JP3160312B2 - インクジェットカートリッジ及び該カートリッジを用いた記録装置 - Google Patents

インクジェットカートリッジ及び該カートリッジを用いた記録装置

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JP3160312B2
JP3160312B2 JP15922591A JP15922591A JP3160312B2 JP 3160312 B2 JP3160312 B2 JP 3160312B2 JP 15922591 A JP15922591 A JP 15922591A JP 15922591 A JP15922591 A JP 15922591A JP 3160312 B2 JP3160312 B2 JP 3160312B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、吐出エネルギー発生手
段へ供給するためのインクを保持するインク吸収体が収
納されたインク収納部を有するインクジェットカートリ
ッジ、および該カートリッジを用いた記録装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、記録液滴を形成するエネルギー発
生部とそこへインクを供給するインクタンクが一体とな
った構成のインクジェットヘッド(インクジェットカー
トリッジ)が実用化されている。この種のインクジェッ
トヘッドのインクタンク内には、圧縮収納された多孔質
体にインクが含浸されている構成が一般的である。この
多孔質体に保持されたインクはインク供給口から吐出部
へ共通液室を介して吐出部のインク消費に応じたノズル
の毛管力によりインクタンク内から導出される。
【0003】このようなインクジェットカートリッジに
用いられるインク溜めとして、従来、典型的なポリエー
テル型ポリウレタンフォーム(インク吸収体)が用いら
れることが知られている。特開昭55−42874号
( USP 4,306,245 )には、インクジェット記録装置に用
いられるインク吸収体の具体的な使用範囲を開示してい
るが、実用上の課題については議論されてはいない。ま
た、特開平1−522(USP 4,790,409 ),特開平1−
26452号,及び特開平1−26453号 ( USP 4,8
24,887 )には、市販されているフォームをフォーム収納
部に収納できる大きさに加工すると共に、インク吐出口
の目詰りの原因となるフォーム中の不揮発性不純物の洗
浄について開示しているに過ぎない。
【0004】上述したように、インクを含浸させる多孔
質体から記録ヘッド部へ十分なインク供給を行うため
に、インク吸収体に求められる構造や製造条件について
は充分なる検討はなされて無く、多孔質体をインク収納
部(インクタンク)へ挿入する際の形状やインクの含浸
量等で調整を行ってきた。そのために多孔質体の適正形
態の範囲が狭く、また製造上コストが高くついていた。
【0005】一般にインク保持のための多孔質体(以下
「吸収体」と称する)には上述したように、ポリウレタ
ンフォームがよく用いられている。このポリウレタンフ
ォームはポリオールとイソシアネートの反応に発泡助
剤、触媒、整泡剤、着色剤、添加剤等を加えて発泡、そ
の後加熱して製造されるが、その製造工程における原料
の選定や加熱方法で各種の特性のものが得られる。通常
はこの製造はコスト的に見合うように大量生産により行
われているのであるが、このようにして得たポリウレタ
ンフォームの特性は全てが均一であるとは言いにくいも
のであった。吸収体として利用する際にはこの中から必
要な特性を示す部分を選別していたため、無駄となる部
分が多く、かつ煩雑な試験が必要であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ここで、必要な特性と
は、吐出エネルギー発生手段に十分なインクの供給がな
されることと、吸収体内において貯蔵されたインクが不
必要に外にもれ出したりせずに内部に均一に分布してい
ることが挙げられる。このような特性を保つには、吸収
体に適度なインクの保持力のあることと、内部の空孔の
大きさが均一であることが要求される。これらを達成す
るために大量生産された吸収体の中から選別する必要が
生じている。選別が十分に行われなかった場合、記録時
の吐出不安定が発生したり、またタンク内にインクが多
く残っているにもかかわらず記録できずに交換を余儀な
くさせられるという不良や、さらにはインクが吸収体か
らもれ出しまい、更にはインクタンク外へもれ出すとい
う問題まで発生する。
【0007】更に記録ヘッドとを一体化したインクジェ
ットカートリッジにおいては、インクジェットカートリ
ッジがキャリッジ上を移動する際に生じるインクの液振
りや、キャリッジリターン時に生じる動力加速度が記録
時の吐出性能へ悪影響を及ぼすことがあるという問題が
あった。また、物流時の振動、記録ヘッドの取り扱い上
の振動により、記録品位が乱れるという問題があった。
【0008】本発明は上記したような問題点を除くこと
により、吸収体の適正範囲を広げ、かつ低コストで十分
な機能を達成するための吸収体の設計指針を提供するこ
とを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、吐出エネルギ
ー発生手段と、該吐出エネルギー発生手段へ供給するた
めのインクを保持するインク吸収体が収納されたインク
収納部を有するインクジェットカートリッジであって、
該インク吸収体が圧縮された連続気泡を内部に有する高
分子弾性多孔質体から成り、該多孔質体の圧縮前の見か
け上の体積V1と、圧縮後であって該インク収納部外に
おける該インクを除去し乾燥した状態の該多孔質体の見
かけ上の体積V2 との間の圧縮比r1 (r1 =V1 /V
2 )、及び該多孔質体のV1 の状態における1インチ当
りの空孔の数で示す空孔量p(但し、pは20〜50個
inch -1 )が、100 [inch-1]≦r1・p≦ 200 [inch-1]
を満たすことを特徴とする。
【0010】更に本発明は、吐出エネルギー発生手段
と、該吐出エネルギー発生手段へ供給するためのインク
を保持するインク吸収体が収納されたインク収納部を有
するインクジェットカートリッジであって該インク吸収
体が熱プレスにより圧縮された連続気泡を内部に有する
高分子弾性多孔質体から成り、該多孔質体の熱プレス前
の見かけ上の体積V3 と、熱プレス後であって該インク
収納部外における該インクを除去し乾燥した状態の該多
孔質体の見かけ上の体積V4 との間の圧縮比r2(r2
=V3 /V4 )、及び該多孔質体のV3 の状態における
1インチ当りの空孔の数で示す空孔量p(但し、pは
0〜50個 inch -1 )が、100 [inch-1]≦r2・p≦ 200
[inch-1] を満たすことを特徴とする。
【0011】更に本発明は、吐出エネルギー発生手段
と、該吐出エネルギー発生手段へ供給するためのインク
を保持するインク吸収体が収納されたインク収納部を有
するインクジェットカートリッジであって、該インク吸
収体が連続気泡を内部に有する高分子弾性多孔質体から
成り、該インク収納部外における該インクを除去し乾燥
した状態の該多孔質体の見かけ上の体積V5 と、該イン
ク収納部に収納し該インクを含浸した状態の該多孔質体
の見かけ上の体積V6 との体積比k(k=V5 /V
6 )、及び該多孔質体のV5 の状態における1インチ当
りの空孔の数で示す空孔量p(但し、pは20〜50個
inch -1 )が、100 [inch-1]≦k・p≦ 200 [inch-1]
を満たすことを特徴とする。
【0012】
【実施例】次に、本発明の実施例について図面に基づい
て説明する。図1は、本発明の一実施例のインクジェッ
ト記録装置で使用されるインクジェットカートリッジ1
1の斜視図、図2はインクジェットカートリッジ11の
構成を示す分解図である。以下、図2を中心に説明し、
合わせて参照する図面については括弧内にその図面番号
を記す。
【0013】インクジェットカートリッジ11は、多数
の吐出口30が一体的に形成された記録ヘッドに相当す
るインクジェットヘッド12と、インクジェットヘッド
12を含みこれへの電気配線、インクの配管がまとめら
れたインクジェットユニット13と、インクを収納する
インクタンク14とが一体的に設けられたものである。
本例のインクジェットカートリッジ11は、インクの収
納割合が従来のものより大きくなっており、インクタン
ク14の前面よりもわずかにインクジェットユニット1
3の先端部が突出している。このインクジェットカート
リッジ11は、インクジェット記録装置本体15に載置
されているキャリッジ16の後述する位置決め手段及び
電気的接点によって固定支持されるとともに、キャリッ
ジ16に対して着脱可能なディタッチャブルタイプのも
のである(図5参照)。
【0014】まず、インクジェットヘッド12の構成に
ついて説明する。図3に示すように、インクジェットヘ
ッド12には、列状に設けられた複数個の吐出口30か
ら記録液(インク)を吐出させるために、印加電圧が供
給されて熱エネルギーを発生させる電気熱変換体40が
各液路毎に配設されている。そして駆動信号を印加する
ことによって、電気熱変換体40に熱エネルギーを発生
せしめて膜沸騰を生じさせインク液路内に気泡を形成す
る。そしてこの気泡の成長によって吐出口30からイン
ク滴を吐出させるようになっている。各電気熱変換体4
0はシリコン基板からなるヒータボード100上に設け
られ、各電気熱変換体40に電力を供給するアルミニウ
ム等の配線(不図示)とともに成膜技術により一体的に
形成されている。複数のインク流路をそれぞれ区分する
ための隔壁や各インク流路へ供給されるインクを一時的
に収納する共通液室1301等を設けた溝付天板130
0と、インクタンク14からのインクを共通液室130
1に導入するためのインク受け口1500と、各インク
流路に対応した吐出口30を複数個有するオリフィスプ
レート400とは一体成型されており、その材料として
ポリスルホンが好ましいが、ポリエーテルスルホン,ポ
リフェニレンオキシド,ポリプロピレンなどの他の成型
用樹脂材料を用いてもよい。
【0015】次に、インクジェットユニット13の構成
について説明する。配線基板200の一端は、インクジ
ェットヘッド12のヒータボード100の配線部分と相
互に接続され、さらに配線基板200の他端部には、本
体装置からの電気信号を受けるための各電気熱変換体4
0(図3)に対応した複数個のパッド201が設けられ
ている。このことにより本体装置からの電気信号は、そ
れぞれの電気熱変換体40に供給されるようになる。
【0016】配線基板200の裏面を平面で支持する金
属製の支持体300は、インクジェットユニット13の
底板となる。押えばね500はM字形状であり、そのM
字の中央で共通液室1301(図3)を軽圧で押圧する
とともに、その前だれ部501で液路の一部、好ましく
は吐出口30近傍の領域を線圧で集中押圧する。ヒータ
ボード100と天板1300とは、押えばね500の足
部が支持体300の穴3121を通って支持体300の
裏面側に係合することによって、挟み込んだ状態で係合
され、押えばね500とその前だれ部501の集中付勢
力によって相互に圧着固定される。支持体300は、イ
ンクタンク14の2つの位置決め用凸起1012および
位置決めかつ熱融着保持用突起1800,1801にそ
れぞれ係合する穴312,1900,2000を有する
ほか、キャリッジ16に対する位置決め用の突起250
0,2600を裏面側に有している。また、支持体30
0には、インクタンク14からのインク供給管2200
(後述)を貫通可能にする穴320が設けられている。
支持体300に対する配線基板200の取付けは、接着
剤等による貼着で行なわれる。
【0017】支持体300の凹部2400,2400
は、それぞれ突起2500,2600の近傍に設けられ
ており、組立てられたインクジェットカートリッジ11
(図1)において、その周囲の3辺が平行溝3000,
3001で形成されたヘッドの先端領域の延長点にあっ
て、ゴミやインク等の不要物が突起2500,2600
に至らないようにしている。この平行溝3000の形成
されている蓋部材800は、図5に示されるように、イ
ンクジェットカートリッジ11の外壁を形成するととも
に、インクタンク14との間にインクジェットユニット
13を収納する空間を形成する。また、平行溝3001
が形成されているインク供給部材600は、前述のイン
ク供給管2000に連続するインク導管1600をイン
ク供給管2200側を固定した片持ちばりとして形成
し、さらにインク導管1600の固定側とインク供給管
2200との間の毛細管現象を確保するための封止ピン
602が挿入されている。なお、インクタンク14とイ
ンク供給管2200との結合シールを行なうパッキン6
01が設けられ、インク供給管2200のインクタンク
14側の端部にはフィルター700が設けられている。
【0018】このインク供給部材600は、モールド成
型で作られるので、安価で位置精度が高く、製造上の精
度低下がなく、さらに片持ちばり構造のインク導管16
00によって大量生産時においてもインク導管1600
のインク受け口1500に対する圧接状態が安定してい
る。本例では、この圧接状態下で、封止用接着剤をイン
ク供給部材600側から流し込むだけで、より完全な連
通状態を確実に得ることができる。なお、インク供給部
材600の支持体300に対する固定は、インク供給部
材600の裏面側の2本のピン(不図示)を支持体30
0の穴1901,1902にそれぞれ貫通突出させ、こ
れを熱融着することにより簡単に行なわれる。この熱融
着された裏面部のわずかな突出領域は、インクタンク1
4のインクジェットユニット13取付側の側面のくぼみ
(不図示)内に収められるので、インクジェットユニッ
ト13の位置決め面は正確に得られる。
【0019】次に、インクタンク14の構成について説
明する。インクタンク14は、カートリッジ本体100
0とインク吸収体900と蓋部材1100とからなり、
インク吸収体900を上記インクジェットユニット13
とは反対側からカートリッジ本体1000に挿入後、蓋
部材1100でこれを封止することによって形成され
る。
【0020】インク吸収体900は、インクを含浸して
保持するためのものであり、カートリッジ本体1000
内に配置される。その詳細については後述する。インク
供給口1200は、インクジェットユニット13にイン
クを供給するためのものであるとともに、インクジェッ
トカートリッジ11の組み立て工程においては、インク
をインク吸収体900に含浸させるための供給口ともな
る。さらに、インクタンク14には、大気を内部に連通
するための大気連通口1401が設けられ、大気連通口
1401からのインクのもれを防ぐため、その内方に撥
液材1400が配置されている。
【0021】本例では、インク吸収体900からのイン
ク供給を良好に行なうために、カートリッジ本体100
0内のリブ2300と蓋部材1100の部分リブ231
0,2320によって形成されたインクタンク14内の
空気存在領域が、大気連通口1401側から連続し、イ
ンク供給口1200から最も遠い角部の領域にわたって
形成されるように構成しているので、インク吸収体90
0への相対的に良好かつ均一なインク供給がこのインク
供給口1200側から行なわれることが重要である。こ
の方法は実用上極めて有効である。このリブ2300
は、インクタンク14のカートリッジ本体1000の後
方面において、キャリッジ16(図6)の移動方向に平
行に4本設けられ、インク吸収体900が後方面に密着
することを防止している。また、部分リブ2310,2
320は、リブ2300のそれぞれに対応してその延長
上にあたる蓋部材1100の内面に設けられているが、
リブ2300とは異なり分割された状態となっていて空
気の存在空間を前者より増加させている。なお、部分リ
ブ2310,2320は蓋部材1100の全面積の半分
以下の面に分散された形となっている。これらのリブに
よって、インク吸収体900のインク供給口1200か
ら最も遠い角部の領域のインクを、より安定させつつも
確実にインク供給口1200側へ毛細管力で導びくこと
ができた。
【0022】前述したインクタンク14のインク収容空
間は長方体形状であり、その長辺を側面にもつ場合であ
るので上述したリブの配置構成は特に有効であるが、キ
ャリッジ16(図6)の移動方向に長辺を持つ場合また
は立方体の場合は、蓋部材1100の全体にリブを設け
るようにすることでインク吸収体900からのインク供
給を安定化できる。限られた空間内にインクを出来るだ
け収納するためには直方体形状が適しているが、この収
納されたインクを無駄なく記録に使用するためには、上
述したように、角部の領域に対して近接する2面領域に
上記作用を行なえるリブを設けることが重要である。さ
らに本実施例におけるインクタンク14の内面リブは、
直方体形状のインク吸収体900の厚み方向に対してほ
ぼ均一な分布で配置されている。この構成は、インク吸
収体900全体のインク消費に対して、大気圧分布を均
一化しつつインク使用量を実質上最大限使用することが
出来る構成である。さらに、このリブの配置上の技術思
想を詳述すれば、直方体の4角形上面においてインクタ
ンク14のインク供給口1200を投影した位置を中心
として、長辺を半径とする円弧を描いたときに、その円
弧よりも外側に位置する吸収体に対して、大気圧状態が
早期に与えられるようにその円弧よりも外側の面に上記
リブを配設することが重要となる。この場合、インクタ
ンクの大気連通口は、このリブ配設領域に大気を導入で
きる位置であれば、本例に限られることではない。
【0023】加えて、本実施例は、インクジェットカー
トリッジ11のインクジェットヘッド12に対する後方
面を平面化して、装置に組み込まれたときの必要スペー
スを最小化するとともに、インクの収容量を最大化する
構成をとっているため、装置の小型化を達成できるだけ
ではなく、カートリッジの交換頻度を減少できる優れた
ものとなっている。そして、インクジェットユニット1
3を一体化するための空間の後方部を利用して、そこに
大気連通口1401用の突出部分を形成し、この突出部
分の内部を空洞化して、ここに前述したインク吸収体9
00厚み全体に対する大気圧供給空間1402を形成し
てある。このように構成することで、従来には見られな
い優れたインクジェットカートリッジを提供できた。な
お、この大気圧供給空間1402は、従来のものよりも
はるかに大きい空間であり、上記大気連通口1401が
上方に位置しているので、何らかの異常でインクがイン
ク吸収体900から離脱しても、この大気圧供給空間1
402は、そのインクを一時的に保持でき、確実にイン
ク吸収体900に回収させることができ、無駄のない優
れたカートリッジを提供できる。
【0024】また、インクタンク14のインクジェット
ユニット13の取付面の構成は図4によって示されてい
る。オリフィスプレート400の吐出口のほぼ中心を通
って、インクタンク14の底面もしくはキャリッジ16
の表面の載置基準面に平行な直線をL1 とすると、支持
体300の穴312に係合する2つの位置決め用凸起1
012はこの直線L1 上にある。この凸起1012の高
さは支持体300の厚みよりわずかに低く、支持体30
0の位置決めを行う。この図面上で直線L1 の延長上に
は、図5に示すように、キャリッジ16の位置決め用フ
ック4001の90゜角の係合面4002が係合する爪
2100が位置しており、キャリッジ16に対する位置
決めの作用力がこの直線L1 を含む上記基準面に平行な
面領域で作用するように構成されている。後述するよう
に、これらの関係は、インクタンク14のみの位置決め
の精度がインクジェットヘッド12の吐出口の位置決め
精度と同等となるので有効な構成となる。
【0025】また、支持体300のインクタンク14側
面への固定用穴1900,2000にそれぞれ対応する
インクタンク14の突起1800,1801は前述の凸
起1012よりも長く、支持体300を貫通して突出し
た部分を熱融着して支持体300をその側面に固定する
ためのものである。上述の線L1 に垂直でこの突起18
00を通る直線L3 、突起1801を通る直線L2 とし
たとき、直線L3 上にはインク供給口1200のほぼ中
心が位置するので、インク供給口1200とインク供給
管2200との結合状態は安定化し、落下や衝撃によっ
てもこれらの結合状態への負荷が軽減される。また、直
線L2 ,L3 は一致せず、インクジェットヘッド12の
吐出口側の凸起1012周辺に突起1800,1801
が存在しているので、さらにインクジェットヘッド12
のインクタンク14に対する位置決めの補強効果を生ん
でいる。なお、曲線L4 は、インク供給部材600の装
着時の外壁位置である。突起1800,1801はその
曲線L4 に沿っているので、インクジェットヘッド12
の先端側構成の重量に対しても充分な強度と位置精度を
与えている。インクタンク14の先端ツバ2700は、
キャリッジ16の前板4000(図5)の穴に挿入され
て、インクタンク14の変位が極端に悪くなるような異
変時に対して設けられている。キャリッジ16に対する
抜け止め2101は、キャリッジ16の不図示のバーに
対して設けられ、インクジェットカートリッジ11が後
述のように旋回装着された位置でこのバーの下方に侵入
して、不要に位置決め位置から離脱させる上方方向への
力が作用しても装着状態を維持するための保護用部材で
ある。
【0026】インクタンク14は、インクジェットユニ
ット13を装着された後に蓋部材800で覆うことで、
インクジェットユニット13を下方開口を除いて包囲す
る形状となるが、インクジェットカートリッジ11とし
ては、キャリッジ16に載置するための下方開口はキャ
リッジ16と近接するため、実質的な4方包囲空間を形
成してしまう。したがって、この包囲空間内にあるイン
クジェットヘッド12からの発熱は、この空間内の保温
空間として有効となるものの、長期連続使用のときはわ
ずかな昇温となる。このため本例では、支持体300の
自然放熱を助けるためにインクジェットカートリッジ1
1の上方面に、この空間よりは小さい幅のスリット17
00を設けることにより、昇温を防止しつつもインクジ
ェットユニット13全体の温度分布の均一化を環境に左
右されないようにすることができた。
【0027】インクジェットカートリッジ11として組
立てられると、インクはカートリッジ本体1000の内
部よりインク供給口1200、支持体300に設けた穴
320およびインク供給部材600の中裏面側に設けた
導入口を介してインク供給部材600内に供給され、そ
の内部を通った後、導出口より適宜の供給管および天板
1300のインク受け口1500を介して共通液室内へ
と流入する。以上におけるインク連通用の接続部には、
例えばシリコンゴムやブチルゴム等のパッキンが配設さ
れ、これによって封止が行なわれてインク供給路が確保
される。
【0028】上述のように、インク供給部材600、天
板1300とオリフィスプレート400、カートリッジ
本体1000をそれぞれ一体成型部品としたので、組立
て精度が高水準になるばかりでなく、大量生産時の品質
向上に極めて有効である。また、部品点数は、従来品に
比べ減少しているので、所望の優れた特性を確実に発揮
できる。
【0029】また、本実施例においては、インクジェッ
トカートリッジ11の組立て後に、図1に示すように、
インク供給部材600の上面部603と、インクタンク
14の細長い開口部1700を備えた屋根部の端部40
08との間に、すき間1701が存在するようになって
いる。同様に、インク供給部材600の下面部604
と、インクタンク14の下方の蓋部材800が接着され
る薄板部材のヘッド側端部4011との間に、すき間
(不図示)が形成されている。これらのすき間は、上記
開口部1700の放熱作用を一層促進するとともに、イ
ンクタンク14に加わる不要な力があったとしても、こ
れが直接、インク供給部材600、ひいてはインクジェ
ットユニット13に加わることを防止している。
【0030】いずれにしても、本実施例の上述した構成
は従来にはないものであり、それぞれが単独で有効な効
果をもたらすとともに、組み合わさっていることにより
格別の効果を奏するものである。次に、キャリッジ16
に対するインクジェットカートリッジ11の取り付けに
ついて説明する。
【0031】図5において、プラテンローラ5000
は、記録媒体5200(例えば記録紙など)を図示紙背
方向から紙表面方向へ案内する。キャリッジ16はプラ
テンローラ5000の長手方向に沿って移動するもの
で、キャリッジ16の前方すなわちプラテンローラ50
00側にあってインクジェットカートリッジ11の前面
側に位置する前板4000(厚さ2mm)と、後述する電
気接続部用支持板4003と、インクジェットカートリ
ッジ11を所定の記録位置に固定するための位置決め用
フック4001とが設けられている。前板4000は、
インクジェットカートリッジ11の支持体300の突起
2500,2600に対応する2個の位置決め用突出面
4010を有し、インクジェットカートリッジ11の装
着後はこの突出面4010に向かう垂直な力を受ける。
このため、補強用のリブが前板4000のプラテンロー
ラ5000側に、その垂直な力の方向に向かっているリ
ブ(不図示)を複数有している。このリブは、インクジ
ェットカートリッジ11装着時の前面位置L5 よりもわ
ずかに(約0.1mm程度)プラテンローラ5000側に
突出しているヘッド保護用突出部をも形成している。支
持板4003は、図示紙面に垂直方向に伸びる複数の補
強用リブ4004を有し、それらの側方への突出割合
は、プラテンローラ5000側からフック4001側に
向かうにつれて減少し、このことによってインクジェッ
トカートリッジ11が、図示されるように、傾斜して装
着される。また、支持板4003は、インクジェットカ
ートリッジ11の配線基板200のパッド201に対応
するパッド2011を具備したフレキシブルシート40
05と、これを裏面側から各パッド2011に対して押
圧する弾性力を発生するためのボッチ付ゴムパッドシー
ト4007とを保持する。支持板4003は、パッド2
01とパッド2011間の電気的接触状態を安定化する
ため、上記の突出面4010の作用方向とは逆方向にイ
ンクジェットカートリッジ11への作用力を及ぼすため
のフック4001側の位置決め面4006を突出面40
10に対応して設け、これらの間にパッド接触域を形成
するとともに、パッド2011対応のボッチ付ゴムシー
ト4007のボッチの変形量を一義的に規定する。位置
決め面4006は、インクジェットカートリッジ11が
記録可能な位置に固定されると、配線基板200の表面
に当接した状態となる。パッド201を前述の線L1
対して対称になるよう分布させてあるので、ボッチ付ゴ
ムパッドシート4007の各ボッチの変形量は均一にな
り、パッド2011とパッド201間の当接圧はより安
定化する。本例では、パッド201の分布は、上方、下
方2列、縦2列である。
【0032】フック4001は、固定軸4009に係合
する長穴を有し、この長穴の移動空間を利用して図の位
置から反時計方向に回動した後、プラテンローラ500
0の長手方向に向って左方側へ移動することでキャリッ
ジ16に対するインクジェットカートリッジ11の位置
決めを行なう。フック4001の移動はどのようなもの
でもよいが、レバー等で行なえる構成が好ましい。いず
れにしても、このフック4001の回動時にインクジェ
ットカートリッジ11はプラテンローラ5000側へ移
動しつつ、位置決め用突起2500,2600が前板4
000の突出面4010に当接可能な位置へと移動す
る。フック4001の左方側移動によって、90゜のフ
ック面4002がインクジェットカートリッジ11の爪
2100の90゜面に密着しつつ、インクジェットカー
トリッジ11が突起2500と突出面4010との接触
域を中心に水平面内で旋回し、最終的にパッド201と
パッド2011同志の接触が始まる。そしてフック40
01が所定位置、すなわち固定位置に保持されると、パ
ッド201とパッド2011との完全接触状態と、突起
2500,2600と突出面4010との完全面接触
と、フック面4002と爪2100の90゜面の2面接
触と、配線基板200と位置決め面4006との面接触
が同時に形成されて、キャリッジ16に対するインクジ
ェットカートリッジ11の保持が完了する。
【0033】次に、インクジェット記録装置本体の概略
について説明する。本発明が適用されるインクジェット
記録装置15の概観は、図6に示されている。ら線溝5
004の刻まれたリードスクリュー5005は、駆動モ
ータ5013の正逆回転に連動し、駆動力伝達ギア50
11,5009を介して回転駆動される。キャリッジ1
6は、取付け部5001(図5)に設けられたピン(不
図示)によってら線溝5004に対して係合し、さらに
案内レール5003に摺動自在に案内されていることに
より、図示矢印a,b方向に往復移動される。紙押え板
5002は、キャリッジ16の移動方向にわたって記録
媒体5200をプラテンローラ5000に対して押圧す
る。フォトカプラ5007,5008はキャリッジ16
のレバー5006のこの域での存在を確認して駆動モー
タ5013の回転方向の逆転等を行なうためのホームポ
ジション検知手段を構成する。インクジェットヘッド1
2の前面をキャップするキャップ部材5022は、支持
部材5016によって支持され、さらに吸引手段501
5を備え、キャップ内開口5023を介してインクジェ
ットヘッド12の吸引回復を行なう。本体支持板501
8には支持板5019が取付けられており、該支持板5
019に摺動自在に支持されたクリーニングブレード5
017は、図示しない駆動手段によって前後方向に移動
される。クリーニングブレード5017の形態は図示す
るものに限られず、公知のものが本例に適用できること
は言うまでもない。レバー5012は、吸引回復操作を
開始するためのもので、キャリッジ16と当接するカム
5020の移動にともなって移動し、駆動モータ501
3からの駆動力がギア5010やクラッチ切換等の公知
の伝達手段によって移動制御される。
【0034】これらのキャッピング,クリーニング,吸
引回復の各処理は、キャリッジ16がホームポジション
側領域にきたときリードスクリュー5005の作用によ
って、それぞれの対応位置で行なわれるようになってい
る。周知のタイミングで所望の作動を行なうようにすれ
ば、本例にはいずれも適用できる。上述における各構成
は単独でも複合的に見ても優れたものであり、本発明に
とって好ましい構成例を示している。
【0035】次に、本発明のインクジェットカートリッ
ジに用いるインク吸収体に関して詳細に説明する。この
インク吸収体は、連続気泡を内部に有する高分子弾性多
孔質体であり、耐インク性を有しインクにより変質しな
い多孔質体である。多孔質体としてはポリウレタンフォ
ームを用いることが望ましい。ポリウレタンフォームを
製造する方法としては、例えば、ポリエーテルポリオー
ルとポリイソシアネートと水とを反応させ(その他、所
望の発泡助剤、触媒、着色剤、添加剤等を使用でき
る)、多数の空孔を有する高分子化合物を合成し、これ
を必要なサイズ(ブロック)に切断し、このブロックを
燃焼ガス雰囲気下に浸し、ガスを爆発させることによっ
てセル間の膜状物質を除去する方法が望ましい。
【0036】ここで、該多孔質体の有する空孔のサイズ
には、毛管現象によりインクを保持するとともに、ヘッ
ドにインクを供給するために一定の条件がある。ところ
が、上記工程までで得られた多孔質体では、該空孔のサ
イズが大きすぎるので、該多孔質体をこのままカートリ
ッジ収納部の大きさに切断しただけでは、インク吸収体
として用いることはできない。
【0037】そこで、この空孔のサイズを所定の大きさ
にまで小さくするとともに、インクカートリッジ収納部
に収納できる大きさに加工する工程が必要となる。この
工程としては一般には該多孔質体を圧縮することが行わ
れている。本発明においては、多孔質体が下記に示す一
定の条件を満たしていれば良く、その圧縮方法に特に限
定は無い。例えば、インクタンクに収納する前にプレス
により圧縮する方法、或はインクタンクに収納する前に
熱プレスにより圧縮する方法、更には無圧縮の大きな多
孔質体をインク収納時に押込むことにより圧縮する方
法、また更には前者を組合せた方法等何れの方法によっ
ても本発明の効果を得られる。
【0038】まずこの多孔質体が、下記式(1)を満た
すように圧縮することによって本発明のインク吸収体が
得られる。 100[inch-1] ≦r1・p≦200 [inch-1] (1) (式中、r1 は、圧縮前の見かけ上の体積V1 と圧縮後
の見かけ上の体積V2との間の圧縮比(r1 =V1 /V2
)を表わし、pは、V1 の状態における1インチ当り
の空孔の数で示される空孔量を表わす。但し、pは20
〜50個 inch -1 である。)ここで1インチ当りの空孔
の数で示される空孔量pの測定は、圧縮する前の多孔質
体を3等分する面夫々の面内の両端部及び中央部の、合
計9か所の1インチ当りの空孔の数を顕微鏡の視野内で
目視にて数えた値の平均値である。更にV2は、圧縮後
の多孔質体の見かけ上の体積であるが、該多孔質体のイ
ンク収納部外におけるインクを除去し乾燥した状態の多
孔質体の見かけ上の体積としても良い。こうして得られ
た多孔質体をインクタンクに収納してインクカートリッ
ジを作成する。
【0039】また更にこの多孔質体は、下記式(2)を
満たすように圧縮されても本発明のインク吸収体が得ら
れる。 100[inch-1] ≦r2・p≦200 [inch-1] (2) (式中、r2 は、熱プレス前の見かけ上の体積V3 と熱
プレス後の見かけ上の体積V4 との間の圧縮比(r2
3 /V4 )を表わし、pは、V3 の状態における1イ
ンチ当りの空孔の数で示される空孔量を表わす。但し、
pは20〜50個 inch -1 である。)ここで1インチ当
りの空孔の数で示される空孔量pの測定方法は、上記
(1)式の説明の箇所で述べたようなpの値の測定方法
と同様である。また、V3 は、熱プレス後の見かけ上の
体積であるが、該多孔質体のインク収納部外におけるイ
ンクを除去し乾燥した状態の多孔質体の見かけ上の体積
としても良い。こうして得られた多孔質体をインクタン
クに収納してインクカートリッジを作成する。
【0040】またこの熱プレスは、熱プレスに要する時
間や熱プレス後の多孔質体のスプリングバック等を考慮
すると 180℃以上200 ℃以下に保持した熱プレス機によ
り数十分間吸収体を加熱保持することにより行なうこと
が望ましい。しかし、式(2)を満たすのであれば、 1
50℃以上 180℃以下の熱プレス温度でも良い。同様に式
(2)を満たすのであれば、6方向(6面)のプレスで
あっても良い。この熱プレスの後、必要ならばアルコー
ル溶液等により洗浄し、その後純水にてアルコールを置
換し、60度℃程度のオーブンで6時間乾燥してからイン
クタンクに収納して作成する。
【0041】こうして得られた多孔質体は、カートリッ
ジに収納され使用初期の状態においては、多孔質体の中
にインクが充分に満たされて貯蔵されている。しかしな
がら、インク収納部とインク吐出部とがバッファ機構な
しに直接に取りつけられていると、図6で示す様に、プ
リンターでのキャリッジリターン時の重力加速度が発生
すると、カートリッジ内のインクは加速度を受けた方向
に慣性力が働き、インク内の圧力変動を発生させ、イン
ク吐出部にその圧力変動の影響を及ぼす。特に、この多
孔質体の硬度が低いと、インクの動きとともに多孔質体
も変形をきたし、カートリッジ内に加わる圧力変動に同
期して減衰振動を始める。この様にインクを保持すべき
吸収体自身が振動すると、吐出部への圧力変動は大きな
ものとなってしまい、ひいては記録品位を低下させ、持
続的な吐出を行うことが困難な状態となってしまう。一
般にプリンター上のキャリッジリターンで発生する重力
加速度は、シリアルタイプのプリンターでは約0.5G
以上1.5G以下のレベルであり、熱プレスによって製
造した多孔質体の硬度の異なるものでテストした結果、
表1に示す様な結果となった。タンク内容積は約40c
c、タンク内のインク量は約30cc、カートリッジの重
量は約57gであった。テストに使用した多孔質体は、
ポリエーテルポリオールと、イソシアネートと水とを反
応させ、発泡形成させたエーテル系ポリウレタンを用い
た。熱プレスにより所望の硬度(JISK 6401に
準じて測定)に調整したウレタンフォームを、所望のサ
イズのブロックに成形し、インクタンク内に装入した。
上記フォームの各セル同志の壁を破壊する方法として、
ガス爆発法を用い、それぞれセルの通気性、連通性を高
めたウレタンスポンジを用いている。記録テストは、記
録不良や不吐が明確に認識できるテストパターンを用い
て行った。表1中の○は全く記録上問題のない条件の組
み合せを示し、△はキャリッジリターンの初期のみにド
ット欠け等の記録欠損がある組み合せ条件を示した。×
は常時記録不良や不吐が多発して発生する条件の組み合
せを示している。このことから、ウレタン吸収体に必要
な硬度は20kg・f以上が必要なことがわかる。
【0042】さらに、表2には、20kg・fと30kg・fの
硬度の吸収体でそれぞれの見かけ密度(タンク内に挿入
された時点での吸収体密度)における記録可能枚数と、
カートリッジを70cm自由落下させた時カートリッジか
らのインク漏れについてテストした結果を示す。前記見
かけ密度は、タンク内の容積と、タンクから吸収体を取
り出しインクを水洗い等により除去して乾燥させた吸収
体の重量とを測定して求めた。
【0043】前記カートリッジの作成条件で連続記録さ
せて記録テストを行った。A4版の紙に英文字1500
字の記録を連続して行い、吐出回復処理に依っても吐出
不良が回復しなくなる紙の枚数で評価した。その結果、
500枚以上の記録が可能な条件を○、500枚以下の
時を×として、表2の記録可能枚数では評価した。さら
に、インク漏れに関しては、全くもれないものを○、カ
ートリッジにインクが滲み出すものを△、完全にもれる
ものを×として評価した。以上の結果より、吸収体の見
かけ密度は0.20g/cm3 以下の時が非常に2つの点で優
れた性能を示すことがわかった。また、表には記載して
いないが、20kg・f未満の吸収体を搭載したヘッドは、
落下のインクもれが非常に多発することもわかった。
【0044】以上の様な、吸収体の物理特性を選定する
ことで、記録の不良がなく、有効にインクが使いきるこ
とが可能で、しかもインク漏れの無いカートリッジを提
供することが可能となった。また、以上の特性を得るた
めにはエーテル系ウレタンフォームの主原料であるポリ
エーテルポリオールの分子量Mwは4000以上である
ことが望ましく、この様な分子量とすることで、上記特
性は容易に達成することが可能である。さらに、吸収体
の空孔の数は約30〜50ケ・inch-1で、圧縮比は約3
程度(圧縮により、体積を約3分の1にする)のものと
すると上記特性が得られる。
【0045】この特性を得るのはエステル系ウレタン
や、他のスポンジ系のものでも良いが、耐インク性、保
存性等を考えるとエーテル系ウレタンスポンジがより好
ましい。また更にこの多孔質体は、下記式(3)を満た
すように圧縮されても本発明のインク吸収体が得られ
る。
【0046】 100[inch-1] ≦k・p≦200 [inch-1] (3) ここで、V5 はインク収納部外におけるインクを除去し
乾燥した状態の多孔質体の見かけ上の体積であり、V6
はインクを含浸してインク収納部に収納した状態の多孔
質体の見かけ上の体積である。またkは体積比であり、
k=V5 /V6を表す。
【0047】さらに、pは体積V5 時の多孔質体の1イ
ンチ当りの空孔の数で示される空孔量を表わし、20〜
50個 inch -1 である。このpの値は、以下の方法によ
り求める。先ず、多孔質体をインクタンクから取りだし
て含浸しているインクを抜いた後、多孔質体を洗浄して
乾燥させる。この洗浄は多孔質体を侵さない水溶液で行
う。例えば、水性インクの場合には、水、若しくはアル
コールで洗浄する。また、乾燥は例えば、60℃程度の
オーブンに約6時間入れて行う。その後、多孔質体をイ
ンクタンクに圧縮挿入するために加圧した、少なくとも
1つの加圧方向に対して垂直方向の面であって、該加圧
方向に多孔質体を3等分する該面夫々の面内の両端部及
び中央部の、合計9か所の1インチ当りの空孔の数を顕
微鏡の視野内で目視にて数えた値の平均値である。
【0048】インクを含浸してインク収納部に収納した
状態の多孔質体の見かけ上の体積であるV6 は、以下の
方法により求める。まず、多孔質体を収納したインクカ
ートリッジを3個用意して、1個は上下方向の内の1面
を除去し、他の1個は左右方向の1面を除去し、残りの
1個は前後方向の内の1面を除去する。この時の、上
下、左右、前後の各方向の選択は任意である。次に、除
去した面から、インクカートリッジに収納した状態での
多孔質体の縦、横、高さの寸法を求め、体積V6を算出
する。
【0049】以下、多孔質体を圧縮してインクタンクに
挿入する、種々の方法について説明する。多孔質体圧縮
挿入方法の一例を、図7を用いて概念的に説明する。断
面形状がコの字形をした治具7100および7110に
多孔質体7000を挟持し、力を加えて圧縮する。所望
の大きさまで、多孔質体7000(図7の略縦方向斜線
部)を圧縮した後、ピストン7200によって、圧縮さ
れた多孔質体7010(図7の略横方向斜線部)を、イ
ンクタンクに挿入する。
【0050】次に、多孔質体の圧縮挿入方法の他の例
を、図8に示す。ここで、用いている治具7200およ
び7210は、内のり(多孔質体7000と接触する部
分)が、なめらかな曲線で構成されている。この治具7
200および7210に多孔質体7000を挟持して、
力を加えて圧縮していくと、多孔質体7000を治具か
らはみ出させることなく、変形することができる。こう
して所望の大きさまで多孔質体7000を圧縮した後、
ピストンによって圧縮された多孔質体7010をインク
タンクに挿入する。
【0051】更に、多孔質体を圧縮する前に、インクま
たはインクと反応しない液体、たとえば純水に多孔質体
を浸漬させ、その後所望の大きさまで多孔質体を圧縮
し、そのまま冷却し、インクまたはインクと反応しない
液体を凍結させ、多孔質体に加えた圧縮を取り除いた後
も多孔質体が圧縮された所望の大きさを保持できる状態
にし、その後インクタンクに挿入する。また、多孔質体
に浸漬させた液体を凍結させるのではなく、多孔質体を
所望の大きさまで圧縮し、多孔質体そのものの材料組成
変形温度以下まで冷却し多孔質体が圧縮された所望の大
きさを保持できる状態にし、その後インクタンクに挿入
する方法もある。
【0052】また、他の方法としては、多孔質体を2ツ
折りにして挿入する方法がある。たとえば、概念図を図
9に示すように、多孔質体7000の中心付近を治具7
500にて押すことにより、多孔質体7000を2ツ折
りにしながら挿入する方法。この治具は、図10に示す
ように、インクタンクの蓋7600であっても良い。
【0053】次に、上式(1)及び(2)を満たすよう
に、種々の空孔量pの多孔質体(ポリエーテル系ポリウ
レタンフォーム)を種々の圧縮比r(r1又はr2)でプ
レスし、該多孔質体を用いて作成したインクタンクにつ
いて、インク吸収体としての必要特性を評価した結果を
表3に示す。また更に、上式(3)を満たすように、種
々の空孔量pの多孔質体(ポリエーテル系ポリウレタン
フォーム)を圧縮して挿入し、設定された体積比kを有
するように作成したインクタンクについて、インク吸収
体としての必要特性を評価した結果を表4に示す。な
お、この特性は下記方法〜によって評価した。 .連続記録特性 いかに有効にタンク内のインクを、連続して使い切れる
かを表わす特性であり、カートリッジ(内容積約40cc、
注入インク量30cc)をプリンターに搭載して所望の記録
を行い、記録可能枚数が500枚以上だったものを○、500
枚未満だったものを×とした。 .回復特性 吸引ポンプによるエアーのだき込みの回復および水頭の
増加によりメニスカスが落ちても記録が可能か否かを表
わす特性であり、カートリッジに所定の連続吸引ポンプ
を作動し続けてインク注入量の半分以上を引き出
後、記録可能だったものを○、半分以上を記録で消費し
た後3回の吸引ポンプによる吸引が可能だったものを
△、上述のいずれも不可能だったものを×とした。 .インク動特性 衝撃や振動により吸収体内のインクが移動し、吸収体の
保持力を破ってカートリッジ外に漏れ出すか否か、更に
はインクが一旦移動し偏在しても、短時間でもとの状態
に戻るか否かを表わす特性であり、r1・p、r2・p又
はk・pの値の比較的小さなものに関してはカートリッ
ジを70cmの高さから落下させてインクが漏れたものを×
とし、r1・p、r2・p又はk・pの値の比較的大きな
ものに関しては内部のインクが偏って存在する状態でカ
ートリッジを半日以上放置し、インクの70%以下しか元
の位置へ復帰しなかったものを×とした。
【0054】表3と表4に示す結果から明らかなよう
に、r1・p、r2・p又はk・pの値が100 inch-1
上200 inch-1 以下の範囲内にある多孔質体が、イン
クジェットカートリッジ用インク吸収体に要求される上
記特性において非常に優れていることが分かる。更に
は、r1・p、r2・p又はk・pの値が 120 inch-1 〜 1
50inch-1 の範囲内では特性〜の評価が全て〇であ
り、非常に好ましい範囲であることが分かる。
【0055】本発明の方法により得たインク吸収体がこ
のように優れるのは、圧縮比r1 、r2 及び体積比kが
多孔質体の空孔の疑似断面積を調整する作用を呈し、空
孔率pがセルサイズ、周囲長等を調整する作用を呈し、
これらの相関関係によりインク吸収体の好適な保持力
(水頭)が得られる為と考えられる。一般に、空孔サイ
ズが大きく圧縮比が小さいと、インクの表面張力が一定
であれば、エアーが通り易くインクの保持力は不必要に
低減する。従って、回復時にエアーが混入し易くなり、
連続記録時においてもフィルター部へエアーが集まって
きてインクの流れを阻害することとなる。更には、衝撃
や落下に際しても、インクが動き易くインク漏れなどの
原因となる。
【0056】逆に、空孔サイズが小さく圧縮比が大きい
と、インクの保持力が増し、ヘッドの吐出部に与える負
水頭が不必要に増大する。従って、記録中に負圧が高ま
り、ヘッド応答周波数が低下したり、記録濃度が薄くな
ったり、記録欠損が発生し、早期に連続記録が不可能と
なる。更には、連続ポンプにより急激に内部圧力(負
圧)が高まり、メニスカスの保持力より大きくなったと
き、吐出口よりエアーを取り込み、回復することが全く
不可能となる。更には、吸収体内のインクの移動性が低
下し、逆さ放置でヘッド保存したあと、急に記録をする
と、インクが動きにくい状態となっているため、記録欠
損も発生しやすくなる。
【0057】一方、本発明においては、r1・p、r2・p
及びk・pという特定の値を基準にしてこれを一定範囲
内にすることにより、上述のような減少が発生し難いイ
ンク吸収体が得られる。更には、本発明の方法によれ
ば、原材料としての多孔質体の1インチ当りの空孔の数
が大幅にずれていたりばらついたりしていても、ブロッ
ク等の所定サイズに切断した後、このブロック等を空孔
数の多少に応じてグループ分けしておき、各グループに
ついて式(1)を満たすプレス条件を選定して熱プレス
すれば、原材料を有効に利用でき、均一特性のインク吸
収体を簡易な工程で得ることができる。
【0058】このような簡易な工程を説明するために、
表3に示す結果を図11に、又、表4に示す結果を図1
2に示す。図11、図12では、表3及び表4において
連続記録性、回復性、及びインク動性の3つの特性が
いずれも○または△の試料を○で表し、他のものは×で
表した。この図11からは、式(1)又は(2)を満た
す範囲が臨界的効果を奏することが分かる。また、図1
2からは、式(3)を満たす範囲が臨界的効果を奏する
ことが分かる。
【0059】上記図11及び図12から、空孔量単独の
場合、pの値としては、好適には30個・inch-1以上5
0個・inch-1以下、更に好適には35個・inch-1以上4
0個・inch-1以下である。また、圧縮比単独の場合、圧
縮比の値としては、好適には2以上7以下、より好適に
は2以上5以下である。更に実用上の圧縮比としては2
以上5以下、好ましくは3以上4以下、より好適には
3.4以上3.8以下である。記録装置全体のバランス
及び、個々のインクカートリッジ間、或は個々の記録装
置間のばらつきを考慮すると、上記空孔量と上記圧縮比
の各値は任意に組み合わされて用いられても本発明の効
果は得られるが、最も好適な空孔量と圧縮比の条件とし
ては、空孔量が35個・inch-1以上40個・inch-1
下、及び圧縮比が3.4以上3.8以下である。
【0060】次に、具体的に熱プレスにより多孔質体を
製造する場合を用いて説明する。1インチ当りの空孔数
が20個以上50個以下までばらついた多孔質体を、20個以
上30個以下、30個以上40個以下、40個以上50個以下のそ
れぞれの空孔数となる領域をブロックとして取り出し、
20個以上30個以下のものは、図11のp=20とr・p=
100 の交わる点Bでの圧縮比rB からp=30とr・p=
200 の交わる点Aでの圧縮比rA までの範囲で熱プレス
を施し、30個以上40個以下のものは図11のp=30とr
・p=100 の交わる点Dでの圧縮比rD からp=40とr
・p=200の交わる点Cでの圧縮比rC までの範囲で熱
プレスを施し、40個以上50個以下のものは図11のp=
40とr・p=100 の交わる点Fでの圧縮比rF からp=
50とr・p=200 の交わる点Eでの圧縮比rE までの範
囲で熱プレスを施すことにより、20個以上50個以下のセ
ルサイズの製造上のバラツキが有っても、実使用上は全
く同一で問題の無い吸収体を提供することが可能とな
る。
【0061】このように、圧縮比r2 を適宜変える手段
としては、プレス圧力、プレス温度、プレス時間、プレ
ス方向の厚さ等、何れの条件をもパラメーターとして用
いることができる。但し、プレス温度が多孔質体の分解
開始温度(ポリウレタンにおいてはウレタン結合を切る
温度)以上とする場合は、その分解により生じるモノマ
ー等を洗浄除去することが望ましい。
【0062】更に、本発明のインク吸収体のインク排出
量と水頭との関係を図13に示す。この図において、A
1(x)は本発明の吸収体を示し、Aq2(x)はr1・p、r
2・p或はk・p夫々の値が本発明の範囲外の値である吸
収体を示す。ここに示すように本発明によれば、インク
使用中の水頭変化が非常に小さいので(△Aq1 <△A
2 )、吐出量変化が少なく、濃度変化が小さく、良好
な記録が持続できる。また、黒ベタ記録においても吸収
体の負圧変化が少いので、持続性、濃度均一性に有効で
ある(Aq1(x1END)<Aq2(x2END)。
【0063】次に、上記式(2)を満たし熱プレスによ
り圧縮した吸収体を装着したインクカートリッジと、上
記式(3)を満たすよう吸収体を装着したインクカート
リッジを温度60℃に保ち、この状態で保存時間と記録
品位の関係を調べた。その結果を図14のグラフに示
す。ここで温度60℃保存の1ヶ月は、室温における約
1年に相当する。また、記録品位は、記録紙に記録され
たものをインクのにじみ(フェザリング)や裏抜け(全
面に黒を記録した時の紙裏側へのインクの浸透)による
光学濃度の低下などの観点から総合的に評価した。評価
は官能試験により行った。1は極めて良好な記録品位、
2は良好な記録品位、3はやや良好で記録品位の許容
内、4はやや劣って記録品位の許容外、5はかなり劣る
記録品位であるレベルに相当する。以上の5段階により
複数人により評価し、その平均をとったものである。こ
のように、上記式(3)を満たすようなインクカートリ
ッジでは、上記式(2)を満たし熱プレスにより圧縮し
た吸収体を装着したインクカートリッジに比べ、不純物
の溶出が長期間低レベルに抑えられるため記録品位の劣
化は極めて少なくなることが分かる。
【0064】本発明においては、多孔質体が上記式
(1)、式(2)又は式(3)を満たすよう圧縮されて
いれば良く、その圧縮方法に特に限定は無いが、圧縮の
方向は、インク収納時のインク供給の方向を避ける事が
必要である。これは、所望のインクの保持力を獲得しつ
つ、インク供給をスムーズに行うためである。なお、圧
縮の方向は、インク供給の方向とほぼ直交する場合が最
適である。
【0065】なお、以上に説明したインク吸収体は、セ
ルロース若しくはセルロース誘導体で形成されたもので
あっても良い。更に、以上に説明したインク吸収体は、
多孔質体をポリオールとしてポリエーテルポリオールを
使用した発泡ポリウレタンで形成し、前記ポリエーテル
ポリオールが、ショ糖のプロピレンオキサイド付加物で
あっても良い。
【0066】更に、以上に説明したインク吸収体は、多
孔質体をポリオールとしてポリエーテルポリオールを使
用した発泡ポリウレタンで形成し、前記ポリエーテルポ
リオールが、ショ糖のエチレンオキサイドおよびプロピ
レンオキサイド付加物であっても良い。更に、以上に説
明したインク吸収体は、多孔質体をポリオールとしてポ
リエーテルポリオールを使用した発泡ポリウレタンで形
成し、前記ポリエーテルポリオールが、芳香族アミンの
プロピレンオキサイド付加物であっても良い。
【0067】更に、以上に説明したインク吸収体は、多
孔質体をポリオールとしてポリエーテルポリオールを使
用した発泡ポリウレタンで形成し、前記ポリエーテルポ
リオールが、芳香族アミンのエチレンオキサイド及びプ
ロピレンオキサイド付加物であっても良い。更に、以上
に説明したインク吸収体は、多孔質体をポリオールとし
てポリエーテルポリオールを使用した発泡ポリウレタン
で形成し、前記ポリエーテルポリオールが、脂肪族アミ
ンのプロピレンオキサイド付加物であっても良い。
【0068】更に、以上に説明したインク吸収体は、多
孔質体をポリオールとしてポリエーテルポリオールを使
用した発泡ポリウレタンで形成し、前記ポリエーテルポ
リオールが、脂肪族アミンのエチレンオキサイド及びプ
ロピレンオキサイド付加物であっても良い。本発明に好
適に用いられるインクとしては、非水系、水系いずれの
ものも用い得るが、特に水系のインクが好適に用いられ
る。水系インクは、水と水溶性有機溶剤、添加剤、及び
色材から基本的になるもので、水溶性有機溶剤として
は、多価アルコール類、グリコールエーテル類、含窒素
溶剤類、ラクトン類、及び脂肪族一価アルコール類等で
あるが、中でも、多価アルコール類としてグリセリン、
ジエチレングリコール、エチレングリコール、ポリエチ
レングリコール、チオジグリコール、1,2,6−ヘキ
サントリオール等が特に好適であり、また、グリコール
エーテルとしては、トリエチレングリコールモノメチル
エーテル、含窒素溶剤としては、N−メチル−2−ピロ
リドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミ
ダゾリジノン、ラクトン類としては、γ−ブチロラクト
ン、脂肪族一価アルコール類としては、エタノール、イ
ソプロピルアルコール等が特に好適で、これらを組み合
わせて用いるの一般的である。添加剤としては、界面活
性剤やpH調整剤、防カビ剤が用いられる。色材として
は、水溶性染料及び顔料が用いられ得るが、特に水溶性
染料が好適であり、中でも酸性染料、直接染料、塩基性
染料が有力である。これらの成分の好ましい含有割合
は、水が70〜95wt%、より好ましくは75〜90wt
%、水溶性有機溶剤が3〜40wt%、より好ましくは3
〜20wt%、さらに好ましくは5〜15wt%、色材が
0.5〜10wt%、より好ましくは1〜6wt%、添加剤
が0.01〜1.0wt%である。また、好適なインクの
物性としては、粘度は1〜4cp、より好ましくは1〜3
cp、表面張力は35〜65dyn/cm、pHは3〜10であ
る。
【0069】本発明は、特にインクジェット記録方式の
中でも熱エネルギ−を利用して飛翔的液滴を形成し、記
録を行うインクジェット方式の記録ヘッド、記録装置に
おいて優れた効果をもたらすものである。その代表的な
構成や原理については、例えば、米国特許第47231
29号明細書、同第4740796号明細書に開示され
ている基本的な原理を用いて行うものが好ましい。この
方式はいわゆるオンデマンド型、コンティニュアス型の
いずれにも適用可能であるが、特に、オンデマンド型の
場合には、液体(インク)が保持されているシートや液
路に対応して配置されている電気熱変換体に、記録情報
に対応していて核沸騰を越える急速な温度上昇を与える
少なくとも一つの駆動信号を印加することによって、電
気熱変換体に熱エネルギーを発生せしめ、記録ヘッドの
熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結果的にこの駆動信号
に一対一で対応した液体(インク)内の気泡を形成でき
るので有効である。この気泡の成長、収縮により吐出用
開口を介して液体(インク)を吐出させて、少なくとも
一つの滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とする
と、即時適切に気泡の成長収縮が行われるので、特に応
答性に優れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好
ましい。
【0070】このパルス形状の駆動信号としては、米国
特許第4463359号明細書、同第4345262号
明細書に記載されているようなものが適している。な
お、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許
第4313124号明細書に記載されている条件を採用
すると、さらに優れた記録を行うことができる。記録ヘ
ッドの構成としては、上述の各明細書に開示されている
ような吐出口、液路、電気熱変換体の組み合わせ構成
(直線状液流路または直角液流路)の他に熱作用部が屈
曲する領域に配置されている構成を開示する米国特許第
4558333号明細書、米国特許第4459600号
明細書を用いた構成も本発明に含まれるものである。
【0071】加えて、複数の電気熱変換体に対して、共
通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開
示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギー
の圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開
示する特開昭59−138461号公報に基づいた構成
としても本発明は有効である。さらに、記録装置が記録
できる最大記録媒体の幅に対応した長さを有するフルラ
インタイプの記録ヘッドとしては、上述した明細書に開
示されているような複数記録ヘッドの組み合わせによっ
てその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の
記録ヘッドとしての構成のいずれでもよいが、本発明
は、上述した効果を一層有効に発揮することができる。
【0072】加えて、装置本体に装着されることで、装
置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給
が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あ
るいは記録ヘッド自体に一体的にインクタンクが設けら
れたカートリッジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも
本発明は有効である。また、本発明の記録装置の構成と
して設けられる、記録ヘッドに対しての回復手段、予備
的な補助手段等を付加することは本発明の効果を一層安
定できるので好ましいものである。これらを具体的に挙
げれば、記録ヘッドに対してのキャッピング手段、クリ
ーニング手段、加圧あるいは吸引手段、電気熱変換体あ
るいはこれとは別の加熱素子あるいはこれらの組み合わ
せによる予備加熱手段、記録とは別の吐出を行う予備吐
出モードを行うことも安定した記録を行うために有効で
ある。
【0073】さらに、記録装置の記録モードとしては黒
色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッ
ドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによってで
もよいが、異なる色の複色カラー、または混色によるフ
ルカラーの少なくとも一つを備えた装置にも本発明は極
めて有効である。さらに加えて、本発明に係る記録装置
の形態としては、ワードプロセッサやコンピュータ等の
情報処理機器の画像出力端末として一体または別体に設
けられるものの他、リーダ等と組み合わせた複写装置、
さらには送受信機能を有するファクシミリ装置の形態を
採るものであっても良い。
【0074】
【表1】
【0075】
【表2】
【0076】
【表3】
【0077】
【表4】
【0078】
【発明の効果】以上説明した本発明によれば、インクジ
ェットカートリッジのインク吸収体に要求される各種特
性を満たし、かつ低コストで十分な機能を有するインク
ジェットカートリッジ用インク吸収体を得ることができ
る。本発明においては、特に、多孔質体の原材料にバラ
ツキが有っても有効に利用できるので、製造コストの低
減が図れる。更には、インク収納部に収納する前に熱プ
レスを行なうので、収納工程も容易である。
【0079】また本発明のインクジェットカートリッジ
によれば、連続記録特性、回復特性、インク動特性な
ど、インクジェットカートリッジに必要な各種特性を満
たし、かつ低コストで十分な機能を有する。更に本発明
によれば、多孔質体からなるインク吸収体に熱をかけず
に圧縮することにより、インク吸収体から溶出する不純
物の量が低減し、長期に渡ってより安定した記録品位を
保つことができるインクジェットカートリッジ及び該カ
ートリッジを用いた記録装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のインクジェット記録装置で
使用されるインクジェットカートリッジ11の斜視図で
ある。
【図2】インクジェットカートリッジ11の構成を示す
分解図である。
【図3】インクジェットヘッド12の部分斜視図であ
る。
【図4】インクタンク14のインクジェットユニット1
3を取り付ける部分の説明図である。
【図5】インクジェットカートリッジ11のインクジェ
ット記録装置15本体への取り付けの説明図である。
【図6】インクジェット記録装置15の概観を示す概略
斜視図である。
【図7】多孔質体圧縮挿入の概念図である。
【図8】多孔質体圧縮挿入の他の概念図である。
【図9】多孔質体2ツ折り挿入の概念図である。
【図10】多孔質体2ツ折り挿入の他の概念図である。
【図11】表3のデータの空孔量pと圧縮比rとの関係
を示すグラフである。
【図12】表4のデータの空孔量pと体積比kとの関係
を示すグラフである。
【図13】インク排出量と水頭との関係を示すグラフで
ある。
【図14】保存期間と記録品位ランクとの相関図であ
る。
【符号の説明】
11 インクジェットカートリッジ 12 インクジェットヘッド 13 インクジェットユニット 14 インクタンク 15 インクジェット記録装置 16 キャリッジ 30 吐出口 40 電気熱変換体 100 ヒータボード 200 配線基板 300 支持体 400 オリフィスボード 900 インク吸収体 1000 カートリッジ本体 1200 インク供給口 1401 大気連通口 1402 大気圧供給空間 4001 フック 5000 プラテンローラ 5200 記録媒体 7000 多孔質体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平3−63205 (32)優先日 平成3年3月27日(1991.3.27) (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 日隈 昌彦 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 荒島 輝雄 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 桑原 伸行 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 阿部 力 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 春田 昌宏 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−293139(JP,A) 特開 平2−122940(JP,A) 特開 平2−122938(JP,A) 特開 平2−3321(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/175

Claims (16)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吐出エネルギー発生手段と、該吐出エネ
    ルギー発生手段へ供給するためのインクを保持するイン
    ク吸収体が収納されたインク収納部を有するインクジェ
    ットカートリッジであって、該インク吸収体が圧縮され
    た連続気泡を内部に有する高分子弾性多孔質体から成
    り、該多孔質体の圧縮前の見かけ上の体積V1 と、圧縮
    後の見かけ上の体積V2 との間の圧縮比r1 (r1 =V
    1 /V2)、及び該多孔質体のV1 の状態における1イ
    ンチ当りの空孔の数で示す空孔量p(但し、pは20〜
    50個 inch -1 )が、下記式(I) 100 [inch-1]≦r1・p≦ 200 [inch-1] (I)を満た
    すことを特徴とするインクジェットカートリッジ。
  2. 【請求項2】 吐出エネルギー発生手段と、該吐出エネ
    ルギー発生手段へ供給するためのインクを保持するイン
    ク吸収体が収納されたインク収納部を有するインクジェ
    ットカートリッジであって、該インク吸収体が圧縮され
    た連続気泡を内部に有する高分子弾性多孔質体から成
    り、該多孔質体の圧縮前の見かけ上の体積V1 と、圧縮
    後であって該インク収納部外における該インクを除去し
    乾燥した状態の該多孔質体の見かけ上の体積V2 との間
    の圧縮比r1 (r1 =V1 /V2)、及び該多孔質体の
    1 の状態における1インチ当りの空孔の数で示す空孔
    量p(但し、pは20〜50個 inch -1 )が、下記式
    (I) 100 [inch-1]≦r1・p≦ 200 [inch-1] (I)を満た
    すことを特徴とするインクジェットカートリッジ。
  3. 【請求項3】 圧縮比r1 および空孔量pが下記式(I
    I) 120 [inch-1]≦r1・p≦ 150 [inch-1] (II)を満た
    す請求項1又は2に記載のインクジェットカートリッ
    ジ。
  4. 【請求項4】 大気連通口とインクをインク収納部外に
    供給するインク排出部とを夫々異なる位置に有しインク
    吸収体を内部に収納したインク収納部と、吐出エネルギ
    ー発生手段と、該吐出エネルギー発生手段へインクを供
    給するためにインクを保持するインク室と、該インク収
    納部内のインク吸収体に圧入されインクを案内するため
    の供給管と、を備えたインクジェットカートリッジであ
    って、該インク吸収体が圧縮された連続気泡を内部に有
    する高分子弾性多孔質体から成り、該多孔質体の圧縮前
    の見かけ上の体積V1 と圧縮後の見かけ上の体積V2
    の間の圧縮比r1 (r1 =V1 /V2 )、及び該多孔質
    体のV1 の状態における1インチ当りの空孔の数で示す
    空孔量p(但し、pは20〜50個 inch -1 )が、下記
    式 (III) 100 [inch-1]≦r1・p≦ 200 [inch-1] (III)を満た
    すことを特徴とするインクジェットカートリッジ。
  5. 【請求項5】 吐出エネルギー発生手段と、該吐出エネ
    ルギー発生手段へ供給するためのインクを保持するイン
    ク吸収体が収納されたインク収納部を有するインクジェ
    ットカートリッジであって該インク吸収体が熱プレスに
    より圧縮された連続気泡を内部に有する高分子弾性多孔
    質体から成り、該多孔質体の熱プレス前の見かけ上の体
    積V3 と熱プレス後の見かけ上の体積V4 との間の圧縮
    比r2(r2 =V3 /V4 )、及び該多孔質体のV3
    状態における1インチ当りの空孔の数で示す空孔量p
    (但し、pは20〜50個 inch -1 )が、下記式(IV) 100 [inch-1]≦r2・p≦ 200 [inch-1] (IV)を満た
    すことを特徴とするインクジェットカートリッジ。
  6. 【請求項6】 吐出エネルギー発生手段と、該吐出エネ
    ルギー発生手段へ供給するためのインクを保持するイン
    ク吸収体が収納されたインク収納部を有するインクジェ
    ットカートリッジであって該インク吸収体が熱プレスに
    より圧縮された連続気泡を内部に有する高分子弾性多孔
    質体から成り、該多孔質体の熱プレス前の見かけ上の体
    積V3 と、熱プレス後であって該インク収納部外におけ
    る該インクを除去し乾燥した状態の該多孔質体の見かけ
    上の体積V4 との間の圧縮比r2 (r2 =V3 /V
    4 )、及び該多孔質体のV3 の状態における1インチ当
    りの空孔の数で示す空孔量p(但し、pは20〜50個
    inch -1 )が、下記式(IV) 100 [inch-1]≦r2・p≦ 200 [inch-1] (IV)を満た
    すことを特徴とするインクジェットカートリッジ。
  7. 【請求項7】 圧縮比r2 および空孔量pが下記式
    (V) 120 [inch-1]≦r2・p≦ 150 [inch-1] (V)を満た
    す請求項5又は6に記載のインクジェットカートリッ
    ジ。
  8. 【請求項8】 大気連通口とインクをインク収納部外に
    供給するインク排出部とを夫々異なる位置に有しインク
    吸収体を内部に収納したインク収納部と、吐出エネルギ
    ー発生手段と、該吐出エネルギー発生手段へインクを供
    給するためにインクを保持するインク室と、該インク収
    納部内のインク吸収体に圧入されインクを案内するため
    の供給管と、を備えたインクジェットカートリッジであ
    って、該インク吸収体が熱プレスにより圧縮された連続
    気泡を内部に有する高分子弾性多孔質体から成り、該多
    孔質体の熱プレス前の見かけ上の体積V3 と熱プレス後
    の見かけ上の体積V4 との間の圧縮比r2 (r2 =V3
    /V4 )、及び該多孔質体のV3 の状態における1イン
    チ当りの空孔の数で示す空孔量p(但し、pは20〜5
    0個 inch -1 )が、下記式(VI) 100 [inch-1]≦r2・p≦ 200 [inch-1] (VI)を満た
    すことを特徴とするインクジェットカートリッジ。
  9. 【請求項9】 吐出エネルギー発生手段と、該吐出エネ
    ルギー発生手段へ供給するためのインクを保持するイン
    ク吸収体が収納されたインク収納部を有するインクジェ
    ットカートリッジであって、該インク吸収体が連続気泡
    を内部に有する高分子弾性多孔質体から成り、該インク
    収納部外における該インクを除去し乾燥した状態の該多
    孔質体の見かけ上の体積V5 と、該インク収納部に収納
    し該インクを含浸した状態の該多孔質体の見かけ上の体
    積V6 との体積比k(k=V5/V6)、及び該多孔質体
    のV5 の状態における1インチ当りの空孔の数で示す空
    孔量p(但し、pは20〜50個 inch -1 )が、下記式
    (VI) 100 [inch-1]≦k・p≦ 200 [inch-1] (VI)を満た
    すことを特徴とするインクジェットカートリッジ。
  10. 【請求項10】 体積比kおよび空孔量pが下記式(VI
    I) 120 [inch-1]≦k・p≦ 150 [inch-1] (VII)を満
    たす請求項9に記載のインクジェットカートリッジ。
  11. 【請求項11】 インクをインク収納部外に供給するイ
    ンク排出部と大気連通口とを夫々異なる位置に有しイン
    ク吸収体を内部に収納したインク収納部と、吐出エネル
    ギー発生手段と、該吐出エネルギー発生手段へインクを
    供給するためにインクを保持するインク室と、該インク
    収納部内のインク吸収体に圧入されインクを案内するた
    めの供給管と、を備えたインクジェットカートリッジで
    あって、該インク吸収体が連続気泡を内部に有する高分
    子弾性多孔質体から成り、該インク収納部外における該
    インクを除去し乾燥した状態の該多孔質体の見かけ上の
    体積V5 と、該インク収納部に収納し該インクを含浸し
    た状態の該多孔質体の見かけ上の体積V6 との体積比k
    (k=V5 /V6 )、及び該多孔質体のV5 の状態にお
    ける1インチ当りの空孔の数で示す空孔量p(但し、p
    20〜50個 inch -1 )が、下記式(VIII) 100 [inch-1]≦k・p≦ 200 [inch-1] (VIII)を満
    たすことを特徴とするインクジェットカートリッジ。
  12. 【請求項12】 多孔質体が、少なくともポリエーテル
    ポリオールとポリイソシアネートと水との反応によって
    得たポリエーテル系ポリウレタンフォームである請求項
    1〜11の何れかの項に記載のインクジェットカートリ
    ッジ。
  13. 【請求項13】 インク収納部には、インクを含浸した
    多孔質体が収納されている請求項1〜11の何れかの項
    に記載のインクジェットカートリッジ。
  14. 【請求項14】 インク収納部内に収納された多孔質体
    の見かけ密度が0.20/cm3 以下である請求項1〜
    11の何れかの項に記載のインクジェットカートリッ
    ジ。
  15. 【請求項15】 請求項1〜11の何れかの項に記載の
    インクジェットカートリッジを有し、該インクジェット
    カートリッジを所定方向へ移動可能なキャリッジと、吐
    出エネルギー発生手段に電気信号を供給する手段とを有
    するインクジェット記録装置。
  16. 【請求項16】 吐出エネルギー発生手段は、電気信号
    の供給によってインク内に膜沸騰を生じさせる熱エネル
    ギー発生手段である請求項15に記載のインクジェット
    記録装置。
JP15922591A 1990-07-10 1991-06-29 インクジェットカートリッジ及び該カートリッジを用いた記録装置 Expired - Lifetime JP3160312B2 (ja)

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