmのポリエステル繊維を採用した。
【0041】前述したように、インク誘導体47はイン
ク流路の一部を形成するので、インク供給の方向性を持
たせなければならない。また、一方で、記録ヘッドの導
入部と圧接するので形状を維持できるだけの物理強度も
必要である。そのために、各繊維を結束させて繊維束を
形成した方が望ましい。
【0042】繊維を結束させるために繊維が密である領
域を形成する手段としては、前述した接着剤を封止剤と
して樹脂のバインダを用いたり外周部から熱や圧力を与
え溶着させる方法が挙げられる。
【0043】また、外周部に密な領域を形成するため
に、繊維束を他の部材により被覆させても良い。しか
し、前述の領域を接着剤や封止剤により形成する場合
は、成形と同時にバインダを含浸させることができるの
に対し、繊維を被覆して結束させる場合は、繊維を結束
させた状態で被覆しなければならず、均一に強度を持た
せるように成形するために、製造工程の複雑化を招くお
それがある。従って、硬化領域を設ける構成が望ましい
と思われる。
【0044】繊維束の形成については、繊維のインク供
給の方向性を保つことができ、記録ヘッド側のインク導
入部との圧接時に繊維が変形してインク供給が不能や不
均一にならない構成をなすものであれば、前述の構成や
方法に限られるものではない。
【0045】本実施例においては、繊維51の束よりな
るインク誘導体の外周部領域を樹脂性の結合材を用いて
密の状態にしている。
【0046】ここで、繊維束の外周部から含浸させる樹
脂として、本発明者はポリエステルポリオールのポリウ
レタンを採用しているが、目的に適合すれば例えばメラ
ミン系のバインダであっても問題ない。
【0047】繊維51は、上述のように、インク誘導体
47のインク流れ方向に沿って配列され、その毛細管力
はスポンジ37を形成する多孔質体の毛細管力より大き
くなるように設定されている。従って、インクを含浸し
たスポンジ37に誘導体47の一端を圧接すればインク
は自然かつ速やかに誘導体47の他端まで誘導される。
インク誘導体47の先端に到達したインクは繊維51の
束が有する毛細管力により通常外部へ漏出する虞はな
い。従って、インクカートリッジ3が単体の状態、すな
わちインクジェットヘッド2と分離している状態の時に
バルブ機構などによってインク漏出を防止する必要がな
いため、インクカートリッジ3を形成する部品点数が少
なく、かつ製造コストを大幅に圧縮できる。
【0048】また、インク誘導体は繊維の集合体である
ため、インクジェットヘッド2と分離する際、ヘッド2
の供給パイプ45が圧接されていたインク誘導体47の
端面から内部に空気が侵入することはほとんどない。ま
た、インク供給口側近傍の吸収体はヘッドとインクカー
トリッジの分離、接続に関係なく、常に誘導体47によ
って圧縮されている。このため、本発明の解決すべき課
題で説明したようにインク供給口近傍の吸収体がヘッド
とカートリッジの分離によって圧縮状態から非圧縮状態
になる過程で生じる吸収体内への空気の侵入を起こすこ
となくインクの使用効率を上げることができる。
【0049】このようにインクジェットヘッドとインク
カートリッジとの接合時に、インク供給経路中に空気の
層が形成されることがない。従って、ヘッドとインクカ
ートリッジとの接合後、すぐにインクの供給が可能とな
り前述したようなインク供給不良等を生じることはな
い。
【0050】本実施例では、前述したようなインクジェ
ットヘッドと接続したときのインク供給性および分離し
たときのインク漏出防止性能等をより高次元で両立させ
る観点からインク誘導体47を以下にように規定する。
【0051】インク誘導体の性能は、大きく分けて2つ
の局面で考えることができる。すなわち、インクジェッ
トヘッドとインクカートリッジとが分離したときのイン
ク漏出防止性能等および接続したときのインク供給性能
等である。
【0052】(分離時)分離時には、インク誘導体の一
方の端面は大気に晒されることがある。このため、この
端面が鉛直下方に向いているときなどにインクカートリ
ッジからインクが漏れないよう保持される必要がある。
本実施例では、インクカートリッジ内のインクに対する
このインク保持力をインク誘導体およびスポンジによっ
て負うようにする。すなわち、インク誘導体およびスポ
ンジはそれらの毛細管力により記録ヘッドの吐出口から
インクが洩れない程度に負である圧力を発生しなければ
ならない。これらの毛細管力の値は、インクカートリッ
ジ内に収容するインクの質量や振動等によってインクに
作用する加速度等および後述するインクジェットヘッド
へのインク供給性を考慮し、スポンジにおいて40mm
Aq以上とし、本例では50mmAqとした。一方、ス
ポンジからインク誘導体へインクが導かねばならないこ
とを考慮してインク誘導体に要求される毛細管力はスポ
ンジの毛細管力のほぼ1.5倍以上、範囲としては85
mmAq以上400mmAq以下とすることが好まし
い。
【0053】一方、上述したインクに作用する加速度
等、インクカートリッジの移動を考慮したとき、毛細管
力は高ければ高い程よいが、あまり高すぎると吸引回復
時等にインクカートリッジからインクを引き出す時にプ
リンタのポンプに負荷がかかりすぎるため400mmA
q以下が好ましい。
【0054】以上の範囲を満たすものとして本例ではイ
ンク誘導体の毛細管力を200mmAqとする。
【0055】上述の規定に代わって、インク誘導体を次
のように規定することもできる。インク誘導体の上記内
部領域を形成する各繊維間の平均間隔をds[mm]と
するとき、インク誘導体のインク保持力すなわち毛細管
力ha[mmAq]は、ha≒4.2/dsと表わすこ
とができる。ここにおいてスポンジの毛細管力としては
前述したように40mmAq以上必要であり、このスポ
ンジからインク誘導体にスムースにインクが導かれるこ
と等を考慮して前述のようにインク誘導体の毛細管力h
aは200mmAq以上が望ましい。従って、前述の関
係式からdsは0.05mm未満であることが望まし
い。
【0056】一方、インク誘導体の毛細管力(メニスカ
ス力ともいう)は、前述の理由で、400mmAq以下
であることが望ましい。このことからdsは0.01m
mより大きいことが望ましい。
【0057】また、インク誘導体を構成する繊維径は、
小さすぎる場合インク誘導体として結束することが困難
となるためにコストが上昇してしまうという問題があ
り、また、大きすぎると記録ヘッドのフィルタと密接す
るために必要な柔軟性が不足してしまう。このような観
点から繊維径dは0.01mm以上0.05mm以下が
望ましい。
【0058】ところで、上述の繊維間平均間隔:ds
[mm]と繊維密度N[本/mm2 ]と繊維径d[m
m]との間には、ds=√(1/N)−dの式が成り立
つから、この関係と上述した各値とから繊維密度を求め
ることができ、上記数値範囲より繊維密度は100[本
/mm2 ]以上2500[本/mm2 ]以下とすること
が望ましい。
【0059】なお、以上の説明で用いた繊維間平均間隔
とは、繊維表面間の平均値のことであり、ある繊維の表
面から近傍の繊維表面までの間隔を拡大写真を用いて複
数本(本実施例では30本)測定し、これらの値の平均
値をとることで算出すればよい。また、繊維径について
は、拡大写真を用いて複数本の繊維の直径を1本当り複
数点で測定しそれを平均することで算出すればよい。
【0060】インク誘導部材の繊維方向での長さは、短
すぎる場合には繊維の結束が困難になると共に、ヘッド
の供給パイプが圧接された時に内部の繊維が中抜けを起
こし易くなるため2mm以上あった方がよい。また、イ
ンクの流れ易さの面から6mm以下が望ましい。
【0061】(接合時)インクジェットヘッドとインク
カートリッジとが接合された場合、インクカートリッジ
からインクジェットヘッドへのインク供給性を考慮する
と、この供給に関するインク流のインク誘導体における
最大流量時の圧力損失ΔPf は20mmAq以下である
ことが望ましい。この値は、インクジェットヘッドが6
4個以上の吐出口を有している場合の最大流量に対応で
きるものであり、この値より大きくなってしまうと印字
デューティーの差によってインク吐出量が変化し印字品
位と悪影響を及ぼすことになる。また、このとき、イン
クカートリッジからインクジェットヘッドに至るインク
供給システム全体の圧力損失ΔPf は100mmAq以
下である。
【0062】インク誘導体が、上記圧力損失の範囲にあ
る前提の下でインク誘導体のインク流れ方向の長さおよ
び流路相当直径を以下のように定めることができる。
【0063】図4は本実施例に係るインク誘導体の各部
サイズを表わす模式図である。
【0064】同図に示すように、L[mm]は、流速u
[mm/sec]で流れるインク流れ方向のインク誘導
体47の長さとする。また、バインダ部52を除いた内
部領域51の平均直径として表わされる有効流路径をD
[mm]、内部領域51を形成する繊維の平均径をd
[mm]、その総数をnとするとき、流路相当直径は、
【0065】
【数1】
【0066】と表わすことができる。
【0067】このとき、上記長さLおよび流路相当直径
e は、上記圧力損失ΔPf を用いて次の式によって定
めることができる。
【0068】
【数2】
【0069】ここで、uは、流路断面積;S[mm
2 ]、インク流の流量;W[mm3 /sec]としたと
き、u=W/Sで求めることができる。なお、Wはシリ
アルヘッドで考えられる最大吐出量を最小吐出量とか
ら、26[mm3 /sec]以上512[mm3 /se
c]以下の範囲とした。Kは抵抗係数[mmAq・se
c]であり、前述したような誘導体の構造では、約4.
2×10-3の値をとる。
【0070】ここで、LはまたはDe のいずれか一方を
定めなければ、他方を定めることができないが、例え
ば、Lを定める場合には、前述した規定やインクカート
リッジのサイズや収容するインク量に応じて定めること
ができ、一方、De を定める場合には、前述した規定で
求められる各繊維間間隔dsおよび有効径Dから定める
ことができる。この有効径Dはヘッド側のフィルタの圧
力損失からの要求、および前述のインク流速Wから1m
m以上18mm以下であることが望ましい。
【0071】以上示したように、インク誘導部材に関す
る各数値は前述の規定内に入るように任意に構造を設計
すれば良い。しかし、実際にインクタンクを設計する場
合はインクタンク本体寸法や、容量などの仕様があらか
じめ決められている場合が多いため、インク誘導部材の
寸法はかなり限られたものとなる。したがってインク誘
導部材は、あらかじめ決められた寸法で、要求される性
能を満たすように、構造を設計する必要が有る。次にこ
のようなケースにおける、設計例を説明する。
【0072】 バインダー除いた有効径 誘導部材の寸法: 外形 φD=6[mm] ∴(φD=4.8[mm]) 長さ L=6[mm] 要求性能 : インク保持力 ha=200[mmAq] 流量が W=42[mm/sec]のとき 圧損 ΔPf ≦10[mmAq]であること。
【0073】(haから規定により ds=0.02
1)この設計上で上のような条件を満たす必要があると
いう前提で、繊維径φdをパラメータにし、最終的に前
述した各式を用いてΔPf を計算することで適当なイン
ク誘導体であるか判定した。以下、その判定結果を表に
示す。
【0074】
【表1】
【0075】以上の結果、圧力損失上の判定ではまた
はであれば、前述の条件を満足するインク誘導部材が
設計できる。圧損ΔPf はの場合より高いが、nを小
さくできることによる製造コストの面からが最適で
る。
【0076】〜はインク最大流量時の圧損失が前述
の要求性能より大きく、上述の要求においては選択でき
ない。
【0077】以上、説明したように、インクカートリッ
ジをインクジェットヘッドから分離した状態にあると
き、およびインクジェットヘッドと接合してインク供給
を行うときそれぞれにおいて、インク誘導体のサイズ等
を規定することにより、インク漏出防止性能およびイン
ク供給性能を両立して良好に満たすことが可能となる。
すなわち、毛管力によってインクを吸収可能な一般に知
られる材料を単にインクジェットヘッドとの接続部に用
いるのみでは、上記性能を良好に満足することはできな
い。
【0078】ところで、上記インク誘導体の構造はその
外周部より約1mmのバインダ部でバインダのスキン層
が形成されるものである。バインダの浸透は表層より行
われているためインク誘導体は内部に行くにしたがって
柔らかくなっており、またインク誘導体の表層1mm以
上の深部にはバインダはほとんど存在しない。
【0079】インクジェットヘッド側パイプとの流路を
形成するためには、上述したように相互圧接が必要であ
るが、機械的交差による圧接の透き間を回避するため、
インク誘導体を形成する繊維の柔軟性が必要である。し
たがって、インクジェットヘッド側パイプの圧接はイン
ク誘導体外周より1mm以上内部の柔軟な範囲で行う必
要がある。ただし経験的には、0.5mm以上でも機能
する。
【0080】また、上記圧接では、インク誘導体とイン
クジェットヘッド流路とを接続するために、インク誘導
体の圧接面を変形させ常に戻ろうとする反発力を利用し
て密着を確実に行っているが、互いに位置を固定したま
ま長い期間(数か月から数年)放置すると、インク誘導
体の繊維の反発力はクリープを生じて密着不良を起こ
す。
【0081】これを防止するために、インクカートリッ
ジ内のスポンジの緩やかな反発(クリープが少ない)を
利用しインク誘導体をわずかにスライド可能とすること
により、クリープ現象を生じない圧接が可能となる。こ
の場合の圧接力は、通常圧接部1mm2 当たり5g以上
必要であり、この反発力をスポンジから得るには少なく
とも0.1mm以上のスライドが必要である。
【0082】また、記録ヘッド側パイプと当接するイン
ク誘導体の面にはパイプのフィルタとの密着性の観点か
ら、ある程度のたわみがあることが望ましい。その範囲
としては断面積1mm2 の棒でインク誘導体の面を1m
m後退させるのに必要な応力で見た場合、100gf/
mm3 以上、500gf/mm3 以下が望ましい。
【0083】以上説明した本例のインク誘導体は、上記
規定による効果に加え、以下のような効果を奏する。
【0084】インクカートリッジ内のスポンジのインク
導出部は、一般にインクジェットヘッドを分離した後も
常に圧接されなければならないという要求がある。も
し、スポンジがインクジェットヘッドのパイプで直接圧
接される構成とすると、分離したとき本発明の課題の欄
で説明したようにインク導出部のスポンジ内に空気が導
入され、再結合後、インクを供給できなくなることがあ
る。本例のインク誘導体はヘッドとインクカートリッジ
との着脱に関係なく常にスポンジに圧接されているため
この問題を一挙に解決できるものである。
【0085】本実施例のようにインク吸収体が圧縮収納
されている場合には、図2に示したようにインク誘導部
材をインク吸収体に圧接させる構成を採用しても、イン
ク吸収体がインク誘導部材に押しつけられているので、
圧接部近傍がもっとも変形することになり、圧接部近傍
にインクを集中させることができる。
【0086】インク吸収体の圧縮収納時の圧縮の度合い
や、弾性係数の低いインク吸収体を用いる場合には、イ
ンク吸収体を確実に変形させるためにインク誘導部材を
インク吸収体中に圧入させて、常にインクを集中させる
構成が好ましい。
【0087】なお、ここでいう圧入とは、通常の圧接時
の押圧力よりも強い力でインク吸収体内にインク誘導部
材を押し込んで圧接させることを意味する。
【0088】また、接続後、圧接部から出口(ヘッド接
続)までの空間はインクで満たされなければならず、か
つ、インクジェットヘッド接続後の流路は密閉されなけ
ればならないのが一般的である。インクジェットヘッド
との接続時におけるこのような密閉は、通常、Oリング
などの弾性部材を介して達成されるが、この時流路に空
気を押し込む結果、スポンジの圧接部に気泡を発生さ
せ、これにより、圧接部の流路抵抗が極端に上昇するた
め、インクジェットヘッドに必要十分なインクを供給で
きなくなることがある。
【0089】そのため従来では、例えばインクジェット
ヘッドを分離すると速やかに流路が閉じるバルブ機構を
配置し、バルブのなかは常にインクを満たすことで、再
結合時の気泡の発生をなくしていたが、本例のインク誘
導体は、そもそも以上のような問題を派生させるもので
はない。
【0090】本実施例に係るインクカートリッジのサイ
ズを図5に示す。インクカートリッジ3の本体は縦1
8.4[mm]、横17.8[mm]、長さ36.9
[mm]であり、この中にスポンジ37および長さ6
[mm]のインク誘導体47が収納されている。換言す
れば、本例のインク誘導体47は、以上のようなサイズ
のカートリッジおよびこれに適合するインクジェットヘ
ッドにおいて有効に性能を発揮するものである。
【0091】なお、本実施例においては、図5に示した
ように、インク供給方向に対して直交する方向の断面に
おいて、インク誘導部材47がインクカートリッジの中
央領域に位置するように、インク誘導部材保持部によっ
て保持される構成を採用する。
【0092】このとき、インク誘導部材47はインクカ
ートリッジ内に配されたインク吸収体の中央領域に圧接
することになる。
【0093】上記構成を採用することにより、インク誘
導部材47がインク吸収体内のインクを集中させる場合
に、インク吸収体内37に収容されたインクを均一に中
央に集めることができる。
【0094】従って、インク消費に伴なって記録ヘッド
側にインクが供給される場合に、インク吸収体37内に
残留するインクの分布は偏りがなく均一となるため、イ
ンク供給は常に安定し、インク供給効率も向上すること
になる。
【0095】なお、本実施例においては、インクカート
リッジの中央領域とインク吸収体の中央領域は一致する
が、本実施例とは異なり、インクカートリッジの中央領
域とインク吸収体の中央領域が異なる場合には、インク
誘導部材をインク吸収体の中央に圧接させるようにする
ことにより、本実施例と同様の効果を得ることができ
る。
【0096】なお、本例のインクカートリッジはフルカ
ラーのインクジェット記録装置にも用いることができる
のは勿論であり、その構成の一例を図6に示す。同図に
示すように、Y,M,C,Bkそれぞれのインクカート
リッジ3には、上述したインク誘導体がそれぞれ設けら
れており(同図では不図示)、これを介してインクジェ
ットヘッド2にインクが供給されるものである。
【0097】また、図6のインクカートリッジ3の構成
を、図6とは反対側から見た模式図を図に示す。同図に
示すように、各色のインクカートリッジには、インク誘
導体47が配設され、その端面はインクジェットヘッド
との接続のための開口部において大気にさらされてい
る。このような場合、前述したようにインクカートリッ
ジのこの開口部を下方に向けても、インクが漏出するこ
とはない。
【0098】図8(A)〜(D)は、それぞれ上述した
インク誘導体47の形状の変形例を示す模式図である。
【0099】この形状の種々の変形は、インクを保持す
るスポンジからより小さな抵抗でインクを誘導する観点
からなされたものである。すなわち、これら図に示すよ
うに、バインダ以外の内部領域の表面積が上記実施例で
示した場合より大きくなり、スポンジ37と接する面積
が大きくなり、これにより、インク誘導体内にインクを
導く際の抵抗が小さくなるものである。
【0100】図9は、上述のインクジェットユニットを
用い、本願人によって提案されたパーソナルコンピュー
タに内蔵のプリンタ機構を示す斜視図である。図9に示
すプリンタ機構は図10にて後述されるパーソナルコン
ピュータの一部に内蔵されるものであり、図9ではプリ
ンタ機構以外の図示は省略されている。
【0101】同図において、キャリア1には、記録手段
を構成するインクジェットヘッド2とインクカートリッ
ジ3とが連結されたインクジェットユニット4が搭載さ
れている。このキャリア1のインクジェットヘッド2側
の端部に設けられた嵌合部は、本装置のフレームをなす
シャーシ5によって回動自在に支持されたリードスクリ
ュー6とその軸方向に摺動可能に嵌合する。キャリア1
の他方の端部には、図示しないガイドが配設されてお
り、このガイドがシャーシ5に形成されたガイドレール
7と摺動自在に嵌入している。そしてキャリア1は、そ
の姿勢が常に一定に保たれながらリードスクリュー6の
回転に伴なってその軸方向に往復移動可能な構成となっ
ている。
【0102】上述のキャリア1の往復移動(スキャン)
に同期してインクジェットヘッド2からインクを吐出す
ることにより、被記録材14に一行分の記録を行うこと
ができる。すなわち、この記録ヘッド2は微細な液体吐
出口(オリフィス)、液路およびこの液路の一部に設け
られる熱エネルギー作用部と、この作用部において液体
(インクともいう)に作用する熱エネルギーを発生する
熱エネルギー発生手段を備えている。この手段が発生す
る熱エネルギーを利用してインク滴が上記オリフィスか
ら吐出される。
【0103】キャリア1のスキャンによって一行記録を
行うと、記録用紙等の被記録媒体14を搬送手段によっ
て一行分搬送して次行記録を行うものであるが、この被
記録材14の搬送は、搬送ローラ15とこれに圧接する
ピンチローラ16の一対の回転体と、排出ローラ19と
これに当接する拍車18との一対の回転体とによって行
われる。
【0104】これを具体的に説明すると、記録ヘッド2
の吐出口面に記録面が対向する被記録材14を、ピンチ
ローラ16によって搬送ローラ15に圧接し、搬送ロー
ラ15を紙送りモータ17によって適宜回転させること
により、記録位置へ必要なだけ搬送する。そして記録後
は、拍車18によって被記録材14を排出ローラ19に
圧接し、この排出ローラ19の回転によって装置外へと
排出搬送する。
【0105】前記搬送ロータ15および廃止ローラの駆
動は紙送りモータ17によって行われるが、その駆動力
の伝達は減速歯車列20により行われる。
【0106】21はペーパセンサであり、被記録材14
の有無を検出する。また22はフォトインタラプタから
なるホームポジションセンサであり、キャリア1に取付
けられこれとともに移動する遮断板1Aによる遮断/遮
断解除によってキャリア1がホームポジション(図面左
側)にあることを検出する。
【0107】上記装置においては、インクジェットヘッ
ド2またはインクカートリッジ3のいずれか、またはこ
れら一体のインクジェットユニット4が装着されたとき
には、キャリア1のホームポジションに設けられた吸引
機構によって強制的なインク排出が行われ、これによ
り、インクカートリッジ3のスポンジ37からインクジ
ェットヘッド2の各インク路に至るインク供給路が良好
に形成される。
【0108】図10は図9に示したプリンタ機構を内蔵
したパートナルコンピュータおよびインクジェットユニ
ット等の着脱を説明するための説明図である。
【0109】図10に示すように、パーソナルコンピュ
ータ200には、そのキーボード部の奥側にインクジェ
ットユニット4等を着脱するための開閉部が設けられて
おり、インクカートリッジ3等を交換する場合には、同
図に示すように、一体のインクジェットユニット4とし
て、あるいはインクカートリッジ3のみを上記プリンタ
機構に対して着脱することができる。
【0110】インクジェットユニット4を一体で着脱す
る場合、図10に示すように、ユニット4をプリンタ機
構から取外した後インクジェットヘッド2とインクカー
トリッジ3とを分離し、例えば新たなカートリッジ3を
インクジェットヘッド2に取付けて交換する。一方、イ
ンクカートリッジ3のみを着脱する場合は、インクジェ
ットユニット2をプリンタ機構に装着したままでインク
カートリッジ3を交換することができる。
【0111】ところで、本実施例のインクカートリッジ
へのインクの再充填方法としては、大気連通口から内部
の空気を吸引し、インクカートリッジ内部の圧力を低く
した状態で、インク誘導部材を設けたインク供給口側よ
り、圧力差を利用してインクを充填する方法が挙げられ
る。
【0112】また、前述と同様にインクカートリッジ内
部の圧力を下げる場合に、インク誘導部材を配したイン
ク供給口側より吸引を行い、大気連通口側よりインクを
充填することも可能である。
【0113】他の充填方法としては、インクカートリッ
ジを構成する部材の一部に穴をあけ、そこの部分から注
射器等の液体注入器を用いてインクを注入する方法も考
えられる。この場合、インク再充填後のインク漏れを防
止するために、インク注入用の穴を樹脂等の封止部材で
封止しても良い。
【0114】本実施例に示したインクカートリッジは、
インク供給口側の構造がインク誘導部材を用いた構成に
なっているために、例えば、バルブ機構を有する構成の
ものと比較すると、インク供給口側から内部の空気を吸
引もしくはインクを充填する場合に、再充填装置との接
続機構の複雑化が避けられるので、容易に充填が可能で
ある。
【0115】上述したように、環境問題も含めたインク
再充填の観点からも、本発明のインクカートリッジは好
適であるといえる。
【0116】(その他)なお、本発明は、特にインクジ
ェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために
利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手段
(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エ
ネルギによりインクの状態変化を生起させる方式の記録
ヘッド、記録装置において優れた効果をもたらすもので
ある。かかる方式によれば記録の高密度化,高精細化が
達成できるからである。
【0117】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書,同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結
果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)
内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成
長,収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐
出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信
号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が
行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐
出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信
号としては、米国特許第4463359号明細書,同第
4345262号明細書に記載されているようなものが
適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する
発明の米国特許第4313124号明細書に記載されて
いる条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことが
できる。
【0118】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口,液路,電気熱変換体
の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第4558333号明細書,米国特許第44
59600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるも
のである。
【0119】また、本発明の記録装置の構成として、記
録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加す
ることは本発明の効果を一層安定できるので、好ましい
ものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに
対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或
は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或
はこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出手段を挙げるこ
とができる。
【0120】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、例えば単色のインクに対応して1個の
みが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複数
のインクに対応して複数個数設けられるものであっても
よい。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては
黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるか
いずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色
によるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備
えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0121】さらに加えて、本発明インクジェット記録
装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の
画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組
合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシ
ミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【0122】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
インクカートリッジが単体であるときにインク誘導体
あるインク供給部材のインク保持力によって供給口から
インクが漏出することが防止されるとともに、インク吸
収体から上記インク供給部材、さらにはインク供給部材
からインクジェットヘッドへのインク供給が速やかにな
される。
【0123】また、ヘッドとインクタンクとの着脱に関
係なく摺動可能なインク供給部材がインク吸収体を押圧
していること、またインクを常にヘッド側との接続面ま
で誘導していることで、着脱時に供給経路中に空気が入
り込む心配がなく、安定的にヘッドへのインク供給が可
能となる。また、このためインクの使用効率も向上でき
る。
【0124】この結果、低コストでインク漏出防止、イ
ンク供給等の性能を良好に発揮し得るインクカートリッ
ジ、インクジェットユニットおよびインクジェット記録
装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来例に係るインクジェット記録装置の斜視図
である。
【図2】(A)および(B)は、本発明の一実施例に係
るインクジェットユニットの分離および接合の状態を示
す縦断面図である。
【図3】図2に示すインクカートリッジで用いられ本発
明の一実施例に係るインク誘導体を示す斜視図である。
【図4】図3に示すインク誘導体のサイズ等の規定を説
明するための説明図である。
【図5】図2に示すインクカートリッジのサイズを示す
4面図である。
【図6】本発明をフルカラーのインクジェットユニット
に適用した場合のユニットの斜視図である。
【図7】上記フルカラーのインクカートリッジを示す模
式図である。
【図8】(A)〜(D)は、インク誘導体の変形例を示
す図である。
【図9】本発明の一実施例に係る分離型インクジェット
ユニットを装着するインクジェットプリント機構を示す
斜視図である。
【図10】上記分離型インクジェットユニットおよびこ
れのプリンタに対する着脱を説明するための説明図であ
る。
【符号の説明】
2 インクジェットヘッド 3 インクカートリッジ 4 インクジェットユニット 34 接続爪 35 Oリング 36 インク供給路 37 スポンジ(インク吸収体) 43 フィルタ 45 導入パイプ 47 インク誘導体 48 大気連通孔 51 繊維 52 バインダ部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−104735(JP,A) 特開 平3−288652(JP,A) 特開 平3−286875(JP,A) 特開 昭63−3958(JP,A) 特開 平2−258268(JP,A) 特開 平5−254147(JP,A) 特開 平4−250066(JP,A) 特開 平4−176659(JP,A) 特開 平5−238016(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/175

Claims (40)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクを貯留するためのインクカートリ
    ッジにおいて、 前記貯留するインクを保持するためのインク吸収体と、 該インク吸収体と外部にインクを供給するためのインク
    供給口との間に配設されたインク供給部材と、を具え、 前記インク供給部材の毛細管力は前記インク吸収体の毛
    細管力より大であり、かつ当該インク供給における前記
    インク供給部材の圧力損失は20mmAq以下である
    ともに、前記インク供給部材は、前記インクカートリッ
    ジと連結されてインクの供給を受け記録を行う記録ヘッ
    ドの供給管が前記インク供給口に挿入されることによっ
    て、前記供給管と当接して前記インク吸収体側に摺動可
    能に配されていることを特徴とするインクカートリッ
    ジ。
  2. 【請求項2】 前記インク供給部材の前記毛細管力は8
    5mmAq以上400mmAq以下であることを特徴と
    する請求項1に記載のインクカートリッジ。
  3. 【請求項3】 前記インク供給部材は当該インク供給方
    向に延在する繊維の束からなり、各繊維間の平均間隔は
    0.01mm以上0.05mm未満であることを特徴と
    する請求項1または2に記載のインクカートリッジ。
  4. 【請求項4】 前記インク供給部材は当該供給方向の断
    面が円状である円柱状をなし、前記円状の外周部の繊維
    はバインダによって密に形成されていることを特徴とす
    る請求項3に記載のインクカートリッジ。
  5. 【請求項5】 前記インク供給部材の当該供給方向の長
    さは2mm以上6mm以下であることを特徴とする請求
    項3または4に記載のインクカートリッジ。
  6. 【請求項6】 前記インク吸収体と前記インク供給部材
    とは圧接していることを特徴とする請求項1ないし5の
    いずれかに記載のインクカートリッジ。
  7. 【請求項7】 前記インク供給部材は、前記インク吸収
    体から前記供給口へ向かう方向に並ぶ複数の繊維で構成
    される部材であることを特徴とする請求項1ないし6の
    いずれかに記載のインクカートリッジ。
  8. 【請求項8】 前記インク供給部材は100本/mm2
    以上2500本/mm2以下の繊維密度の領域を有する
    ことを特徴とする請求項7に記載のインクカートリッ
    ジ。
  9. 【請求項9】 前記インク供給部材の有効径は、1mm
    以上18mm以下であることを特徴とする請求項1ない
    し8のいずれかに記載のインクカートリッジ。
  10. 【請求項10】 前記インク供給部材は、当該インク供
    給方向における前記インク吸収体の断面において中央領
    域に配置されることを特徴とする請求項1ないし9のい
    ずれかに記載のインクカートリッジ。
  11. 【請求項11】 前記インク供給部材は、当該インク供
    給方向における前記インクカートリッジの断面において
    中央領域に配置されることを特徴とする請求項1ないし
    10のいずれかに記載のインクカートリッジ。
  12. 【請求項12】 インクを吐出するためのインクジェッ
    トヘッドと該ヘッドに供給するインクを貯留するための
    インクカートリッジとが着脱可能に接続されたインクジ
    ェットユニットにおいて、 前記インクカートリッジは、前記貯留するインクを保持
    するためのインク吸収体と、前記インク吸収体と外部に
    インクを供給するための供給口との間に配設されたイン
    ク供給部材と、を具え、 前記インク供給部材の毛細管力は前記インク吸収体の毛
    細管力より大であり、かつ当該インク供給における前記
    インク供給部材の圧力損失は20mmAq以下であると
    ともに、前記インク供給部材は、前記インクカートリッ
    ジと連結されてインクの供給を受け記録を行う記録ヘッ
    ドの供給管が前記インク供給口に挿入されることによっ
    て、前記供給管と当接して前記インク吸収体側に摺動可
    能に配されていることを特徴とするインクジェットユニ
    ット。
  13. 【請求項13】 前記インク供給部材の毛細管力は85
    mmAq以上400mmAq以下であることを特徴とす
    る請求項12に記載のインクジェットユニット。
  14. 【請求項14】 前記インク供給部材は当該インク供給
    方向に延在する繊維の束からなり、各繊維間の平均間隔
    は0.01mm以上0.05mm未満であることを特徴
    とする請求項12または13に記載のインクジェットユ
    ニット。
  15. 【請求項15】 前記インク供給部材は当該供給方向の
    断面が円状である円柱状をなし、前記円状の外周部の繊
    維はバインダによって密に形成されていることを特徴と
    する請求項14に記載のインクジェットユニット。
  16. 【請求項16】 前記インク供給部材の当該供給方向の
    長さは2mm以上6mm以下であることを特徴とする請
    求項15に記載のインクジェットユニット。
  17. 【請求項17】 前記インク吸収体と前記インク供給部
    材とは圧接していることを特徴とする請求項12に記載
    のインクジェットユニット。
  18. 【請求項18】 前記インク供給部材は、前記インク吸
    収体から前記供給口へ向かう方向に並ぶ複数の繊維で構
    成される部材であることを特徴とする請求項12に記載
    のインクジェットユニット。
  19. 【請求項19】 前記インク供給部材は100本/mm
    2以上2500本/mm2以下の繊維密度の領域を有する
    ことを特徴とする請求項18に記載のインクジェットユ
    ニット。
  20. 【請求項20】 前記インク供給部材の有効径は、1m
    m以上18mm以下であることを特徴とする請求項18
    に記載のインクジェットユニット。
  21. 【請求項21】 インクを吐出するためのインクジェッ
    トヘッドとインクを貯留するためのインクカートリッジ
    とが着脱可能に接続されたインクジェットユニットを備
    え、被記録媒体にインクを吐出して記録を行うためのイ
    ンクジェット記録装置において、 前記インクカートリッジは、前記貯留するインクを保持
    するためのインク吸収体と、前記インク吸収体と、外部
    にインクを供給するための供給口との間に配設されたイ
    ンク供給部材と、を具え、 前記インク供給部材の毛細管力は前記インク吸収体の毛
    細管力より大であり、かつ当該インク供給における前記
    インク供給部材の圧力損失は20mmAq以下であると
    ともに、前記インク供給部材は、前記インクカートリッ
    ジと連結されてインクの供給を受け記録を行う記録ヘッ
    ドの供給管が前記インク供給口に挿入されることによっ
    て、前記供給管と当接して前記インク吸収体側に摺動可
    能に配されていることを特徴とするインクジェット記録
    装置。
  22. 【請求項22】 前記インク供給部材の毛細管力は85
    mmAq以上400mmAq以下であることを特徴とす
    る請求項21に記載のインクジェット記録装置。
  23. 【請求項23】 前記インク供給部材は当該インク供給
    方向に延在する繊維の束からなり、各繊維間の平均間隔
    は0.01mm以上0.05mm未満であることを特徴
    とする請求項21または22に記載のインクジェット記
    録装置。
  24. 【請求項24】 前記インク供給部材は当該供給方向の
    断面が円状である円柱状をなし、前記円状の外周部の繊
    維はバインダによって密に形成されていることを特徴と
    する請求項23に記載のインクジェット記録装置。
  25. 【請求項25】 前記インク供給部材の当該供給方向の
    長さは2mm以上6mm以下であることを特徴とする請
    求項24に記載のインクジェット記録装置。
  26. 【請求項26】 前記インク吸収体と前記インク供給部
    材とは圧接していることを特徴とする請求項21に記載
    のインクジェット記録装置。
  27. 【請求項27】 前記インク供給部材は、前記インク吸
    収体から前記供給口へ向かう方向に並ぶ複数の繊維で構
    成される部材であることを特徴とする請求項21に記載
    のインクジェット記録装置。
  28. 【請求項28】 前記インク供給部材は100本/mm
    2以上2500本/mm2以下の繊維密度の領域を有する
    ことを特徴とする請求項27に記載のインクジェット記
    録装置。
  29. 【請求項29】 前記インク供給部材の有効径は、1m
    m以上18mm以下であることを特徴とする請求項27
    に記載のインクジェット記録装置。
  30. 【請求項30】 前記インクジェット記録装置は、前記
    インクジェットヘッドまたは前記インクカートリッジま
    たは前記インクジェットユニットが装着されたとき、前
    記インクジェットヘッドのインク吐出口から強制的にイ
    ンクを排出する処理を行うことを特徴とする請求項21
    ないし25のいずれかに記載のインクジェット記録装
    置。
  31. 【請求項31】 インクを吐出するためのインクジェッ
    トヘッドへ供給されるインクを貯留するためのインクジ
    ェットタンクのインク吸収体と外部にインクを供給する
    ためのインク供給口との間に配設され、前記インク吸収
    体に保持されるインクを前記インクジェットヘッド側へ
    供給するためのインク供給部材において、 前記インク供給部材の当該インク供給における圧力損失
    は20mmAq以下であるとともに、前記インク供給部
    材は、前記インクカートリッジと連結されてインクの供
    給を受け記録を行う記録ヘッドの供給管が前記インク供
    給口に挿入されることによって、前記供給管と当接して
    前記インク吸収体側に摺動可能に配されることを特徴と
    するインクジェットタンク用インク供給部材。
  32. 【請求項32】 前記インク供給部材の毛細管力は、前
    記インクジェットタンク内の毛細管力より大であること
    を特徴とする請求項31に記載のインクジェットタンク
    用インク供給部材。
  33. 【請求項33】 前記インク供給部材の前記毛細管力は
    85mmAq以上400mmAq以下であることを特徴
    とする請求項31ないし32のいずれかに記載のインク
    供給部材。
  34. 【請求項34】 前記インク供給部材は当該インク供給
    方向に延在する繊維の束からなり、各繊維間の平均間隔
    は0.01mm以上0.05mm未満であることを特徴
    とする請求項31ないし33のいずれかに記載のインク
    供給部材。
  35. 【請求項35】 前記インク供給部材は当該供給方向の
    断面が円状である円柱状をなし、前記円状の外周部の繊
    維はバインダによって密に形成されていることを特徴と
    する請求項31ないし34のいずれかに記載のインク供
    給部材。
  36. 【請求項36】 前記インク供給部材の当該供給方向の
    長さは2mm以上6mm以下であることを特徴とする請
    求項31ないし35のいずれかに記載のインク供給部
    材。
  37. 【請求項37】 前記インク吸収体と前記インク供給部
    材とは圧接していることを特徴とする請求項31に記載
    のインク供給部材。
  38. 【請求項38】 前記インク供給部材は、前記インク吸
    収体から前記供給内へ向かう方向に並ぶ複数の繊維で構
    成される部材であることを特徴とする請求項31に記載
    のインク供給部材。
  39. 【請求項39】 前記インク供給部材は100本/mm
    2以上2500本/mm2以下の繊維密度の領域を有する
    ことを特徴とする請求項38に記載のインク供給部材。
  40. 【請求項40】 前記インク供給部材の有効径は、1m
    m以上18mm以下であることを特徴とする請求項38
    に記載のインク供給部材。
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