JP2004106300A - インクカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】インクカートリッジは、インクを保持する多孔質体からなるインク吸収体が収納されたインク収納部を備える。インク収納部に収納する前のインク吸収体のセル密度N(個/inch)と、インク収納部に圧縮されて収納されたときのインク収納部に収納される前に対する体積比である圧縮率Rとが、下記式、200≦N・R≦320を満たす。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクを保持する多孔質体からなるインク吸収体が収納されたインク収納部を備えるインクカートリッジ及び該インクカートリッジを備えた画像形成装置に関するものであり、特にインクジェット記録装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、画像形成装置としてのインクジェット記録装置は、インク吸収体が収納されたインク収納部を備えるインクカートリッジを備えている。インク吸収体は、インクを保持する高分子弾性多孔質体からなっており、例えば、ポリエーテル型ウレタンフォーム(発泡フォーム)が用いられている。
【0003】
このインク吸収体には、多孔質体にインクが含浸されており、インク収納部に圧縮して収容されている。多孔質内に保持されているインクは、インク排出部へ、インク収納部に備えられたインク供給口としてのノズルを介して毛管力によって、インクカートリッジ内から排出される。
【0004】
このようなインク吸収体に求められる条件として、例えば、特許文献1には、インク収納部に収納する前のインク吸収体の空孔量(セル密度)N(個/inch)(ただし、Nは60以下)と、インク収納部に圧縮されて収納された時のインク収納部に収納される前に対する体積比である圧縮比(圧縮率)Rとが、下記式、
100≦N・R≦200
を満たせば良いことが示されている。
【0005】
上記式を満たすインク吸収体によって、要求される特性、すなわち、連続記録特性、回復特性、インク易動特性等を満たす、インクジェットカートリッジ用のインク吸収体が得られ、多孔質体にばらつきがあっても、有効なインク吸収体が得られるので、製造コストの削減が可能である。
【0006】
【特許文献1】
特開平4−357046号公報(公開日:1992年12月10日)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報に記載のインクカートリッジにおいては、N・Rが200を越すインク吸収体を用いることができず、インク吸収体の選択の幅が狭まれていた。
【0008】
また、上記公報に記載のインクカートリッジにおいては、インク吸収体に吸収されるインクの特性が考慮されていない。したがって、インクの種類によっては、インクジェット記録装置において、連続排出時にインク供給不足が発生したり、インクカートリッジ着脱時にインク漏れを起こしたりする等の不具合が発生していた。
【0009】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、インク吸収体設計指針の選択の幅を広げることができるインクカートリッジ及び画像形成装置を提供することにある。
【0010】
また、本発明のさらなる目的は、連続排出時にインク供給不足が発生したり、インクカートリッジ着脱時にインク漏れを起こしたりする不具合の発生を防止し得るように、インクの特性に応じたインク吸収体の設計指針を有するインクカートリッジ及び画像形成装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明のインクカートリッジは、上記課題を解決するために、インクを保持する多孔質体からなるインク吸収体が収納されたインク収納部を備えたインクカートリッジにおいて、上記インク収納部に収納する前のインク吸収体のセル密度N(個/inch)と、インク収納部に圧縮されて収納されたときのインク収納部に収納される前に対する体積比である圧縮率Rとが、下記式、
200≦N・R≦320
を満たすことを特徴としている。
【0012】
まず、インクカートリッジにおいては、インク収納部としてのインクカートリッジの高さ、インク吸収体としてのフォーム材(発泡フォーム)のセルのばらつき、及びインクカートリッジにかかる振動を考慮して、インクの保持力を定めなければならない。なぜなら、保持力が足りないと、インクカートリッジの着脱時にインクが不用意に漏れるといった問題が発生するからである。
【0013】
例えば、インクカートリッジの高さが34mmである場合には、安全率を2とすると、保持力は、水頭で68(=34×2)mm(0.68kPa)である。
【0014】
また、広く用いられているカートリッジ高さは概ね40mm以下であることより水頭圧は0.8kPaが必要である。したがって、N・Rが200以上であれば、水頭で86mm(0.86kPa)以上の保持力が得られる。よって、インクカートリッジの着脱時にインクが不用意に漏れるといった問題の発生を防ぐことができる。
【0015】
また、インクを連続吐出するときに、供給系の負圧は安全率を考慮すると、約2.0kPa以下でなければ、供給系に発生する負圧にて、インクが供給不足になり、ノズル先端よりインク液面が後退しすぎて空気を吸入してしまうという問題が発生し、インクの安定供給ができなくなる。
【0016】
そこで、N・Rが320以下であれば、供給系の負圧は1.5kPa以下となり、インクを連続吐出するときにも、マージンを持ってインクの安定供給が可能になり、かつ、インクカートリッジの体積を効率よく活用することができる。
【0017】
さらに、従来は、N・Rを200以下としてのみ、インク吸収体が用いられていたが、200以上でも320以下であればよいので、インク吸収体を用いる選択の幅を広げることができる。
【0018】
この結果、200≦N・R≦320を満たすことにより、インク吸収体設計指針の選択の幅を広げることができるインクカートリッジを提供することができる。
【0019】
また、連続排出時にインク供給不足が発生したり、インクカートリッジ着脱時にインク漏れを起こしたりする不具合の発生を防止し得るように、インクの特性に応じたインク吸収体の設計指針を有するインクカートリッジを提供することができる。
【0020】
また、本発明のインクカートリッジは、上記課題を解決するために、インクを保持する多孔質体からなるインク吸収体が収納されたインク収納部を備えたインクカートリッジにおいて、上記インク吸収体に吸収されるインクの表面張力T(N/m)と、インク収納部に収納する前のインク吸収体のセル密度N(個/inch)と、インク収納部に圧縮されて収納された時のインク収納部に収納される前に対する体積比である圧縮率Rとが、下記式、
T・N・R・B≧0.08
ただし、係数B=0.0161
を満たすことを特徴としている。
【0021】
上記の発明によれば、インクカートリッジは、
T・N・R・B≧0.08
ただし、係数B=0.0161
を満たす。
【0022】
すなわち、T・N・R・Bが0.08以上であれば、0.8kPa以上の保持力が得られる。よって、インクカートリッジの着脱時にインクが不用意に漏れるといった問題が発生することを防ぐことができる。
【0023】
また、インク吸収体に吸収されるインクの表面張力Tの違いも考慮に入れることができるので、より確実に上記の問題が発生することを防ぐことができる。
【0024】
また、本発明のインクカートリッジは、上記課題を解決するために、インクを保持する多孔質体からなるインク吸収体が収納されたインク収納部を備えたインクカートリッジにおいて、上記インク吸収体に吸収されるインクの表面張力T(N/m)と、インク収納部に収納する前のインク吸収体のセル密度N(個/inch)と、インク収納部に圧縮されて収納された時のインク収納部に収納される前に対する体積比である圧縮率Rと、任意の姿勢でとり得るインク供給口に対する鉛直方向の最大高さの水頭高さh(m)と、インクの比重γとが、下記式、
T・N・R・B≧γ・h
ただし、係数B=0.0161
を満たすことを特徴としている。
【0025】
上記の発明によれば、インクカートリッジは、
T・N・R・B≧γ・h
ただし、係数B=0.0161
を満たす。
【0026】
すなわち、T・N・R・Bがγ・h以上であれば、任意の姿勢で生じる最大水頭圧力以上の保持力が得られる。よって、インクカートリッジの着脱時にインクが不用意に漏れるといった問題が発生することを防ぐことができる。
【0027】
また、インク吸収体に吸収されるインクの表面張力Tの違いも考慮に入れることができるので、より確実に上記の問題が発生することを防ぐことができる。
【0028】
また、本発明のインクカートリッジは、上記課題を解決するために、インクを保持する多孔質体からなるインク吸収体が収納されたインク収納部を備えたインクカートリッジにおいて、上記インク吸収体に吸収されるインクの表面張力T(N/m)及び粘度μ(Pa・s)と、インク収納部に収納する前のインク吸収体のセル密度N(個/inch)と、インク収納部に圧縮されて収納された時のインク収納部に収納される前に対する体積比である圧縮率Rと、インク収納部に圧縮されて収納されたインク吸収体の断面積S(m2)及び高さL(m)と、インク収納部からインクが吐出されるノズルの直径D(m)と、ノズルから吐出されるインクの最大インク吐出量Q(m3/s)とが、下記式、
C・ [μ・L・Q・(N・R)2/S]≦T/D
ただし、係数C=1.88×105
を満たすことを特徴としている。
【0029】
上記の発明によれば、インクカートリッジは、
C・[μ・L・Q・(N・R)2/S]≦T/D
ただし、係数C=1.88×105を満たす。
【0030】
すなわち、インクを連続吐出するときに、供給系の負圧はノズル先端でのメニスカスにより生じるインク吸引圧力以下でなければ、供給系に発生する負圧にて、インクが供給不足になり、ノズル先端よりインク液面が後退しすぎて空気を吸入してしまうという問題が発生し、インクの安定供給ができなくなる。
【0031】
そこで、上式を満たしていれば、ノズル先端でのメニスカスにより生じるインク吸引圧力に対して供給系の負圧を小さくでき、インクを連続吐出するときにも、インクの安定供給が可能になる。
【0032】
また、本発明のインクカートリッジは、上記課題を解決するために、インクを保持する多孔質体からなるインク吸収体が収納されたインク収納部を備えたインクカートリッジにおいて、上記インク吸収体に吸収されるインクの粘度μ(Pa・s)と、インク収納部に収納する前のインク吸収体のセル密度N(個/inch)と、インク収納部に圧縮されて収納された時のインク収納部に収納される前に対する体積比である圧縮率Rと、インク収納部に圧縮されて収納されたインク吸収体の断面積S(m2)及び高さL(m)と、インク収納部からインクが吐出されるノズルの直径D(m)と、ノズルから吐出されるインクの最大インク吐出量Q(m3/s)とが、下記式、
(K/A)・Q・(N・R)2・(μ・L)/S≦2000
ただし、係数(K/A)=7.52×105
を満たすことを特徴としている。
【0033】
上記の発明によれば、インクカートリッジは、
(K/A)・Q・(N・R)2・(μ・L)/S≦2000
ただし、係数(K/A)=7.52×105を満たす。
【0034】
すなわち、インクを連続吐出するときに、供給系の負圧は安全率を考慮すると、約2.0kPa以下でなければ、供給系に発生する負圧にて、インクが供給不足になり、ノズル先端よりインク液面が後退しすぎて空気を吸入してしまうという問題が発生し、インクの安定供給ができなくなる。
【0035】
そこで、上式を満たしていれば、供給系の負圧は2kPa以下となり、インクを連続吐出するときにも、インクの安定供給が可能になる。
【0036】
また、本発明のインクカートリッジは、上記課題を解決するために、インクを保持する多孔質体からなるインク吸収体が収納されたインク収納部を備えたインクカートリッジにおいて、上記インク収納部に圧縮されて収納された状態でのインク吸収体の実装セル密度M(個/inch)が、下記式、
200≦M≦320
を満たすことを特徴としている。
【0037】
上記の発明によれば、200≦M≦320を満たす。
【0038】
すなわち、インク収納部としてのインクカートリッジの高さ、インク吸収体としてのフォーム材のセルのばらつき、及びインクカートリッジにかかる振動を考慮して、インクの保持力を定めなければならない。なぜならば、保持力が足りないと、インクカートリッジの着脱時にインクが不用意に漏れるといった問題が発生するからである。
【0039】
例えば、インクカートリッジの高さが34mmである場合には、安全率を2とすると、保持力は、水頭で68(=34×2)mm(0.67kPa)必要であり、セル密度M(個/inch)が200以上であれば、水頭で86mm(0.86kPa)以上の保持力が得られる。よって、インクカートリッジの着脱時にインクが不用意に漏れるといった問題の発生を防ぐことができる。
【0040】
また、インクを連続吐出するときに、供給系の負圧は安全率を考慮すると、約2.0kPa以下でなければ、供給系に発生する負圧にて、インクが供給不足になり、ノズル先端よりインク液面が後退しすぎて空気を吸入してしまうという問題が発生し、インクの安定供給ができなくなる。そこで、セル密度M(個/inch)が320以下であれば、供給系の負圧は2kPa以下となり、インクを連続吐出するときにも、インクの安定供給が可能になる。
【0041】
さらに、従来は、N・Rを200以下としてのみ、インク吸収体が用いられていたが、セル密度M(個/inch)=N・Rが200以上でも320以下であればよいので、インク吸収体を用いる選択の幅を広げることができる。
【0042】
また、本発明のインクカートリッジは、上記課題を解決するために、インクを保持する多孔質体からなるインク吸収体が収納されたインク収納部を備えたインクカートリッジにおいて、上記インク吸収体に吸収されるインクの表面張力T(N/m)と、インク収納部に圧縮されて収納された状態でのインク吸収体の実装セル密度M(個/inch)とが、下記式、
T・M・B≧0.08
ただし、係数B=0.0161
を満たすことを特徴としている。
【0043】
上記の発明によれば、インクカートリッジは、
T・M・B≧0.08
ただし、係数B=0.0161
を満たす。
【0044】
すなわち、T・M・Bが0.08以上であれば、0.8kPa以上の保持力が得られる。よって、インクカートリッジの着脱時にインクが不用意に漏れるといった問題が発生することを防ぐことができる。
【0045】
また、インク吸収体に吸収されるインクの表面張力Tの違いも考慮に入れることができるので、より確実に上記の問題が発生することを防ぐことができる。
【0046】
また、本発明のインクカートリッジは、上記課題を解決するために、インクを保持する多孔質体からなるインク吸収体が収納されたインク収納部を備えたインクカートリッジにおいて、インク吸収体に吸収されるインクの表面張力T(N/m)と、インク収納部に収納する前のインク吸収体のセル密度N(個/inch)と、インク収納部に圧縮されて収納された時のインク収納部に収納される前に対する体積比である圧縮率Rと、任意の姿勢でとり得るインク供給口に対する鉛直方向の最大高さの水頭高さh(m)と、インクの比重γとが、下記式、
T・N・R・B≧γ・h
ただし、係数B=0.0161
を満たすことを特徴としている。
【0047】
上記の発明によれば、インクカートリッジは、
T・N・R・B≧γ・h
ただし、係数B=0.0161
を満たす。
【0048】
すなわち、T・M・T・Bがγ・h以上であれば、任意の姿勢で生じる最大水頭圧力以上の保持力が得られる。よって、インクカートリッジの着脱時にインクが不用意に漏れるといった問題が発生することを防ぐことができる。
【0049】
また、インク吸収体に吸収されるインクの表面張力Tの違いも考慮に入れることができるので、より確実に上記の問題が発生することを防ぐことができる。
【0050】
また、本発明のインクカートリッジは、上記課題を解決するために、インクを保持する多孔質体からなるインク吸収体が収納されたインク収納部を備えたインクカートリッジにおいて、上記インク吸収体に吸収されるインクの表面張力T(N/m)及び粘度μ(Pa・s)と、インク収納部に圧縮されて収納された状態でのインク吸収体の実装セル密度M(個/inch)と、インク収納部に圧縮されて収納されたインク吸収体の断面積S(m2)及び高さL(m)と、インク収納部からインクが吐出されるノズルの直径D(m)と、ノズルから吐出されるインクの最大インク吐出量Q(m3/s)が、下記式、
Q・M2・(μ・L)・C/S≦T/D
ただし、係数C=1.88×105
を満たすことを特徴としている。
【0051】
上記の発明によれば、インクカートリッジは、
Q・M2・(μ・L)・C/S≦T/D
ただし、係数C=1.88×105
を満たす。
【0052】
すなわち、インクを連続吐出するときに、供給系の負圧はノズル先端でのメニスカスにより生じるインク吸引圧力以下でなければ、供給系に発生する負圧にて、インクが供給不足になり、ノズル先端よりインク液面が後退しすぎて空気を吸入してしまうという問題が発生し、インクの安定供給ができなくなる。
【0053】
そこで、上式を満たしていれば、ノズル先端でのメニスカスにより生じるインク吸引圧力に対して供給系の負圧を小さくでき、インクを連続吐出するときにも、インクの安定供給が可能になる。
【0054】
また、本発明のインクカートリッジは、上記課題を解決するために、インクを保持する多孔質体からなるインク吸収体が収納されたインク収納部を備えたインクカートリッジにおいて、インク吸収体に吸収されるインク粘度μ(Pa・s)と、インク収納部に圧縮されて収納された状態でのインク吸収体の実装セル密度M(個/inch)と、インク収納部に圧縮されて収納されたインク吸収体の断面積S(m2)及び高さL(m)と、インク収納部からインクが吐出されるノズルの直径D(m)と、ノズルから吐出されるインクの最大インク吐出量Q(m3/s)とが、下記式、
(K/A)・Q・M2・(μ・L)/S≦2000
ただし、係数(K/A)=7.52×105
を満たすことを特徴としている。
【0055】
上記の発明によれば、インクカートリッジは、
(K/A)・Q・M2・(μ・L)/S≦2000
ただし、係数(K/A)=7.52×105
を満たす。
【0056】
すなわち、インクを連続吐出するときに、供給系の負圧は安全率を考慮すると、約2.0kPa以下でなければ、供給系に発生する負圧にて、インクが供給不足になり、ノズル先端よりインク液面が後退しすぎて空気を吸入してしまうという問題が発生し、インクの安定供給ができなくなる。
【0057】
そこで、上式を満たしていれば、供給系の負圧は2kPa以下となり、インクを連続吐出するときにも、インクの安定供給が可能になる。
【0058】
また、本発明のインクカートリッジは、上記課題を解決するために、インクを保持する多孔質体からなるインク吸収体が収納されたインク収納部を備えたインクカートリッジにおいて、インク吸収体に吸収されるインクの表面張力T(N/m)及び粘度μ(Pa・s)と、インク収納部に収納する前のインク吸収体のセル密度N(個/inch)と、インク収納部に圧縮されて収納された時のインク収納部に収納される前に対する体積比である圧縮率Rと、インク収納部に圧縮されて収納されたインク吸収体の断面積S(m2)及び高さL(m)と、インク収納部からインクが吐出されるノズルの直径D(m)と、ノズルから吐出されるインクの最大インク吐出量Q(m3/s)と、任意の姿勢でとり得るインク供給口に対する鉛直方向の最大高さの水頭高さh(m)と、インクの比重γとが、下記式、
[T・S/(C・D・μ・L・Q)]0.5 ≧(N・R)≧γ・h /(T・B)
ただし、係数C=1.88×105、係数B=0.0161
を満たすことを特徴としている。
【0059】
上記の発明によれば、インクカートリッジは、
[T・S/(C・D・μ・L・Q)]0.5 ≧(N・R)≧γ・h /(T・B)
ただし、係数C=1.88×105、係数B=0.0161
を満たす。
【0060】
すなわち、T・N・R・Bがγ・h以上であれば、インク吸収体に吸収されるインクの表面張力Tの違いも考慮して任意の姿勢で生じる最大水頭圧力以上の保持力が得られる。よって、インクカートリッジの着脱時にインクが不用意に漏れるといった問題が発生することをより確実に防ぐことができ、かつ、インクを連続吐出するときに、供給系の負圧はノズル先端でのメニスカスにより生じるインク吸引圧力以下にでき、供給系に発生する負圧にて、インクが供給不足になり、ノズル先端よりインク液面が後退しすぎて空気を吸入してしまいインク吐出動作不良となることを防止できる。
【0061】
また、本発明のインクカートリッジは、上記課題を解決するために、インクを保持する多孔質体からなるインク吸収体が収納されたインク収納部を備えたインクカートリッジにおいて、上記インク吸収体に吸収されるインクの表面張力T(N/m)及び粘度μ(Pa・s)と、インク収納部に圧縮されて収納された状態でのインク吸収体の実装セル密度M(個/inch)と、インク収納部に収納する前のインク吸収体のセル密度N(個/inch)と、インク収納部に圧縮されて収納された時のインク収納部に収納される前に対する体積比である圧縮率Rと、インク収納部に圧縮されて収納されたインク吸収体の断面積S(m2)及び高さL(m)と、インク収納部からインクが吐出されるノズルの直径D(m)と、ノズルから吐出されるインクの最大インク吐出量Q(m3/s)と、任意の姿勢でとり得るインク供給口に対する鉛直方向の最大高さの水頭高さh(m)と、インクの比重γとが、下記式、
{T・S/(C・D・μ・L・Q)}0.5 ≧ M ≧γ・h /(T・B)
ただし、係数C=1.88×105、係数B=0.0161
を満たすことを特徴としている。
【0062】
すなわち、T・N・R・Bがγ・h以上であれば、インク吸収体に吸収されるインクの表面張力Tの違いも考慮して任意の姿勢で生じる最大水頭圧力以上の保持力が得られる。よって、インクカートリッジの着脱時にインクが不用意に漏れるといった問題が発生することをより確実に防ぐことができ、かつ、インクを連続吐出するときに、供給系の負圧はノズル先端でのメニスカスにより生じるインク吸引圧力以下にでき、供給系に発生する負圧にて、インクが供給不足になり、ノズル先端よりインク液面が後退しすぎて空気を吸入してしまいインク吐出動作不良となることを防止できる。
【0063】
また、本発明の画像形成装置は、上記課題を解決するために、上記いずれかに記載のインクカートリッジを備えたことを特徴としている。
【0064】
上記の発明によれば、上記記載のインクカートリッジを例えばインクジェット記録装置等の画像形成装置が備えている。
【0065】
したがって、インク吸収体設計指針の選択の幅を広げることができる画像形成装置を提供することができる。
【0066】
また、連続排出時にインク供給不足が発生したり、インクカートリッジ着脱時にインク漏れを起こしたりする不具合の発生を防止し得るように、インクの特性に応じたインク吸収体の設計指針を有する画像形成装置を提供することができる。
【0067】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態について図1ないし図18に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0068】
本実施の形態における画像形成装置としてのインクジェット記録装置は、図2に示すように、給紙部、分離部、搬送部、印刷部及び排出部から構成される。
【0069】
給紙部は、印刷を行う際に記録用紙であるシートを供給するものであり、給紙トレイ101及びピックアップローラ102よりなる。印刷を行わない際には、シートを保管する機能を果たす。
【0070】
分離部は、給紙部より供給されるシートを、印刷部へ一枚ずつ供給するためのものであり、図示しない給紙ローラ及び分離装置よりなる。分離装置では、シートとの接触部分であるパッド部分とシートとの摩擦が、シート間の摩擦より大きくなるように設定されている。また、給紙ローラでは、給紙ローラとシートとの摩擦が、パッドとシートとの摩擦や、シート間の摩擦よりも大きくなるように設定されている。そのため、2枚のシートが分離部まで送られてきたとしても、給紙ローラによって、これらのシートを分離し、上側のシートのみを搬送部に送ることができる。
【0071】
搬送部は、分離部より一枚ずつ供給されるシートを、印刷部へと搬送するためのものであり、図示しないガイド板、及び搬送押えローラ111・搬送ローラ112等のローラ対よりなる。ローラ対は、シートを印字ヘッド1とプラテンとの間に送り込む際に、印字ヘッド1からのインクがシートの適切な位置に吹き付けられるように、シートの搬送を調整する部材である。
【0072】
印刷部は、搬送部のローラ対より供給されるシートへ印刷を行うためのものであり、印字ヘッド1、この印字ヘッド1を搭載したキャリッジ2、キャリッジ2を案内するための部材であるガイドシャフト121、印字ヘッド1にインクを供給するインクカートリッジ20、及び印刷時にシートの台となるプラテンより構成される。このうち、印字ヘッド1、インク供給経路3、及びインクカートリッジ20は、後述するインク供給装置10を構成する。
【0073】
排出部は、印刷が行われたシートをインクジェット記録装置の外へ排出するためのものであり、排出ローラ131・132及び排出トレイ134よりなる。
【0074】
上記構成を備えたインクジェット記録装置は、次のような動作によって印刷を行う。
【0075】
まず、図示しないコンピュータ等から、画像情報に基づく印刷要求が、インクジェット記録装置に対してなされる。印刷要求を受信したインクジェット記録装置は、給紙トレイ101上のシートを、ピックアップローラ102によって給紙部より搬出する。
【0076】
次に、搬出されたシートは、給紙ローラによって分離部を通過し、搬送部へと送られる。搬送部では、搬送押えローラ111・搬送ローラ112のローラ対によって、シートを印字ヘッド1とプラテン113との間へと送る。
【0077】
そして、印刷部では、印字ヘッド1の吐出ノズルよりプラテン113上のシートへ、画像情報に対応してインクが吹き付けられる。この時、シートはプラテン113上で一端停止されている。インクを吹き付けつつ、キャリッジ10は、ガイドシャフト121に案内されて、主走査方向に渡って一ライン分走査される。
【0078】
それが終了すると、シートは、プラテン113上で副走査方向に一定の幅だけ移動させられる。印刷部において、上記処理が画像情報に対応し継続して実施されることにより、シート全面に印刷がなされる。
【0079】
印刷が行われたシートは、インク乾燥部を経て、排出ローラ131・132によって用紙排出口133を通して排出トレイ134に排出される。その後、シートは印刷物としてユーザに提供される。
【0080】
ここで、上記のインクジェット記録装置のインク供給装置10について、図3〜図5に基づいて詳細に説明する。
【0081】
図3に示すように、インク供給装置10は、前述したように、印字ヘッド1、インク供給経路3及びインクカートリッジ20を備えている。
【0082】
図4(a)(b)に示すように、通常、インクカートリッジ20内にはインクを貯留する空間であるインク収納部としてのインクタンク21が備えられている。本実施の形態のインクカートリッジ20では、このインクタンク21の内部に、例えば、ポリウレタン樹脂製の多孔質保持体であるインク吸収体22が備えられている。
【0083】
そして、インクタンク21の、例えば底面には、印字ヘッド1にインクを供給するためのインク供給チューブからなるインク供給経路3が設けられている。
【0084】
インク供給経路3の端部には、フィルタ23が設けられたインク供給口24が設けられている。このインク供給口24は、インクタンク21に挿し込まれるように接続されており、インクタンク21内に位置することになっている。
【0085】
また、図4(a)(b)(c)に示すように、上記インクタンク21外のインク供給経路3には、このインク供給経路3を挟持するように一対の検出電極25・25が設けられている。
【0086】
なお、印字ヘッド1は、例えば、1分当たり0.5ccのインクを吸引49ccのインクを吐出するようになっており、そのときのインク供給経路3にかかる圧力は圧力ゲージにて測定できるようになっている。また、印字ヘッド1とインクカートリッジ20との配置は、例えば、印字ヘッド1の水頭(Ph)は50mm、インクタンク21の水頭(Ph)は30mmとなるように配置されている。
【0087】
上記のフィルタ23は、図5に示すように、帯状の、例えばステンレス材を網状に編み込むようにして作成されている。また、上記の方法に限らず、例えば、エッチングにより、網目を形成させた板状部材をフィルタ23としてもよい。
【0088】
そして、このインクカートリッジ20では、図4(a)(b)(c)に示すように、フィルタ23を介して、インク供給経路3に混入してきた空気によって、上記の検出電極25・25間のインクが押し出されたとき、すなわち、検出電極25・25間にインクがなくなったとき、その検出電極25・25極間には電流が流れないようになることを利用して、インクの残量、つまりインクのなくなりを検出するようになっている。
【0089】
上記のようなインク残量を検出する過程を、インク供給経路3にかかる負圧と時間経緯とのグラフである図6及び図7を用いて詳細に説明する。なお、図7は、図6の簡略説明図となっている。
【0090】
まず、上記印字ヘッド1を駆動させると、すなわちインクタンク21内のインクを消費するためにインク供給経路3に負圧をかけていくと、図6及び図7に示すように、インクの使用量の増加に伴って負圧も徐々に上昇して行く。そして、インク残量が少なくなると、ある時点で急激に負圧が上昇する。これは、インク供給経路3に大きな吸引力がかかることにより負圧をかけすぎたことによって、インク吸収体22にかかるインク供給圧力よりもその圧力値が大きくなり、フィルタ23の網目(セル)に形成されていたインク膜が破れ、負圧の低下が起きたことを示している。
【0091】
すなわち、インクの表面張力によりセル径による臨界圧力まで上昇し、さらには、図8に示すように、セル径よりも小さい上記フィルタ23の網目に形成されるインクメニスカスによる臨界圧力まで急激に負圧が上昇し、上記印字ヘッド1からの吸引圧が臨界圧を越えると、フィルタ23の網目に形成されていたインクメニスカスの表面が破れ、負圧の低下が起きたことを示している。
【0092】
次に、前述したインクカートリッジ20におけるインク吸収体22の最適化のための詳細について、以下に説明する。
【0093】
図4(a)(b)(c)に示すように、本実施の形態では、インク吸収体22としてのフォーム材が収納されたインクタンク21を備えるインクカートリッジ20を備えている。このフォーム材の多孔質体にはインクが含浸されており、このフォーム材がインクタンク21内に圧縮して収容されている。
【0094】
多孔質内に保持されているインクは、インクカートリッジ20に備えられたインク供給口24であるノズルを通して毛管力によって、インクカートリッジ20内から印字ヘッド1側へ排出される。
【0095】
ところで、多孔質内に保持されているインクの保持力によっては、連続排出時にインク供給不足が発生したり、インクカートリッジ20着脱時にインク漏れを起こしたりする不具合の発生する。
【0096】
この問題を解消するためには、インクの特性に応じたインク吸収体22の設計指針が必要となる。本実施の形態では、インク、フォーム材及びインクカートリッジ20を用いて実験を行い、インクカートリッジ20における安定負圧Pを測定し、設計指針の検討を行った。実験の結果を表1に示す。また、インク、フォーム材及びインクカートリッジ20の諸条件については、以下の通りとした。
【0097】
・インクの表面張力T=0.03(N/m) (30dyn/cm)
・インクの粘度 μ=0.07(Pa・s) (7cp)
・インク組成 H2O、顔料、ポリエチレングリコール
・フォーム材のセル密度N=40(個/inch)=1.57(個/mm)
・フォーム材の材質 ポリウレタン
・インクカートリッジ収納時のフォーム材外寸(幅×奥行×高)
W×D×L=0.015×0.074×0.030(m)
・インクカートリッジ内寸(幅×奥行×高)
W×D×L=0.015×0.074×0.030(m)
なお、表1における項目は下記の通りである。
【0098】
・圧縮率R:インクカートリッジに圧縮されて収納された時のインクカートリッジに収納される前に対するフォーム材の体積比率
・セル密度N(個/inch):インクカートリッジに収納する前のインク吸収体
22のフォーム材のセル密度
・圧縮時のフォーム材の実装セル密度M(個/inch):インクカートリッジに圧縮されて収納されている時のフォーム材の実装セル密度
・流量Q(m3/s):インクの流量
・効率(%):インクカートリッジからの総流出量÷インク充填量
・インク上限時安定負圧Ph(Pa):インクカートリッジ内のインクが上限まで充填されている時、すなわち満載の状態で所定のインク流量とした時に測定されたインクカートリッジにおける安定負圧
・インク下限時安定負圧PL(Pa):インクカートリッジ内のインクが下限までしか充填されていない時、すなわちカートリッジ内のインクが無くなる直前に所定のインク流量とした測定されたインクカートリッジにおける安定負圧
【0099】
【表1】
【0100】
後で詳細説明するが、発生負圧の測定値を流体力学理論に基づき詳細検討した結果、インク上限時安定負圧Phは、インクの粘性に基づく流路の圧力損失に起因し、またインク下限時安定負圧PLはインクの表面張力Tに基づく毛管の臨界圧力に起因していることが判明した。
【0101】
ここで、インクカートリッジ20の高さ、フォーム材セルのばらつき、及びインクカートリッジ20にかかる振動を考慮して、インクの保持力を定めなければならない。保持力が足りないと、特にインク上限時にインクカートリッジ20の着脱時にインクが不用意に漏れるといった問題が生じる。
【0102】
まず、インクカートリッジ20の高さが34mmであるので、安全率を2とすると、保持力は、水頭で68(=34×2)mm、つまり0.67kPa必要である。
【0103】
ところで、インクの保持力は表面張力Tに基づく毛管圧力であり、インク下限時安定負圧PLは、実装セル密度M(個/inch)が200以上であれば、水頭で0.86kPa、89mm以上の保持力が得られるので、インクカートリッジ20の着脱時にインクが不用意に漏れるといった問題が生じることを防ぐことができる。
【0104】
また、インクを連続吐出するときに、供給系の負圧は安全率を考慮すると、約2.0kPa以下でなければ、供給系に発生する負圧にて、インクが供給不足になり、ノズル先端よりインク液面が後退しすぎて空気を吸入してしまうという問題が生じ、インクの安定供給ができなくなる。
【0105】
そこで、実装セル密度M(個/inch)が320以下であれば、供給系の負圧は1.5kPa以下となり、インクを連続吐出するときにも、マージンを持ってインクの安定供給が可能になる。
【0106】
また、インクカートリッジ20内面の収納体積に対して実際に使用可能となるインク容積の比を効率とすると、図9に示すように、効率はRの値が増加するのに伴って低下し、図1に示すように、実装セル密度M(個/inch)が320になると大きく低下し始める。したがって、インクカートリッジ20の体積を効率よく活用する条件として、実装セル密度M(個/inch)が320以下となる。
【0107】
なお、これらは理論値であるが、実測値においても、これを満たしていることが、確認された。すなわち、前記表1において、実装セル密度M=N・R(個/inch)が200のとき、実測安定負圧であるインク下限時安定負圧PLが0.86kPa以上となっているとともに、実装セル密度M=N・R(個/inch)が320のとき、実測安定負圧であるインク下限時安定負圧PLが1.50kPa以下となっている。なお、この実測安定負圧であるインク下限時安定負圧PLは、メニスカスがいかなる負圧に耐え得るかを示している。
【0108】
次に、インク下限時安定負圧PL及びインク上限時安定負圧Phに対して考察を加える。なお、インク上限時安定負圧Phとは、インクが流れているときの負圧を表したものである。
【0109】
まず、正規化するために、圧縮率R=5.5、流量Q=8.17nm3/s(0.49cc/min)におけるインク上限時安定負圧Ph=0.62kPaに対して、各データにおけるインク上限時安定負圧Phを正規化した値が、始点の比率におけるRsである。また、R2は、圧縮率R2について、圧縮率R=5.5に対して正規化したものである。
【0110】
一方、圧縮率R=5.5、流量Q=8.17nm3/sにおけるインク下限時安定負圧PL=0.99kPaに対して、各データにおけるインク下限時安定負圧PLを正規化した値が終点の比率におけるReである。また、R1は、圧縮率Rについて、圧縮率R=5.5に対して正規化したものである。
【0111】
ここで、それぞれ、始点においてRs/R2を算出し、終点においてRe/R1を算出すると、表1より、それぞれ略1であることがわかる。したがって、インク上限時安定負圧Phは圧縮率Rの2乗に比例し、インク下限時安定負圧PLは圧縮率Rに比例することがわかる。
【0112】
以上に基づき、さらに、インク及びフォーム材の設計指針を詳しく得るために、これらの理論付けを以下のように行い、検討を加えた。
【0113】
インクカートリッジ20内のインクが上限まで充填されている時、すなわち、インクカートリッジ20にインクが満載されている時には、フォーム材の各セルを円形管路とみなし、管路の圧力差によって管内の液(本発明におけるインク)が流れていると想定することができる。図10に示すように、円形管路を流れる流量Qi(m3/s)は、式(1)によって定義される。
【0114】
Qi=ΔP・π・d4/(128・μ・L) ・・・(1)
となる。ここで、ΔPは管路の圧力損失(Pa)、dは管路直径(m)、μは粘度(Pa・s)、Lは管路の流路長(m)である。
【0115】
d(m)を圧縮時のセル径とみなすと、圧縮時のフォーム材の実装セル密度M=N・R(個/inch)より、
d=0.0254/(N・R) ・・・(2)
となる。
【0116】
フォーム材は圧縮されてインクカートリッジ20内に収容されているので、フォーム材の各セルは、図11に示すように、最密状態であると考えられる。したがって、圧縮時のフォーム材下端におけるセル総数Nd(個)は、
Nd=(2/√3)・S/(d2) ・・・(3)
となる。ここで、Sはフォーム材の断面積(W×D)である。
【0117】
したがって、(3)による直径一定の円柱状の流路を想定し、全流量Qt(m3/s)は、式(1)、(2)、(3)より、
Qt=Qi・Nd
=[ΔP・π・d4/(128・μ・L)]・[(2/√3)・S/(d2)]=A・ΔP・S/[μ・L・(N・R)2] ・・・(4)
ただし 係数A=1.83×10−5
となる。従って、全流量Qtは圧縮時のフォーム材の実装セル密度M=N・R(個/inch)の2乗に反比例していることがわかる。
【0118】
式(4)により、図10に示す円柱状の流路を想定した理論値である全流量Qtを求めた結果を、表2に示す。
【0119】
【表2】
【0120】
実際のフォーム内では球形状又は多面体上のセルが数珠状に連通しており、図12に示すように、連珠状の流路により実効の直径は上記理論値よりも小さな値となり、セル径を用いて求めた流量Qtの実際の流量Qに対する平均倍率を求め、これを補正係数kとする。表2の場合、補正係数kは13.75である。
【0121】
ここで、図13に示すように、直径をdm、その中心位置をX=0とした球状流路を積分して求めた正規化流路抵抗をRd、円柱状流路の正規化流路抵抗をRmとした抵抗比Rd/Rmを、図14に示す。同図に示すように、Xが0近傍の場合ではrd/Rm≒1であるが、Xがdm/2に近づくに伴ってRd/Rmが上昇することがわかる。この検討より、補正係数K=13.75を考察すると、正規化セル径を1としたとき、X=0.488の位置でRd/Rm=13.75となる。これは流路が正規化直径0.21で隣接セルと連通しているモデル化できることを意味し、この検討からも実測値より決定した補正係数Kの値が適切であると言える。
【0122】
これより、算出流量Qcを、
Qc=Qt/k ・・・(5)
或いは、
Qc=(A/k)・ΔP・S・/[μ・L・(N・R)2] ・・・(4’)
ただし 係数(A/k)=1.33×10−6
として求める。
【0123】
ここで、表2より、各データにおいて、Q/Qcは略1であるので、補正係数kを用いることにより、精度よく流量Qを求めることができることがわかる。
【0124】
また逆に、式(4)、(5)より、
ΔP=(k/A)・[μ・L・(N・R)2/S]・Q ・・・(6)
ただし 係数(k/A)=7.52×105
管路の圧力差ΔPを実際の流量Qより求めた結果を、表3に示す。
【0125】
【表3】
【0126】
理論値圧の実際の圧力差であるインク上限時安定負圧Phに対する平均倍率を求めて補正係数とする。これにより算出された算出圧力差Pcとインク上限時安定負圧Phとの比をPc/Phとすると略1である。
【0127】
また、表2と表3とをグラフとして示した図15に示す。同図に示すように、理論値からの算出値による安定負圧が、実際に測定した安定負圧とよく一致していることがわかり、インク上限時安定負圧Phはインクの粘度に基づく圧力損失に起因するものであり、補正係数を用いて精度よくインク上限時安定負圧Phを求めることができることがわかる。
【0128】
次に、インクカートリッジ20内のインクが下限までしか充填されていない時、すなわちインクカートリッジ20内のインクが無くなる直前の状態は、フォーム材の下端のセルを毛管とみなすことができる。
【0129】
したがって、図16及び図17に示すように、毛管内の液面(メニスカス)の臨界圧力Pt(Pa)は、式(7)によって定義される。
【0130】
Pt=2・T・cosθ/(d/2) ・・・(7)
ここで、Tは管内の液(本発明におけるインク)の表面張力(N/m)、θは管との接触点の角である接触角、dは毛管の直径(m)である。なお、インク吸収体22はインクに対して濡れ性の良いものが選ばれるので、θは略0とみなすことができるので、式(7)は、
Pt≒4・T/d ・・・(8)
となる。
【0131】
したがって、式(2)及び式(8)より、
Pt=(4/0.0245)・T・(N・R) ・・・(9)
となる。
【0132】
式(9)より、毛管内液面の臨界圧力Ptを求めた結果を、表4に示す。
【0133】
【表4】
【0134】
式(9)より求めた理論値臨界圧力Pxの実際の圧力であるインク下限時安定負圧PLに対する比Px/PLは、略1であるので、インク下限時安定負圧PLはインクの表面張力に基づく毛管の臨界圧力に起因しているという理論の正しさを示すとともに、精度よくインク下限時安定負圧PLを求めることができることがわかる。
【0135】
インクカートリッジ20の着脱時にインクが不用意に漏れるといった問題が生じることを防ぐ必須条件としてはインク水頭圧力に対してフォーム材の保持力である臨界圧力が大きいことが要求される。
【0136】
したがって、インク供給口24に対するインクの水頭高さh(m)は、インクカートリッジ20において、インクの比重をγとすると、水頭圧力は9.8×103・γ・h(Pa)であり、式(9)における臨界圧力Pt(Pa)が以下の条件式を満たすことが必須となる。
【0137】
T・N・R・B≧γ・h ・・・(10)
ただし、係数B=0.0161
また、インクカートリッジ20内に収納された状態でのフォーム材のセル密度、つまり実装セル密度M=N・R(個/inch)は、例えばセル密度N=40個/inchを圧縮率R=5で圧縮加工して得られたインク吸収体22をインクカートリッジ20に収納することによりさらに10%の圧縮を受けるとき、
M=40×5.5×1.1=242個/inch
であり、(9)式の必須条件は、実装セル密度M(個/inch)を代入すると、
T・M・B≧γ・h ・・・(11)
ただし、係数B=0.0161
となる。なお、実装セル密度Mは、実測値を用いても良い。
【0138】
インク供給口24に対するインクの水頭高さhは、通常の姿勢においてはフォーム材或いはインクカートリッジ20内壁の高さとすれば良い。
【0139】
ハンドリングに配慮する必要がある場合は、インクカートリッジ20を傾けた姿勢も含めて、とり得る供給口に対する鉛直方向の最大高さの水頭高さとする。
【0140】
セル径の分布等を考慮すると安全率を2倍程度以上とすることが望ましく、
よって
T・N・R・B≧2・γ・h ・・・(12)
又は
T・M・B≧2・γ・h ・・・(13)
ただし、係数B=0.0161
とすることが望ましい。
【0141】
インクカートリッジの高さはインクレベルの変動への配慮により概ね40mm以下が広く実用化されており、安全率を2とすると、具体的な臨界圧力として約0.8kPa(0.08mH2O)を満足することが望ましく
T・N・R・B≧0.08 ・・・(14)
又は
T・M・B≧0.08 ・・・(15)
ただし、係数B=0.0161
とすることにより、0.8kPa以上に保つことができ、インクカートリッジ20の着脱時にインクが不用意に漏れるといった問題が生じることを防ぐことができる。
【0142】
ここで、表2と表3とをグラフとして示した前記図15に示すように、理論値及び算出値による安定負圧が、実際に測定した安定負圧とよく一致していることがわかる。また、実装セル密度M(≒N・R)の各設定時における負圧を、表4及び図1に示す。
【0143】
次に、インクノズルのインク滴出によるオリフィスのインク後退による臨界圧Pnを求める。
【0144】
インク吐出周波数8000pps、ノズル数64本と設定ときのインク流量QがQ=8.17nm3/s(0.49cc/min)であったとき、インクの1滴は、
0.00817/8000/64=1.6×10−8(cc)
となる。
【0145】
オリフィスの形状として、図8に示すように、円管のノズルの径を20μm、長さを20μmとし、ノズル端部から頂角90度、頂部円径20μmの円錐台形がそこから延出していると仮定する。
【0146】
この場合、インクが1滴吐出したときの、オリフィス内のインクの後退による液面位置における円錐部の直径Hを、表5に示している。なお、表5において、円錐部の直径H=20μmとは、エキシマレーザ加工等により、ノズル先端のストレート部が充分に長い場合を表している。また、インク1滴として、1.6×10−8(cc)と1.8×10−8(cc)との場合を示し、各場合に対して、ノズル先端でのメニスカスの過渡振動を考慮しない場合と、図18(a)〜(h)に示すように、ノズル先端でのメニスカスの過渡振動等により吐出量に対して2倍の後退量として考慮した場合を示している。
【0147】
式(8)に円錐部の直径H(m)を代入してノズルの臨界圧力Pnは
Pn≒4・T/H ・・・・(8’)
となる。
【0148】
インクの供給不足を起こさない必須条件はabs(Pn)>abs(Ph)であり、ノズル直径をD(m)とすると式(6)、(8’)より
(k/A)・[μ・L・(N・R)2/S]・Q≦4・T/D ・・・(16)
式(16)を整理して
C・[μ・L・Q・(N・R)2/S]≦T/D ・・・(17)
ただし 係数C=(k/A)/4=1.88×105
を得る。
【0149】
また、実装セル密度M(個/inch)を式(17)適合すると必須条件は、
C・[μ・L・Q・M2/S]≦T/D ・・・(18)
ただし 係数C=(k/A)/4=1.88×105
となる。
【0150】
式(8’)を用いて算出した各場合の臨界圧Pn(kPa)を、表5に示している。
【0151】
この表5により、インクを連続吐出するときに、供給系の負圧は安全率、すなわち、過渡振動及び流量の誤差を考慮すると、1.88kPa、すなわち、約2.0kPa以下であれば、インク吐出後にノズル先端のメニスカスが後退した状態でメニスカスにより生じるインクを吸引する臨海圧力Pnがインク供給系の負圧より大きくすることにより連続吐出においても必要量が安定供給されることが可能となる。
【0152】
したがって、供給系に発生する負圧にて、インクが供給不足になり、ノズル先端よりインク液面が後退しすぎて空気を吸入してしまうという問題は、供給系の負圧は約2.0kPa以下であれば、発生を防止することができ、インクを連続吐出するときにも、インクの安定供給が可能になる。
【0153】
上記検討結果を整理するとフォーム材のセル密度N及び圧縮率Rに要求される条件としては式(9)、(17)より
[T・S/(C・D・μ・L・Q)]0.5≧(N・R)≧γ・h/(T・B) ・・・(19)
ただし、係数C=1.88×105、係数B=0.0161
また、実装状態の実装セル密度M=N・R(個/inch)としては式(10)、(18)より
[T・S/(C・D・μ・L・Q)]0.5≧M≧γ・h/(T・B)・・・(20)
ただし、係数C=1.88×105、係数B=0.0161
となり、式(19)、又は式(20)を満足することによりカートリッジ着脱時のインクの洩れを防止し、かつ、連続吐出時にインクを安定供給することが可能となる。
【0154】
【表5】
【0155】
また、供給系の負圧を2.0kPa以下に抑えるには(6)式より、
(k/A)・[μ・L・Q・(N・R)2/S]≦2000 ・・・(21)
ただし 係数(k/A)/4=7.52×105
を得る。
【0156】
また、実装セル密度M(個/inch)を式(21)適合すると、
(k/A)・[μ・L・Q・M2/S]≦2000 ・・・(22)
ただし 係数(k/A)=7.52×105
となり、式(21)、又は式(22)を満足することにより吐出時にインクを安定供給することが可能となる。
【0157】
なお、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変更が可能である。例えば、上記実施の形態では、インクの粘度μ=0.07(Pa・s)(=7cp)、インクの表面張力T=0.03(N/m)(=30dyn/cm)、及びフォーム材のセル密度N=40(個/inch)=1.57(個/mm)として、解析を行った。
【0158】
しかしながら、特にこれに限定するものではなく、との条件とすることが可能である。すなわち、インクジェットのインクは、
・粘度μ=0.015〜0.15(Pa・s)
・インクの表面張力T=0.03〜0.05(N/m)
・フォーム材のセル密度N=40〜100(個/inch)
が一般的である。
【0159】
そこで、例えば、異なる条件として、以下の条件を採用して検討を行った。
【0160】
・粘度μ=0.015(Pa・s)
・インクの表面張力T=0.04(N/m)
・フォーム材のセル密度N=80(個/inch)
その結果、前記表3及び表4に代わる表6及び表7を得た。
【0161】
【表6】
【0162】
【表7】
【0163】
そして、この結果においても、前述した各式(1)〜(22)を満たすことが、判明した。
【0164】
【発明の効果】
本発明のインクカートリッジは、以上のように、インク収納部に収納する前のインク吸収体のセル密度N(個/inch)と、インク収納部に圧縮されて収納されたときのインク収納部に収納される前に対する体積比である圧縮率Rとが、下記式、
200≦N・R≦320
を満たすものである。
【0165】
それゆえ、N・Rが200以上であれば、水頭で86mm(0.86kPa)以上の保持力が得られる。よって、インクカートリッジの着脱時にインクが不用意に漏れるといった問題の発生を防ぐことができる。
【0166】
また、N・Rが320以下であれば、供給系の負圧は1.5kPa以下となり、インクを連続吐出するときにも、マージンを持ってインクの安定供給が可能になり、かつ、インクカートリッジの体積を効率よく活用することができる。
【0167】
さらに、従来は、N・Rを200以下としてのみ、インク吸収体が用いられていたが、200以上でも320以下であればよいので、インク吸収体を用いる選択の幅を広げることができる。
【0168】
この結果、200≦N・R≦320を満たすことにより、インク吸収体設計指針の選択の幅を広げることができるインクカートリッジを提供することができるという効果を奏する。
【0169】
また、連続排出時にインク供給不足が発生したり、インクカートリッジ着脱時にインク漏れを起こしたりする不具合の発生を防止し得るように、インクの特性に応じたインク吸収体の設計指針を有するインクカートリッジを提供することができるという効果を奏する。
【0170】
また、本発明のインクカートリッジは、以上のように、インク吸収体に吸収されるインクの表面張力T(N/m)と、インク収納部に収納する前のインク吸収体のセル密度N(個/inch)と、インク収納部に圧縮されて収納された時のインク収納部に収納される前に対する体積比である圧縮率Rとが、下記式、
T・N・R・B≧0.08
ただし、係数B=0.0161
を満たすものである。
【0171】
それゆえ、T・N・R・Bが0.08以上であれば、0.8kPa以上の保持力が得られる。よって、インクカートリッジの着脱時にインクが不用意に漏れるといった問題が発生することを防ぐことができる。また、インク吸収体に吸収されるインクの表面張力Tの違いも考慮に入れることができるので、より確実に上記の問題が発生することを防ぐことができるという効果を奏する。
【0172】
また、本発明のインクカートリッジは、以上のように、インク吸収体に吸収されるインクの表面張力T(N/m)と、インク収納部に収納する前のインク吸収体のセル密度N(個/inch)と、インク収納部に圧縮されて収納された時のインク収納部に収納される前に対する体積比である圧縮率R、任意の姿勢でとり得るインク供給口に対する鉛直方向の最大高さの水頭高さh(m)と、インクの比重γとが、下記式、
T・N・R・B≧γ・h
ただし、係数B=0.0161
を満たすものである。
【0173】
それゆえ、T・N・R・Bがγ・h以上であれば、任意の姿勢で生じる最大水頭圧力以上の保持力が得られる。よって、インクカートリッジの着脱時にインクが不用意に漏れるといった問題が発生することを防ぐことができる。また、インク吸収体に吸収されるインクの表面張力Tの違いも考慮に入れることができるので、より確実に上記の問題が発生することを防ぐことができるという効果を奏する。
【0174】
また、本発明のインクカートリッジは、以上のように、インク吸収体に吸収されるインクの表面張力T(N/m)及び粘度μ(Pa・s)と、インク収納部に収納する前のインク吸収体のセル密度N(個/inch)と、インク収納部に圧縮されて収納された時のインク収納部に収納される前に対する体積比である圧縮率Rと、インク収納部に圧縮されて収納されたインク吸収体の断面積S(m2)及び高さL(m)と、インク収納部からインクが吐出されるノズルの直径D(m)と、ノズルから吐出されるインクの最大インク吐出量Q(m3/s)とが、下記式、
C・ [μ・L・Q・(N・R)2/S]≦T/D
ただし、係数C=1.88×105
を満たすものである。
【0175】
それゆえ、上式を満たしていれば、ノズル先端でのメニスカスにより生じるインク吸引圧力に対して供給系の負圧を小さくでき、インクを連続吐出するときにも、インクの安定供給が可能になるという効果を奏する。
【0176】
また、本発明のインクカートリッジは、以上のように、インク吸収体に吸収されるインクの表面張力T(N/m)及び粘度μ(Pa・s)と、インク収納部に収納する前のインク吸収体のセル密度N(個/inch)と、インク収納部に圧縮されて収納された時のインク収納部に収納される前に対する体積比である圧縮率Rと、インク収納部に圧縮されて収納されたインク吸収体の断面積S(m2)及び高さL(m)と、インク収納部からインクが吐出されるノズルの直径D(m)と、ノズルから吐出されるインクの最大インク吐出量Q(m3/s)とが、下記式、
(K/A)・Q・(N・R)2・(μ・L)/S≦2000
ただし、係数(K/A)=7.52×105
を満たすものである。
【0177】
それゆえ、上式を満たしていれば、供給系の負圧は2kPa以下となり、インクを連続吐出するときにも、インクの安定供給が可能になるという効果を奏する。
【0178】
また、本発明のインクカートリッジは、以上のように、インクを保持する多孔質体からなるインク吸収体が収納されたインク収納部を備えたインクカートリッジにおいて、上記インク収納部に圧縮されて収納された状態でのインク吸収体の実装セル密度M(個/inch)が、下記式、
200≦M≦320
を満たすものである。
【0179】
それゆえ、セル密度M(個/inch)が200以上であれば、水頭で86mm(0.86kPa)以上の保持力が得られる。よって、インクカートリッジの着脱時にインクが不用意に漏れるといった問題の発生を防ぐことができる。
【0180】
また、セル密度M(個/inch)が320以下であれば、供給系の負圧は2kPa以下となり、インクを連続吐出するときにも、インクの安定供給が可能になるという効果を奏する。
【0181】
さらに、従来は、N・Rを200以下としてのみ、インク吸収体が用いられていたが、セル密度M(個/inch)=N・Rが200以上でも320以下であればよいので、インク吸収体を用いる選択の幅を広げることができるという効果を奏する。
【0182】
また、本発明のインクカートリッジは、以上のように、インクを保持する多孔質体からなるインク吸収体が収納されたインク収納部を備えたインクカートリッジにおいて、上記インク吸収体に吸収されるインクの表面張力T(N/m)と、インク収納部に圧縮されて収納された状態でのインク吸収体の実装セル密度M(個/inch)とが、下記式、
T・M・B≧0.08
ただし、係数B=0.0161
を満たすものである。
【0183】
それゆえ、T・M・Bが0.8以上であれば、0.8kPa以上の保持力が得られる。よって、インクカートリッジの着脱時にインクが不用意に漏れるといった問題が発生することを防ぐことができる。また、インク吸収体に吸収されるインクの表面張力Tの違いも考慮に入れることができるので、より確実に上記の問題が発生することを防ぐことができるという効果を奏する。
【0184】
また、本発明のインクカートリッジは、以上のように、インク吸収体に吸収されるインクの表面張力T(N/m)と、インク収納部に収納する前のインク吸収体のセル密度N(個/inch)と、インク収納部に圧縮されて収納された時のインク収納部に収納される前に対する体積比である圧縮率Rと、任意の姿勢でとり得るインク供給口に対する鉛直方向の最大高さの水頭高さh(m)と、インクの比重γとが、下記式、
T・N・R・B≧γ・h
ただし、係数B=0.0161
を満たすものである。
【0185】
それゆえ、T・M・T・Bがγ・h以上であれば、任意の姿勢で生じる最大水頭圧力以上の保持力が得られる。よって、インクカートリッジの着脱時にインクが不用意に漏れるといった問題が発生することを防ぐことができる。
【0186】
また、インク吸収体に吸収されるインクの表面張力Tの違いも考慮に入れることができるので、より確実に上記の問題が発生することを防ぐことができるという効果を奏する。
【0187】
また、本発明のインクカートリッジは、以上のように、インク吸収体に吸収されるインクの表面張力T(N/m)及び粘度μ(Pa・s)と、インク収納部に圧縮されて収納された状態でのインク吸収体の実装セル密度M(個/inch)と、インク収納部に圧縮されて収納されたインク吸収体の断面積S(m2)及び高さL(m)と、インク収納部からインクが吐出されるノズルの直径D(m)と、ノズルから吐出されるインクの最大インク吐出量Q(m3/s)が、下記式、
Q・M2・(μ・L)・C/S≦T/D
ただし、係数C=1.88×105
を満たすものである。
【0188】
それゆえ、上式を満たしていれば、ノズル先端でのメニスカスにより生じるインク吸引圧力に対して供給系の負圧を小さくでき、インクを連続吐出するときにも、インクの安定供給が可能になるという効果を奏する。
【0189】
また、本発明のインクカートリッジは、以上のように、インク吸収体に吸収されるインクの粘度μ(Pa・s)と、インク収納部に圧縮されて収納された状態でのインク吸収体の実装セル密度M(個/inch)と、インク収納部に圧縮されて収納されたインク吸収体の断面積S(m2)及び高さL(m)と、インク収納部からインクが吐出されるノズルの直径D(m)と、ノズルから吐出されるインクの最大インク吐出量Q(m3/s)とが、下記式、
(K/A)・Q・M2・(μ・L)/S≦2000
ただし、係数(K/A)=7.52×105
を満たすものである。
【0190】
それゆえ、上式を満たしていれば、供給系の負圧は2kPa以下となり、インクを連続吐出するときにも、インクの安定供給が可能になるという効果を奏する。
【0191】
また、本発明のインクカートリッジは、以上のように、インク吸収体に吸収されるインクの表面張力T(N/m)及び粘度μ(Pa・s)と、インク収納部に収納する前のインク吸収体のセル密度N(個/inch)と、インク収納部に圧縮されて収納された時のインク収納部に収納される前に対する体積比である圧縮率Rと、インク収納部に圧縮されて収納されたインク吸収体の断面積S(m2)及び高さL(m)と、インク収納部からインクが吐出されるノズルの直径D(m)と、ノズルから吐出されるインクの最大インク吐出量Q(m3/s)と、任意の姿勢でとり得るインク供給口に対する鉛直方向の最大高さの水頭高さh(m)と、インクの比重γとが、下記式、
[T・S/(C・D・μ・L・Q)]0.5 ≧(N・R)≧γ・h /(T・B)
ただし、係数C=1.88×105、係数B=0.0161
を満たすものである。
【0192】
それゆえ、T・N・R・Bがγ・h以上であれば、インク吸収体に吸収されるインクの表面張力Tの違いも考慮して任意の姿勢で生じる最大水頭圧力以上の保持力が得られる。よって、インクカートリッジの着脱時にインクが不用意に漏れるといった問題が発生することをより確実に防ぐことができ、かつ、インクを連続吐出するときに、供給系の負圧はノズル先端でのメニスカスにより生じるインク吸引圧力以下にでき、供給系に発生する負圧にて、インクが供給不足になり、ノズル先端よりインク液面が後退しすぎて空気を吸入してしまいインク吐出動作不良となることを防止できるという効果を奏する。
【0193】
また、本発明のインクカートリッジは、以上のように、インク吸収体に吸収されるインクの表面張力T(N/m)及び粘度μ(Pa・s)と、インク収納部に圧縮されて収納された状態でのインク吸収体の実装セル密度M(個/inch)と、インク収納部に収納する前のインク吸収体のセル密度N(個/inch)と、インク収納部に圧縮されて収納された時のインク収納部に収納される前に対する体積比である圧縮率Rと、インク収納部に圧縮されて収納されたインク吸収体の断面積S(m2)及び高さL(m)と、インク収納部からインクが吐出されるノズルの直径D(m)と、ノズルから吐出されるインクの最大インク吐出量Q(m3/s)と、任意の姿勢でとり得るインク供給口に対する鉛直方向の最大高さの水頭高さh(m)と、インクの比重γとが、下記式、
[T・S/(C・D・μ・L・Q)]0.5 ≧ M ≧γ・h /(T・B)
ただし、係数C=1.88×105、係数B=0.0161を満たすものである。
【0194】
それゆえ、T・N・R・Bがγ・h以上であれば、インク吸収体に吸収されるインクの表面張力Tの違いも考慮して任意の姿勢で生じる最大水頭圧力以上の保持力が得られる。よって、インクカートリッジの着脱時にインクが不用意に漏れるといった問題が発生することをより確実に防ぐことができ、かつ、インクを連続吐出するときに、供給系の負圧はノズル先端でのメニスカスにより生じるインク吸引圧力以下にでき、供給系に発生する負圧にて、インクが供給不足になり、ノズル先端よりインク液面が後退しすぎて空気を吸入してしまいインク吐出動作不良となることを防止できるという効果を奏する。
【0195】
また、本発明の画像形成装置は、以上のように、上記いずれかに記載のインクカートリッジを備えたものである。
【0196】
それゆえ、インク吸収体設計指針の選択の幅を広げることができる画像形成装置を提供することができる。また、連続排出時にインク供給不足が発生したり、インクカートリッジ着脱時にインク漏れを起こしたりする不具合の発生を防止し得るように、インクの特性に応じたインク吸収体の設計指針を有する画像形成装置を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるインクジェット記録装置の実施の一形態を示すものであり、実装セル密度M=N・R(個/inch)と効率との関係を示すグラフである。
【図2】上記インクジェット記録装置の全体構成を一部切り欠いて示す斜視図である。
【図3】上記インクジェット記録装置のインク供給装置を示す概略構成図である。
【図4】(a)はインクカートリッジの構成を示す断面図であり、(b)はインクカートリッジからインク供給経路を抜いた状態を示す断面図であり、(c)は検出電極の構成を示す断面図である。
【図5】上記インク供給装置のフィルタの構成を示す正面図である。
【図6】上記インクカートリッジにインクを満たした状態からインクを継続して吐出したときの時間とインクカートリッジの負圧との関係を示すグラフである。
【図7】図6を模式的に示すグラフである。
【図8】供給口の端部の構成を拡大して示す断面図である。
【図9】セル密度N(個/inch)と効率との関係を示すグラフである。
【図10】インクカートリッジのフォーム材の各セルを円形管路とみなしたとき、円形管路を流れる流量と管路の圧力差とを示す模式図である。
【図11】最密充填されているセルを示す構成図である。
【図12】インクカートリッジにおける実際のフォーム材内では、球形状又は多面体上のセルが数珠状に連通している状態を示す断面図である。
【図13】実際のフォーム材内ではセルは連珠状の流路となっているとしたときの、実効直径の求め方を示す説明図である。
【図14】セルの直径をdm、その中心位置をX=0とした球状流路を積分して求めた正規化流路抵抗をRd、円柱状流路の正規化流路抵抗をRmとしたときの、Xと抵抗比Rd/Rm及びセル直径dとの関係を示すグラフである。
【図15】圧縮率Rと負圧との関係を示すグラフである。
【図16】インクカートリッジ内のインクが無くなる直前の状態ではフォーム材の下端のセルを毛管とみなすことができるとしたときの、毛管内の液面(メニスカス)の臨界圧力を示す模式図である。
【図17】毛管内の液面(メニスカス)の臨界圧力を示す模式図である。
【図18】(a)〜(h)はインクがノズルから吐出する状態を順に示す断面図である。
【符号の説明】
1 印字ヘッド
2 キャリッジ
3 インク供給経路
10 インク供給装置
20 インクカートリッジ
21 インクタンク(インク収納部)
22 インク吸収体
23 フィルタ
24 インク供給口
25 検出電極
D ノズルの直径
L インク吸収体の高さ
M インク収納部に圧縮されて収納された状態でのインク吸収体の実装セル密度
N インク収納部に収納する前のインク吸収体のセル密度
Q ノズルから吐出されるインクの最大インク吐出量
R 圧縮率
S インク吸収体の断面積
T インクの表面張力
γ インクの比重
μ インクの粘度
Claims (13)
- インクを保持する多孔質体からなるインク吸収体が収納されたインク収納部を備えたインクカートリッジにおいて、
上記インク収納部に収納する前のインク吸収体のセル密度N(個/inch)と、インク収納部に圧縮されて収納されたときのインク収納部に収納される前に対する体積比である圧縮率Rとが、下記式、
200≦N・R≦320
を満たすことを特徴とするインクカートリッジ。 - インクを保持する多孔質体からなるインク吸収体が収納されたインク収納部を備えたインクカートリッジにおいて、
上記インク吸収体に吸収されるインクの表面張力T(N/m)と、インク収納部に収納する前のインク吸収体のセル密度N(個/inch)と、インク収納部に圧縮されて収納された時のインク収納部に収納される前に対する体積比である圧縮率Rとが、下記式、
T・N・R・B≧0.08
ただし、係数B=0.0161
を満たすことを特徴とするインクカートリッジ。 - インクを保持する多孔質体からなるインク吸収体が収納されたインク収納部を備えたインクカートリッジにおいて、
上記インク吸収体に吸収されるインクの表面張力T(N/m)と、インク収納部に収納する前のインク吸収体のセル密度N(個/inch)と、インク収納部に圧縮されて収納された時のインク収納部に収納される前に対する体積比である圧縮率Rと、任意の姿勢でとり得るインク供給口に対する鉛直方向の最大高さの水頭高さh(m)と、インクの比重γとが、下記式、
T・N・R・B≧γ・h
ただし、係数B=0.0161
を満たすことを特徴とするインクカートリッジ。 - インクを保持する多孔質体からなるインク吸収体が収納されたインク収納部を備えたインクカートリッジにおいて、
上記インク吸収体に吸収されるインクの表面張力T(N/m)及び粘度μ(Pa・s)と、インク収納部に収納する前のインク吸収体のセル密度N(個/inch)と、インク収納部に圧縮されて収納された時のインク収納部に収納される前に対する体積比である圧縮率Rと、インク収納部に圧縮されて収納されたインク吸収体の断面積S(m2)及び高さL(m)と、インク収納部からインクが吐出されるノズルの直径D(m)と、ノズルから吐出されるインクの最大インク吐出量Q(m3/s)とが、下記式、
C・ [μ・L・Q・(N・R)2/S]≦T/D
ただし、係数C=1.88×105
を満たすことを特徴とするインクカートリッジ。 - インクを保持する多孔質体からなるインク吸収体が収納されたインク収納部を備えたインクカートリッジにおいて、
上記インク吸収体に吸収されるインクの粘度μ(Pa・s)と、インク収納部に収納する前のインク吸収体のセル密度N(個/inch)と、インク収納部に圧縮されて収納された時のインク収納部に収納される前に対する体積比である圧縮率Rと、インク収納部に圧縮されて収納されたインク吸収体の断面積S(m2)及び高さL(m)と、インク収納部からインクが吐出されるノズルの直径D(m)と、ノズルから吐出されるインクの最大インク吐出量Q(m3/s)とが、下記式、
(K/A)・Q・(N・R)2・(μ・L)/S≦2000
ただし、係数(K/A)=7.52×105
を満たすことを特徴とするインクカートリッジ。 - インクを保持する多孔質体からなるインク吸収体が収納されたインク収納部を備えたインクカートリッジにおいて、
上記インク収納部に圧縮されて収納された状態でのインク吸収体の実装セル密度M(個/inch)が、下記式、
200≦M≦320
を満たすことを特徴とするインクカートリッジ。 - インクを保持する多孔質体からなるインク吸収体が収納されたインク収納部を備えたインクカートリッジにおいて、
上記インク吸収体に吸収されるインクの表面張力T(N/m)と、インク収納部に圧縮されて収納された状態でのインク吸収体の実装セル密度M(個/inch)とが、下記式、
T・M・B≧0.08
ただし、係数B=0.0161
を満たすことを特徴とするインクカートリッジ。 - インクを保持する多孔質体からなるインク吸収体が収納されたインク収納部を備えたインクカートリッジにおいて、
インク吸収体に吸収されるインクの表面張力T(N/m)と、インク収納部に収納する前のインク吸収体のセル密度N(個/inch)と、インク収納部に圧縮されて収納された時のインク収納部に収納される前に対する体積比である圧縮率Rと、任意の姿勢でとり得るインク供給口に対する鉛直方向の最大高さの水頭高さh(m)と、インクの比重γとが、下記式、
T・N・R・B≧γ・h
ただし、係数B=0.0161
を満たすことを特徴とするインクカートリッジ。 - インクを保持する多孔質体からなるインク吸収体が収納されたインク収納部を備えたインクカートリッジにおいて、
上記インク吸収体に吸収されるインクの表面張力T(N/m)及び粘度μ(Pa・s)と、インク収納部に圧縮されて収納された状態でのインク吸収体の実装セル密度M(個/inch)と、インク収納部に圧縮されて収納されたインク吸収体の断面積S(m2)及び高さL(m)と、インク収納部からインクが吐出されるノズルの直径D(m)と、ノズルから吐出されるインクの最大インク吐出量Q(m3/s)が、下記式、
Q・M2・(μ・L)・C/S≦T/D
ただし、係数C=1.88×105
を満たすことを特徴とするインクカートリッジ。 - インクを保持する多孔質体からなるインク吸収体が収納されたインク収納部を備えたインクカートリッジにおいて、
インク吸収体に吸収されるインクの粘度μ(Pa・s)と、インク収納部に圧縮されて収納された状態でのインク吸収体の実装セル密度M(個/inch)と、インク収納部に圧縮されて収納されたインク吸収体の断面積S(m2)及び高さL(m)と、インク収納部からインクが吐出されるノズルの直径D(m)と、ノズルから吐出されるインクの最大インク吐出量Q(m3/s)とが、下記式、
(K/A)・Q・M2・(μ・L)/S≦2000
ただし、係数(K/A)=7.52×105
を満たすことを特徴とするインクカートリッジ。 - インクを保持する多孔質体からなるインク吸収体が収納されたインク収納部を備えたインクカートリッジにおいて、
インク吸収体に吸収されるインクの表面張力T(N/m)及び粘度μ(Pa・s)と、インク収納部に収納する前のインク吸収体のセル密度N(個/inch)と、インク収納部に圧縮されて収納された時のインク収納部に収納される前に対する体積比である圧縮率Rと、インク収納部に圧縮されて収納されたインク吸収体の断面積S(m2)及び高さL(m)と、インク収納部からインクが吐出されるノズルの直径D(m)と、ノズルから吐出されるインクの最大インク吐出量Q(m3/s)と、任意の姿勢でとり得るインク供給口に対する鉛直方向の最大高さの水頭高さh(m)と、インクの比重γとが、下記式、
[T・S/(C・D・μ・L・Q)]0.5≧(N・R)≧γ・h/(T・B)
ただし、係数C=1.88×105、係数B=0.0161
を満たすことを特徴とするインクカートリッジ。 - インクを保持する多孔質体からなるインク吸収体が収納されたインク収納部を備えたインクカートリッジにおいて、
上記インク吸収体に吸収されるインクの表面張力T(N/m)及び粘度μ(Pa・s)と、インク収納部に収納する前のインク吸収体のセル密度N(個/inch)と、インク収納部に圧縮されて収納された時のインク収納部に収納される前に対する体積比である圧縮率Rと、インク収納部に圧縮されて収納された状態でのインク吸収体の実装セル密度M(個/inch)と、インク収納部に圧縮されて収納されたインク吸収体の断面積S(m2)及び高さL(m)と、インク収納部からインクが吐出されるノズルの直径D(m)と、ノズルから吐出されるインクの最大インク吐出量Q(m3/s)と、任意の姿勢でとり得るインク供給口に対する鉛直方向の最大高さの水頭高さh(m)と、インクの比重γとが、下記式、
[T・S/(C・D・μ・L・Q)]0.5 ≧M≧γ・h/(T・B)
ただし、係数C=1.88×105、係数B=0.0161
を満たすことを特徴とするインクカートリッジ。 - 請求項1から12のいずれか1項に記載のインクカートリッジを備えたことを特徴とする画像形成装置。
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