JPH06115086A - インクタンクおよび該タンクを用いる記録装置 - Google Patents

インクタンクおよび該タンクを用いる記録装置

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JPH06115086A
JPH06115086A JP28967292A JP28967292A JPH06115086A JP H06115086 A JPH06115086 A JP H06115086A JP 28967292 A JP28967292 A JP 28967292A JP 28967292 A JP28967292 A JP 28967292A JP H06115086 A JPH06115086 A JP H06115086A
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tank
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JP28967292A
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Kazuaki Masuda
和明 益田
Teruo Arashima
輝雄 荒島
Jun Kawai
潤 河合
Hiroyuki Ishinaga
博之 石永
Masami Kasamoto
雅己 笠本
Yuji Kamiyama
雄次 上山
Hiroshi Sugitani
博志 杉谷
Makiko Kimura
牧子 木村
Yasuaki Kashima
康朗 鹿島
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Abstract

(57)【要約】 【目的】NドットON・NドットOFFなどの特定吐出
パターンを繰り返して記録する場合でも、常に安定した
インク吐出を維持することを可能にし、ドットのかすれ
や吐出不良の無い高品位の記録画像を得る。 【構成】インクタンク19内に挿入されたインク吸収体
67をインク流路52、61を通して吐出口30に連通
させ、前記インク吸収体67の内部のインク供給口69
から遠くない位置に容積比率で2%〜30%の空気空間
95を設け、前記インク流路52、61内の圧力変動を
吸収して吐出口30のメニスカス振動を抑える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、記録手段から被記録材
へインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置
のインクタンクおよび該タンクを用いる記録装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】プリンター、複写機、ファクシミリ等の
機能を有する記録装置、あるいはコンピューターやワー
ドプロセッサ等を含む複合機やワークステーションの出
力機器として用いられる記録装置は、画像情報に基づい
て用紙やプラスチック薄板(OHPなど)等の被記録材
(記録媒体)に画像(文字や記号なども含む)を記録し
ていくように構成されている。前記記録装置は、使用す
る記録手段の記録方式により、インクジェット式、ワイ
ヤドット式、感熱式、熱転写式、レーザービーム式等に
分けることができる。
【0003】被記録材の搬送方向(副走査方向)と交叉
する方向に主走査する記録方式を採るシリアルタイプの
記録装置においては、被記録材を所定の記録位置にセッ
トした後、被記録材に沿って移動(主走査)するキャリ
ッジ上に搭載した記録手段(記録ヘッド)によって画像
(文字や記号等を含む)を記録し、1行分の記録を終了
した後に所定量の紙送り(副走査)を行ない、その後に
次の行の画像を記録(主走査)するという動作を繰り返
すことにより、被記録材の所望範囲に画像が記録され
る。一方、被記録材を搬送方向に送る副走査のみで記録
するラインタイプの記録装置においては、被記録材を所
定の記録位置にセットし、一括して1行分の記録を連続
的に行ないながら所定量の紙送り(ピッチ送り)を行な
い、被記録材の全体に画像が記録される。
【0004】そのうち、インクジェット式(インクジェ
ット記録装置)は、記録手段(記録ヘッド)から被記録
材にインクを吐出して記録を行なうものであり、記録手
段のコンパクト化が容易であり、高精細な画像を高速で
記録することができ、普通紙に特別の処理を必要とせず
に記録することができ、ランニングコストが安く、ノン
インパクト方式であるため騒音が少なく、しかも、多色
のインクを使用してカラー画像を記録するのが容易であ
るなどの利点を有している。
【0005】特に、熱エネルギーを利用してインクを吐
出するインクジェット式の記録手段(記録ヘッド)は、
エッチング、蒸着、スパッタリング等の半導体製造プロ
セスを経て、基板上に製膜された電気熱変換体、電極、
液路壁、天板などを形成することにより、高密度の液路
配置(吐出口配置)を有するものを容易に製造すること
ができ、一層のコンパクト化を図ることができる。ま
た、IC技術やマイクロ加工技術の長所を活用すること
により、記録手段の長尺化や面状化(2次元化)が容易
であり、記録手段のフルマルチ化および高密度実装化も
容易である。
【0006】上記インクジェット記録装置のインクタン
クとしては、記録ヘッド部とインクタンク部を一体化し
たインクジェットカートリッジ、あるいは記録ヘッドと
インクタンクを別体にしその間をチューブ等で接続する
構成など、種々の形態のものがある。上記記録ヘッド部
とインクタンク部を一体化し、記録装置に対して着脱自
在(交換可能)に搭載されるインクジェットカートリッ
ジとして、例えば米国特許第4771295号(特開昭
63−87242号)に開示されるように、インクタン
ク内に充填した多孔質体(インク吸収体)にインクを含
浸させる方式のものがあり、このような構成のインクジ
ェットヘッドカートリッジも広く市販されている。
【0007】しかしながら、特に、このような構成のイ
ンクジェットカートリッジの従来例では、次のような改
善すべき点がある。次に、図18〜図20を参照して従
来のインクジェットカートリッジの不都合な点について
説明する。図18は従来のインクジェットカートリッジ
200の模式的縦断面図である。図18において、カー
トリッジ本体201の内部に多孔質のインク吸収体(例
えばスポンジ)202が挿入(充填)され、該インク吸
収体202にインクが含浸されている。203はカート
リッジ本体201に形成された大気連通口であり、20
4は記録ヘッド部に設けられたインク滴吐出用の複数の
微細開口(吐出口)である。
【0008】各吐出口204は、共通液室205を介し
てインク流路(インク供給管)206と連通しており、
この流路206のインクタンク側の開口(インク供給
口)207はフィルター208を介してインクタンク内
部(カートリッジ本体201の内部)に連通している。
図示の例では、前記インク供給口207は前記フィルタ
ー208を介して前記インク吸収体202に圧接され、
この圧接によるインク吸収体202の変形によって空間
209が形成されている。
【0009】上記のようなインクジェットカートリッジ
200においては、安定したインク吐出を行うために、
インクタンク(カートリッジ本体)201の内部に所定
の負圧を保持させるのが普通であり、このタイプの記録
ヘッド(記録手段)200では、スポンジ202の多孔
質による毛管力でインクを保持することにより、上記イ
ンクタンク内部の負圧を発生させている。この記録ヘッ
ド200でインクを吐出すると、吐出したインクと同体
積のインクが吐出口204内部(例えば吐出口204で
開口する液路)の毛管力によってタンク201側から供
給され、吐出口204までインクが補充される。そし
て、この繰り返しによって記録を行うことができる。
【0010】しかしながら、ある特定の吐出の繰り返し
パターンで記録する場合、記録画像がかすれたり、吐出
不良(不吐出を含む)が発生したりして、記録品位が大
きく乱れるケースがあった。このような不安定吐出を発
生し易い吐出パターンは、本願出願人の攻究により、複
数の吐出口204の全てを同時に吐出させる時に起こり
易く、かつ間欠的にON・OFFを繰り返す場合に発生
し易いことが判明している。
【0011】図19は、その典型的な吐出パターンの2
例を示す説明図である。図19において、(A)示すよ
うな1ドットON・1ドットOFFの繰り返し、あるい
は(B)に示すような2ドットON・2ドットOFFの
繰り返し、さらには、3ドットON・3ドットOFFの
繰り返し、4ドットON・4ドットOFFの繰り返しな
ど、いわゆるバーコード状のパターンでは、インクの不
安定な吐出による記録画像の品位低下が発生し易い。な
お、図19では、明瞭化のため12ドット(12個の吐
出口)で記録する場合を示すが、実際には、64ドット
あるいは128ドットなどもっと多いドット数で記録す
ることが多い。
【0012】吐出口204からインクタンク201内の
圧力変動の点からは、吐出によって吐出口204からイ
ンク流路206に圧力変動が生じる。この圧力変動を解
消するために、インク吸収体202に含まれているイン
クがインクタンク201内から流路206および共通液
室205を通して順次吐出口204へ移動し、初期の平
衡状態に復帰する。しかし、その際に、吐出口204の
メニスカス(吐出口204に形成されるインクと外気と
の界面)は、初期の位置に対して出っ張ったりあるいは
引っ込んだりして、いわゆるメニスカス振動を起こし、
この振動は経時的に減衰して初期の状態に戻る。
【0013】図20は、インクを吐出する際の上記流路
206内の圧力振動波形の経時的変化を示す図表であ
る。図20において、吐出休止時には、吐出口204内
の流路206内のインク圧力は符号Aで示すように負圧
となっている。次に吐出(1回または連続した複数回の
吐出)を開始すると、全ての吐出口(例えば64個の全
ての吐出口)204から吐出する全吐の場合、流路20
6内の圧力は符号Bで示すように大きく負圧となる。次
の瞬間には、インクタンク201側からインクが補充さ
れ、符号Cで示すように一旦正圧側への加圧状態とな
る。それ以後、この圧力振動は減衰して符号Dで示す所
定レベルに落ち着く。そして、吐出を停止すると、今度
は符号Eで示すように正圧側へ一旦大きく圧力が変化
し、以後減衰していく。
【0014】ところが、前述したような或る特定パター
ン(例えば3ドットON・3ドットOFFなど)のイン
ク吐出を繰り返すと、上記圧力振動の振幅が非常に大き
くなり、いわゆる共振現象を起こしてしまう。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、或
る特定パターンのインク吐出を繰り返すと、前記流路2
06内の圧力振動の振幅が大きくなるという共振現象を
起こしてしまい、その結果、吐出口204に形成される
インクのメニスカス(インクと外気の界面)が大きく振
動してしまう。そのような状態では、安定したインク吐
出は行われず、ドットがかすれたり吐出不良になったり
して、記録品位が著しく低下してしまうという不都合が
あった。
【0016】本発明はこのような課題を解決するために
なされたものであり、本発明の目的は、簡単な構成で、
かつコストアップを生じることがなく、どのような吐出
パターンを繰り返して記録する場合でも、常に安定した
インク吐出を維持することができ、ドットのかすれや吐
出不良の無い高品位の画像を記録することが可能なイン
クジェット記録装置のインクタンクおよび該タンクが装
着可能な記録装置を提供することである。
【0017】
【課題解決のための手段】請求項1の発明は、記録手段
から被記録材へインクを吐出して記録を行うインクジェ
ット記録装置のインクタンクにおいて、インク貯蔵部内
に、インクタンク内の圧力変動を吸収するための、イン
クの無い空間を設ける構成とすることにより、上記目的
を達成するものである。請求項2〜請求項5の発明は、
上記構成に加えて、前記インク貯蔵部の全部または一部
にスポンジが充填され、該スポンジにインクが含浸され
ている構成、前記インク貯蔵部は記録手段のインク吐出
部に接続され、前記インクの無い空間の位置は、インク
貯蔵部の中央部または中央部よりインク取り出し口に近
い位置である構成、前記空間は主に空気で満たされてい
る構成、あるいは、前記空間の容積は、インクタンクの
内容積の2%〜30%の範囲である構成とすることによ
り、一層効率よく、上記目的を達成するものである。
【0018】請求項8の発明は、記録手段から被記録材
へインクを吐出して記録を行う記録装置において、記録
手段へインクを供給するインクタンクは、インク貯蔵部
内に、インクタンク内の圧力変動を吸収するための、イ
ンクの無い空間を有する構成とすることにより、上記目
的を達成するものである。請求項9〜請求項12の発明
は、上記構成に加えて、前記インクタンクは、前記イン
ク貯蔵部の全部または一部にスポンジが充填され、該ス
ポンジにインクが含浸されている構成、前記インク貯蔵
部は記録手段のインク吐出部に接続され、前記インクの
無い空間の位置は、インク貯蔵部の中央部または中央部
よりインク取り出し口に近い位置である構成、前記空間
は主に空気で満たされている構成、あるいは前記空間の
容積は、インクタンクの内容積の2%〜30%の範囲で
ある構成とすることにより、一層効率よく、上記目的を
達成するものである。
【0019】
【作用】上記本発明によれば、インク貯蔵部内にインク
の無い空間を設けるので、特定吐出パターンの繰り返し
で記録する際にインク流路内に圧力振動の共振現象が発
生しても、前記空間によってその圧力変動が吸収され、
前記共振現象を抑制することができる。そのために、記
録時における吐出口のメニスカス振動が小さくなる。し
たがって、ドットかすれや吐出不良に起因する画像品位
の低下を防止することができる。
【0020】また、インク貯蔵部とインク吐出部をイン
ク供給管等で接続する場合、インクタンクのインク供給
管接続部に接続空間が生じることがあるが、この接続空
間の他に上記インク貯蔵内の空間が設けられ、該空間の
位置はインク貯蔵部の中央部もしくは該中央部よりイン
ク取り出し口に近い位置に選定されるので、上記作用を
一層効果的なものにすることができる。さらに、前記イ
ンク貯蔵部内の空間は主に空気で満たされ、その容量は
インク貯蔵部の容積の約2%〜30%の範囲であるの
で、上記作用を一層顕著なものにすることができる。
【0021】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。図1は本発明を適用したインクジェット記録装置
の一実施例の概略構成を示す模式的斜視図である。図1
において、装置本体1には螺旋溝2が刻まれたリードス
クリュー3が回転自在に軸支されており、該リードスク
リュー3は駆動モータ4の正逆回転に連動し、伝達ギア
5、6を介して回転駆動される。キャリジ7は、その支
持部8(図6)に設けられたピン(不図示)を螺旋溝2
に係合し、かつガイドレール9に摺動自在に案内されて
おり、前記駆動モータ4の正逆回転により矢印a、b方
向に往復移動する。用紙やプラスチック薄板等の被記録
材10は、プラテンローラ11によって紙送りされ、記
録位置ではキャリジ移動方向に延びる紙押え板12によ
り該プラテン11の周面に押圧されている。
【0022】フォトカプラ13、14は、キャリジ7の
レバー15のこの領域での存在を確認して駆動モータ4
の回転方向の逆転等を行うためのホームポジション検出
手段を構成している。キャリジ7には記録手段を構成す
るインクジェットカートリッジ16が搭載されている。
このインクジェットカートリッジ16は、図3に示すよ
うに、インクジェットヘッド17を含むインクジェット
ユニット18とインク貯蔵部を形成するインクタンク1
9とを一体化した構造をしている。記録領域を外れた位
置(例えばホームポジション)には、前記インクジェッ
トヘッド17の吐出口面(吐出口が配列された前面)を
密閉(キャッピング)するためのキャップ部材20が配
設されている。このキャップ部材20は、支持部材21
によって支持され、さらに吸引手段22を備え、キャッ
プ内開口23を介してインクジェットヘッド17の吸引
回復を行うように構成されている。
【0023】装置本体1の枠部材24には支持板25が
取り付けられており、該支持板25に摺動可能に支持さ
れたクリーニングブレード26は、不図示の駆動手段に
よりインクジェットヘッド17に対して前後方向に移動
可能になっている。クリーニングブレード26として
は、図示のものの他、公知の種々の形態のものを使用す
ることができる。レバー27は、吸引回復操作を開始す
るためのものであり、キャリジ7と当接するカム28の
移動に伴って移動する。そして、このレバー27の移動
に伴ってギア29やクラッチ切換え等の公知の伝達手段
を制御することにより、駆動モータ4からの駆動力の伝
達が制御される。
【0024】前述のキャッピング、クリーニング、吸引
回復の各処理は、キャリジ7がホームポジション側の領
域に来た時に、リードスクリュー3の作用によりそれぞ
れの対応位置で行われる。そして、これらの各処理は、
周知のタイミングおよびシーケンスを利用して任意の態
様で実施することができる。また、これらの各処理は単
独でも複合的にも実施することができる。
【0025】図2は図1中のインクジェットカートリッ
ジ16の外観斜視図であり、図3は該インクジェットカ
ートリッジ16の分解斜視図である。図2および図3に
おいて、インクジェットカートリッジ16は、インクジ
ェットヘッド17を含むインクジェットユニット18
と、インクを収納するインクタンク19とを一体的に組
み付けた構造をしている。前記インクジェットヘッド1
7には多数の吐出口30が一体的に形成されている。そ
して、前記インクジェットユニット18は、このインク
ジェットヘッド17を含み、該インクジェットヘッド1
7への電気配線やインク配管等をまとめたものである。
【0026】本実施例のインクジェットカートリッジ1
6は、インクの収納割合が大きいものであり、インクジ
ェットユニット18の先端部はインクタンク19の前面
より僅かに突出している。このインクジェットカートリ
ッジ(記録手段)16は、図6を参照して後述するよう
に、キャリジ7の位置決め手段および電気的接点によ
り、該キャリジ7に着脱可能に固定支持されるディスポ
ーザブルタイプのものである。
【0027】図4はインクジェットヘッド17の構造を
模式的に示す部分斜視図である。このインクジェットヘ
ッド17は、熱エネルギーを利用してインクを吐出する
インクジェット記録ヘッドであって、熱エネルギーを発
生するための電気熱変換体を備えたものである。また、
前記記録ヘッド17は、前記電気熱変換体によって印加
される熱エネルギーにより生じる膜沸騰による気泡の成
長、収縮によって生じる圧力変化を利用して、吐出口よ
りインクを吐出させ、記録を行なうものである。
【0028】図4において、インクジェットヘッド17
には、列状に設けられた複数の吐出口30からインクを
吐出させるために、印加電圧が供給されて熱エネルギー
を発生させる電気熱変換体31が各液路42ごとに配設
されている。そして、記録信号に応じて各電気熱変換体
31に駆動信号を選択的に印加することによって、該電
気熱変換体31に熱エネルギーを発生せしめて膜沸騰を
生じさせインク液路42内に気泡を形成する。そして、
この気泡の成長によって吐出口30からインク滴を吐出
させるようになっている。各電気熱変換体31はシリコ
ン基板から成るヒーターボード32上に設けられ、各電
気熱変換体31に電力を供給するアルミニウム等の配線
(不図示)とともに成膜技術により一体的に形成されて
いる。
【0029】複数のインク液路42をそれぞれ区分する
ための隔壁や各インク液路42へ供給されるインクを一
時的に収納する共通液室33等を設けた溝付き天板34
と、インクタンク19からのインクを共通液室33に導
入するためのインク受け口35(図3)と、各インク液
路42に対応した複数の吐出口30を有する吐出口プレ
ート(吐出口面を形成するプレート)36とは一体成形
されており、その材料としては、ポリスルホンが好まし
いが、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンオキシ
ド、ポリプロピレンなどの他の成形用樹脂材料を用いて
もよい。
【0030】図5は図3中のインクタンク19のインク
ジェットユニット18取り付け部を示す模式的斜視図で
あり、図6はインクジェットカートリッジ16のキャリ
ジ7への取り付け構造を示す断面図である。次に、主と
して図3を参照し、前述の各図面を参照して、インクジ
ェットユニット18の構成について説明する。
【0031】図3において、配線基板37の一端はイン
クジェットヘッド17のヒーターボード32の配線部分
と相互に接続され、さらに、配線基板37の他端部に
は、装置本体からの電気信号を受けるための各電気熱変
換体31(図4)に対応した複数個のパッド38が設け
られている。このことにより、装置本体からの電気信号
は、それぞれの電気熱変換体31に個別に供給される。
【0032】配線基板37の裏面を平面で支持する金属
製の支持体39は、インクジェットユニット18の底板
になる。押えばね40はM字形状であり、そのM字の中
央で共通液室33(図4)の外壁部分を軽圧で押圧する
とともに、その前だれ部41で液路42の一部、好まし
くは吐出口30近傍の領域を線圧で集中押圧する。ヒー
ターボード32と天板34とは、押えばね40の足部が
支持体39の孔43を通って支持体39の裏面側に係合
することによって、挟み込んだ状態で係合され、押えば
ね40とその前だれ部41の集中付勢力によって相互に
圧着固定される。
【0033】支持体39は、インクタンク19の2つの
位置決め用突起44および位置決めかつ熱融着保持用突
起45、46(図5)のそれぞれに係合する孔47、4
8、49を有する他、キャリジ7に対する位置決め用の
突起50、51を裏面側に有している。また、支持体3
9には、インクタンク19からインク流路を形成するイ
ンク供給管52を貫通させるための孔53が設けられて
いる。支持体39に対する配線基板37の取り付けは、
接着剤等による貼着で行われる。
【0034】支持体39の凹部54、55は、それぞれ
前記突起50、51の近傍に設けられており、組立てら
れたインクジェットカートリッジ16(図2)のヘッド
ユニット18の周囲の3辺に設けられた平行溝56、5
7の延長線上に位置することによりゴミやインク等の不
要物が前記突起50、51に至らないように構成されて
いる。前記平行溝56が形成されている蓋部材58は、
図6に示すように、インクジェットカートリッジ16の
外壁を形成するとともに、インクタンク19との間にイ
ンクジェットユニット18を収納する空間59を形成す
る。また、前記平行溝57が形成されているインク供給
部材60は、前記インク供給管(インク流路)52側を
固定された片持ちばりとして形成されかつ該インク流路
52に連続するインク導管(インク流路)61を有し、
さらに、インク導管61の固定側とインク供給管52と
の間の毛細管現象を確保するための封止ピン62が挿入
されている。なお、インクタンク19とインク供給管
(インク流路)52との結合部は圧入でシールされてい
る。
【0035】前記インク供給部材60は、モールド成形
で作られるので、安価で位置精度が高く、製造上の精度
低下がなく、さらに片持ちばり構造のインク導管(イン
ク流路)61による大量生産時においても、該インク導
管61のインク受け口35に対する圧接状態が安定して
いる。本実施例では、この圧接状態下で、封止用接着剤
をインク供給部材60側から流し込むだけで、より完全
な連通状態を確実に得ることができる。なお、インク供
給部材60の支持体39に対する固定は、インク供給部
材60の裏面側の2本のピン(不図示)を支持体39の
孔64、65にそれぞれ貫通させ、これを熱融着するこ
とにより簡単に行われる。この熱融着された裏面部のわ
ずかな突出領域は、インクタンク19のインクジェット
ユニット18取り付け側の側面の窪み(不図示)内に収
められるので、インクジェットユニット18の位置決め
面は正確に得られる。
【0036】次に、インクタンク19について説明す
る。インクタンク19は、基本的にカートリッジ本体6
6とインク吸収体67と蓋部材68とから成り、インク
吸収体67を上記インクジェットユニット18とは反対
側からカートリッジ本体66に挿入した後、蓋部材68
でこれを封止することにより組み立てられる。インク吸
収体67は、インクを含浸して保持するためのものであ
り、カートリッジ本体66内に配置される。インク供給
口69は、インクジェットユニット18にインクを供給
するためのものであり、その少し内部にフィルター70
が設けられている。さらに、インクタンク19には、大
気を内部に連通するための大気連通口71が設けられて
おり、該大気連通口71の内方には、該大気連通口から
のインクの漏れを防止するための撥液材72が配置され
ている。
【0037】本実施例のインクジェットカートリッジ1
6においては、インクジェットヘッド17に対する後方
面を平面化することにより、組み付け時の必要スペース
を最小化するとともにインクの収容量を最大化する構成
が採られてので、記録装置の小型化を達成できるだけで
なく、カートリッジ16の交換頻度を減少させることが
可能になっている。そして、インクジェットユニット1
8を一体化するための空間の後方部を利用して、そこに
大気連通口71用の突出部分を形成し、この突出部分の
内部を空洞化して、ここに前述したインク吸収体67厚
み全体に対する大気圧供給空間が形成されている。この
ような構成を採ることにより、優れたインクジェットカ
ートリッジ16が得られた。
【0038】なお、この大気圧供給空間73は、従来の
ものより遙かに大きな空間であり、上記大気連通口71
が上方に位置しているので、何らかの異常でインクがイ
ンク吸収体67から離脱しても、このインクを大気圧供
給空間73に一時的に保持することができ、確実にイン
ク吸収体67に回収させることができ、無駄のない優れ
たインクジェットカートリッジ16が提供される。
【0039】また、インクタンク19のインクジェット
ユニット18の取り付け面の構成は図5に示されてい
る。前記吐出口プレート36の吐出口30のほぼ中心を
通って、インクタンク19の底面もしくはキャリジ7の
表面の載置基準面に平行な直線をL1 とすると、前記支
持体39の2つの孔47のそれぞれ係合する2つの位置
決め用突起44、44はこの直線L1 (図5)上にあ
る。これらの突起44、44の高さは支持体39の厚み
より僅かに低く、支持体39の位置決めを行う。図5中
の直線L1 の延長上には、図6に示すように、キャリジ
7の位置決め用フック74の90度角の係合面75が係
合する爪76が位置しており、キャリジ7に対する位置
決め作用力が前記直線L1 (図5)を含む上記基準面に
平行な面領域で作用するように構成されている。後述す
るように、これらの関係は、インクタンク19のみの位
置決めの精度をインクジェットヘッド17の吐出口30
の位置決め精度と同等とする上で有効な構成である。
【0040】また、支持体39のインクタンク19側面
への固定用孔48、49(図3)のそれぞれに対応する
該インクタンク19の突起45、46(図5)は、前記
突起44、44よりも長く、支持体39を貫通して突出
した部分を熱融着して該支持体39をその側面に固定す
るためのものである。前記直線L1 に垂直で前記突起4
5を通る直線をL3 、前記突起46を通る直線をL2
した時、直線L3 上にはインク供給口69(図3)のほ
ぼ中心が位置するので、該インク供給口69と前記イン
ク供給管52との結合状態は安定化し、落下や衝撃によ
ってもこれらの結合状態への負荷が軽減される。
【0041】また、前記直線をL2 と前記直線をL3
一致せず、インクジェットヘッド17の吐出口30側の
突起44周辺に突起45、46が存在しているので、さ
らにインクジェットヘッド17のインクタンク19に対
する位置決め補強効果を生んでいる。なお、図5中の直
線L4 はインク供給部材60の装着時の外壁位置であ
る。前記突起45、46は該直線L4 に沿っているの
で、インクジェットヘッド17の先端側構成の重量に対
しても充分な強度と位置精度を与えている。インクタン
ク19の先端ツバ77は、キャリジ7の前板78(図
6)の穴に挿入されて、インクタンク19の変位が極端
に悪くなるような異変時に対して設けられている。
【0042】キャリジ7に対する抜け止め79(図6)
は、該キャリジ7の不図示のバーに対して設けられ、イ
ンクジェットカートリッジ16が後述のように旋回装着
された位置で該バーの下方に進入することにより、不要
に位置決め位置から離脱させる上方方向への力が作用し
ても装着状態を維持することが可能な保護用部材を形成
している。
【0043】インクタンク19は、インクジェットユニ
ット18を装着した後に蓋部材58で覆うことにより、
インクジェットユニット18をその下方開口を除いて包
囲するように形成されている。しかし、インクジェット
カートリッジ16としては、キャリジ7に載置するため
の前記下方開口がキャリジ7に近接しているため、実質
的には4方包囲空間を形成することになる。したがっ
て、この包囲空間内にあるインクジェットヘッド17か
らの熱は、該空間内を保温空間にする点で有効である。
しかし、長期連続使用の時には、わずかな昇温の原因と
なる。そこで、本実施例においては、支持体39の自然
放熱を助けるために、インクジェットカートリッジ16
の上面に前記包囲空間より小さい幅のスリット(開口
部)80が設けられている。このスリット80を設ける
ことにより、上記昇温を防止しつつ、環境に左右されず
にインクジェットユニット18全体の温度分布の均一化
を実現することができる。
【0044】インクジェットカートリッジ16として組
立てられると、インクは、カートリッジ本体66の内部
より、インク供給口69、支持体39の孔53、インク
供給部材60の中裏面側に設けられた導入口を通して、
インク供給部材60内に供給され、該インク供給部材6
0の内部を通った後、該インク供給部材60の導出口よ
り、適宜の供給管、天板34のインク受け口35を通し
て、共通液室33(図4)内へと流入する。このインク
流路は、本実施例の場合、前記インク供給管52とイン
ク導管61で形成されている。以上の経路におけるイン
ク連通用の接続部は、例えばシリコンゴムやブチルゴム
等のパッキンにより封止されるか、または圧入により封
止され、このような封止構造によりインク供給路が確保
されている。
【0045】前述のように、インク供給部材60、天板
34と吐出口プレート36、カートリッジ本体66をそ
れぞれ一体成形部品としたので、組立て精度が高水準に
なるばかりでなく、大量生産時の品質向上に極めて有効
である。また、部品点数は従来例に比べ減少しているの
で、所望の優れた特性を確実に発揮することができる。
また、本実施例においては、インクジェットカートリッ
ジ16を組立てた後に、図2に示すように、インク供給
部材60の上面部81と、インクタンク19の細長い開
口部(スリット)80が形成された屋根部材端部82と
の間に、隙間83が存在するようになっている。同様
に、インク供給部材60の下面部84(図3)と、イン
クタンク19の蓋部材68が接着される下方の薄板部材
のヘッド側端部85との間に、隙間(不図示)が形成さ
れている。
【0046】これらの隙間は、上記開口部80の放熱効
果を一層促進するとともに、インクタンク19に不要な
力が作用しても、この力が直接インク供給部材60、ひ
いてはインクジェットユニット18に作用することを防
止している。いずれにしても、本実施例の上述した構成
は、従来例では見られないものであり、それぞれ単独で
有効な効果をもたらすとともに、組み合わせることによ
り格別の効果を奏するものである。
【0047】次に、主として図6を参照して、キャリジ
7に対するインクジェットカートリッジ16の取り付け
について説明する。図6において、プラテンローラ11
は、被記録材(例えば記録紙)10を図示背面側から図
示表面側へ向かう方向へ案内する。キャリジ7はプラテ
ンローラ11の長手方向(軸方向)に沿って移動するも
のであり、該キャリジ7には、キャリジ7の前方すなわ
ちプラテンローラ11側にあってインクジェットカート
リッジ16の前面側に位置する前板78(厚さが例えば
2mm)と、後述する電気接続部用支持板86と、イン
クジェットカートリッジ16を所定の記録位置に固定す
るための位置決め用フック74とが設けられている。
【0048】前記前板78は、インクジェットカートリ
ッジ16の支持体39の突起50、51(図3)に対応
する2個の位置決め用突出面87を有し、インクジェッ
トカートリッジ16の装着後では該突出面87に向かう
垂直な力を受ける。このため、前板78のプラテンロー
ラ11側には、前記垂直な力の方向に向かっている複数
の補強用のリブ(不図示)が設けられている。このリブ
は、インクジェットカートリッジ16の装着時の前面位
置L5 よりも僅かに(例えば約0.1mm程度)プラテ
ンローラ11側へ突出しており、ヘッド保護用突出部を
兼ねている。
【0049】前記支持板86は、図示紙面に垂直に伸び
る複数の補強用リブ88を有し、これらのリブ88の高
さは、プラテンローラ11側からフック74側へ向かう
につれて段々低くなっている。このことによって、イン
クジェットカートリッジ16は図6に示すように傾斜し
た状態で取り付けられる。また、支持板86は、インク
ジェットカートリッジ16の配線基板37(図3)のパ
ッド38(図3)に対応するパッド89を有するフレキ
シブルシート90と、これを裏面側から各パッド89に
対して押圧する弾性力を発生するためのボッチ付きゴム
パッドシート91とを支持している。
【0050】前記支持板86は、前記パッド38と前記
パッド89との間の電気的接続状態を安定化するため、
上記突出面87の作用方向とは逆の方向にインクジェッ
トカートリッジ16への作用力を及ぼすためのフック7
4側の位置決め面92を突出面87に対応して設け、こ
れらの間にパッド接触域を形成するとともに、パッド8
9に対応するボッチ付きゴムシート91のボッチの変形
量を一義的に規定する。前記位置決め面92は、インク
ジェットカートリッジ16が記録可能な位置に固定され
ると、配線基板37(図3)の表面に当接した状態とな
る。前記パッド38は前述の直線L1 (図5)に関して
対称になるように分布しているので、ボッチ付きゴムパ
ッドシート91の各ボッチの変形量は均一になり、パッ
ド89とパッド38との間の当接圧は一層安定化する。
本実施例では、パッド38の分布は、上方、下方2列、
縦2列である。
【0051】図6において、フック74は、固定軸93
に係合する長孔を有し、この長孔の移動空間を利用して
図示の位置から反時計方向に回動した後、プラテンロー
ラ11の長手方向に向かって左方側へ移動することによ
り、キャリジ7に対するインクジェットカートリッジ1
6の位置決めを行う。フック74の移動はどのようなも
のでもよいが、レバー等で行ない得る構成が好ましい。
いずれにしても、このフック74の回動時に、インクジ
ェットカートリッジ16は、プラテンローラ11側へ移
動しつつ、位置決め用突起50、51が前板78の突出
面87に当接可能な位置へと移動する。フック74の左
方側移動によって、90度のフック面75がインクジェ
ットカートリッジ16の爪76の90度面に密着しつ
つ、インクジェットカートリッジ16が突起50、51
と突出面87との接触域を中心に水平面内で旋回し、最
終的にパッド38とパッド89との接触が始まる。
【0052】そして、フック74が所定位置、すなわち
固定位置に保持されると、パッド38とパッド89との
完全接触状態と、突起50、51と突出面87との完全
面接触と、フック面75と爪76の90度面の2面接触
と、配線基板37(図3)と位置決め面92との面接触
とが同時に形成される。こうして、キャリジ7に対する
インクジェットカートリッジ16の位置決め保持が完成
する。
【0053】図7は、本発明を適用したインクジェット
記録装置のインクタンクおよびインク供給系の第1実施
例を示す模式的縦断面図である。図7において、インク
タンク19を形成するカートリッジ本体66の内部には
インク吸収体(例えばスポンジ)67が挿入され、該イ
ンク吸収体67にはインクが含浸されている。したがっ
て、本実施例では、前記インク吸収体67によってイン
ク貯蔵部が形成されている。そして、インク吸収体(イ
ンク貯蔵部)67の内部には空間95が設けられ、該空
間95には空気が溜まっている。本実施例では、この空
間95は円筒状をしており、該空間95の位置はインク
貯蔵部67の中央部よりインク供給口69(インク取り
出し口94)に近い位置に選定されている。また、本実
施例では、インクタンク19の内容積に対する前記空間
95の占める割合は約5%に調整されている。なお、符
号71はインクタンク19の内部を大気に連通するため
の大気連通口を示す。
【0054】図7において、インクジェットヘッド17
(図3)の吐出口30は、液路42、共通液室33、イ
ンク流路52、61、インク供給口69を通し、フィル
ター70を介して、インク吸収体(インク貯蔵部)67
に連通している。前記フィルター70は、インク取り出
し口94において、前記インク吸収体67に圧接した状
態で装着されている。図中に符号96で示す空間は、前
記フィルター70とインク吸収体70との圧接によって
生じた接続空間である。
【0055】以上説明した実施例によれば、インク貯蔵
部67の内部に空間95を設けたので、特定パターンの
インク吐出を繰り返すことによりインク流路52、61
内に圧力振動の共振現象が発生しようとする場合でも、
その圧力吸収作用によって圧力変動を小さく抑えること
ができ、それによって、吐出口30のメニスカスの変動
を軽減(または防止)してドットのかすれや吐出不良を
防止することができ、記録品位の乱れ(低下)を防止で
き、安定した高品位の画像記録を行うことが可能になっ
た。また、従来例では、インクタンクの全数に対してイ
ンク吐出検査を長時間にわたって行う必要があり、検査
コストが非常にかかっていたが、上記実施例によれば、
このような煩雑な検査が不要となり、検査コストを大幅
に低減することが可能になった。
【0056】図8は、本発明を適用したインクジェット
記録装置のインクタンクおよびインク供給系の第2実施
例を示す模式的縦断面図である。本実施例では、上記第
1実施例の空間95と同じ形状寸法の空間95、すなわ
ちインクタンク内容積に対する容積割合が約5%の断面
円筒状の空間95が、インク貯蔵部67の略中央部に設
けられている。本実施例は、この空間95の位置が図7
の第1実施例と異なるのみであり、その他の部分では同
じ構成をしている。本実施例によっても、前述した第1
実施例の場合と同様の作用効果が得られた。
【0057】図9は、本発明を適用したインクジェット
記録装置のインクタンクおよびインク供給系の第3実施
例を示す模式的縦断面図である。本実施例では、上記第
1実施例の空間95に代えて、概略楕円形状の断面を有
する複数(図示の例では3個)の空洞から成る空間95
が設けられている。そして、この空間95は、インク供
給口69(インク取り出し口94)に比較的近い位置に
設けられている。また、本実施例においても、インクタ
ンク19の内容積に対する前記空間95の占める割合は
約5%に調整されている。本実施例は、以上の点で図7
の第1実施例と異なるのみであり、その他の部分では同
じ構成をしている。本実施例によっても、前述した第1
実施例の場合と同様の作用効果が得られた。
【0058】図10は、本発明を適用したインクジェッ
ト記録装置のインクタンクおよびインク供給系の第4実
施例を示す模式的縦断面図である。本実施例では、上記
第1実施例の空間95に代えて、インク吸収体(スポン
ジ)67の側面を凹ませることにより形成された空間9
5が設けられている。すなわち、カートリッジ本体66
の壁部の内面に柱状の突出部分97を設けることによ
り、空気が満たされる空間95が形成されている。この
空間95は、インク供給口69(インク取り出し口9
4)に比較的近い位置に設けられており、また、本実施
例では、インクタンク19の内容積に対する該空間95
の占める割合は約7%に調整されている。本実施例は、
以上の点で図7の第1実施例と異なるのみであり、その
他の部分では同じ構成をしている。本実施例によって
も、前述した第1実施例の場合と同様の作用効果が得ら
れた。なお、図10の実施例では、空間95を1箇所だ
けに設けたが、これは、前記柱状部分97をインクタン
ク19内面の複数箇所に設けて、該空間95を複数箇所
に設けてもよい。
【0059】図11は、本発明を適用したインクジェッ
ト記録装置のインクタンクおよびインク供給系の第5実
施例を示す模式的縦断面図である。本実施例は、図7の
第1実施例において、前記空間95の容積を小さく設定
したものである。すなわち、本実施例では、空気で満た
される断面円筒状の空間95は、インク貯蔵部67の中
央部よりインク供給口69(インク取り出し口94)に
近い位置に設けられており、インクタンク19の内容積
に対する該空間95の占める割合は約2%に調整されて
いる。本実施例は、以上の点で図7の第1実施例と異な
るのみであり、その他の部分では同じ構成をしている。
本実施例によっても、前述した第1実施例の場合と同様
の作用効果が得られた。
【0060】図12は、本発明を適用したインクジェッ
ト記録装置のインクタンクおよびインク供給系の第6実
施例を示す模式的縦断面図である。本実施例は、図7の
第1実施例において、前記空間95の容積を大きく設定
したものである。すなわち、本実施例では、空気で満た
される断面円筒状の空間95は、インク貯蔵部67の中
央部よりインク供給口69(インク取り出し口94)に
近い位置に設けられており、インクタンク19の内容積
に対する該空間95の占める割合は約15%に調整され
ている。本実施例は、以上の点で図7の第1実施例と異
なるのみであり、その他の部分では同じ構成をしてい
る。本実施例によっても、前述した第1実施例の場合と
同様の作用効果が得られた。
【0061】図13は、本発明を適用したインクジェッ
ト記録装置のインクタンクおよびインク供給系の第7実
施例を示す模式的縦断面図である。本実施例は、図7の
第1実施例の円筒状の空間95に代えて、四角断面の比
較的大きな空間95を設けたものである。すなわち、本
実施例では、空気で満たされる四角断面の空間95は、
インク貯蔵部67の中央部より比較的インク供給口69
(インク取り出し口94)に近い位置に設けられてお
り、インクタンク19の内容積に対する該空間95の占
める割合は約30%に調整されている。本実施例は、以
上の点で図7の第1実施例と異なるのみであり、その他
の部分では同じ構成をしている。本実施例によっても、
前述した第1実施例の場合と同様の作用効果が得られ
た。
【0062】本発明を実施するに際しては、使用条件に
左右される場合もあるが、通常では、上記空間95の容
積はインクタンク19の内容積の2%〜30%の範囲に
選定することが望ましく、また、この空間95の位置
は、インク貯蔵部67の中央部もしくは該中央部よりイ
ンク供給口69(インク取り出し口94)に近い位置に
選定することが望ましい。そこで、前述した各実施例と
比較テストを行うため、このような条件を外れた構成を
有する次のような比較例1〜3を製作した。
【0063】図14は、比較例1を示す模式的縦断面図
であり、比較例1では、図7の第1実施例における空間
95と同じ形状寸法(容積比率が約5%)の空間95
が、インク貯蔵部67の中央部よりも、インク供給口6
9(インク取り出し口94)に対して遠い部分に設けら
れている。比較例1は、この空間95の位置が図7の第
1実施例と異なるのみであり、その他の部分では同じ構
成をしている。
【0064】図15は、比較例2を示す模式的縦断面図
であり、比較例2では、図7の第1実施例の場合と同じ
位置に円筒状断面の空間(空気で満たされた空間)95
が設けられているが、この空間95の容積はインクタン
ク19の内容積の約1%(2%以下)に調整されてい
る。
【0065】図16は、比較例3を示す模式的縦断面図
であり、比較例3では、図7の第1実施例における空間
95に代えて、四角断面の大きな空間(空気で満たされ
る空間)95が設けられている。そして、比較例3にお
ける該空間95の容積は、インクタンク19の内容積の
約35%に調整されている。
【0066】図17は、前述の第1実施例〜第7実施
例、前述の比較例1〜比較例3、および図18の従来例
の記録テストの結果を示す図表である。図18の図表か
ら明らかなごとく、空間95の占める割合(インクタン
ク19の内容積に対して)が5%の場合、その位置がイ
ンク供給口69に比較的近いもの(第1実施例)および
インク貯蔵部67の中央部にあるもの(第2実施例)で
は、従来例(図18)に対して明らかに記録品位が向上
しているが、空間95の位置をインク供給口69から遠
ざけたもの(比較例1)では、効果が見られない。
【0067】また、空間95の大きさについては、イン
クタンク内容積に対する比率が2%(第3実施例)〜3
0%(第7実施例)の容積では明らかに記録品位が向上
しているが、1%のもの(比較例2)では、従来例に比
べれば良品率が向上するものの、その効果は不十分であ
った。一方、空間95の容積比率が35%のもの(比較
例3)では、インク供給口69に近い部分に過大な空間
が存在することになり、記録中に該空間95から空気を
吸引してしまって吐出不良を生じるケースがあり、その
ため、インク流路52、61内の圧力振動とは別の原因
で記録画像の乱れが生じ、NG(結果不良)であった。
また、空間95の容積が大き過ぎると、記録に使用でき
るインク量(有効量)が実質的に減少してしまい、記録
可能枚数が減ってしまうことになり、この点からも好ま
しくない。
【0068】以上の説明およびテスト結果から明らかな
ごとく、前述した第1実施例〜第7実施例によれば、イ
ンク貯蔵部67の内部に空間95を設けることにより、
特定パターンのインク吐出を繰り返して記録する際にイ
ンク流路52、61内に圧力振動の共振現象が発生する
場合でも、その圧力吸収作用によって圧力変動を小さく
抑えることができ、それによって、吐出口30のメニス
カスの変動を軽減(または防止)してドットのかすれや
吐出不良を防止することができ、記録品位の乱れ(低
下)を防止でき、安定した高品位の画像記録を行うこと
が可能なインクジェット記録装置のインクタンクが得ら
れた。また、インクタンクに起因する記録品位の乱れが
無くなることから、インクタンクの全数に対する長時間
のインク吐出検査を省略することが可能となり、検査コ
ストを大幅に低減させ得るという効果も得られた。
【0069】ところで、従来では、吐出効率を向上さ
せ、安定した液滴を吐出しつつ応答周波数を向上するた
めには、吐出用加熱手段を吐出口側により近接して配置
する程、効果があると考えられていた。この効果はある
意味では正しいが、液滴を吐出するための液供給経路の
複雑化や駆動される液路構造の設計が充実してくるにつ
れ、以下のことが判明してきた。即ち、従来の上述技術
の考え方は、本質のみではないために、技術の解明に対
して逆行していたのである。これを解明する基本的発明
が完成している。この基本的発明の概念は、本願発明に
とってより好ましい安定化状態を与えるものであり、本
発明の効果を最大限に有効化できる。ここで、この基本
的発明を簡単に説明しておく。
【0070】この基本的な第1発明は、吐出口から吐出
する液滴の体積Vd(測定は、10数滴〜所定数の液滴
を集めて平均化して求めればよい)が、吐出口から熱作
用部までの最短距離OHの変化に対して従来からは予想
できない特性を示すことを思い出したことの知見によっ
て発明されたものである。この第1発明の特徴は、この
最短距離OHと吐出液滴体積Vdとの関係グラフを作成
すると、Vdmax を与える距離OH1 を越える領域では
OHが増加する程Vdは減少し、距離OH1 より小さい
領域ではOHが減少する程Vdは減少するという特有の
変化曲線を形成することから生まれたものである。
【0071】即ち、Vdmax を与える距離OH1 を越え
るOHの値をもってヘッド構造とすることである。この
場合、吐出量を大きめにしたければ、距離OH1 側へ設
定する。このVdmax より小さい滴を与え且つ距離OH
1 より小さい距離OHの場合は、液滴の不安定要素が大
であり、逆にこの発明の特徴範囲では、液滴の不安定要
素が無くなる利点がある。つまり、均一な液滴形成を達
成できる。
【0072】又、この基本的な第2発明は、第1発明と
は別として存在し、第1発明との組み合わせも含むもの
で、熱作用面に対向する液路内容積よりも吐出口側の液
路内容積V(液体が毛細管力によって保持される容積で
メニスカスを形成した定常状態の体積)が{〔1/3・
f(KHz)+n〕×Vd}以上であることを特徴とす
る。ここで、fは最大駆動周波数であり、nについて
は、ヘッド自体あるいはヘッドへ供給される液体や固体
のインクの不定条件(例えば、クロストークが発生する
ヘッド構成やインクタンク内吸収体の供給不安定の問
題)が1つ存在していれば、n=1とし、2以上の問題
数mであればm値とするものであり、問題1つに対して
安全係数が1つ加わると考えればよい。
【0073】又、Vdは先の液滴体積である。勿論、吐
出状態を不安定にさせる問題が解決されているヘッドに
対しては、n=0となる。この特徴条件を満足すると、
所望の周波数駆動に対して高水準に均一化された滴の連
続吐出を達成できる。
【0074】このような本発明の適用される液滴吐出装
置を採用することで、本発明の効果、すなわち、簡単な
構成で、かつコストアップを生じることなく、常に安定
したインク吐出を繰り返すことができ、ドットのかすれ
や吐出不良の無い高品位の画像を記録することが可能に
なるという効果を、一層有効に発揮できる。
【0075】なお、前述の実施例では、記録ヘッド16
をキャリジ7に搭載するシリアル型記録装置の場合を例
に挙げて説明したが、本発明は、被記録材の幅の全体ま
たは一部をカバーする長さのライン型記録ヘッドを用い
る記録装置の場合にも同様に適用することができ、同様
の効果が得られるものである。また、前述の実施例で
は、1個の記録ヘッド16で記録する場合を例示した
が、本発明は、異なる色で記録する複数の記録ヘッドを
用いるカラーインクジェット記録装置、あるいは同一色
彩で濃度の異なるインクで記録する複数の記録ヘッドを
用いる階調記録用のインクジェット記録装置など、記録
ヘッドの数や記録色に関係なく広く適用することがで
き、同様の効果が得られるものである。
【0076】さらに、本発明は、前述のように記録ヘッ
ドとインクタンクを一体化した交換可能なインクジェッ
トカートリッジ16を使用する他、記録ヘッドとインク
タンクを別体にしてチューブ等で接続するなど、記録ヘ
ッドとインクタンクの配置形態がどのようなものであっ
ても、同様に適用することができ、同様の効果を達成し
得るものである。
【0077】なお、本発明は、インクジェット記録装置
であれば、例えば、ピエゾ素子等の電気機械変換体等を
用いる記録手段(記録ヘッド)を使用するものに適用で
きるが、中でも、熱エネルギーを利用してインクを吐出
する方式のインクジェット記録装置において優れた効果
をもたらすものである。かかる方式によれば、記録の高
密度化、高精細化が達成できるからである。
【0078】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行なうのが好ましい。この方式は、所謂オンデマンド
型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能である
が、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)
が保持されているシートや液路に対応して配置されてい
る電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越
える急速な温度上昇を与える少なくとも一つの駆動信号
を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギー
を発生せしめ、記録手段(記録ヘッド)の熱作用面に膜
沸騰させて、結果的にこの駆動信号に一対一に対応し液
体(インク)内の気泡を形成出来るので有効である。
【0079】この気泡の成長、収縮により吐出用開口を
介して液体(インク)を吐出させて、少なくとも一つの
滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即
時適切に気泡の成長収縮が行なわれるので、特に応答性
に優れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好まし
い。このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4
463359号明細書、同第4345262号明細書に
記載されているようなものが適している。尚、上記熱作
用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第43131
24号明細書に記載されている条件を採用すると、更に
優れた記録を行なうことができる。
【0080】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体
の組み合わせ構成(直線状液流路又は直角液流路)の他
に熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示
する米国特許第4558333号明細書、米国特許第4
459600号明細書を用いた構成も本発明に含まれる
ものである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共
通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開
示する特開昭59年第123670号公報や熱エネルギ
ーの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を
開示する特開昭59年第138461号公報に基づいた
構成としても本発明は有効である。すなわち、記録ヘッ
ドの形態がどのようなものであっても、本発明によれ
ば、記録を確実に効率よく行なうことができるようにな
るからである。
【0081】さらに、前述のように、記録装置が記録で
きる被記録材(記録媒体)の最大幅に対応した長さを有
するフルラインタイプの記録ヘッドに対しても、本発明
は有効に適用できる。そのような記録ヘッドとしては、
複数記録ヘッドの組み合わせによってその長さを満たす
構成や、一体的に形成された1個の記録ヘッドとしての
構成のいずれでもよい。加えて、上例のようなシリアル
タイプのものでも、装置本体に固定された記録ヘッド、
あるいは装置本体に装着されることで装置本体との電気
的な接続や装置本体からのインクの供給が可能になる交
換自在のチップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッ
ド自体に一体的にインクタンクが設けられたカートリッ
ジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効で
ある。
【0082】また、本発明に記録装置の構成として設け
られる記録ヘッドに対しての回復手段または予備的な補
助手段等を付加することは、本発明の効果を一層安定で
きるので好ましいものである。これらを具体的に挙げれ
ば、記録ヘッドに対しての、前述のようなキャッピング
手段、クリーニング手段、吸引回復手段の他に、加圧式
の回復手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或
はこれらの組み合わせによる予備加熱手段、記録とは別
の吐出を行なう予備吐出モードを行なうことも安定した
記録を行なうために有効である。
【0083】また、前述したように、搭載される記録ヘ
ッドの種類ないし個数についても、例えば、単色のイン
クに対応して1個のみが設けられたものの他、記録色や
濃度を異にする複数のインクに対応して複数個数設けら
れるものであってもよい。すなわち、例えば、記録装置
の記録モードとしては、黒色等の主流色のみの記録モー
ドだけではなく、記録ヘッドを一体的に構成するか複数
個の組み合わせによるか、いずれでもよいが、異なる色
の複色カラー又は、混色によるフルカラーの少なくとも
一つを備えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0084】さらに加えて、以上説明した本発明実施例
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するもの、あるいは、インクジェット方式で
は、インク自体を30℃以上70℃以下の範囲内で温度
調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあるように
温度制御するものが一般的であるから、使用記録信号付
与時にインクが液状をなすものであればよい。加えて、
積極的に熱エネルギーによる昇温をインクの固形状態か
ら液体状態への状態変化のエネルギーとして使用せしめ
ることで防止するか、または、インクの蒸発防止を目的
として放置状態で固化するインクを用いるかして、いず
れにしても、熱エネルギーの記録信号に応じた付与によ
ってインクが液化し、液状インクが吐出されるものや、
記録媒体に到達する時点ではすでに固化し始めるもの等
のような、熱エネルギーによって初めて液化する性質の
インクを使用する場合も本発明は適用可能である。
【0085】このような場合のインクは、特開昭54−
56847号公報あるいは特開昭60−71260号公
報に記載されるような、多孔質シート凹部または貫通孔
に液状または固形物として保持された状態で、電気熱変
換体に対して対向するような形態としてもよい。本発明
においては、上述した各インクに対して最も有効なもの
は、上述した膜沸騰方式を実行するものである。
【0086】さらに加えて、本発明によるインクジェッ
ト記録装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理
機器の画像出力端末として用いられるものの他、リーダ
等と組み合わせた複写装置、さらには送受信機能を有す
るファクシミリ装置の形態を採るもの等であってもよ
い。
【0087】
【発明の効果】以上の説明から明らかなごとく、請求項
1の発明によれば、記録手段から被記録材へインクを吐
出して記録を行うインクジェット記録装置のインクタン
クにおいて、インク貯蔵部内に、インクタンク内の圧力
変動を吸収するための、インクの無い空間を設ける構成
としたので、簡単な構成で、かつコストアップを生じる
ことがなく、どのような吐出パターンを繰り返して記録
する場合でも、常に安定したインク吐出を維持すること
ができ、ドットのかすれや吐出不良の無い高品位の画像
を記録することが可能なインクジェット記録装置のイン
クタンクが提供される。
【0088】請求項2〜請求項5の発明によれば、上記
構成に加えて、前記インク貯蔵部の全部または一部にス
ポンジが充填され、該スポンジにインクが含浸されてい
る構成、前記インク貯蔵部は記録手段のインク吐出部に
接続され、前記インクの無い空間の位置は、インク貯蔵
部の中央部または中央部よりインク取り出し口に近い位
置である構成、前記空間は主に空気で満たされている構
成、あるいは、前記空間の容積は、インクタンクの内容
積の2%〜30%の範囲である構成としたので、一層効
率よく、簡単な構成で、かつコストアップを生じること
がなく、どのような吐出パターンを繰り返して記録する
場合でも、常に安定したインク吐出を維持することがで
き、ドットのかすれや吐出不良の無い高品位の画像を記
録することが可能なインクジェット記録装置のインクタ
ンクが提供される。
【0089】請求項8の発明によれば、記録手段から被
記録材へインクを吐出して記録を行う記録装置におい
て、記録手段へインクを供給するインクタンクは、イン
ク貯蔵部内に、インクタンク内の圧力変動を吸収するた
めの、インクの無い空間を有する構成としたので、簡単
な構成で、かつコストアップを生じることがなく、どの
ような吐出パターンを繰り返して記録する場合でも、常
に安定したインク吐出を維持することができ、ドットの
かすれや吐出不良の無い高品位の画像を記録することが
可能な記録装置が提供される。
【0090】請求項9〜請求項12の発明によれば、上
記構成に加えて、前記インクタンクは、前記インク貯蔵
部の全部または一部にスポンジが充填され、該スポンジ
にインクが含浸されている構成、前記インク貯蔵部は記
録手段のインク吐出部に接続され、前記インクの無い空
間の位置は、インク貯蔵部の中央部または中央部よりイ
ンク取り出し口に近い位置である構成、前記空間は主に
空気で満たされている構成、あるいは前記空間の容積
は、インクタンクの内容積の2%〜30%の範囲である
構成としたので、一層効率よく、簡単な構成で、かつコ
ストアップを生じることがなく、どのような吐出パター
ンを繰り返して記録する場合でも、常に安定したインク
吐出を維持することができ、ドットのかすれや吐出不良
の無い高品位の画像を記録することが可能な記録装置が
提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるインクタンクを備えたインクジェ
ット記録装置の一実施例の要部構成を示す模式的斜視図
である。
【図2】図1中の記録手段の外観斜視図である。
【図3】図2の記録手段の分解斜視図である。
【図4】図2の記録手段のインク吐出部の構造を模式的
に示す部分斜視図である。
【図5】図3中のインクタンクをインクジェットユニッ
ト取り付け側から見た斜視図である。
【図6】図2の記録手段をキャリジに取り付ける状態を
示す横断面図である。
【図7】本発明を適用したインクジェット記録装置のイ
ンクタンクの第1実施例を示すためのインク供給系の模
式的縦断面図である。
【図8】本発明を適用したインクジェット記録装置のイ
ンクタンクの第2実施例を示すためのインク供給系の模
式的縦断面図である。
【図9】本発明を適用したインクジェット記録装置のイ
ンクタンクの第3実施例を示すためのインク供給系の模
式的縦断面図である。
【図10】本発明を適用したインクジェット記録装置の
インクタンクの第4実施例を示すためのインク供給系の
模式的縦断面図である。
【図11】本発明を適用したインクジェット記録装置の
インクタンクの第5実施例を示すためのインク供給系の
模式的縦断面図である。
【図12】本発明を適用したインクジェット記録装置の
インクタンクの第6実施例を示すためのインク供給系の
模式的縦断面図である。
【図13】本発明を適用したインクジェット記録装置の
インクタンクの第7実施例を示すためのインク供給系の
模式的縦断面図である。
【図14】インクジェット記録装置のインクタンクの比
較例1を示すためのインク供給系の模式的縦断面図であ
る。
【図15】インクジェット記録装置のインクタンクの比
較例2を示すためのインク供給系の模式的縦断面図であ
る。
【図16】インクジェット記録装置のインクタンクの比
較例3を示すためのインク供給系の模式的縦断面図であ
る。
【図17】本発明の実施例による各インクタンクとその
他の各インクタンクを使用する場合のインクジェット記
録装置の記録テストの結果を示す図表である。
【図18】従来のインクジェット記録装置のインクタン
クを用いたインク供給系を示す模式的縦断面図である。
【図19】典型的な特定吐出パターンの2例を示す説明
図である。
【図20】インクを吐出する際のインク流路内の圧力振
動波形の経時的変化を例示する図表である。
【符号の説明】
1 記録装置本体 3 リードスクリュー 4 駆動モーター 7 キャリジ 9 ガイドレール 10 被記録材 11 プラテンローラ 12 紙押え板 16 インクジェットカートリッジ(記録手段) 17 インクジェットヘッド 18 インクジェットユニット(記録手段) 19 インクタンク 20 キャップ部材 22 吸引手段 26 クリーニングブレード 30 吐出口 31 電気熱変換体 32 ヒーターボード 33 共通液室 36 吐出口プレート 37 配線基板 39 支持体 42 液路 52 インク流路(インク供給管) 60 インク供給部材 61 インク流路(インク導管) 66 カートリッジ本体 67 インク貯蔵部(インク吸収体) 68 蓋部材 69 インク供給口 70 フィルター(インク取り出し口) 71 大気連通口 73 大気圧供給空間 74 位置決め用フック 94 インク取り出し口 95 空間 96 接続空間 97 突出部分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石永 博之 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 笠本 雅己 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 上山 雄次 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 杉谷 博志 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 木村 牧子 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 鹿島 康朗 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録手段から被記録材へインクを吐出
    して記録を行うインクジェット記録装置のインクタンク
    において、インク貯蔵部内に、インクタンク内の圧力変
    動を吸収するための、インクの無い空間を設けることを
    特徴とするインクジェット記録装置のインクタンク。
  2. 【請求項2】 前記インク貯蔵部の全部または一部に
    スポンジが充填され、該スポンジにインクが含浸されて
    いることを特徴とする請求項1のインクジェット記録装
    置のインクタンク。
  3. 【請求項3】 前記インク貯蔵部は記録手段のインク
    吐出部に接続され、前記インクの無い空間の位置は、イ
    ンク貯蔵部の中央部または中央部よりインク取り出し口
    に近い位置であることを特徴とする請求項1のインクジ
    ェット記録装置のインクタンク。
  4. 【請求項4】 前記空間は主に空気で満たされている
    ことを特徴とする請求項1のインクジェット記録装置の
    インクタンク。
  5. 【請求項5】 前記空間の容積は、インクタンクの内
    容積の2%〜30%の範囲であることを特徴とする請求
    項1のインクジェット記録装置のインクタンク。
  6. 【請求項6】 前記記録手段が、インクを吐出するた
    めに利用される熱エネルギーを発生する電気熱変換体を
    備えているインクジェット記録手段であることを特徴と
    する請求項1のインクジェット記録装置のインクタン
    ク。
  7. 【請求項7】 前記記録手段が、前記電気熱変換体が
    発生する熱エネルギーによりインクに生じる膜沸騰を利
    用して、吐出口よりインクを吐出させることを特徴とす
    る請求項6のインクジェット記録装置のインクタンク。
  8. 【請求項8】 記録手段から被記録材へインクを吐出
    して記録を行う記録装置において、記録手段へインクを
    供給するインクタンクは、インク貯蔵部内に、インクタ
    ンク内の圧力変動を吸収するための、インクの無い空間
    を有することを特徴とする記録装置。
  9. 【請求項9】 前記インクタンクは、前記インク貯蔵
    部の全部または一部にスポンジが充填され、該スポンジ
    にインクが含浸されていることを特徴とする請求項8の
    記録装置。
  10. 【請求項10】 前記インク貯蔵部は記録手段のイン
    ク吐出部に接続され、前記インクの無い空間の位置は、
    インク貯蔵部の中央部または中央部よりインク取り出し
    口に近い位置であることを特徴とする請求項8の記録装
    置。
  11. 【請求項11】 前記空間は主に空気で満たされてい
    ることを特徴とする請求項8の記録装置。
  12. 【請求項12】 前記空間の容積は、インクタンクの
    内容積の2%〜30%の範囲であることを特徴とする請
    求項8の記録装置。
  13. 【請求項13】 前記記録手段が、インクを吐出する
    ために利用される熱エネルギーを発生する電気熱変換体
    を備えているインクジェット記録手段であることを特徴
    とする請求項8の記録装置。
  14. 【請求項14】 前記記録手段が、前記電気熱変換体
    が発生する熱エネルギーによりインクに生じる膜沸騰を
    利用して、吐出口よりインクを吐出させることを特徴と
    する請求項13の記録装置。
JP28967292A 1992-10-02 1992-10-02 インクタンクおよび該タンクを用いる記録装置 Pending JPH06115086A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5969739A (en) * 1992-03-18 1999-10-19 Hewlett-Packard Company Ink-jet pen with rectangular ink pipe
US8905519B2 (en) 1999-06-30 2014-12-09 Memjet Technology Ltd. Inkjet printhead assembly comprising printhead modules having converging ink galleries

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US9085148B2 (en) 1999-06-30 2015-07-21 Memjet Technology Ltd. Inkjet printhead assembly
US9168755B2 (en) 1999-06-30 2015-10-27 Memjet Technology Ltd. Inkjet printhead assembly
US9539819B2 (en) 1999-06-30 2017-01-10 Mernjet Technology Limited Inkjet printhead assembly including slotted shield plate

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